新宮地方建設業協同組合が寄贈
新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長)は18日、新宮市佐野の新宮港佐野旅客上屋にバイオトイレを寄贈した。寄贈式には同組合員や新宮市、東牟婁振興局新宮建設部職員らが出席。海邊理事長が鈴木伸幸建設部長に目録を手渡した。
クルーズ船などが停泊する同所にはトイレがなく、これまではクルーズ船が来航するたびに市が簡易トイレを設置していた。
そういった状況を鑑み、また地元の魅力発信や地域貢献、建設業のアピールなどの観点からこのたびの寄贈を決めた同組合は、環境にも配慮した、自己処理型のバイオトイレを選択した。
バイオトイレは水を使用せず、好気性バクテリアで便やトイレットペーパーを微生物処理するトイレ。微生物処理に快適な温度、酸素、水分のバランスを自動制御で管理する。菌床にはそば殻が使用されている。
トイレは小便器と洋式トイレ、手洗い場がセットになった1基で、手洗い場も雨水を利用した雨水手洗装置が採用されており、清掃時以外に水を使わない仕様となっている。
寄贈を受け、鈴木建設部長は「今年の春に海邊理事長に(寄贈の話を)相談させていただいたところ、早急に対応いただき今日の寄贈式に至った」と感謝。「新宮建設部においては東牟婁地方の社会資本の整備を担当している。まだまだ至らないところはたくさんあると思うが、早急に整備が進むよう努めたい」とあいさつした。
同港を管理する市からは、新谷嘉敏企画政策部長があいさつ。「立派なトイレを寄贈いただいた。新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せ、今後もクルーズ船の入港が予定されている。来港いただいた際にご利用いただけるよう管理に努めていきたい」と述べた。
海邊理事長は「寄贈場所については市、振興局と相談しながら検討してきた。公園や施設関係にはほぼトイレがあるが、クルーズ船が着く新宮港にはトイレがなく盲点だった。せっかく寄贈するのだから、と環境にも配慮したバイオトイレに決定した」と寄贈に至った経緯などを説明した。
市によると、同トイレは今後手すりを付けるなどしてバリアフリー化していく予定。なお、トイレの利用はクルーズ船離着岸時のみとなる。
(2021年11月20日付紙面より)
農福考える「くまの里山」 (那智勝浦町 )
和歌山県の「耕作放棄地再生活動協働モデル事業」を活用し、休耕地の再生に取り組む那智勝浦町高津気の「くまの里山」(西美恵子代表)は13日、高津気地区の畑でタマネギの定植体験を開いた。約8000本の苗が用意され、集まった栽培オーナーやその家族など約30人が楽しみながら苗植えの作業に取り組んだ。
「くまの里山」は2007年に組織された「高津気竹灯りの会」が母体。農業を身近なものとし、里山に残る食文化や先人の教えを次世代につなぐとともに、耕作放棄地の再生と里山の保存のために活動している。
農作物の栽培のほか、地区内のしし垣の整備や保全、地元食材を用いた漬物講習会、ジャガイモや落花生の栽培も行っている。
この日は家族連れなどの参加者が会員らと交流を図りながら、苗を植えて水やりを行った。懸命に苗植えを行っていた子どもたちは「いっぱい植えた」「ここも植える」と元気いっぱい作業に汗を流した。
くまの里山によると、今年の苗は良いとし、作り始めて8年目にして手応えを感じているという。収穫は来年5月上旬を予定。それまでの世話は会員らが行う。
西代表は「おいしいという声を頂けるのでやりがいがある。落花生やジャガイモにも力を入れていく。今後は会員制交流サイト(SNS)のノウハウを学び、情報なども発信してきたい。そうすることで、耕作放棄地をなくすことにつなげていきたい」と語った。
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くまの里山はこれまで、農作業などに率先して取り組んできたが、高齢化などの影響から、参加が難しくなった会員もいるという。
しかし、その会員らも、体験参加者への振る舞いを作ったり、受付係をするなど、これまでとは違った形で活動に協力し、生きがいを創出している姿が見られた。
西代表は「高齢化や足腰が悪くなり農作業に参加したくても参加できない方もいらっしゃるが、違った形で協力してくれているのでありがたい。互いにさまざまな形で支え合って里山を守ることは、あるべき『農業と福祉の連携』の姿のような気がします」と語った。
(2021年11月20日付紙面より)
高い防災意識など評価受ける (紀宝町 )
紀宝町の津本地区自主防災会(谷口昌宏会長)が本年度の「みえの防災大賞」に選ばれた。
災害に強い三重づくりを目的に2006年度から実施し、本年度は県内13団体から応募があった。津本自主防は、これまで「みえの防災奨励賞」「みえの防災特別賞」を受賞。今回は「常に高い防災意識を持ち合わせ、町の自主防災組織のリーダー的存在として、今後も地域において防災活動の進展が大いに期待される」と評価を受けた。
紀伊半島大水害後の12年に発足。防災訓練や炊き出し訓練、子どもから高齢者までの幅広い世代を対象にした防災講話などを継続して開催し、地域の防災力向上に努めてきた。子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。
16年には「地区タイムライン」を作成し、町と連携を図ってきた。昨年は、7月に新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練を実施、9月には町に記録的短時間大雨情報が発表されたことを受け、小中学生に聞き取りをし、危険箇所にポールコーンを設置した。
谷口会長は「皆さんのおかげで受賞することができました。防災は訓練の積み重ね。これからも住民の皆さんと共に訓練を続けていきたい」と話していた。12月5日(日)に桑名市で開催される「みえ地震・津波対策の日シンポジウム」で表彰式が開かれる。
(2021年11月20日付紙面より)
ナベヅルとつかの間の休息 (那智勝浦町 )
那智勝浦町中里の水田に16日、国内でも目撃例の少ないナベコウが飛来した。ナベコウは2羽のナベヅルと共に餌をついばむなどして、つかの間の休息を取った後、再び大空へと飛び立っていった。
ナベコウはコウノトリ科コウノトリ属に分類され、シベリアや中国北部、朝鮮半島で繁殖し、インドや中国南部で越冬する。日本国内では冬季まれにだが、九州や沖縄などの西日本で迷行するという。
ナベヅルは中国東北部とロシアの境を流れるアムール川流域などで繁殖し、秋・冬は西南日本や韓国南部、中国揚子江流域などで過ごす。世界での生息数は1万4000~1万6000羽と推定されており、鹿児島県の出水地域でその8~9割が越冬しているとされている。
和歌山県立自然博物館によると、県内へのツル類の飛来は少数だが、毎年確認されているとし、夏場に過ごす生息地よりも南(赤道側)の温暖な地域に移動し、寒い冬を乗り切るため、餌が取れる環境を求めてやって来るという。
しかし、ナベコウについては、和歌山県鳥類目録(2009年版)で記録がないとし、国内での目撃例もかなり少ないため、同町で確認できたことはかなり珍しい事例ではと見解を示している。
同館の鳥類・哺乳類担当学芸員の佐々木歩さんは「ナベコウが渡来する理由は説明できないが、越冬地へ向かう途中でたまたまこの場所で休んでいるのか、ナベヅルがいることに安心してこの場所を採食場所として利用しているのかなどと考えている」「ナベヅルもナベコウも採食場所として水田や畑、河川、河口などの開けた場所の水場を好む。残念ながら近頃は干潟の埋め立て、護岸整備や宅地化が進んでいるため、これらの場所を好む鳥類も徐々に見られなくなっていくかもしれません」と語った。
(2021年11月20日付紙面より)
新宮市民スポ祭弓道競技の部
建武館創立120周年近畿剣道大会 (三輪崎剣道クラブ )
【第43回】食育のバロメーター
「食育って、やっているつもりだけど、これでいいのか、本当に身に付いているのか不安です」。最近こんなご相談を受けました。食育は子どもの自己肯定感を上げ、将来の健やかな食意識をつけてもらうためだと私は思っているので、日々の学習を確認するテストのように、進捗(しんちょく)を確認する必要はないと思っています。
でも、その不安な気持ちもよく分かります。そこで、私はこうお答えしました。「お子さんが、食事を楽しみにしていたら成功の印ですよ」。子どもが食事を楽しみにする、というのは食育においてとても大切なことです。では食事を楽しみにする子どもには、どんな特徴があるのでしょうか? 最新の論文によると、その特徴は三つあります。
まず一つ目は「食欲がある」これは当然といえば当然ですね。食べたいから、食事が楽しみということです。でもこの食欲は、体調と大きく関係しています。睡眠不足や、日光に当たらず体内時計が狂うと、食欲はなくなってしまいます。おなかがすくということは、規則正しい生活・きちんとした食事のリズム・そして間食を取りすぎないなど、健やかな生活ができている証しでもあるのです。
二つ目は「好き嫌いが少ない」ということです。偏食は厳しく叱責(しっせき)する必要はありませんが、諦めることもよくありません。あまり好まない食材も、食卓に出して、「おいしいよ」と声を掛けてあげてください。そしておいしそうに食べてみせてあげてください。そうした経験が警戒心を解き、食べてみようかなという気持ちにつながります。食べられるものが増えると、食事は楽しくなるはずです。
三つ目は「よくかんでいる」ということです。それでいて、ダラダラ食べる子は少なかったという結果が出ています。よくかむことで、よく味わい、おいしさを発見することができます。以前もこの連載で書きましたが、かむことにはメリットしかありません。さらに、よくかむことは食事の楽しさと関係することが今回の研究で分かったということですね。
食事が楽しいという子どもは、どの研究を見ても、自己肯定感が高く、何事にも前向きで、家族関係も良好だということが分かります。そして、楽しい食事は食経験として子どもたちの未来を、確実に明るくしてくれるはずです。
食育がうまくいっているかどうかは、食の知識を増やすということではありません。子どもたちが、毎日のご飯を楽しみに生活し、食卓で自分の居場所を再確認することができるかどうか、ということなのです。もしもあなたが、「食育できているかな?」と不安になったら、お子さんに「ご飯の時間は好き?」と聞いてみてください。
最初にまず、家庭での食育が目指すところは、「ご飯を食べる時間が好き!」と言ってもらうこと、これに尽きると思っています。逆に、食事が好きと言ってもらえたら、食育の8割は成功しているのです。
(2021年11月20日付紙面より)
来年の大絵馬が完成 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で15日、来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬が完成した。12月から大社拝殿に掲げられる。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。上野宮司が7月ごろから構想を練り、手直しなどを加えて今日に至った。
アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛(なぎ)の御幣をくわえ、鋭い眼光で前を見据える雄虎を表現。疫病や不浄を表したという岩を、たくましい前脚で力強く踏み付ける。上野宮司は「新型コロナウイルス感染症の影響で不自由な生活を余儀なくされる中、期待を持って新しい年を迎えたい」と絵馬に込めた思いを話す。
「地球のために全ての祈りを」の文字を書き入れて絵馬を完成させ、「祈りは人間だけのものではない。地球の命、より良い自然環境、伝統、美しいもの。全ての祈りを母なる地球に捧げたい」。
また、温暖化対策が進まない世界の現状について主張を重ねる環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんに触れ「地球は今、ターニングポイントに来ていると思う。来年は地球のために祈ることの大切さに気付く年になれば。一人一人が世のため、人のため、地球のために尽くすことができれば、より良い年になると思います」と話した。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦70㌢、横110㌢)は、12月半ばごろに届けられる予定。
(2021年11月16日付紙面より)
2年ぶりの収穫祭盛況 (北山村 )
北山村のおくとろ公園観光センターで14日、2年ぶりに「じゃばらの里の収穫祭」が開かれた。快晴の下、村内外から多数の来場者が訪れ、買い物や地元グルメを楽しんだ。
特産品「じゃばら」の収穫を祝って開くイベントで、今年は紀の国わかやま文化祭2021の地域文化発信事業として開催。じゃばらの収穫体験や今年の収量当てクイズ、じゃばらや筏(いかだ)下りのパネル展、小中学生の作品展などがあった。
じゃばら園での収穫体験にはイベント開始時から大勢が参加し、北山振興㈱の職員から収穫に適したサイズや効能、活用法についても学んだ。じゃばら加工品の販売の他、おくとろ温泉による魚市も盛況だった。
この日は「北山3村フェスタ2021」も同時開催。北山村青年会による射的やスーパーボールすくい、林業に携わるシンガーソングライター・カモンユキオさんによる「きこりライブ」、学校給食から生まれた「じゃばら唐揚げ」の販売もにぎわいを見せていた。
同文化祭北山村実行委員長の中島良範教育長は「天気にも恵まれ、村内外のたくさんの方々に北山村の美しさや歴史を感じていただけて最高です。じゃばらの収穫期こそ、村の一番いい時期。新型コロナ後に向け、小さなスタートを切れたのでは」と話していた。
(2021年11月16日付紙面より)
来年のえと「寅」の色紙 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で来年のえと「壬寅(みずのえとら)」の色紙作りがピークを迎えた。男成宮司が直筆で1枚ずつ、色紙に「瑞兆」の文字を書き添えている。今月中に1500枚を完成させる予定。
色紙には勇ましい色鮮やかな虎と初日を配した那智の滝が描かれている。同社によると、虎に関することわざの「虎口を脱する」にちなみ、来年こそは未曽有のコロナ禍から脱し、めでたい初日の光のごとく明るい兆しが現れ、人々にとって心安らぐ幸せな一年になるようにと願いが込められているという。
14日は同大社斎館で、男成宮司が色紙に文字を書き入れ、巫女(みこ)が社印を押して仕上げた。
男成宮司は「ワクチン接種などが進み、感染者も減って参拝者も多くなってきた。明るい兆しが見えつつある。来年こそは、危険なコロナ禍から抜け出せるように色紙を描いた。皆さまの幸せを願っています」と語った。
社頭での授与は15日から行い、発送は11月下旬からを予定。1枚2000円。送料は2枚以下600円、3枚以上は1200円。申し込みは、はがき(〒649―5301那智勝浦町那智山1、熊野那智大社)、FAX(0735・55・0643)、または同大社ホームページで受け付けている。
(2021年11月16日付紙面より)
CGS部と初連携しつつ実施 (田辺海上保安部 )
串本町樫野にある樫野埼灯台で14日に一般公開があり、普段は無人灯台として閉ざされている内部を見学する機会などが提供された。
153周年灯台記念日(今月1日)行事の一環。この記念日は日本で最初に点灯した観音埼灯台の起工日に基づいて定められていて、樫野埼灯台は観音埼灯台と並んで改税条約(江戸条約)により建設されることになった8灯台の1基としてグレゴリオ暦(=西暦)1870年7月8日(旧暦明治3年6月10日)、8灯台中4番目に点灯した経緯がある。
管轄する海上保安庁田辺海上保安部(上野春一郎部長)は8灯台の一基、潮岬灯台が常時内部見学可能であるのに対し、平時は閉ざしている樫野埼灯台も広く知ってもらうため、この公開を灯台記念日と絡めて定例化している。最近は同町が関西文化の日に合わせて同灯台旧官舎やトルコ記念館、日米修交記念館を無料開放していて、時期はずれるが相乗効果を目指して期日を合わせるよう考慮して実施している。
今回は初の試みで、県立串本古座高校CGS部と連携。灯台内部で同灯台の沿革紹介パネルや灯台絵画コンテスト2021受賞作品展示と併せて同部の活動紹介パネルを展示し、日本機械学会の機会遺産に登録されている昭和8年導入の心臓部・光学系機械装置(昭和7年度製造)については同部交通課課員や同部生徒が解説をし、水銀槽に浮かせて灯部を回転させる(昔は分銅〈現存〉、今はモーターが動力)という今では希少な仕組みを伝えるなどした。
午前11時には灯台南方の洋上で串本海上保安署所属巡視艇「PC―102 30㍍型〈船名・むろづき〉」と関西空港海上保安航空基地所属中型飛行機「サーブ340B型」の運航展示もあり、居合わせた見物客は手を振って両者の共演に親しんだ。同庁のマスコットキャラクター・うみまるも登場して記念撮影に応え、都合により子ども用が確保できなかったが制服試着の機会も提供。同部は敷地内で調理班がレシピを開発した万能だれ「あがらのたれ」の紹介と販売にも取り組んだ。
来場者にパンフレットやPRグッズを配って見学に感謝した上野部長は「造られた当時は船乗りのものだっただろうが、150年余りを経て地域の資源としても親しまれるようになっている。今回は初めて串本古座高校CGS部さんと連携したが、これからも地域と共に盛り上げることを続けていこうと思う」と話し、同部交通課課員と共に灯台と人を近しくすることに努めていた。
(2021年11月16日付紙面より)
地元住民が今後の展望聞く (那智勝浦町 )
那智勝浦町は12日、串本町に建設中の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」から発射される小型ロケットの見学場となる那智勝浦町浦神の旧浦神小学校で見学会を開いた。整備を進めている旧小学校に地元住民ら61人が集まり、堀順一郎町長がロケットの詳細について説明した。
同発射場はキヤノン電子や清水建設など4社でつくる「スペースワン株式会社」が運営し、超小型衛星の「宇宙宅配便」事業を行うもの。旧小学校はロケット射点から1・6㌔と近く、串本町の田原海水浴場とともにプレミアム公式見学場となっている。
那智勝浦町によると、旧小学校の収容人数は旧校舎屋上とグラウンドなどを合わせて2500人を予定。屋上は全体で約650平方㍍あり、500人が見学可能としている。
このうち、本年度に整備を行ったのは約270平方㍍。100人の見学者を見込んでいるが、いすやテーブルを設置する可能性もあり減少する可能性もあるという。初号機打ち上げ時の状況を見た上で見学スペースの拡大を検討するとした。
整備内容は消防法に準じ、教室への出入りを止める壁の設置や、屋上の床面の洗浄と一部補修、旧小学校から漁協敷地内へ渡ることのできる避難路新設などを実施した。事業費は202万2900円。
また、発射の瞬間は旧小学校からは見えないため、様子を映し出すモニターを2カ所に設置する。発射の際は敷地内などの駐停車禁止や予約制を取り、バスによる送迎を予定している。
堀町長は「第1弾の整備が終了した。本州でロケットの発射を間近でゆったりと見られる場所はない。観光商品はまだ完成していないが、本町への宿泊客や観光客の増加も視野に入れている。関連産業の誘致にも尽力したい」。
今後については「浦神はポテンシャルがある。ロケットに加え、新たな事業が展開されることを期待している」と話した。
見学に訪れていた同町浦神の塩地征子さんと芝さわみさんは「浦神でロケットが見られるのは楽しみ。地域が活気づいてくれるのはうれしい。本当にありがたいこと」と笑顔で話していた。
(2021年11月14日付紙面より)
「リレースクエア」オープン (新宮高校 )
今年創立120周年を迎えた新宮市の県立新宮高校(東啓史校長、生徒541人)で6日、記念式典に合わせて食堂施設をリフォームした「リレースクエア」のオープニングセレモニーが開かれた。デザインに携わった生徒や同校創立120周年記念事業実行委員会のメンバーがテープカットを行い、今後の活用に期待を込めた。
同校では今年4月、生徒有志による食堂のリニューアルプロジェクト(進藤友華代表)が始動。全校生徒のニーズを取り入れ、生徒主体で築47年の食堂や周辺スペースの空間デザインを行った。
コンセプトは「Relay(リレー)~人から人へ伝統が受け継がれる空間~」。食堂中央には校訓「質実剛健」を象徴するナギの木のシンボルツリーを配し、プロジェクターなどを設置した多目的の空間であることから、名称を「Square(広場)」に。同校の前身である旧制新宮中学校の正門と歌碑を移設した屋外の公園スペースには、「新中テラス」と名前を付けた。
セレモニーでは新中会の夏山晃一会長が「天井やシンボルツリーなどは全て生徒たちがデザインした。大変なこともあったと思うが、高校時代の良い思い出づくりになったのでは」とあいさつ。
小阪輝大生徒会長は「生徒の思いを形にしていただき、ありがとうございました。大切に使わせていただきます」と述べ、プロジェクトリーダーの進藤さんと共に笑顔で感謝を伝えていた。
(2021年11月14日付紙面より)
工場移転へ「この地で続けたい」 (御浜町 )
100年以上前から御浜町下市木で親しまれてきた「市木木綿」。最盛期には45軒ほどの織元があったが、今は熊野市木本町の向井浩高さん(53)ただ一人になっている。最後の職人から技術を継承して16年。借りていた工場を明け渡すことになり、「この市木の土地で続けていきたい」と移転先を探している。
市木木綿は明治時代、旧市木村で農業の副業として発展した。大量生産の現代は、双糸と呼ばれる2本を編んだ糸を使うのが主流だが、市木木綿は1本だけの単糸で織る。引っ張ると簡単に切れるため扱いにくいが、通気性が良く、柔らかな風合いに仕上がる。
布団店3代目の向井さんは、カラフルなしま柄の市木木綿にほれ込み、織元から仕入れて布団や座布団を作っていた。2005年、最後の職人で友人の父親の大畑弘さんが工場を閉めると聞き、継承していくことを決意。長く使われてきた織機が並ぶ工場を借り、大畑さんから技術を学んだ。
さまざまな色を使いながら落ち着いた雰囲気の市木木綿は若い人にも好評で、これまで織られてきたデザインに向井さんの個性も加え、新しい魅力を打ち出す。今は地元の小中学校の授業にも積極的に協力し、市木木綿の価値を地域内外に伝えている。
工場は明け渡すことになったが、機械は移転先でも使わせてもらう予定で、「ここまでやらせてもらって感謝している」。自宅と店舗の近くに移せば効率も良くなるが、伊良子清白(1877~1946年)が詠んだ詩や、地域に残る庚申(こうしん)の伝説など「市木木綿と、それに関わる文化がある。市木で続けるからこそ意味がある」と考える。
まだ移転先は決まっていないが、いくつかの候補は見つかっており、向井さんは「自分の代で終わらせるのでなく、次の世代に残していく場所をつくりたい。この技術をまた継承していきたい」と見据えている。
(2021年11月14日付紙面より)
秋の全国火災予防運動初日に (新宮市 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)が始まった。初日の9日には全国各地で防火広報などの取り組みが展開。新宮市消防本部(越水薫消防長)では新宮、熊野川の2地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼び掛けた。今年の全国統一防火標語は「おうち時間 家族で点検 火の始末」。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の6点。
市消防本部で行われた新宮地区の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、三輪崎、佐野、高田、警備の7分団から26人が参加。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は団員数を縮小しての実施となった。
竹内由定団長は「広報活動によって防火意識の周知に努めてほしい。事故や新型コロナ感染予防に注意を」と訓示。
出発式に駆け付けた田岡実千年市長は、団員らの日頃の尽力に感謝を伝え「市においては今年は大きな台風襲来もなく比較的落ち着いていたが、9月26日には時間雨量計で78㍉を記録。年々災害が増えている」。
「これからは空気が乾燥し、火災が発生しやすくなる。啓発活動で市民の防火意識が高まることを期待しています」と呼び掛けた。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地区の広報に向かった。
14日(日)には新宮地区と熊野川地区の計4カ所で総合訓練を実施する。
市消防本部管内で今年1~10月に発生した火災は、建物火災4件、車両火災2件、その他火災2件の計8件だった。
(2021年11月10日付紙面より)
串本町と包括連携協定結ぶ (日本郵便株式会社 )
日本郵便株式会社と串本町が8日、包括連携協定を結んだ。この協定は県との締結を機に県内各市町村へと広まっていて、新宮・東牟婁地方では4例目。まずは地域見守り活動への協力と道路損傷の情報提供で連携の初動を図ることを申し合わせている。
両者は2015年6月30日に「災害発生時における串本町と串本町内郵便局の協力に関する協定」を締結。今回はその内容も含め大きく▽防災・災害対策▽地域の安全・安心な暮らしの実現▽未来を担う子どもの育成▽その他地方創生―の4分野で取り組み、互いが発揮する町民サービスの向上と地域活性化を図ることを目指す。
町と密に連携するのは町内にある10の郵便局。この日は役場で締結式があり、同社紀南地区連絡会南端部会の清水勝好部会長(古座中湊郵便局長)と田嶋勝正町長が協定書に署名して取り交わした。田嶋町長は連携4分野と喫緊で始める取り組みの有用性を述べ、「郵便局の皆さんの物的、人的な協力を今まで以上に活用し、住民の皆さんが住みよいまちになるよう努力していきたい」と申し出ていっそうの連携を希望。串本郵便局の池田育弘局長と共に立ち会った同連絡会の南方慎一朗統括局長(新宮中央郵便局長)は町内に10ある郵便局を安心・安全のまちづくりのために活用していただけたらと述べつつ「われわれとしては地域住民の方が暮らしやすいまちづくりに向け全面的に支援する姿勢を持っている。今後とも自治体と連携を図り、よりよいまちに取り組んでいきたい」と応えて歩み寄った。
この協定の有効期限は年度単位で設定していて、いずれかから申し出がない限り年次更新する仕組みとなっている。
(2021年11月10日付紙面より)
Art in 和歌山でギャラリートーク (太地町 )
太地町立石垣記念館で「第7回Art in 和歌山 魂のであうところ」が開催されており、7日は同展覧会のアートディレクターである美術家の奥野誠さんと奥野佳世さんと共に、作者を交えて作品を鑑賞するギャラリートークが開催された。展示は14日(日)まで。
社会福祉法人和歌山県福祉事業団がこれまで「アールブリュット展」として開催してきた。第7回を数える今回は「紀の国わかやま文化祭2021」障害者交流事業の一つに位置付け、主に東牟婁出身の施設利用者41人の絵画や造形、陶芸などの美術作品約200点を展示している。
7日は地元で活躍するハリケーン、コスモスによるライブ演奏会を実施予定だったが、雨天のため中止となった。
ギャラリートークでは奥野さんらが作品と作者について、「最初と比較し、絵が変化してきて楽しみ」「細かく描き込んだ絵が特徴」などと解説。同展のポスターの絵を描いた山口貢さんの作品については「同業者の目から見ても、集中力を途切れさせずに絵が出来上がっていくことが感じ取れる絵」と評価した。
この日は作者2人も登場。午前はコラージュや造形作品などを展示しているとまとちゃんが、午後は絵画や福笑いを作成した藤本深恵さんが自身の作品などについて語った。
同事業団本部経営管理部の原見泰弘さんは「今日はアットホームな形で実施できた。今後も関係者の皆さまと協力しながら実施していきたい」と話した。
誠さんは「この展覧会は魂が出会う所で作った人と見る人がつながる場所。ここでより広い人の在り方と出会う場になれば」。
佳世さんは「いろんな方々が個性豊かに生きていられることを感じている。深い根っこの部分は皆が共鳴し合えるので、芸術、文化は重要な役割だと思う」と締めくくった。
(2021年11月10日付紙面より)
八郎山トンネルで見学会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と串本町をつなぐ県道長井古座線(仮称・八郎山トンネル)の工事現場で7日、那智勝浦町内6小学校の児童と保護者を招いた見学会が開かれた。約120人が参加し、トンネルの作り方や巨大な機械が活躍する現場の様子に触れた。
同路線は那智勝浦新宮道路市屋ランプから串本町田原へのアクセス道路。観光道路としての役割に加え、交通ネットワークを多重化しておくことで災害時に国道42号の代替となる機能も有している。工事では延長711㍍のトンネル施工と路体盛土を行う。
見学会では、工事を担当する淺川・堀特定建設工事共同企業体の青木正和・作業所長が参加者を案内。工事現場を歩きながら、コンクリート吹き付けやロックボルト(3~4㍍の鉄のくぎ)によって岩盤を補強する「NATM(ナトム)工法」について説明した。
トラックへのズリ(砕いた岩)の積み込みや、ドリルジャンボで岩盤にダイナマイトを入れる穴を掘る実演もあり、子どもたちは目を見開いてその様子を眺めていた。
青木作業所長は「普段見ることができないトンネル工事専用の機械や設備、トンネル坑内を見ることを通じて、子どもたちに土木工事の世界に興味を持ってもらいたい。将来的に建築業界の人手不足解消につながっていけば」と語る。
最後に工事現場で出た岩石を加工したキーホルダーの土産が配られ、長尾然人君(下里小1)は「すごい機械がいっぱいあった」と話していた。
(2021年11月10日付紙面より)
田岡市政、4期目スタート (新宮市 )
任期満了に伴う新宮市長選で当選した田岡実千年市長の4期目が1日、スタート。同日、初登庁し花束贈呈で迎えられた。田岡市長は「田岡実千年、帰ってまいりました」と第一声。「市民の幸せのために、共に頑張っていきましょう」と職員らに呼び掛けた。
市長選は10月24日に執行。3人が立候補した選挙戦は激戦となったが、現職の田岡市長が6984票を獲得。連続4期目の再選を果たした。
市役所別館で行われた訓示で田岡市長は「今回の選挙は体力的にも厳しい選挙だった」と振り返りつつ「一人でも多くの人に思いを伝えるために頑張った。今は皆さんと一緒に仕事できる喜びを感じている」。
公約に掲げた▽いつでも利用できるエコ広場の常設▽小・中学校の給食費無料化▽高齢者・障害者を災害から守る防災無線戸別受信機配布―について「市民生活に密着したソフト対策を、新年度早々取り組めるよう準備していただきたい」と呼び掛けた。
複雑・多様化している行政サービスの対応に対して職員をねぎらい「今、与えられている仕事に一生懸命取り組んで。感謝と情熱を持って仕事に当たることが人の幸せに必ずつながる。いろいろな人の尽力により日々の生活ができていることに感謝し、受けるばかりではなく返していくことが生きる上での真理だと思う」と訓示。
「市民のために頑張る覚悟を持って取り組むことが他人を幸せにする。好循環が増えることがいい社会をつくることにつながり『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちづくり』の実現に必ずつながると信じている。自分も市長としての職責を果たし、頑張っていきたい」と締めくくった。
(2021年11月2日付紙面より)
なぎ看護学校で宣誓式 (新宮市 )
新宮市の県立なぎ看護学校(杉山文栄校長)で10月29日、看護宣誓式が開かれた。今年4月に入学した1年生39人がろうそくに明かりをともし、仲間と共に志高く地域社会に貢献できる看護師になると誓いを立てた。
専門的な知識や技術を学ぶ学生が、目指すべき看護師像を宣誓することにより、看護の道を歩む決意を新たにするために開催。ろうそくの明かりは、クリミア戦争の野戦病院でフローレンス・ナイチンゲールがランプを持って患者を見回っていたことに由来し、献身的な看護の精神を象徴している。
点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生一人一人がナイチンゲール像から明かりを受け取り、「日々努力を惜しまず、患者さんに寄り添える優しい看護師」とそれぞれの目標を宣誓。心を一つにナイチンゲール誓詞を唱和した。
杉山校長は「宣誓をするみなさんの表情がたくましく見え、大変うれしく思う。患者さんを献身的に看護するとともに、常に学ぶことを忘れず、科学的に物事を捉え、それを看護に生かして」と祝辞。仁坂吉伸知事からも励ましの言葉が寄せられた。
在校生を代表して山本森香さん(3年)が「患者さんの人生のひとときを共に過ごさせていただくことで、私たちは学びを深めることができる。感謝を忘れず、実習に向かってほしい。迷い、くじけそうになったときは、今日共に宣誓した仲間と助け合い、乗り越えて」と祝いの言葉を贈っていた。
(2021年11月2日付紙面より)
規模縮小し那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は10月30日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。
昨年に引き続き、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げも行わず規模を縮小して実施した。
神事では各旅館の代表者らが15個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。
清水組合長が組合員を代表して玉串を奉てん。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。
神事後、井戸大輔禰宜(ねぎ)は「献湯祭では皆さまの隆昌(りゅうしょう)と、那智勝浦町が観光の町として広く天下にとどろくように、また、コロナ終息も祈願いたしました」と話した。
清水組合長は「これまで、お客さまや従業員の安心安全のためにコロナ対策を進めてきた。緊急事態宣言の解除もあって、多くの小中学校や高校が修学旅行で町を訪れ、和歌山県のリフレッシュプランなど、観光面でも少しずつ盛り上がってきている」。
今後については「年明けにはGo Toトラベルの再開も検討されているため、勝浦温泉と生マグロを全国的に広めて町の発展に努めたい」と語った。
同組合によると、組合員10館の収容力は840室で、3400人だという。
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献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。
法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木住職らが読経を行った。
清水組合長が「44回目の法要として、礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。
髙木住職は「コロナの影響などで厳しい状況にあるが、ご精進、ご努力いただくことを切にお願いし、これかも勝浦温泉の発展にご尽力いただければありがたいと思います」と語った。
(2021年11月2日付紙面より)
文化セで宇宙飛行士講演会 (串本町 )
串本町文化センターで10月31日に宇宙飛行士講演会「人と社会の夢をのせて」があり、事前申し込みした250人(主催者発表)が日本人初の宇宙飛行士・毛利衛さんらと共に小型ロケット「カイロス」と積載する人工衛星が活躍する舞台へのイメージを膨らませるなどした。
この講演会は、「第36回国民文化祭 第21回全国障害者芸術・文化祭串本町実行委員会」(会長=田嶋勝正町長)主催。日本初民間ロケット射場開始プレイベントと位置付け、打ち上げによる新たな文化発信の足掛かりとして計画した。今回は新型コロナウイルス感染症予防のため町外も迎えての実施とはならなかったが、定員いっぱいの事前申し込みを集めて実施へこぎ着けた。
開会に当たり田嶋会長は5年前の申し出から始まった同射場進出の経緯を振り返り、特に用地にかかる二百数十人の地権者全員の協力があってこそ今があると感謝を掲げつつ来場を歓迎した。
当日は講演会、スペースポート紀伊の紹介、ミニパネルディスカッション、並行して宇宙航空研究開発機構(JAXA)借用模型等展示があり、来場者には『宇宙兄弟』コラボレーショングッズの最新版としてクリアファイル・ポストカード・シールと町独自グッズとして「最南端のまちからロケット最先端のまちへ」タオルとスペースタウン串本ロゴのピンバッジ〈非売品〉が配られた。
講演会の講師を務めた毛利さんは1992年に科学者宇宙飛行士、2000年に航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士として米国のスペースシャトルに搭乗し実験や観測などのミッションに臨んだ人材で、今回は「宇宙からの贈り物」を演題に掲げて登壇。毛利さんが赴いたその宇宙空間へ人工衛星を送り届けるのが田原で建設中のスペースポート紀伊から打ち上がる小型ロケット「カイロス」で、南紀串本観光協会所属の宇宙ガイドを代表して坂本直弥さんがスペースポート紀伊や小型ロケットの現況、町内の見学環境や「ビジターセンター」(=旧古座分庁舎リニューアル後の環境)の動向を伝えた。
ミニパネルディスカッションは田嶋会長と毛利さん、坂本さん、一連の話を手話通訳した串本ふるさと大使の南瑠霞さんの4人が登壇。それぞれに打ち上げへの思いを掲げ、毛利さんは「いろんな歴史プラス新しい教育で勉強いただき、世界にいろんなものを発信してほしい」と地域に期待し、田嶋会長は「来年、この串本から打ち上がるロケットの光は串本だけでなく紀南、和歌山県を照らし輝かせると思う。皆さん方と共に力を合わせてこのロケットが成功するよう頑張りたい」と呼び掛けて機運を高めた。
当日は県立串本古座高校CGS部が先着100人限定で来場者へ「カイロス」缶バッジの最新版を進呈。地域からの機運盛り上げの息吹も宿しつつ、小型ロケットや積載する人工衛星の旅路となる地上~宇宙空間の全体像に思いを巡らせる機会として締めくくる形となった。
(2021年11月2日付紙面より)