王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で16日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時ごろ、ウミガメの保護活動を続けている新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)の榎本晴光さんが卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同守る会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。秋には子どもたちを招き放流会を開いている。
産卵場所は、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸で波打ち際から約30㍍付近。深さ約60㌢の穴から、ピンポン球大の卵約150個が見つかった。同守る会は一つ一つを丁寧に採取。ふ化場へと移した。
アカウミガメは1回の産卵で平均120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続く。
このたび150個の卵が見つかったことから、速水会長は「大型のウミガメだったのでは」と推測。「砂利の多い浜によく上陸してくれた。1頭でも上がってくれたらボランティアとしてありがたいこと」と話していた。
同浜では昨年、1度の上陸で85個の産卵が確認されている。同守る会が保護し21匹がふ化した。
(2020年7月17日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200717010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200717010102.jpg)
道の駅くしもと橋杭岩 (串本町 )
串本町くじ野川にある道の駅くしもと橋杭岩が、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の企画「旅好きが選ぶ!日本人に人気の道の駅ランキング2020」において3位にランクインした。
この企画は、2019年6月~20年5月の口コミの5段階評価と投稿数をサイト運営会社の独自アルゴリズムで集計してランキングする内容。その最新版が9日に発表され、くしもと橋杭岩の評価が明らかになった。
同町産業課によると1日現在で国内には1180の道の駅があり、くしもと橋杭岩はその中で3位にランクインした状況。前回も15位に入っていて、高評価の度合いが一層増す結果となっている。
口コミの内容にはロケーションへの評価を軸にして道の駅としては標準的な規模ながら土産や飲食、現地解説や接客、施設自体の真新しさなどへの評価が多彩にうかがえ、それら一つ一つの努力の総和で駅全体の好印象をつかんでいる。
今回のランクインについて、チーフ級のスタッフは「前回15位に選んでいただいて以降、ベストテンに入りたいという思いで接客に力を入れてきた。今回3位という連絡を頂いた時はうれしく、また驚いた。橋杭岩の景観あればこそとも思うが、自分としては今回の評価の一番の要因はスタッフみんなで頑張ってきたことにあると思いたい。上司からも『順位を落とすな』という励ましを頂き、さらに気を引き締めて大勢のお客さまに喜んでいただける道の駅運営に努めていきたい」と気持ち改まるところを語った。
(2020年7月17日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200717070101.jpg)
ブルービーチ那智、23日から (那智勝浦町 )
レジャーシーズンの到来に伴い、那智勝浦町は15日朝、同町浜ノ宮の那智海水浴場(ブルービーチ那智)周辺でクリーン作戦を実施した。23日(木・祝)の海開きを前に、関係する団体や町民ら約100人が清掃活動に取り組んだ。
クリーン作戦は毎年実施しており、今年は各団体に参加を依頼したほか、町内放送でも呼び掛けた。参加者らは協力しながら、海藻や流木などの漂着物を拾い集め汗を流した。
矢熊義人副町長は「本日は多くの方々に参加いただき、本当にありがとうございます。23日のオープンに備えてしっかりと準備ができたと思う」。
「今年は新型コロナウイルスの影響で厳しい海開きになると思う。安心安全な海水浴場とするため、万全の感染症予防対策を行います。楽しい一日を過ごしていただきたい」と話した。
町内の海水浴場はブルービーチ那智と玉の浦海水浴場の2カ所で、期間は8月23日(日)まで。ブルービーチ那智は、スタッフを常時配置して手指消毒の徹底や3密の防止を呼び掛けるとともに、更衣室は開所するができるだけ自宅か車での着替えを促すという。
なお、これまで遊泳可能だった宇久井海水浴場、湯川海水浴場の2カ所は本年度から閉鎖となった。
町が参加を依頼した団体は次の通り。順不同。
▽那智勝浦町観光協会▽那智勝浦観光機構▽南紀勝浦温泉旅館組合▽南紀くろしお商工会▽那智勝浦町民宿組合▽那智勝浦町建設業組合▽勝浦ライオンズクラブ▽那智勝浦ロータリークラブ▽和歌山東漁業協同組合那智支所▽熊野御坊南海バス株式会社勝浦営業所▽浜ノ宮区▽なちかつ古道を守る会▽かつうら渚の会▽和歌山県東牟婁振興局▽那智勝浦町役場各課
(2020年7月17日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200717010201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200717010202.jpg)
宿泊費など一部割引 (わかやまリフレッシュプラン )
和歌山県は8日、県民が県内の宿泊施設などを利用する際に、宿泊費などを割引するキャンペーン「わかやまリフレッシュプラン」チケットの販売を開始した。実施期間は9月30日(水)まで。
県が展開する「蘇(よみがえ)りの地、わかやま」キャンペーンの一環。新型コロナウイルス感染症の影響により県内の観光が大きな打撃を受ける中、県民に県内観光地を訪れてもらい、観光需要の喚起につなげる狙いがある。
内容は、総旅行代金の2分の1以内(1人、1泊当たり最大1万円)を割引するもの。泊数制限なし。日帰り旅行も対象となる。電子チケットは1枚額面5000円を2500円で販売。1回当たり50枚購入できる。
利用可能プランは、県内の旅行代理店や宿泊施設のうち、「わかやまリフレッシュプラン」登録の参加事業者(県内165社)が販売する1人当たり5000円以上の募集型企画旅行や受注型企画旅行、手配旅行および宿泊プラン。参加事業者は特設ホームページ(https://wakayama-refresh.com)に掲載している。
電子チケットの購入には「Pass Me!」への会員登録(無料)が必要。購入した電子チケットを宿泊施設などのチェックインの際にスマートフォンやタブレットなどで掲示する。インターネット環境がない人は、プラン予約の際に参加事業者(宿泊施設)に申し出ることにより利用可能。
問い合わせは「わかやまリフレッシュプラン販売促進事務局」(電話0570・01・2288)まで。県では「ぜひ電子チケットを利用し、県内各地を巡り改めて和歌山県の魅力に触れていただき、新型コロナによる閉塞感から心身ともにリフレッシュしてください」と呼び掛けている。
また、大手旅行専門誌じゃらんは、和歌山県在住者向けに那智勝浦町の対象宿泊施設の宿泊料金が最大半額となる「ふっこう割クーポン」を配布している。
(2020年7月10日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710010101.jpg)
藤原ひろのぶさんが講演 (新宮市 )
新宮市仲之町のCOLORsで6日、NPO法人「NGO GOODEARTH」代表の藤原ひろのぶさんの講演会があった。藤原さんは「藤原ひろのぶお話会~世界との繋がりに気づけばあなたの選択が大きく変わる」を題目に環境・貧困問題などについて講話。25人ほどが聴講した。
身体や健康に配慮した物の販売、食や肌に関する教室などを展開している「イロドリラボ」(新宮市三輪崎)主催。藤原さんは、2009年に「GOODEARTH」を設立以降、発展途上国と呼ばれる国々で貧困に苦しむ人々の問題解決に取り組んでいる。
年に数回は自ら現地に赴き暮らしの現状をインターネットサイトなどを通じて発信。持続可能な支援の仕組み作りをしている。現在は支援活動の傍ら、全国で「貧困問題」をテーマに講演会やセミナーを開催している。現在39歳で4児の父。
藤原さんは、現在世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に触れ、「日本では年間約1万人がインフルエンザで亡くなっている。大人がメディアにあおられてパニックを起こすと子どもなどの弱い立場の人が傷つく」と警鐘を鳴らした。
免疫力や体力を高めることが必要とし「休校措置によって子どもたちを家に閉じ込めた結果、強くなる機会を奪っている。冷静に判断しなければならない」。
世界的に見ると、貧困国ではマラリアや結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染症で毎日、子どもを含む7000人以上の人が命を落としている現状に触れ「コロナウイルスで金持ちの国の高齢者が亡くなり出すと世界がパニックになった。その影響でマラリアなどの感染症がまん延しているスラムではその日の食費をまかなうだけの仕事もなくなり、病気に飢餓も加わった」。その傍ら、コロナ禍の3カ月間で米国の富裕層の資産が62兆円増えたことを紹介した。
地球の裏側の貧困問題や環境問題などを克復するためには、▽思考停止▽二項対立▽お金―の三つの弱点が問題解決の障壁であるとし、誘導型メディアの在り方に言及。「メディア、国、国民のレベルは同等。自分の意思で考えることのできる情報を提供するのがメディアの在り方であり、国民はもっと賢くなる必要がある」と述べた。
二項対立に関しては「正義か悪か、敵か味方か。対局にあるものを排除しようとするのは人間の悪い癖。しかし、そのせいで想像しない暴力に加担してしまうこともある」。
「お金は誰かがプラスだと誰かがマイナスになる。人間がお金を追いかけ回すから地球よりお金が重くなっている。お金を得るために資源を浪費している」と話し、現在起こっている異常気象や絶滅の恐れのある野生動物などに言及。「大きな問題に目を向けなければ自分たちも守れない。目の前のことに振り回されずに日々の選択をすることが必要」などと呼び掛けた。
(2020年7月10日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710090201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710090202.jpg)
人権擁護委員委嘱伝達 (串本町 )
串本町役場本庁で8日に人権擁護委員の委嘱状伝達式があり、西向在住の植松豊子さん(67)と田原在住の和田充旦さん(66)が委嘱状の伝達を受け着任の節目をつけた。
同委員は、人権擁護委員法に基づいて基本的人権の侵犯を監視し、侵犯があった場合は救済のため速やかに適切な処理をとり常に自由人権思想の普及高揚に努めることを使命とする特別職国家公務員。人選は市町村長の推薦により行い、法務大臣が任期3年で委嘱をしている。
法務省和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)の管内では1日付で串本町の新任2人と古座川町の再任2人、那智勝浦町の再任1人が委嘱を受け、順次委嘱状の伝達(再任者は郵送伝達)を進めている。
この日は串本町役場本庁町長室で推薦者の田嶋勝正町長と新宮人権擁護委員協議会の垣本正道会長が立ち会う中、山田支局長から同町の新任2人に委嘱状を伝達。田嶋町長は家庭内暴力や体罰、いじめに加え最近の傾向の一端でインターネットによる誹謗中傷を注視しつつ「誰が加害者か分からない事案も多発している中、被害を受けたときに誰に相談すれば良いかで悩んでいる人もたくさんいると思う。その解決に向けて力を貸してあげていただけるとありがたい」と期待した。
同支局管内の現在の委員数は29人で、うち7人が同町からの推薦。管内で新宮人権擁護委員協議会を結成し、人権侵犯への対応に加えて6月と12月に人権啓発を展開し常設相談、特設相談の窓口を設けるなど人権擁護思想の裾野を地域に広げつつ使命の全うに努めている。
(2020年7月10日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710070101.jpg)
福祉セで寺子屋分校再開 (紀宝町 )
紀宝町福祉センターで8日、寺子屋分校が再開された。今回は「楽しい手芸教室」で、参加者7人がミニカバン、トンボ、帽子のかわいらしいストラップやブローチを縫った。
同町鵜殿の植野洋子さん、大和田富美子さんを講師に、古布を使った小物作りをする教室。同センターの改修工事に伴って休止していたが、4月には町民の要望を受けて布マスク教室を実施。本格的な活動再開は今回からで、参加者全員の検温をした他、一人一つの机を使うなど距離を保つ対策をした上で開催した。
今回の小物は植野さんが本や見本を参考にしたもの。参加者は好みの布のキット2種類を選び、互いにアドバイスしながら手縫いし、小花やビーズで飾って完成させた。
植野さんは「古い着物の生地を集め、小さな布でも捨てずに小物作りに活用している。準備は大変だが、今日はたくさん冗談も言って、みんな楽しめたのでは」と顔をほころばせた。
来月は髪や浴衣の帯に使える和風の花飾りを作る予定にしている。
(2020年7月10日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710050101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200710050102.jpg)
理想の町実現に向け意欲 (太地町長選 )
任期満了に伴う太地町長選挙が7日告示され、現職の三軒一高さん(72)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、三軒さんが無投票で5回目の当選を果たした。無投票での当選は3回目。
立候補の届け出が締め切られた同日午後5時には、近隣市町の議員や多くの支持者らが同町役場に集まり祝福した。支持者や、職員らで組織される鯨友会と職員親睦会から花束を贈られた三軒さんは笑顔でそれらに応えていた。
当選を受け、三軒さんは「30年の計画の中期。残り14年間で町を整備し、豊かにしていく必要がある。そのためには財政バランスを崩さず、町のリーダーと議会が明確なビジョンをつくらなくてはならない」とし、5期目の任期中に完成する冷凍冷蔵施設や、観光振興に寄与する防災複合施設であるJR太地駅の新駅舎、鯨類研究所の建設にも力を注いでいくと意気込みを述べた。
さらには「鯨の学術研究都市」や「町の公園化」「クジラの恵みをもって福祉政策に取り組む」など数多くの計画の早期実現に向けて、意欲を示した。
三軒さんは「30年の計画が全て完成すれば、世界中からクジラの研究者や興味のある人たちが集まるはず。季節感のある環境整備の整った、一度は来てみたい理想の町になると思う」と語った。
三軒さんは1977年から連続7期町議を務め、2004年に町長選に出馬し、初当選した。
□ □
同じく7日、議員の死去に伴う同町議会議員補欠選挙(欠員1)も告示され、新人の宮川茂さん(69)=無所属=が無投票で初当選した。任期は来年8月17日まで。
宮川さんは「任期1年の間に町内でいろんな方の意見を聞いて自身の地盤を築き、来年に生かしていきたい」。
今後については「行政について学ばせていただきながら、同僚議員と歩調を合わせて町長の30年計画を実現できるように尽くしたい」と語った。
(2020年7月9日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709010102.jpg)
プレミアム宿泊・お食事券 (那智勝浦町 )
那智勝浦町が新型コロナウイルス関連緊急経済対策事業の一環で行う「町民限定プレミアム宿泊・お食事券」の販売が1日から開始されたが、7日午前に完売した。わずか1週間足らずで3000セットが全て売れたため、販売を行った一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)や町観光案内所は驚きを隠せないという。
本事業は営業自粛などで大きな影響を受けている町内宿泊施設の利用促進と、町民に安心安全な町内で旅行を楽しんでもらい、那智勝浦の魅力を再認識、再発見することを目的としたマイクロツーリズムの促進のために実施。チケットは、町民限定で販売され、町内の宿泊施設で使用できる8000円分のチケットが3000円で購入できるというもの。
同機構によると、販売初日は整理券を発行するほど多くの町民が集まり、1日で約1200セットが売れるほどの盛況ぶり。完売となった7日は、午後からもチケットを買い求めるため、観光案内所や同機構に立ち寄る町民や、問い合わせの電話が何度もあったという。
同機構マーケティング担当の堀千寿子さんは「12月まで販売する予定だったので今日完売したのは予想外。チケットを利用したお客さまから『宿泊施設やプランもすごく良かったので友人にチケットを購入しようと思ったが完売は残念』というご意見を頂いた。そういったお声に救われています」。
「宿泊事業者さまに感謝するとともに、チケットをご購入された皆さまに喜んでいただくためにもぜひ、使用期限の12月31日までにご利用いただきたい」と語った。
同機構によると、利用した町民に「観光住民満足度調査」を実施しており、「観光客が増えてほしいか」「観光で町は潤うことができるか」などの内容でアンケートを行い、今後の観光施策に生かしていくという。
同町観光企画課の佐古成生(しげお)課長は「町民の皆さまにはこれを機にリフレッシュしていただき、宿泊施設を通して町の魅力を感じていただきたい。また、事業者の皆さまには今後もさまざまな工夫をしていただき、観光客のおもてなしをしていただけたら」と話した。
(2020年7月9日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709070101.jpg)
樫野埼灯台8日に節目 (串本町 )
串本町樫野にある樫野埼灯台が8日、点灯を始めてから150周年を迎えた。新型コロナウイルスの影響などもあって同日の記念行事の実施予定は無く、静かに歴史の大きな節目を越えることとなった。
この灯台はグレゴリオ暦(=西暦)1870年7月8日、完成に先立って点灯を開始。当時の日本はまだ旧暦(=天保暦)を用いていたため、同灯台にはめ込まれたレリーフには「明治三年庚午六月十日初點」と刻まれている。その約1カ月後に灯台として完成し、日本の灯台の父とたたえられるイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンが手掛けた国内初の石造洋式灯台として今日まで歴史を歩み続けている。
後の中継ぎによるかさ上げで灯火高は海抜約47㍍となり、内装の光学系機械装置も時代相応に更新整備されて現在は自動点灯で約34㌔先まで光を届ける形に発展〈海上保安庁・燈光会設置の現地案内板による〉している。無人灯台となっているが、建設当時の外構(最上部の灯ろうとレリーフがはめ込まれていて石造が今も見て取れる最下部)と有人灯台だった頃の石造官舎〈国登録有形文化財〉が敷地内に現存し、外構内は普段は立ち入ることができないが同町設置のらせん階段により上ることが可。石造官舎は町営で有料公開されている。
点灯を始めてから約20年後の1890(明治23)年9月16日、樫野沖の岩礁で遭難したトルコ軍艦エルトゥールル号の将士が救難を求める先になったという歴史も有する。そのため同町は、県指定史跡「エルトゥールル号事件関連遺跡群」の物件に同灯台を加えて、今まさに国指定への昇格を目指しているさなかにある。
樫野埼駐車場から先の県道(通称・エルトゥールル通り)は許可を受けた車両を除いて進入不可。同灯台は同駐車場から約600㍍先にあり、徒歩で赴く形となる。
(2020年7月9日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709030101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709030102.jpg)
山口賢二さん、無投票当選 (北山村長選 )
任期満了に伴う北山村長選挙が7日に告示され、現職の山口賢二さん(70)=無所属=のほかに立候補者の届け出がなく、山口さんが無投票で2回目の当選を果たした。
同日午前9時に出陣式を行った山口さんは、選挙カーで村内を巡回した。激励に駆け付けた西前啓市・古座川町長や西田健・紀宝町長らが見守る中、山口さんは立候補届け出締め切りの午後5時にほかの候補がないことを確認。万歳三唱で支持者らと喜びを分かち合った。
山口さんは「私にとって対抗馬があるとすれば自分自身だった」と今回の選挙を振り返り、「至らないところや、やり残したこともある。自分への批判も含め、次の4年間頑張っていきたい」と決意を新たにした。
今後の展望については「10カ年で長期総合計画を策定し、その中で全てを網羅する。第一に観光に力を入れたい。高齢者対策、子育て支援は従来通りに、村のぶれない継続の力をさらに推し進めていきたい」。
村を守り、存続していくために、10年、20年後にも継続できる形作りを推進すると意気込み「村民、議会、職員そしてその一員として頑張っていきたい」と協力を求めた。
(2020年7月9日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200709010201.jpg)
海上遊歩道が供用開始 (太地町 )
太地町が取り組む「森浦湾鯨の海構想」の舞台となる森浦湾に設置された、鯨類の観察が楽しめる海上遊歩道が1日、供用開始となった。当日は悪天候のため、一般開放は中止。なお、新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から式典は開催しなかった。
遊歩道はクジラの学術研究都市を目指す同町の環境整備の一環で、30年のまちづくり計画の一つ。「環境の湾」として学びや観光につなげる目的も含まれているという。
2019年3月に着工し、今年2月末に完成した遊歩道。ポリエチレン製で全長158㍍。整備費用はトイレ棟など関連施設の設計や整備を含め、約3億円。
森浦湾にはハナゴンドウとバンドウイルカを4、5頭放している。遊歩道付近にはいけすを設置しており、バンドウイルカ4頭を間近で観察できる。遊歩道自体の開放は午前9時から午後5時まで。動物の展示が午前10時から午後3時までとなっている。また、動物の状態や天候によっては展示ができず、一般開放は中止となる。
遊歩道は無料で楽しめる。最初に受け付けを行い、ライフジャケットを着用してからの入場となる。50人が制限人数となっているが、コロナ対策として3密を避けるため、当面は30人前後で規制する予定。
同町によると、遊歩道の管理業務は太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)が行い、今後は漁協が事業主体となり、コロナ終息後には遊歩道などを生かしたモニターツアーなども検討しているという。
三軒一高町長は今回の整備事業において、「今回の整備では漁協や民間の方々に多くの協力をいただいた。感謝しています」。
今後は動物の状態を調査しながら、5年で30頭は解放したいと抱負を述べ、「小学生から大学院生までのクジラに興味のある方や、世界中の研究者たちがクジラの研究のために集まれる町にしたい」と語った。
(2020年7月2日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200702010101.jpg)
自転車マナーアップ推進リーダー (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は6月30日、新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)の吹奏楽部員16人、バスケットボール部員23人に「自転車マナーアップ推進リーダー」を、顧問の教職員にアドバイザーを委嘱した。
2015年の道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け県内で初めて実施し、今年で6回目。リーダーたちは交通安全活動に参画し、校内の自転車マナー向上や「自転車安全利用五則」の周知などを通じ、全ての自転車を利用する人々の交通事故防止を図る。
新宮警察署で開かれた委嘱式には吹奏楽部の木下綾子部長(2年)、西浦久博顧問、バスケットボール部の坂井幸弥部長(2年)、中野亮顧問の4人が出席し、小畑署長から委嘱状を受け取った。
生徒を代表し、木下部長が「私たちは率先して交通ルール・マナーを守り、他の自転車利用学生の模範となる運転に心掛けます」と宣言。小畑署長は「昨年、和歌山県下で1859件の人身交通事故が発生し、そのうち278件は自転車に関係する事故だった。不幸にも7人が自転車乗車中の交通事故で亡くなっており、1件は新宮警察署管内で発生した。このような悲惨な交通事故を一つでも減少させるため、皆さんの活躍を期待している」と話した。
式後、坂井部長は「自転車通学の人でイヤホンをしているのを見たことがあるので、活動を通じて交通ルールを守るよう呼び掛けたい」と目標を語った。今後は、7月中に新翔高校近くで交通安全啓発活動を実施する予定にしている。
(2020年7月2日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200702070101.jpg)
熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれた。時折激しい雨が降る中、参拝者たちは「茅(ち)の輪くぐり」で半年間のけがれをはらい清め、夏を元気に過ごせるようにと祈った。
この儀式は12月31日(大晦日=おおみそか=の大祓)と年2回営まれている。「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳(ちとせ)の命のぶというなり」という古歌がある。3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。
熊野速玉大社(上野顯宮司)では、新型コロナウイルス感染予防の観点から関係者のみへの呼び掛けとなった。参列した老若男女約30人が手渡された人形(ひとかた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移し、神職に全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納めてもらいおはらいを受けた。
続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ神職や巫女(みこ)の後に続いて境内に設けられた茅の輪(直径約2㍍)を8の字に3回くぐった。上野宮司は「コロナ禍の中において、自由と健康のありがたさを改めて感じる。小さな子どもがこうして手を合わせる姿を見ると私たちの憂いも和む。残りの半年も人間としての生き様を曲げることなく、健康に気を付けながら頑張っていただきたい」と願いを込めた。
熊野那智大社(男成洋三宮司)では職員や関係者などが出席。本殿での神事を終え、男成宮司らが1列となって茅の輪をくぐった。
茅の輪は毎年、その日のうちに片付けられるが、本年は新型コロナの影響を受け、疫病退散の意味も込めて同社の例大祭直前まで設置。また、参拝者には疫病の災いから難を免れ、家が栄えるという信仰で知られる「蘇民将来之子孫也」のお札が進呈される。
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、新型コロナの影響で多くの貴い命が奪われている現状を鑑み、従来の人形と併せ命の形代(かたしろ)を調製した。茅の輪は12日(日)まで設置される。
(2020年7月2日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200702060101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200702060102.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20200702060103.jpg)