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2017年09月28日
1 世界遺産「三社巡り」が鍵 観光振興計画策定等委が発足 (新宮市)

 新宮市観光振興計画策定等委員会(委員10人)が26日に発足した。市役所であった第1回目の会合で、委員長に選ばれた森本祐司さん(市観光協会専務理事)は交流人口を増やし、経済を活性化させるには世界遺産に登録されている熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の「三社巡り」が鍵を握ると述べ、委員たちに協力を呼び掛けた。

 市は来年度から5年間の観光振興の方向性を示す計画を初めて策定する。委員会3回、市民ワークショップ3~4回を経て計画をまとめる。

 第1回委員会では、コーディネーターを務める楽天トラベル事業地域振興部の高橋俊介さんが、8月に開かれた第1回ワークショップの参加者の意見を報告。▽新宮の観光の強みは多いが資源の状態であるのが多く「観光商品」として磨かれていない▽情報の打ち出し方が決まっていない▽情報の集積、発信拠点が強く望まれている―などとまとめた。

■経済効果を出すには



 尾畑洋一副委員長(新宮商工会議所事務局長)は「新宮には日々観光客が来ているが、お金を落としてもらう仕組みができていない。人口が減り、少子高齢化が進む中、地域内だけで経済循環していくのは難しい」と指摘。西浦康代委員(市観光ガイドの会)は「滞在時間を延ばしてもらうために2泊、3泊と安くできないか。新宮のビジネスホテルに宿泊したら雲取温泉を使えるようできないか」などと提案した。

 向井雅男委員(市企画政策部長)はクルーズ客船の入港を例に挙げ、「新宮市だけをセールすると頭打ちになる。広域でセールスしていかねばならない。情報を一つにまとめないと相手に伝わらない」。畑尻賢三委員(市商工観光課長)は「広域化の受け皿づくりが必要」。尾畑副委員長も「新宮だけで完結することは難しい」と述べた。

■アイデアが勝負



 山本將人委員(新宮信用金庫地域サービス部課長代理)は「全国どこの自治体も観光客を誘致している。これまでのようでは、なかなか来てくれない」と指摘。

 原洋三委員(熊野交通営業部長)は「新宮城跡のサクラが素晴らしい。ツアー企画を提案できないか」。日比野雅子委員(仲之町商店街・土佐屋)は「地元の人でも新宮の良さが分かっていないと思う。門前町をもう少しどうにかしてほしいという意見が多い」。西浦委員は「那智は『あげいん熊野詣』、本宮は『八咫(やた)の火祭り』と全国から観光客が来るイベントがある。新宮でも新宮城跡でタイムスリップできるようなイベントはできないか」と提案した。

 森本委員長は「新宮市は圧倒的に本宮への通過点になっている。本宮が熊野神社と感じている人も多い。通過型から宿泊してもらい、三山へ行ってもらうようにしないといけない。宿泊施設など課題は多いが、詰めて考えたい」と述べた。

 中村晃委員(駅前本通り商店街・ナカムラ電気)と上野潤委員(熊野速玉大社権宮司)はこの日、欠席した。第2回の委員会は11月に開かれる予定。

(2017年9月28日付紙面より)

第1回新宮市観光振興計画策定等委員会=26日、新宮市役所
2017年09月28日
2 3年間の集大成を披露
 那智中吹奏楽が定期演奏会  

 那智勝浦町立那智中学校の吹奏楽部は24日、町立勝浦小学校で第52回定期演奏会を催した。多くの町民が来場し、部員29人が織りなす演奏に聴き入った。

 この演奏会は3年生部員が部活動の集大成を発表する場として設けられており、今年は3年部員7人がこの日をもって引退した。例年、那智中の体育館で開かれていたが、中学の体育館が工事中のため、勝浦小に会場を移した。

 プログラムは3部構成で、那智中の校歌をはじめ、「風になりたい」や「アフリカン・シンフォニー」、「花は咲く」などを合奏した。一部楽曲は本番前日に世界的指揮者の佐渡裕さんから指導を受けた。

 パーカッションを担当した本舘愛果部長(3年)は「『フェリスタス』は夏に3年生が中心となってコンクールで演奏した楽曲なので、思い出深いです。最後の部活動なので、悔いの残らないよう頑張りました。緊張しましたけど、楽しく演奏できました」と話した。

(2017年9月28日付紙面より)

観客を前に、演奏に熱が入る=24日、那智勝浦町立勝浦小学校の体育館
2017年09月28日
3 共同募金に向け委員会
 10月から赤い羽根運動  (新宮市 )

 10月1日(日)から全国一斉にスタートする「赤い羽根共同募金運動」を前に、新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)は26日、市福祉センターで協力委員会を開いた。約50人が出席し、本年度共同募金目標額を450万円にすることなどを決めた。1日は市内のスーパーで街頭募金を予定している。

 榎本義清副会長が議長を務め議事を進行した。事務局から昨年度実績額が目標額を11万8555円上回る462万3555円だったことなどが報告された。内訳は▽戸別募金200万218円▽法人(大口)募金137万9000円▽街頭募金39万6906円▽職域募金6万6135円▽募金箱19万4629円▽その他58万6667円。

 平成29年度の配分の内訳は広域福祉事業(県内の福祉施設など)へ171万4000円。地域福祉事業(3つの活動募金)へ290万9555円。市では赤い羽根共同募金を「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の「3つの活動募金」として呼び掛けている。

 畑尻英雄・市民福祉部長は「赤い羽根共同募金の活動は町の人たちの優しい気持ちを集める活動。皆さまの優しさ、声掛け、行動が町を変えていく一歩となる。皆さま方から寄せられた募金は私たちの町のさまざまな福祉活動、その支援に役立てられており、災害時の被災地支援にも役立てられている」と田岡市長のあいさつを代読。和歌山県共同募金会の大谷和也副主査が来賓として出席した。

(2017年9月28日付紙面より)

委員会の様子=26日、新宮市福祉センター
2017年09月28日
4 トルコ食の裾野拡大目指す
 家庭料理教室始まる  (串本町トルコ文化協会 )

 串本町トルコ文化協会(丸石恵子代表)主催の「トルコの家庭料理教室」が24日、同町文化センターで始まった。月1回の頻度で12月まで全4回開く予定。この日は定員いっぱいの16人が参加し、トルコのパンの作り方を教わり実践するなどした。

 トルコ語講座と並行する形で本年度から取り組み始めた新規事業。『語学には抵抗があるが、日頃から慣れ親しんでいる料理なら』という人向けに考えたそうで、講師には地域おこし協力隊着任当時から語学と共に食文化を伝える機会も模索してきたトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんを起用している。

 この日のテーマはパン『アイシェのアチュマ』。アチュマは移動式屋台で売られている身近なパン『シミット』の一種で、生地にヨーグルトを含んでいるのが特色だという。参加者は4組に分かれて、生地作りから焼き上げまで一連の調理工程をアルカンさんや会員と一緒に体験。併せてトルコの紅茶「チャイ」の本来の入れ方も教わり、焼き上がったアチュマ一個と一緒に試食した。

 アルカンさんは各工程のほか、ヨーグルトはトルコ共和国が発祥地でマヨネーズやケチャップと同格で料理に多用しているなどトルコの食文化の特色も紹介。参加者はオリーブ入りとカマンベールチーズ入りの各アチュマ計5個を焼き上げ、試食後の残り4個をお土産として持ち帰った。

 この教室は回ごとに先着16人で受講希望を受け付ける。地元の食文化の一端としてトルコ食の裾野拡大を図るという重要な目的があり、各回の告知は同町が発行する広報誌「広報くしもと」などで行うとしている。

 初の教室開講を迎え、丸石代表は「トルコ料理には、同じ料理なのに地域や家庭によって味わいが異なるという特色がある。まずはアイシェが育った地域の食文化に親しみ、そこからほかの地域はどうかと興味を広げてもらえたら」とコメント。

 今後について「特別な料理ではなく日々のメニューの一つとして取り入れられる料理を紹介する。トルコの方が来た時に『こんな料理知っているよ』とか『この料理を作って食べているよ』と町民から話題を持ち掛け、自然と交流が広がる状況を目指したい」と語った。

  □     □

■次回は10月22日実施

 次回の同教室は10月22日(日)午前11時~午後2時ごろ、同センターで開く。テーマは「赤レンズ豆のスープとギョズレメ」。参加費は1500円。同月2日(月)~13日(金)に先着16人まで受け付けるという。申し込みや問い合わせは役場総務課のアルカンさん(電話0735・62・0555)まで。

(2017年9月28日付紙面より)

トルコのパン「アチュマ」作りに挑戦する参加者ら=24日、串本町文化センター
2017年09月28日
5 近大新宮は箕島と対戦
 秋季近畿地区高校野球県二次予選  
2017年09月28日
6 熱唱し楽しい時間過ごす 新宮市、西道楽天会がカラオケサロン 
2017年09月28日
7 進路の視野を広げて  2017年進学相談会  (新宮市 )
2017年09月28日
8 若柳吉蓉亀名取披露の会 若柳流若吉会、100人の関係者らが祝う 
2017年09月28日
9 飛鳥神社例大祭で伝統の舞  太地町、10月7日宵宮、8日本宮  
2017年09月28日
10 愛好者179人が競い合う 串本町総合運動公園で秋季グラウンドゴルフ大会 
2017年09月28日
11 いつも応援ありがとう  上野山こども園「上野山にしき園」慰問  (串本町 )
2017年09月28日
12 アーケロン模型制作始まる 串本海中公園水族館、来年の館内企画展準備進む 
2017年09月28日
13 新宮JCが「こども体験博」  スタンプラリー抽選会も  
2017年09月28日
14 キンミズヒキ  神倉神社で  
2017年09月28日
15 「これからも元気で」 新宮市・田岡市長が高齢者訪問 
2017年09月21日
16 県知事賞など決まる 第39回児童生徒木工工作コンク (30日、10月1日に展示会)

 新宮木材協同組合(植松浩理事長)、紀南木材新緑会(速水洋平会長)主催の「第39回児童生徒木工工作コンクール」の作品審査が19日に行われ、和歌山県知事賞、新宮市長賞、新宮木材協同組合理事長賞の3賞を含む全22賞が選ばれた。

 同コンクールは毎年開催されており、今年は新宮市、東牟婁郡、三重県南牟婁郡、田辺市本宮町の小中学校から501点の応募があり、各市町村の代表者などが審査した。上位3賞は来年開催される全国コンクールに出品される。審査員らは会場内の一つ一つの作品をじっくりと見ながら選んでいった。

 展示会は30日(土)、10月1日(日)の午前9時から午後5時(最終日は午後4時)まで、新宮市あけぼのの新宮木材会館2階で開かれる。来場者には粗品進呈。小学生以下の子どもにはヨーヨーつり、スーパーボールすくいがある。

(2017年9月21日付紙面より)

コンクールの審査の様子=19日、新宮市あけぼのの木材会館
2017年09月21日
17 清掃活動に汗流す 「社会奉仕の日」に会員ら (新宮市ゆうゆうクラブ)

 全国一斉社会奉仕の日の9月20日、新宮市のゆうゆうクラブ(老人クラブ連合会・上廣正幸会長)は市内各所で美化活動を実施した。37団体429人が早朝から清掃活動に汗を流した。

 全クラブ参加で美化活動に取り組むことで、地域社会への感謝と地域の担い手としての活力を示し、次代に良い環境を残そうと毎年実施している。

 各クラブ会員らはそれぞれ熊野速玉大社周辺や新宮高校前、新宮城跡付近、阿須賀神社などに分かれてごみ拾いや草むしりなどをした。長寿会は24日(日)に佐野駅周辺を清掃する予定。

 阿須賀神社や宮井戸、不老閣周辺では第一蓬莱親睦クラブ、第二蓬莱クラブ、第三蓬莱クラブ、蓬莱春秋クラブの会員ら約50人が参加。黙々と作業する人や、顔を合わせ和気あいあいと話をしながら取り組む姿があった。

 第一蓬莱親睦クラブの畑地泰明会長(72)は「朝早くからみんなよく来てくれました。地元の宮様、みんなの神社を大切にしなければという思いもあり、今年は世界遺産に登録されたので、よりきれいにしなければと感じます。祭りを前にちょうどいいですね」。

 第二蓬莱クラブの福住昌子会長(83)は「20年ほど、毎年実施しています。だんだんと高齢化で参加する人も少なくなっています。平均年齢は80歳で、皆腰も足も悪くなっていますが頑張っています」と話していた。

(2017年9月21日付紙面より)

草むしりなどをする会員ら=20日、新宮市の阿須賀神社周辺
2017年09月21日
18 園児の訪問に拍手 須崎区敬老大会 (那智勝浦町)

 那智勝浦町天満の町民センターで16日、須崎区敬老大会が開かれた。楠本實区長のあいさつ、物故者への黙とうの後、わかば保育園の歌遊びや手遊びが始まった。

 センターには「おにぎりさん」「マジカルメガネ」など楽しい歌声が響いた。園児たちは最後に全員で「おじいちゃんのお歳」を大合唱。来場者から「かわいいね」「元気やね」と大きな拍手が送られた。

 その後は藤紀実美さんはじめ、藤紀孝子さん、永田壽美代さん、榎本惠美子さん、前地忠子さんによる日本舞踊の披露、マヒナ・ホホさんのフラ、北郡克至さんの鉄琴演奏などがあり、来場者らは和やかな時間を過ごした。

 北郡さんの鉄琴演奏では「赤とんぼ」「紅葉」などの曲に合わせ、来場者も一緒に口ずさんだ。日本舞踊の「御陣乗太鼓」の子どもたち、藤紀彩愛さん、湯川心結さん、中住茉愛さんにも大きな拍手が送られた。参加者代表で永寿会の和田美津子会長は「今年もここに来ることができ、皆さんに会えてうれしい。今日のためにご尽力くださった皆さまありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。

 木戸浩二区長代理のあいさつがあり閉会。「また来年も皆さん元気で会いましょう」と司会進行の田中秀俊さんが呼び掛けた。

(2017年9月21日付紙面より)

わかば保育園の園児たちが「おじいちゃんのお歳」を歌う=16日、那智勝浦町
北郡克至さんの鉄琴に合わせて歌を口ずさむ来場者
開会のあいさつをする楠本實区長
2017年09月21日
19 高校生らの規範意識促す
 JR古座駅でマナーキャンペーン  (串本町 )

 串本町西向にあるJR古座駅で19日早朝、きのくに・さわやかマナーアップキャンペーンがあり高校生を含む20人が啓発物資を配るなどして規範意識の向上を促した。

 このキャンペーンは、少年の公共の場における規範意識の向上と健全育成を図るため、県警が関係機関団体と連携して適時実施している。串本警察署は串本駅と古座駅の2カ所で展開していて、主に通学中の高校生を対象にして働き掛けている。

 本年度は春に串本駅で展開済みで、この日は古座駅の巡り。啓発員の内訳は同署生活安全刑事課、少年補導員、串本青少年センター職員、県立串本古座高校古座校舎の生徒や教員、JR西日本職員、串本町職員で、列車通学する高校生らにティッシュペーパーやファイルフォルダーなどの啓発物資を配って公共でのルールやマナーの順守を呼び掛けた。

 併せて列車到着を待つ間、駐輪場の整理整頓や無施錠自転車への鍵かけ啓発エフ付けや同駅周辺の清掃活動などにも取り組み、安易に犯罪行為をさせない雰囲気づくりにも努めた。

 同校舎生徒会執行部の出口怜奈副会長(2年)は同駅トイレの裏でたくさんの吸い殻を見つけて少しショックだったそうで、「目につく範囲で回収しましたがまだ残っているかもしれない。みんなが過ごしやすい社会をつくるため、マナーは守ってほしい」とコメント。

 他方、駐輪場の自転車の約半数が無施錠か鍵自体がついていない状態。同署生活安全刑事課課員は「こういう状況から盗まれてしまうケースは実際に起こっている」とし、エフ付けした自転車所有者の状況改善を期待した。

(2017年9月21日付紙面より)

物資を配り規範意識を促す啓発員ら=19日、JR古座駅
2017年09月21日
20 住宅・商業地ともに下落  高台は上昇、基準地価発表  
2017年09月21日
21 大人になったら何になる  三輪崎幼稚園で読み聞かせ  (新宮市 )
2017年09月21日
22 先人の労苦をたたえる  イオン熊野店前で頌功祭  (熊野市 )
2017年09月21日
23 秋晴れの空の下で  色川小、中、大野保が合同運動会  (那智勝浦町 )
2017年09月21日
24 のびのびと体動かす  近大新宮祭体育行事の部  (新宮市 )
2017年09月21日
25 子どもみこ6人稽古に励む 串本町、古座神社例祭奉納に向け 
2017年09月21日
26 9月定例会一般質問③  串本町議会  
2017年09月21日
27 秋晴れの下、熱気あふれる  三輪崎八幡神社例大祭  
2017年09月21日
28 ヒガンバナ咲く  熊野地方各地で  
2017年09月21日
29 文化複合施設配置で悩む 新宮市、1棟案、縮小も含め検討中 
2017年09月21日
30 お悔やみ情報
  
2017年09月15日
31 百歳の長寿を祝う
 322人に銀杯など伝達  (和歌山県 )

 和歌山県東牟婁振興局は13日、本年度中に100歳を迎える管内の高齢者18人を訪問し、安倍晋三・内閣総理大臣からの祝状と銀杯を伝達した。「百歳高齢者表彰」の対象者は8月8日現在、県内で322人。

 国は社会の発展に寄与してきた100歳を迎える高齢者に感謝するとともに、広く国民に高齢者福祉に対する理解を深めてもらおうと1963年から記念品を贈っている。管内対象者の内訳は新宮市12人、那智勝浦町5人、太地町1人となっている。

 新宮市仲之町で娘の泰子さん(76)らと暮らす廣田千代子さん(99)を訪問した児玉征也・東牟婁振興局長は「おめでとうございます」と祝状を手渡した。喜の国いきいき長寿月間(1~30日)に合わせ和歌山県が贈呈している仁坂吉伸県知事からの記念品も一緒に渡した。

 千代子さんは1918(大正7年)年2月3日生まれ。戦後は自身の店「マカランヤ」を切り盛りしながら4人の子どもたちを育てた。「子どもは宝」と語り、伝達を受けると「こんな賞を頂くなんて夢のよう。ありがたいことです」と笑顔を見せた。

 長寿の秘訣(ひけつ)は規則正しい生活。早寝早起きで好き嫌いはなく何でも食べる。日頃心掛けていることとして「身の丈に 生きて曾孫(ひまご)の 毛糸編む」と、40年以上続けている趣味の俳句に詠んだ。

 「無理をせず、気付いたことは自分からさっさとすることを心掛けるといつの間にか年をとっている。争い事を起こさないよう、時に聞き流すことも大事。でも、自分自身の芯、気持ちを譲らずに生活していくことも大事」とほほ笑む。

 受賞に際し「ありがとう 頂上の春 穏やかに」と書いた色紙を児玉局長に贈った。感謝の気持ち、100歳という「頂上」を迎えた自身の気持ちを表した句で「俳句はいいですね。全身の汗をぬぐいながら頂上(100歳)にたどり着いた感じです。俳句を作ることも一つの力になっています」。

 児玉局長は「穏やかに 頂上の上 実る秋」と返歌を詠み、「100歳を迎え、今後ますますの実りを祈ります」と呼び掛けた。

 県は養護老人ホーム寿楽荘(新宮市)と養護老人ホーム南紀園(太地町)へ祝品としてタオルセットを贈った。

(2017年9月15日付紙面より)

祝い状を受け取った廣田千代子さん(右)と児玉征也・東牟婁振興局長=13日、新宮市仲之町
2017年09月15日
32 子どもたちのため活用を
 第37回卒業生同窓会が寄付  (新宮市 )

 和歌山県立新宮高校(畑伸憲校長)の第37回卒業生は13日、今年1月2日に開催した同窓会の会費の一部を寄付金として同校へ贈った。同窓会の西哉素史さんが来校し、畑校長へ金一封を手渡した。

 1984年度卒業生の学年単位の同窓会は今回が初めて。50歳の節目に開いており、準備では毎回約20人が集まり所在確認や参加の呼び掛けなどをした。同窓会は那智勝浦町のホテル浦島で開かれた。卒業生約500人中207人と恩師4人が参加。亡くなった友人や恩師への黙とうの後、校歌斉唱、恩師のスピーチ、歓談があり、旧交を温めた。次回は還暦の年に開催する予定。

 西さんは「子どもたちのために有効に使ってほしい」。畑校長は「大変ありがたい。子どもたちのため、教育充実のために使わせてもらう」と感謝していた。

(2017年9月15日付紙面より)

畑伸憲校長(左)に寄付金を手渡す西哉素史さん=13日、新宮市神倉の県立新宮高校
2017年09月15日
33 中学生ら練習に熱
 宇久井神社例大祭の御船  

 那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭で神輿(みこし)海上渡御を先導する御船の練習が13日、宇久井港で始まった。

 軽快な太鼓と「よーえんやー」「えーらんえー、えんやさのさ」の掛け声とともに、1そうの船が港外にこぎ出した。主役は宇久井中学校(田中信幸校長、生徒91人)の生徒有志たち20人。船先に立って踊る「櫂(かい)踊り」、両手に扇を持ち船尾に立つ「扇舞い」、太鼓、こぎ手という分担で乗り込んだ。12日から始まるはずだったが天候の都合で1日延期され、この日が今年最初の練習日となった。本番前日まで4日間練習する。

 1年生で初めて扇舞いに挑戦する西村悠羽君は「扇を振る動作が難しかった。本番までにもっとできるようになりたい」と少し緊張した表情。一方、太鼓役で3年生の畑下真輝君は今年で3年目。「リズムを間違えないように、いつも通りにやりたい」と余裕がある。櫂踊り役の亀井拓海君は「3年生でもう最後なので、できるだけ楽しみたい。かっこいい踊りなので、そこを見てほしい」と意気込みも充分だ。

 指導の東信義さん(65)は「3年生はじめ経験者が多く、見ていて安心できる。本番ではうまくやってくれるはずだ」と期待を込め、ベテランの坂本明夫さん(81)も「中学生たちは一生懸命頑張ってくれている。祭りが楽しみ」と話していた。

 練習行程を終えて戻ってきた船は、本番でも歌われる「御舟キヤリ」の歌とともに引き上げられた。周囲には様子を見に来た近隣住民や中学生の家族の姿もあった。

 本番の17日(日)は湊蛭子神社地から午後1時30分ごろ、神輿を乗せた船を宇久井漁協広場まで先導する。

(2017年9月15日付紙面より)

中学生男子らが勇ましい掛け声を上げながら御船の練習=13日、那智勝浦町の宇久井港
2017年09月15日
34 児童生徒作品217点披露
 町教研の夏期総合作品展  (串本町 )

 串本町教育研究会(山本隆介会長)主催の夏期総合作品展が9、10の両日、橋杭小学校体育館であり、選抜217点が児童生徒やその家族、教育関係者らの鑑賞を集めた。

 町立14小中学校の児童生徒が夏休みの課題の一環で取り組んだ自由研究作品の中から校内選抜された作品が一挙披露される同展。児童生徒の創作意欲をいっそう高める目的で毎年9月第2土、日曜日に開いている。

 本年度は初日午後と2日目の日中に開場した。小学校低、中学年は各種工作が大半で、高学年以上になってくると工作以外に画用紙大のレポートにまとめた自由研究作品もちらほら。本年度は創作度の高さで親しまれる紙粘土造形やアートキャンドル、シーグラスクラフトが数多く、自動販売機や公衆電話、獅子屋台など実物を模した作品も目立った。

 中学生ではラジオやFMトランスミッターといった電子工作やボトルに入れた切り絵など緻密さを増し、サッカーボール台や浴衣など実用志向の大作も関心を集めていた。

 近年にないジャンルではストップモーション動画や本格的な変形菌標本もあり、作品によっては触れてよいものもあり出来栄えを試す子どもらの姿も目立った。

(2017年9月15日付紙面より)

町立14小中学校が選抜した217点が一挙披露された夏期総合作品展=9日、串本町串本
2017年09月15日
35 台風18号、16日九州接近か   
2017年09月15日
36 観光、防災、福祉など聞く 新宮市議会、9月定例会一般質問2日目 
2017年09月15日
37 伝統武道で礼節学ぶ  三輪崎幼稚園でなぎなた教室  (新宮市 )
2017年09月15日
38 手作りおもちゃ遊び  天満保育園で  (那智勝浦町 )
2017年09月15日
39 笑顔と若い力届けて 下里神社例大祭、16日宵宮、17日本宮 
2017年09月15日
40 伝統誇る九つの舞 住吉神社「高芝の獅子舞」、15日宵宮、16日本宮 
2017年09月15日
41 大切な約束守って  田並保育所で交通安全教室  (串本町 )
2017年09月15日
42 9月定例会一般質問①  串本町議会  
2017年09月15日
43 カエデドコロ  熊野古道高野坂で  
2017年09月15日
44 「渾身の力を込めて頑張る」 新宮市長選、田岡実千年氏が事務所開き 
2017年09月15日
45 お悔やみ情報
  
2017年09月14日
46 「くじらの博物館」舞台に 来年夏公開の映画、10月から撮影 (太地町)

 太地町の町立くじらの博物館を舞台にした映画「ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる」の撮影が10月中旬から同町を中心に始まる。映画は2018年夏公開予定。和歌山県と県観光連盟(わかやまフィルム・コミッション事務局)と日本遺産「鯨とともに生きる」を推進する熊野灘捕鯨文化継承協議会が全面的にバックアップする。

 撮影は同協議会を組織する太地町、新宮市、那智勝浦町、串本町を中心に行われる。監督の藤原知之さん(38)は「20世紀少年」や「真田十勇士」で知られる堤幸彦さんの下で助監督としてキャリアを積み、2013年に短編映画を発表、山形国際ムービーフェスティバルでグランプリを受賞している。

 映画はくじらの博物館を舞台に、奮闘する若い飼育員やトレーナーの実話をモチーフにした「青春ストーリー」。和歌山、熊野の風景、歴史に支えられた町の文化をさりげなく映像に収めながら、現代を生きる若者たちに「自分らしく生きること」「何かに夢中になること」の素晴らしさを伝えることをテーマにしている。夢を信じ突き進む勇気の大切さと怖さ、焦りと挫折。そんなとき、頼るべき人がいることの喜びと希望。大きな黒潮の流れをバックに、小さな人間が悩んだりくじけたりしながらも、一歩一歩目標に向かい進んでいく様が、見る人全てに勇気と希望を与える作品になるという。

(2017年9月14日付紙面より)

映画の舞台となる太地町立くじらの博物館
2017年09月14日
47 心と体をリフレッシュ
 宝珠寺でヨガと座禅体験  (新宮市木ノ川 )

 新宮市木ノ川の白龍山宝珠寺(西昭嘉住職)は12日、同寺の本堂でヨガ教室と座禅会を開いた。11人が参加し、神聖な空気の中で心身をリフレッシュした。

 宝珠寺では、多くの人に集まってもらえるよう2年ほど前からさまざまな企画を催しており、今回もそのうちの一つ。これまでにも、落語や瞑想(めいそう)体験などを開いている。

 ヨガ教室では、新宮市や那智勝浦町などで活動するヨガ教室「Arbor」のインストラクター西谷安代さんが講師を務めた。参加者は太陽礼拝などを実践し、前身をくまなくほぐした。

 座禅は西住職が曹洞宗(そうとうしゅう)式の所作を教えた。壁に向かって手と足を組み、思考を止めて心を安らげた。

 宝珠寺の座禅会は、毎週土曜日の午後5時から無料で開かれている。

(2017年9月14日付紙面より)

西谷安代さん(中央)からヨガを教わる=12日、新宮市木ノ川の宝珠寺
2017年09月14日
48 慣れ親しんで英語覚える
 放課後英会話クラブ始まる  (串本町 )

 串本町文化センターで12日、小中学生を対象にした放課後英会話クラブが始まった。英語によるコミュニケーションへの関心と積極性を育む新たな取り組みで▽小学校中学年▽同高学年▽中学校―の各クラスを設置。同日現在で計62人が受講登録していて、月1回ペースで年度末まで励むという。

 この教室は、同町教育委員会とトルコ語や英語や日本語などマルチリンガルな才覚で活躍する同町地域おこし協力隊のトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんが語学教育の在り方を語り合う中から出てきたアイデア。語学習得を大きく左右する興味と愛好を本格的に学ぶ前に高めるのが狙いで、児童生徒が自然体で英語をコミュニケーションツールとして普段使いする機会の提供に努めるという。

 講師は外国語指導助手(ALT)のホ・トラクさんと今月から新たに着任したデイビッド・フィレモンさん、アルカンさんの3人。人数が多い小学校中学年は学年別2クラス編成(3年生13人と4年生17人)、同高学年(5・6年生12人)と中学校(1~3年生15人)は1クラス編成とし、火曜日を基軸にして小学校クラスは午後5時30分~6時15分(45分)、中学校クラスは午後6時30分~7時20分(50分)に開く。

 この日は小学校中学年の2クラスが合同開講する形で同時スタート。序盤は相手との接点を持つきっかけとして最も基本的な自己紹介を英会話でこなし、中盤以降はミニゲームを交えて児童の活動と英単語「Big」「Small」「Heavy」「Light」を結び付け、学習とは違った「慣れ親しむ中から英語を覚える」という習得方法の雰囲気を体験した。

 今後の活動のアイデアは歌やダンス、読み聞かせやミニゲーム、グループワークや発表など多種多彩。児童生徒が「話したい」「聞きたい」と感じられる内容を都度設定して、関心や積極性を引き出すという。期間前半は同センターを主な活動場所とするが、来年1月以降は同センターが改修工事期間に入るため役場古座分庁舎へと移すとしている。

(2017年9月14日付紙面より)

ミニゲームを交えて英会話のコミュニケーションに挑戦する児童ら=12日、串本町文化センター
2017年09月14日
49 「子供手踊」を練習
 勝浦八幡神社例大祭前に勝浦全区合同で  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭=16日(土)宵宮、17日(日)本宮=の行事「子供手踊」の練習が9、10の両日、町立勝浦小学校体育館であった。40年近く踊りを教えた八木佐知子さんが昨年で引退し、後を継いだ村﨑幸さん、濵地生三子さんが指導。勝浦1~6区の子どもらが合同で練習に励んだ。

 「子供手踊」はそろいの浴衣の子どもたちがかわいい踊りで祭りに花を添える。奉納する踊りは『勝浦節』と『勝浦音頭』。渡御(とぎょ)行列では『めはり音頭』も披露する。勝浦節は手拭いを持って那智の滝や船をこぐしぐさなどを表現する伝統の踊りで50年以上もの歴史を誇る。

 手踊りの列は多い時には100人を超えたが、昨年は40人に減った。6区の坂井與己区長は「今年は57人に増えました。みんな上手に踊っている。あとは当日の天気を願うだけ」と満足そうだ。村﨑さんは「上級生が小さい子らに一生懸命教えている。かわいらしくほほ笑ましいですね」と笑顔を見せた。

(2017年9月14日付紙面より)

勝浦小学校体育館で手踊の合同練習をする子どもたち=10日、那智勝浦町勝浦
2017年09月14日
50 熊野市長選大激戦か  立候補事前説明会に4陣営  
2017年09月14日
51 新宮紀宝道路早期完成を 紀宝町・西田町長、一般質問に4選の意思 
2017年09月14日
52 市長の政治姿勢など聞く 新宮市議会、9月定例会一般質問始まる 
2017年09月14日
53 ダンスとバイオリン演奏を奉納  原田みのるさんら那智大社で  (那智勝浦町 )
2017年09月14日
54 連携してテロ対策 紀宝警察署管内パートナーシップ定例会 
2017年09月14日
55 感謝の言葉を伝え  天満保育園で敬老の集い  (那智勝浦町 )
2017年09月14日
56 下部の避難施設用地購入など  古座川町議会9月定例会始まる  
2017年09月14日
57 会員含む40人が受講登録 串本町トルコ文化協会、第3回トルコ語講座始まる 
2017年09月14日
58 一般会計補正予算案可決  太地町議会9月定例会  
2017年09月14日
59 お悔やみ情報
  
2017年09月10日
60 三輪崎幼稚園で閉園説明会
 経緯や今後の体制に理解求める  (新宮市 )

 新宮市立三輪崎幼稚園の閉園説明会が8日夜、同園で開かれた。保護者や地域住民ら25人に対し市教育委員会が閉園への経緯と今後について説明。参加者からは来年度以降の体制などへの質問や意見が挙がった。

 三輪崎幼稚園の定員は110人だが、園児数は減少傾向にあり、本年度は6人となっている。一定規模の人数を確保した幼稚教育のありかたが問題となり、本年度で同園は閉園予定となっている。来年度以降は白梅、三輪崎保育園が認定こども園に移行の準備を進めており、希望者は旧市内の丹鶴、王子幼稚園か認定こども園の選択となる。

 質疑応答では保育園が認定こども園となった場合の変化や幼稚園教諭の資格を持つ職員の配置について問い掛けがあり、担当者は保育時間や保育料以外では保育所、幼稚園、認定こども園はほぼ同じ内容の指針や要領で、小学校入学前の教育は同じと考えてほしいと回答。

 幼稚園教諭の資格を持つ職員は必ず配置しなければならないわけではないが指導し、協力してもらいながらこれまでの教育を受け継いでほしいとも述べた。

 「新宮は幼稚園教育の歴史が深く、これまで培ってきた人の行動が無駄にならないよう、引き継いでもらいたい。今のままでは名前以外変わらないと言われて不安になっている人もいると思う。教育委員会が責任を持ち、小学校に上がる準備期間としてやっていけるよう見守ってほしい」という声も挙がった。

■閉園に不安や疑問の声



 参加者からは「閉園説明会までに話があれば、もっと余裕を持って考えられたと思う」とここに至るまでの対応を問う意見も。担当者は「人数が極端に減った。集団で学ぶことも多く、幼稚園として継続していくのは良くないという中で、こども園が一番良いと考え、保育園に理解いただき進んでいる」と回答。

 小学校と十分な連携が取れるのかを不安視する意見に楠本秀一教育長は「保育指針にうたわれており、学校にも保育園にも意識を持ってもらわなければならない。全市的に小学校と幼稚園、保育所の接続の活動を大事にしなければならない」と話した。

 「団体生活などは小学校からでも間に合うことだと思う。人数減少で閉園に持っていくのがさみしいという気持ちが強い」という意見の他、「三輪崎幼稚園の人数は25年度から減少している。まだ決まっていない段階で閉園の発言をしたと聞いている。突然の閉園説明は納得がいかない」との訴えがあり、楠本教育長は「議会のやりとりで、少子化の中で、できるだけ民間でやっていただきたいと発言した。その時は私の考え方で、機関決定しておらず申し訳なかった。3、4年の中で受け皿をどうするかという見通しが立ち、説明会を開いた」と理解を求めた。

(2017年9月10日付紙面より)

出席した25人を前にあいさつをする楠本秀一教育長=8日、新宮市立三輪崎幼稚園
2017年09月10日
61 紀伊半島南部で連携を
 大地震に備え救急講演会  (東牟婁郡医師会 )

 東牟婁郡医師会は2日、那智勝浦町体育文化会館で救急講演会「南海・東南海地震と津波への備え~パニックにならないために~」を開いた。紀南医師会救急担当理事の寺本クリニック(紀宝町鵜殿)、寺本泰院長が、紀南医師会が取り組んできた災害時の緊急医療体制などを解説し、約100人の住民が講演に耳を傾けた。

 東牟婁郡医師会の宮本岳副会長、寺本眞一町長のあいさつで講演が始まった。寺本院長は東日本大震災での災害時派遣医療チーム(DMAT)の活動を紹介した。東北地方では内陸部の高速道が充実していてチーム派遣ができたが、紀伊半島南部は高速道がつながっておらず、交通網の遮断と南部に至るまでに災害が発生している現場に遭遇してしまうなどの状況が発生し、外部からの支援は難しくなる状況を説明。加えて過疎化と高齢化が進む中、一人では逃げられない人が増えている状況も話した。南海トラフの大地震が発生すれば、助けを求める患者側と医師、消防署員ら救助する側とのミスマッチが生じると述べた。

 対策として紀南医師会では「災害時救護班」を結成し、「医療救護普及会」を立ち上げた。住民に災害時の医療を理解してもらうために講演会を開き、傷病者の緊急度に応じて治療や搬送の優先順位を決める「トリアージ」の協力も住民に訴えた。参加者が固定化する中、地元の高校生ら若い人たちにも参加を促してきた。寺本院長は「研修や講演を通じて住民の理解が得られ、地域で顔が見える関係が生まれた。病院の看護師と地域の看護師、介護施設の職員、行政職員らとのつながりができた」と成果を述べ、「平時からの連携が重要。連携を構築するには会議だけでなく、研修会が重要な役割を果たす」と語った。

 南紀災害医療勉強会も結成した。寺本院長は「田辺以南、松阪以南が連携しなければならない。地域をつなぎ、職種をつなごう。地域の命は地域が守る。紀伊半島南部で積極的に備えたい」と呼び掛けた。

  □     □

 講演の後に総合討論が行われた。寺本院長が進行役となり、新宮保健所の形部裕昭所長、那智勝浦町立温泉病院の佐藤史崇内科医師、同町福祉課の保健師、喜田弘美さん、同町消防本部警防課の田中亮さんの4人が「孤立化したら、どう動くか」をテーマにそれぞれの立場から意見を述べた。

 「災害時には目の前のことでいっぱいになるので、日頃の連携が大事」「DMATをどこへ派遣するかなどの意思決定が重要になる」などの意見が出た。会場からの質問では、日頃服用している薬が分かる「お薬手帳」が災害時には重要になるなどの声があった。

(2017年9月10日付紙面より)

約100人の住民が参加して災害時の医療体制の講演に耳を傾けた=2日、那智勝浦町体育文化会館
寺本泰院長
消防や医療機関などの職員が参加して総合討論
2017年09月10日
62 派遣中学生が報告会 ブルーム交流10年、絆深まる (太地町)

 太地町と町国際交流協会(会長・宇佐川彰男教育長)が姉妹都市交流事業としてオーストラリアのブルームに派遣した中学生7人の報告集会が7日、町公民館で開かれた。交流10年を迎え、今年は過去にホームステイを受け入れた同町の8世帯11人も現地を訪問した。生徒たちは現地での貴重な体験を発表し、保護者や学校関係者らから大きな拍手を受けた。

 派遣されたのは、太地中3年の海野慈美さん、阪本宙吾君、田中結華さん、松下七星さん、間所香帆さん、那智中3年の汐﨑あかりさん、近大新宮中3年の水谷珠緒さん。宇佐川教育長を団長に、町歴史資料室の櫻井敬人学芸員、役場職員らも同行した。

 中学生7人は8月1日に同町を出発、ホームステイしながら、現地の学校の歓迎集会に参加したり、授業を見学したりして交流。同月11日に帰国した。8世帯の家族は2日から4日までの日程で訪問した。現地ではセントメアリーズ校主催の10周年パーティーがあり、これまでに太地を訪れた学生や家族らを含め約300人が集まる盛大なパーティーとなった。今後の交流を願ってユーカリの植樹もあった。

 報告会では出発から帰国までの様子を写真や動画で記録。映像で映し出しながら、それぞれが楽しかった思い出を語った。生徒たちは一人一人マイクを握り、「日本人墓地にお参りができてよかった」「『ようこそ』と書かれたケーキで感激してくれた」「ブーメランの作り方を教えてもらった」などと報告した。

 同行した櫻井学芸員は「セントメアリーズカレッジは、日本人ダイバーとの協力で始まったという認識があり、太地とは深い縁がある。今回の交流でますます絆が深まったと感じた」と話した。10周年記念で再び現地を訪問した竹林克洋君(新宮高3年)は「再開した友人が号泣してくれた。ブルームはやさしい人ばかりだ。この交流事業は意義があった。英語に対する考え方が変わった。今は外国語大学を目指している」と話していた。

(2017年9月10日付紙面より)

現地での様子を映像に映し出しながら報告=7日、太地町公民館
2017年09月10日
63 体験通じ意識高める  スパセン南紀・熊野防災イベント  
2017年09月10日
64 触れ合いで楽しく  うどの幼で祖父母と遊ぶ会  (紀宝町 )
2017年09月10日
65 園での食生活知る場に  新木保育園で試食会  (新宮市 )
2017年09月10日
66 夏休みの成果発表  北山小・中学校で作品展  (北山村 )
2017年09月10日
67 おクジラさま ふたつの正義の物語  佐々木芽生監督が本出版  
2017年09月10日
68 南紀熊野の固有種・陸クジラの正体に迫る  太地の非公式キャラ〝ヨーホエル〟  (無謀にも「ゆるキャラグランプリ」上位を目指す )
2017年09月10日
69 カボチャみたいなイモ  那智勝浦町宇久井で収穫  
2017年09月10日
70 お悔やみ情報
  
2017年09月08日
71 子どもを守る白い犬
 来年の大絵馬が完成  (速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社で7日、来年のえと「戊戌(つちのえいぬ)」の大絵馬が完成した。白い紀州犬と3匹の子犬を描いた上野顯宮司は「子どもを守り、しっかりと育ててもらいたいとの願いを込めました」と話した。12月から大社拝殿に掲げる。

 大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。毅然(きぜん)とした父犬が、無邪気な子犬たちを守っている姿が描かれている。父犬の首には、大社のご神木で平和の象徴であるナギの葉をあしらったしめ縄が巻かれている。

 上野宮司は2000(平成12)年から毎年大絵馬を描いている。今年は6色のアクリル絵の具を使い、約1カ月で完成させた。仕上げに「浄心愛徳」の文字を書き添えた上野宮司は「子どもが巻き込まれる事件が多く報道され、心を痛めています。清い心を持って、愛と徳を子どもたちに授けてほしいという思いを込めました」と話していた。犬のモデルはかつて自宅で飼っていた紀州犬で、親犬の慈愛に満ちた目を描くのに苦労したという。

 毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦75㌢、横110㌢)も完成した。3匹の子犬を守る母犬が描かれている。

(2017年9月8日付紙面より)

絵馬について説明する上野顯宮司=7日、新宮市の熊野速玉大社
2017年09月08日
72 第五福竜丸の経緯学ぶ 下里中3年生が平和学習 (那智勝浦町)

 那智勝浦町立下里中学校(前正則校長)は5日、3年生21人を対象に平和学習を実施した。1954年にマーシャル諸島のビキニ環礁近くでアメリカの水爆実験により被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」について、紀州語り部・仲江孝丸さんが講演した。

 3年生の修学旅行の行程に東京都立第五福竜丸展示館が含まれていることもあり、同船の歴史に詳しい仲江さんを招いた。生徒らはこれまでにも、NHKのドキュメンタリーや絵本の読み聞かせなどでビキニ事件について学んでいる。

 第五福竜丸はもともとカツオ漁船「第七事代丸」として旧古座町の造船所で作られた。4年間カツオの水揚げ日本一を誇り、51年にマグロ漁船として改造、53年に改名された。被災してからの福竜丸は56年に東京水産大学の練習船「はやぶさ丸」となり、67年に廃船となってからは東京都の夢の島に捨てられていた。

 やがて保存運動が始まり、76年6月、東京都の施設として展示館が開館。別の貨物船に移されていた福竜丸のエンジンが68年に三重県御浜町沖で貨物船と共に沈没し、96年に引き揚げられて福竜丸の横に展示された。

 仲江さんは、初めにサンゴでできた美しい島々の映像を紹介。この島々で46年から58年にかけて67回もの核実験が行われたと述べ、第五福竜丸が造られてから被ばくするまでの経緯、魚や環境への汚染などを語った。

 福竜丸が被ばくした水爆実験の名は「ブラボー」。実験当事者らの予想を上回る破壊力で、実験を行った島は消え去り深さ120㍍、直径1・8㌔のクレーターができたという。爆発によりサンゴ礁が蒸発、細かいちり(死の灰)となって降り、乗組員や近くの島の住人が被ばくした。

 ビキニ事件後、日本各地に水揚げされた魚は放射能汚染魚として次々と廃棄された。仲江さんは事件をきっかけに反核世論が高まり、55年、広島で第1回原水爆禁止世界大会が開かれたことを説明し、今年7月に核兵器禁止条約が国連で採択されたことも紹介した。

 授業の後、清原楓雅さん(14)は「ドキュメンタリーなどを見たが、今日は知らないことがたくさんあった。第五福竜丸のことを世界に知ってもらい核兵器をなくしてほしい」と話していた。

(2017年9月8日付紙面より)

映像に見入る生徒たち=5日、那智勝浦町立下里中学校
2017年09月08日
73 実践報告や講演受け研さん
 県内の母子保健推進員ら  (串本町 )

 串本町文化センターで6日、母子保健・健全育成住民会議があり県内の母子保健推進員や子育て支援関係者ら約400人が安心して生き生きと子育てできるまちづくりを目指して研さんした。

 この会議は、県母と子の健康づくり運動協議会(狭間歌子会長)が全体研修として年1回、県や母子保健推進会議と共に主催。会場は同協議会7支部で持ち回っていて、本年度は新宮・東牟婁支部(井野千代支部長)が主体になって計画した。

 同協議会のスローガン「社会が子育て、地域で子育て、環境づくり」を掲げ、同支部管内各市町村単位での活動状況紹介や実践発表、特別講演といった講演を準備。新宮市~三重県紀宝町で活動するユニット「ベリル」による演奏と管内の主な見どころの低空撮影映像上映といったオープニングを経て開会した。

 主催者を代表して井野支部長は母子保健推進員の意義や抱負を語り、「困っているお母さんや子どものために共に学びつながり、子育てを地域で応援しよう」、児玉征也東牟婁振興局長は県内の状況や取り組みを紹介し「地域のつながりが弱まった時代だからこそ、子育て支援包括支援センターで切れ目のない支援を行う必要があり、そのために地域に根付いたつながりが重要になる。常日頃から切れ目のない支援体制の充実を各市町村の皆さまと共に図りたい」とあいさつ。

 会場地を代表して串本町福祉課の瓜田真理子副課長が町長メッセージを代読。「皆さまが母子保健向上のために活動されていることに敬意と感謝を申し上げる。今後も支援の輪を広げ、地域の中で気軽に相談できる存在として子育て世代に寄り添ってほしい」という期待を参加一同に寄せた。

 実践報告では那智勝浦町北浜にあるかづこ助産院の本舘千子院長が登壇。「子ども達のために」と題して同院設立の経緯や実践として取り組んでいる各ライフステージの世代に命の大切さを伝える地域活動の体系を説明し、「いい母ではなく幸せな母が幸せな子をもたらす。その世代循環を生むために今後も活動する」と目指すところを掲げた。

 特別講演では梅花女子大学心理こども学部の伊丹昌一教授が「発達障害の理解と親子への支援」と題して登壇。子どもが何に困っているかを見抜き、周囲はどのように関わればよいかといった点で持論を展開し、参加者はヒントとなる事柄を探りながら聴講した。

(2017年9月8日付紙面より)

開会にあたりあいさつする井野千代支部長=6日、串本町文化センター
参加した県内の母子保健推進員や子育て支援関係者ら
2017年09月08日
74 50年ぶりに復活
 女性たちが「三輪崎の鯨踊り」  (新宮市 )

 1960年代に三輪崎の女性たちが踊っていた『三輪崎の鯨踊り』が復活しようとしている。踊るのは三輪崎老人クラブ連合会(江川守会長)の女性部員たち。22日(金)の舞込芸能大会で披露する予定で、1日には11人が老人憩の家はまゆうで練習に励んだ。

 『三輪崎の鯨踊り』は鯨を捕る様子を踊りに仕立てており、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が伝承している踊りは県の無形民俗文化財の指定を受けている。

 今回復活するのは手踊りで、江川会長は「僕が25歳くらいの頃、この地方を訪れた歌手が鯨踊りを『素晴らしい』と持ち帰ったと聞いた。その後、民謡集の中に手踊りとともに収められていたのを三輪崎青年会女子部が祭りの際に数年披露していました。波や網を投げる様子などが表現されています」と振り返る。

 当時踊っていたことのある、地域の70代の女性が教えており「先輩に教わったのを覚えていました。皆さん踊りたいという意欲があるのはいいこと」と話していた。

 江川会長は「当日は8人で踊る予定。踊りの復活は大変いいこと。協力も頂き、うれしく思う。懐かしく思う人もいるのではないでしょうか」と話していた。

(2017年9月8日付紙面より)

「ヨイハ」の掛け声に合わせて踊る女性たち=1日、新宮市三輪崎の老人憩の家はまゆう
2017年09月08日
75 県一次組み合わせ決まる
 選抜出場目指し、9日開幕  
2017年09月08日
76 佐藤春夫記念館だより 第22号1万7000部発行 
2017年09月08日
77 伊藤准一さんに委嘱状  新宮市民生委員児童委員  
2017年09月08日
78 100歳の長寿祝う 藏本せい子さんらを紀宝町長訪問 
2017年09月08日
79 感謝の気持ち伝え 那智勝浦町・寺本眞一町長が敬老訪問 
2017年09月08日
80 世界の海で生きる熊野人  櫻井敬人さん記念講演  (和歌山大学 )
2017年09月08日
81 陶芸に関心持って  新宮信金勝浦支店で二人展  
2017年09月08日
82 命を守る約束 那智勝浦町、園児が交通安全教室 
2017年09月08日
83 体験レッスンなど利用集める 串本町、Yoga in 橋杭 Beach 
2017年09月08日
84 6人が修了目指して受講 串本町消防本部、消防防災セで普通救命講習 
2017年09月08日
85 望楼の芝で大だこ揚げに挑戦 串本町、人の力のつながりを表現