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2020年08月28日
1 「このまち大好き」 最優秀賞に小阪さんと平美さん (新宮市観光フォトコン)

 新宮市観光フォトコンテストの表彰式が26日、市役所であり、最優秀賞を獲得した新宮市の小阪享志さん(66)と平美結衣さん(15)らに賞状と記念品が贈呈された。入選した作品33点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用する他、10月30日(金)まで、市役所1階ギャラリーに展示される。

 市観光カレンダー製作実行委員会(山本大輔委員長)が主催で毎年開催しており今年で9回目。今回はテーマを「伝えたい、知ってほしい、新宮の魅力」とし、一般の部のほかに初めて中学生・高校生の部を設けた。一般の部には54人から165作品、中・高校生の部には51人から53作品の応募があった。

 一般の部では小阪さんが2回目の応募にして最優秀賞を受賞。カメラを本格的に始めたのは2年ほど前からとしながらも、インスタグラムを見るなどして技術の研さんに励んだという。作品は「孔島の暑い朝」。青い空を映す穏やかな海に浮かぶ孔島の様子を捉えた。「(最優秀賞と聞いて)びっくりの一言。うれしく思う反面恐縮しています」。

 中学生・高校生の部では、阿須賀神社本殿と境内の桜を撮影した平美さんの「このまち大好き」が最優秀賞に輝いた。賞状を受け取った平美さんは「とてもうれしい。新宮にはきれいな景色がたくさんある。これからも写真に収めていきたい」と笑顔で話した。

 山本委員長は「たくさんの方々から市内の魅力あふれる作品を応募いただいた。観光カレンダーをはじめ市の観光PRの一助となるように大いに期待したい」。

 審査員を務めた田岡実千年市長は「これほどブルーがきれいで水面が鏡になるような日は年間通しても珍しい」「桜と本殿の距離感やアングルが素晴らしい」などと作品を講評。「年々レベルが上がっている。来年の観光カレンダーも素晴らしいものが完成するとうれしく思っています」と話していた。

(2020年8月28日付紙面より)

最優秀賞「孔島の暑い朝」(小阪享志さん)
最優秀賞「このまち大好き」(平美結衣さん)
2020年08月28日
2 高齢者の安心した生活目指し
 介護保険事業計画等策定委員会  (新宮市 )

 新宮市では現在、市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画の策定に向け協議を進めている。市役所別館で26日、1回目の介護保険事業計画等策定委員会が開かれ、計画の概要や第7期計画の実績などについて意見を交わした。

 市では、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指し「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定している。

 同委員会は「市介護保険事業計画等策定委員会設置要綱」に基づき、市長から委嘱された学識経験者や保健医療関係者、福祉関係者、被保険者代表者ら12人で構成。介護保険事業計画や高齢者福祉計画の策定、高齢者福祉施策に必要な事項などの所掌の事務を遂行する。

 第8期の計画策定に当たって▽介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)▽保険者機能の強化(地域保険としての地域のつながり機能・マネジメント機能の強化)▽地域包括ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)▽認知症「共生」・「予防」の推進▽持続可能な制度の再構築・介護現場の革新―の5項目を中心に議論が進められる見通し。

 今後は計画骨子案や素案、本編、概要版の作成・修正を経てパブリックコメントを実施した後、計画策定となる。計画は3カ年で実施される。

 開会に当たり、田岡実千年市長が「第8期の事業計画においては、これまでに取り組んできた地域包括ケアシステムの推進や介護予防・健康づくりの推進、そして認知症との共生や予防の推進について、より一層取り組んでいくことになる」とあいさつ。

 市民が住み慣れた地域で健康で安心して暮らすことのできる「高齢者が安心して自立した質の高い生活を送ることができるまちづくり」の実現を目指してこれまで以上に介護保険制度の適切な運営に努めていかなければならないと述べた。

(2020年8月28日付紙面より)

開会に当たり田岡実千年市長があいさつした=26日、新宮市役所別館
2020年08月28日
3 大規模災害時の対応を確認
 地震、津波想定して総合防災訓練  (紀宝警察署 )

 大規模地震を想定し、紀宝警察署(濱口裕史署長)は27日、総合防災訓練を実施。午前7時30分、県内で震度7の地震が発生し、大津波警報が発令されたと想定し、署員36人が初動措置、人命救助、救急法の各訓練に取り組んだ。

 地震発生時に迅速、的確に行動できるよう災害対処能力の向上を図ることが目的で、毎年「防災週間(8月30日~9月5日)」に合わせて実施している。

 訓練は地震発生後、署内に対策本部を設置し、管内7カ所の交番、駐在所と無線で交信。津波避難誘導や被害状況を確認し、本部で集約した。

 資器材の扱いや車両に取り残された負傷者を救出する訓練、救急法訓練にも取り組んだ。ライフラインの寸断を想定して、平島交差点で信号機用電源付加装置の操作方法を確認し、信号が復旧するまでの間、手信号で車両を誘導した。

 新型コロナウイルス対策として、3密を避けるため全署員への訓示は行わず、濱口署長は「管内は災害が発生しやすい地形で、署では独自の訓練を定期的に行っている。今年は必要最小限の少人数で訓練した。無線訓練では現場の警察官が災害をイメージして被害状況を報告できた。今後もあらゆる想定に基づき訓練をこなしていく」と話した。

(2020年8月28日付紙面より)

地震、津波を想定した初動措置訓練=27日、紀宝警察署
車両から負傷者を救出
2020年08月28日
4 降らぬ雨対応度合い増す
 水道関係で支障連絡なし  (串本町・古座川町 )

 雨天の予報が出るもののまとまった雨が降らない串本町・古座川町域。27日現在で両町に水道関係の支障の連絡はないが、七川ダムが発電を止めて貯水位の回復にかかるなど水不足への対応の度合いが増している。

 1週間前は22日以降7日続きの曇天~雨天が予報として出され、同ダム管理事務所もその雨に期待したところ。好天続きもようやく緩み時折雨が降るようになったが、貯水のにわかな回復には結びついていない状況だ。

 県河川/雨量防災情報内で公表されている同ダムの27日午前9時時点の貯水位は97・24㍍で、同事務所によると現在は発電を止め下流の流れを保つため毎秒0・8立方㍍まで放流量を絞っている。他方で流入量は毎秒1・0~2・4立方㍍で推移していて、その差分で貯水位の回復を図っている。貯水位の変化で見る回復の勢いは1時間当たり0・5㌢前後とごくわずか。流入量増につながる雨の後押しがほしいところとなっている。

 支流域の水量も乏しく、滝ノ拝を越えようとするアユやハゼ類には好機だが下流の流れはごく弱まっている。古座川町域の水道は池野山、月野瀬、川口と明神の一部、直見(ぬくみ)、三尾川(みとがわ)、下露、平井の計7簡易水道が公営、高池を除く他の地域は民営と源流への依存度が高いが、現状でいずれも利用できる状況にあるという。串本町も一部の地域を簡易水道で支えているが、同様に支障は確認していないという。

(2020年8月28日付紙面より)

洋上の積乱雲と降雨。陸でも時折雨が降るが水は依然として不足傾向=27日、串本町津荷
2020年08月28日
5 小中高生徒数、連続減少  学校基本調査(速報値)を公表  (和歌山県 )
2020年08月28日
6 郷土への誇りと愛着育む  近大新宮中1年生が稲刈り体験  (新宮市熊野川町 )
2020年08月28日
7 リバーシブルのエコバッグ  寺子屋広場に女性8人参加  (紀宝町 )
2020年08月28日
8 海目指した跡が関心引く  上浦海岸でウミガメふ化  (串本町 )
2020年08月28日
9 川に慣れ親しむ  熊野川小児童が川遊び  (新宮市 )
2020年08月26日
10 活動や概要の詳細を報告 観光機構が町民説明会 (那智勝浦町)

 那智勝浦観光機構(NACKT)は25日、那智勝浦町体育文化会館で町民説明会を開催した。41人の町民が参加し、観光機構の概要や観光地域づくり法人(DMO)の詳細、活動内容などの説明を受けた。

 昭和30年に設置された町観光協会が今年7月31日に解散となり、今年4月に組織された同機構が観光振興と町づくりのかじ取りを担う形となった。

 これまで同機構は▽公式会員制交流サイト(SNS)で町の魅力を発信▽オンラインで町の魅力を発信し、新型コロナウイルス終息後には町に足を運んでもらうきっかけづくりを行うオンラインツアー開催▽町が行う新型コロナ関連緊急経済対策事業の一環である「町民限定プレミアム宿泊・お食事券」の販売▽バス1台につき10人以上を同町に誘客した旅行会社に助成金を交付する事業―などを実施している。

 同機構理事長の堀順一郎那智勝浦町長は「町にとって観光は主力産業。今後は時代に合わせたマーケティングや観光戦略を行い、地域の活性化につなげていきたい」とあいさつ。

 大阪観光大学観光学部の小野田金司教授が「日本の観光政策の方向性としてDMOについて」をテーマに講演。続いて、堀町長が串本町田原に建設中のロケット基地「スペースポート紀伊」の進捗状況を報告した。旧浦神小学校を見学場とする計画などを説明し、「町にとって追い風となる事業」と話した。

  □     □

■NACKTが説明



 村井弘和事務局長は同機構の組織について、交通、宿泊、観光資源・体験、物販・特産品、飲食、文化財・歴史、施設・環境整備などの7部会があることを説明し、メンバーでマーケティング担当の堀千寿子さん(専属)、プロモーション担当の西村和薫さん(専属)、観光資源の磨き上げ責任者、齊藤滋さん(業務委託)の3人を紹介した。

 村井事務局長は「基本方針、戦略を立てた上で運営を行い、従来のイベントなども分析し見直しを進めていきたい」と伝え、「『観光で稼げる町』にすることによって雇用を生み出す」「町の定住人口・交流人口を増やす」「長期滞在型観光地づくりを目指す」を基本方針に掲げていると話した。

 参加者からは「地元にあるものを活用してほしい。古いものを大事にしてほしい」「地元のスタッフの育成や住民を巻き込んだ形で事業を進めていくべきでは」などの質問が上がった。

 説明会は25日午後7時と、翌26日午後の計3回実施される。

(2020年8月26日付紙面より)

那智勝浦観光機構について説明会が行われた=25日、那智勝浦町体育文化会館
理事長の堀順一郎町長
2020年08月26日
11 黄金色に実った稲を収穫
 今年も地域の協力を得て  (神内小 )

 紀宝町立神内小学校(道中朋孝校長)の4~6年生30人が25日、学校近くの田んぼで稲刈り作業に取り組んだ。

 地域をより深く学ぶとともに、食料問題や利水の問題など農業について考えることを目的に9年前から実施。「神内生き活き協議会」(矢熊敏男会長)が協力した。田植えは例年5月に体験するが、今年は新型コロナウイルスの影響で休校だったため会員が5月5日に行った。

 この日は同協議会の猿口芳志さんが稲の刈り方をアドバイスし、川原田(かわらだ)規泰区長が「農業体験を通してお米を作っている人へ感謝の気持ちを養ってほしい」と呼び掛けた。

 児童たちは鎌を持って田んぼに入り、黄金色に育った稲を鎌で丁寧に刈り取り、会員の手を借りながら昨年を上回る約300㌔を収穫した。

 田尾心之輔君(5年)は「暑くて刈るのが大変だった」と話し、児童たちは大粒の汗を流して作業した後、水分補給をして体験を終えた。

 毎年、収穫した新米は「米作り感謝の会」で同協議会の会員、見守りサポーターにおにぎりを振る舞っているが、今年はこれから検討するという。

(2020年8月26日付紙面より)

稲刈りに取り組む児童たち=25日、紀宝町神内
2020年08月26日
12 映像通して旅行気分
 那智山でオンラインツアー  (那智勝浦町 )

 南紀熊野ジオパークガイドの会(上野一夫会長)は22日、オンラインツアー「世界遺産+ジオで二度おいしい那智山」を開催。県内外から11人が参加し、ユネスコ世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部で、同パークのジオサイトにも登録されている那智勝浦町那智山の「大門坂」と「那智の滝」を訪ねた。

 新型コロナウイルス感染症の影響で遠くまで旅行できない昨今、参加型の旅番組を通じて旅行気分を味わってもらおうと企画した。

 ツアーはビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を使用。ジオパークガイドの橋口雅美さん、平野皓大さん、山本妙子さん、平松美樹さんの4人が、現地中継やカメラ、スタジオMC、機材調整などを担当した。

 中継ではガイドが現地を歩きながら、大門坂で見られる生痕化石や、熊野酸性火成岩類の流紋岩と熊野層群の境界にある那智の滝の成り立ち、滝信仰や県指定無形民俗文化財である那智の火祭りについても解説した。参加者が映像に飽きないよう、スタジオでは「熊野那智参詣曼荼羅(まんだら)」の絵解きも行われた。

 現地中継を担当した橋口さんは「無事に1回目を終えられてほっとしています。第1回は電波環境が安定した那智山を選んだが、参加者からはフェニックス褶曲(しゅうきょく)や海側からの橋杭岩が見たいなどの意見があった。オンライン特有の難しさもあるが、要望に応えつつ、今後の観光業の可能性を広げたい」と話していた。

 9月5日(土)午後1時30分~2時50分にも同じ内容のツアーがあり、2日(水)午後5時まで申し込みを受け付けている。参加費は2200円で、定員はA席(音声対話あり)10人、B席(チャットのみ)40人。申し込みはウェブサイト(https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01p7z61157czc.html)で受け付ける。問い合わせは同会事務局(南紀熊野ジオパークセンター・電話0735・67・7730)まで。

(2020年8月26日付紙面より)

現地中継の様子(和歌山県提供)
スタジオでの「熊野那智参詣曼荼羅」絵解き(和歌山県提供)
2020年08月26日
13 詐欺被害未然防止たたえる
 コンビニ店員に感謝状  (新宮警察署 )

 新宮警察署(小畑博昭署長)は24日、特殊詐欺被害の未然防止に貢献したとして、ファミリーマート勝浦下里店店員の太田有美さんに感謝状を贈った。

 太田さんは7月30日、同店に来店した高齢男性客が6万5千円分の電子マネーを購入しようとしていたことに不審を抱き、男性客に使用目的などを確認。だまされている可能性が高いと感じ、同店オーナーに相談した後、男性客に警察に通報するよう促した。

 男性客は帰宅後間もなく同署に電話相談。応対した警察官が確認したところ、「パソコンのウイルス駆除を名目としたガイド料金の不正請求による詐欺」によりだまされ、電子マネーを購入し、その番号を被疑者に知らせようとしていたことが発覚。太田さんの機転を利かせた行動が、特殊詐欺被害の未然防止につながった。

 太田さんは、店舗では普段から特殊詐欺防止に関する指導があったと説明。「こういったことは初めて。(特殊詐欺について)話は聞いていたが身近に感じることは今までなかった」と驚きの表情を浮かべながらも「これからも困っているお年寄りを見掛けたら積極的に声を掛けて被害の未然防止に努めていきたい」。

 小畑署長は「お客さんに声掛けするのが難しい時代において勇気を持って声を掛けていただいた。高齢者の貴重なお金を守っていただいたことをありがたく思います」と感謝。

 管内においての今年の特殊詐欺被害件数はゼロだが電話相談はあるとし「人情味のある地域だからだまされてしまう人も今後いないとも限らない。特殊詐欺被害に関してさらなる周知を図っていきたい」と話していた。

 県内の本年度の特殊詐欺認知件数は20件で被害額は6606万9720円(6月末現在)。同署では身に覚えのない不審なはがきや封書、メールなどが届いた場合、家族や警察に相談するよう呼び掛けている。

(2020年8月26日付紙面より)

小畑博昭署長(左)から感謝状を受け取った太田有美さん(中央)=24日、新宮警察署
2020年08月26日
14 「お綱掛け神事」中止に  秋の例大祭は総代会のみで神事  (花の窟神社 )
2020年08月26日
15 検知カメラで瞬時に検温  新型コロナ対策として導入  (紀宝町 )
2020年08月26日
16 水量減で滝越え連日活発  滝ノ拝でアユとハゼ類  (古座川町 )
2020年08月26日
17 田並で見つけた色を再現  アートワークショップ「光とあそぶ」  (和歌山芸術文化支援協会 )
2020年08月26日
18 公式LINEを導入  子育て世代包括支援センター「はっぴぃ」  (新宮市 )
2020年08月26日
19 園生活の思い出づくり  三輪崎保がデイキャンプ  (新宮市 )
2020年08月26日
20 「料理人は食の文化人」  新宮市春日出身の中本喜代数さん  (旭日単光章受章 )
2020年08月26日
21 お悔やみ情報
  
2020年08月22日
22 環境に優しいまちづくり目指し
 「つれもてエコら」が畑を  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町北浜の北浜公園にこのほど、誰もが自由に野菜を収穫できる「どうぞの畑」が設置された。この珍しい畑は同町の子育て世代の母親などで組織する「つれもてエコら」(井藤朋子代表、以降「エコら」)が管理している。エコらの活動や、畑設置の経緯などを取材した。

  □     □

■つれもてエコらとは



 エコらの代表を務める井藤さんは以前から地球温暖化や環境問題について調べていたところ、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)に触れる機会があり、エコロジーに関する活動を決意。自身のみでは限界があると考え、友人などに声を掛け、昨年12月に結成。メンバーは現在11人。

 井藤さんは「地球環境に配慮した生活を一人一人が意識することでつながりが深まり、各地域に広がっていくと思う。環境に優しい町づくりが目標」と話した。

  □     □

■活動については



 初協議の際には個人的に実施しているエコなど意見を出し合い、意識の共有を図った。現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、メンバーが集まることはできないが、各個人で「子どもといっしょにごみ拾い」「買い物の時点からごみの削減を考える」「生ごみの埋め立て処理」などに取り組んでいるという。

 コロナ終息後には他の団体との交流や勉強会の開催、ごみを出さないフリーマーケットや不要となった子ども服を譲り合う催しも視野に入れている。

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■どうぞの畑



 イギリス北部のトッドモーデンという町には至る所に食べられる植物が植えられており、誰もが収穫可能なため「食べられる町」として注目されている。それにヒントを得た井藤さんは、エコらの活動として同町でも取り組もうと考え行動を起こした。

 エコらは親子連れが集まる北浜公園に畑を作ることを同町に提案し承諾された。町はこれまでも快適な公園づくりのために利用者からの要望を受け、築山などの設置も行っている。

 畑は今年7月に完成。井藤さんの知人から譲り受けた土を入れ、土質を改善後、メンバーで植え付けを行った。

 現在はミニトマト、ナス、インゲン豆、ヘチマ、モロヘイヤ、バジルなどが育っており、水やりなどの協力を行う近隣住民もいるという。

 「どうぞの畑」は思いやりが学べる絵本として知られる「どうぞのいす」から名付けた。井藤さんは「子どもたちに、普段食べている野菜が育つ姿を見て、学んでもらいたい。この畑を見に来た人、収穫に訪れた人たちが交流してくれたらうれしい」。

 今後については「この畑が町全体に広がり、町内外の人たちや観光客の皆さんで収穫できたら楽しい。私たち自身がわくわくする町に住みたいし、子どもたちにもそういった町を残したい」と語った。

(2020年8月22日付紙面より)

どうぞの畑が設置された。(右から)井藤朋子さんと娘の心春(こはる)ちゃん、心咲(みさき)ちゃん=14日、那智勝浦町の北浜公園
誰でも収穫できる
2020年08月22日
23 野菜づくりの基礎学ぶ
 生涯現役スキルアップセミナー  (新宮市 )

 新宮市生涯現役促進地域連携協議会は20日、市役所別館で令和2年度第1回生涯現役スキルアップセミナー「野菜づくり体験~野菜を育てるには~」を開催した。JAみくまの営農経済部営農販売課の清水重良さんが、家庭菜園の基礎知識について講演。参加者は家庭菜園に生かすことのできる方法や条件を学んだ。

 セミナーは市在住の55歳以上の中高年齢者を対象に、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を、和歌山労働局の受託事業として実施している。

 清水さんは野菜作りにおいて土づくりが最も重要であると説明。「物理性」「化学性」「生物性」の3要件が交じり合った土が良い土の条件と解説した。

 良い土の作り方として堆肥や石灰類、肥料の投入を挙げ、「肥料の投入は引き算でなく足し算。少しあげ、変化を見て少ないようなら足してほしい。毎日見に行くことも大切」と話した。

 アドバイスとして「まんべんなく日が当たる南北方向を条件に畝をつくり、できるだけ高くする」「種や農薬の情報を見て詳細を把握する」などを挙げた。

 同じ場所で同じ作物を続けて作ることで特定の病害虫や病原菌が増えるなど、生育が不良になる連作障害に触れ、「エンドウなどのマメ科だと5年以上、ナス科やウリ科だと3年以上作付けができない」と話した。

 清水さんは「分からないことがあれば農協にお気軽に相談を。時間をいただければ直接お伺いします。失敗はプロの農家さんでさえある。めげずに楽しんで頑張っていただけたら」と締めくくり、質疑応答が行われた。

 新宮市在住の田戸路郎(みちろう)さん(71)は「良い勉強になったので、これからも野菜づくりを頑張ってみようと思いました」と話した。

 9月3日(木)には2回目のセミナーを予定しており、同市緑ヶ丘にある恵広場で実際に野菜の種を植える実習を行う。清水さんらが指導する。

 なお、25日(火)には第2回の「英語を学んで外国人におもてなし」が実施されるほか、第3回は「川舟の船頭育成セミナー」も行われるという。

(2020年8月22日付紙面より)

野菜づくりの基礎知識を学んだ=20日、新宮市役所別館
清水重良さん
2020年08月22日
24 大きな壁面に民話再現
 一枚岩「守り犬の影」  (古座川町 )

 古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩で晩夏の風物詩「守り犬の影」が出現時期に差し掛かった。

 一枚岩の川向かいにある犬鳴岩の影が日差しの加減で一枚岩の大きな壁面に映り込んだときに見られる現象。年2期、晩春と晩夏に出現時期があり、現地の案内板は4月19日前後と8月25日前後の数日間が見頃と伝え、午後5時前後にほえかかるような犬の影を見ることができる。

 晩春の影はかすみがちだが、晩夏の影は比較的鮮明に映る。出現時期中は日々下流側から上流側へ移動するように映り込む場所がずれていく。地元では物産販売所のデッキ~道の駅一枚岩駐車場の上流側付近がお薦めの観賞位置といわれている。20日現在、週末から雨天傾向に転じるとの予報が出されているため、午後5時ごろに夕日が差すかどうかを見計らった上で見に行くのが無難だ。

 守り犬は一枚岩に伝わる民話に登場する動物。民話は岩が好物の魔物が浦神や高池(現池野山)など所々で岩をかじりながら古座川をさかのぼり、一枚岩にかみつこうとしたところで蔵土(くろづ)から現れた犬がほえかかり追い払ったという内容で、一枚岩に虫食い状の風化があまり見られない理由をそう伝えていたとされている。

 守り犬の影は町民が愛犬の姿をなぞらえる影として気付いたことがきっかけとなり、民話再現絵巻としてにわかに観賞を集めるようになった。その評判を背景にしてイラストレーター・ムロケイスケさんが守り犬をキャラクター化。道の駅瀧之拝太郎の「瀧之拝太郎」(兼同町マスコットキャラクター)、同駅虫喰岩の「ムッシーくん」と並ぶ同駅一枚岩のマスコットとして親しまれるところとなっている。

(2020年8月22日付紙面より)

一枚岩の壁面に映り込む「守り犬の影」(左)=19日、古座川町相瀬
2020年08月22日
25 楽しいと思うサッカーを
 トルベリーノ・クロシオFC代表・北野泰宏さん  
2020年08月22日
26 ハチも熱中症対策?  全国的な猛暑続く  
2020年08月22日
27 小学生が「坐禅」で心身整える  東正寺で40年目の「夏季禅林」  (紀宝町 )
2020年08月22日
28 当選491本を決める  サマープレゼント抽選  (串本リリースタンプ会 )
2020年08月22日
29 半年ぶりの読み聞かせ  宇久井保に「おはなし玉手箱」  (那智勝浦町 )
2020年08月22日
30 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第18回】夏のお酢パワー  

 長い梅雨が明けて、うだるような暑さになりました。子どもたちが外で遊ぶのも、熱中症にならないか心配ですよね。こうも暑い日が続くと、食欲がなくなってきたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 今日はそんな夏バテにぴったりなお酢のお話をしようと思います。

 お酢はその歴史は古く紀元前5000年ほど前からあったといわれています。元々はお酒が原料の調味料です。日本食でも、おすしや酢の物に使われてきましたよね。お酢の「すっぱさ」は酢酸という成分です。これは殺菌作用もあるため、食中毒の原因となる菌の繁殖を抑えて食べ物を傷みにくくしてくれる成分です。夏は食中毒が怖い季節でもありますから、お酢とお魚などの組み合わせもオススメです。マヨネーズが保存料いらずなことも、このお酢の殺菌作用のおかげと言えます。またお酢の酸味は、味覚や嗅覚を刺激して、唾液や胃液の分泌を促すといわれています。これによって食欲増進につながるのです。さらに、お酢には代謝を活発にして、摂取した食べ物を効率よくエネルギーに変える力があります。つまり、疲労回復にも効果的ということです。スポーツの後などに、糖分を摂取するといいと言いますよね。これはグリコーゲンが疲労回復に効果的だからですが、そのグリコーゲンも、お酢と一緒に取ることでより効果的に補給できるといわれています。他にも、お酢には脂肪の蓄積を抑える効果や、腸内環境の改善、高血圧の抑制効果などたくさんの効果があることが分かっています。

 数あるお酢の効果の中で、私が一番注目しているのは「減塩効果」です。実は料理にお酢を使うことで、減塩できることが分かっています。お酢には塩が入っているわけではありませんが、酸味が物足りなさを補ってくれるんです。小学校低学年の子どもを対象にした味覚の研究にこんな記述があります。「塩を『酸っぱい』、酢を『しょっぱい』と表現する子供がいた」(三重大学教育学部研究紀要「小学校低学年を対象とした味覚授業の実践」、2016年)。「酸っぱい」と「しょっぱい」はとても似ているんですね。塩分の取り過ぎが健康を害することはさまざまな分野で証明されています。減塩のためにもぜひお酢を取り入れてみてください。

 さて、お酢の料理を番組で紹介するとき、打ち合わせで必ず質問に上がるのが「お酢の種類」です。家庭でよく使うのは穀物酢か米酢ですよね? 穀物酢は麦やトウモロコシ、米などから造られます。酸味が強いので、煮物などの加熱調理に使うのがオススメです。一方米酢は、米とアルコールで造られたお酢です。酸味がまろやかなので、おすしや酢の物など加熱しない調理によく合います。夏バテにも健康にも良いお酢。ぜひこの夏、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?

(2020年8月22日付紙面より)

2020年08月22日
31 お悔やみ情報
  
2020年08月20日
32 驚き!池が真っ赤に 連日の猛暑が原因か (新宮市の浮島の森)

 国の天然記念物に指定されている新宮市の新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落(浮島の森)東側の池で、水面が真っ赤に染まる現象が起きている。同所管理人は「この暑さと関係があるのか分からないが赤く染まるのは初めて」と驚きを隠せない。

 現象が見られるようになったのは10日ほど前から。日によって範囲や色の濃度が異なる。また、午前8時台ですでに赤く染まっているが、夕暮れ時にはいつも通りの水面に戻るという。18日には広範囲にわたって赤く染まっており、うわさを聞いた人が熱心にカメラを構える様子も見られた。

 熊野学研究委員会の瀧野秀二さんは「単細胞の藻類ではないか」と見解を示す。光合成をし酸素を含んだ植物プランクトンが水面に浮いてきているのではと推測しながらも、同所で赤い藻は見たことがないと述べ「顕微鏡で見てみないと分からない」。

 連日の猛暑で池の水温はぬるめのお湯程度まで上昇している。気候変動や水温の上昇、池の水位の低下などとの関連性について瀧野さんは「水位が下がったことによって池の温度が上昇するなど無関係ではないと思う。もしかしたら今までは気付かれない範囲でプランクトンが発生していたのかもしれない」と述べ、有毒性や生態系に及ぼす影響については「大丈夫だと思いたいが、場合によっては心配事が増える可能性もある」と話していた。

 同所では高度成長期に周辺の市街化に伴い沼沢の乾燥化や水質悪化が顕著となり、オオミズゴケなどの貴重な植物が減少しスギの新しい種子が発芽できないなどの状況に陥った。

 市では森の保存と再生を図るために1988(昭和63)年、有識者らによる調査委員会を組織しさまざまな保存対策事業を実施。また、国や県の水質改善事業などにより、危機的だったいくつかの植物の状況が改善されて今に至る。

 浮島の森の見学は年中無休で、開場は午前9時から午後5時(12~2月は午後4時)まで。

(2020年8月20日付紙面より)

広範囲にわたり赤く染まる池=18日、新宮市の浮島の森
2020年08月20日
33 労働災害防止に向け
 建設工事関係者連絡会議  (新宮・東牟婁地方 )

 建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(中前英人署長)は18日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の25人が出席した。

 会議は、三者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。

 新宮・東牟婁管内では昨年87件(前年比15件減)の労働災害が発生した。中前署長は「管内では減少傾向にあるが、一方で建設業においては2件増加の14件となっている。土木工事では8件と、前年4件から倍増している」などと説明。

 ▽労働災害の防止▽熱中症対策▽建設業の働き方改革の取り組み推進―に対する協力を呼び掛け「本会議は工事関係者が多数参加する年に1度の会議。情報や意見交換を活発に行い、有意義なものに」とあいさつした。

 乾孝行監督・安衛課長が管内の建設工事における労働災害発生状況を説明したほか、災害事例を原因・対策も交えて紹介。現場における安全管理として▽通路、足場安全対策▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置など―が重要とし「日頃から気象状況を含め体調管理の徹底を」と呼び掛けた。

 また、2023年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」「働き方改革関連法」「安全な建設工事のための適切な安全衛生経費の確保」などに対する取り組みを求めた。

 紀南河川国道事務所串本国道維持出張所、東牟婁振興局農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、古座川町、串本町、北山村が公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。

(2020年8月20日付紙面より)

25人が出席した建設工事関係者連絡会議=18日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
中前英人署長
2020年08月20日
34 高齢者福祉の向上に向け
 地域包括ケア会議委員に委嘱状  (紀宝町 )

 地域包括ケアシステムの実現を目指す「紀宝町地域包括ケア会議」の本年度第1回会合が18日、同町役場であり、西田健町長が委員16人に委嘱状を手渡した。

 委員は町の高齢者担当職員、医師、介護支援専門員、介護サービス事業者、薬剤師、社会福祉協議会、民生委員・児童委員、老人クラブ連合会女性委員会の代表者などで、任期は2年間。医師で「くまのなる在宅診療所」の濱口政也院長を委員長に選出した。

 委嘱後、西田町長は「大変重要な役割を担っていただくことになりますが、高齢者を取り巻くさまざまな現状や課題などについて真摯に協議していただき、高齢者福祉施策の向上に向け、その一翼を担っていただければ」とあいさつ。委員が自己紹介し、会議の方向性や今後の活動などについて説明を受けた。

 地域包括ケアシステムは、高齢者が支援・介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしく可能な限り生活を続けることができる体制を構築するもの。

 同会議では自助・互助の果たす役割を意識した取り組みを進めるため、本年度から在宅医療・介護連携推進事業、認知症総合支援事業を合わせた「医療と介護の連携・認知症の部会」と、生活支援体制整備事業、介護予防・日常生活支援総合事業の「生活支援体制整備・介護予防の部会」を組織し、各部会で協議するという。

(2020年8月20日付紙面より)

西田健町長(右)から委嘱状を受け取る委員=18日、紀宝町役場
2020年08月20日
35 酷暑続くも熱中症増えず
 降らぬ雨で渇水の不安も  (串本町・古座川町 )

 例年になく暑い日が続く串本町、古座川町域。16日に最高気温38・9度(気象庁観測)を記録した古座川町西川地区は、翌17日に38・1度、18日に37・4度と落ち着く傾向にあるものの酷暑が続いている。

 同町によると、今回の暑さで熱中症が増えている実感はないそう。西川の一住民は「まだ暑さに慣れていない梅雨明けのころにふらっとした時があったが、今は体も慣れてなんとかなっている」とここ最近の状況を語る。

 日中の集落に人影はほとんど見られず、屋内で過ごしている状況。他方、先月20日ごろ以降からまとまった雨が降っておらず、渇水への不安も出始めている。同町では18日現在、管轄する簡易水道系から渇水の連絡はないが状況は注視しているという。

 七川ダム湖に流れ込む各河川の水量は細く、水際では普段水面下にある部分の露出も目立つ状況。同ダム管理事務所によると、最低水位95㍍に対し貯水位は98・19㍍(19日午前10時現在)に下がり、ダム本体は放流せず発電用の毎秒4・2立方㍍(ほぼ最低量)のみ流下しているという。1時間で1㌢ずつ水位が下がる傾向が続いていて、さらに続くと2週間弱で最低水位に達する状況。「このままでは発電ができなくなる」と懸念し、雨による水位の回復を切望している。

 同町消防本部によると、今年の熱中症とみられる救急搬送件数は19日現在で16件。内訳は5月に1件、7月に4件、8月に11件と推移している。7月は梅雨の合間、8月は上旬に出動が集中していて、最近の酷暑相応に出動が増えている実感はないという。

 管内は少ない年で18件、多い年で28件という実績を重ねていて、16件は突出した数ではなく今年の実績もその間に落ち着くと見ている。同町の広報誌を通してあらかじめ熱中症対策を呼び掛けていて、引き続き予防を心掛けてほしいとしている。

(2020年8月20日付紙面より)

連日猛暑日が続いている西川の中心地=18日、古座川町
日々体温超えの最高気温を記録している気象庁の観測装置〈アメダス〉
2020年08月20日
36 元気に夏を楽しむ  新宮・東牟婁  
2020年08月20日
37 「断腸の思い、来年こそ」  活動休止について思い語る  (東牟婁地方陸上競技協会 )
2020年08月20日
38 5児童館で表彰状受け取る  夏休みチャレラン大会  (新宮市 )
2020年08月20日
39 特選に佐古金一さん  写連紀南支部7月優秀作品  
2020年08月20日
40 新宮市内高校生、2年連続の快挙  下古谷律武君が予選突破  (日本クラシック音楽コンクール )
2020年08月20日
41 数多くの花茎しな垂れる  弘法湯前でバショウの花  (串本町 )
2020年08月20日
42 木村藤吉と杉本喜代松  【新宮市】2人の名誉市民、受け継がれていく系譜  (熊野アーカイブ ~熊野に人あり、歴史あり。~ ⑥ )
2020年08月20日
43 お悔やみ情報
  
2020年08月18日
44 平和への誓い新たに
 熊野速玉大社で戦没者慰霊祭  (戦後75年 )

 「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び 以(もっ)て万世の為に太平を開かんと欲す」―。1945(昭和20)年8月15日、昭和天皇の玉音放送で日本国民にポツダム宣言受諾による終戦が告げられた。終戦記念日の15日、全国各地で戦没者慰霊祭が営まれた。新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)においても新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しつつも境内の忠魂碑前で慰霊祭を斎行。市遺族会や神職ら8人が参列し、英霊に対し追悼の誠をささげるとともに平和への誓いを新たにした。

 総務省によると、同市においては他の都市より遅かったものの、製材工場が密集していた海岸地帯を中心に終戦直前に集中的に砲弾などを受けた。また、44(昭和19)年ごろから勤労動員が始まり、多くの学生らが和歌山市や大阪府、兵庫県などへ動員された。

 44年12月3日、三輪崎上空に米軍機が初めて侵入、焼夷(しょうい)弾を投下した。翌45年1月19日には大浜基地付近、広角方面が被爆し十余人が死傷。23日には焼夷弾により佐野、高田の森林六百余町歩(約600㌶)が焼失した。また、同年4月7日には午前と午後の2回にわたり空襲があり、大浜で十余人の死傷者、三輪崎国民学校で23人の負傷者が出ている。

 以降も熊野地、野田、阿須賀などが焼夷弾や爆弾などの攻撃を受け、7月24日午前には西阿須賀町から丹鶴町にかけて250㌔爆弾数個が投下。当時、現在の新宮郵便局付近にあった県立新宮高等女学校では校舎全壊、死者50人、負傷者200人の被害を受けた。なお、市では59(昭和34)年11月10日に「世界連邦平和宣言都市」を採択。市民一致で世界の平和を誓っている。

 市遺族会は慰霊のために沖縄県の紀乃国之塔などを訪問する予定だったが、新型コロナの影響で断念したという。上野宮司は、和歌山県神社庁では来年の2月に沖縄での慰霊祭を予定していると述べ「慰霊は戦争で亡くなった人への感謝を表す意味もある。日本を立派な国にしていくことが今を生きるわれわれの責任。その思いを胸に、一日一日を大事に生きていきたい」と思いを語った。

(2020年8月18日付紙面より)

境内にある忠魂碑=15日、新宮市の熊野速玉大社
忠魂碑前で慰霊祭が執り行われた(熊野速玉大社提供)
2020年08月18日
45 初精霊供養、故人の冥福祈る
 第14回紀宝町花火大会  

 紀宝町の鵜殿港でお盆の15日、「第14回紀宝町花火大会」があった。例年、約700発の花火が帰省客らを楽しませているが、今年は新型コロナウイルス感染症対策として花火を中止し、初精霊供養と灯籠を焼く銀滝花火のみを執り行った。

 町村合併前の「初盆供養・追善花火大会」を新町でも引き継ぎ、2006年から町の花火大会として実行委員会(実行委員長・西田健町長)が主催。毎年、メッセージ花火や追善早打ちなど趣向を凝らした花火が夜空を染め夏の風物詩に定着している。

 今年はせきエチケット、マスクを外す際は他の人と距離を取るなど新型コロナと熱中症対策を講じて遺族のみが参列した。

 はじめに西田町長が「猛暑に加えて新型コロナウイルス感染症が拡大して厳しい夏を迎えている。今年は花火を中止し、申し訳なく思う。精霊の皆さま方は今日の繁栄と幸せにご努力された。ふるさと紀宝町、ご遺族の安寧を見守りいただきたい」とあいさつした。

 東正寺(とうしょうじ)の片野晴友住職らによる読経に続いて西田町長、遺族代表の上地暁斗さんが焼香。33柱の初盆家庭が供えた灯籠に手を合わせ故人の冥福を祈った。最後は銀滝花火が灯籠を焼いた。

  □     □

〝絆〟感謝運動で地域貢献 紀宝町商工会青年部



 紀宝町商工会青年部(玉置一貴部長)は「〝絆〟感謝運動」として、花火大会の運営に協力。約20人が午前6時から会場設営に汗を流し、灯籠設置や片付けなど終了後まで作業に携わった。

 この運動は地域貢献を目的に、全国の商工会青年部が毎年6月にボランティア活動を実施しており、紀宝町の青年部は「ほたる灯ろう展」に協力してきた。

 今年は、灯ろう展が中止になったため、毎年協力している花火大会の手伝いを感謝運動と位置付けた。玉置部長は「日頃の感謝の気持ちを込めて、ふるさと紀宝町への恩返しとして作業した。来年は新型コロナが終息して花火の打ち上げも行ってほしい」と話していた。

(2020年8月18日付紙面より)

東正寺の片野晴友住職らによる読経で故人の冥福祈り=15日、紀宝町の鵜殿港
灯籠を焼く銀滝花火
「〝絆〟感謝運動」に参加した紀宝町商工会青年部の部員ら
2020年08月18日
46 初精霊船に手を合わす
 勝浦・天満地区で盆行事  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の天満・勝浦地区で16日、初精霊送りがあった。天満地区では那智川河口の天満の浜から、勝浦区では勝浦漁港から初精霊船が出航した。

 新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、両地区共に安全を重視し、地区回覧板や訪問などで事前に地区住民に向け感染拡大対策への協力を求めた。

 天満の浜では天満区(山本年昭区長)の合同初精霊送りがあり16柱を送った。参列は1世帯3人までで、参列者は2㍍の距離を保ち行事を見守った。

 円心寺の住職が読経し、天満念仏講の人たちが御詠歌をささげた。天満交友会のメンバーが水中に入り、精霊船「極楽丸」を沖に出した。浜には送り火がたかれ、花火も打ち上がった。

 勝浦地区では1955(昭和30)年に当時の青年会が、海を汚さない配慮から合同の行事を始めた。現在は勝浦初精霊送り実行委員会(大嶽勝司委員長)が中心となり、勝浦6区の区長や運営委員が協力。海翁禅寺、正念寺、法泉寺の住職が出仕し、地域挙げての盆行事となっている。

 今年の初精霊は42柱だった。参列は世帯主と家族のみで、他府県在住者や子どもの参列を自粛した。

 大嶽委員長が司会を務め、参列者一同で合唱した後、極楽船が港を出た。夕暮れの勝浦漁港に住職の読経が流れ、灯籠を乗せて進む船に遺族が静かに手を合わせた。

(2020年8月18日付紙面より)

沖に出る「極楽丸」を見送る=16日、那智勝浦町天満
静かに離岸する初精霊船=同日、那智勝浦町築地
2020年08月18日
47 元気なあいさつ響く
 公立小中学校、高校で始業式  (新宮市 )

 新宮市の公立小中学校、県立高校で17日、始業式や学期交代式が開かれた。1~2週間の夏休みが明け、校舎に「おはようございます」と児童・生徒の元気なあいさつが響いた。

 三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童371人)では放送集会で式を実施。嶋田校長は「放送なので皆さんの顔を見ることはできませんが、日焼けした元気な顔がそろっていることでしょう。休みが終わってしんどいなと感じる人も、だんだんと学校のリズムで生活できるよう、心と体の調子を整えて」と話した。

 児童会代表の高芝新君(6年)は「川でクロールの練習をして、上手に泳げるようになってうれしかった」、倉地奏汰君(6年)は「川でテナガエビを捕り、祖母に天ぷらにしてもらった」と思い出を紹介。2学期で頑張ってほしいこととして▽友達を大切にする▽友達と力を合わせる▽最後まで諦めない―の三つを呼び掛けた。

 通学路では「さわやか朝の声かけ運動」があり、教職員や市教委、子ども見守り隊、地域住民らが登校する児童・生徒に笑顔であいさつをしていた。

(2020年8月18日付紙面より)

児童会代表の倉地奏汰君(手前)と高芝新君(奥)があいさつ=17日、新宮市立三輪崎小学校
2020年08月18日
48 スポーツウエルネス吹矢大会結果
 那智勝浦町体育協会  
2020年08月18日
49 那智勝浦少年野球クラブが制す
 第40回マクドナルド・トーナメント  
2020年08月18日
50 有志のみで伝統の踊りを奉納  平尾井薬師堂で「夏の大祭」  (紀宝町 )
2020年08月18日
51 コロナ終息や健康など願い  天御中主神社で神事斎行  (新宮市 )
2020年08月18日
52 「山に立つ神と仏」  熊野ゆかりの松﨑照明さん、新刊を出版  (青岸渡寺の髙木副住職が人柄を語る )
2020年08月18日
53 コロナ禍でも供養の機会を  あすか斎苑で初精霊送り  (新宮市 )
2020年08月18日
54 計18日間で1054泊分の利用  真夏の有料期間の実績  (潮岬望楼の芝キャンプ場 )
2020年08月18日
55 追善踊りで初精霊送る  池野山区で盆の供養祭  (古座川町 )
2020年08月18日
56 古座川で観測史上最高38.9度  猛暑続く、熱中症に注意  
2020年08月18日
57 お悔やみ情報
  
2020年08月09日
58 3人の新議員決まる
 串本町議補選  

8月9日21時15分確定【定数3】

当落得票数候補者名年齢党派現元新
2,443吉村聡一郎49
1,981水口  崇61
891松下 修巳66
794末永  潔68


当日有権者数 13,837人

投票者数 6,237人

無効投票数 128票

投票率 45.07%


2020年08月09日
59 わくわくドキドキ期待膨らむ
 はまゆう保が新園舎探検  (新宮市 )

 保育所型認定こども園「はまゆう保育園」(遅越拓郎園長、園児64人)の4、5歳児21人は7日、「わくわくドキドキ保育」で新宮市新宮の新園舎を探検した。

 同園を運営する社会福祉法人真福会(松畑ひろ子理事長)は「Total Welfare」(総合福祉)を目指し、高齢者介護や子育て支援、障害者福祉など幅広い事業に取り組んでいる。

 新園舎は鉄骨耐火構造2階建て。延べ床面積は986・14平方㍍で、園舎裏に約177平方㍍のグラウンドがある。施設内は木を多く取り入れ、壁にはウイルス対策に効果があるといわれる珪藻土(けいそうど)を採用した。同市馬町の烏藤1級建築設計事務所がデザインし、三輪崎の㈱夏山組が施工した。

 新園舎に足を踏み入れた園児たちは木の匂いをかぎ、「すごい」「ドキドキしてきた」と笑顔。図書コーナーやウッドデッキ、給食調理室とガラス窓でつながったランチ兼遊戯室などを一つ一つ見て回り、移転後の園生活に期待を膨らませた。この日は現在の園舎でスイカ割りやプラ板の記念キーホルダー作りもあった。

 遅越園長は「喜んでもらえて良かった。前の園舎よりも2倍以上広くなったので、のびのびと過ごしてほしい」と話していた。新園舎での保育開始は17日(月)を予定しており、おもちゃや絵本、プールなどの引っ越しも進んでいる。

(2020年8月9日付紙面より)

はまゆう保育園の新園舎
新園舎を探検した5歳児=7日、新宮市
2020年08月09日
60 職務精励職員に感謝状 新宮地区警察官友の会が総会 

 近畿警察官友の会和歌山県支部新宮地区警察官友の会(三﨑澄夫会長)は7日、那智勝浦町のホテル浦島で総会を開いた。昨年度の事業結果、収支決算報告があったほか令和2年度予算案、事業計画案などの議題を承認。役員改選では会長ほか副会長、幹事、会計・庶務を再任した。

 三﨑会長が、職務に精励し治安維持に貢献した職員に感謝状を贈呈した。受領者を代表して中野真一警部補が「警察職員という仕事に対して自問自答を繰り返す中で、このように晴れがましい栄誉を得ましたことは友の会の皆さま方をはじめ先輩、上司、同僚の方々のご指導、励ましのたまものと心から感謝しています」と謝辞を述べた。

 三﨑会長は「特殊詐欺やサイバー犯罪など悪質・巧妙化する新しい犯罪の出現や、大規模自然災害の発生など、社会情勢が変化する中で、全職員が一丸となって地域住民の安全安心のためにより一層のご活躍を」と職員を激励した。

 新宮警察署の小畑博昭署長は「昨年の刑法犯認知件数は145件で前年に比べ4件減少している。交通事故は昨年人身事故の発生件数は47件で前年比マイナス22件と大きく減少したが、物損事故は32件増の1171件という状況」と管内情勢を報告。

 今年は、6月末現在で刑法犯認知件数は昨年に引き続き減少傾向にあるが、交通事故の発生件数では、物損事故は減少しているものの人身事故が増加しているとした。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う県をまたぐ移動の自粛が解かれ、国や県の観光推進施策の影響もあり、人の往来が戻りつつあると述べ「まちが活性化するのは喜ばしいことだが、一方で犯罪や交通事故も増加することが懸念される。署員一丸となって住民が安全で安心して生活できるよう努めていく」とあいさつした。

 同友の会は民警一体化による安心安全な社会の構築を目的に、警察官の激励や講演会の開催、警察活動に必要な機材や物品の助成などの支援活動を行っている。

(2020年8月9日付紙面より)

三﨑澄夫会長が職員に感謝状を手渡した=7日、那智勝浦町のホテル浦島
出席した皆さん
2020年08月09日
61 多くの通行呼び掛ける
 弁天島への道、完成  (那智勝浦町 )

 町民による美観維持奉仕が盛んな那智勝浦町の景勝地「弁天島」にこのほど、住民手作りの島へ渡る道ができた。作業は清掃活動も含め4月初旬から開始し中潮(潮の干満差が中程度)の7日干潮時に完成した。

 約50㍍の石積みの道は勝浦一区(大勝浦地区)の区長の裏東芳樹さんが中心となって歩きやすいように整備した。裏東さんは「満潮時には見えなくなりますが、多くの人に歩いてもらえたら道が丈夫になると思います」と通行を呼び掛けている。

 弁天島は古くから「勝浦三景」の一つに数えられる名所。海水が引けば「白蛇弁天」を祭る鳥居まで歩いて渡ることができる。近年では金運アップなどのパワースポットとして注目され、国内外からの観光客が増えた。

 干潮時には海水にぬれることなく弁天島へ渡れる磯の通路が、昨年秋の大型台風の影響からか浸水域が拡大してしまい歩行が困難になったため裏東さんが整備を思い立ったという。「浅瀬に沿って道を作っていたら自然と蛇行したのですが今朝は観光客に『おしゃれな道ですね』と褒めてもらいました」と笑顔を見せた。

 同区役員で総務を務める羽山元英さんが島の掃除や草刈りなどを行った。南紀くろしお商工会中部支部理事の中西太志さんも訪れ、高潮対策や道の形状維持、清掃活動の相互協力について話し合った。

 例年6月には大勝浦地区と同会、近隣企業・団体、町民が参加する100人規模の清掃活動「弁天島クリーン作戦」を展開しているが、今年は新型コロナウイルス対策で中止になった。中西さんは「自粛したものの20年前と比べるとポリ袋などの家庭ごみが無くなり、ほとんどが漂着物。活動の成果だと思う。今後も各方面へのPRと景観維持に努めたい」と話していた。

(2020年8月9日付紙面より)

手作りの道の上で、裏東芳樹さん(右)と中西太志さん=7日、那智勝浦町勝浦
2020年08月09日
62 厳しい暑さ続く  熱中症に注意  
2020年08月09日
63 県立高校、3分の2程度に  審議会が県教委に答申  (和歌山県 )
2020年08月09日
64 雨やコアストーンを学ぶ  恒例の夏休み企画8日から  (土砂災害啓発センター )
2020年08月09日
65 お盆を前に美化活動  タウンガーデンで会員らが芝刈り  (新宮市 )
2020年08月09日
66 戦争の悲惨さと平和の尊さを  まなびの郷で「原爆と人間展」  (紀宝町 )
2020年08月09日
67 県外移動は慎重に行動を  大畑覚町長がメッセージ  (御浜町 )
2020年08月09日
68 朝日浴びながら気持ち良く  東正寺で「夏休みラジオ体操」  (紀宝町鵜殿 )
2020年08月09日
69 定数3をつかむのは誰?  9日、いよいよ投開票  (串本町議補選 )
2020年08月08日
70 イルカのポストで活性化
 設置を記念しセレモニー  (道の駅たいじ )

 太地町は7日、道の駅「たいじ」(〆谷和豊駅長)敷地内にバンドウイルカをモチーフにした青色のご当地ポストを設置し、記念セレモニーを開いた。漁野洋伸副町長をはじめ、日本郵便株式会社近畿支社郵便・物流オペレーション部の松村淑也集配担当部長、紀南地区連絡会の南方慎一朗副統括局長らが出席し、序幕を行った。

 地域の特色を示したご当地ポストは全国にも多数存在し、本誌エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。

 同町では昨年、開館50周年を迎えた町立くじらの博物館(林克紀館長)前にクジラのポストが設置され、観光客に人気の撮影スポットとなっている。町おこしや地域振興を目的に、太地郵便局(小河則行局長)と協議を重ね、町が寄付する形で設置に至った。

 ポストは前回と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織される「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが製作。上部のイルカはFRP(繊維強化プラスチック)製のため、劣化に強い。博物館より小型の10号サイズだが、レターパックも入るという。

 山門さんは「太地町といえば捕鯨のイメージが強いと思うが、クジラやイルカの造形物で明るい話題を提供することができれば」と語った。

 式典で漁野副町長が関係者らに感謝を述べ、「博物館のポストも町内外から高い評価を受けている。今回は町の玄関口である道の駅に設置していただいたことは、町の活性化に必ずや役立つであろうと確信してます」とあいさつした。

 〆谷駅長は「地元はもちろん、観光客にも使用していただき、名所の一つになればありがたい。記念撮影も協力させていただきます」と語った。

 なお、これまで敷地内で使用されていた旧ポストはこの日をもって撤去された。

(2020年8月8日付紙面より)

新たな町の名所誕生を祝い序幕=7日、太地町の道の駅たいじ
イルカのポストが観光客を迎える
2020年08月08日
71 フレイル予防で夏を乗り切る
 ふれあいいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町の上長井集会所で6日、上長井、西、谷口地区のふれあいいきいきサロンが開かれた。地域住民5人が暑い夏を乗り切るため、介護予防体操で汗を流した。

 サロンは地域のコミュニティーづくりや介護予防、寝たきりの防止、一人暮らしの人への見守りなどを目的に2005年ごろから始まった。現在は新型コロナウイルス感染対策で、消毒液の設置、参加者全員の検温、窓の開放などの対策を取っている。

 この日は熊野川地域包括支援センター職員で看護師の岡崎久子さんがフレイル(衰弱)予防について解説。身体活動量が減って食欲が湧かなくなり、栄養状態が悪くなることで筋力・体力が低下する悪循環に陥る危険性を話し、「外出自粛の影響か、最近転倒してけがや骨折をしたという話をよく聞く。皆さんも気を付けて」と呼び掛けた。

 参加者は「元気でまっせ体操」やスクワットでしっかりと運動し、錦糸卵やシイタケの煮付けが入ったそうめんの弁当を味わった。

 野原孝子さん(79)は「体操をして体が温まった。毎日朝に畑、午後は縫い物をし、散歩もしています。そうめんが思ったよりもたくさん入っていて、満腹です」と笑顔で語った。

(2020年8月8日付紙面より)

かかと上げ体操をする参加者=6日、新宮市熊野川町の上長井集会所
2020年08月08日
72 16日間の短い夏休みに
 小中学校で1学期終業式  (紀宝町 )

 紀宝町の全小中学校で7日、1学期の終業式があった。児童、生徒たちは通知表を受け取り、16日間の短い夏休みに入った。

 例年、夏休みは7月21日から始まるが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う休校措置の影響で1学期を約2週間延長し、8月も授業を続けてきた。

 町立相野谷小学校(岩本直樹校長、53人)では、体育館で終業式を行い全校児童が間隔を空けて座った。岩本校長は「今年は新型コロナウイルスのため休校もありましたが、頑張って今日まで学習しました。みんなの通信簿を読み、1学期に頑張ったことをたくさん書いていました。みんなが頑張れるのは努力と周りの応援のおかげ。明日から楽しい夏休みです。『短いけど良かったな』と言えるよう、安全、健康に過ごして本を読んでください」とあいさつした。

 児童会の6人は▽計画▽健康▽防犯▽交通▽安全▽あいさつ―といった夏休みの過ごし方を掲げ、「目当てを持って過ごしましょう」と呼び掛けた。

 町内小中学校では24日(月)から2学期が始まる。

(2020年8月8日付紙面より)

夏休みの過ごし方を呼び掛ける児童会役員=7日、紀宝町立相野谷小学校
2020年08月08日
73 中湊にサテライトオフィス
 古座MORIが町長ら表敬  (串本町 )

 串本町中湊に拠点を置く株式会社古座MORIの坂本直弥代表取締役(51)ら3人が6日、田嶋勝正町長らに事業内容を伝えて今後の協力関係を求めるなどした。

 坂本代表取締役は、東京都で日本とフィリピンの懸け橋となる国際会計事務所「株式会社アイキューブ」の統括取締役。その事業の一端で2008年、串本町~古座川町域に自社林を取得したことで両町域へ適時通うようになった。その折に実感しているのが現地の通信インフラの弱さで、自身の経営を誰かに任せないと通い難い状況を他の事業者とも共用できる形で改善しようと考え、事業「古座の魅力を世界に発信し、事業を呼び込むためのサテライトオフィス運営」へと動き出した。

 この事業はわかやま産業振興財団の本年度地域課題解決型起業支援事業において採択を受け、坂本さんは2週間の準備期間を経て7月14日付で現地法人「株式会社古座MORI」を設立。中湊の右東谷川そばの空き家と旧工房を取得し、旧工房をテレワークに応える環境を有するサテライトオフィスなどにし、空き家を宿所とする方向で取り組み始めている。

 その設計は京都大学大学院の小林広英教授と関係する学生のチームに依頼。新型コロナウイルスの影響で当初予定していた第1回現地ワークショップは急きょ中止となったが、事前調査に基づく構想を持って指導陣が7~9日に現地入りし建物の詳細計測などをするという。年内にサテライトオフィス化を完了し、すでに利用を考えている知人を年明けに迎え入れてモデルケースを作り、来年度から事業を呼び込む本格運営に乗り出せれば、と意気込んでいる。

 6日は滞在時に利用している縁で現地に詳しい役員として迎えた神保圭志取締役(旅館神保館館主)と実娘の3人で同町産業課と田嶋町長を表敬訪問。中湊を拠点にして事業の概要やその運営により見込まれる状況とその背景にある需要などを伝え、今後の協力に結びつきそうな情報の交換もして歩み寄りを深めた。

(2020年8月8日付紙面より)

田嶋勝正町長らに事業概要を説明する坂本直弥代表取締役(右から2人目)=6日、串本町役場本庁
2020年08月08日
74 1位に野中さん、垣本さん  写連紀南支部7月度例会  
2020年08月08日
75 「足元で下げ止まりの動き」  県内経済情勢7月判断  
2020年08月08日
76 新型コロナに関するお願い  田岡市長がメッセージ  (新宮市 )
2020年08月08日
77 地に足着け日々の努力を  和歌山県立学校で終業式  
2020年08月08日
78 一緒にプールで水遊び  佐野保と蓬莱保の5歳児  (新宮市 )
2020年08月08日
79 浸食によってできた甌穴  【紀宝町】相野谷川の西川渓谷に存在  (熊野アーカイブ ~熊野に人あり、歴史あり。~ ⑤ )
2020年08月08日
80 無病息災や家内安全祈る 阿須賀神社で扇立祭 (新宮市)
2020年08月08日
81 利用者に絵手紙届ける  配食ボラ「サークルほほえみ」  (紀宝町 )
2020年08月08日
82 ボウズハゼ滝越え活発化  梅雨時期の増水落ち着き  (古座川町 )
2020年08月08日
83 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第17回】生卵は何歳から?  

 「生卵を何歳から与えていいですか?」とよく聞かれます。この質問には実は正解はありません。生卵は新鮮なものであれば低リスクですが、卵の殻にサルモネラ菌が付着していることもあるので、気を付けた方がいいとしか言いようがないのです。

 今世間は新型コロナウイルス一色で、手指の洗浄や消毒は、いつもより気を付けているご家庭がほとんどだと思います。でも、暑くなるこの時季、食中毒も侮れません。特に子どもは、少量の菌で重症化してしまうケースもあるので、大人が気を付けてあげなければならないのです。私の知人で、サルモネラに感染した小学生は、お父さんの卵かけご飯を一口もらっただけでした。しばらくして、下痢と嘔吐(おうと)を繰り返し、病院に行って、胃腸炎と判断されました。その後薬を飲んでも一向に治らず、どんどん悪化して、3軒目のお医者さんで初めてサルモネラと分かり一命を取り留めました。サルモネラ菌は感染して死亡するケースもあり、とても危険な食中毒と言えます。今スーパーなどに出回っている卵は、新鮮なものが多く、サルモネラ菌が付着しているものは少ないといわれています。それでも、全てではないですし、日がたつと増殖する可能性があります。

 食品安全委員会が実施した研究事例では、日本全国から集めた市販の卵、約10万個のうち汚染されていたのは3検体でした。さらに2万個の卵から検出されなかったという結果も合わせて、汚染の確率は0・0029%程度と推定しています。かなり低いですよね。ただ、生卵を食べるという行為自体は、やはり100%安全とは言えないのです。では、どういったことに気を付ければいいのでしょう。

 一つ目は温度管理です。サルモネラ菌に汚染された卵は、保管期間や卵の殻を割ってから食べるまでの時間が長くなるほど菌が増加することが分かっています。ただ、正しく温度管理をして保管すれば6週間後も菌が増えなかったという実験結果もあります(食品安全委員会 食品健康影響評価のためのリスクプロファイルより)。卵を買うときは、常温保存されているものではなく、冷蔵保存されているお店のものにしましょう。購入後は冷蔵庫で保管してください。

 二つ目は食べ方です。生卵を食べるときはできるだけ新鮮なものを選んで、割るときに殻が入らないように注意してください。サルモネラ菌は、熱に弱いので加熱すれば大丈夫です。基本的に卵の賞味期限は「安心して生で食べられる期間」として定められていますが、私は購入後すぐのものだけを生で食べるようにしています。特に賞味期限が切れた卵は、十分加熱調理することを心掛けてください。

 最後は意識しておくことです。子どもに生卵を与えた場合は、「今日生卵を食べたな」と意識しておいてあげてください。サルモネラ菌の潜伏期間は6~72時間といわれているので、この時間内に症状が出た場合は、お医者さんに「卵を食べた」とすぐに報告できるようにすることが大切です。サルモネラ菌は、卵だけでなく鶏肉やペットにもいるといわれています。調理前の手洗いは徹底し、お肉は十分加熱調理して笑顔の食卓にしてください。

(2020年8月8日付紙面より)