新翔高で生徒らが啓発活動 (新宮市 )
「秋の全国交通安全運動」(21~30日)期間中の28日朝、新宮市の県立新翔高校(藤田勝範校長)の校門前で交通ルールの順守などを呼びかける啓発活動が行われた。新宮警察署や藤田校長、同署から「自転車マナーアップ推進リーダー」に委嘱されている「新翔地域未来づくりプロジェクトチーム」のメンバーらが参加し、登校中の生徒らに自転車・歩行者マナー向上などを訴えた。
同推進リーダーは道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け、2015(平成27)年に県内で初めて実施。校内での自転車の交通マナーの向上や「自転車安全利用五則」の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し事故防止を図ることを目的としている。
今年は吹奏楽部とプロジェクトチームが推進リーダーとして委嘱されており、朝のあいさつ運動を通じて登校時の自転車・歩行者マナー向上や「自転車安全利用五則」の周知を図っている。
なお、同署と推進リーダーらは23日、同市佐野のコメリパワー新宮店で自転車利用者らに対する街頭啓発を予定していたが、荒天に見舞われ計画を断念していた。
この日、正門前に集合したメンバーや教員らは交通安全を呼びかけるたすきをかけ、あいさつをしながら啓発物資を手渡した。
藤田校長は「生徒たちが率先して啓発を行ってくれる姿は頼もしい限り。大人だけではなく、同じ年代の人からのあいさつや声かけは受け入れやすいと思う」と話していた。
(2022年9月29日付紙面より)
2期連続の無投票当選 (御浜町長選 )
任期満了(10月9日)に伴う御浜町長選挙が27日に告示され、現職の大畑覚氏(71)=無所属=のほかに立候補の届け出がなく、2期連続の無投票で大畑氏が3選を果たした。
同日午前9時に出陣式を行った大畑氏は、選挙カーで町内を巡った。午後5時前、選挙事務所に戻り、同5時の立候補届け出の締め切りで他の候補がないことを確認。
妻の良子さん(71)、長男の真介さん(46)らと万歳三唱し、花束を受け取った。近隣市町の首長、県議、御浜町議らも駆け付け、支持者と喜びを分かち合った。
大畑氏は「自分の信念で町政をもう1期進めさせていただきたいとの思いで立候補した。厳しい4年間になると思うが、あと4年間、政策を進めていきたい」と決意を示した。
2期8年の実績を基に3期目は、第6次御浜町総合計画(前期基本計画)に示された三つの重点プロジェクト▽暮らしに穏やかさを感じる「安全・安心の確保」▽暮らしの活力を生み出す「地域経済の活性化」▽暮らしを未来につなげる「人口減少への挑戦」―に取り組む。「安全安心、地域経済の活性化、人口減対策の三つを中心に施策を展開したい。オール御浜で次世代につなぐまちづくりをキーワードに、全ての施策を次世代につなげたい」と述べた。
(2022年9月29日付紙面より)
公民館の歴史・自然講座 (太地町 )
太地町公民館で22日、生涯学習講座歴史・自然講座「世界一周のお話会~旅の報告会~」があり、約20人が参加した。那智勝浦町の集落支援員・谷口真実さんが講師を務め、自身が2015年から18年まで世界を旅した際の体験談などを講演した。
同町公民館主催の取り組みで、革細工やヨガなどの「一般講座」と町の歴史・文化・自然を学ぶ「歴史・自然講座」を展開している。
谷口さんは母の影響で世界に興味が湧いたとし、高校時代から海外ボランティアなどに参加。その際に言葉の壁を超える友人ができ、生活の違いなどを新たに感じ取ったという。社会人になり、働いて貯金に励んで、世界一周の旅へと出発した。
自身はリュックサックを背負って旅をするバックパッカーであったとし、メインバッグやサブバッグに加え、防犯上の観点から貴重品などを収納したマネーベルトや靴の中に米ドルを隠していたと話した。
旅の際は「ドミトリールームなど町一番安い宿に宿泊、野宿もある」「移動は公共交通機関や徒歩、ヒッチハイク」「現金は全て持ち歩かず、各国のATMを利用する」などを徹底したと述べた。
旅の気づきや出来事について▽エチオピアは世界と7年遅れていて、現在は2015年▽現地の民族の現状や事実▽宿代支払い後、理不尽な理由で宿を追い出された▽発砲や竜巻に遭遇した▽資金が尽きて、ワーキングホリデーで資金を蓄えた―などを紹介し、当時の日記も読み上げた。
谷口さんは「旅は楽しいだけでなく常に、自分の命や貴重品を守りながら、寝る場所や移動手段を考えなくてはいけない。危険な目にも遭った」。
旅の醍醐味(だいごみ)は「人との出会い」だとし、イランやコロンビア、オーストラリアなどで出会った人々との思い出を語った。また、帰国したい思いに駆られた時期があったとし、その際に作曲した「Perfect Light」を熱唱。拍手が送られた。
谷口さんは「旅をしたことに後悔はない。送り出してくれた両親に感謝している。楽しいこともつらかったことも、私の経験となっている。日々も人生の旅、どこにいても、何をしていても旅の途中。私も皆さんも人生の旅を楽しんでいけたら」と締めくくった。
質疑応答では参加者から、旅の内容や疑問点、食事などについて、多くの質問があった。
(2022年9月29日付紙面より)
明神小が大柳区で稲刈り (古座川町 )
古座川町立明神小学校(濵地久夫校長、児童11人)が26日、大柳区内で稲刈りに取り組んだ。
北裏説朗区長の協力でおととしから始まった稲作体験の一環。北裏区長は本年度も広さ約2㌃の水田を提供して同体験を支援していて、児童は代かき直後の水田で泥遊びを体験させてもらった後に一丸でもち米「ヒデコモチ」の苗を田植えし、収穫を目指してきた。
新型コロナウイルスの情勢でおととしは田植えこそできなかったものの稲刈りは体験したため、今回は3回目の実施。北裏区長から鎌で刈る方法を教わった児童は横一線で時間が許す限りのこぎり鎌で手刈りをし、残りは5、6年生と濵地校長が稲刈り機で刈り取った。
手刈りした分はあらかじめたたいてほぐしたわらで4株ずつ束にし、5、6年生と北裏区長で組んださがりに掛けるところまで経験してこの日の作業を終えた。今後はイネがほどよく乾くのを見計らって足踏み式やコンバインによる脱穀も体験するそう。採れた米は3学期の給食の食材にし、明神中生徒にも振る舞いつつ味わうという。
3年間稲刈りを経験し、鎌の刃を株に合わせて丸く滑らせると刈りやすいなどのコツをつかんだという山本凛君(6年)は「自分で稲作をする自信はまだないけれど、北裏さんに教えてもらってだいぶ慣れてきたと思う。今年も自分たちで作った米を食べるのが楽しみ」とコメント。北裏区長は「普段食べているお米がこんな感じで作られていることを楽しく学習してくれれば十分。こうして自然と接する楽しさも感じてもらえたら」と児童の今後を期待した。
(2022年9月29日付紙面より)
厳かに本殿大前ノ儀 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。祭り関係者約15人が参列し、神様をたたえて新型コロナウイルス感染症の収束や地域の平穏無事などを願った。
例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする伝統の祭り。今年もコロナウイルス感染症拡大防止の観点から規模を縮小して実施。恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は引き続き中止となった。
大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中▽総代会▽三輪崎区▽漁業協同組合▽農業実行組合▽三輪崎祭り奉賛会―の各団体が保管していた神様の神徳を頂くより代の金幣を返還。上野宮司が祝詞、仲西博光副区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。
その後、各団体代表者が金幣を運び、ご神体を箱に納めて氏子総代会が元宮へと向かって神事を執り行った。
総代会の井上元和さんは「天気の心配はありましたが、無事にこの日を迎えることができて安心しました。コロナ禍で今年も規模縮小を余儀なくされたが、『来年こそ』の思いを持ち続けていければ」と話していた。
(2022年9月16日付紙面より)
マイナカードの休日窓口 (古座川町 )
古座川町住民生活課が11日、役場本庁でマイナンバーカードの休日申請サポート・交付窓口を設けて申請の利便を図った。
平日の開庁時間に同カードを申請するのが難しい町民や申請・活用の方法がよく分からない町民を対象にした取り組み。9月末までの申請分は最大で2万円分のポイント還元が目指せるマイナポイント事業第2弾の対象となるため、一人でも多くの町民がその恩恵を受けられるよう同窓口の開設を計画した。
この日は午前9時~正午の時間帯で同窓口を設け、21人が申請で利用。同課は無料で申請時に必要となる証明写真を撮影し、手続きを後押しした。他に申請後に役場へ届いた同カードの交付で6人、マイナポイント事業の申し込み手続き支援で7人が利用したという。
同事業〈第2弾〉のポイント付与の条件は①2万円分のチャージまたは買い物で利用〈上限5000円分〉②健康保険証としての利用申し込み〈7500円分〉③公金受取口座の登録〈7500円分〉―の3系統で、いずれも付与の受け皿となるマイナポイント事業への登録が必要となる。
同窓口は23日(金・祝)午前9時~正午にも同様に設けるとし、この窓口以外に平日の開庁時間帯も同課窓口で随時申請や交付などに対応しているので、同事業<第2弾>を逃さず申請してもらえればという。
申請利用時の持ち物は氏名と生年月日または氏名と住所が記載された身分証明書(運転免許証やパスポートなど1点または健康保険証や年金手帳や医療受給者証や学生証など2点)。交付利用時は身分証明書に加えて同カード交付通知書と電子証明書発行通知書〈はがき〉、マイナンバー通知カード〈持っている人のみ〉など。
マイナンバーは住民票を有する国内の住民に付与されている12桁の個人番号で、同カードはその番号に対する登録情報に基づき身分証明書など利便性拡大が目指されている。同町における問い合わせは同課住民班(電話0735・72・0180)、他の市町村についてはそれぞれの関係課まで。
(2022年9月16日付紙面より)
奥瀞トンネル工事を見学 (北山中学校 )
北山村立北山中学校(松本広明校長)は14日、奥瀞道路(Ⅲ期)工事の一部として行われている、2号トンネル工事の現場見学会を行った。全学年の7人が参加し、トンネル内に入り工事について説明を受け、安全な場所で発破作業も見学。奥瀞道路(Ⅲ期)の整備による効果を知り、建設業の魅力に触れた。
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所と、2号トンネルの施工業者である熊谷組が協力した。山口賢二村長から両者に見学の打診があり実現した。
奥瀞道路(Ⅲ期)は北山村の小松と下尾井をつなぐ、延長(距離)3・4㌔の道路の工事で、2本のトンネルを掘り、3本の橋を架ける。県境である北山川をまたいでつなぐため、2号トンネルの場所は三重県熊野市紀和町小森となる。約1・6㌔のトンネルを掘る計画で、現在は326㍍まで進んでいる。
見学に先立ち学校で、同事務所が奥瀞道路(Ⅲ期)の概要、熊谷組がトンネル工事の技術について説明した。同事務所は整備の効果として▽災害時の物資輸送や復旧・復興活動に役立つ▽救急搬送の時間が短縮▽地域経済に寄与―などを伝えた。
この後、2号トンネルへと移動。生徒らは、長靴を履き、ヘルメットをかぶり、防じんマスクを着けて中へと進んだ。外に比べ気温が低く、湧き出る水で足下がぬかるんでいることを体感。同事務所や熊谷組の説明を受けながら、掘削した岩肌に施された補強や、使用する重機などを見学した。最深部では、装置を使ってダイナマイトを岩盤に詰める作業も見た。
発破は、トンネル外で見学した。熊谷組の手でトンネル入り口の鉄の扉が閉められた後に実施。爆発音とともに、飛び散った小石がいくつも扉に当たる音が響き、さらに衝撃で扉が激しく震えた。生徒らは耳をふさぎ、発破の迫力に驚いた様子を見せていた。
3年生の岡田寿鶴(すず)さんは「トンネル内が肌寒くてびっくりした。中には機械がたくさんあって興味深かった。(発破で)爆発した時、扉が動いていてすごかった。自分で建設業をするのはちょっと怖いけど、道路ができれば新宮市まで行くのに今より時間がかからなくなるので、買い物が楽になり、たくさん行けるようになるかなと思った」と話した。
2号トンネルの進捗(しんちょく)率は約30%。来年11月ごろの貫通を予定しているが、コンクリートで覆い固める作業もあるため、完成はまだ先で、時期も未定。奥瀞道路(Ⅲ期)の全体の完成時期も、同様に未定となっている。
(2022年9月16日付紙面より)
各種取り組みで年々増加 (御浜町 )
昨年度、御浜町の特定健診受診率が57%で県内1位となり、国民健康保険税が対前年比10%以上減税となった。2015年度に26%、16年度には25%と県内で最下位だったが、受診率向上のため、町ではさまざまな取り組みを展開。その結果、受診率は年々上がり、20年度に50%を超えた。
受診率が向上すると国や県からの交付金が増える仕組みとなっているため、健診の無料化、最大3万円分の商品券が当たる抽選、人間ドック・脳ドック検診助成制度の拡充、集団健診受診者へのお土産配布などが国民健康保険加入者に還元されている。
町では各種取り組みの他、特定健診結果から生活習慣の改善による予防効果が多く期待できる人に対して、特定保健指導のサポートも実施している。
本年度からは「オンライン特定保健指導」もスタート。町では「受診率60%を目標に掲げ、これからも受診率向上と健康維持のための取り組みを積み重ねていきたいと考えています」とコメントしている。
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町による受診率向上の取り組みは次の通り。
▽国保加入者の多くを占める農家への聞き取りをし、時間を取りやすい6月の健診実施
▽住民課職員の訪問、在宅が多い夕方以降にも電話で働きかけるなど、職員や委託業者からはがきや電話での勧奨活動
▽紀南医師会へ通院中の人への受診勧奨の協力呼びかけ▽電話での予約受け付けに加え、インターネットによる予約受け付けも開始
▽感染症予防対策のため、集団健診の予約時間と人数を細かく設定
▽集団健診会場での骨密度の無料検査(希望者のみ)
▽2023年度より翌年度も受診した人に粗品を配布
▽新規国保加入者に健診受診勧奨のため窓口で健診リーフレットを配布
▽保険証送付時に健診リーフレット、受診券送付時に健診日程リーフレットを同封
▽庁舎内にて健診情報掲示・お土産の展示など
(2022年9月16日付紙面より)
県下剣道優勝大会「守破離」
第107回連盟秋季大会 (紀南バレーボール連盟 )
学童軟式野球大会
後誠介さん招き減災学習 (新宮市立丹鶴幼稚園 )
新宮市立丹鶴幼稚園(尾﨑卓子園長、39人)で9日、減災学習があった。那智勝浦町在住で和歌山大学客員教授(災害科学・レジリエンス共創センター)、南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員を務める後誠介さんが来園。「逃げる」をテーマに講話した。
同園では毎年この時季に、防災に関する学習を展開。これまで同園職員らが講師を務めていたが、尾﨑園長が後さんと知り合いであったことから今回の減災学習の実現に至った。
また、転勤で同市に移ったことにより地形や過去の災害を把握していない保護者もいることなども考慮。対象を園児・保護者、保護者のみの2部に分けて実施した。
後さんは「お父さんとお母さんと1歳の男の子がいました。大雨の中、お父さんは1歳の男の子をおんぶしました。うまく逃げられるでしょうか」と問題提起。「雨で手が滑ったら子どもは落ちてしまう。お父さんはひもで子どもを背中に結びました」と話し、抱っこした場合だと濁った水がかかったり、転倒した際に危険であるとした。
「男の子を背負ったお父さんは離れ離れにならないようにお母さんと体をひもで縛り、励まし合いながら頑張って逃げることができました」と紹介。上記避難例は1954年に当地域で発生した6・23水害の際の実話で、1歳男の子は68年前の自身であったと明かし「避難するときには家族が離れ離れにならないように。逃げる知恵を働かせて」と呼びかけた。
園児からは「私ぐらいの子だったらどうするの?」などの質問があり、後さんは「流れが速いと低い水位でも流されてしまう。お父さんにおんぶしてもらった方がいいです」などと回答。
「お留守番しているときはどうしたらいいの?」の質問に対しては「2階建てなら2階に逃げて。そうじゃない場合は近所の2階建ての家に助けを求めて」と答えた。
保護者を対象とした後半では、市の地形や、市と那智勝浦町における3連動地震(東海・東南海・南海地震)と南海トラフ巨大地震で想定される津波シミュレーションを示し「新宮市は津波に強い。那智勝浦町とは意味合いも度合いも異なる。市がまず心配するべきは家屋の倒壊と液状化、家具の転倒。東日本大震災では津波がクローズアップされたが、まず地震があったことが忘れられているのが問題」などと話した。
尾﨑園長は「子どもたちには、大人が必ず助けに行くから、まずは自分の命を守ってほしいと伝えたい」と思いを語った。
(2022年9月10日付紙面より)
高池小5、6年ら稲刈り (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の5、6年生が8日、池野山にある学校田で稲刈りに取り組んだ。
歴代の5年生が取り組んでいる稲作体験(通称・米米クラブ)の一環。本年度も淡佐口幸男さんから広さ1・5㌃の水田を借りて学校田とし、少人数のため6年生に応援してもらいながら5月9日に田植えをし半ばで草引きもしながら収穫を目指してきた。
他の水田より収穫が遅れたことでカメムシが集まる影響を受けたものの、荒天に傷められることはなく見た目の実りは整然として上々。淡佐口さんと対で技術指導する中根和夫さんから刈り方や段取りを教わった後、主役の5年生は序盤にのこぎり鎌で稲刈り、中盤は6株ずつ麻ひもで束ねる作業をし、6年生はその入れ替わりで応援した。一通り刈り取った後はさがりを組んで束ねた株をかけ、刈り口が湿らないようカバーをかけて作業を終えた。
稲作をするのは初めてという山口愛翔君(5年)は「一番大変だったのは稲刈り。力を入れて束にするのが最初は難しくて、しっかり練習して慣れるのが大事だなと思った。田植えから稲刈りまでいい経験ができたし、農家の皆さんの大変さがよくわかった」とコメント。
育てた品種はもち米の「かぐらもち」。淡佐口さんによると今後、数日ほど天日干しができたところで脱穀しもみを保管する。味わう直前に精米と虫害で黒ずんでしまった米の取り除きをする予定。大畑校長によると本年度も新型コロナウイルスの情勢により餅つき大会は見送り、精米後は菓子店に依頼して餅にしてもらい持ち帰って味わうという。
(2022年9月10日付紙面より)
インバウンド対応能力強化研修
地域の観光人材を対象としたインバウンド(訪日外国人客)対応能力強化研修が7日、県熊野庁舎であった。観光目的の外国人の入国制限が緩和され、今後、インバウンド需要の回復が期待されていることから、ガイドや語り部、観光案内所、宿泊施設などに従事する30人が外国人観光客との接し方や英会話を学んだ。
観光庁が監修し、インバウンド専門の観光ガイド「全国通訳案内士」の栗林紀美さん、和田千草さんが講師を務めた。
全国の訪日外国人客は2003年が520万人、観光立国を宣言した07年は834万人、観光庁を設立した08年は835万人、19年は3188万人。東紀州地域には3年前、3600人が訪問した。
熊野市出身で東紀州語り部友の会、本宮語り部の会でガイドをする栗林さんは、▽あいさつ▽服装と身だしなみ▽表情(笑顔)▽態度・立ち振る舞い―が異文化理解と接遇の基本とし「人の印象は見た目が9割。笑顔やユーモアを活用し、お客さまの立場になって英語の表示や標識を充実させてほしい」と伝えた。
外国人観光客を迎える心得として▽地域の魅力を知り、愛する気持ちを持つ▽完全に正しい英語でなくても、必要な情報を伝える▽いろいろなツールを利用する▽本当のホスピタリティはお客さまの気持ちに応える▽外国人客を迎えて世界は広がる―を紹介した。
英会話研修では「ここではマスクの着用をお願いします(Please wear a face mask here)」など感染症予防の表現を覚え、参加者同士、名前や仕事内容などを英語で自己紹介。レストラン、飲食店での対応、日本独特の表現、トラブル対応など正しい英語表現や複雑な状況に対応できる英会話を学んだ。
(2022年9月10日付紙面より)
城南中でALT英語の授業 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長、生徒151人)で8日、外国語指導助手(ALT)のキャサリン・ケリー・ウィンクルマンさん(23)による英語の授業があった。
授業は生徒たちの英会話能力の向上を目的としており、全学年を対象に月に2日ほど実施している。ウィンクルマンさんは市の姉妹都市である米国カリフォルニア州サンタクルーズ市(以下、サ市)の出身。今後、同校をはじめ緑丘、光洋の市内中学校で語学指導などを行う。
1年1組28人の授業では、ウィンクルマンさんがスライドを使ってサ市の町や名所を説明。自身の住んでいる場所や兄弟などをクイズ形式で紹介した。生徒からは英語で「身長は何㌢ですか?」「自国で有名なスポーツは何ですか?」といった質問が挙がり、教室には時折笑い声が響いた。
後半には、ウィンクルマンさんからボールを受け取った生徒が名前や好きな食べ物、動物などを英語で発表した。
速水翔葵(しょうき)さん(13)は「英語で話す機会が少ないため、新鮮でした。英会話は苦手で難しかったけど、楽しく授業に臨めた。これから勉強して、もっと理解を深めたい」。
ウィンクルマンさんは「少し恥ずかしがりながらも笑顔で話に耳を傾ける姿が見られてうれしい。授業を通じてコミュニケーションを養い、新たな出会いの幅を広げてもらえれば」と話していた。
(2022年9月10日付紙面より)
3機関で災害救助訓練 (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は7日、新宮市の熊野速玉大社北側の熊野川河川敷(通称:権現河原)で、新宮市消防本部(垣内一男消防長)、ドローン協定締結企業の株式会社アドホック(喜多徳幸代表取締役社長)と合同の災害救助訓練を行った。地震の発生を想定し、無線などを使った通信、ドローンによる捜索、倒壊家屋や河川内離島からの救出救助の訓練を実施。連携を確認して有事に備えた。
紀伊半島大水害から11年が経過するに当たり、大規模災害発生時における関係機関との連携や、救出救助に万全を期すことを目的として実施した。新宮署から12人、新宮消防から7人、アドホックから3人が参加した。
和歌山県南方沖で地震が発生、新宮市でも震度6強を記録したと想定した。新宮署が現地本部を設置し、衛星携帯電話や無線を使って新宮消防やアドホックに応援を要請した。これを受けてアドホックが現着、ドローンを飛ばして周辺を捜索した。
ドローンに搭載したカメラとサーモグラフィーを使い、倒壊家屋内の要救助者を発見。警察が現地に向かい、チェーンソーで屋根を切り開いて、要救助者を助け出した。ドローンは、河川内離島の亀島にも要救助者がいることを発見。これは消防が担当、ボートで亀島に向かい、要救助者を搬送した。
田原署長は「新宮署では一人一人が、災害警備の向上を目指して頑張っている。その成果を発揮するとともに、新宮消防やアドホックとの連携が行えるように、不備があれば改善し、救える住民の命を一人でも救えるようにしたい。災害時は、現場の状況が分からないので、ドローンで安全に全体像を把握し、適切に人員を配置することで、新宮署管内のどこの地域でも同じように、命を救えるようにしたい」などと話した。
(2022年9月8日付紙面より)
那智中で「こころの授業」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)で6日、スクールカウンセラーの田邊美由紀さんによる「こころの授業」があった。1年生51人が「怒り」との上手な付き合い方について学んだ。
同校には毎週火曜日、年間36回スクールカウンセラーが来校し、生徒だけでなく保護者の相談にも乗っている。2学期が始まったばかりの生徒たちに、気持ちを落ち着けて学校生活を送ってもらえるよう授業を実施した。
田邊さんは「怒りやイライラは、今後をよりよくしていこうという思いにつながる大切な気持ち。怒りをため込んだり、カッとなって物や人にぶつけたりするのではなく、上手に向き合っていくのは、大人にも子どもにも必要なこと」と話し「怒りの管理方法」を意味する「アンガーマネジメント」の手法を紹介した。
怒りを感じたときにその場でできる行動として▽感情のピークが過ぎるまで6秒数える▽いったんその場から離れる▽目をつむる▽冷たい水を飲む▽肩の上げ下げ運動▽深呼吸―を挙げ、冷静になった後に、誰かに怒りを感じた理由を話すよう呼びかけた。また、友達が怒っているときにも、一緒にこれらの行動を実践し、相談に乗るよう話した。
授業後半では、家でできる▽好きな音楽を聴く▽運動する▽温かい飲み物を飲む▽気に入った物を触る―などの方法について、生徒たちが自分なら具体的にどういう行動を取るのかを考えてワークシートに書き込んでいた。
(2022年9月8日付紙面より)
小学6年生がカヌー体験 (古座川町 )
古座川町内の小学6年生を対象にしたカヌー体験が2日にあり、児童13人が川口~宇津木間の古座川流域で川下りを経験するなどした。
同流域に育つ子として正しく安全に川と親しむ経験を積む目的で年1回、同町教育会が世話役となって実施。平年は夏休み序盤に訪問する川崎市ふれあいサマーキャンプの小中学生と交流する下準備も兼ねて1学期終盤に取り組んでいるが、本年度は訪問がなく若干ずれ込む形で目的達成のため実施する形となった。
前年度よりも少し長い全長約4㌔のツーリングコースを設定。起点の明神橋そば河原に集合した児童らは南紀串本観光協会古座のインストラクターから安全な乗り降りの仕方やパドルの扱い方、操船方法を教わった後、教員1人を加えた14人でペアを組み2人艇に乗ってツーリングを始めた。
半ばの高瀬や月野瀬〈少女峰前〉の河原で小休憩を挟み、距離が延びた分短時間となってしまったが月野瀬の河原で数分ほど水浴びもして涼を増しながら終点の河内島前河原を目指したという。
(2022年9月8日付紙面より)
神倉小で夏休み作品展 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で5、6の両日、夏休み作品展が開かれた。全校児童426人の工作や自由研究などの力作が体育館に並び、保護者や祖父母たちが見学に訪れた。
会場には、夏休みに児童が作った木製の椅子や本棚、写真立て、オリジナルのゲーム、絵画、書道など、学年別にさまざまな作品を展示。来場者は「きれいにできているね」「すてきやわ」と会話をしながら見入っていた。
児童の作品は「第8回和歌山県ジュニア美術展覧会」などに出展される予定となっている。
訪れた児童の祖父は「孫の作品を目にして、思っていたより上手に作っていたので驚きました。他の子どもたちもすてきな物ばかりで感心した。これからも夏の楽しかった思い出として覚えていてもらえれば」と笑顔を見せていた。
(2022年9月8日付紙面より)
例大祭に向け事故防止協議会 (熊野速玉大社 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=10月15日(土)、16日(日)=に向けた事故防止協議会が1日夜、同大社双鶴殿であった。大社・祭り関係者、新宮警察署職員ら約30人が出席。早船競漕(きょうそう)を含め、従来に近い規模で斎行していくことなどを確認した。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月、国の重要無形民俗文化財(重文)に指定された。
例大祭は2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、渡御式の参列規模を縮小し、御船渡御に伴う早船競漕を中止とするなどして斎行。
今年も大神輿の代わりに神幸船神輿を使用の上、神輿渡御のルートを昨年同様縮小し、神馬渡御式のルートも同様に縮小。直会(なおらい)を中止とするなどの感染対策を講じる計画としているが、早船競漕の実施は実に3年ぶりとなる。
なお、神輿奉仕員と御船出船区こぎ手は、16日に簡易検査キットを使用して検査を実施。万が一陽性者が出た区は出船を控えるとする。
上野宮司は「コロナ禍ではあるが、伝統ある神事をできる限り伝えていきたい」と述べ、感染拡大や事故防止に向けた万全の体制に対して協力を呼びかけた。
(2022年9月3日付紙面より)
全小中学校に「電子黒板」導入 (紀宝町 )
紀宝町は町内の全小学校に計34台、矢渕、相野谷両中学校に計13台の合わせて47台の電子黒板を導入。2学期が始まった1日から各教室で使用されるようになった。
町は2020年度、GIGAスクール構想により、全小中学校に高速大容量校内LAN、全児童生徒に計796台、教師用に計65台の学習用端末(ノートパソコン)を整備。さらなる学習意欲、理解力向上、授業効率化を図るため、本年度、全普通教室に電子黒板を導入した。
電子黒板は65型カラー液晶で、タッチパネルにも対応。児童生徒のノートパソコンとも連結し、指などで書いた文字や図形などを電子的に変換することができる。
従来の黒板では不可能だったパソコン画面、資料、写真などを映し出すことができ、それらを拡大して見せることも可能。書き込んだものをデータとしてパソコンに保存でき、授業の録音もできる。
2学期から運用できるよう夏休み期間中に整備し、2日間にわたり教職員の研修会も開いてきた。
町立鵜殿小学校(前田幸利校長、児童229人)は各教室に計10台あり、1日のオンライン始業式に続き、2日の授業から活用を開始した。4年生算数のそろばん授業では、計算の仕方を動画で解説。児童たちは映像を見ながら玉をはじいた。
西章教育長は「ICT(情報通信技術)を活用して主体的、対話的、協働的、深まりのある学びの授業が可能となった。電子黒板はノートパソコンに入力した最大9人の意見を映し出すことができ、他の人の意見も見ながら学習することが容易にできる。勉強に集中する環境が整い、授業の発展性も感じる。個々に応じた授業ができる大きなツール。今後も積極的に活用してもらいたい」と話していた。
(2022年9月3日付紙面より)
10月末まで体験提供継続 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が2日、遊泳期間が終了した橋杭海水浴場の資材撤去に取り組んだ。これによりビーチハウス・ラパンで提供する各種アクティビティーは、橋杭ビーチ前の海域全面で広々と利用可に。この状態で10月末のシーズンオフまで提供を継続する。
今年は新型コロナウイルス感染症予防ガイドラインを明示するなど対策を講じつつ7月2日~8月31日を遊泳期間とし、遊泳区域を示すロープブイや利用時に取るべき間隔の目安とする幅くい、有料駐車場を設置。管理者の町によると対前年比11・2%増の8749人が利用したという。
9月2日は設置した資材を一通り撤去して現状復帰。同協会の会員や職員と町産業課の職員12人がその作業に当たった。島野会長は今夏の観光動態について、海水浴も含め全体的に横ばい~上向きと評価。「秋の行楽シーズンも感染予防の対策を心がけ、よりたくさんの皆さんにお越しいただけるよう、前のめりの姿勢で考えていきたい」とコメントした。
町産業課によると田原海水浴場も同じ遊泳期間で設置し、1900人(対前年比16・1%増)の利用があったという。
橋杭ビーチで利用できる各種アクティビティーの詳細は同ハウス公式ホームページ(アドレスhttps://beachhouse-la-lapin.com/)を参照。事前予約や問い合わせは同ハウス(電話090・3356・8305〈青木寛代表〉)か同協会(電話0735・62・3171)まで。
(2022年9月3日付紙面より)
新宮市役所で防災展示
新宮市役所1階ギャラリーで防災展示「あの日を忘れない~未来へつなげる防災・減災~」が始まった。時間は午前8時30分~午後5時15分で、同ギャラリーでの展示は5日(月)まで。6日(火)~9日(金)は4階エレベーター前で展示予定。
当地方に大きな爪痕を残した2011年の紀伊半島大水害から11年。新宮市では、熊野川町を中心に13人の尊い命が奪われ、1人が行方不明となっている。家屋被害は、全壊・大規模半壊・半壊合わせて320棟以上となるなど、甚大な被害を及ぼした。
展示会場では、市災害記録DVD「紀伊半島大水害 豪雨」を上映。災害当時の写真をパネルで紹介しているほか、実際に避難所で展開する避難スペース(段ボールパーティション、銀マット使用)を再現し、避難所生活が体験できる「新型コロナ対策避難所体験コーナー」を設置。災害用トイレや非常持ち出し袋も展示している。
また、和歌山工業高等専門学校専攻科エコシステム工学専攻の西萩一喜さんが「和歌山県土砂災害啓発センター」(那智勝浦町市野々)の助言を受けながら開発したRPGの公開や、紀南河川国道事務所が所有するジオラマも展示されている。
(2022年9月3日付紙面より)