熊野地方を舞台に6月1日(木)から4日(日)までの4日間、「第19回TOUR・de・熊野(ツール・ド・くまの)」が開催される。NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催、熊野新聞社など後援。
大会は1999(平成11)年に始まり、19回目。現在では「ツール・ド・北海道」、「ツアー・オブ・ジャパン」と並び国際自転車競技連合(UCI)公認の国内3大レースで、アジアツアーの一つ。国際ランキングの得点となるUCIレース(計324・1㌔)には、新宮市を拠点とする「キナンサイクリングチーム」など国内外から19チーム計112選手が出場。
同時開催される全日本実業団自転車競技連盟による「3デイズ・ロード・熊野」(計124・7㌔)、一般参加の市民レース「黒潮ロードレース」(計98・4㌔)のレースを含めると、約350人が出場する。
1日は、新宮市の市田川沿いでタイムトライアル。2日(金)の第1ステージは同市熊野川町の赤木川清流コース。3日(土)の第2ステージは三重県熊野市~御浜町の熊野山岳コース。4日の第3ステージは太地町の太地半島周回コース。2、3日には、UCIレース出場チームによるパレードも行われる。
開催にあたり角口賀敏実行委員長は地域の人たちの協力と支援に感謝し「自転車ブームというか、和歌山県にもサイクリングを含めて非常に力を入れていただいております。ツール・ド・熊野を通して、これからもいろんな形で地域の皆さんに、もっともっとブームが拡大していければと思っております」と話した。
今年のレースクイーンは、宅坊あやねさん(24)と奥野千奈津さん(20)の2人で、ともに新宮市出身で紀宝町在住。
宅坊さんは「国内3大レースの一つが地元で開催されていることを誇りに思うと同時に、地域の魅力を少しでも多く知ってもらいたい」、奥野さんは「田舎のまちで4日間開催されるので、多くの人に自然の魅力や空気の良さなど、いろんなところを見たり感じたりしてもらいたい」と話した。
今年も、恒例のフォトコンテストやインターネット中継も予定されている。
(2017年5月26日付紙面より)
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「新宮・勝浦100年の輝き」講演会 (ユーアイ会 )
新宮市井の沢のユーアイホテルに商品を納入する業者でつくる新宮ユーアイ会(杉本義和会長)と勝浦ユーアイ会(谷口拓也会長)は20日、講師に同市在住の郷土史家の中瀬古友夫さんを招き、講演会「新宮・勝浦100年の輝き」を同ホテルで開催した。
両ユーアイ会では地域に利益を還元するため、年に一度講演会などを催している。杉本会長は開会で「地域の歴史を知る講演の内容が、皆さんの知識の一つとしてお役に立てば」とあいさつした。
中瀬古さんは熊野地方の貴重な絵はがきや絵地図を収集しており、新宮市や那智勝浦町の学校や団体などで講演会を開いている。今回は新宮、勝浦の二つの町の明治から昭和に至る年表に、それぞれの町の様子を伝える絵はがきを配した資料を作成して講演した。
1913(大正2)年の新宮鉄道開通により、新宮から鉄路で勝浦まで木材を運んだ様子や熊野川のプロペラ船が誕生した経緯などを解説。鉄道の開通で人の往来が活発になり、海水浴の習慣が無かった新宮の人が三輪崎や宇久井の海水浴場に行くようになるなど交通の発達が生活の変化をもたらした。プロペラ船の就航により、勝浦で捕れたサンマを一日のうちに熊野川沿いの村々に届けることができ、十津川の人々の栄養改善になったという話も聞いたという。
中瀬古さんは「これまで勝浦、新宮でそれぞれに分けて講演してきたが、二つの町の年表を並べてみていくと互いが緊密に関係し合い、影響し合いながら、車の両輪のように発展してきた様子が分かってきた」と話した。
(2017年5月26日付紙面より)
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身体障害者連盟定期総会で (串本町 )
串本町身体障害者連盟(中野實会長、会員44人)の定期総会が21日、同町串本にある地域保健福祉センターで開かれた。任期満了に伴う役員改選で中野實会長(留任)ら新役員を選出。審議に先立って来賓同席した清野武志副町長に社会的障壁の解消を求める要望書を提出した。
開会にあたり中野会長は、前年度から施工された障害者差別解消法により地方自治体に社会的障壁に対する合理的配慮が義務化された点を振り返り、「障がい者の自立と共生社会実現のための具体的な取り組みを求めなければならない」として同連盟の取り組みへの協力を呼び掛けた。
来賓として清野副町長と堀登世・同町社会福祉協議会会長が同席し、代表して清野副町長は町職員時代に立ち上げに関わった自宅介護支援や福祉タクシーの制度について意見を聞き拡充したい考えを伝えつつ、田嶋勝正町長のメッセージを代読した。
議事に先立って町への要望があり、中野会長は六つある事項の中でも特に平成25、27年度にも掲げた▽国道42号潮岬西口~東口間歩道の環境整備▽公共施設(文化センターと町立体育館)のトイレ整備―を口頭で強調して要望書を提出。清野副町長は▽歩道は国に引き続き要望する▽トイレは担当課に指示し早急に取り組む―と述べて受け取った。
議事では事業関係諸議案を審議し承認。本年度は同連盟独自のグラウンドゴルフ大会を秋に開くことを出席会員31人で確認した。役員改選では中野会長、川嶋七郎副会長、平松節子副会長の3役を留任とし、他に理事6人を置くことを決めた。
要望事項は上記2点と▽JR串本駅へのエレベーター設置(障がい者と高齢者の利用の観点から)▽コミュニティバスの車いす用リフト付き車種の停留所の増設▽公的機関への手話通訳者の配置や聴覚障がい者の緊急時連絡手段の構築など▽災害時要支援者に対する個別避難計画の早急の作成や福祉避難所との協定状況の周知など―となっている。
(2017年5月26日付紙面より)
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三輪崎鈴島でチゴガニ
新宮市三輪崎の鈴島で引き潮時、無数のチゴガニ(稚児蟹)たちが巣穴から出て、一斉にハサミを上げ下げしている=写真。ユーモラスな動きは、万歳やダンスをしているようにも見え、訪れる人たちを楽しませている。
6~8月の繁殖期を中心に行う「ウエービング」と呼ばれる行動。時折、隣の個体に近づいたり、離れたりしながら白色の両はさみを波打つように振っている。雄が行う求愛行動、他の個体に対する威嚇行動など諸説あるが、理由ははっきりと分かっていないという。
甲幅1㌢ほどのチゴガニは東京湾から九州、朝鮮半島などの干潟に生息する。背中は茶色で、腹側は水色。
(2017年5月26日付紙面より)
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江戸千家家元が菩提寺で (新宮市 )
茶道江戸千家10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=が22日、流祖の菩提(ぼだい)寺、新宮市の本廣寺を訪れ、江戸千家新宮同好会の設立を報告した。戦後途絶えていた新宮での流派復活に家元は「良い報告ができました」と喜んでいた。
家元は全国連合不白会役員会の一行約50人と21日から23日の3日間の日程で流祖の故郷を訪問。市内で役員会を開いたほか、熊野三山一寺を参拝し、本廣寺で法要と呈茶を行った。
法要の後、清水文雅(ぶんが)住職は、6年前の紀伊半島大水害後、会員らから送られたお見舞いに感謝し、「不白が見た風景がそのまま残っているところもあると思います。今後の活動に資することを祈ります」とあいさつした。
同好会の会員は現在10人。家元は「新宮の皆さんには、ぜひ江戸の茶を習いに集まってもらいたい」と呼び掛けた。
同寺には江戸千家の流祖、茶聖・川上不白(ふはく)=(1719~1807年)が1797年に先祖供養のために建立した法華経を一字ずつ書き写した6万9384個の小石を埋納しているという「書写妙法蓮華経印塔」(和歌山県指定文化財)がある。
(2017年5月24日付紙面より)
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和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄会長)は21日、創建1700年大祭に向けて準備が進む熊野那智大社(男成洋三宮司)の本殿第四殿に御簾(みす)を奉納した。奉納式では祝詞の奏上、みこによる神楽「那智の滝舞」があった。県漁連の片谷匡副会長、丸山一郎参事が参列し、玉串を納め、男成宮司から感謝状が手渡された。
第四殿は、同大社の主神である熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)を祭っており、本殿の6社殿の中では最も大きい造りだという。丸山参事は「百年に一度の光栄な機会に、大漁と海上安全を願い漁業者の代表として奉納させていただいた」と話していた。
7月14日(金)の例大祭「那智の扇祭り」は御創建1700年例大祭として営む。
(2017年5月24日付紙面より)
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大峯奥駈道の行仙宿で (新宮市 )
ボランティア団体「新宮山彦ぐるーぷ」(川島功世話人代表)が管理する奈良県下北山村にある山小屋「行仙宿」の行者堂の仏像「役行者尊像」の修復が済み、安置された行者堂で17日、京都市左京区の本山修験総本山・聖護院の宮城泰年門主と同院5人の山伏が仏像の修復開眼供養を行った。同会員と関係者ら約50人は喜びを分かち合い、護摩だきで家内安全などを祈った。
修験道の開祖といわれる「役小角(えんのおづぬ)」の仏像で、行者堂の新築時、本尊として平成2年に聖護院から譲り受けた。この仏像の中から、作られた当時に書かれた「願文文書」が見つかった。標高約1000㍍の気温や湿度の厳しい環境下で傷みがひどくなったため、昨年7月に性根抜き供養を行った後、奈良市秋篠仏所の浅村朋伸仏師(41)に修復を依頼した。文書は浅村さんが修復作業中に仏像を解体した際、見つけたという。内容を調べた宮城門主によると、仏像は元禄15(1702)年に天下泰平や国土安全などを願い、理正院の鵜飼行家によって作られたもので、後西天皇第7皇子・聖護院第37代門主の道尊親王が開眼供養を行った由緒ある仏像だという。文書の原本は、聖護院資料室に保管する。
同グループ結成当時の世話人代表・玉岡憲明さん(93)は、大勢の参加を喜び「仏像はこれからも大切に祭り続けていく。きっと功徳をいただけると思うので、ここへおいでの時にはぜひお参りを」と呼び掛けた。供養を終えた宮城門主は「行仙宿までの険しい道が、どこもきれいに掃き清められていた。奉仕の精神に充ちあふれた皆さんの気持ちを大変ありがたく思った」と感謝した。
新宮市で昭和49年に結成された同ぐるーぷは、明治維新後の神仏分離・修験道廃止令により、放置され荒廃していた南奥駈道を刈り開き、路面を再生。休憩や避難所となる山小屋の新築や改築、整備を行った。ほぼ毎週、南奥駈道と山小屋の点検、清掃、周辺の植生保護にも取り組んでいる。
(2017年5月24日付紙面より)
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古座川クリーンアップ大作戦 (古座川町 )
カヌーツーリングを楽しみながら環境保全に貢献するイベント「第17回古座川クリーンアップ大作戦」が21日、古座川町相瀬~月野瀬の古座川流域であり、一般参加者69人が軽トラック2台分相当のごみ回収に貢献した。
このイベントは、串本アウトドアフェスティバル実行委員会(宇井晋介会長)が主催。南紀熊野体験博(1999年)時に体験と貢献、二重の達成感を得られるイベントとして実施され、以降はカヌーレンタル事業を展開する古座観光協会が軸になって継承する形で今日まで回を重ねている。
今回は道の駅一枚岩前~南紀月の瀬温泉ぼたん荘前の流域(全長約13㌔)をコース設定して参加を呼び掛けた。開会式は道の駅一枚岩前で行われ、宇井会長は「クリーンアップということで掃除もしていただくが、皆さんが何より先に楽しみ、安全にお帰りいただくのがこちら側の願い。ぜひお気を付けてトライしてほしい」とあいさつ。同町を代表して仲本耕士副町長が「古座川ファンが集まり環境美化に協力いただくことに心から御礼申し上げたい。晴天の下で事故なく楽しんでほしい」と期待し、参加を歓迎した。
南紀熊野ジオパーク推進協議会後援の関係で、同パークガイドの会南エリアの芝﨑浩子代表が流域の特色ある地質や地形を紹介。初心者講習を経て午前9時30分、古座川街道やどやの会の室實生会長によるほら貝の吹鳴を合図にして出発した。スタッフ艇を含めた数十艇が分散しないようゆっくりとまとまって川を下り、参加者は自主的に目に触ったごみを預かった網袋に入れコースのところどころで待機するスタッフに引き渡した。
コース半ばの鶴川橋そばの河原で休憩を取り、スタッフから炭火焼きにした干物や平天、サザエやナガレコ(=トコブシ)とおにぎりなどを昼食として差し入れた。
数十艇規模での移動はカヌーが盛んな古座川でもまれな状況。古座観光協会のカヌーレンタルも多数利用され、色とりどりのカヌーで川面に彩りを添える様子を狙うアマチュアカメラマンらも多く川沿いに詰め掛け、イベントの光景を撮影するなどしながら見守った。
(2017年5月24日付紙面より)
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U-12ホップリーグ
県高校総体サッカー
不二流体術新宮道場が熊野速玉大社で
流祖・川上不白の故郷で (新宮市 )
茶道江戸千家の流祖、川上不白(1719~1807)の故郷、新宮市に江戸千家新宮同好会が設立された。市内のホテルで21日に開かれた設立記念親睦会に出席した10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=は「流祖が生まれて再来年は300年」と述べ、関係者らに感謝した。
「流祖の故郷を大切にしたい」と家元は新宮へ頻繁に足を運んでいた。戦後、新宮で江戸千家が途絶えていたことから、復活が念願だった。同好会の会員は10人。代表は元新宮商工会議所会頭の瀬古伸廣さん。
親睦会には江戸千家全国連合不白会の役員ら約50人が出席。田岡実千年市長、下宏・和歌山県副知事が祝辞。関康之・新宮商工会議所会頭が乾杯の音頭を取った。
一行は翌日、流祖の菩提(ぼだい)寺である本廣寺での法要、呈茶に出席した。
不白は、紀州藩新宮領主・水野家家臣の息子として新宮に誕生。16歳で京都に出て、表千家七代如心斎宗左に師事し、「宗雪」の茶名を授与された。25歳で茶の湯修練の式法「七事式(しちじしき)」の制定に参画。若くして茶人としての力量が認められ、32歳で江戸に出て千家流茶道を教授した。
上方発祥の茶の湯に江戸の感性を取り入れ、新しい茶風を興した。水野家下組屋敷に隠居した後も30年以上にわたって皇族から大名、旗本、町人まで階層にかかわらず指導したことで知られている。
(2017年5月23日付紙面より)
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津波からの「逃げ地図」作り (太地町 )
大地震による津波が発生した場合、安全な場所への避難経路と逃げるまでの時間を示す「逃げ地図」作りの講座が20日、太地町公民館で開かれた。周辺市町からの参加もあり、約30人が地図作りに取り組んだ。講座は同町在住の一級建築士森岡茂夫さんらがつくる和歌山県逃げ地図づくり促進実行委員会が計画した。講師は明治大学理工学部建築学科の山本俊哉教授、(一社)子ども安全まちづくりパートナーズ=東京都千代田区=研究員の森脇環帆さんらが務めた。
逃げ地図は東日本大震災の後、日建設計=東京都千代田区=の設計部長羽鳥達也さんが考案。白地図に地域の避難場所などを記入し、そこから3分かかる地域は緑、6分は黄緑など、道路に着色していく。住民が地図作りに取り組むことにより、防災に関するコミュニケーションを高めるなどの効果がある。
同町では1000分の1の縮尺の白地図を使った。避難場所に赤い印を付け、倒壊して道をふさぎそうな空き家などにも印を付けた。高齢者が3分間で歩ける距離を129㍍と想定し、この距離を1000分の1に縮小した12・9㌢のひもを使って地図に記入した。避難所からの時間が一目で分かり、時間がかかる場所には避難タワーの設置も必要など意見を出し合いながら作業した。
森脇さんは逃げ地図を活用した子ども向けの避難学習プログラムについて解説。子どもたちに伝えたい「まちの自慢」「過去の津波伝承」などを参加者から出してもらい、内容を書いたメモを逃げ地図に付けた。太地のオリジナルルールとして「逃げたくないというおばあちゃんを1人配置」という設問を追加し、話し合ってもらった。
山本教授は「この道は廃屋が倒壊して通れなくなるのでは。くじらの博物館を訪れた観光客にはどう知らせればいいのかなど、問題を可視化することができる。逃げ地図はそのための道具だ」と話した。和歌山大学システム工学部システム工学科の吉野孝教授と同大学の学院生らも参加し、逃げ地図が作製できるソフトを紹介した。
講座に参加した人と防災未来センター=神戸市中央区=の主任研究員、本塚智貴さんは「東北で伝えられている『つなみてんでんこ』でいいのか。太地ならではの方策があるのではないか。考えてほしい」と話した。森岡さんは「当時者の目線でやってみるということが大事。新宮、東牟婁地方で活用していただければ」と呼び掛けていた。
(2017年5月23日付紙面より)
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文複プレイベント考える (新宮市 )
新宮市教育委員会文化振興課は21日、市福祉センターで文化複合施設周知活動プレイベント実行委員会「第1回市民講座~導入編~」を開催した。計画策定を支援している株式会社シアターワークショップ代表取締役の伊東正示さんと川本優さんが参加者約20人を前に全国各地の事例などを紹介した。
伊東さんはプレイベントの目的として▽新しい施設ができることを広く知ってもらう▽開館してからのイベントにつなげる▽共に活動してくれる仲間を探す▽イベントの経験を重ねる―の4点を挙げ、仮囲いに子どもたちに絵を描いてもらう、工事現場見学会など全国各地の事例を紹介した。
複合施設は4年後の2021(平成33)年度開館予定。市教委は今年12月に同実行委員会を立ち上げる予定で、12月までに計7回ワークショップなどを開く。田岡実千年市長は「水害等で完成が遅れていますが、これ以上遅らすことはできないと思っています。施設は中心市街地の活性化に寄与する重要な施設で、将来の新宮市のためになくてはならない。ソフトの部分でもしっかりと準備していく必要がある」と協力を呼び掛けた。
次回は6月4日(日)午後1時30分から、新宮商工会議所で開く予定。テーマはワークショップ①「プレイベントをしよう!」。
問い合わせは同課(電話0735・23・3368)まで。
(2017年5月23日付紙面より)
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高野山旗学童軟式野球大会に出場
「生命の駅伝」出発式 (新宮市 )
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている「第23回生命(いのち)の駅伝」の出発式が19日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長、生徒210人)であった。「EKIDEN for LIFEの会」(太田正隆会長)主催。生徒の中から希望者約150人が約1㌔を伴走した。
出発式で生徒会長の小谷颯志君(3年)が生徒らの募金への協力に感謝し「光洋中生徒会としては、これからも生命の駅伝に協力していきたい」とあいさつ。募金を生命の駅伝実行委員会の上村眞由さんに手渡した。
事務局の北出恭子さんは「私も胃がんで胃を摘出しました。早期発見で今またボランティアに参加させてもらっていることをすごくうれしく思います」と述べ、家族にも検診を勧めるよう呼び掛けた。
駅伝は、がん研究資金を募るためにカナダ人の義足ランナー、テリー・フォックスが「希望のマラソン」として143日かけて5373㌔走ったことにちなむ。95年に「テリーフォックスラン日本」として開始した。活動を通じ、三重県にがん医療センターを設立することを目標としている。
ランナーは中学校をスタートし、東牟婁振興局や新宮市役所など回りながら熊野市役所まで走った。
(2017年5月20日付紙面より)
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若者の政治参加意識の向上を目的に、新宮市神倉の県立新宮高校(畑伸憲校長)で18日、和歌山県議会議員と高校生との意見交換会が初めて開かれた。議員5人と高校生15人が参加し、議会に関する質問や「地域と高校生徒のふれあい」をテーマに話し合った。
公職選挙法の改正で選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことを受け、若者の率直な意見を聞き取る場をつくり、政治参加意識を高めようと開いた。今年3月に亡くなった故・浅井修一郎・県議会議長が発案。議会改革の一環として企画され、「議会改革検討委員会」で検討されてきた。
本年度は試行として同県等委員会メンバーを参加者とし、この日は服部一・県議会副議長、長坂隆司議員、山本茂博議員、多田純一議員、森礼子議員が参加。新宮高校からは生徒会を中心に1年生から3年生までの有志メンバーらが集まった。
服部副議長がコーディネーターを務め、意見交換では生徒らから議会への疑問や高速道路、県の理想像、議員を志したきっかけなどへの質問があった。「地域の子どもや高齢者と高校生が関わる機会をどのように持てばよいか」という問い掛けには、「ボランティアや個人活動、慰問活動など、自分から出掛けていき、得意なことを生かして自ら動く」「市や自治体が実施する避難訓練や祭りなどの行事に積極的に参加する。地域の行事では若い力が求められている」とアドバイスを送った。
議員からは高校生に「住んでいる所を将来どんなふるさとにしていきたいか」「選挙権を与えられた際の投票の基準」「自分自身、ここは人に負けないという自信があるものは」「反抗期はあったか」などの質問があり、生徒らは自分の率直な意見を伝えていた。
意見交換会で気付いたことを聞かれた生徒は「もう少し個別に話したり、自由な形で話せるようにしたらもっといいと思う」などと提案する場面もあった。
服部副議長は「意見を活発に出してくれ、反応も良かった。生徒が意見を出しやすいよう、今後の会の在り方をもう少し検討する必要を感じました。感じている、思っていることが伝わったと思う。関心を持ってくれてありがたい」。
生徒会長の藏本梨奈さん(3年)は「緊張しましたが、お互いの意見を話し、私たちのためにもなりました。今後、生徒会を通じ学校内の生徒の意見を出し合い、新宮のために何かできないかという働き掛けができればいいなと思いました」と感想を語り「政治を身近に感じました。話す場がもともと少なかったので、今回の場で距離が縮まり、自分たちの意見も反映してもらえるんだなと感じました。選挙にも行きます」と述べた。
畑校長は「生徒たちは少し緊張していましたが、議員たちから地域貢献の大切さなどを聞き、社会に接するいいきっかけになったと思います。社会で活躍する大人と話をすることで、自分の意見を話すいい機会になったと思います」と話していた。
(2017年5月20日付紙面より)
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ジオガイドら通夜島調査 (串本町 )
串本町須江沖にある通夜島で18日に地域資源調査があり、南紀熊野ジオパークガイドら18人が地質と植生の2面から島一帯の特色を探った。
通夜島は神功皇后と応神天皇の一行が一夜を明かしたと伝えられ、その故事をなぞらえる水門(みなと)神社祭礼「水門祭」の旧御旅所だったことで知られる。旧大島村から旧串本町、現串本町へと公有地として受け継がれ、民間事業者に貸し出され熱帯植物の栽培地となっていた時期もあったが2003(平成15)年に明け渡され、現在は無人島になっている。
地域資源としては北岸区域13・7㌶が2005(平成17)年にラムサール条約登録湿地に認定されているが、この日の調査はジオパークの観点から魅力を発掘するのが狙い。和歌山東漁業協同組合須江支所の通夜島活用への期待も踏まえて南紀熊野ジオパークガイドの会南エリア(芝崎浩子代表)が計画し、当日はガイドや南紀熊野ジオパーク推進協議会学術専門委員の中屋志津男さん、県自然環境室や同町産業課、串本町観光協会や古座観光協会、リゾート大島や熊野新聞社の各関係者が参加した。
資料調査はしたが上陸は初めてという中屋さんは▽地質的に熊野カルデラ由来と考えらえる火砕流の造形(流紋岩質火砕岩層)が見られる▽地形的に島上部が平地「海岸段丘」になっている―といった二つの特色があると参加者に事前解説し、前半はその象徴となる場所を観察した。
先だって12日に大辺路刈開き隊や同町地域おこし協力隊、環境省やリゾート大島が刈り開いたルートに沿って移動し、その道中には往時の作業小屋や祠(ほこら)も複数点在。上陸地点で地質的な特色、その反対側の浜で地形的特色を観察し、後者では目の前に広がる波食棚や海食台といった平たい海岸が隆起して海岸段丘ができるという大地の営みを、各地形の実物を見ながら感じられるといった魅力の発見があった。
昼食休憩後は既存のスダジイや熱帯植物と栽培管理を離れて野生化したワシントンヤシなどさまざまなヤシ類などで覆われた島内を巡り、眺望に秀でた岩棚などを確かめた。
南紀熊野ジオパークガイドの会の上野一夫会長は「串本には平見と呼ばれる場所が多いが、これらは海岸段丘を意味する。陸繋(りくけい)島も含めてそのような地形がよくわかる岩棚も発見の一つだった。中屋先生が話された特色も含めた今日の収穫を生かし、通夜島を訪れるツアーを年に何回か計画していければと思う」とこの日の成果を振り返った。
(2017年5月20日付紙面より)
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地震から命守る減災セミナー (太地町 )
太地町の一級建築士事務所「熊野くらし工房」の森岡茂夫さんは17日、同町公民館で第2回減災セミナー「地震から命を守る」を開いた。日本建築家協会の災害対策委員として活動した森岡さんは、全国の被災地で得た知識と経験を町民の防災に役立ててもらおうとセミナーを企画し、今年3月にスタートさせた。2回目は「命を守る『倒さない・燃やさない・逃げ切る』」がテーマ。
南海トラフの巨大地震、東海・東南海・南海3連動地震の国の被害想定を挙げて講演を進めた。南海トラフ巨大地震の死者想定は32万3000人にも上り、「死者率」は南海トラフで74%、3連動地震で47%といずれも太地町が第1位となっている数字を示した。森岡さんは「この通りだと私のふるさとは消滅してしまう。対策を」と語り、家屋の倒壊、家具の転倒などを防ぐ「倒さない」、火災の発生を防ぐ「燃やさない」、津波から「逃げ切る」の三つのキーワードを掲げて防災対策を呼び掛けた。
電気が復旧し、倒壊家屋に通電した際に発生する「通電火災」の防止には建築家協会が考案した感電ブレーカーを紹介。ガスコンロは2008年に法制化された安全センサーを説明した。受講者に帰宅後に各家庭でセンサーが付いているかどうか確認を呼び掛け、古い家屋が多い同町では社会福祉協議会などと連携しての安全チェックを提案した。
森岡さんは「国の想定を最後まで読むと、しっかり対応すれば被害は5分の1になると書かれている。対策を積み重ねれば被害は小さくできる。みんなで知恵を合わせて未来を守ろう」と呼び掛けた。
20日は同会場で午後1時30分から同4時30分まで「津波からの逃げ地図づくりマスター講座」を開催する。問い合わせは同事務所(電話0735・29・7986)まで。
(2017年5月20日付紙面より)
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ブックマーマに文部科学大臣賞 (太地町 )
絵本の読み聞かせや影絵などの活動を長年続けている太地町のボランティアグループ「ブックマーマおはなしの会」(和田千明代表)はこのほど、子どもの読書を推進する活動が顕著な学校や図書館、読み聞かせ団体などに贈られる文部科学大臣表彰を受けた。同会のメンバー4人は12日、同町役場を訪れ、三軒一高町長、山下雅久議長、山本真一郎副議長、宇佐川彰男教育長らに受賞を報告した。
「子どもの読書の日」(4月23日)にちなみ、東京都渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された「子どもの読書活動推進フォーラム」で表彰を受けた。
ブックマーマは2003年10月に発足。04年から小学生、05年から園児対象に読み聞かせを始めた。小学校では月2回全学年の児童対象に、太地こども園では月1回活動している。太地中学校では生徒が行う読み聞かせの指導もしている。同会が調べたところ、現在の中学2年生は小学校の6年間で158冊もの本の読み聞かせを受けたことが分かったという。影絵では、大阪市東淀川区の瑞光寺にあるクジラの骨で作られた「雪鯨(せつげい)橋」(鯨橋)の物語を手作りし、太地小が修学旅行で同寺を訪れるきっかけともなった。現在は和田代表、坂野真佐子さん、清水文さん、由谷節さんと那智勝浦町の濱口櫻さんが中心となって活動している。
和田代表は「フォーラムの事例発表会を聞いて、子どもたちの成長を願って地道に活動をしている人たちが全国にいることが分かりました。すごく刺激されました」と話し、「太地町では4カ月児健診のブックスタートで2冊の本が贈られ、3歳半の健診時にも1冊プレゼントしてくれます。活動の中で一人一人の子どもに関わった思い出があります」と語った。三軒町長らとの懇談の中で会員からは司書の配置の要望などもあった。
宇佐川教育長は「今までの苦労が実った。とても喜ばしい。太地では、ブックマーマといさな文庫が活動してくれている。これからも支援していきたい」と述べ、三軒町長は「子どもは町の宝物。次の世代を担う子どもたちのため、ボランティアで活動されてきたことが認められた。喜びでいっぱいであり、敬意を表したい」と活動をたたえた。
(2017年5月14日付紙面より)
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7月14・15日、勝浦湾で打ち上げ (那智勝浦町 )
熊野那智大社創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年を迎え、那智勝浦町では記念行事が始まっている。南紀くろしお商工会で12日、那智山奉祝記念事業実行委員会主催の「記念メッセージ花火」について第1回会議があり、関係者らが運営内容や当日の警備態勢について話し合った。
打ち上げ場所は勝浦湾内の渡ノ島埠頭(わたのしまふとう)で、7月14日(金)と15日(土)の2回。午後8時から約20分間。小雨決行。荒天の場合14日は翌日に延期、15日は中止する。両日ともに名前とメッセージを読み上げて花火15発を一発ずつ打ち上げ、スターマイン491発も用意する。
メッセージ花火は一口1万円(税込み)。文字数は80字以内。創建草創への祝い、誕生日、応援、プロポーズなど内容は自由となっている。希望者は申込書を那智勝浦観光協会ホームページからダウンロードして、必要事項を記入の上、同委員会事務局へFAXまたは持参するとよい。受付期間は今月22日(月)から6月30日(金)までで、抽選により1日15発まで。他府県からの応募も受け付ける。
問い合わせは那智山奉祝記念事業実行委員会(那智勝浦観光協会内、電話0735・52・5311、FAX0735・52・0131、ホームページhttp://www.nachikan.jp)まで。
(2017年5月14日付紙面より)
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三輪崎小5年が鯨踊り練習 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校の5年生76人は12日、同校体育館で地区の伝統舞踊「鯨踊り」を学んだ。三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長指導のもと、「ヨイハ」の掛け声で元気よく練習に励んだ。
5年生は毎年、運動会で鯨踊りを披露する。5月の初めには同保存会から踊りの歴史などを学び、6年生や教員の振り付け指導も受けた。運動会当日のおはやしは、保存会が奏でる。同校では濱口会長が小学生だった50年近く前から、鯨踊りが踊られているという。
子どもたちは濱口会長から「周りの人と動きを合わせて、ヨイハの掛け声を元気に」とこつを教わり、綾棒(あやぼう)の持ち方から手の動きまでをじっくり練習した。
学級委員の山﨑昴明君は「足が疲れた。だいぶ覚えたので、本番には間に合いそう」。
同じく学級委員の宮本彩音さんは「6年生に教わったときより、よく理解できた。本番はしっかり踊れそう」と話した。
子どもたちの練習を見た濱口会長は「ほぼ初めての練習でこれだけ仕上がれば大丈夫。運動会当日が楽しみ」と上達の早さに驚いていた。
鯨踊りは、県の無形民俗文化財に指定されている。扇子を持って鯨を追い込む場面を表した「殿中踊り」と銛(もり)に見立てた綾棒で鯨を突く動きを再現する「綾踊り」の2種類がある。児童たちは綾踊りを舞う。
(2017年5月14日付紙面より)
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第28回夏季ソフトバレーボール大会
第5回トルベリーノカップキッズ大会
国民平和大行進スタート (新宮市から )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会(茂野和廣・実行委員長)は8日、新宮市から2017年国民平和大行進「和歌山―広島」をスタートさせた。県内全30市町村を通過する。6月8日(木)に三重県に引き継ぎ、8月4日(金)、最終目的地の広島平和公園に到着する予定だ。
大行進は1958年に始まり今年で60回目。全国で11のコースがあり、毎年計約10万人が参加している。和歌山県は3年連続全30市町村で実施されており、毎年計約1500人が参加している。
新宮市の出発集会で、喜田俊生・紀南労協議長があいさつ。ニューヨークの国連で開かれた核兵器禁止条約の制定を目指す第1回会議に日本政府が欠席したことに怒りの言葉を述べ、「8月に広島、長崎で開かれる原水爆禁止2017年世界大会に向け、元気よく出発したい」と述べた。
田岡実千年市長は「地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積、配備されており、断じて許されるものではありません。唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」
杉原弘規市議会議員は「半世紀を超える平和を願うこの平和行進は今や世界中の国々と人々に受け入れられようとしています。力いっぱい、元気いっぱい、気持ちを込めて行進しましょう」。
原水爆禁止和歌山県協議会の白井春樹事務局長は「核兵器禁止条約の実現を目指して、一歩でも二歩でも共に歩きましょう。皆さんの歩みは非核平和への歩みとなります」と呼び掛けた。
東牟婁地域の通し行進者の栗栖富夫さん(和歌山市民生協)が「現在1万5000発の核兵器があります。それをなくす意味でも一歩でも参加していただければ」と決意表明。「この日本を被爆国であり、憲法9条を持つ国にふさわしく、核兵器禁止条約の実現の先頭に立てる国にするため、一歩でも二歩でもご一緒に歩きましょう」などとする集会アピール宣言を拍手で採択し、『青い空は』を合唱した。
■東牟婁地域の日程
今後の東牟婁地域で行われる行進の日程と集合場所は次の通り。集合時間はいずれも午後5時15分。▽9日(火)那智勝浦町役場前▽10日(水)北山村民会館前▽11日(木)太地町公民館前▽12日(金)串本町役場本庁舎前▽15日(月)古座川町役場前。
(2017年5月10日付紙面より)
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太地支部が総会 (南紀くろしお商工会 )
南紀くろしお商工会(森川起安会長、会員数101人)は8日、太地町公民館で太地支部(藤木一史支部長)の平成29年度総会を開いた。会員22人が出席し、上程された昨年度の事業・会計報告、今年度の事業計画案など全ての議案を承認した。
今年度は▽観光促進による交流人口の増加▽町内関係者の合意形成▽地域資源の発掘と磨き上げ▽両町協力による観光メニューの強化―の4点を重点に活動する。3月17日に「経営発達支援計画」の認定を受けたため、認定を受けた商工会が活用できる事業の持続的発展を目的とした補助事業「伴走型小規模支援推進事業」を申請中だと伝えた。
昨年度の重点項目の実施状況と決算が報告された。会員数は年度当初から末までに商工会で2人増えて672人(約0・3%増)、支部は1人減って101人(0・9%減)となった。
森川会長は「今回、国から新たに経営発達支援計画の認定を受けたので、経営戦略に踏み込んだ伴走型の支援を続けていきたい。ガラパゴス化せず、多様化する消費者、観光客のニーズに対応する施策を展開したい」と話した。
(2017年5月10日付紙面より)
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下露総合セで公開講演会 (七川ふるさとづくり協議会 )
古座川町の七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)は8日、七川総合センターふるさとで講演会「環境保全活動研修会」を開いた。七川地域の今後を地域全体で考えるために計画した初の公開行事で、同協議会役員含む32人が近隣事例に触れて今後の地域振興の機運に弾みをつけた。
同協議会は、七川地域の各区長が中心になり昨年11月に発足させた住民団体。住民が生きがいを持って明るく健康的な生活を送る地域環境を創造し、次の世代に持続可能な地域として託すことを目的に掲げて歩み始めている。
今月1日には公的支援として、同町が地域おこし協力隊隊員として小山陽平さんを起用。同協議会事業の推進を任務とし、同協議会は妻の菜保さんともども一会員の位置付けで迎え入れている。
当面は生活の主体である地域住民が今の地域にどのような意見を持っているかで聞き取り調査を進める予定。その前にまず同協議会の思いを伝えるため、この講演会を計画し参加を呼び掛けた。
開会にあたり下山会長は林業最盛以降の七川地域の変遷を振り返りつつ「(この講演が)これからの七川地域をどうすべきかを考える機会になれば」とあいさつ。参加者の中には仲本耕士副町長の姿もあり、起用した隊員と共に七川地域が今なすべきことに向かい動き出すことを願いつつ祝辞を寄せた。
続く講演の講師は奈良県川上村にある森と水の源流館の尾上忠大事務局長で、演題は「同館の活動から」。発祥地として栄えた吉野林業の衰退や国策のダム建設など村内環境が大きく変わる中、同村は紀の川や吉野川水系の源流地である点に着目して平成8年、水源地のまちづくり指針「川上宣言」を掲げて今日まで歩んでいる。
水源地を守るために国内2例目にして当時最大規模、740㌶の原生林を公有林化。その啓もう施設としてあるのが森と水の源流館で、尾上さんは同宣言以降の主だった振興の取り組みや村民がどのようにして川上宣言に寄り添う気持ちになったかを伝え、流域連携の発想(=村外との活力ある連帯で村の存在感を安定化させ活路を見い出す発想)があることを示唆するなどした。
今まさに地域振興に乗り出そうとしている七川地域に対し、地域の状況をしっかり考える事や生活に必要なことはやるという姿勢が大切だ、など提言も寄せて話を締めくくった。同協議会は今後も住民と共に考える機会を重ねる考えで、喫緊では同調査の結果報告会を夏ごろに予定している。
(2017年5月10日付紙面より)
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地元中学生が総合学習で
那智勝浦町大野の町立色川中学校(山下真司校長、生徒4人)の生徒たちが8日、同校近くの茶畑で地域の特産品「色川茶」を摘んだ。地元産業への理解を深めようと総合学習で毎年取り組んでいる。
授業は総合学習「おいしい色川茶を作ろう」。生徒たちは教師たちと一緒に学校近くの茶畑で、薄緑色で柔らかい新芽を選んで摘み取り、腰に下げた籠へ入れていった。摘んだ葉は釜でいった後、粘土でヘビを作る要領でもみ、むしろの上にほぐしながら並べて天日干しした。
岡菜生さん(13)は「4歳くらいから茶摘みをしています。お茶が大好き。葉はてんぷらにしてもおいしいです」。
山口涼華さん(13)は「茶摘みは8回目くらいです。いった葉をもむ時に少し手が熱いです」と話していた。
(2017年5月10日付紙面より)
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第1、2節終え例年にない混戦に
新宮市出身の文豪で、望郷詩人とも呼ばれる佐藤春夫(1892~1964年)の命日の6日、市内の佐藤春夫記念館前庭でお供茶式(くちゃしき)が営まれた。関係者ら約60人が参列し、遺徳をしのんだ。
茶道裏千家淡交会が長年、大社烏集庵や望郷五月歌碑前で営んできた式で、記念館がオープンした翌年の1990(平成2)年から佐藤春夫記念会とともに記念館庭園で開いている。
田岡実千年市長、楠本秀一教育長、濱口太史県議らも出席。茶道裏千家淡交会南紀支部の西宗友さんがお点前、半東は山野宗景さんで、関宗重さんが春夫の遺影前にお茶を供えた。式典後に淡交会員たちが参列者たちにお菓子とお茶を配った。
田岡市長は「豊かなふるさとの自然を表現した『望郷五月歌』は没後なお、多くの人に愛され、一層輝きを増すように思う。先生がこよなく愛された古里新宮の悠久の歴史文化と豊かな自然の成熟のため、さらなる努力を傾注しなければならない」。辻本雄一館長は小説『初恋びと』や童話『うちのうたちゃん』と未発表詩『なつかしき山々』の草稿が発見されたことなどに触れてあいさつ。「まもなく記念館が開館して30年。関係各位の皆さんのおかげでお応えできている。今後ともご支援ご協力を」と呼び掛けた。
(2017年5月7日付紙面より)
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千穂できっちん・クローバー (新宮市 )
新宮市千穂のファミリーホーム「クローバーの家」(荒木博和理事長)で4月30日、毎月恒例の「きっちん・クローバー」が開かれた。地域住民や子どもたちが訪れ、親子丼と若竹汁を味わった。5月は運動会などの関係で行わない。
この取り組みは、地域の子どもと大人の信頼できる居場所づくりや、地域交流などを目的に「こども食堂」として毎月最終日曜日の午前11時30分から実施している。
ファミリーホームは児童相談所などの関係機関と連携し、家族と離れて生活しなければならない子どもを迎え育てる施設で、県内には5カ所ある。クローバーの家は昨年4月に開設した。
訪れた人たちは「おいしい」と話しながらこの日のメニューを味わった。荒木理事長は地域住民などの協力に感謝していた。
(2017年5月7日付紙面より)
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天然多く6月解禁に期待 (高田川 )
新宮市相賀―高田の高田川で稚アユの遡上(そじょう)が始まっている=写真。100匹ほどが群をつくり、時折飛び跳ねながら上流を目指して泳いでいる。高田川を含む熊野川水系のアユ漁は6月1日(木)から解禁。熊野川漁業協同組合の堀切金二理事(80)=同市高田=は「3月下旬に各河川で天然遡上が多かったので今年は期待しています」と話している。
高田川への稚アユの遡上は年々減り、2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、追い打ちをかけた。組合は対応策として昨年10月、相賀の高田川内に初めてアユの産卵場を設置。卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約4000匹を放流し、産卵、ふ化を確認した。今年の天然遡上の増加について堀切理事は「産卵場の成果かどうかは分からないが、可能性はある」と話す。
組合は毎年、高田川へ約700㌔の稚アユを放流している。今年の放流もすでに終えている。
堀切理事は「いつもなら今ごろは相賀から高田へもっと多くの稚アユが上がってきていますが、今年は水温の関係か、相賀でとまっているようです」と話していた。
(2017年5月7日付紙面より)
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