潮岬中3年・久保凛さん (串本町 )
串本町立潮岬中学校3年・久保凛さんが19日、第49回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下全中とする)女子800㍍決勝で1位となり、ついに日本一の栄冠をつかみ取った。記録は自己ベストの2分9秒96。久保さんは「今までの練習でつらいこともあったけど、頑張ってきて良かった」と喜びをかみしめている。
今回の挑戦の起点は7月2~3日にあった第68回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会。女子共通800㍍予選と女子共通1500㍍決勝で標準記録を突破する成績を収め、800㍍種目を選んで全中の出場権を得た。この時点での記録は2分12秒15。以降、24日実施の第74回和歌山県中学校総体陸上競技の部共通女子800㍍で優勝、8月7日実施の第71回近畿中学校総合体育大会陸上競技女子共通800㍍でも優勝と、昨年に続く好成績を収めて全中の本番を迎えた。
全中の会場は福島市にあるとうほう・みんなのスタジアム。18日実施の女子800㍍予選では57人が7組に分かれて挑み、久保さんは第3組で2分11秒79を記録し総合1位で決勝へ進出した。翌19日午後1時に予選上位8人による決勝があり、久保さんは序盤からの先行を最後まで保ってゴールした。
昨年初めて全中の女子800㍍に挑み、結果はB決勝(予選9~16位が対象)3位。今年はゴール直後に倒れ込むほど力を出し切り、大会記録まで2秒45差、日本中学記録に2秒77差と迫る好成績で決勝を駆け抜けた。久保さんは「今の気持ちはとてもとてもうれしいし、みんなに感謝をしています。強い選手と走ることができたおかげで自己ベストも更新し、1位を獲得できました」と挑戦を振り返る。
母校の潮岬中で結果の報告を受けた平原良一校長は「久保さんは集中力と調整力にすごく長けている。今まで積み上げてきたものが実を結んだと思うし、その結果が出たことは感無量でうれしく思う」と語った。
(2022年8月21日付紙面より)
税理士が詳細を解説 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長)は19日、那智勝浦町築地の町商工会館で事業環境変化対応型支援事業「インボイス制度についてのセミナー」を開催した。講師は税理士法人ウィズ岩出オフィスの税理士・下津正也さんが務め、インボイス制度の詳細や対応などについて講演した。
インボイスとは複数税率に対応した仕入税額控除の方式で、現行の区分記載請求書等保存方式に代わり、2023年10月1日から導入される。導入後は売り手・買い手双方に新たな義務が課されるという。
売り手側は買い手である取引相手から求められた際、適格請求書(インボイス)を交付しなくてはならない。また、買い手は原則としてインボイスなどの保存が仕入税額控除の要件になる。
下津さんは、インボイスは事業者登録の申請があり、商工会などに依頼し番号を発行する必要があると説明。制度導入で請求書などの様式やシステムの変更が必要になるとした。
制度開始と同時にインボイスを発行するためには、来年3月31日までに申請する必要があると述べた。
適格請求書発行事業者に未登録の事業者からの仕入れは仕入税額控除ができないことから、仕入れを行う相手業者の選別が行われる可能性があると指摘。
免税事業者のままでは適格請求書発行事業者に登録できないため、課税事業者を選択した上で登録を行うかどうかの検討が必要になるとした。
レシートのように記載項目が簡略化され、不特定かつ多数の相手との事業を行う際にはインボイスに代えて、交付できる適格簡易請求書(簡易インボイス)にも触れた。
制度導入後は経費精算での留意点もあるとし、出張先でのタクシー乗車や居酒屋での忘年会などのインボイス発行については、確認の必要が出てくると話した。
そのほか▽登録開始前に法人成りするメリット▽インボイスに記載すべき事項と注意点▽適格請求書発行事業者になるための準備▽仕入税額控除を受ける際の注意点―などを解説した。
下津さんは「制度導入後は値引きや返品、訂正があった際はインボイスの返品請求書などを発行しなくてはならないため、手書きの請求書などはやめたほうがいい。制度導入前から、それに対応したアプリやシステムなどの準備が必要になる」と呼びかけた。
(2022年8月21日付紙面より)
観光案内など担当 (那智勝浦町 )
国際交流員(CIR)として那智勝浦町が新たに任用する、トルコ出身でオーストラリア国籍を持つスクラン・ベンギス・メルシンリさん(26)が18日、堀順一郎町長を表敬訪問した。英語、トルコ語、日本語を話せるため、通常は那智勝浦観光案内所で案内などを行うほか、学校訪問も計画している。
「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」による来日。同事業は、地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省、自治体国際化協会の協力で実施するもの。外国語教育の充実と地域レベルの国際交流の進展を図ることを目的に、1987年より行っている。
参加する外国青年は、学校などに配置される外国語指導助手(ALT)、国際交流担当部局などに配置される国際交流員(CIR)、スポーツ指導などを行う「スポーツ国際交流員(SEA)に分かれている。
メルシンリさんの生まれはトルコ。12歳の頃にオーストラリアに移住し、グリフィスという町に住んでいた。シドニーにあるマッコーリー大学の法学部・日本学部を卒業している。
好きな食べ物はうどん。趣味は英会話のボランティア。トルコにはミドルネームで呼ぶ慣習があるため、呼称は「ベンギスさん」になる。
メルシンリさんは14日に来日し、東京都での2日間のオリエンテーションの後、17日に初来町した。同町の印象を「まだ一部しか見ていないが、美しくすてきな町」と語ったほか、「みなさんのお役に立てればと思っています」と意気込みを述べた。
堀町長は「本町は世界に開かれた観光の町。海外の方を迎える先頭に立ち、健闘してほしい。コロナ禍でインバウンドは少なくなったが、ゆくゆくは海外の人も迎えると思う。その準備をしてほしい。子どもとの交流もしてもらえたら」と伝えた。
業務内容は観光案内や学校訪問のほか、通訳翻訳、多文化交流、姉妹都市交流、情報発信、海外への観光プロモーションなどとなる。飲食店のメニューの英語、トルコ語への翻訳も行うとのことで、同町は「町内の事業者さまでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町役場観光企画課(電話0735・52・2131)。
(2022年8月21日付紙面より)
3年ぶり、夏の「フライデナイト」 (新宮市 )
商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が19日夜、新宮市の丹鶴商店街であった。路上は大勢の若者たちでにぎわい、来場者らは露店グルメやステージパフォーマンスなどを通して夏のひとときを堪能した。
丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催。路上ビアガーデンとダンス、ライブをミックスしたイベントで2017年夏に初開催。20年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、昨年11月に復活。夏のフライデナイト開催は3年ぶりとなる。
5回目となる今回は前回に引き続き、飲食中は会話を控える、テーブルの利用を30分以内とするなどの新型コロナウイルス感染予防対策に協力を呼びかける形で開催。唐揚げや焼き菓子、フライドポテト、各種丼など地元商店が提供する露店グルメが集結。各店舗前には大勢が列を作り、開始間もなく売り切れとなる商品もあった。
ステージイベントではシンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」がMCを担当。約15団体がダンスや演奏で会場を盛り上げた。
岩澤理事長は「開催に際しては内外からもいろいろな意見があったが、新型コロナウイルスで沈んだ空気を少しでも上向きにできたらと思って実施に至った」。
国や県のコロナ対策ガイドラインに基づいて対策を講じているとし「同商店街は若手の事業者も多い。イベントが中心市街地の活性化につながればうれしいです」と話していた。
(2022年8月21日付紙面より)
南紀熊野ジオパーク
今年4月に行ったユネスコ世界ジオパーク国内推薦申請に伴い、南紀熊野ジオパークの現地調査が行われている。日本ジオパーク委員会の中田節也委員長(東京大学名誉教授・防災科学技術研究所火山研究推進センター長)、田中裕一郎委員(産業技術総合研究所地質調査総合センターシニアマネジャー)、ヴォウォシェン・ヤゴダ委員(隠岐ジオパーク推進機構)が、7~10日の4日間の日程でエリア内で地質遺産の価値や保全、活用の仕組みなどについて調査を行う。
南紀熊野ジオパークは、プレートの沈み込みに伴って生み出された3種類の大地、それらが作る独特の景観、温暖湿潤な気候がもたらす多種多様な動植物、そこから生まれた熊野信仰や筏(いかだ)流しなど、数多くの自然や文化を体験できるエリアとして2014年に日本ジオパークに認定され19年に再認定された▽新宮市▽白浜町▽上富田町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽奈良県十津川村の一部―の10市町村からなるエリア。
このたびの調査は、同ジオパークを世界ジオパークに推薦するかどうかを審査するためのもの。また、日本ジオパークとしても4年に1度の再認定審査の年でもあるため、前回再認定審査時からのジオパーク活動の進展なども併せて審査される。
現地調査2日目の8日、3人の委員らは北山村、新宮市、太地町を訪問。県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があり、同校3年の坂本美波さんが昨年10月に白浜町と新宮市の三輪崎海岸で調査した、海洋ごみの現状や課題などについて英語でプレゼンテーションを展開。委員らが活動概要について質問し、坂本さんや東垣(あずま・わたる)同探偵団長(南紀熊野ジオパークセンター長)が解答。坂本さんは「環境問題について自分が知っていたことは小さなことだと感じた。(調査は)新しい発見があった。いい経験になったと思う」などと報告した。
熊野速玉大社では田岡実千年市長が委員らを出迎え、応援に駆け付けた濱口太史県議らが見守る中、市観光協会登録ガイドの西浦康代さんが同大社や周辺の歴史的背景を紹介した。
委員らは10日にかけて、那智の滝や橋杭岩、一枚岩などのジオサイトを見学したり、ジオサイトを体験したりする予定。
現在、世界では44カ国169のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本では9地域が登録されている。国内推薦の可否は9月ごろに決定する見通しだ。
(2022年8月10日付紙面より)
新宮東牟婁特別支援教育研究会 (那智勝浦町 )
新宮東牟婁特別支援教育研究会(松本潤会長)は2日、那智勝浦町の体育文化会館で教職員ら70人を対象とした夏季研修会を開いた。南和歌山医療センター小児科に勤務し、瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子さんが講師を務め「神経発達症の対応~薬物療法と中長期的な展望~」と題し、さまざまな症例や対応について講演した。
星野さんは知的能力障害やコミュニケーション症群、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(SLD)、運動症などの神経発達症について詳細を説明。
治療の原則として、「早寝早起き、睡眠を整える」「昼間の活動、運動、覚醒が大切」「保護者の理解は必須」「報酬系に留意した接し方を指導」「小児内科的視点を忘れない」「ゲーム、メディアの過剰に注意」を挙げた。
発達障害の支援を考える上では、本人や保護者が個性として理解し、疾患として脳科学的視点を持つこと、養育者も家族や貧困などの問題を抱えているケースがあると報告。支援体制や薬物療法に頼れる良い仲間・集団を探すこと、長期の支援について話した。
星野さんは本人が自分を理解できなければ、自己肯定感が低くなり結果、孤立を招いてしまうと危惧。教職員がかける言葉の例も伝えた。
障害が理解されずに起こる適応障害やうつなどの二次障害にも触れ、保護者からの温かい言葉も必要であると述べた。
脳内の報酬系が強く、神経が過度に興奮、中毒に陥る、前頭葉系が萎縮してしまうなどの理由からゲームやネット依存の注意点を述べた。対応策としては昼間、本人が過ごせる場所をつくることが有効であると提案した。
症例の紹介や対応のほか▽行政が行う発達障害者への支援施策の利用▽受給できる手当や年金に必要な診断書の作成▽薬物による治療▽支援グループの存在▽就労支援▽就労の多様化▽作業療法や言語療法、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングなどの療育―などの詳細を解説した。
星野さんは「傾聴し寄り添い、具体的な方法を提案し、希望を与え関係機関と連携を取り、現実的な支援に向かって動く」ことが重要とし「未来は変えられる。支援や治療があるので頼ってください」と述べた。
その後は質疑応答が行われた。松本会長は「教師も学び続けていかなくてはならない。医療や保健、福祉と連携することが最も大切。今後も一人一人の子どもに寄り添っていきたい」と語った。
(2022年8月10日付紙面より)
串本中が平和登校日活動 (串本町 )
串本町立串本中学校(濱﨑和司校長、生徒118人)が5日、文化センターで平和登校日の活動に取り組み生徒に戦争と平和を考えるきっかけを託した。
広島に原子爆弾が投下された日に合わせて毎年実施している校外行事。戦時を伝える映画を鑑賞し、込められたメッセージを受け止める内容が慣例となっている。
本年度は沖縄・津堅島の戦禍を題材とした作品「かんからさんしん」(1989年作)を上映。鑑賞に先立って濱﨑校長は平和登校日の趣旨を伝えて最後まで見届けることなどを呼びかけて生徒の気持ちを引き締めた。
同センター2階ホワイエでは企画展「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」が実施中で、濱﨑校長は巡り合わせを生かして映画鑑賞後に見学することも推奨。生徒は時間が許す限り展示の内容を確かめ、この日の経験の一助とした。
(2022年8月10日付紙面より)
東紀州に高速道路をつくる会(垣内貴会長)は、御浜町役場くろしおホールで本年度の総会を開催。総会を前に、国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所の藤山一夫所長が近畿自動車道紀勢線の整備状況を報告し、「紀勢線は全線事業化され、紀伊半島一周が現実に見えてきた。命の道、医療連携、観光活用として有意義な道路になる」と伝えた。
熊野市大泊町―久生屋町間の熊野道路(延長6・7㌔)は用地取得が完了し、本年度は橋梁(きょうりょう)下部工事、トンネル準備工事などに着手。久生屋町―紀宝町神内間の紀宝熊野道路(延長15・6㌔)は、道路設計、用地調査などを行っており、御浜(仮称)、紀宝(同)のインターチェンジを計画している。
紀宝町神内―新宮市あけぼの間の新宮紀宝道路(延長2・4㌔)は、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所工務第三課の藤田和志課長が説明。熊野川に架かる河口大橋の上部工事は和歌山県側が完了し、三重県側で工事が進んでおり、2024年秋の供用を目指しているとした。
総会で垣内会長は「官民一体となって盛り上げ、一日も早く紀伊半島一周高速道路を実現したい。ぜひ、ご協力を」とあいさつ。昨年度の事業、収支決算を報告し、本年度の予算、事業計画を決めた。
同会は東紀州地域の住民有志196人で構成。本年度は関係機関への要望・PR活動などに取り組み、熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会との連携を図る。
▽熊野道路の早期完成▽紀宝熊野道路の工事着手▽新宮紀宝道の開通に向けた事業推進―など、紀伊半島一周高速道路の早期完成に向けた決議文を採択。本年度の要望活動で活用するという。
(2022年8月10日付紙面より)
大阪国際柔術選手権
「とちぎ国体サッカー競技」近畿ブロック大会 (近大新宮高・新宮高 )
熊野大学が主催する2022熊野大学夏期特別セミナー「没後30年の中上健次」が5日夜、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」を舞台に開講した。全国各地から集まった中上文学ファンら約150人が参加。6日までの2日間、中上を直接知る講師陣の講演などを通して中上の軌跡や近代文学の歩みなどに触れる機会とした。
「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上(1946~92年)によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。
中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りを兼ねて全国から多くの中上文学ファンが当地方を訪れるが、2019年は台風接近のため急きょ中止に。おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となっていた。
没後30年を迎える今年の夏期特別セミナーは、「中上健次コーナー」擁する市立図書館が所在する「丹鶴ホール」で開催。同施設オープニングイヤー連携事業と位置付けて実施される運びとなった。
今セミナーでは▽いとうせいこうさん(作家・クリエイター)▽奥泉光さん(作家)▽紀和鏡さん(作家)▽高澤秀次さん(文芸評論家)▽辻本雄一さん(市立佐藤春夫記念館長)▽中上紀さん(作家)▽松浦寿輝さん(作家・詩人)―らが講師を務めた。
開講に当たり松本巌理事長があいさつ。「中上は死ぬまで熊野で生きる人間の魂を発表し続けてきた」と紹介し、同大学設立の経緯などを振り返るとともに関係者らの協力に感謝を伝えた。
速水盛康教育長は「地域の誇りとして、同時に大きな存在感があったと思う。講座や講演を通してこのホールから発信していただけることに敬意を表したい」とあいさつした。
セミナーは中上の長女・紀さんの講演「30年経(た)って問いたいこと」で幕を開けた。紀さんは中上が同大学を設立した当時のことや父、家族の思い出などを回顧し「私にとって、熊野、同大学は父に会う場所であるとともに、父が守ろうとしていたもの、抱いていた志を再確認するための場所」。
父の死を経て、また同大学への参加を通して「父は多くの宿題を残して卒業していった」とし「私に使命があるとすれば、この空間を継続し、物語や生き方を理解して伝えていくこと」と述べた。
紀さんは留学時代に父からの手紙に返事をすることはあまりなかったと振り返り「遠く離れていても存在しているという絶対感があったが死んだことでその絶対感がなくなった」。
父の死が文筆を志すきっかけとなったと述べ「父ならどう思うのかを考える。今でも父ならこうするのでは、と思う方向に進む自分がいる」と話していた。
(2022年8月7日付紙面より)
宇久井ビジターで観察会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで7月31日、「身近な昆虫観察会」が開かれた。午前・午後の部で夏休み中の小学生ら19人が参加し、環境省自然公園指導員の浜際康太さんと昆虫採集を楽しんだ。
同センターで8月30日(火)まで開催中の「昆虫企画展~むしのたべもの~」の特別プログラム。特定非営利活動法人 大杉谷自然学校主催。
参加者たちは虫取り網や虫かごを手に、樹液の出る木や草むらを探索。草の表面に触れるように虫取り網を左右に振る「スウィーピング」、やぶなどをたたいて隠れていた虫を見つける「ビーティング」などの手法も学んだ。
この日はカブトムシなどの甲虫が少なかったが、メタリックカラーがきれいなカナブンや寄生バチの一種であるミドリセイボウの他、ハラビロカマキリ、ショウリョウバッタ、エンマコオロギ、アオバハゴロモ、ジャコウアゲハなど14種類が見つかった。
中口翔太君(神倉小5)は「虫が大好きで、虫取りのプロです。ウマノオバチの仲間は初めて見ましたが、好きなのはやっぱり甲虫」と話していた。
(2022年8月7日付紙面より)
配食ボラ「サークルほほえみ」 (紀宝町 )
紀宝町内で配食サービスを行うボランティアグループ「サークルほほえみ」(森倉滿知子代表)は5日、サービス利用者に和菓子を届けた。
配食サービスは、サークルほほえみと鵜殿地区配食サービスボランティアが毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。
配食が休みの毎年8月は「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアが利用者宅を訪問してお菓子を配っている。昨年は新型コロナウイルスのため取りやめたが、おととしは「絵手紙も届けよう」と町ボランティア市民活動センター「きぼらんせ」が企画し、「絵手紙サークルこんにち和」の協力を得て150枚を贈った。
この日、「サークルほほえみ」は調理ボランティア11人が配達ボランティア7人の協力を得て、利用者88人に分担して届けた。
和菓子を受け取った神内の岡﨑ふみゑさん(101)は「ありがとう」と笑顔で話し、趣味のカラオケに通えないと残念がりながらも「毎朝、屈伸運動していますよ」と元気な様子を見せていた。
鵜殿地区配食サービスボランティアは27日(土)に同地区の利用者に届けるという。
両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2022年8月7日付紙面より)
地域ふれあいネットワーク (那智勝浦町 )
那智勝浦町地域ふれあいネットワークは4日、同町の体育文化会館で「工作教室~身近なもので作って遊ぼう~」を開いた。町内から夏休み中の小学生20人が参加し、段ボールや卵パックなど、身近な素材を使って物作りを楽しんだ。
同ネットワークは、共働き世代の増加などの環境の変化を受け、放課後や長期休暇中に子どもたちの居場所づくりをすることを目的に活動している。
ナビゲーターの井藤朋子さんは「大人が『これを作りましょう』と指定するのではなく、自由に遊んでほしい」との思いの下、▽何を作ってもいい▽「何か」を作らなくてもいい▽どんなやり方も過ごし方も、自分で決めてやってみる。失敗もいい体験▽アイデアが浮かばないときや助けがほしいときは「誰か」に相談するのもいい―とルールを説明。
子どもたちは早速気になる素材を集めてのりやテープで貼り合わせたり、段ボールや発泡スチロールで削ったりした。
広沢興君(勝浦小6)は「キラキラの折り紙を使って竜を作ろうと思っていたけれど、うまくのりでくっつかなかった。家でもう少し頑張ってみる」。てこの原理でペットボトルキャップが飛び上がる「ジャンプマシーン」を作った橋本豊陽君(勝浦小1)は「最初からアイデアはあって、上手にできたと思う。友達のまねをしてマイクも作った」と話していた。
(2022年8月7日付紙面より)