丹鶴地域周辺の住居表示を整備
「新宮市新宮ってどこ?」「あの辺って新宮市丹鶴じゃないの?」「西村記念館って伊佐田町でしょ」―。そう思っている新宮市民も少なくないかもしれない。
現在、市では第11次住居表示整備事業が進んでいる。今回の整備は、丹鶴地域周辺(面積約0・12平方㌔㍍、戸数約250戸)を「丹鶴」(仮)とするもの。現在、対象地域の住所表示は「新宮市新宮」となっている。
1962(昭和37)年に「住居表示に関する法律」(住居表示法)が制定。それまで慣例となっていた字名と地番による住所表示の不便さを解消するために「住居表示の方法」「町・字の区域の合理化」などが規定された。整備により「救急車やパトカーなどが目的地に早く着くことができる」「訪問者が目的地の建物や人を探すことが容易になる」「郵便、配達物などの誤配や遅配が少なくなる」などの利点が生まれるとされる。
市においても80(昭和55)年の「王子町一・二・三丁目」「田鶴原町一・二丁目」の整備を皮切りに事業を開始。以降、28年間で「あけぼの」「阿須賀」「池田」「清水元」「佐野」「磐盾」「五新」「蜂伏」「井の沢」「徐福」など、25の住居表示整備事業を行ってきた。整備の結果「ここって昔こんな地名だったっけ?」―人知れず、そんなモヤモヤを抱えている人もいるかもしれない。
今回の整備に当たり、19、20日の2日にわたって丹鶴地域住民に対する説明会が開催された。市は、新しい町名や町境に変わっても町内会の存続や子どもの通学区域には影響がないことなどを説明。市議会12月定例会で可決承認されれば、現地・世帯調査、街区表示板取り付けなどを経て来年7月から住居表示が実施される予定。
(2020年8月23日付紙面より)
鵜殿地区配食サービスボランティア (紀宝町 )
紀宝町鵜殿地区で配食サービスを行うボランティアグループ「鵜殿地区配食サービスボランティア」(国重茂代・代表)は22日、サービス利用者に絵手紙とちらしずしを届けた。
町内では鵜殿地区配食サービスボランティアとサークルほほえみが配食サービスを担っており、毎月2回、希望者に手作り弁当を届けている。現在、新型コロナウイルスの影響で休止しているが9~10月に再開する予定だという。
毎年8月は配食がない代わりに「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアも利用者宅を訪問してお菓子などを配っている。今年は、町ボランティア市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)が提案した絵手紙も届けることにした。「絵手紙サークルこんにち和」の協力を得て町内全利用者分の150枚を描いた。7日には、ほほえみのメンバー17人がお菓子と絵手紙のセットを利用者約90人に分担して配った。
鵜殿地区配食サービスボランティアは普段、会員が調理し、老人クラブ「讃寿(さんじゅ)会」が利用者宅に配っている。この日は同ボランティアの役員6人が町福祉センターに集合後、絵手紙などを持って手分けして利用者宅40軒を訪問した。
国重代表は「友愛訪問だけは調理員が配っている。配食サービスは10月から再開する予定で、今日は皆さんの笑顔を見ることができて良かった。利用者さんに私たちの心が伝わったと思う」と話していた。
(2020年8月23日付紙面より)
河崎砂利に感謝状を贈呈 (神倉神社奉賛会 )
神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)は22日、新宮市熊野川町東敷屋の株式会社河崎砂利(河崎禮造・代表取締役社長)を訪れ、感謝状を贈呈した。
同会が7月に同市の神倉神社で敷砂利の整備を実施した際に、神社の砂利が少なくなってきていることを知った同社が、景観を損なわないよう役立ててほしいとの思いから14㌧の砂利を寄贈。河崎社長はじめ社員15人が協力して会のメンバーとともに境内へ砂利をまくなどして、奉仕活動に取り組んだ。
この日は猪飼会長、山口掌副会長、津呂建二さん、杉浦正さんの4人が来社。「河崎砂利の皆さんの気持ちにありがたく思います」と述べ、河崎社長に感謝状を手渡した。
河崎社長は「気持ちのこもった感謝状を頂き大変ありがたいです。由緒ある場所の景観を保つ思いは当然。立ち寄る皆さんが再び訪れたくなるようになってほしい」。
猪飼会長は「河崎社長のご厚意と協力により美しい神社を保っています。参拝者の方も景観の良さと歩いたときの砂利の感覚に喜んでくれていました。今後もより美しい神倉神社となるよう務めていければ」と感謝していた。
(2020年8月23日付紙面より)
警戒本部現地警戒所の開所式 (太地町 )
9月から始まる小型鯨類の追い込み漁を前に和歌山県警は5日、太地町多目的センター敷地内に新設された「和歌山県警察太地町特別警戒本部現地警戒所」で対策の警戒強化を行うための警戒所開所式を行った。反捕鯨団体への対策として2011年から毎年設置されており、今年で10回目。同警戒所では初の開所となり、来年3月まで設置する。
反捕鯨団体は過去にいけすの網の切断をはじめとし、12年に同町森浦にあるモニュメントの破壊、13、14年は執拗(しつよう)な追跡や写真撮影などの迷惑行為を行った経緯がある。昨年の漁期間中は国内外含む約70人の活動家が来町したが、大きなトラブルはなかったという。
漁期間中、警戒所では安全パトロール班7人が交代しながら1班2人で24時間を勤務。また、活動家には女性が多いことから、例年に引き続き安全パトロール班に女性警察官を1人配置している。
同本部では現在、団体の確認はないとしながらも、商業捕鯨が再開2年目となることや森浦湾の鯨類が観察できる海上遊歩道の供用が今年7月に開始されたことを受け、さらなる注意や警戒の必要性を示した。
開所式では太地町特別警戒本部の谷本克也本部長(和歌山県警察本部警備部長)、小畑博昭副本部長(新宮警察署長)らが出席。
谷本本部長は反対運動は新型コロナウイルスの感染拡大による影響で不透明な部分があるとしながらも、イルカ漁に対する抗議活動は継続されていると示した。
重点として「違法行為の未然防止」と「関係機関との連携強化」を挙げ、「捕鯨などの関係者のみならず、太地町の住民が安心して仕事や生活ができるよう、対策に当たる全員が一丸となり最善を尽くしたいと考えている」と訓示した。
その後、部隊員である警察官らはパトカーに乗り込み、町内の巡回に出発した。
(2020年8月7日付紙面より)
新型コロナ対策会議 (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)は5日、新宮市役所で第1回「新宮市議会新型コロナウイルス感染症対策会議」を開いた。議員が新型コロナに係る市の対応や今後の支援策、方針などについて質問した。
同対策会議は、災害時における議員の役割や行動に関する「新宮市議会災害発生時対応要領」を基に、新型コロナのような大規模感染症の発生時にも対応できるよう要領の一部改正を行ったもので、6月定例会本会議において設置された。
開会に当たり、久保議長が「全国的に感染者が増え、近隣市町村でも感染者が確認されている。今週からは学校が夏休みに入り、来週にはお盆の帰省シーズンを迎える中、市民はこれまで以上に大きな不安を抱えている」とあいさつ。
当局が新型コロナに係る給付金や支援金の受け付け・給付状況について説明。また、今後の支援策について▽プレミアム付共通商品券の発行▽介護サービス事業者等支援補助金▽子育て世帯応援商品券配布事業▽新生児臨時特別定額給付金(仮称)―などを計画していると報告した。
プレミアム付共通商品券の発行は、新型コロナの影響で落ち込んだ地域経済と市民生活の支援を行う目的で、全市民1人当たりプレミアム率40%の1万円(1万4000円分)の商品券を販売するもの。市が全世帯に送る引換券をもってしての購入となる見通し。
子育て世帯応援商品券配布事業は、「子育て世帯への臨時給付金」の支援対象外となっている平成14年4月2日~平成16年4月1日生まれの子どもがいる保護者などを対象として1人につき市共通商品券1万円分を支給。
新生児臨時特別定額給付金(仮称)は、国の特別定額給付金の基準日を過ぎて、令和3年4月1日までに生まれた子ども1人に対し5万円を給付するもの。いずれも9月定例会で補正予算として上程する予定。
議員からは盆の帰省シーズンにおける感染拡大を危惧する声が多く、田岡実千年市長自らが防災行政無線で感染対策の徹底や、人権への配慮を呼び掛けるメッセージを発信すべきとの意見が上がった。
医療従事者が安心して職務を果たすための環境づくりや、感染予防対策を示した市独自のガイドラインの提示、面接制限が行われている介護現場における入居者や家族へのサポートなどを求める声もあった。
田岡市長は「新宮保健所管内では感染者はゼロだが、感染リスクはゼロではない。引き続き3密を避けることや手洗い・マスクの徹底を」と呼び掛けるとともに「誰が感染するか分からない中、感染者や感染が疑われる者が非難されるといった風潮が広がってしまうと、当人は医療機関の受診をちゅうちょしたり行動履歴を隠したりするようになり感染拡大につながる可能性がある。感染した人に対して励まし見守っていくことが終息につながっていくのでは」と思いを語った。
(2020年8月7日付紙面より)
管内、県内の交通情勢を報告 (南郡交対協 )
南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)の本年度総会が5日、御浜町役場であり、顧問の濱口裕史・紀宝警察署長が管内、県内の交通情勢(4日現在)と対策を報告した。
重大事故に直結する速度超過や信号無視、横断歩行者妨害など悪質危険な交通違反、あおり運転の取り締まりを強化し、歩行者保護に重点を置いた取り組み、反射材の配布活動も継続するとした。
管内では164件(前年同期比39件減)の交通事故が発生。交通量の多い日中の国道42号で多発し、前方不注視や安全不確認による追突、出合い頭事故が多い。死亡事故は発生していないが、転落や車と自転車の衝突、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの事故があり、予断を許さない状況にあるという。
横断歩道で止まってくれた車に対して児童が感謝の意を表する「止まってくれてありがとう運動」を実施しており、濱口署長は「横断歩道で止まらない車や住宅街の狭い道路でスピードを出す車を見掛ける。歩行者と車の事故は死亡事故に直結する危険性が高く、引き続き、住宅街での移動オービスを運用していく」と述べた。
県内では2万8020件の交通事故が発生。前年同期より5611件減少し、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としての外出自粛が要因とみている。
死亡事故は昨年、統計を取り始めた昭和29年以来最小の75人だったが、今年は45件46人で前年同期より6人増加した。このうち25人が高齢者で、17人が歩行中の事故で大半が夜間に発生し、反射材を着用していなかった。今後、高齢者の交通安全意識高揚を図り、死亡事故を減らすことが課題とした。
□ □
副会長の西田健・紀宝町長、紀宝、御浜両町の議会議長ら20人が出席し、本年度の事業計画、予算を決めた。
同協議会は紀宝警察署管内の議会、老人クラブ連合会、小中学校、高校、県などで組織。昨年度は年4回の交通安全運動期間中、広報啓発活動、交通安全教室などに取り組んできた。
冒頭、大畑会長が「先月28日に御浜町で2人の陽性患者が出たが、その後の検査で濃厚接触者が陰性との結果が出た」と報告。「お盆を控えて交通事故の多発が懸念されるが、コロナ対策を講じながら新しい生活様式を踏まえて啓発活動を工夫したい。それぞれの立場でご協力を」と述べた。
本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、7月の「夏の交通安全県民運動」を中止したが、秋の全国交通安全運動(9月21~30日)、年末の交通安全県民運動(12月1~10日)は実施する計画だという。年間を通して、毎月11日に早朝街頭指導、子どもを対象にした交通安全教育などを行う。
(2020年8月7日付紙面より)
10月再開目標にし図書館 (串本町 )
串本町図書館が1日から、仮移転作業のため休館期間へ入った。仮移転先は地域保健福祉センター(町立体育館の隣)。公には10月ごろ移転先で開館としているが、内部的には10月1日(木)付の再開を目標にして作業を進めている。
この仮移転は、図書館がある施設(旧園舎)の敷地を年末までに地権者に返還するために実施。同館は津波が届かず町民の利便性を損なわない場所への移転を模索し続けているが、現時点で筋道はついておらず将来に本移転ありとして今回は仮と位置付けている。
同町教育委員会教育課社会教育グループによると、同センター1階の空き部屋(旧食堂)とロビーを仮移転先とし今月5日現在で整備工事はほぼ完了に達しているという。
他方、仮移転では下旬の搬出に向け計画的に蔵書の箱詰め作業を始めている。同館職員によると、元と先ではフロアの形状が異なるため改めて利便性の高い書棚の配置を決め、それに合わせて蔵書を並べる必要があるそう。相応にシステム面での準備も要するなどで、5万冊規模の蔵書や再活用する書棚の搬出よりもそれらの搬入の方が大仕事になるが目標にかなうよう進めたいと話していた。
移転元の施設は8月末までに空にし、9月以降に解体撤去して敷地を返還するという。
(2020年8月7日付紙面より)