色とりどりの大絵馬完成 (勝浦八幡神社 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)で26日、大絵馬作りが行われた。町内の子どもたち31人が参加。太地町在住で日本画家の土長けいさんが講師を務める中、子どもたちは好きな絵の具を用いて来年の干支(えと)「卯(う)」の絵馬を完成させた。
同神社における大絵馬作りは昨年に引き続き2回目。神社本庁の過疎地域活性化推進施策を受けており、今年は「町の平和と繁栄を願って子どもたちで大絵馬を描こう」をテーマに開催された。
大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。参加者が多かったことや、昨今のコロナ情勢を考慮し、子どもたちは「青」「赤」「黄」の3班に分かれて作業を実施。また、時間の短縮を図るため、ステンシル(型押し)の手法に挑戦した。順番を待つ班は小さな絵馬に好きな絵や目標を描いた。
鮮やかな青系統のグラデーションをバックに子どもたちは、それぞれ好きな絵の具を選び、スポンジを使って同神社例大祭を象徴するササや干支のウサギを表現した。土長さんが仕上げを行い、カラフルに彩られた来年の絵馬が出来上がり。子どもたちは拍手で完成を祝った。
土長さんは「モチーフ(ウサギ)は小さいがいっぱい描いてもらった。大人数だったのでできる限り密にならないように工夫しました。好きな色を使ってもらって個性あふれる絵馬に仕上がったと思います」。
髙橋宮司は、子どもたちに「お正月には絵馬を見に来て。また来年の大絵馬作りに参加してください」と呼びかけ、「元気でにぎやかな絵馬が完成した。来年は良い年になると思います」と笑顔を浮かべた。
大絵馬と子どもたちがそれぞれ作成した小さな絵馬は、年末あたりに境内に掲げられる予定。
(2022年11月30日付紙面より)
串本ライオンズクラブ(串本LC、山形五六会長)が27日、串本町古座にある旧古座川病院跡地で第6回自動二輪車安全運転講習会を開き愛好者29人が県警察本部交通部交通機動隊からじかに指導を受けて安全運転の意識を高めるなどした。
自動二輪車の知識や技術を高めて交通事故防止を図ることを目的とし、年1回の頻度で実施。旧串本警察署の統合に伴い今回は新たに新宮警察署へ協力を求め、同隊と調整して実施日時を決め口コミで愛好者に参加を呼びかけた。
当日は串本LC会員18人と同署交通課の課員が場内安全の確保に献身。開会に当たり山形会長と同署の山本貴彦・串本分庁舎長があいさつし、以降は同隊の隊員4人が手分けして運転前点検の紹介や▽スラローム▽ちどり▽連続カーブ▽急制動―といった練習コースで指導を注ぐなどした。
各練習コースは公道を走る中ではほぼ経験できない内容ぞろいで、その無理のない練習を通して自身の運転の限界がどこにあるかを実感し、万が一その限界に直面しても対処できる向上を図るのが狙い。今回は急制動以外の各練習後にそれら内容が連続するロングコースを組み、向上を確かめる機会も取り入れた。
全体を指揮した同隊第一小隊第三分隊の西村将平分隊長は「一生懸命に練習し考えていただけたことで、今後は交差点などで自身の動き方が変わっているのを感じられると思う」と話し、その成果を生かして危険を解消しより安全な運転を楽しみ他の愛好者にも教え広めることを期待。この講習会を計画する中軸で愛好者の一人として参加もした串本LCの小森正剛・第一副会長は帰路でさっそく成果を実行するよう促して締めくくった。
(2022年11月30日付紙面より)
火災予防運動に伴い総合訓練 (新宮市 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)と市消防本部(垣内一男消防長)は27日、同市佐野の新宮港緑地で新宮地区総合訓練を実施した。熊野川町を除く、市内7分団団員と団本部91人、消防本部職員16人が参加。放水や礼式などの各訓練に取り組んだ。
訓練は消防団員が主体で実災害に即した訓練を行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的に毎年実施している。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
今年は秋の全国火災予防運動(9~15日)期間中の13日に行う予定だったが、天候不順のため延期に。なお、熊野川地区では延期日の20日も天候に恵まれなかったため、訓練は中止となった。
訓練開始に先立ち、田岡実千年市長が日頃の活動に感謝を伝え「地震発生時には津波や火災などにより多くの住民から助けを求められる事態になる。特に消火活動は消防団の皆さまの力がなければ対応できない」。
「皆さま方の存在は地域住民にとって大変心強く、寄せられる期待はますます大きくなっている」とあいさつ。
中谷団長は「市民の安心・安全のために対応力向上のため、訓練を重ねていきたい。自分で納得のできる訓練になるように」と呼びかけた。
新型コロナウイルス感染症の影響で春の総合訓練は中止となっており、約1年ぶりとなった今回の訓練では、発生が危惧される南海トラフ地震に対応するため、可搬式ポンプからポンプ車への中継送水・放水訓練を展開。機関運用や無線交信要領の習得に努めるとともに、団員間の連携強化を図った。
訓練礼式は、消防活動に必要な、厳正な規律と迅速かつ的確で秩序ある団体行動を身に付け、消防精神の錬成を図ることを目的に実施。団員らが職員から指導やアドバイスを受け、真剣な表情で訓練に取り組んでいた。
閉式に当たって、垣内消防長が「大きな地震が発生するといろいろな所で同時に火災が発生する。各分団が各担当地域で消火活動を行うことを考えておかないといけない。普段から地震発生を想定し、しっかりと訓練をしておく必要がある」と講評。
「準備のための訓練を、全体の目標として取り組んでいきたい」とさらなる協力を呼びかけた。
(2022年11月30日付紙面より)
世界道路交通犠牲者の日 (新宮市 )
11月の第3日曜日は「世界道路交通犠牲者の日」。紀南交通事故被害者の会の中岡貴恵さんとその支援者、新宮警察署、第一生命株式会社和歌山支社新宮営業オフィスの社員らがこの国際デーに合わせて26日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で安全運転と交通死ゼロを呼びかける啓発活動を実施した。
犠牲者を追悼し、遺族の救済や交通犯罪予防の取り組みの重要性を啓発する国際デーで、2005年の国連総会決議で定められた。日本では、TAV交通死被害者の会(大阪府)が「黄色い風車」を統一アイテムとした運動を展開している。
当地方で活動の中心となっている中岡さんは、2018年12月14日に紀宝町鵜殿の六反田交差点付近の県道で発生した交通事故で、母親の中尾叔子さん=当時(85)=を亡くした。家族と共に事故現場を訪れた中岡さんは、白い花と黄色い風車を手向け「犠牲者を悼み、二度と事故が起こらないよう願う心は世界共通。ハンドルを握る責任と命との重さを感じ、ドライバーの方々には安全運転を心がけてほしい」。孫の間部遙斗君(10)も「事故をなくすため、ちゃんと信号を守ってほしい」と思いを語った。
啓発活動では、買い物客たちに黄色い風車や12月11日(日)に同市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催される「新宮ハートフルコンサート~交通事故防止の願いを込めて~」のチラシなどを手渡した。
新宮警察署によれば、2022年に管内で発生した交通事故(11月25日現在)は、死亡事故3件、人身事故64件、物損事故約1250件。啓発に協力した第一生命の林田祥道オフィス長は「情報を頂き、地域の方々への呼びかけに協力させていただいた。私たち社員一同も、改めて日々の仕事で安全運転を心がけていきたい」と話していた。
(2022年11月30日付紙面より)
花火打ち上げに歓声と拍手 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は13日夜、同町の勝浦湾・渡の島で「山の章」と題し、紅葉と那智の滝しぶきの競演を表現した花火を打ち上げ、秋の夜空に大輪を咲かせた。町民待望の花火が合計2000発打ち上げられ、多くの見物人から拍手や歓声が上がった。
3年連続で中止となった那智勝浦町花火大会に代わるイベントとして町独自で計画。花火大会の実施を望む町民の声を受け、コロナ禍で疲弊する町を元気づけるとともに、町の活性化につなげることが目的だという。
町ではマスク着用や来場者間の適切な距離の確保など、新型コロナウイルスの感染対策を行うよう注意喚起し、役場や勝浦漁港立体駐車場などの駐車場も準備した。
この日は、午後まで雨が降り続いたことから開催を心配する町民の声も聞かれたが、夕方には雨もやみ、無事開催に至った。
午後8時、ごう音が鳴り響き、美しい光の大輪が町の夜空を彩った。その光景に見入る多くの来場者の姿があった。15分間の光のショーが終わると、会場からは大きな拍手が送られた。
堀順一郎町長は花火打ち上げ事業を発表した定例記者会見の際に「花火を打ち上げて、沈んだ町の雰囲気を明るくしたい」とコメントしている。
この日、家族と共に見物に来ていた同町立市野々小学校6年の小賀実樹君は「久しぶりの花火。すごくきれいだった。20日の花火もまた来たいです」と笑顔で話していた。
20日(日)午後8時にも実施する予定で、その際は関西初となる新色のエメラルドグリーンを含めた合計2000発を披露するとしている。
(2022年11月15日付紙面より)
下部区の神戸神社で例祭 (古座川町 )
古座川町高池の下部区内にある神戸神社(石田保宮司)の例祭「火焚(ひたき)祭」が12日に宵宮、13日に本祭を迎えた。13日は雨天のため芳流館内で営む形となったものの、大枠は3年ぶりに例年通り奉仕。火たきの奉仕や互盟社(瀧本功社長)の獅子舞奉納などが多くの地縁者らの拝観を集めた。
この神社は芳流館そばにあり、神木(シイノキ)の股の間を本殿とするなど古代の信仰を宿している。発祥不明だが例祭は数百年続くと口伝され、大前の儀に古代の清めはらい「湯立神事」が伝わっている点も長大な歴史を物語っている。
現在は下部区(堤正博区長)が氏神社として護持し、例祭は11月15日に近い日曜日を本祭日として執行。新型コロナウイルスの情勢でおととしと昨年は火たきや獅子舞の奉仕を断念し、神事のみで信仰をつないできた。
宵宮の午後5時に宵宮祭があり、火たきの当番組が神火を頂いて境内に積み上げたたき木に火入れした。たき木は大人の背丈ほどに丸太を積み上げ火付きをよくするため板材などで周囲を覆った構造。その芯まで火が通ると煙もほぼ収まり、炎が時折数㍍の高さまで際立って立ち上がった。
当番組や手伝う子どもが丸太などを投げ加えて火勢を保つ中、当家宅や区長宅の地下舞わしを経て宮上りした互盟社がたき木に幣の舞と乱獅子を奉納。以降も当番組が夜通し火たきを続けた。
本祭の大前の儀は午前9時から実施。明け方まで心配した雨がほぼ降らず火たきの余熱で釜湯を沸かすことができ、これを館内へ持ち込み湯立神事も含めて執り行った。儀式後は互盟社が宵宮に続いて獅子舞を奉納して締めくくった。
3年ぶりに獅子舞奉納の機会を得て瀧本社長(42)は「この祭りも絶やしてはいけないもの。みんな久しぶりで最初こそできるかなという感じだったけれど、集まってくれてここまでできたので感無量です」とコメント。堤区長(70)は「区内の人口が少なくなり年寄りも多くて大変だが、これからもこの行事が続けられるよう頑張りたい。そのために区民皆さまのもろもろの安全を願いたい」と思うところを語った。
(2022年11月15日付紙面より)
こども園の新園舎竣工式 (串本町 )
串本町が13日、くしもとこども園新園舎の竣工(しゅんこう)式を挙行した。2014年の保護者による署名提出から数えて約8年越しで実現した、老朽化と津波浸水の課題をクリアする新施設。計画通りに完成し、来年1月4日(水)の保育開始を前に関係者一同で完成を喜んだ。
この施設は串本町串本338番地の1、町道サンゴ台中央線の新設区間(西の岡~サンゴ台)沿いに位置。定員150人の幼保連携型認定こども園(子育て支援センター1室を内包)を主用途として設計され、建物は県産木材「紀州材」も活用した木造1階建てで延べ床面積約1843平方㍍。こども園用地と職員駐車場を合わせた敷地面積は約1万190平方㍍で、建設事業費は約10億5801万円という。
式典には田嶋勝正町長ら町の関係幹部職員、県議会や町議会の議員、同園保育教諭と園児を代表してひばり組(5歳児)や保護者、歴代園長や工事関係者ら約80人が出席。田嶋町長は新園舎完成までの経緯を振り返り、何より同園の職員や園児が現園舎で毎月のように避難訓練をして備え続け、保護者も長い時間を待ち続けてくれたことに感謝しつつ「これからも子育て支援をまちづくりの柱の一つとすることで、この園舎はその拠点となる。今後とも議会やご父兄をはじめ皆さまの力を借りて、住みよく子どもたちを育てやすいまちづくりを進めていきたい」と式辞を述べた。
株式会社阿波設計事務所、株式会社岡本設計、株式会社小森組への感謝状贈呈を経て、来賓の県議会・佐藤武治議員と町議会・鈴木幸夫議長が祝辞。ひばり組が園歌を元気に響かせテープカットで完成を祝った。
式後は町民向けに内覧会も実施。同園を預かる湯口いづみ園長はまずもって東日本大震災以降特に意識し続けていた津波に伴う高台への避難の不安がなくなる点、また年長と年少が別棟で職員、園児とも互いが見えにくい現園舎が一棟となることで流れが分かりやすくなる点で新園舎の完成を喜んでいる。
今後は現園舎で保育を続けつつ機能移転作業を進め、新園舎での保育開始を目指す。
(2022年11月15日付紙面より)
相野谷中、矢渕中が文化祭 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(谷川進悟校長、生徒34人)は12日、矢渕中学校(立嶋信雄校長、生徒211人)は13日にそれぞれ文化祭を開催。両校の生徒たちが学習の成果や演劇を発表した。
相野谷中学校は昨年に続き、半日開催としたものの、保護者らを招き体育館で開いた。
谷川校長が「全ての力を結集して素晴らしい文化祭にしてください」とあいさつ。木本高校吹奏楽部による招待演奏で開幕し、フィンガー5の「学園天国」を演奏し、ダンスを繰り広げた。西城秀樹の「ヤングマン」、指揮者、タンバリン体験でも盛り上がった。
文化祭のテーマは「全力 挑戦 笑顔~We can make smile~」。1年生が「福祉体験学習で学んだこと」、2年生が「ショクタイSOUL」、3年生が「前と後」と題して学年発表した。
最後は全員で「君の隣にいたいから」「花は咲く」の2曲を合唱。教員や保護者らが生徒たちの成長を見守り、温かい拍手を送った。
矢渕中学校は、町生涯学習センターまなびの郷で開催。「新時代の幕開けだ~! ~主役は全校~みんなで創る最高の矢渕の文化祭」をテーマに、吹奏楽部による演奏で開幕した。
各学年を代表して松下明日香さん(1年)が「多様性に対する理解」、東美緒さん(2年)が「いじめのない社会へ」、得能朱里さん(3年)が「壁のない世界へ」を演題に作文発表した。
1年生は、地域住民らを講師に迎えて踊りや生け花、茶道などを教わる「地域に学ぶ」の成果を発表、2年生は職場体験を演劇で発表した。
3年生は舞台劇「それぞれの想い『ぬちどぅたから』~未来につなぐ為に~」を披露。戦争の悲惨さ、命の尊さを改めて訴えた。
午後からは合唱コンクールを繰り広げた。作品展示は、矢渕中の各教室、廊下で16日(水)、17日(木)、18日(金)に行う。午前9時から午後5時までで、最終日のみ午後1時まで。
(2022年11月15日付紙面より)
那智勝浦町総体ソフトバレー
2位三輪崎、3位串本と県大会へ (バレーボール県下小学生男女選手権地方予選 )
幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴って9日、毎年恒例の防火パレードが那智勝浦町であった。町立勝浦こども園(築紫依美香園長)の幼年消防クラブの鼓笛隊や町消防本部、消防団員ら約50人が町役場~那智勝浦観光機構バスターミナルを歩き、火災予防を呼びかけた。
パレードは火災予防と防火意識の高揚が目的。役場玄関前の出発式では、公務で不在の堀順一郎町長に代わり、瀧本雄之副町長が「皆さんの元気いっぱいパレードで、町の人たちに火の用心の大切さを教えてあげてください」とあいさつ。
園児は「僕たち私たちは、火遊びはしません」と誓いの言葉を述べ「よまわりおじさん」を演奏。代表園児が瀧本副町長や湯川辰也消防長、下地将仁団長らから「ミニまとい」を受け取り、パレードがスタート。
鼓笛隊の演奏や拍子木の音が響くと、地域住民や観光客らも足を止め、園児たちの姿を見守っていた。保護者たちもカメラやスマートフォンを手に、共に町を歩いた。
バスターミナルでの解散式では、鼓笛隊が隊列変化に取り組みながら「群青」を披露。築紫園長は「皆さんの前での演奏は、子どもたちにとって大きな自信につながったはず。今後も、火災予防の大切さを地域に伝えていきたい」と述べた。
湯川消防長は「寝たばこをしない」「ストーブの周りに燃えやすい物を置かない」「こんろを使うときはそばを離れない」などを呼びかけ、「園児の皆さんの演奏で町の人にも火の用心の大切さが伝わった。今後も火災のないまちづくりにご協力お願いします」と締めくくった。
最後は町消防本部から、園児たちにすごろくやお菓子がプレゼントされた。
なお、今年町内で発生した火災件数は5件で、建物火災が2件、車両火災が1件、その他火災が2件だった。
(2022年11月10日付紙面より)
商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
第26回商工祭「南の国の雪まつり」(来年2月19日予定)に向けた第1回実行委員会が7日、那智勝浦町の体育文化会館であった。新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。来年の開催について、出席した各団体のメンバーらが意見を出し合った。
雪まつりは町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。人気の催しで、例年多くの来場者でにぎわってきた。
実行委員長の森川起安南紀くろしお商工会長は「コロナ禍の中、安全安心を有して開催しなくてはならない。会場は役場前で、入り口出口の規制はできない。最も重要なのは、雪を楽しむ子どもたち中心の祭りでなくてはならない」とあいさつした。
事務局から催しの目的や趣旨などの説明があり、出席者全員が自己紹介と開催についての思いなどを述べた。
出席者からは「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」「コロナの第8波の影響が分からないため、第2回の際の状況で判断するほうがいい」「福祉施設としては基礎疾患を持つ利用者さまも多いため、リスクはあると思う」「現状では判断しづらい。直近に改めて検討すれば良いのでは」などの意見が上がった。
那智勝浦観光機構(NACKT)の清水貞吾理事長は「当町は観光の町。明るくにぎわってほしいため、前向きに考えるほうがいい。第7波、8波の動向を注視し、感染対策や開催場所の検討を行ってはどうか」。
堀順一郎町長は開催場所について、敷地が広く、近隣に多数駐車場があるブルービーチ那智駐車場周辺(熊野体験博跡地)を提案。開催については「雪まつりは歴史ある祭り。第8波で中止の場合もあるが、マスク着用し、屋外でのイベント。前向きに進めていっても良いのでは」と見解を示した。
それぞれの意見を受け、森川会長は「開催するほうが良いという意見が多かった。条件さえ整えば開催したい。場所についても、検討を進めていく。開催するとなれば3年ぶりの商工祭となる。これまで以上のご協力を皆さまにお願いします」と締めくくった。
開催の有無を決定する第2回実行委員会は11月末~12月初旬に実施する予定。
(2022年11月10日付紙面より)
太地小6年生が福祉学習
太地町立太地小学校(海野文宏校長)の6年生5人が8日、地域の高齢者5人と共に福祉体験学習に取り組んだ。児童が高齢者体験の装具を身に着けて平見の高台まで避難路を上り、安全に避難するために必要なことを考えた。
同校は町社会福祉協議会によって「福祉教育推進校」に指定にされており、学年ごとに高齢者や障害のある人々の生活について学んでいる。この日は児童・生徒の福祉教育に関係する各機関で立ち上げた「太地町福祉教育推進委員会」が主催し、民生児童委員、町熟年会(老人クラブ連合会)、町消防団の筋師光博団長、町役場総務課の防災担当・山下真一さんらが協力した。
最初に山下さんが避難路について講話。「津波などの災害から命をつなぐ逃げ道。周囲の状況に合わせ、舗装路や階段、建設足場を用いたものなど、町内に約50カ所ある」と語った。
児童は、膝関節を固めるサポーターや緑内障の視界を再現するゴーグル、イヤーマフなどを身に着け、周囲の手助けを得ながら避難路へ出発。「段差があるから気を付けて」と声をかけ合う様子が見られ、「ゴーグルで足元が見えづらい」「雨が降っていたら滑りそう」「電灯はあるけれど、夜はやっぱり危ない」など意見も聞かれた。
学校では、実際に避難路を歩いて気付いたことや、歩きやすくするための工夫についても話し合っていた。
(2022年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
「秋の全国火災予防運動」初日の9日、各地の消防は防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。今年の全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
運動は、火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり、火災予防思想の一層の普及を図り火災の発生を防止し、高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的に実施している。
市消防本部で行われた新宮地区消防団の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から13人が参加した。中谷健兒団長は「今日から火災予防運動週間が始まる。市民の防火意識向上のため、十分な巡回をお願いします」と呼びかけ。車両に乗り込んだ団員らは「火災が発生しやすくなっています」などとアナウンスしながら、市内各所を巡回した。
13日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する予定としている。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店等が密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物等における防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の7点。
今年、市消防本部管内では、住宅火災4件、車両火災が3件、その他火災が4件の計11件の火災が発生している(9日現在)。
(2022年11月10日付紙面より)
新宮市民スポ祭硬式テニス
スポーツ祭典バレー競技
新宮警察署防犯学童軟式野球大会
町内統一地震・津波避難訓練 (那智勝浦町 )
内閣府と那智勝浦町は5日、南海トラフ巨大地震を想定した「那智勝浦町内統一地震・津波避難訓練」を実施した。町内25地区の住民らが津波から身を守るために近くの高台に避難するとともに、改めて防災への意識を高めた。
和歌山県が2014年に発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。「最も重要なことは、地域住民が災害発生時に避難行動を起こすこと」との考えの下、今回は内閣府と共催で訓練を実施した。各区の自主防災組織をはじめ、新宮警察署や和歌山大学も協力した。
訓練は、町内で最大震度6弱を観測する地震が発生し、直後に「大津波警報」が発令され、10分以内に津波第1波が到達し、最大8㍍の津波が襲来するという想定で実施した。午前9時に日本語・英語で地震発生を知らせる放送が鳴ると、自主防災組織のメンバーらの声かけで町民が避難を開始。災害対策本部への避難状況の伝達や町職員への安否確認メール配信も行われた。
町立勝浦小学校では、元自衛官で役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話と非常用持ち出し袋の解説などもあり、各区の住民らが耳を傾けた。勝浦小学校の5年生44人は防災コマーシャルとしてダンス「こわがりヒーロー」を披露し「3学期の防災学習発表を見に来て」と呼びかけた。終了後には、物資配給訓練として乾パンとエマージェンシーボトルの配布も行われた。
勝浦6区(築地区)の坂井與己区長は「勝浦区の参加者は234人と、区民の15%ほど。今後の課題として取り組んでいきたい」。堀順一郎町長は避難タワーなどの設置で津波避難困難地域の解消に努めていることに言及し「ハード面の整備だけでなく、外国人観光客などのことも想定して今後もさまざまな訓練を実施していきたい。町民の皆さまには、改めて日々の備えの見直しをお願いしたい」と呼びかけていた。
(2022年11月6日付紙面より)
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で2日、(公財)佐藤春夫記念会と市教育委員会が主催する「講演・談話・公演『わんぱく時代』の地から」があった。約80人が来場し、佐藤春夫の友人・東熈市(ひがし・きいち)氏の令孫で歌手の東哲一郎さんによる公演や東京大学准教授の河野龍也さんの講演、春夫遺族の髙橋百百子さんと河野さんの談話などを通して、春夫の遺徳をしのんだ。
市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年を迎える節目に合わせ、同施設オープニングイヤー事業として位置付けて開催の運びとなった。なお、市立春夫記念館では2023年2月12日(日)まで、実践女子大学との包括連携協定に基づき、同大学の協力を得ながら企画展「『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」を開催している。
同記念館の辻本雄一館長が司会を務め、速水盛康教育長が開会のあいさつ。東さんが「春夫詩を歌う」をテーマに「海邊の戀」や「秋の夜」「秋刀魚(さんま)の歌」など、春夫の六つの詩に曲を付けて歌声を披露。岩戸崇さんのキーボード演奏に乗せ、ボサノヴァやジャズ、ラテン調などにアレンジし新しい詩の楽しみ方を実践した。
河野さんは「春夫文学の今後」と題して講話。新宮を舞台に、自我の形成史を描いた自伝的小説「わんぱく時代」(1957~58年にかけて朝日新聞で連載)のあらすじを紹介し、現在春夫記念館の企画展で実物が展示されている、少年時代の日記の内容に言及。「当時の日記には文豪としての片鱗が見えない。文学への起源に当たる時期の日記だが、医者を目指してほしいといった父親の目を気にしてか、文学に触れておらず残念」などと話した。
当時の絵地図から「わんぱく時代」の地政学にも触れ、春夫は当時の新宮と熊野地の関係性や土地のイメージを小説に反映していると解説。「町方と地方の伝統的な対立感情を背景にしている。地域の境界に当たる『戸坂』(登坂)の住人である主人公は両地域のパイプ役を担っている」などと説明した。
弱者救済に目覚め、「大逆事件」の犠牲となった転校生の「崎山栄」の人生から「主人公が『こう生きれば良かった』と、もう一人の自分として彼の姿が造形されているのでは」。「危険なところを巧みに回避して生きながらえてきた、罪悪感をもった老詩人が『こういう人生じゃない人生もあったかもしれない』と思いつつ想像力をはせ、少年時代を再現した悲しみの詩」と同小説を読み解いた。
最後には、辻本館長と河野さんが、春夫のおい・竹田龍児と、谷崎潤一郎と千代(後に春夫と結婚)との間に生まれた鮎子の娘である髙橋さんに対して、春夫との思い出などを質問。髙橋さんは文学界から多くの人が駆け付けた春夫の誕生日会について「ごちそうがいっぱいあってにぎやかで楽しかったと記憶している。そうそうたる方がいらしている感覚はなかった」。
春夫と谷崎との関係性については「お互いに意地っ張りだった」と振り返った。
(2022年11月6日付紙面より)
自動運転サービス本格始動 (太地町 )
町営バスが通行できない対象地区で自動運転サービスの実証実験を実施してきた太地町は1日、車両を1台増やし、本格運用を開始した。車両が2台となったことで、運行間隔がこれまでの45分に1回から約20分に1回に、便数が9便から倍の18便となった。運賃は変わらず無料で、実証実験より利便性が大きく向上した。
同町の10月末現在の高齢化率は45・1%で、総人口2903人のうち、高齢者が1308人を占めている。今回の自動運転の導入は高齢者の移動手段確保が主な目的だが、誰もが乗車できる。
同町は、国が行う自動運転やドローンなどの未来技術を活用し、地方創生を目指す未来技術社会実装事業に昨年採択された。
国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を車両購入に用いた。今年6月から対象区間に電磁誘導線と、車両制御などに必要なタグを埋め込む工事を実施してきた。
対象は暖海、水ノ浦、寄子路、新屋敷、小東、大東の6地区で、区間は3・2㌔(県道1・2㌔、町道2㌔)。車両はヤマハ発動機株式会社のスローモビリティ「AR05」。乗客は4人で、安全確認や手動運転時に操作する運転補助者1人が乗車する。タクシーのように手を上げて乗るフリー乗降制。
同町によると、実証実験時の利用者数は494人。1日平均で9人が利用し、運行率は89・8%となった。役場やスーパー、病院などでの利用が多かったという。利用者満足度の平均は10点満点中、9点以上だった。
複数回利用者もおり、外出頻度の増加につながったとし、自動運転サービスの継続を求める声もあったとしている。その一方で行き先やルートについてサービス拡充を求める声や乗り心地に対する満足度は若干低かったとアンケート結果を示した。
主な変更点は前述の運行に加え、午前の出発時間が8時発から8時22分発に、午後の最終便が午後4時15分発から5時20分発となった。
総務課の和田正希さんは実証実験に関わった近隣住民や和歌山県、新宮警察署、国土交通省、利用者に感謝を述べ「運行していく中で皆さまの声をお聞きし、問題の改善に努めていきたい」。
来年度はエリア拡大も検討しているとし「補助金なども視野に入れ、準備を進めていく。町内外問わず、利用は無料。乗車がまだの方もぜひ気軽にご利用いただきたいです」と話していた。
(2022年11月6日付紙面より)
七里御浜で11、18日も (熊野市 )
熊野市木本町の七里御浜海岸で4日、市による「花火のまち熊野観光PR花火」があり、熊野の秋の夜空を光の大輪が彩った。11日(金)にはPR花火第2弾、18日(金)には市観光協会による「伝統花火存続のための打ち上げ花火」が繰り広げられる。時間はいずれも午後6時30分から。
例年、10万人以上が訪れ、300年以上の伝統と歴史を誇る「熊野大花火大会」が、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となり、「花火のまち熊野」のイメージが薄れつつあることから、来年の再開に向け、観光客にあらためてアピールするのが狙い。
この日、七里御浜海岸には多くの市民らが集まり、次々と打ち上がる花火を見上げた。秋の夜空を彩る光のショーは約15分続き、人々を魅了した。
11、18日が荒天の場合、PR花火第2弾は12月2日(金)、伝統花火存続のための打ち上げ花火は11月19日(土)に延期となる。
(2022年11月6日付紙面より)