年末年始安全総点検 (熊野交通 )
年末年始の安全総点検の一環で熊野交通(外濵道明社長)は27日から、新宮市熊野川町日足の志古船舶営業所などでウオータージェット船のエンジンストップなど緊急時に備え、寒中操船訓練を実施している。3班に分かれ、1月10日(木)までに約10回行う予定。
初日の訓練には椿原紀余二指導船長(48)、高村正胤船長(41)、楠堂一樹機関士(31)の3人が参加。運航中にエンジンがストップしたと想定し、船内に設置しているヒノキ製の長さ約4㍍のさおで川底を押しながら接岸したり、櫂で方向転換するなどの訓練をした。エンジンからの出火を想定した消火訓練もあった。
ウオータージェット船は、時速約40㌔で熊野の秘境「瀞峡」までの往復約50㌔を、約1時間55分で巡っている。運航は1日6便。年間乗客数は最盛期の1992年には約28万人を記録したが、おととしは6万846人、昨年は4万7941人、今年は11月末現在5万3810人となっている。
堀芳生所長(49)は「今だけの時季に限らず、日頃から訓練をやっていく。来年も事故のないように安全運航に努めていくので、大勢の人に足を運んでいただければ」と話していた。
(2018年12月29日付紙面より)
蓬莱の畑地製菓舗で (新宮市 )
新宮市蓬莱の畑地製菓舗(畑地泰明店主)は27日から、正月用の鏡餅作りを始めた。店員、アルバイトを増員し、朝からつきたての餅を丸めて店頭に並べている。
作業は31日(月)の午前中まで行い、7~16㌢の8種類の鏡餅を作る。鏡餅の他、ヨモギ、芋などの棒餅やトチの実を使った餅など多様な種類を用意している。
畑地さんは「鏡餅は硬めにしないと形が崩れてしまう。きねでつくのと同じように作ることで、粘り、コシが強く、つやもいい餅ができます」と話していた。
鏡餅は丸く平たい形をした正月用のお供え餅。元来、年神様へのお供えとした餅のことで、その形は「三種の神器」の鏡、玉、剣を表しているといわれる。地方によって異なるが一般的に1月11日が鏡開き。刃物を使わず木づちなどでたたいて割って食べる。
正月に餅を食べる習慣は平安時代、宮中で健康と長寿を祈願して行われた行事「歯固めの儀」に由来する。
(2018年12月29日付紙面より)
激励受け年末警戒始める (串本町消防団 )
串本町消防団(稲田賢団長)の年末警戒が27日から始まった。今年も30日(日)までの4日間、夜半~深夜に管内の見回りを行う計画で、初日は田嶋勝正町長や串本警察署の中弥泰典署長の代理で橋本諭次長らが各分団の詰め所を訪ねて激励を注ぐなどした。
この警戒は、町内の誰もが出火なく新年を迎えることを願う年末恒例の取り組み。同団は期間中、11ある分団がそれぞれ定時に管内を巡回しいち早く出火を察知し対応、またそのような警戒行動により地域への火の取り扱いへの注意喚起を行う。
初日の激励には田嶋町長や橋本次長と共に寺島正彦消防長ら同町消防本部幹部、稲田団長ら同団幹部、同署の廣田典生地域課長らも同行。串本分団(泉博二分団長)詰め所で田嶋町長は今年一年を振り返り全国各地で地震や豪雨、同町も台風24号で経験したことがないような被害があったことを振り返っていつ起こるか分からない災害への緊張感を高めつつ、「町民の皆さま方が安心し素晴らしい年を迎えられるよう、年末警戒をお願いしたい」とあいさつ。橋本次長は「年末警戒は地域の安全安心を支える力強い活動であり、この活動により住民の皆さまが平穏に新年を迎えられることを心強く思う」とあいさつし、それぞれに激励の品を贈り団員の奮起を促した。
□ □
■古座川町消防団は29、30日に実施
古座川町消防団(前田稔団長は29日(土)と30日(日)の2日間、午後10時~翌日午前2時に町内に七つある詰め所を拠点にして年末警戒を実施する。初日は西前啓市町長ら10人が各詰め所を回り激励するという。
(2018年12月29日付紙面より)
年末のマグロ水揚げ (那智勝浦町 )
国内有数の生鮮マグロの水揚げを誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で27日、入港船の隻数がピークとなり、需要が高まる正月に向け市場が活気づいた。市場は29日(土)まで。年始は1月4日(金)が初市となる。
和歌山県漁業協同組合連合会によると、26、27日の入港船の隻数はそれぞれ11隻で、12月中の最多。両日合わせて144㌧の水揚げがあった。同市場の今年4月1日から12月27日までの水揚げは前年に比べると526㌧少なく、取引額は1億300万円の増。12月の前年比(27日現在)は、水揚げ量、金額ともに379㌧、3600万円の減。カジキを含むマグロ類の1㌔当たりの平均単価は例年よりも60円ほど高かった。
県漁連・勝浦市場の太田直久参事役は「黒潮蛇行の影響もあってか12月はトンボ(ビンチョウマグロ)が少なかった。漁価は、オリンピックや大阪万博に向け上がっていくのでは」と話した。
(2018年12月29日付紙面より)
那智勝浦町出身の清水君、米川君 (和歌山北高サッカー部 )
新宮ロータリー杯ジュニアバド大会
レスリング「NTS近畿ブロック合宿」
那智大社で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で17日、宝物殿に掲げたえとの大絵馬が「戌(いぬ)」から来年の「亥(い)」に掛け替えられた。
大絵馬は縦約3㍍、横約4㍍。男成宮司(65)が構図を考え、2週間かけて仕上げた。勢いよく走るイノシシと那智の滝、日の出が描かれている。大絵馬の前では記念撮影をする参拝客らが見られた。
男成宮司は、自然災害が多かった今年を振り返り被災者に思いを寄せ、「来年は御代(みよ)替わりの年。残り4カ月と思うと感慨深くありますが、勢いよく突き進むイノシシの力を頂いて、さまざまな目的が達成されますように」と話した。
那智の滝前の別宮・飛瀧(ひろう)神社では中絵馬(縦約1・2㍍、横約1・8㍍)が掛け替えられ、旅客の道中安全を願って作った小絵馬2枚(いずれも縦約0・9㍍、横約1・2㍍)はJR紀伊勝浦駅と新宮駅に贈られた。
(2018年12月18日付紙面より)
「減災カフェ」で実用減災学 (新宮市 )
お茶を飲みながら減災の知識を学ぶ「減災カフェ」が15日、新宮市仲之町商店街の「喫茶ロッコ」であった。同カフェ主宰の上野山巳喜彦さんが「『追い込まれ型避難』から『先読み型避難』へ」をテーマに話した。
同カフェは災害の被害を軽減するために「過去に学び、現在を点検し、未来に備える」をモットーに、被害軽減に実際に役立つ知識である「実用減災学」の共有を目的に開いている。
上野山さんは、『熊野年代記』によると新宮市は1600年代には激しい風雨や洪水で度々浸水被害に見舞われたと解説。1800年代にも洪水で町々を舟で通行したという記録が残っているとした。上野山さんは過去の記録から「熊野川は度々大洪水を起こす『暴れ川』。その規模は町中を舟で行き来する規模だった」と話した。
1959(昭和34)年に日本に上陸し、甚大な被害を及ぼした伊勢湾台風を契機として61(昭和36)年に「災害対策基本法」が成立。市は激甚災害に指定され、堤防や水門などの治水施設ができたことによって床下浸水被害が激減したと説明。しかし、台風や豪雨など自然災害の強大化により、治水施設の機能を超えた水害発生の恐れが出てきたと述べた。
上野山さんは、被害を最小限に抑えるために▽水平避難か垂直避難か、事前に避難方法を選択しておく▽自宅が浸水すると想定し、生活を再開するための最小限の衣食住に関わる物品を2階などの高い所に移す▽火災保険に自然災害特約を付帯し、被災した家を修繕や再築などするための資金を確保する―の三つの対策を提案。先読み型避難の重要性を説いた。
水平避難か垂直避難かの選択について「合理的な判断のためのめどが必要。2015(平成27)年の水防法改正に基づき国が示した『最大想定の浸水区域図』は現実味があり有効な判断材料になる」。各避難方法の留意点を「水平避難は体がぬれることによって体温低下を起こす可能性がある。垂直避難においては、屋根に逃れたとして、救援を待つ覚悟を持つ必要がある」とした。
上野山さんは「自分の安全を確保することは、他の人を救済する力を温存することにつながる、最も確実な社会貢献。先読み型避難で、どんな状況になろうと生活再建の希望が持てる態勢をつくって」と講演を締めくくった。
次回の「減災カフェ」は来年2月16日(土)を予定している。
(2018年12月18日付紙面より)
潮岬で合同津波避難訓練 (串本町 )
串本町潮岬で14日、同町立潮岬中学校(堀靖典校長、生徒54人)と同町立潮岬幼稚園(南君子園長、園児26人)、同町立潮岬小学校(山本隆介校長、児童163人)の合同津波避難訓練があった。園児児童生徒と教職員は午後1時30分に大きな地震が発生した想定で津波緊急避難行動を実践。その後は体験学習にも取り組んで、日頃の防災意識を高めるなどした。
この訓練は、『津波の影響を受けない高台に暮らしていることで薄れがちな津波緊急避難の意識をしっかりと身に付けてほしい』と願う潮岬区自主防災会(増本昌弘会長)が3校園に働き掛ける形で年2回実施。今回は6月18日に続いて2回目となる。
最寄りの高台として潮岬測候所跡地を設定し、同防災会役員や串本警察署署員が同訓練中の交通安全を確保。園児児童生徒らは訓練開始の合図を受けて地震発生時の行動をこなし、指示を受けて津波緊急避難行動を実践した。園児児童はクラス単位で防災頭巾をかぶって移動し、生徒は全速力で率先避難を目指した。
潮岬幼は保護者も同訓練に加わり、全体で約280人が同行動を実践した。その様子を見届けた串本警察署の本下泰孝警備課長は「災害から逃げるためにこういった訓練は大切。何をしなければならないか、どこへ逃げなければならないかを考え、後で家族と何をしておかなければならないかも話してほしい」と講評。山本校長は津波の心配がまずない潮岬にずっといるわけではないことを振り返らせ▽大きな地震があったらすぐに近くの高台に逃げる▽大丈夫ではなく念のためという気持ちで臨む▽誰かではなく自分で助かることを考える―といったことを呼び掛け、生徒にはまず自分を助けて余裕があったら周りも助けてほしいと期待を寄せた。
□ □
体験学習の内容は▽地震体験車「ごりょう君」による体験▽串本警察署警備課のドローン撮影見学▽串本町消防本部の消防ポンプ自動車見学と煙体験▽非常食の準備と試食▽紙食器づくり―などで、園児と小学1、6年生、中学1~3年生は校園の垣根を越えた2学年組であらかじめ決められた内容を学んだ。
体験後、役場総務課防災・防犯グループの枠谷徳彦さんが「『地震があったらすぐ避難。全速力で』を心掛けてほしい。その先に今日体験した生活がある。避難中は家族と離れるかもしれないが、自ら行動してみんなで助け合えるよう、これからも訓練を続けてほしい」と全体講評。
堀校長は総括として、今回の体験で「想定外」を感じてもらうためなじみ深いアルファ米以外の非常食(レトルト)を準備したことを報告。「釜石の奇跡」の内容も伝え、ここぞというときに考えて行動することを期待して締めくくった。
(2018年12月18日付紙面より)
ボランティアの高校生らが報告 (新宮JC )
西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町で現地視察とボランティア活動に取り組んだ高校生の活動報告会が16日、新宮市神倉の県立新宮高校であった。新宮青年会議所(新宮JC、平野貴之理事長)の事業の一環。報告会、防災出前講座、関係団体との意見交換の3部制で行われ、約50人が参加した。新宮、新翔両高校の生徒ら11人と会員7人は9月に1泊2日で岡山県を訪れている。
開会で平野理事長は「地域社会を支える皆さまに報告し、共有して今後の防災につなげていければと報告会を開催しました」と趣旨を述べ、各地の災害に触れ、協力を求めた。
2部の報告では生徒たちがボランティアの内容や感想を「被災地はテレビや新聞が伝えているものより悲惨だった」「人の手助けをするうれしさを知った」「今後もボランティアや支援活動を続けたい」「助け合いが素晴らしい力になると思った」「支え合って生きていくものだと感じた」などと発表した。
今後起こりうる災害への備えや、発災時の行動について「活動に参加し、自然の力を知り、向き合わなければと思った。防災意識を強めて訓練を継続し、災害について深く考えたい」「ひとごとと思わず日頃から備えようと思った」「地域との関係づくりが大切だ」「積極的に人命救助をしたい」「命を第一に、自分に何ができるか考えたい」「自分のことができた上で人助けがしたい」などの意見を挙げた。
出席者からの「ボランティアを受け入れる態勢づくりについて意見を聞かせてほしい」などの質問に、生徒らはそれぞれの考えを語った。
1部は市防災対策課による出前講座で、職員は地域の防災力は自助、共助、公助の三つが合わさって初めて高まると述べた。2011年の紀伊半島大水害の写真をスライドに写しながら被害や浸水の状況、市の取り組みを紹介した。「市としても取り組みをしているが大きい災害が発生した際は皆の力が必要になる」と呼び掛けた。
意見交換会では同市と那智勝浦町のロータリークラブ、消防団、新宮ライオンズクラブ、市消防本部などの関係者と高校生、JC会員らが災害に向け準備できることを考え、まとめて発表した。
(2018年12月18日付紙面より)
東牟婁対決となった決勝は那智に軍配 (熊野三山小学生バレーボールフェスタ )
皆さんの応援に対して結果で返す (キナンサイクリングチーム )
4機関が合同で啓発 (新宮市 )
大阪税関和歌山税関支署新宮出張所、新宮警察署、串本海上保安署、大阪入国管理局和歌山出張所は12日、新宮市橋本のイオン新宮店前で合同街頭啓発をした。各機関がテロ関連物資の密輸や外国人の不法就労・滞在防止などを呼び掛けた。
より効果的な呼び掛けにつなげる目的で実施している。この日は税関3人、警察3人、入管4人、海保4人が参加し、チラシやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客らに手渡した。税関イメージキャラクターの「カスタム君」や和歌山県警のマスコットキャラクター「きしゅう君」、入管の「えんトラくん」も登場し、子どもたちを喜ばせた。
テロ関連物資などの密輸防止を訴えた税関新宮出張所の林大輔所長は「和歌山県は海岸線が長く、関係機関と連携を密にしていきたい」。
不法就労や国際テロの未然防止などに注意を促した新宮署の木村光太郎警備課長は「国際的な行事もあり、テロ対策などを続けてきた。不審な人や物件を見つけたら通報してほしい。」。
不法入国、就労防止を訴えた大阪入国管理局神戸支局警備部門の吉井淳治・統括入国警備官は「不法就労の防止と、改正入管法で都市部だけでなく地方にも外国人労働者が来る。安心安全な住みよい地域づくりをしていきたい」。
串本海上保安署の東洋介さんは「海上で異変を感じた場合はすぐに118番に通報をしてほしい。各機関と連携し、海の安心安全を守っていきたい」と話していた。
□ □
各機関の連絡先は次の通り。
■税関
▽税関密輸ダイヤル(電話0120・461・961/24時間受け付け)
▽和歌山税関支署新宮出張所(0735・31・5258)
■警察
▽新宮警察署(0735・21・0110)
■入管
▽外国人在留総合インフォメーション(0570・013904、〈IP電話やPHSからは〉03・5796・7112)
■海保
▽海上での事件や事故緊急通報用(118)
(2018年12月14日付紙面より)
納税協会に大阪国税局長感謝状 (新宮税務署 )
公益社団法人新宮納税協会は5日、租税教育の推進に取り組んだとして大阪国税局長感謝状の贈呈を受けた。榎本伸・新宮税務署長から感謝状を受け取った同会の尾﨑征朗副会長は「大変ありがたい賞を頂いた。これからの励みになります。納税協会の事業活動をもっと多くの方に知っていただき、会員増強と組織の拡充につなげ、明るい地域社会の発展に寄与していきたい」と話した。
協会は多年にわたり、小中学校で開催する租税教室に講師を派遣するなど、租税教育の推進に積極的に取り組んでいる。青年部会では租税教室に対する取り組みを事業活動の目標に設定。11月28日には「租税教室講師研修」に青年部会会員が参加した。受講した会員は2019年1月以降に租税教室の講師としてデビューする予定。
榎本署長は「同会の取り組みは次代を担う児童、生徒の健全な納税者意識の醸成につながるもの。地域の租税教育の推進に対する貢献は多大であり、非常にありがたい」と感謝した。
(2018年12月14日付紙面より)
読書活動推進フォーラム (古座川町 )
古座川町教育委員会は8日、同町中央公民館で読書活動推進フォーラム「こうちゃんと遊ぼう」を開いた。親子25組約50人が参加し、ふれあい遊びなどを楽しんだ。
このフォーラムは、同町子ども教育15年プラン3大重点活動の一つ「読書活動推進」の一環で、親子で絵本の楽しさを学び、本に対する興味や関心の幅を広げるのが目的。今回が3回目の実施だった。
「こうちゃん」こと浦中こういちさんは三重県在住のイラストレーター・あそび作家。9年勤めた保育園を退職後フリーで活動しており、2014年、『バナナを持って』で絵本作家デビュー。各地でワークショップや展覧会を開催するなど活躍している。
親子らはふれあい遊びや紙皿シアター作りなどでにぎやかに盛り上がった。娘の雫月ちゃん(4)と参加した高尾素子さんは「子どもが絵本が好きで、今日は楽しみに来ました」と話していた。
同町教育委員会の坂本耕一課長は「町では読書を重要な教育と考えています。今後もこのようなフォーラムを開催していきたい」と話していた。
(2018年12月14日付紙面より)
グラウンドゴルフ三和大会
第12回新宮ジュニアレスリング大会
前週の勇魚と2週連続で大会に出場 (志彰会勝浦 )
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で6日、迎春準備が始まり、小雨が降る中神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替え、奉告祭があった。作業を見守った九鬼宮司は「来年は御代替わりがあり日本にとって大事な年。当地方は世界遺産登録15周年を迎える。夢を持ち、災害などがなく通常の暮らしを送ることができる平穏な年になれば」と話した。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(85)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。今年は8月下旬から準備をし、11月20日ごろから本格的に作業を始めた。コシヒカリのわら約1300束を使っており、長さ4・5㍍、縦約80㌢、重さ約270㌔。両脇には八咫烏(やたがらす)の形をしたしめ縄を飾っている。
榎本さんが同大社の大しめ縄を作り出して今年で35年目。「掛け替える頃には雨もやんで良かった。みんなで力を合わせて、かっちりしたいいしめ縄ができました」と話していた。
来年のえと「己亥(つちのとい)」の大絵馬(横182㌢、縦90㌢)は九鬼宮司が自ら作成したもの。金色の幣串(へいぐし)を背負い、ヤタガラスが描かれた装飾具を掛けたイノシシを描き、「夢」の文字を書き添えている。
(2018年12月7日付紙面より)
高次脳機能障害学ぶ講演会 (那智勝浦町 )
新宮・東牟婁圏域自立支援協議会精神部会は11月28日、研修会を那智勝浦町立温泉病院で開いた。県立医科大学リハビリテーション科医学教授でリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所所長の田島文博さんが「高次脳機能障害について」の講演を実施した。参加者らは高次脳機能障害について、さまざまな学びを深めた。
田島さんによると、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程と行為の感情などの精神機能を「高次脳機能」と紹介。病気や事故などで脳が損傷されたために障害が起きた状態を「高次脳機能障害」と説明した。その特徴に▽注意力の低下▽新しいことが覚えられない▽感情や行動の抑制が利かないなどを挙げ、日常生活に支障をきたすと話した。
医学については、60年前は命を救うことが目的で障害は対象とされておらず、初めて対象としたのは整形外科であったと報告。「医学が障害も主なターゲットにした際に登場したリハビリテーションは患者と医療のニーズから生まれた障害を直すためのもの」と田島さんは語った。
大腿(だいたい)切断の例を挙げ、「切断や麻痺(まひ)は治せなくても歩行障害を直す。そのために義足を作り、残った下肢の筋力を強くする。リハビリテーションの基本は残存機能の活用」と説いた。
田島さんは、脳が全体的に障害された意識障害においても、思い切って動かすことで改善した例もあると話し、「座らせる、立たせるなど、脳への刺激は有効。意識障害の方はベッドに寝かせておくばかりではいけない。安静は麻薬。すぐに悪影響は生じないが、確実に活動性を低くさせる」と改善策を示した。また、社会的行動障害や失語症の症状、脳血管障害に効果のある装具療法にもふれた。
田島さんは「障害者になったときは現在の自分を愛してください。障害を持った方々も、障害を持った自分を大切にしている。障害は自分の一部であり、障害の理解が最も重要」と締めくくった。
(2018年12月7日付紙面より)
御浜町
三重県御浜町の尾呂志地区では風伝峠方面から連日のように雲が流れ落ちている=写真。北山峡で湿度を含んだ大気が放射冷却状になったときに発生した雲海が、山を隔てた尾呂志側にあふれ下る現象。通称「風伝おろし」と呼ばれている。雨が降ったあと風がやみ、気温が下がったときに発生し、数日続く。風が強かったり雨天のときは発生しないようだ。
峠の山肌を這(は)うように下る様は圧巻で大自然の驚異を感じる。秋から冬の名物となっていてこの姿を求めて多くのカメラマンも訪れる。
(2018年12月7日付紙面より)
航空自衛隊串本分屯基地 (串本町 )
串本町須江にある航空自衛隊串本分屯基地(吉村雅美司令)が2日、創立61周年記念事業の一環で一般開放を行い、さまざまな展示を披露して地域を迎えた。
同基地は1955(昭和30)年、在日米空軍が設置し、2年後の57(昭和32)年に当時の空自9082部隊が引き継ぎを受けるため展開した。これを起点にして同基地は周年記念事業を計画して地域と積極的に接点を作り、同基地存続への理解と協力への感謝を重ねている。
61周年となる本年度は、同基地の一般開放と祝賀会を計画。一般開放では亜音速ジェット機「T―4」や救難ヘリコプター「UH―60J」といった各種航空機、水陸両用車やペトリオット(PAC―3)、重機や消防車といった各種車両の展示と、戦闘訓練やヘリによる救難訓練、野外炊飯訓練や儀じょう隊ファンシードリルショーやラッパ吹奏など隊員による披露があり、来場者の注目を集めた。
野外炊飯訓練ではチキンカレーと黒潮カレー(=同基地オリジナルレシピに基づくシーフードカレー)に加え、航空自衛隊がレシピ作りに力を入れる唐揚げ「空上げ」の同基地版を数量限定で来場者に振る舞い。子ども向けに綿あめ、自治体参加枠で太地町がくじらの竜田揚げを振る舞ったほか、軽装甲機動車など試乗や自衛隊和歌山地方協力本部によるミニ制服試着などの体験提供も利用を集めた。
同基地は大島でも特に高い場所にあり、その眺望を楽しむ機会として、庁舎屋上案内も人数限定で実施した。
祝賀会は招待者対象の行事で、同基地体育館内で開かれた。ピーク時には臨時駐車場とした樫野崎駐車場や大島小中グラウンドがほぼ満車となる来場を集める盛況。その様子を見届けた吉村司令は「この開放で航空自衛隊と串本分屯基地の活動を知ってもらい、今後も理解と支援協力を願いたいと思う。天候にも恵まれ、予定した展示や出し物を全てできた。お越しいただいた皆さんに楽しんでいただければ何よりです」と話した。
(2018年12月7日付紙面より)
本廣寺で法要献茶式 (新宮市 )
江戸千家流祖、茶聖・川上不白(1719~1807年)をしのぶ茶会が2日、新宮市新宮の本廣寺で営まれた。約30人が参列し、遺徳をしのんだ。
茶道表千家流音無会(築紫充代会長)が主催し、今年で12回目。清水文雅住職の読経の中、松本美弥子さんが献炭、桝田ゆうさんが献茶。江戸千家宗家の川上紹雪(じょうせつ)副家元、表千家同門会和歌山県支部役員の森本光子さん、田岡実千年市長らが焼香した。式の後には茶会が催された。
森本さんは「立派なお寺で、すがすがしい献茶式でした。1回目から参列させていただいてますが、新宮の皆さんと親しくお話しさせていただくいい機会と思っております」。築紫会長は「献茶式、茶会は川上不白を知っていただくいい機会。町の活性化につながっていけば」と話していた。
不白は、紀州藩新宮領主・水野家の家臣川上五郎作の次男。16歳で京都に出て表千家七代如心斉宗左に師事し「宗雪」の茶名を受けた。25歳で茶の式法「七事式」の制定に参画。江戸で表千家流茶道の普及に尽力し、茶の湯を皇族や大名、豪商、町人まで幅広い層に教授した。本廣寺は水野家の菩提寺(ぼだいじ)であり、不白が1797年に先祖供養のために建立した「書写妙法蓮華経印塔」(和歌山県指定文化財)がある。
(2018年12月4日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館前広場で始まった。20万個の発光ダイオード(LED)電飾で飾り、10色以上の色鮮やかな光が訪れた人たちを楽しませている。
開催期間は来年1月6日(日)までで、点灯時間は午後6時から10時まで。12月31日(月)および1月1日(火・祝)の2夜はオールナイト点灯する。
初日の点灯式ではカウントダウンが行われ、一斉にさまざまなイルミネーションが輝きを放つと、広場に詰め掛けた人たちから歓声が上がった。
かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリー、光のトンネルが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーに見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
今年は新たに、子どもが楽しめる「アトラクションロード」が登場した。
イルミネーションデザインコンテストの入賞作品も飾られ、数々の光のオブジェが冬の山あいを幻想的に映し出した。シャボン玉も舞い、子どもたちも喜んだ。16日(日)まで毎週土、日曜日にシャボン玉イルミネーションを実施する。
町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。22日(土)午後5時からは、イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」を開催する。雨天時は23日(日・祝)に延期。
母親と一緒に訪れた新宮市立王子ヶ浜小学校3年の加莉美紗さんは「去年も見に来た。とてもきれいで、すごい。キラフェスも見に来ます」と笑顔を見せていた。
(2018年12月4日付紙面より)
木葉神社「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)の例祭「祢(ね)んねこ祭り」=県指定無形民俗文化財=が2日に本祭を迎えた。比較的温暖な好天の下、朝日遥拝行列や本殿大前の儀、子守り神事といった祭典奉仕や田原獅子保存会(井本悟会長)の獅子舞奉納が営まれ、今年も地区内外からの多数拝観で活気を見せた。
木葉神社は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を主祭神とし、神功皇后の養育の故事に基づく授かり・安産・子安の宮として信仰されるとともに田原区の氏神社として護持されている。例祭は近年、12月第1日曜日を本祭日として営んでいて、とりわけ朝日遥拝行列と子守り神事は同神社独特の奉仕として例年注目を集めている。
この日は午前7時に朝日遥拝行列が拝殿前から出発した。朝日にささげる米櫃(こめびつ)を頭に乗せたご飯持ちみこは宮本凛さん(7)が務め、同みこを先頭にして祭員や田原獅子保存会、ねんねこ祭り保存会長を兼務する西脇正吾区長らが続いた。井谷宮司(64)が振り鳴らす鈴の音を合図に一歩ずつ進み、約40㍍先にある遥拝所に着くと一同で朝日に礼を尽くした。
引き続き本殿前で大前の儀があり、古式の修祓(しゅうばつ)「湯立ての儀」や祝詞奏上に続き、子どもみこの荒木野乃子さん(10)と応援で奉仕する姉・奈菜子さん(19)が神楽「浦安の舞〈鈴〉」を舞い、一同で玉串をささげて主祭神に礼を尽くした。
子守り神事は拝殿であり、井谷宮司によるお弓の儀、井谷宮司と童子の海士侑哉君(9)によるみかん問答に続いて、井谷宮司と大幣差しの森沢清次さん(70)、御幣差しの後藤初子さん(81)、井本一也さん(41)、垣下斗輝君(15)、荒木琥太郎君(11)、西脇大貴君(10)、童子の海士君がござ、枕、乳房(を模した布袋)を担ぎ「ねんねこねんねこおろろんよ」と声を上げて子守りの所作をささげた。拝観者から合いの手が入り盛り上がる中、子どもみこが再び神楽をささげ拝観者に鈴を振り鳴らして清め払いをし、井谷宮司と共に神前にささげた稲穂を授与するなどした。
餅まきを経て、田原獅子保存会が境内で受け継ぐ7種類の舞を奉納し本祭の活気を締めくくった。
この日は最寄りの旧田原中学校体育館で公民館田原支館主催の農産物品評会と作品展示会もあった。農産物品評会は第101回となる伝統の地域行事で、今年も例祭の諸行事の合間や例祭後に随時鑑賞を集めた。
御幣差しを務めた後藤さんは田原出身で18歳の時に渡米。現在はロサンゼルスに住んでいるが、妹が奉仕の当番を受けた機に一念発起して一時帰京し、宮掃除など事前準備も含めてできる限りの奉仕を尽くした。同神社では例祭に先立って、歌手の小芝陽子さんが賛歌『ねんねこ祭り』を奉納し、餅つきなど事前準備の時に地域にも試聴を交えて紹介された。
子どもみこの数が物語るように少子化の影響が色濃さを増す中でも祭礼を支える地域の思いや周囲の期待は大きく、井谷宮司はできる限り例祭を続ける思いを胸にしながら今年の奉仕に努めた。
(2018年12月4日付紙面より)
那智勝浦町で交通安全啓発
「わかやま冬の交通安全運動」が1日から始まった。10日(月)までの10日間、県内各地で街頭啓発などが行われる。那智勝浦町では3日、同町天満のAコープ前や汐入橋交差点付近で早朝街頭啓発があった。
堀順一郎町長や町交通指導員協議会(塩﨑一男会長)などの交通ボランティア、町、県交通安全協会新宮支部、新宮警察署の署員ら約30人が集まった。
参加者らは横断幕を掲げ、ドライバーたちに運動の重点を掲載したチラシや啓発物資を配布し、安全運転を呼び掛けた。
県内では11月29日現在、2083件の事故が発生しており、前年比299件減。新宮署管内では、人身事故、物損事故のいずれも減少していたが、1日未明と2日午前9時ごろに死亡事故が発生している。
同町では期間中、4日(火)午後4時からAコープ駐車場で自転車街頭啓発、6日(木)午後5時30分から甫子浦交差点で夜間街頭啓発を予定している。堀町長は「年末のせわしい中ですが、事故の無いように気を引き締め、より一層の注意を」と呼び掛けている。
(2018年12月4日付紙面より)
南郡・熊野市スポ少地域交歓競技大会 (紀宝柔道会 )
東牟婁中学校相撲大会
和歌山県高校空手道新人大会 (近大新宮高空手道部 )
来年の大絵馬に掛け替え (速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から迎春準備が始まった。拝殿の「戊戌(つちのえ・いぬ)」の大絵馬が来年のえと「己亥(つちのと・い)」の大絵馬に掛け替えられた。
大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。2匹のうり坊を愛情深く見守る父イノシシの姿が描かれている。父イノシシは平和の象徴である梛の御幣をくわえ、白で描き清らかさを表現。瑞雲と瑞光で新しい年に光を与え、年の幕開けを祝う気持ちを表した。
書き添えた「新日本の國(くに)造り」の文字は御代替わりに際し、日本国民としてどうあるべきかを考え、豊かな国造りのために頑張っていかなければならないとの思いを込めている。
上野宮司は「来年には天皇陛下が生前のご譲位をされる。日本国民の統合の象徴で、我々が国を思う気持ちが反映される。きちんとした国民の姿を表さなければならない」と語った。
迎春準備に触れ「年末にお参りを済ませる人にも一足早い新年を感じてもらいたい。今年は川合組さんにご奉仕いただき、臨時駐車場の台風で流れてしまったところを一から整地してくれています」と感謝していた。
□ □
同大社はこの日、JR新宮駅に小絵馬(縦75㌢、横110㌢)を授与した。小絵馬にはうり坊を見守る母イノシシが描かれている。
新宮駅改札付近の駅ホームには12月中旬から、速玉、本宮、那智の熊野三山の小絵馬が並ぶ。角野敦彦副駅長は「来年もお客さまに安全に利用していただけるようにという思いで頑張りたい」と話していた。
(2018年12月2日付紙面より)
JA共済連和歌山と和歌山県警は11月30日、事故現場を再現することで恐怖を実感し、交通ルールを順守することを学ぶ「スケアード・ストレート自転車交通安全教室」を那智勝浦町立那智中学校(船井洋二校長)で開いた。生徒らはプロのスタントマンによる実際の事故さながらの光景を目の当たりにし、交通安全の重要性について理解を深めた。
同教室はJA共催による地域貢献の一環として、交通事故の未然防止を目的に県警本部らと協力して実施している。
船井校長は「今から勉強することは自分のことと捉えて加害者、被害者にならないように学習してください」と話し、JAみくまのの石田守代表理事専務は「事故の疑似体験を通し、改めて事故のない安全な学校生活を送ってください」とあいさつした。新宮署の樋口勇作交通課長や同共催連の古谷和久副本部長も出席した。
スタントを行うのは映画などでアクションを担当する倉田プロモーションのメンバー。実際にあった死亡事故や危険な事例を迫力あるスタントで再現した。
メンバーは交通事故発生時の平均時速とされる約40㌔で車を加速し、人形が乗った自転車に衝突させ、速度や破壊力を示した。
マナー違反した自転車の運転が大きな事故につながると説明し、「自転車は被害者のイメージが強いが、大きなけがを与えてしまう場合もあるので注意が必要」と述べ、「ルールを守ればルールが皆さんを守ってくれます」と呼び掛けた。
生徒らはトラックの内輪差による事故や死角についても学び、メンバーに感謝の拍手を送った。
生徒会長の扇田彩帆さん(2年)は「スタントは迫力があった。実際の事故だとすると怖い。きちんとルールを守って気を付けていきたい」と語った。
(2018年12月2日付紙面より)
2日まで、町展と生涯学習フェス (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会、町公民館は1日、第53回那智勝浦町展と生涯学習フェスティバルを同町体育文化会館で開催した。2日(日)は午前9時から午後4時まで。
53回目を迎える町展では町内の園児129点、児童・生徒960点、福祉施設7点、一般550点の合計1646点の絵や書、生け花、陶芸作品などが展示され、多くの来場者が訪れた。
屋外では町消防本部や消防団による放水や地震などが体験できる「消防のつどい」が行われた。館内では福祉関係団体による販売コーナーや町立温泉病院の健康体操も盛況だった。日本舞踊や太極拳の演武、コーラスなどの披露や編み物や手話の体験コーナーもにぎわった。
午後からは同町農産物品評会の表彰式やニュースポーツの「ボッチャ」の大会も実施された。
2日は午後1時から「第24回那智勝浦町民音楽祭」が開催されるほか、午前11時と午後1時から不思議科学実験ショー、手描き年賀状作りや手芸体験なども開かれる。
(2018年12月2日付紙面より)