近畿運輸局勝浦海事事務所(吉武愼二所長)は「海の日」の15日、那智勝浦町勝浦のホテル浦島で「海の日記念式典」を開いた。吉武所長が海事関係の功績などをたたえる国土交通大臣表彰や近畿運輸局長表彰、船員災害防止協会近畿支部長表彰、そして第63回「海と船の絵画展」勝浦海事事務所長表彰(海と船の絵画表彰)の受賞者に表彰状を手渡した。
「海の日」は海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日として制定された祝日。「海の日」の理解と周知を図るため、全国でさまざまな行事が開かれている。
開式に当たり、吉武所長は「海事産業は物資の安定輸送を支え、国民の暮らしや経済の基盤として重要な役割を果たしている。海の安全確保や海洋環境の保護についても関係者の努力により守られている。特に安全安心の確保については私たちにとっても最大の使命であり、海事関係者が一丸となって取り組むべき問題」と式辞。「今後とも海洋国日本と、希望と誇りある地域の発展のために尽力を」と協力を求めた。
来賓の東川智昭・東牟婁振興局長は「これからも関係機関の皆さまと連携し、海の恵みを活用していけたら」とあいさつ。
田岡実千年・新宮市長が「海事に関する皆さまの協力を頂きながら、海の環境問題などに取り組んでいきたい」。堀順一郎・那智勝浦町長が「この日を、海の環境を見つめなおす一日にしていければ」とそれぞれ祝辞を述べ、荒尾典男・那智勝浦町議会議長が海と船の絵画表彰受賞者に「これからも海を大切にする気持ちを持ち続けて」と呼び掛けた。
先月、新宮港40周年記念イベントの際に入港した地球深部探査船「ちきゅう」の絵を描いて入賞した山口渉君は「家族みんなで船内を見学しました。離れた所から見ても大きかったです」と話していた。
(2019年7月18日付紙面より)
11月に水野家入部400年記念事業 (新宮市 )
水野家入部400年記念事業実行委員会(委員長・田岡実千年新宮市長)、(一財)自治総合センター主催の水野家入部400年記念事業「水野家と新宮城下町」の開催が11月9日(土)、10日(日)に決まり、新宮市役所で17日、記者発表が行われた。田岡市長は「新宮城は石垣が全国的に有名。この機会に県内外から多くの人に実物を見に来ていただけるようなイベントになれば」と呼び掛けた。
今年は元新宮領主水野家入部・浅野家移封400年を迎える節目の年。記念事業開催により、新宮城の魅力を市内外に発信し、歴史と文化のまち新宮市を広くPRし、市民意識を醸成するとともに、城郭ファンをはじめとした交流人口の拡大を図っていく。事業費は720万円。
イベント当日は水野家第20代当主・水野勝之さんをはじめ、新宮水野家の子孫であるモニカ・水野・べロイターさん、健・ヨアヒム・べロイターさんをドイツから招き、「水野家入部と新宮の発展」(仮)と題したシンポジウムを開催するほか、モニカさんと健さんを先頭に、当時の衣装を着た関係者らによる「新宮城入城ウオーク」などが催される。
水野家交流自治体である刈谷市(愛知県)、福山市(広島県)、結城市(茨城県)や、浅野家の移封先である三原市(広島県)、姉妹都市の名取市(宮城県)、昨年10月に「歴史・文化・産業交流都市協定」を締結した気仙沼市などにも参加を要請し、シンポジウムや物産展、PR展示などを展開していく。
記者発表に先立ち、田岡市長が「これを機に関係交流都市や友好都市と親交を深めるとともに、モニカ・水野・べロイターさんにも協力をお願いしドイツとの交流も期待している」とあいさつ。旧チャップマン邸を拠点とした商店街周遊イベント「ナイトタイムエコノミー」や新宮城でのステージイベント、チャンバラ合戦「IKUSA」などの開催も予定しており、事務局では随時情報を公開していくとしている。
(2019年7月18日付紙面より)
20日の海開きを前に (那智勝浦町 )
20日(土)の海開きを前に那智勝浦町の那智海水浴場で17日、町内の各種団体が協力してクリーン作戦を実施した。
同町観光企画課が毎年、関係団体に協力を呼び掛けて実施している。観光協会、南紀勝浦温泉旅館組合、民宿組合、勝浦ライオンズクラブ、南紀くろしお商工会、和歌山東漁協那智支所、浜ノ宮区、東牟婁振興局、那智勝浦ロータリークラブ、同町建設業組合、熊野交通勝浦営業所、なちかつ古道を守る会などの団体から約50人が開始前に集まった。参加者らは流木や藻くずなどの漂着物を拾い集め、県内最大の砂浜をきれいにした。
海開きは午前10時30分から期間中の安全を祈り、神事が営まれる。同町観光協会によるイベント「ビーチフラッグでお菓子をゲット」も開催する予定。
(2019年7月18日付紙面より)
JICA国別研修の一環で (串本町 )
国際協力機構(JICA)の国別研修に参加するトルコ共和国の地方幹部行政官12人が15、16日の2日間、串本町を訪問し樫野崎などの視察や田嶋勝正町長を表敬訪問するなどの研さんを積んだ。
12人はJICA北海道が公益財団法人はまなす財団に委託して展開する地方幹部行政官対象の同研修に参加。母国の課題になっている地域間格差是正のため、日本の地方行政の仕組みや活性化の手法を知り自身の任地を活性化する行動計画作成能力の向上を目指して活動している。
研修期間は6月26日から7月19日までの24日間。同財団は目的達成のため基本事項を伝える座学と参考になる地域開発モデルケースの視察や交流の2面で見識を深める機会を提供している。その中に日本とトルコの友好発祥地とされる同町への訪問を組み込み、来町するに至った。
到着した12人は真っ先に樫野崎へ赴いてトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の地を確かめ、殉難将士慰霊碑に花と国歌をささげて礼を尽くした。同行した役場総務課の計らいで霊廟に入る機会も得て、同碑に眠る先人と対面。最年長のグループリーダー、カフラマンマラシュ県ドゥルカディルオール郡のカディル・オカタン郡長(50)は「エルトゥールル号のことは小さい頃からよく聞いていて、いつかこの地に行きたいとずっと思っていた。実際に来てまたとないほどの感動が心にしみている。司令官を含む587人が犠牲になったが、69人が日本の皆さんに助けられ、このことが日本とトルコの友好を深めたし、そうあり続けることで将士の皆さんも安らかに眠れると思う。私たちはそのような先人を日本の皆さんに預けている、という思いです」と心境を語った。
その後は樫野埼灯台やトルコ記念館も巡って日本側が伝える史実への理解を深め、同町の主要観光資源・橋杭岩とそれを活性化している現地の仕組みも視察した。
町内で宿泊し16日は同町役場本庁を訪問。職員の歓迎を受け、田嶋町長はエルトゥールル号遭難救助の史実を子どもや孫の世代に伝えることに今後も頑張りたいと決意を示しつつ一行との懇談に応えるなどした。
(2019年7月18日付紙面より)
野球、バドミントン
「那智の扇祭り」を前に (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝の上に架かる大しめ縄を張り替えた。14日(日)に催行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事。雨で水量が増したことから、この日は例年より上流に張り、天候の回復を待って後日、元の場所に張り直す。
この日は午前9時から本社拝殿で奉告祭が営まれた後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが真新しいしめ縄を担いで入山した。しめ縄は長さ約26㍍、重さ4㌔。神職らは神域である滝の落ち口から約50㍍ほど上流で、命綱を着け、水につかりながら張り替えた。
現場は高さ133㍍の滝の上。ここ数日、毎日のように降っている雨の影響もあり水量が増している中、足元を確認しながら慎重に作業した。張り替えは、毎年同日と迎春準備として12月27日の年2回行われている。
(2019年7月10日付紙面より)
城南中2年生が保健体育で (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)で8日、合気道の保健体育の授業があった。2年生64人は同市元鍛冶町の合気道熊野塾道場師範の田坂光男さんと、チェコ出身で同塾の門下生オンドレイ・トラーヴニーチェックさんに教わりながら正座やあいさつの仕方、簡単な技など、合気道の基礎を学んだ。
同市の中学校では昨年まで保健体育の武道の授業で剣道が行われていた。当地方にゆかりのある合気道を生徒に知ってもらおうと、教員を務めていた田坂さんの関係からモデル授業として同校で初めて実施。計5回を行い、取り組みの中で課題などを挙げて来年度以降に他の市内中学校にもつなげていく予定にしている。
田坂さんは合気道の創始者である植芝盛平(もりへい)翁(1883~1969年)の紹介や新宮での合気道の歴史、稽古方法などを説明。今後取り組んでいく技の手本を見せ、「力の伝わり方、姿勢が大事」と述べた。二人組になった生徒は合気道の基礎となる技「肩手取り」「相どり」に挑戦。「どっち?」「これで合ってる?」などと確認しながら熱心に取り組んだ。
仮谷心さん(14)は「力の入れ方が難しかったです。初めて合気道をして手順が多くて奥深いことに驚いた。今後の授業でいろんなことを知りたい」。和平蓮君(13)は「基礎的な技だったけど、力加減が分からず難しい。授業が進むにつれて、自然と身に付けていきたい」。
田坂さんは「生徒が合気道を知ろうという姿勢を感じました。今後の授業ではさらに難しいことも増え、集中力や姿勢、精神力が必要になる。授業を通じ、普段の生活の中で成長するきっかけになれば」と話していた。
(2019年7月10日付紙面より)
生活支援体制整備学習会 (古座川町 )
古座川町中央公民館で6日、第1回生活支援体制整備事業学習会があり、町民約110人が同事業で目指す地域像を見通す機会を持った。
この事業は、介護保険制度の平成27年度改正に伴い市区町村に移行した介護予防・日常生活支援総合事業の一環。同町は町民の互助による生活支援体制の創出と定着を目指していて、前年度は手法の模索を進めつつ同町社会福祉協議会職員の宮本泰輔さんが生活支援コーディネーターとして着任した。本年度は対の関係で事業展開の核となる最上位協議体の立ち上げを目標にし、人材育成を図りながら担い手を得るためにこの学習会を複数回開くとしている。
この日はその1回目。西前啓市町長のあいさつを経て、基調講演と地域活動発表の2部構成で同事業が求められる時代背景と生活支援コーディネーターや協議体の概念、協議体の振興対象となる既存の地域活動の現状を一同で共通認識した。
基調講演は、コミュニティーネットハピネス=静岡県=の土屋幸己代表理事が「安心して暮らし続けるために今必要なこと」と題して登壇。地域包括ケアシステムの趣旨と取り巻く状況、今後顕在化する課題を踏まえて生活支援コーディネーターと協議体の必要性を導き、南アルプス市の事例を交えてイメージを培った。
専門職がこなしている支援の中で外出や家事の手助けなど互助でもできる内容を新たに地域の支え合いへ委ねることで、生活支援の量と質を向上する仕組みを形作るのが協議体の役割で、その後押しをするのが生活支援コーディネーター。これら仕組みにより誰かがではなく住民同士が主体的に互いを理解し支え合う状態を目指す状況として意識づけた。
発表では、▽明神の手芸▽高池上部の卓球と囲碁▽洞尾の寄り合い▽平井の休耕田再生―といったグループ活動が協議体を通して創出する地域活動に結び付く事例として紹介され、さわやか福祉財団=東京都=の高林稔インストラクターが各地域の活動を講評し、土屋さんが総評を述べて本年度の目標達成を促した。
土屋さんは、この生活支援体制整備事業を進める上で住民の居場所となる拠点確保の大切さや、高齢化率約52%の町域にあっては元気な高齢者が支援を必要とする高齢者を支える形が生きがいの創出や社会参加による健康寿命の増進にもつながるといった側面などにも触れながら、1回目の学習会を締めくくった。
次回は8月上旬に実施予定。宮本コーディネーターは回を重ねて関心が高い人材の育成を進めて最上位協議体を立ち上げるのが本年度の到達目標で、来年度以降に地域に根差して町民に密接する生活課題を見つけ、支援を形にする下位協議体の数を増やして地域内互助による生活支援の輪を広げたいと思い描いている。
(2019年7月10日付紙面より)
デジタル防災行政無線戸別受信機 (紀宝町 )
紀宝町は6、7日の2日間、役場防災拠点施設でデジタル防災行政無線の戸別受信機を配布した。回覧と防災行政無線で呼び掛けたところ、週末の2日間で50人が受け取った。
町が使用する防災行政無線のアナログ簡易無線が2022年で終了するため、2月からデジタル方式の受信機を町内全戸と各事業所などに無料配布してきた。
配布開始から5カ月が経ち、全戸配布が完了した地区があるものの、配布率が低い地区もあり、町では広報などを通じて周知を図ってきた。
平日に同施設内の防災対策室で受信機を配布しており、今回は働く世代の休日を狙って土曜日と日曜日に特別配布した。
職員2人が対応し、訪れた住民に受信機の使い方などを説明した。町内放送を聞いて訪れた女性は「平日は仕事が忙しくて来ることができなかった。休日に受け取ることができてよかった」と話していた。
町では今後も受信機の配布を続ける計画で、担当職員は「防災対策室で早めに受け取ってください」と呼び掛けている。
問い合わせは、同室(電話0735・33・0335)まで。
(2019年7月10日付紙面より)
13日開幕、第12回学童軟式野球大会
JA杯ソフトバレーボール大会
商業捕鯨再開後初の入札 (太地町 )
31年ぶりの商業捕鯨再開により、漁獲されたミンククジラの販売が始まった。太地町の太地漁協地方卸売市場では4日、再開後初の鯨肉の入札があった。
北海道の釧路港から1日に出港した沿岸捕鯨の船団(5隻)に、同漁協所属船の第7勝丸(竹内隆士船長)が参加。勝丸が初日に捕ったミンククジラが解体され、赤肉など約66㌔が太地町に空輸で届いた。
漁協参事の貝良文さん(59)は「再開初日に水揚げがあった上、太地の勝丸が捕ったのは倍の喜び。調査捕鯨と違って船上で血抜きするので質が良い。おいしいクジラがいち早く地元に届きありがたい」と話した。3日までに釧路港に揚がったミンククジラ4頭のうち2頭は勝丸が漁獲した。
午前8時からの入札には町内の仲買人約10人が参加。肉質を見定めながら入札した。赤肉約40㌔を落札したカネヨシ由谷水産の代表、由谷章さん(50)は「ご祝儀相場で落札させてもらった。これからの世代にクジラを食べてもらうため、刺し身で提供するだけでなく商品開発を進めていきたい」と意気込みを見せた。
太地漁協スーパーには、この日落札された赤肉が100㌘598円で店頭に並んだ。
(2019年7月5日付紙面より)
たばこ組合が啓発 (新宮市・那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業組合新宮支部(塩崎伸一支部長)は4日、JR新宮駅とJR紀伊勝浦駅で未成年者の喫煙防止を呼び掛けた。
(一社)日本たばこ協会、全国たばこ販売協同組合連合会は各団体らと協力し、2009年度より毎年7月に全国的に未成年者の喫煙防止に対する意識の向上を図っている。
新宮駅では同支部組合員7人と新宮警察署の署員2人が参加。雨天の中、未成年者の喫煙防止を訴えた。
紀伊勝浦駅では塩崎支部長ら7人と同署の署員2人が、啓発物資のポケットティッシュを駅の利用者や未成年者に声掛けをして手渡した。
塩崎支部長は「未成年の方にたばこを絶対に吸わせないために全国一斉で取り組んでいる。たばこは20歳になってからを理解していただければ」と述べ、大谷敏子女性部長は「年齢が判別しにくいお客さまもいるので販売時にはしっかりと確認をしている。今後も未成年者の健康のために活動に尽力していきたい」と語った。
同支部では啓発のほか、たばこのポイ捨て禁止などの呼び掛けを目的に年間20回ほどの清掃活動を実施している。また、喫煙者のための灰皿設置にも取り組んでいる。
昨年度の県内のたばこ税収は約10億4500万円で、支部管内では約4億5734万円だった。これらは地域や住民の日常生活に必要な施策などに活用されている。
(2019年7月5日付紙面より)
B&Gで水辺の安全教室 (串本町 )
串本町サンゴ台にある同町B&G海洋センター(伊藤俊文所長)で6月30日、講習会「体験から学ぶ水辺の安全教室」があり、町内の小学1~3年生20人が着衣泳の感覚を確かめ身近な浮く物やライフジャケットで助かる方法を学ぶなどした。
この講習会は同町ふるさと振興公社と同センターが主催、B&G財団が後援、同町教育委員会が協力。海や川などの水の事故から子どもたちを守るために同財団が提唱するプログラムに基づいた取り組みで、同センターや町内の小学校経由で参加を呼び掛ける形で年1回、水辺で遊ぶ機会が増える真夏前に開いている。
通算17回目となる今回は、同センタージュニアスイミングスクールの受講生と一般がほぼ半々の比率で参加。インストラクターの太田陽介さんが全体進行を担当し、児童は2組に分かれ中正司智さんと芝本大輝さんが直接指導をする形で体験を積んだ。
これら内容を学ぶにあたり、太田さんは「自分の命は自分で守る、という気持ちを持って水辺で遊ぼう」と事前に呼び掛け。序盤は着衣泳で、「気持ち悪い」「服がくっつく」「(水着より)動きにくい」など感想を述べながら、服を着た状態で水に落ちたときにどんな感じになるかを経験した。
中盤は服を着た状態で水に落ちたときの助かり方として、2㍑のペットボトルやバケツなど浮きの代わりになるものを抱えながらの背浮きを練習。できれば服の中にペットボトルを入れて両手が使える状態にした方がいいことや、もし友達が水に落ちてペットボトルを投げ渡さないといけないときは空っぽより少しだけ水を入れた方が遠くに飛ばしやすい、といった知恵も体験しながら学んだ。
終盤はライフジャケットを着た状態で浮く練習。大声で助けを求めると疲れて溺れやすくなるので簡単に大きな音が出せる笛が付いていることや、慌てなければジャケットの浮力だけで頭を水面上に出したままにできることも確かめた。
参加者の家族は屋内プールを見渡せる窓があるロビーから様子を見学。館内放送で太田さんの進行を聞きながら、児童と一緒に学びを深めるなどした。
(2019年7月5日付紙面より)
蝗封祭と虫送り行事 (紀宝町神内 )
紀宝町神内で3日、神内神社(宮地秀直宮司)による蝗封祭(むしふうじさい)と善光寺(一村桂晋住職)の虫送り行事が神仏習合で営まれた。
水田の虫害を防ぎ農作を祈願する法要で、古くから7月最初の丑(うし)の日に行われてきた。今年は神社、寺の関係者ら約20人が参列した。
神内神社で宮地宮司による神事を執り行い、5月に田植えした神社近くの宮田で祈とうした。
逢初(あいぞめ)ノ森に移動し、宮司が祝詞をあげた。平穏を祈念して1740年に建立された妙法華塔で虫送り行事を行い、一村住職が「虫」の文字を書いた白石を地中深くに封じ込め、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
神仏習合による虫送り行事は全国でも珍しいという。
(2019年7月5日付紙面より)