第3回ふれ愛講座 (新宮市 )
新宮市教育委員会は21日、市人権教育センターで「第3回ふれ愛講座」を開いた。公益財団法人反差別・人権研究所みえ事務局長の松村元樹さんが講師を務め、「ネット上の部落差別等の現状とモニタリングを含めた今後の対策」を講演。多くの参加者はネット上で発生する差別事象や課題解決に向けた取り組みを学んだ。
松村さんは国内でのスマートフォンの普及台数が約8700万台であり、タブレットなどインターネットに接続できる媒体が多いことや国内外の人々が多く利用する会員制交流サイト(SNS)について、「現在、インターネット(以降、ネット)は生活の中にあり、便利。使うことで得になる場合も多い」と述べた。その反面、ネット上で発生する部落差別などさまざまな差別事象が多発していることを報告した。
ネットの特性として▽時間的・地理的な制約がない▽電子空間は現実社会より自己表現しやすい▽情報発信が容易で広範囲に拡散できる▽記録(ログ)が残り積み上がる―などを挙げた。
松村さんは実社会での差別落書きと違い、匿名性があるネット上での落書きは対処が困難であると懸念。ツイッターなどのSNSに実際、投稿された差別発言を紹介し、「より細かく長文にもでき、削除も難しいため広がってしまう」と危険性を示した。
対抗手段として実態を把握し削除依頼を行うモニタリングやウェブサイトから情報を抽出するスクレイピング、人権情報の発信、差別解消法や人権教育啓発推進法などの教育や啓発を解説した。
2004年から三重県で実施されているモニタリング事業や実態把握の方法、アカウントの停止や凍結などの防止・規制を説明した。さらに反差別・人権運動の情報発信やネットワークづくり、差別することがデメリットになる社会の意識形成、メディアリテラシーの育成が重要であると強調し、「今後も全力で解決に取り組んでいきたい」と語った。
(2019年2月23日付紙面より)
第3回新宮市健康づくり計画委員会(米良孝志委員長、16人)が21日、市保健センターであった。平成29年8月に実施した生活習慣に関するアンケート結果や中間評価の方向性などを確認した。
市の健康づくり計画として健康日本21(第2次)新宮市版「一笑健康しんぐう」が26年3月に策定。35年度までの10年間を計画し本年度が中間年度に当たるため、評価や見直しの場を設けようと開催された。
開会で田中幸人・市健康福祉部長が「皆さんのご協力を得ながら新宮の健康づくりに取り組んでいます」とあいさつし、「今後5年間の方向性を定める重要な位置付けとなるため、皆さんのご意見をもらい参考にさせていただきたいのでご協力を」と呼び掛けた。
市職員たちが「食生活・身体活動」「健康管理」「こころの健康」の3分野で取り組んでいる活動や生活習慣、中学生の生活とたばこに関するアンケートなども報告した。
今後は委員たちからの意見と市民にパブリックコメントの募集などを予定しており米良委員長の承認後、3月末ごろに冊子を印刷する。
(2019年2月23日付紙面より)
古座川町に防災資機材寄贈 (近畿労働金庫 )
近畿労働金庫が21日、古座川町役場にチェーンソー1台など防災資機材を寄贈した。
この寄贈は、同金庫が展開する社会貢献預金「すまいる」を活用した地域貢献活動。同預金は寄付目的としてエコ推進・子どもたちの未来応援・災害復興支援・国際協力の4系統を設定し、預金者はいずれかを選んで寄付し同金庫も資金を上乗せして社会に役立てる仕組みになっている。
災害復興支援の貢献先の一つに認定NPO法人わかやまNPOセンターがあり、今回の寄贈は同センターの仲介により平成28年度から3カ年計画で取り組んでいる紀南の各自治体を対象にした支援の一環。同金庫から事前に寄贈の申し出を受けた同町はチェーンソーの寄贈を希望し、同金庫は充電式250㍉チェーンソー1台と備蓄品として用立てているウエットタオル(30枚組)若干数を託すことを決めた。
この日は同金庫常務理事でもある和歌山地区本部の小林茂本部長と大西強事務局長、同センターの志場久起副理事長と県NPOサポートセンターの植田祐起代地域支援コーディネーターの4人が来庁し、小林本部長から西前啓市町長に目録を贈呈した。小林本部長はは寄贈の経緯を伝えて有効活用を希望し、西前町長は「ありがたく頂戴し、活用の努力をしていく」と応えた。
同町総務課によると、町所有の古くなったチェーンソーの更新を考えている時に同金庫から寄贈の申し出があり、活用させてもらったという。同金庫はこの日、すさみ町や串本町へも目録を届けて紀南の全自治体への寄贈を完了した。
(2019年2月23日付紙面より)
毎月1回「集まりの場」 (紀宝町社協 )
紀宝町社会福祉協議会は「ひきこもり支援」の活動に取り組んでおり、2020年度まで5カ年計画で実施中の「地域福祉活動計画」に重点項目として盛り込んでいる。
ひきこもり問題がクローズアップ化される中、同協議会では町内にも情報があることを知り、活動を始めた。
高齢の親とその子ども世帯で、ひきこもりや長期的に就労していない状態で、孤立や生活困窮へとつながる恐れがあり、地域の福祉課題として着目されている「8050問題」に焦点を当てた。
地域福祉活動計画推進委員会の中で、ひきこもり支援チームを結成し、2カ月に1回、会議を行っている。8050実態調査の結果、9件のケースがあり、「将来が心配」との声が多かったという。
視察や研修を通して「集まりの場」の重要性にたどり着いた。今後は▽集まりの場の周知・展開▽行政と方向性の統一▽生活困窮者自立支援制度との関連―などに取り組む。
「集まりの場」は月1回、町福祉センター敷地内のアプローチ邸でミニ講演会やカフェを開いている。
2月の「集まりの場」には18人が参加。不登校、ひきこもりを経験した和歌山市の鴻原崇之さんを招いた。
鴻原さんは「中学校の頃、自分に自信がなくなり学校を休みたかったが、両親から『頑張れ』と言われ休学することができなかった。休憩時間は一人で過ごし苦痛だった。ある時、母が『休んでいいよ』と言ってくれた。高校に進学せず、学校に行かずアルバイト生活を3年間続けた。自分だけ『逃げている』と感じ、仕事を辞めると外に出られなくなった」と振り返った。
「自宅での生活が4年間続き、絶えずいら立ち、記憶も断片的だった。どうすれば良いか分からず、焦りと脱力感の日々だった」。家族の気持ちを考える余裕もなかったという。
家族の支えで外に気持ちが向いていった。少しずつ出掛ける機会が増え、同じような仲間が集まれる場に通うようになり、会話ができるようになった。「みんなでご飯を食べに行き、友達関係に発展した」と話し、家族や居場所の大切さを伝えた。
3月の「集まりの場」は14日(木)午後1時30分から開く。臨床心理士の近澤朋加さんを招く。
参加費は無料で、問い合わせは同協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2019年2月23日付紙面より)
久保榮子さんが研修で講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場で13日、防災研修が開かれた。2011(平成23)年9月に発生した紀伊半島大水害以降に採用された職員(医療職除く)ら60人が対象。防災士の久保榮子さんと県土砂災害啓発センターの坂口武弘所長が水害の詳細や被害、対策について講話した。
久保さんを招いての研修は町としては初。災害の恐ろしさや犠牲者の遺族の悲しみなどを風化させず、当時を振り返るとともに防災意識を高めることが目的。午前・午後に分けて実施された。
久保さんは同水害で夫の二郎さんを亡くし、自身も生死の危険を経験したことから、72歳で防災士の資格を取得。各所で体験談や防災についての講話を実施している。
この日も手作りの紙芝居で当時の水害の悲惨さや状況を説明。細かく描写された絵や臨場感のある語りに職員らは真剣な表情で見入っていた。続いて、避難情報の違いや水害からの生還例を紹介し、防災にまつわる○×クイズが行われた。
久保さんは「命はなくなったら戻ってこない。災害時は一人一人状況は違うが、早めの避難は本当に大切」と話し、「奇跡的に助かったこの命を使って、一人でも多くの方の心に命の大切さや防災の重要性が残るように語り部として伝えていきたい」と気持ちを込めた。
その後、坂口所長が同水害時に県内で発生した深層崩壊や土石流などの状況を解説。当時、同町が出した一部の地区への避難指示のタイミングなどについても指摘し、「那智勝浦町は過去に何度も洪水被害に遭っていることが研究で分かった。今後はそれらを踏まえ、行政活動に尽力していただけたら」と述べた。矢熊義人副町長は「3分の1の職員が水害時の業務未経験者。今後の業務としても知っていただくことは大事で、良い機会」と話した。
(2019年2月15日付紙面より)
古座小6年生15人が紙すき (串本町 )
串本町立古座小学校(野端則久校長)の6年生15人が13、14日の2日間、紙すきに取り組んだ。卒業証書用の和紙を得るのが目的で、元教諭の谷本節代さんから手順を教わり1人1枚を手作りした。
卒業証書用の和紙作りは、20余年来続く歴代の6年生伝統の活動。本年度の6年生は昨年12月13日、古座川町にある国王山へ赴いて和紙の材料として一般的なガンピ(雁皮)の枝を集め、図工や総合的な学習の時間を使って繊維を含む樹皮をむき細かく切り刻むといった準備を重ねてきた。紙すき直前に水と一緒にミキサーにかけてパルプ液(ほぐれた繊維が混ざった水)を作り、紙すきの本番を迎えた。
谷本さんは、和紙の代表的な原料にはコウゾ(楮)やミツマタ(三又)、ガンピがあり、旧古座町域は数十年前まで和紙を作って売る習慣が盛んだった名残で、今でも原料となる樹木が山の中に残っていることを伝えて和紙作りへの興味をそそった。
紙すきの手順は、巻きすを底板にした型枠にパルプ液を流し入れて水切りし、さらに型崩れしない状態までスポンジで水抜きするという内容。6年生は数に限りがある型枠を効率よく使い回すため、3グループに分かれて順次▽紙すき▽パルプ液作り▽和紙文化の調べ学習―をこなした。
紙の厚みにむらができないよう均一にパルプ液を流し入れ、気になるごみをピンセットで取り除いてからスポンジで吸えなくなるまで水抜きするなど、いい和紙を作るため細心の注意を払いながら作業。まだ湿っている和紙が途中でちぎれて苦労が台無しにならないよう、慎重に巻きすからはがし取った。
2日がかりで書き損じたときの予備も含めた枚数を手作りし、その中で全員が紙すきを経験した。仕上がった和紙は今後時間をかけてしっかりと乾燥させ、谷本さんが卒業証書の文面を書き入れ野端校長が学校印を押して授与するという。
(2019年2月15日付紙面より)
赤ちゃんの命を守る防災術 (鵜殿図書館 )
「赤ちゃんの命を守る防災術」と題した子育て支援講座が10~12日、紀宝町立鵜殿図書館などで開かれた。町内在住の親子や、町子育て支援センター職員、保育士ら約20人が参加し、3日間の講座を通して、災害から子どもを守るすべを学んだ。
発生が危惧される南海トラフ地震などへの備えが求められている中、小さな子どもの命を守るために何をすべきかを考える講座。
防災アドバイザーとして名古屋市などで活躍する椿佳代さんが講師を務め、明石雅世さん、みずのかずこさんがサポートした。
講話を中心とした初日は椿さんが「災害はいつ起こるかわからない。年齢に応じて1歳から防災教育ができる」。自分の命を守れる子どもに育てましょうと求めた。
「家族の命が助かることが基本で、どう行動するか考えておく必要がある」と述べ、「地震発生時は台所が一番危険。電子レンジや冷蔵庫、食器棚などの転倒、飛散防止対策を」と呼び掛けた。
災害伝言ダイヤルの登録、おむつの予備、非常持ち出し袋、避難所の場所と時間など今できる対策も示した。
2日目は、町防災対策室の阪井耕平さんが町防災マップの津波浸水予想図を基に「地震による強い揺れや長時間ゆっくりした揺れを感じたら津波警報、防災行政無線を待たずマップに表示されている海抜20㍍ラインより高い場所へ避難してください」。参加者は自宅と勤務先をマップで確認し、避難路などを話し合った。
親子で図書館から鵜殿小学校まで歩き、危険箇所や所要時間を確認し、災害時に避難所となる同小体育館で避難所生活をイメージした。
最終日は、椿さんが感染症の予防と対策を説明。「避難所は多くの人から菌が持ち込まれやすく感染症が広がりやすい」とし、感染者の命も守り、処理者も感染しないことと話した。
参加した母親らは、災害時にどう子どもを守るのか、講話などを通して真剣に考えていた。
(2019年2月15日付紙面より)
那智勝浦町で春祭り
那智勝浦町内では10、11の両日、川関、浜ノ宮地区の神社で春を呼ぶ例大祭が営まれた。伝統のお弓行事や獅子舞の奉納があり、地域の人たちでにぎわった。
川関区の飛烏(あすか)神社例大祭の本宮が11日に営まれた。式典や厄よけ祈とうに続き、川関共心会(田原禎久会長)が獅子舞を披露し、大勢の見物人でにぎわった。
式典は午前11時に熊野那智大社神職の出仕により境内で営まれ、厄よけ祈とうなどが行われた。
午後からは区内を練り歩いた獅子屋台が境内に戻り、川関共心会が「八車」「剣の舞」「玉獅子」「乱獅子」「八車二頭立て」を次々に披露。続く「天狗(てんぐ)」は天狗役を速水優吾君(勝浦小3)が務め、かわいい舞に盛んな拍手が送られた。大役を果たした速水君は「緊張したけどうまくやれた」と笑顔だった。
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浜ノ宮区の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ、髙橋正樹宮司)の例大祭が10日、本宮を迎えた。
髙橋宮司による神事が執り行われ、神前で獅子舞を継承する一心会(中村誠一会長)が、「幣の舞」「剣の舞」「乱獅子」を奉納した。続いて、お弓行事諸役が境内外周を巡り弓場に入った。
今年の射子は▽弓太郎(ゆだら)=中川信夫さん▽弓太郎分け=中川光生さん▽中弓(なかゆみ)=藤社祐樹さん、中川貴照さん▽弟弓(おとゆみ)=中村充さん、中村知さん。
射子が見事、的を射ると太鼓が打ち鳴らされ、親族が胴上げされた。拝観者から拍手と歓声が上がった。
中村正直区長代理は「無事大祭を執り行うことができてよかった」と安堵(あんど)していた。
(2019年2月15日付紙面より)
商工会議所、納税貯蓄組合連が宣言式 (新宮市 )
新宮商工会議所(関康之会頭)と新宮納税貯蓄組合連合会(島野勝会長)主催の「消費税完納及び軽減税率制度への対応推進」ならびに「ICT(情報通信技術)を利用した申告・納税手続の推進」宣言式が8日、新宮市の新宮商工会議所であった。関係者63人が出席する中、関会頭が「消費税の期限内完納と軽減税率制度の円滑な導入への思いを新たにするとともに、会員自らがICTによる税の手続きを積極的に利用し、広く地域社会の人々に対してもICTによる税の手続きの利用拡大に向けた運動を推し進めていく」などと誓った。
国税庁では、近年のICT化の進展を納税者サービスにも積極的に活用し、ICTを利用した申告の推進に取り組んでいる。国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」やe―TaxといったICTを利用することにより、納税者は税務署に出向くことなく申告を行うことができる。同連合会は2000年から消費税完納推進、07年からe―Tax普及定着の宣言式を地域の各種団体と共に実施している。
式典で島野会長は、新宮商工会議所の運動推進への賛同に感謝し、「年々多様化している税務手続きの普及啓発を図ることは、経済社会のICT化を一層加速させ適正な申告と納税の推進に大変大きく貢献する」とあいさつ。
来賓の丸之内陽一・大阪国税局徴収部長が「皆さんの税金が医療や福祉などに回っている。今日の宣言は非常に心強い」。榎本伸・新宮税務署長は「この宣言に力を得て、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命の実現に向け、署員一丸となってさらなる努力をしていく」。上村英之・紀南県税事務所長が「消費税はさまざまな行政施策の貴重な財源。完納は地方自治体にとっても大変重要」などと祝辞を述べた。
田岡実千年市長は「消費税の完納を協力して推進していくとともに、納税者の利便性向上と適正な申告、納税のため、ICT利用の推進に努めたい」と祝意を示した。
(2019年2月10日付紙面より)
和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長、会員数46)は8日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで総会を開いた。20人が参加し4議案を承認。役員改選では田邉会長が再任された。
協会はラオスの観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと発足、5年目を迎える。ラオス人民民主共和国は、自然と歴史的文化遺産が多く、「ルアンパバーンの町」と「チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」が世界遺産に登録されている。
協会の2019年度事業として▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業▽募金活動▽会員相互の親睦▽会員増強―などを予定している。
総会後の懇親会で田邉会長は、昨年10月にラオスを親善訪問しルアンパバーン市の副市長らと面談した時の様子を回顧。「空港を下りるとインフラ整備が進み、町が見違えるようだった。しかし教育現場は何も変わっていない。教材は2、3人に1冊、鉛筆や制服を持っていない子もおり、お弁当のおかずを用意できないため、米に水をかけて食べる子もいることを聞いた」と述べ、ナールワン小学校とクアンティーネン小学校の児童ら約600人に対する制服と文房具の寄贈を報告した。
教育施設の建設も進めているとし「来年か再来年の1月末完成を目指し着工したい。夢を引き寄せるためには会員の増強が必要。ボランティアは根気よくやっていかなければならない」と協力を呼び掛けた。
田堀国浩・東牟婁振興局地域振興部長は「取り組みによって新たな交流が生まれ、この地域にとっても地域活性につながる」と祝辞。在京都ラオス人民民主共和国名誉領事の大野嘉宏さんがラオスの近況を報告し、乾杯の音頭を取った。
(2019年2月10日付紙面より)
紀宝町立鵜殿小学校(辻至校長、児童232人)の3年生32人が8日、社会科の授業で同町大里の町立ふるさと資料館(栗須高洋館長)を訪れ、昔の暮らしぶりを学んだ。
16人ずつの2グループに分かれ、資料館を訪れた。元鵜殿小学校長の栗須さんが、施設に展示してある昭和初期ごろの生活用品などを紹介した。
後半グループの児童は、映像で約80年前の生活を学習。水道がなかった時代は各家庭に井戸があり、水がめにためて飲み水などとして使用していたことや、土間にあるいろりを囲んで食事していたことなどを学んだ。
この後、栗須さんが氷を入れて使用した大正~昭和30年代の冷蔵庫や火鉢、アイロン、こたつなど展示物を説明し、「電気がなかった頃はアイロンも炭火を使い、植物油を使ったランプで家の中を照らしていた」などと話した。
第2次世界大戦前の昭和11年の小学校教科書を用い、軍艦や大砲の数え方が出題されているなど、時代背景も伝えた。
栗須さんは2年前まで同校の校長を務め、児童たちは「先生、先生」と呼びながら質問していた。見学後は、「面白い物がいっぱいあった」「昔のカメラを初めて見た」と感想を語った。
(2019年2月10日付紙面より)
審査委員長は和田久士さん (太地町 )
第1回石垣記念館写真展が開催されている。15日(金)まで。昨年11月から公募し、自然の風景など26点の力作が展示されている。初日は、審査委員長の写真家・和田久士さんによる展示作品の講評があり、出品者6人が集まった。
和田さんは「構図的にとてもよくまとまった絵がそろった」との総評の後、それぞれの作品の前で光の加減や構図、焦点を当てるポイントなど作品をより良くするための手法を丁寧に話した。撮影場所の選び方や建築物を撮影する際の立ち位置、カメラレンズの選択などのアドバイスもあり、来場した出品者らは熱心に聞き入っていた。
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入賞者は次の皆さん。
■町長賞第1席
「荘厳なる夜明け」渡辺昌也
■町長賞第2席
「秋の古座川峡」早山信武
■町長賞第3席
「渚の造形」野中誠一
■審査委員長賞
「大地の血管」山際 實
■入賞
「道」坪井洋一
「遠投」長雄正紘
「落葉」楠本憲平
「飛び出す瀞鏡」長谷 洋
「春光」日下生 修
「里の春」濵口恵美
「縁側越しに見る十牛之庭」浦 修造
「厳寒の自然美」宇井ますみ
「気嵐の中で」佐藤芳幸
「積年のしだれ梅」庄司起也
「渚の宝物」宮本成也
「パレードの瞬間」橋本久雄
(2019年2月10日付紙面より)
決勝戦は10日午後0時30分キックオフ (和歌山県高校サッカー新人大会 )
第4回バドミントン大会を開催 (紀南バドミントン協会 )
那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部初春大会
新宮市神倉神社
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日夜、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。今年は1703人(主催者発表)の上がり子(祈願者)たちが神倉山に集まり、中腹にあるご神体「ゴトビキ岩」の下で御神火を授かり、538段の石段を下った。
新宮節の一節に「山は火の滝、下り竜」とうたわれ、1500年以上の歴史と伝統を誇る、全国でも珍しい女人禁制の火祭り。2016年3月、国の重要無形民俗文化財に指定された。
白装束に荒縄を巻き、わらじを履いた男たちがかざしたたいまつの炎が滝のように流れ、山肌を赤く染めた。
新宮高校3年の宇佐川楓人君は「火は熱かったけど、毎年上っていて楽しい」、王子ヶ浜小学校4年の新谷悠大君は「今年は寒くなく上りやすかった。来年も上りたい」。1歳3カ月の息子と上った東勇太さんは「子どもも泣かずに下りてくることができ、最高でした」と話していた。
(2019年2月8日付紙面より)
裾野市観光協会が那智山視察 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の那智山へ3日、静岡県の裾野市観光協会(秋山清美会長)18人が視察研修に訪れた。那智勝浦町観光協会が熊野那智大社や青岸渡寺などを案内した。
研修は、地元に本流3本(雄滝)と支流(雌滝)の2本からなる県指定天然記念物「五竜の滝」がある裾野市の観光協会から、日本一の落差を持つ那智の滝や那智山の神社仏閣を視察したいとの申し出があり、実施に至った。
同協会では観光客の滞在時間の延長などを課題としており、那智勝浦町の観光地やその取り組みを確認して解決や今後の観光業務に生かすことを目的として研修を実施した。一行は熊野那智大社や青岸渡寺を参拝し、土産物屋などを視察後に滝へと向かった。
秋山会長は「裾野市の五竜の滝はこちらのように神社仏閣がない。いかに滞在時間を延ばすかが課題」と述べ、「やはり日本一の滝は高さがあって良い。滝があって神社仏閣ができ、世界遺産へとつながっていると聞いた。取り組みも含め、勉強させていただいた」と語った。
那智勝浦町観光協会の堀克也事務局長は「世界遺産15周年の年。熊野古道や那智大社、青岸渡寺をしっかりと見ていただけたら。滝つながりの裾野市さんにとって、今後に生かしてもらえる点があればうれしい」と語った。
(2019年2月8日付紙面より)
西向の成就寺で防火訓練 (串本町 )
串本町西向にある成就寺(大崎實宗住職)で6日、防火訓練があった。雨天のため、今回は本堂や庫裏で通報と寺宝の運び出しのみ実践。消防署員から訓練実施のきっかけになっている文化財防火デーの趣旨や消火器の説明、日頃の備えに対する助言を受けるなどして防火意識を高めた。
この訓練は、同町教育委員会が毎年の文化財防火デーに合わせて実施の調整をしていて、古座地区では同寺と古座の善照寺が交互に隔年で取り組んでいる。同寺は江戸中期に活躍した絵師・長沢芦雪(ろせつ)の襖(ふすま)絵などを所蔵していた(現在は県立博物館に預けている)経緯があり、他にも寺宝や本尊、過去帳など後世に伝えるべき品を数多く所蔵。それらを火災から守る観点で責任役員ら檀家にも参加を呼び掛けて取り組んでいる。
庫裏の炊事場から出火した想定で同訓練を始め、大崎住職夫妻が「火事だ」と叫んで本堂に居合わせた檀家らに出火を伝え、119番通報をしている間に檀家らは手分けして堂奥から寺宝に見立てた箱をすぐに外へ持ち出せる位置まで運んだ。
過去の訓練では、寺宝を門外まで運び出した後に駆け付けた消防が放水を行うところまでを一連の流れとしているが、今回は屋内対応のみ。境内で取り組んでいる初期消火の練習も雨で行えないため、今回は堂内で消火器の種類や取り扱い方、日頃の管理で注意すべき点(本体の劣化や蓄圧式の場合はガス圧の低下など)の説明を受けた。
講評では、通報、初期消火、避難誘導に加え寺宝の持ち出しもある状況は住職夫妻だけでは対処しきれないとし、責任役員への速やかな連絡体制をあらかじめ考えておき、対処するときの役割分担も意識した方がよいなどの助言があり、大崎住職も助言を重々受け止めて同訓練を締めくくった。
この日は串本地区の無量寺でも文化財防火デーにちなんだ防火訓練が行われた。
(2019年2月8日付紙面より)
紀宝町げんき塾講演会
紀宝町げんき塾による講演会が1日、同町役場2階大会議室で開かれた。塾生ら約20人が参加し、三重大学の西村訓弘副学長から話を聞いた。
元気塾は地域活動のリーダーや担い手の発掘・育成を図るとともに担い手間のネットワークを構築することを目的に、2017年4月に発足。20人が所属し、インスタグラムで町の情報を発信している。3月24日(日)には同町大里の田代公園で「げんき塾マルシェ」を開催する。
講演のテーマは「まちのリーダーづくりとリーダー達との取り組み事例について」。三重県は29市町のうち四日市市、津市、鈴鹿市など北部6市で全人口の67%を占める一方、高齢化率は南部が高いと説明した。
西村さんは「北部と南部で生じる生活格差が、日本の大都市と地方の縮図と重なる。南部(地方)は本当に駄目なのか」と述べた上で、県南部の農業、漁業の現状を解説した。
「地方の景色は変わっていないが、社会背景が変わったことを受け止めるべき」。県内各地の取り組みを紹介した上で、「地域内流通の考え方を理解し、創造していくことが強い農業、漁業を実現し、1次産業の再起が地域を創生し、地域からの強い経済成長を生み出す」と示した。
地方で活躍するために必要な考え方として「先入観を捨て、自身のインスピレーションを信じて生きること」と伝えた。
(2019年2月8日付紙面より)