「那智の扇祭り」前日に (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は13日、9日から延期となっていた世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事。連日の大雨で水量が多くなっていたため、安全を考慮して例年より上流にしめ縄を張った。後日、落ち口で張り替えを行うという。
午前9時から本社拝殿で報告祭が営まれ、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが真新しいしめ縄を担いで入山した。しめ縄は長さ約26㍍、重さ4㌔。神職らは神域である滝の落ち口から約50㍍ほど上流で、命綱を着け、水につかりながら取り組んだ。高さ133㍍での作業となるため、水量が増した水に足を取られないように注意した。張り替え作業は例大祭前と年末の2回行われている。
延期のため、祭り前日のしめ縄設置となったこの日は、夕方から神職のみで宵宮祭が営まれた。
先日行った取材の際に男成宮司は「拝観者や奉仕者の皆さまの安全を考えると、縮小や一部中止はやむを得ないと思います。神様や皆さま方に元気になってもらうのが本来のお祭りの姿。来年はそんなお祭りができるようにご奉仕をしていきたい」と話していた。
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新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。扇みこしや大たいまつ、那智の田楽などを取りやめるなど、祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧(ひろう)神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2020年7月14日付紙面より)
マナーアップ推進リーダーが啓発活動 (新翔高 )
新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で13日、自転車マナーアップ推進リーダーによる啓発活動があった。バスケットボール部と吹奏楽部の部員約15人が校門前で啓発物資を配布し、自転車の安全な利用を呼び掛けた。
同推進リーダーは道路交通法の改正による自転車運転者講習制度の施行を受け、2015(平成27)年に県内で初めて実施された。今年は同校バスケットボールと吹奏楽の両部員ら39人が委嘱され、校内での自転車の交通マナー向上や自転車安全利用五則の周知、若者の交通安全活動への参画などを主導し、事故防止を図っていく。
両部は今後、数回に分けて活動を実施し啓発を行う予定にしている。初日のこの日は新宮警察署交通課の職員4人が来校した。部員たちは反射材と、「とびだしはしません」との文字が書かれたストラップを配布。「自転車のマナーを守ってください」「しっかり鍵を掛けましょう」と登校する生徒に呼び掛けた。
片山波也斗君(2年)は「初めて活動に参加し、少し緊張したけど自然に声を掛けることができました。鍵をつけ、マナーや交通事故などに気を付けて運転してほしい」。
同署交通課の小畑良平警部補は生徒たちの自発的な活動に感謝し「最初は恥ずかしそうにしていましたが、少しずつ積極的に呼び掛ける姿が見られました。啓発活動を通して校内をはじめ、各家庭などでも話をしてもらって広く周知していってもらえれば」と話していた。
(2020年7月14日付紙面より)
橋杭・田原の両海水浴場 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭海水浴場で13日、南紀串本観光協会(島野利之会長)の呼び掛けによる遊泳期間の準備があった。今年は18日(土)に海開きをし、新型コロナウイルス感染予防策を講じつつ水浴の機会を提供するとしている。
この浴場は環境省選定「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島を眺望する開放的なロケーションときめ細やかな砂浜で地元内外から海水浴客を集めている。
運営する同協会は近隣の動向を見つつ、例年より時期がずれ込んだが十分な感染対策を講じて海開きをすることを決断。先だってあった株式会社人見建設の清掃奉仕によりすでに砂浜が整っていたため、この日は呼び掛けに応えた関係者約20人が遊泳区域を示すブイの洋上設置や有料駐車場看板の準備、ソーシャルディスタンスの目安とする幅杭の打ち込みなど準備に集中して取り組んだ。
同協会は橋杭と田原の2海水浴場を運営していて、いずれも遊泳期間は18日~8月31日(月)。橋杭の洋上遊具(滑り台付きの浮島)は感染予防の一環で今回は設置しないという。
島野会長は「串本の夏といえばやはり海。海水浴場はそれだけでなくまち全体を夏の雰囲気にするので、こうして海開きができるのはまちを盛り上げるという点でとてもうれしいことだ。感染予防対策をしっかりとして運営していくので、多くの皆さんに密にならないなど協力いただきながら海水浴を楽しんでいただきたい」と今期の海開きに向けた思いを語った。
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串本町の橋杭海水浴場と田原海水浴場の清掃を目的とした四輪駆動バギーが13日に納車された。
ビーチクリーナーをけん引して砂浜を良好に保つ目的で導入。車両は国産で排気量は420㏄、一式の導入に要した額は約200万円という。運用者は南紀串本観光協会で、遊泳期間中に使用する。
(2020年7月14日付紙面より)
町選管が当選証書付与 (太地町 )
太地町選挙管理委員会(山路直廣委員長)は13日、同町公民館で当選証書付与式を開いた。山路委員長が町長選挙当選の三軒一高さんと、町議会議員補欠選挙に当選した宮川茂さんに当選証書を手渡した。
任期満了(8月7日)に伴う町長選は7月7日に告示され、現職の三軒さんが無投票で5回目の当選を決めた。また、議員の死去に伴う町議補選(欠員1)には新人の宮川さんが立候補。同じく無投票で初当選を果たした。
山路委員長は三軒さんに対し「卓越した洞察力と英知を発揮し、町の発展を図ってくれると思っている」。宮川さんに「町民の声を町政に反映し、町の発展を図ってください」と激励。「お体にご留意の上、より一層のご活躍を」とあいさつした。
当選証書を受け取った三軒さんは「30年計画も中期に入った。一層力を入れて慎重にやっていきたい」と意欲を示し、「町のために力を尽くしたい」。宮川さんは「1年の任期の内にできるだけ町民と話をし、いろいろな意見を聞いて自分の基盤を築いていきたい」とそれぞれ意気込みを語った。
付与式後には、宮川さんに民生委員として長年社会福祉の増進に貢献したとして、三軒町長から加藤勝信・厚生労働大臣の感謝状が贈られた。宮川さんは平成22年12月から令和2年6月12日まで、9年半にわたり民生委員として活躍。このたびの町議補選立候補に当たり、解嘱を申し出ていた。
(2020年7月14日付紙面より)
第13回学童軟式野球大会
県高校野球夏季大会
東牟婁支部大会決勝 (県軟式野球連盟東牟婁支部学童部 )
宿泊費など一部割引 (わかやまリフレッシュプラン )
和歌山県は8日、県民が県内の宿泊施設などを利用する際に、宿泊費などを割引するキャンペーン「わかやまリフレッシュプラン」チケットの販売を開始した。実施期間は9月30日(水)まで。
県が展開する「蘇(よみがえ)りの地、わかやま」キャンペーンの一環。新型コロナウイルス感染症の影響により県内の観光が大きな打撃を受ける中、県民に県内観光地を訪れてもらい、観光需要の喚起につなげる狙いがある。
内容は、総旅行代金の2分の1以内(1人、1泊当たり最大1万円)を割引するもの。泊数制限なし。日帰り旅行も対象となる。電子チケットは1枚額面5000円を2500円で販売。1回当たり50枚購入できる。
利用可能プランは、県内の旅行代理店や宿泊施設のうち、「わかやまリフレッシュプラン」登録の参加事業者(県内165社)が販売する1人当たり5000円以上の募集型企画旅行や受注型企画旅行、手配旅行および宿泊プラン。参加事業者は特設ホームページ(https://wakayama-refresh.com)に掲載している。
電子チケットの購入には「Pass Me!」への会員登録(無料)が必要。購入した電子チケットを宿泊施設などのチェックインの際にスマートフォンやタブレットなどで掲示する。インターネット環境がない人は、プラン予約の際に参加事業者(宿泊施設)に申し出ることにより利用可能。
問い合わせは「わかやまリフレッシュプラン販売促進事務局」(電話0570・01・2288)まで。県では「ぜひ電子チケットを利用し、県内各地を巡り改めて和歌山県の魅力に触れていただき、新型コロナによる閉塞感から心身ともにリフレッシュしてください」と呼び掛けている。
また、大手旅行専門誌じゃらんは、和歌山県在住者向けに那智勝浦町の対象宿泊施設の宿泊料金が最大半額となる「ふっこう割クーポン」を配布している。
(2020年7月10日付紙面より)
藤原ひろのぶさんが講演 (新宮市 )
新宮市仲之町のCOLORsで6日、NPO法人「NGO GOODEARTH」代表の藤原ひろのぶさんの講演会があった。藤原さんは「藤原ひろのぶお話会~世界との繋がりに気づけばあなたの選択が大きく変わる」を題目に環境・貧困問題などについて講話。25人ほどが聴講した。
身体や健康に配慮した物の販売、食や肌に関する教室などを展開している「イロドリラボ」(新宮市三輪崎)主催。藤原さんは、2009年に「GOODEARTH」を設立以降、発展途上国と呼ばれる国々で貧困に苦しむ人々の問題解決に取り組んでいる。
年に数回は自ら現地に赴き暮らしの現状をインターネットサイトなどを通じて発信。持続可能な支援の仕組み作りをしている。現在は支援活動の傍ら、全国で「貧困問題」をテーマに講演会やセミナーを開催している。現在39歳で4児の父。
藤原さんは、現在世界で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症に触れ、「日本では年間約1万人がインフルエンザで亡くなっている。大人がメディアにあおられてパニックを起こすと子どもなどの弱い立場の人が傷つく」と警鐘を鳴らした。
免疫力や体力を高めることが必要とし「休校措置によって子どもたちを家に閉じ込めた結果、強くなる機会を奪っている。冷静に判断しなければならない」。
世界的に見ると、貧困国ではマラリアや結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの感染症で毎日、子どもを含む7000人以上の人が命を落としている現状に触れ「コロナウイルスで金持ちの国の高齢者が亡くなり出すと世界がパニックになった。その影響でマラリアなどの感染症がまん延しているスラムではその日の食費をまかなうだけの仕事もなくなり、病気に飢餓も加わった」。その傍ら、コロナ禍の3カ月間で米国の富裕層の資産が62兆円増えたことを紹介した。
地球の裏側の貧困問題や環境問題などを克復するためには、▽思考停止▽二項対立▽お金―の三つの弱点が問題解決の障壁であるとし、誘導型メディアの在り方に言及。「メディア、国、国民のレベルは同等。自分の意思で考えることのできる情報を提供するのがメディアの在り方であり、国民はもっと賢くなる必要がある」と述べた。
二項対立に関しては「正義か悪か、敵か味方か。対局にあるものを排除しようとするのは人間の悪い癖。しかし、そのせいで想像しない暴力に加担してしまうこともある」。
「お金は誰かがプラスだと誰かがマイナスになる。人間がお金を追いかけ回すから地球よりお金が重くなっている。お金を得るために資源を浪費している」と話し、現在起こっている異常気象や絶滅の恐れのある野生動物などに言及。「大きな問題に目を向けなければ自分たちも守れない。目の前のことに振り回されずに日々の選択をすることが必要」などと呼び掛けた。
(2020年7月10日付紙面より)
人権擁護委員委嘱伝達 (串本町 )
串本町役場本庁で8日に人権擁護委員の委嘱状伝達式があり、西向在住の植松豊子さん(67)と田原在住の和田充旦さん(66)が委嘱状の伝達を受け着任の節目をつけた。
同委員は、人権擁護委員法に基づいて基本的人権の侵犯を監視し、侵犯があった場合は救済のため速やかに適切な処理をとり常に自由人権思想の普及高揚に努めることを使命とする特別職国家公務員。人選は市町村長の推薦により行い、法務大臣が任期3年で委嘱をしている。
法務省和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)の管内では1日付で串本町の新任2人と古座川町の再任2人、那智勝浦町の再任1人が委嘱を受け、順次委嘱状の伝達(再任者は郵送伝達)を進めている。
この日は串本町役場本庁町長室で推薦者の田嶋勝正町長と新宮人権擁護委員協議会の垣本正道会長が立ち会う中、山田支局長から同町の新任2人に委嘱状を伝達。田嶋町長は家庭内暴力や体罰、いじめに加え最近の傾向の一端でインターネットによる誹謗中傷を注視しつつ「誰が加害者か分からない事案も多発している中、被害を受けたときに誰に相談すれば良いかで悩んでいる人もたくさんいると思う。その解決に向けて力を貸してあげていただけるとありがたい」と期待した。
同支局管内の現在の委員数は29人で、うち7人が同町からの推薦。管内で新宮人権擁護委員協議会を結成し、人権侵犯への対応に加えて6月と12月に人権啓発を展開し常設相談、特設相談の窓口を設けるなど人権擁護思想の裾野を地域に広げつつ使命の全うに努めている。
(2020年7月10日付紙面より)
福祉セで寺子屋分校再開 (紀宝町 )
紀宝町福祉センターで8日、寺子屋分校が再開された。今回は「楽しい手芸教室」で、参加者7人がミニカバン、トンボ、帽子のかわいらしいストラップやブローチを縫った。
同町鵜殿の植野洋子さん、大和田富美子さんを講師に、古布を使った小物作りをする教室。同センターの改修工事に伴って休止していたが、4月には町民の要望を受けて布マスク教室を実施。本格的な活動再開は今回からで、参加者全員の検温をした他、一人一つの机を使うなど距離を保つ対策をした上で開催した。
今回の小物は植野さんが本や見本を参考にしたもの。参加者は好みの布のキット2種類を選び、互いにアドバイスしながら手縫いし、小花やビーズで飾って完成させた。
植野さんは「古い着物の生地を集め、小さな布でも捨てずに小物作りに活用している。準備は大変だが、今日はたくさん冗談も言って、みんな楽しめたのでは」と顔をほころばせた。
来月は髪や浴衣の帯に使える和風の花飾りを作る予定にしている。
(2020年7月10日付紙面より)