田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で29日、本宮郵便局(同町本宮)で押印される風景印第一号の奉納奉告祭があった。九鬼宮司や同郵便局の西清隆局長らが参列。新風景印の使用開始を祝った。
風景印(風景入通信日付印)は郵便局に配備されている消印の一種。1937年に制度が創設され、同年7月に現在の富士山頂郵便局と富士山北郵便局で使用が開始された。
局名と押印年月日欄と共に、地域の名所旧跡や観光地などにちなむ図柄が描かれている。通常の消印とは異なり、郵便窓口などで利用者から申し出があった場合に押印する。
本宮郵便局でも、1995年ごろの開局と同時に風景印の使用を開始。28日をもって同大社旧社地・大斎原が描かれた旧風景印を廃止し、29日から同大社の社殿・大斎原の大鳥居・八咫烏を題材にしたデザインに一新した。
この日、奉納されたのは初日1番印の特別祈念押印と印のデザイン画など。同郵便局によると、すでに全国から1000通を超える押印依頼があるという。
同大社境内に八咫ポストが設置されたのが2009年の10月29日。設置からちょうど12年後の新風景印使用開始を受け、九鬼宮司は「多くの人が風景印を押して熊野の地に思いをはせていただける。コロナ収束後には参詣や観光で熊野に訪れてくれる人が増えるのでは」と感謝。
西局長に対し「多くの方々の思いがこもった郵便を、それぞれの場所に思いを込めて届けてほしい」と伝えた。
西局長は「コロナ禍の中、どうにかして活性化に協力できないか思案し、一生懸命デザインを考えた。今後も大社や地域と一体となって本宮町を盛り上げていきたい」と話した。
同大社の八咫ポストに投函したはがきについては田辺郵便局にて処理されるため風景印は押印されない。風景印押印を希望する人は本宮郵便局窓口で申し出るか、押印の指示内容や連絡先を明記し、返信用封筒(返送先を明記し必要な切手を貼付したもの)などを送付する。問い合わせは本宮郵便局(電話0735・42・0050)まで。
(2021年10月31日付紙面より)
ごみ散乱防止強化月間 (新宮市 )
2020年に施行された「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に伴い、東牟婁振興局は29日、新宮市高田地内の国道168号で管内関係機関と協働して清掃作業を実施した。環境省吉野熊野国立公園管理事務所や市生活環境課、同振興局の新宮建設部や地域振興部、県庁廃棄物指導室、新宮保健所衛生環境課から15人ほどが参加し、国道ののり面付近に散乱するごみを回収した。
条例の施行を受けて、今年から毎年10月が「和歌山県ごみの散乱防止強化月間」に指定されている。県によると、同所のごみは車から捨てられている可能性が高く、ペットボトルや缶、瓶、弁当などの食べ物から出るプラスチックごみなどが多いという。
今回のメンバーでの清掃は2度目。職員らは急な斜面を下り、のり面に廃棄されたごみを燃えるごみと燃えないごみに仕分けながら、作業に汗を流した。
新宮保健所衛生環境課の堀内達司課長は「県では不法投棄への対策として、これまで168号沿いにごみ箱の設置などを行ってきた。ごみが捨てづらい環境をつくるために以前から撤去作業も実施している。今後も継続していきたい」と話していた。
この日回収したごみの量は約400㌔(軽トラック5台分)にも上った。
(2021年10月31日付紙面より)
7校が協力「丹鶴ホール」 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」建物沿いに、市内7校が育てた花プランターが設置され、施設に彩りを与えている=写真。
「令和3年度花いっぱい運動」の一環。和歌山県誕生150年や、30日開幕の「紀の国わかやま文化祭2021」への機運を盛り上げ、観光客らを温かく迎えるため、各学校が協力した。
協力者は▽市立神倉小学校▽市立城南中学校▽市立緑丘中学校▽市立高田中学校▽県立新宮高校▽県立新翔高校▽県立みくまの支援学校―の児童・生徒の皆さん。プランターは同文化祭期間中、11月21日(日)まで設置される。
(2021年10月31日付紙面より)
神倉小6年生がふるさと学習 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で20日、ふるさと学習があった。6年生72人が、県立新翔高校の野間清教諭、中岸速人教諭、建築技術部の三宅悠夢(ゆうむ)君(3年)、田中雄太郎君(1年)に教わりながら四畳半の川原家(かわらや)を組み立てた。
ふるさと学習は神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が取り組む「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに地元の歴史や文化を学んでもらい、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力の下に取り組んでいる。
6年生は「熊野川と暮らし」をテーマに学習を進めており、15日には事前授業で中瀬古友夫さんから川原家の歴史を学んだ。川原家はくぎを使用せずに組み立てる簡易商店で、洪水時には短時間で解体などができるのが特徴。生活物資や木材、炭などの交易の舞台として市の発展を支えた権現河原に、最盛期には200軒以上の宿屋や鍛冶屋、風呂屋、土産物屋が建ち並んでいたという。
児童らは野間教諭から事前授業の復習と組み立ての説明を受けると、12グループに分かれて順番に作業を開始。土台に柱を立てて貫(ぬき)を通して柱にくさびを差し込み、壁板を装着していった。高所や重量物を扱う作業は、教職員や同部が担当し、川原家を完成させた。
児童会長の奥麻緒さん(12)は「川原家にいろんな知恵が詰まっていて感動した。これから地元の他の歴史も勉強してみたいと思いました」。
野間教諭は「子どもたちの興味を持って作業に取り組む姿が見られました。ふるさと学習を通じて新宮・東牟婁地方の良いものや伝統を知り、印象に残ってもらえれば」と話していた。
(2021年10月22日付紙面より)
潮岬小5年がオンライン見学 (串本町 )
串本町立潮岬小学校(堀靖典校長)の5年生25人は20日、日産自動車㈱のオンライン工場見学を体験した。児童らは画面を通して自動車ができるまでを学んだ。
日産自動車は工場へ直接訪れることのできない人に向けたオンライン工場見学を実施している。担任教諭が申し込み、初の開催となった。
この日は理科室に集合し、モニターを通じて日産車体㈱湘南工場を見学した。日産の魅力や車づくりの工夫を伝えるプラントアテンダントが案内し、児童は「調査員」となって日産の歴史や車づくりを楽しく学んだ。
同工場では仕事で使う小型商用車と海外向けSUVを生産している。児童らは車が完成するまでのプレス、溶接、塗装、組み立ての工程や出荷の様子などをそれぞれ映像で視聴。
車体となる鉄板はロール状で運ばれており、象350頭分の重さでプレスされることや、溶接はロボットと手作業で行われること、部品の取り付けや点検の仕方、エンジンの重さ、車1台の完成にかかる時間、全体の部品数などをクイズを交えて学習した。環境を考えた車づくりに取り組んでいることや自動運転技術などの紹介もあり、熱心にメモを取りながら聞き入った。
児童らは「おすすめの車と一番高い車は」「車の材料はどこから来るのか」「CMの芸能人はどう決めていますか」「他社へのライバル意識はありますか」などさまざまに質問し、回答を冊子に書き込んだ。
電気自動車の普及とガソリン車についての質問では2030年ごろには新しくガソリン車は製造されなくなる可能性があるとし「これからの未来は電気や水素など環境に優しい車が出る。日産でも電気自動車に力を入れています」と述べた。
前虎之朗(こじろう)君(11)は「車が好きで、新機能の話などが聞けて良かった。勉強になりました。」と話していた。
(2021年10月22日付紙面より)
5、6年生が熊野川の昼嶋で (成川小 )
紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長)の5、6年生17人が19日、同町浅里を訪れ、熊野川の昼嶋で観察会に取り組んだ。
熊野川を含む参詣道は、2005年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されている。昼嶋は島の上部が碁盤の目のようになっており、天照大神(あまてらすおおみかみ)と熊野権現が碁を遊んだ所ともいわれている。
同小の観察会は毎年、春と秋に実施。今春は天候不良で中止となったが、今回も浅里地区の莊司健さん(74)が協力し、所有する川舟に児童を乗せて熊野川を案内した。
昼嶋に上陸後は、三重自然誌の会などに所属する元中学校長の山口和洋さん(73)が自生する植物などを紹介。「昼嶋は1400万年前の火山活動でできた独特の島で、貴重な植物が生息している」などと解説した。
児童は島に絶滅危惧種が多く自生することを学び、キイイトラッキョウ(紀伊糸辣韮)や紀伊半島に分布するシチョウゲ (紫丁花)など希少種を観察。イネ科の外来種のメルケンカルカヤに勢力を奪われていることも知った。
川岸に戻り、代表でお礼の言葉を述べた6年の大植心葉さんは「希少植物を見ることができて勉強になりました」と話していた。
(2021年10月22日付紙面より)
防犯功労者・団体表彰 (和歌山県 )
和歌山県庁で12日、「令和3年度全国防犯功労者及び団体表彰伝達式」があった。本紙エリア内では、新宮警察署推薦の柳本利文さん(72)が防犯栄誉金章を受章したほか、中山仁さん(74)が防犯栄誉銅章の栄誉に輝いた。
11日から20日(水)までの10日間は「全国地域安全運動」期間。地域安全に資する関係機関・団体、警察が地域安全活動を強化するとともに、相互の連携を一層緊密にすることにより活動の効果を最大限に上げ、安心して暮らせる地域社会の実現を図るために定められている。
例年なら期間中開催の「安全・安心まちづくり県民大会」の場において同伝達式および「きしゅう君の自転車鍵掛けコンテスト」を実施しているが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から大会は中止に。伝達式と表彰式のみが行われた。
同表彰は、多年にわたり各地域における防犯活動に尽力し、犯罪の防止に多大な功労があった個人・団体に対して授与されるもので、金・銀章、防犯功労団体は警察庁長官および全国防犯協会連合会長の連名表彰、銅章と功労ボランティア団体は全国防犯協会連合会長名の表彰となっている。
新宮警察署では13日、受章者2人に花束が贈られた。約20年前に少年補導員として委嘱を受けて以降、会長を務めながらも新宮警察署地域安全推進員として尽力してきた柳本さんは「青色パトロールや補導員のベストを身に着けるなど、『見える』形を主目的として活動してきた。活動中に住民の方から声を掛けてもらえるなど、興味を持っていただいたことで効果が出ていると感じている。これを機に、少しでもまちを良くするために頑張りたい」。
58歳で早期退職後、知人に誘われ推進員に。「少しでも地元の役に立ちたい」と力を注いで約15年。現在、推進員会総代を務める中山さんは「昨今はコロナの影響で活動が停滞しているが、警察と連携し、各種啓発運動に取り組んできた。(受章に対し)驚いているが光栄です」とそれぞれ喜びを語った。
山田守孝署長は「2人からは地元愛が感じられる。警察が啓発するより、地元で生活している人が近所の人たちに声掛けしてくれるほうが効果的で重みもある。他の仕事をしながらのボランティア活動に頭が下がる思い」と感謝を伝えた。
(2021年10月14日付紙面より)
スタディケーションの学生ら (古座川町 )
首都圏の大学に通う観光学部の学生らが8日から11日まで、古座川町内でスタディケーションに取り組んだ。学生7人と引率教員3人が町内を巡り、学んだことや感じたことを踏まえて観光や町づくりに関する提案をした。
古座川町観光協会(須川陽介会長)が観光庁の「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の採択を受け実施する複数の事業の第1弾。地域の観光資源の磨き上げを地域で行い観光の再生基盤をつくるための実証実験で、地域と多様に関わる人々である関係人口の増加などを目指した取り組みとしている。
スタディケーションとは「スタディー(勉強)」と「バケーション」を組み合わせた造語。学生らは北海道大学和歌山研究林とやまさき屋旅館に宿泊し▽古座川ジビエ山の光工房▽南紀月の瀬温泉ぼたん荘▽滝の拝▽Kii Garden▽一枚岩▽古座川ゆず平井の里―などを訪れ、サイクリングやアユの友釣り、木工、Eボートなども体験した。
同町小川の「Kii Garden」ではガーデナーの松下礼(あや)さんから説明を受けローズマリーやタイム、ミントなど6種のハーブティーの試飲、ハーブの収穫、手作りバーム(軟膏)といったワークショップに取り組んだ。
10日夜にはオンラインプレゼンテーションがあり、体験を通じて感じた同町の観光や町づくりの課題とその解決策などを3班に分かれて提案した。
アクセスの悪さや空き家などの問題点を逆手に取った町づくりや、学生対象のホームステイ・短期移住、住民との交流を目的とした観光、農業や林業を生かす取り組みなど、他地域に住む若者ならではのアイデアが多数挙がり、参加した関係者らは感想や質問を熱心に伝えていた。
引率の教員は学生をねぎらい、関係者に対し感謝を述べた。「観光を広く捉えるためにも地域とつながりながら実体験として学ぶ仕組みをつくりたいので、学生と共に手伝えれば」と述べて感謝した。
須川会長は「期間が短い中でこんなに素晴らしい独創的な発想をしてもらった。三者三様で良かった」と話し、学生の提案を講評。実現可能なものは実行していくとして締めくくった。
(2021年10月14日付紙面より)
薬物の乱用防止街頭啓発 (串本町 )
県立串本古座高校正門一帯で13日、薬物の乱用防止を呼び掛ける街頭啓発があり生徒の関心を促すなどした。
この啓発は、10、11月に全県規模で展開される麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動の一環。若年層への薬物乱用の広まりを防ぐ取り組みとして、対象とする生徒の代表にも参加を求めて定例的に実施している。
新型コロナウイルス感染症の情勢により前年度は中止したため、今回は2年ぶりの実施。県薬物乱用防止指導員串本地区協議会(堀正会長)を軸にして同町教育委員会、串本青少年センター、新宮保健所串本支所〈同協議会事務局〉、同校生徒会(岡村文音会長)の各代表者14人が啓発員として早朝に集まり、手分けして啓発物資を配った。
この運動は麻薬、覚醒剤、大麻、シンナー、危険ドラッグなどの薬物乱用は個人にとどまらず犯罪の誘発など地域社会へも危害をもたらすことを伝え、その根絶を図ることが目的。大麻については近年30歳未満が事犯全体の6割以上を占めていて、堀会長も地域の若者への広まりを危惧し「コロナで啓発だけでなく教室も開きづらい状況が続く中、若者に呼び掛ける機会が持ててよかった。この啓発をきっかけにして日頃の話題にし、意識を高めてくれれば」と生徒の今後を期待した。
岡村会長(2年)は着任から間がなく、この啓発が初の大仕事。今後のチームワークを高める弾みにすべく啓発に取り組んだそうで、「薬物の乱用がいけないことは小学生の時から教わってきた。高校生はみんなわかっていると思うので、決して手を出さないよう校内でも呼び掛けていきたい」と話した。
(2021年10月14日付紙面より)
小中学校で学習到達度調査 (和歌山県 )
和歌山県教育委員会は13日、県内の公立小中学校と特別支援学校の児童生徒を対象に、令和3年度学習到達度調査を実施した。新宮市・東牟婁郡の小中学校でもテストが行われた。
児童生徒の学力の定着状況をきめ細かく把握し、指導方法の工夫・改善に役立てるとともに、個に応じた指導を充実させ、学習内容の定着を図ることを目的に毎年実施している。
調査教科は小学校第4学年と中学校第1学年は国語・算数(数学)。小学校第5学年と中学校第2学年は、国語・算数(数学)・理科。
昨年度の調査では、小学校算数で問題の解き方を言葉で説明する問題や複数の思考過程を必要とする問題に課題があった。また、国語では人物像や物語の全体像を具体的に想像することに課題が示されていた。
本年度の調査の正答率や教科ごとの課題点などは、12月ごろに県教委のホームページなどで公表する予定だ。
(2021年10月14日付紙面より)
宇久井小6年が「海の教室」 (勝浦海事事務所 )
青少年に海への関心を高めてもらうことを目的とした「海の教室」が8日、那智勝浦町と太地町を舞台に開かれた。那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の6年生16人が和歌山県漁業協同組合連合会勝浦市場や太地町立くじらの博物館の見学、遊覧船による紀の松島めぐりを通じ、海が人々の生活に果たす役割や船員の仕事について学んだ。
国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所、紀南海運協会、公益社団法人近畿海事広報協会が主催。「海の月間」(7月1~31日)の協賛行事として毎年実施している。
勝浦市場の展望スペースに到着した児童は、ずらりと並んだ生マグロの入札が行われている様子を見学。県漁連の仲立己さんがマグロの種類や鮮度の見分け方、漁師・仲買人の仕事について解説した。
勝浦海事事務所の大藪晃介さんによる「海の仕事講座」では、海外との貿易の99・7%、国内貨物輸送の44・3%を船による海運が担っていることを紹介。「石油や石炭などの資源は全て船で運んでいて、船はみんなの暮らしや日本の産業を支えている」と話した。
その後は遊覧船「くじら号」に乗って紀の松島めぐりに出発。くじらの博物館では迫力のクジラショーを楽しみ、生態を間近で観察した。
教室を終えた平根優大君は「漁をしたり、物を運んだり、海にはいろいろな仕事があることが分かった。イルカやクジラがどんなものを食べているのかも知ることができた」。澤花恋さんは「普段船に乗らないので、紀の松島めぐりでは船が揺れてちょっと怖かったけれど、楽しかったです」と話していた。
(2021年10月10日付紙面より)
三輪崎小で土入れ・整地作業 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)は8日、同校グラウンドの土入れと整地作業を行った。教職員や同校育友会(左東留美会長)、学校運営協議会(仮屋宏会長)、市教育委員会から約30人が参加し、土をならすなどして子どもたちのために汗を流した。
30日(土)に開催する運動会を前に、児童が安全、快適に運動や競技に取り組むことができるようにとの思いから実施。新型コロナウイルス感染防止のためマスクの着用や手指消毒、検温などの対策を施して行われた。
この日は数回に分けて運ばれた10~12㌧の土をショベルカーでグラウンドに下ろすと、参加者は地ならしトンボなどを使用して丁寧にならし、石を取り除きながら協力して作業に取り組んだ。
左東会長は「これまで凸凹や砂が多いなどで、走りにくかったという児童の声があったので、実施できてよかったです。子どもたちには新しい土の上で存分に力を出し切れる運動会にしてほしい」。
仮屋会長は「コロナ禍で活動も少なかったため、久しぶりに地域、学校、保護者が一体となることができた。子どもたちにとっては祭りも中止となり、寂しい思いをしていたと思うので、運動会では発散してもらいたいですね」と話した。
嶋田校長は「『児童のために』という気持ちで保護者の方々が協力してくださり、非常にありがたく思います。日頃の活動にもお世話になっており、今後も学校と保護者の皆さんとの連携を深めていければ」と感謝していた。
(2021年10月10日付紙面より)
香酸かんきつ「新姫」の収穫始まる (熊野市 )
熊野市ふるさと振興公社(理事長・河上敢二市長)=同市紀和町板屋=は7日、同町内の「長野ほ場」26㌃で市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」の収穫作業を始めた。作業は11月下旬ごろまで続く。
新姫は熊野市で発見され、同市のみで栽培される。直径500円硬貨ほどの大きさで2007年から栽培を始め、09年から収穫と販売が始まった。果実には高血圧抑制作用があるとされる「ノビレチン」や、がん予防や血糖値上昇抑制に効果があるという「ヘスピリジン」などが含まれる。市内に約7㌶の栽培面積があり、昨年の収穫量は21㌧。今年も同量の収穫を見込み、作業は11月下旬までの予定。長雨の影響か、今年は果実がやや小粒というが、公社の今西孝典さん(48)は「味と香りは抜群。9日から生果実の販売を始めるので、多くの人に求めていただきたい」と希望。今年は大きさで分別して販売することも検討しているそうだ。
新姫は絞って料理にかけるほか、サイダー、ポン酢、ドリンク、キャンディー、ドレッシングなどさまざまに加工されて同公社のほか鬼ヶ城センター、熊野市駅前特産品館、市内や近隣の道の駅など7店舗で販売する。今西さんは「鍋物や焼き魚にぴったり。焼酎にもぜひ」と勧めた。
問い合わせは市ふるさと振興公社(電話0597・97・0640)まで。
(2021年10月10日付紙面より)
人材セ会員らが奉仕活動 (新宮市 )
公益社団法人新宮市シルバー人材センター(山本啓造理事長)は9日、市内で清掃奉仕を実施した。約50人の会員らが参加。市役所や市立医療センター、浮島の森、徐福公園周辺で剪定(せんてい)や草刈り、ごみ拾いなどの活動を展開した。
全国シルバー人材センター事業協会では、毎年10月を「シルバー人材センター事業普及啓発促進月間」、第3土曜日を「シルバーの日」として一層の事業発展、拡充を図るため、全国一斉に啓発活動を強化している。
1995年に事業を開始した市シルバー人材センターでは、翌96年から市内の清掃奉仕活動を展開。ボランティア活動を通して社会に貢献する機会としている。
市役所第1駐車場では奉仕活動に先立ち、山本理事長が「今日は天候にも恵まれた。よろしくお願いします」とあいさつし、会員らの参加に感謝。
激励に訪れた田岡実千年市長は、全国的に少子高齢化が進み、同市でも高齢化率が37%を超えるなど、将来的な労働力の不足が懸念されていると現状に触れ「高齢者の就業機会の確保・提供を行うシルバー人材センターの果たす役割は重要。健康で生きがいのある生活の実現と地域福祉の向上のため、引き続きご協力を」と呼び掛けた。
この日、会員らは清掃奉仕のほか、同市橋本のイオン新宮店と同市丹鶴のオークワ新宮仲之町店で啓発活動を実施。チラシや啓発物資の配布を通してシルバー事業の周知を図った。
(2021年10月10日付紙面より)
模範高齢者3人を表彰 (新宮市 )
新宮市役所で6日、「令和3年度模範高齢者表彰式」が開かれた。田岡実千年市長が井口夫佐子さん(88)、河原良子さん(86)、森下喜久さん(75)の3人を表彰し、長年にわたる地域奉仕活動の功績をたたえた。
他の模範となる活動を続けている市内在住者を各団体が推薦し、表彰する取り組み。例年はゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会)の「『愛の日』ゆうゆうクラブ芸能大会」に合わせて実施するが、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、昨年に引き続き関係者のみの開催とした。
表彰状を手渡した田岡市長は「各地域、各分野でご尽力を賜り、市の発展にも貢献いただき、誠にありがとうございます」と感謝。人口減少・少子高齢化が進む市で、高齢者が住み慣れた地域で自立して生活を営んでいけるよう包括的な支援体制を構築していくことの重要性に触れ、「行政だけでは力の及ばない課題もあり、皆さま方の知恵と経験をお貸しいただきたい」と話した。
来賓の榎本鉄也市議会議長は「きめ細やかな活動で、地域の発展と市民生活の向上に貢献をい
ただきましたこと、心から感謝と敬意を表します。これからも変わらずお元気で、豊富な経験を生かして市の発展にお力添えを」と祝辞を述べた。
表彰を受けた井口さんは「これまで丹鶴婦人会の活動に参加させていただき、慰問で日本舞踊を披露したりしてきました。元気なうちは、まだまだ頑張りたい。新型コロナが収まったら、また活動していきたいと思っています」と語っていた。
(2021年10月8日付紙面より)
体育文化会館で会員向け報告会 (那智勝浦観光機構 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は6日、那智勝浦町の体育文化会館で、会員(サポーター)向けの活動報告会を実施した。2020年度の活動内容や21年度の事業計画の詳細を説明した。報告会は8月開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から延期となっていた。
理事長の堀順一郎町長があいさつし、観光機構から、20年度の事業報告があった。昨年7月末に解散した観光協会から一部業務を引き継ぎ後、宿泊や飲食、文化財・歴史、観光資源・体験、物販・特産品、交通、施設・環境整備の専門部会を設立したとし、町内外組織との連携や町民説明会も行ってきたと話した。
実施した主な事業として▽町より引き継いだ宿泊旅行の統計調査▽モバイルアンケートを行い、旅行者の動態調査▽Wi―Fi(ワイファイ)ビーコンを使用して来訪者の回遊率調査▽21年度に向けての準備としてウェブサイトのアクセス解析▽観光住民満足度調査▽プロモーション事業▽ウェブサイト制作▽オンライン生マグロツアーなどのイベントの開催―などを挙げた。
実証事業として取り組んだブルービーチ那智によるグランピング事業について、宿泊数は目標値を達成したと説明。コロナ禍もあり、宿泊売上は未達成だったが、今回のマーケティングや会員制交流サイト(SNS)の活用などを駆使すれば、新規の若者世代の来町も見込めると見解を示した。
観光機構の堀千寿子さんは、日帰りは若者が多く、宿泊は高年齢層が多いと説明。若い世代をターゲットにした宿泊プラン作成やSNSなどの情報発進によって宿泊増につなげるられるとした。
また、土産・買い物や交通、情報提供の点において満足度が低いこと、町を誇りに思う「シビックプライド」が下がっていることも挙げた。堀さんは「観光地に住んでいる町民の皆さまが幸せで、町が潤うことが重要」と話した。
21年度の事業報告では村井弘和事務局長が、観光機構は現時点で観光地域づくり法人(DMO)の候補DM0であるが、今年7月29日に本登録となるための申請を国に行ったと説明。
本登録となれば、補助金などを含めて国から支援の幅も広がるとし、今後は時代の変化を的確に捉えた組織運営を行っていくと報告した。
同町において大きな催しであるツナカップやマグロ祭り、あげいん熊野詣に加え、「ニューノーマル」や「サスティナブル」をキーワードに環境省の補助金を活用し、オンラインで町長とアドベンチャーツーリズムやONSENガストロノミーウオークモニターツアー、ナイトサファリテストマーケティングなども行うという。
着地型旅行商品の開発では、以前から人気のある「神秘ウオーク」のリブランドを行い、富裕層向けおよびインバウンド向けの旅行商品として内容を磨きあげるとした。
教育旅行向け体験型商品開発では町内事業者、外部専門家の協力を得て、ホテル浦島での「SDGs謎解きクイズラリーや那智高原・野生動物観察ツアー、ビーチクリーニング体験などを進めていくと方針だ。
今後の実証事業としては「お寺ワーケション実証事業」と題し、寺泊の専門家を招き、同町の定光山大泰寺でモニターツアーの計画をあるとした。
活動報告や事業計画について、質疑応答の時間が設けられた。
(2021年10月8日付紙面より)
スポーツ少年団が活動再開 (紀宝町 )
緊急事態宣言が解除されたことから、紀宝町スポーツ少年団(木村学本部長)に所属する各団体は10月から活動を再開した。
県スポーツ少年団から県内各市町のスポーツ少年団に活動前の検温や換気、アルコール消毒といった感染症対策と健康管理の徹底などを求める通知があり、これに沿った形で再開に至った。
紀宝町スポーツ少年団には軟式野球、サッカー、ソフトテニス、卓球、剣道、柔道、空手、合気道、柔術の9競技に15団体が所属。8月23日から活動自粛を求めていた。
小学2~5年生の15人が所属する軟式野球の鵜殿アスナローズは、3日から鵜殿運動場で練習を再開。6日は学校が終わった夕方から集まり、キャッチボールやバッティング練習などに汗を流した。
今後は週4日、練習と練習試合を予定しており、清田愛希主将(5年)は「休みの間は家で素振りをしていた。グラウンドで練習できて楽しい。これから練習試合もあるので、頑張ります」と張り切っていた。
(2021年10月8日付紙面より)
2025年春の開通を目指す国道42号すさみ串本道路―。串本町内でも各所で工事が進み、国土交通省が推進するインフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーションの略称、デジタル技術による変革の概念)も生かして建設が活発さを見せている。
この道路は、すさみ南インターチェンジ(IC)―串本IC間を結ぶ延長19・2㌔、幅員12㍍、完成2車線、第1種第3級の自動車専用道路として設計され、国の直轄で建設が進む状況にある。
串本町役場庁舎のサンゴ台地内への高台移転に合わせて連絡道の部分供用が始まり、併せて町道サンゴ台7号線も全線供用となったことで身近さが一気に増した同IC。現在は複数の建設機械が稼働し土砂搬出も活発な状況を眺めることができ、現場の入り口付近には概要を示すイメージ看板も掲げられ開通への期待感を高めるところとなっている。
いち早く橋脚が形になり仮組みの昇降路が久しく設置されている国道371号との立体交差付近では釜郷原川橋の建設が進み、最寄りの二色地内でも仮橋組み上げ中と一帯は町内でも特に工事の進捗(しんちょく)を実感しやすい場所となっている。
国土交通省紀南河川国道事務所によると、今年3月末時点の進捗率は50%。トンネルは16本中4本が貫通済みで、1本が施工中、5本が発注済みという。報道関係者向けの現場見学会を5日に開いてそれら状況を伝えつつ、まして同省近畿地方整備局も推進本部を立ち上げて取り組むインフラ分野のDXをアピール。建設業界の人材不足など直面する課題を若手の参入も見据えて乗り越えるためのDXに沿った現場を案内し、変革が進む印象を強く伝えた。過日、木下建設株式会社が同町立串本西中学校へ体験提供したICT建機操縦や調査用ドローン操縦なども、DXに通じる変革事例だという。
防災、医療、産業と多面的な恩恵が期待される道としてインフラ分野のDXを生かしつつ完成が目指される一方、同町も同IC最寄りに立地を想定して地域活性化のための拠点施設設置構想を打ち出して共に歩を進めるところとなっている。
2021年10月8日付紙面より)