船頭や語り部が救助訓練 (熊野川川舟センター )
川舟下りや瀞峡めぐりを実施している、新宮市熊野川町田長(たなご)の熊野川川舟センターは13日、新宮市消防署熊野川消防出張所の協力のもと、センター下の熊野川河川敷などで、川舟救助訓練を実施した。センター職員や船頭、語り部の11人が参加、水難事故発生時の対応法を学んだ。
川舟下りと瀞峡めぐりは、3月初めから11月末までをシーズンとしている。現在はシーズンオフであることに加え、4月に北海道の知床遊覧船沈没事故が起こったこともあり、訓練実施となった。消防を招いての訓練は2007年以来となる。
訓練実施に先立ち、山口博巳・市消防署副署長兼消防出張所長があいさつ。「今日の訓練は不測の事態に備え、初動や救助の方法を確認するもの。通報しても川の中まで消防が到着するのに時間がかかる。救助には初動が大事となる。一番良い方法を、意見を聞きながらつくりあげたい」と話した。
センターの待合室で、消防職員による講義があった。増水予測や天気予報確認、安全装備の点検の重要性などを語った。新型コロナウイルス感染予防対策についても言及。携帯電話を使った緊急通報の際の注意点も指摘した。実際に参加者と消防で、携帯電話の使用を想定した通報訓練も実施した。
この後、河川敷での訓練を実施。消防の説明を受け、参加者が救命ロープを投げたり、落水者に見立てた人形を船上に引き上げたりした。参加者はいずれも、懸命に取り組んでいた。
センター職員の向井地一成さん(69)は「これを機会に、さらなる安全運航に努めたい。実際にやってみると違う。語り部さんが救命ロープを投げたりする機会もなかなかないので良かった。運航シーズン前にもまたやってみたいと思う」と話した。
(2022年12月14日付紙面より)
潮岬で合同津波避難訓練 (串本町 )
串本町の潮岬地区で12日、合同津波避難訓練があった。社会情勢を考慮し今回も規模縮小でこども園、小学校、中学校の高台避難のみ実施。自主防災会が避難路となる道路の交通安全を確保する中、園児、児童、生徒と教職員約300人が一斉に最寄りの高台へ駆け上がり、逃げる意識を高めるなどした。
この訓練は、日頃高台で過ごしていることでとりわけ将来を担う子どもたちの津波緊急避難意識が薄れないよう、自主防災会がこども園、小学校、中学校に働きかけ基本年2回の頻度で前半に津波避難訓練、後半に防災学習の2部構成で合同実施している。
最近は新型コロナウイルスの情勢により昭和東南海地震(1944年12月7日午後1時36分ごろ発生)や昭和南海地震(1946年12月21日午前4時19分ごろ発生)の期日に近い日程で年1回、前半の高台避難のみと頻度や内容が縮小しているが、肝心の同意識だけはつなぎ託さなければという思いで子どもたちの実践機会を保っている。
今回は午後1時30分にマグニチュード9、震度7の大揺れを伴う地震が発生した想定で同訓練を開始。園児、児童、生徒と教職員は津波浸水が予想される低地にいると前提して揺れから身を守る行動をし、以降担任の指示を受けて最寄りの高台(=旧測候所横駐車場)へと駆け上がった。
こども園、小学校、中学校から高台までの避難路は終盤が一本道となっていて、その入り口で殺到。足の速い生徒は園児と児童を誘導して先に行かせ、その後を一丸で追従した。高台に着いたらすぐに人数を数えて全員の避難完了を確認して行動を終了した。
今回は新宮警察署串本分庁舎警備係から実際に起こったときには自分で考えて命を守らなければならないと意識付けを受け、園児、児童、生徒を代表して潮岬中生徒会の西悠斗会長(2年)は「訓練を通じて実際に災害が起こったときにどのような行動を取らなければいけないかが実感できた。常に平静を保ち、自分たちの命を守るような行動を心がけられたらいいなと思った」と述べて締めくくった。
(2022年12月14日付紙面より)
紀宝町消防団が礼式訓練
紀宝町消防団(逢野統一団長)は11日、町深田運動場で礼式訓練を実施。団長、副団長と1~4分団の団員71人が来年1月3日(火)の消防出初め式に向けて服装点検や機械器具点検、行進などに取り組んだ。
出初め式は毎年、町生涯学習センターで式典を開催し、各表彰の後、鵜殿運動場で通常点検を行っている。昨年と今年は新型コロナウイルスの影響で式典だったが、来年は3年ぶりに通常点検を実施する。
訓練には各分団の車両も出動。人員報告の後、逢野団長が「出初め式に向けて小隊編成、服装点検、機械訓練など一連の流れで進めていく。1月3日には訓練の成果を発揮できることを期待している。訓練を通して消防団員としての士気を高めてもらいたい」とあいさつした。
訓練は熊野市消防署紀宝分署の署員から指導を受け、号令に合わせて整列や敬礼などを繰り返し、団員行動を確認した。小型ポンプ操法、旗手訓練などにも取り組み、出初め式に備えた。
西田健町長も参加し「町、消防団などが一体となって安全・安心の確保に向けて、皆さんと一緒に住みよい町づくりを進めていきたい」と激励した。
(2022年12月14日付紙面より)
ロケットの懸垂幕を設置 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は12日、役場庁舎2階(駐車場側)にロケットのイラストが描かれた同町オリジナルの懸垂幕を設置した。
懸垂幕は串本町田原にある民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の来年2月の初号機打ち上げに対しての応援や町民への広い周知、興味を持ってもらうことなどを目的としている。
本来は懸垂幕だが、縦向きでの庁舎への設置が難しいことから、横断幕仕様で設置した。
那智勝浦町と串本町は、ロケット打ち上げに対しての機運醸成を図るために、展示やワークショップなどの催しからなる合同企画の「宇宙ウィーク2022」を10月に開催している。
同日午後、新宮市の新宮看板広告が懸垂幕を設置。町によると、よほどの強風でない限りは常時設置しているという。
堀順一郎町長は「打ち上げ自体は来年2月に延期となったが、ロケット発射は地域の活性化につながる。町民の皆さまにロケット『カイロス』の存在や、発射が迫っていることを知っていただきたいと思い設置した。機運を高めていければ」と話していた。
(2022年12月14日付紙面より)
近大和歌山サッカー部・畑下葵主将 (那智勝浦町出身 )
熊野三山小学生バレーボールフェスタ
民生委員児童委員の全国一斉改選に伴い、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で8日、民生委員児童委員の退任式と委嘱式があった。社会福祉の増進に貢献し、6年以上の在職期間のある人に厚生労働大臣感謝状の伝達があったほか、退任者に田岡実千年市長や市民生委員児童委員協議会から感謝状と記念品が贈られた。
先月30日付で退任となったのは、民生・児童委員が12人、主任児童委員1人の計13人。田岡市長は退任者らに対して「今後もご健康に留意されるとともに、市政発展と地域福祉の推進に引き続き指導力を発揮いただき、ご助言とご鞭撻(べんたつ)を」と感謝。
再任、新任委員に「市民の誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう地域社会のつながりを構築し、さらにそのつながりを広げていくことが今後の福祉施策や地域づくりの重要な柱となる。これは民生委員・児童委員の皆さまのご理解とご協力なくしては実現できない」と協力を呼びかけた。
退任者を代表して福田行男さんが「新宮市の社会福祉の向上に一層のご尽力を」とあいさつした。
退任式後には、厚生労働大臣と県知事からの委嘱状伝達と、厚生労働大臣からの主任児童委員の指名状伝達があった。委嘱を受けたのは民生・児童委員、主任児童委員合わせて再任が82人、新任が4人の計86人。任期は1日から令和7年11月30日までの3年間。
式後には市民生委員児童委員協議会の第2回総会があり、新会長に小内潤治さんを選任。小内さんは「新しい体制でこれからの地域福祉に関わるさまざまな問題に取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
この日の総会をもって退任する村上和弥会長は「退職後、ネアンデルタール人の人骨が発掘されたイラクのシャニダール遺跡に行こうと思っていたが、民生児童委員の仕事が入ってきたので行くことはできなかった。ネアンデルタール人は老人や障害者を手厚く葬っていたことが明らかになっている。人間には思いやりや優しさがプログラミングされていることを証明していると思う。遺跡には行けなかったが、民生児童委員を15年間務める中で、人の思いやりや優しさを十分に学ばせていただいた」とあいさつした。
(2022年12月10日付紙面より)
三重県地域医学大賞を受賞 (県地域医学研究会 )
三重県地域包括ケア推進セミナー・第39回三重県地域医学研究会が3日、リモートで開催され、紀南地域包括ケア研究会「いこら」と紀南地域在宅医療介護連携支援センター「あいくる」による紀南地域の多職種連携研修会「みとりぃな」の取り組みが三重県地域医学大賞を受賞した。
研究会は県内地域医療の活動事例や研究を発表することで広域的な地域包括ケアの推進を図ることが目的。5団体が研究発表した。「みとりぃな」は紀宝町地域包括支援センターの南友也さんが発表した。
「一つの事例を地域の経験に!多職種連携研修会『ひとりじゃない!チームでみとりぃな』を開催して」を演題に、在宅、施設、病院など自分が最後を過ごす場所を自身で選択できる地域を目指す取り組みを紹介した。
「みとり」をテーマに「みとりぃな」を立ち上げ、多職種で学ぶ機会を通して〝顔の見える関係〟の一歩先を目指した。これまで4回開催し、延べ377人が参加。「本人や主介護者の思いがくみづらく、意思決定支援が難しかったケース」などの事例を基に話し合ってきた。
事例から見えてきた地域課題の共有、多職種が尊重し合える関係の構築、今後の人材確保などの効果があった。今後は多職種連携、人材不足でもできるみとり、将来の医療、ケアについて本人の意思決定を支援するプロセスACP(アドバンス・ケア・プランニング)の定着に取り組んでいく。
南さんは「紀南地域の取り組みが評価されてうれしい。この取り組みは地域の医療介護などに携わる方々の協力がなければ成り立たないものなので、あいくるチーム員と共に、この地域の医療介護関係者とも喜びを共有したい。受賞を励みに今後も医療と介護の連携推進に向けて取り組んでいけたらと思います」と話していた。
(2022年12月10日付紙面より)
わかやま世界遺産地域交流会 (串本町 )
串本町文化センターなどで8日、わかやま世界遺産地域交流会があり参詣道保全団体や語り部団体計18団体約120人が参加して現地を学ぶなどした。
この交流会は、県世界遺産協議会が本年度保存活用団体連携促進研修事業として主催。日頃活動している地域以外の場所や世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の物件全体へと視野を広げ、併せて団体相互の交流を深める目的で2006年度以降、年1回の頻度で開いている。
同町は熊野古道大辺路4区間(新田平見道、富山平見道、飛渡谷道、清水峠)が16年に物件として追加登録されたことで同遺産との接点を得た地。本年度は4区間の保全に献身する団体・熊野古道大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)が案内役となり、物件・飛渡谷道とその前後を訪ねる内容で参加を呼びかけた。同町でこの交流会を開くのは初という。
実施に当たっては同町と同町教育委員会が後援。開会に当たり県世界遺産センターの山西毅治所長が観光分野やワーケーション・教育旅行分野での評価の高まりを伝え、「地域を直接案内する皆さんの力が最も大切。今日を契機にさらにパワーアップしてほしい」とあいさつし、同町教委の濵地弘貴次長が追加登録の経緯や同隊の隊員の多くが南紀熊野ジオパークガイドやロケットガイドも兼ねていることを伝え、今回の交流を機にこの地域の魅力を感じ取ることを願って来町を歓迎した。
同交流会の前半は講演で、上野隊長が「大辺路を通った旅人たち」と題して登壇した。「平見」と呼ばれる地形の成り立ちを解説し、同隊の活動の様子を報告。近世の大辺路の様子を絵図や古文書、供養塔や石仏などの史跡写真を交えてひもとき、村送り制度や善根宿が往来を支え三十三度行者やその功徳にあやかる人々の往来もあったことなどを伝えた。
後半の現地学習は田並公民館~有田漁港間でのウオーク。同隊の隊員がガイドを務め、十数人の班に分かれて順次地域の情報や同隊の案内ノウハウに触れつつ飛渡谷道経由で進行した。
(2022年12月10日付紙面より)
光明宝院で成道会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の光明宝院(三村慈光住職)で8日、成道会(じょうどうえ)の法要が営まれた。信者や地域住民らが集まり、心身健康・無病息災を祈った。
光明真言宗大本山で、密教寺院である同寺。檀家(だんか)寺ではなく、近年は長期にわたり駐在する住職がおらず、各地の僧侶が住職を兼務する形を取っていた。今年5月に晋山式(しんざんしき)が開かれ、当時副住職だった三村住職が正式に住職を拝命した。
成道会は釈迦(しゃか)が2500年前に悟りを開き、目覚めたことを記念し、毎年12月8日に行う法会。この日は信者や地域住民などが参列し、三村住職と共に読経を行った。
三村住職は成道会について「2500年前にお釈迦様がご自身の心と向き合い、全てのものに価値があると悟りを開いた。この日は世界中の仏教徒が花を開くことができるよう、お釈迦様に近づくことができるように、お祭りを行っている」と説明。
法話では「苦しい状況にあることと、自分が幸せであるかどうかは別のこと。功徳は良い行いやお参りをすることで積むことができる。功徳貯金をして、常に穏やかに物事を見ることができるようになり、意識が豊かになっていく。心身健康・無病息災で過ごせるように、お加持したダイコンなどを食べて自分を見つめ直す機会にしていただければ」と語った。
供物の配布後は、真言を唱えて仏の助けや保護などを祈る加持を行ったダイコンなどの煮物が振る舞われた。
(2022年12月10日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
近畿・全国スポ少剣道交流大会 (三輪崎剣道クラブ )
新宮仏教会が歳末助け合い托鉢
新宮仏教会(会長=清水文雅・本廣寺住職)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶11人が網代笠(あじろがさ)姿で市内を回り募金を呼びかけた。
成道会は釈迦(しゃか)が菩提(ぼだい)樹の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(ごうたんえ)(花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。
托鉢は1922(大正11)年ごろから行っている行事で、僧侶一行がまちを歩きながら募金の協力を求めるもの。集まった寄金は市社会福祉協議会に寄付されている。
法要後、僧侶たちは同寺を出発。看板袋(ずだ袋)を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」などと呼びかけながら国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回った。住民らは「ご苦労さまです」と伝えながら浄財を入れていった。
清水住職は「お釈迦様が悟りを自分だけのものとせず、多くの人にお説きになられたのは、幸せや平穏をご自身だけのものとしないため。自分も他人も幸せで平穏であることで初めて真の幸せ、平穏はかなう。成道会と托鉢を通して、自他ともの幸せと平穏を祈る慈悲の心を忘れず、皆さまにもお伝えしていきたい」と話していた。
新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の12寺院。
(2022年12月9日付紙面より)
関係者ら集まり祝賀会 (那智勝浦町 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)は5日夜、那智勝浦町のホテル浦島で「那智の田楽復興100周年記念祝賀会」を開催した。昨年、一度途絶えた田楽が復興してから100周年を迎えたことを受け、那智田楽保存会の会員や那智山青岸渡寺の髙木亮英住職、塩﨑巍朗(たかお)神社責任役員、堀順一郎町長、岡田秀洋町教育長など約30人が出席し、100周年を祝った。
那智の田楽は五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、笛と太鼓に合わせて踊る伝統芸能で、室町時代の田楽踊りを伝える貴重な文化遺産。1921年に再興され、現在は「那智田楽保存会」が古来の姿を伝えている。
田楽は76年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。
同保存会は今年11月、東京都新宿区にある日本青年館ホールで「日本青年館財団設立100周年ならび日本青年団協議会結成70周年記念式典」に招待された。秋篠宮ご夫妻が臨席する中、「那智の田楽」を披露したという。
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コロナ禍の影響から、祝賀会はこの日まで延期となっていた。
男成宮司は1963年に記された「那智叢書(そうしょ)」第4巻の那智田楽の解説や大正年度の再興について解説し、実施した復興100年記念事業も紹介。
今後について「那智の田楽は復興後100年も続いている。和歌山を、日本を代表する民俗芸能。これからも末永く、継承していかなくてはならない」と語った。
来賓の堀町長が「田楽が復興され、現在に至るまで、ご労苦があったはず。未来永劫(えいごう)、田楽が継承されていくことを祈念しております」と祝辞を述べた。
その後、来賓が鏡開きを行い、塩﨑神社責任役員が乾杯の音頭を取った。
同保存会の小川一義副会長は祝賀会の開催や先人たちに感謝を述べ「秋篠宮殿下、紀子さまのご来賓の中、田楽を上演させていただきました。今後も会員一同、精進し、末永く扇祭りと那智の田楽をお守りし、次の世代に受け継いでいけるように取り組んでまいります」と話した。
その後、出席者は食事や歓談を楽しんでいた。
(2022年12月9日付紙面より)
日赤奉仕団らが防災研修 (古座川町 )
古座川町日赤奉仕団(佃奈津代委員長)が5日、中央公民館で停電や豪雨災害をテーマにした防災研修に取り組んだ。
この研修は、団員の防災意識を高めて活動に生かす機会として計画。当日は佃委員長をはじめとして団員26人が出席し、日本赤十字社和歌山県支部東牟婁地区古座川町分区の分区長を務める西前啓市町長も事務局職員と共に参加した。
同団事務局によると、西前町長と佃委員長のあいさつ後、序盤は関西電力送配電株式会社和歌山支社の村上健吾さん、民部大智さん、安藤大輝さんを講師に迎え、停電を早期復旧するために社員がどのように停電時対応をしているかなどで説明を受けたという。
中~終盤は和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授の後誠介さんを講師に迎えて豪雨災害への備えを学習。後さんは高齢者が明るいうちに行動できるよう早めの避難情報発令をする同町の姿勢をたたえつつ、台風の進路予想と過去の似た進路の対比でこれから起こる状況を予想することを勧めた。
以降、▽河川水位の変化に加え変化をもたらす谷筋や上流部など流域全般の状況にも目を向けて判断する▽水上げ小屋(上がり屋含む)の重要性と設置支援策としての届出避難所制度創設▽大規模崩壊や土石流が森林保全で抑えられるレベルの現象ではないことへの理解の必要性▽大規模崩壊や土石流の危険を示唆する県発祥の目安「土壌雨量指数」の十分な理解と防災対策への応用―などで提案と根拠の解説を重ね、理解を促した。
団員からは大規模崩壊目安となる前兆はないかとの質問があり、「裏山から濁り水が出たら逃げよ、という教訓が正解だと思う」と応答。音やにおいがあったとしても雨が降っていたらそれらは分かりにくいのでは、として過信を抑えるなどした。
(2022年12月9日付紙面より)
宇久井中で防災プログラム (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で7日、防災学習プログラムがあった。全校生徒66人が津波からの避難について学び、被災時に役立つ知識と技術を身に付けた。
津波災害、洪水・土砂災害発生時に地域の中核避難場所となる同校で、生徒たちに「災害が起こったらどう行動するか、何ができるか」を考え、役立つ知識や行動力を身に付けてもらうことを目的に毎年実施している。町教委、町消防本部、学校運営協議会、PTAなども協力した。
生徒たちは最初に「きいちゃんの災害避難ゲーム」の「津波から逃げきろう編」をプレー。雨が降る冬の日に南海トラフ巨大地震(M8・7)が発生し、津波が来るまで30分以内に安全な場所へ逃げなければならない状況を想定し、非常時の判断や有効な事前準備を疑似体験した。「避難行動要支援者に出会ったときに、助ける余裕があるのか」など難しい判断を迫られる場面もあり、それぞれ真剣に意見を出し合っていた。
その後、各学年に分かれて防災訓練を開始。1年生は町消防本部の職員からロープワークや止血法を学び、3年生は煙体験や消火器訓練をした。2年生はまきで湯を沸かし、参加者100人分の昼食を温めた。
横山蘭さん(3年)は「煙体験では周りが全然見えず、経験していなかったら火災時にパニックになっていたかも。防災バッグの中身は、非常食や毛布など避難所生活で使う物だけでなく、ヘルメットや雨具なども入れておく必要があると分かった」。坊校長は「炊き出し体験や応急手当ての経験を日々の生活にも生かし、非常時にも行動できるようになってほしい」と話していた。
(2022年12月9日付紙面より)
東牟婁地方スポ少交流野球大会