石垣の適切な整備とは (新宮城跡 )
天候に恵まれた27日、新宮市の丹鶴城公園(新宮城跡)では満開の桜を楽しもうと、大勢の花見客でにぎわった。国史跡指定を受ける城郭跡を約150本の桜が美しく彩る同所では、幾多の自然災害の影響による石垣の崩壊や、樹木の成長による天守台の崩落や城跡の劣化が進んでいる。
新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。
市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出されている。
同所には、ソメイヨシノやシダレザクラ、ボタンザクラ、ヤマザクラ、など約150本の桜が植栽されており、シーズンには多くの人の目を楽しませている。しかし昨今、桜の樹木根などの影響で崩落・崩壊の可能性が懸念されている。
すでに崩落した場所もあり、樹木根で石垣が内側から押し出され至る所で緩みが生じており、危険視する声もある。
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和歌山城を有する和歌山市では、2019(令和元)年度、樹木による遺構や石垣破壊の懸念や老朽化した樹木の倒壊・枝折れ、樹木の衰弱化などの理由を背景に「史跡和歌山城樹木管理計画」を策定。
計画にのっとって20(令和2)年度から、石垣などを毀損(きそん)する可能性のある樹木や危険木の剪定(せんてい)および伐採、保全・育成すべき樹木の樹勢回復治療などに乗り出した。
総事業費(10年の短期計画において、既存調査結果により大径木のみを抽出)約4394万円を投じ、城の多様な価値の顕在化と調和を図りながら、本質的価値の次世代への継承や適切な活用を図るため、樹木・植栽の適切な管理を行っていくとしている。
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新宮市では、数年前に石垣の状態を調べ、調査書を制作した。戦後間もなく植えられた木も多く、景観整備の観点から石垣の保全に影響がありそうな木や危険木、老朽化した樹木を随時伐採しているという。
担当課は、現在のところ崩落につながる危険箇所はないとしながらも「大規模地震が発生したら分からない」。また、文化財の保護的観点と花見スポットとしての機能保持に対するジレンマも抱える。
「石垣などに影響のない木もあるが、最終的には切っていかなければならない。何十年か後には新宮城跡から桜がなくなるかもしれない。しかし花を目当てに訪れる人も多い。いかに多くの人に来ていただけるかを考え、どうやって整備活用していくかが課題」と話している。
(2021年3月31日付紙面より)
総会で事業計画など承認 (新宮商工会議所 )
新宮商工会議所(関康之会頭)は29日、新宮市井の沢の同会議所で通常議員総会を開いた。会員企業表彰式も執り行われ、「永年継続企業」の株式会社久保写真館と株式会社福田、「優良店舗」の合同会社土佐屋、株式会社エムアファブリー、カフェ&創作バル縁に表彰状などが贈られた。
永年継続企業表彰は、市内で創業または支店などを設置して満100年以上、会員歴10年以上の事業所を対象に地域経済への貢献をたたえるもの。
久保写真館は1889(明治22)年、久保昌雄氏が同市下本町に開業。1900(明治33)年に「熊野百景写真帖」を製作し、当時皇太子だった嘉仁(よしひと)親王(後の大正天皇)の結婚奉祝のため皇室に献上。写真帖の熊野の美しい風景が評判となり、一般にも焼き増し・販売され世に広まることになった。
福田は1895(明治28)年に福田貞一郎氏が同市大橋通に「福田光玉堂」を開店。1909(明治42)年に開催された大売り出しの新聞広告が資料として残っており、当時の活発な営業活動をうかがうことができる。46(昭和21)年に同市仲之町に移転。時計や宝石、眼鏡などの販売やヤマハ音楽教室を営む。
優良店舗表彰は、市内に店舗があり、経営手腕や施設、サービスなどに特徴がある会員歴3年以上の事業所が対象。
乾物や珍味などを取り扱う土佐屋(同市仲之町)は市内小学生や観光客に対して見学会や体験会を実施。学校への協力や地域観光に貢献するための取り組みも実施する。
アロマオイルなどを販売するエムアファブリー(同市緑ヶ丘)は、「熊野の香り」アロマオイルなど、天然にこだわった地域性の高い商品を開発、提供している。
カフェ&創作バル縁(同市徐福)は創作料理が中心の飲食店。飲食店以外にも、自店でくん製加工を施すタイアップ商品などの企画や展開も積極的に行う。昨年2月には特産品や地場産品などを販売するみやげ屋「わがらじまん」を駅前本通り商店街にオープンさせた。
関会頭は「永年継続企業」被表彰企業に対し「さまざまな苦難を乗り越え紡いでこられた先人の皆さまの努力に敬意を表する」。「優良店舗」3事業者に対し「バイタリティーあふれた経営方針に感服する」と祝辞。
新型コロナの影響で市内は厳しい経済状況であるとしながらも「そんな中でも輝きを放ち続けていくお店。これからもさらに進化し続ける店として頑張っていただきたい」と述べた。
総会では会員組織と財政基盤・商工観光振興対策事業の強化などを盛り込んだ令和3年度事業計画や収支予算などを承認した。
(2021年3月31日付紙面より)
樫野埼灯台及びエ号遺跡 (串本町 )
串本町樫野にある物件「樫野埼灯台及びエルトゥールル号遭難事件遺跡」が26日の官報告示により、正式に国指定史跡へと昇格した。町内では熊野参詣道大辺路に続く2件目の指定で、同町教育委員会教育課は喫緊で関係行事の計画はなくまずは認定証の到着を待ちたいとしている。
この物件は▽遭難者墓地(トルコ軍艦遭難慰霊碑一帯)▽遭難者上陸地▽船甲羅(一帯海域)▽樫野埼灯台▽同灯台旧官舎―を構成文化財とし、指定地面積は遭難海域を含むため約8万6238平方㍍に達する。
史跡としての起点は1959年に旧の枠組みとなる物件「トルコ軍艦遭難者墓地」の県指定にあり、後に他の構成文化財が加わって現在の枠組みの物件へと変遷。その構成で国の文化審議会文化財分科会が審議して昨年11月20日付で文部科学大臣に答申し、以降官報による告示を待つ状況となっていた。
史跡としての位置付けは、「近代における大規模かつ国際的な海難とその後の防災意識や日本とトルコとの国際交流・慰霊の歴史を明らかにする貴重な遺跡」といった内容。答申の段階で田嶋勝正町長は「関係団体と連携して維持管理に努め、いっそう親しみやすい環境整備も意識しながらPRしていきたい」とコメントしていて、告示によりいよいよ方向付く状況となった。
(2021年3月31日付紙面より)
クロマグロが水揚げ (勝浦地方卸売市場 )
生鮮マグロの水揚げ量が国内有数の那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で30日、今年最大の340㌔のクロマグロが水揚げされた。
三重県南伊勢町の第八市栄丸が27日夜に勝浦沖南400㌔で釣り上げたもの。クロマグロのサイズは全長2・52㍍、胴回り2・1㍍。1㌔当たり2540円で競り落とされた。
和歌山県漁業協同組合連合会によると、今年は勝浦漁港での水揚げは少ないとし、千葉県や宮城県は多く揚がっているという。
また、近海マグロの漁獲の規制については「和歌山県の3月31日までの枠はすでに終了している。4月からまた始まるが、今回の船は三重県の管轄のため、和歌山県とは別枠になる」と説明した。
同船の浜口希船長は「一度ロープが切れるほど苦労して釣り上げたのでうれしいが、新型コロナウイルスの影響で価格が心配」と話した。
太田直久市場長は「コロナの影響で現在はマグロ全体の価格が半値以下になっている。期待しづらいが値段が一番良い時期にたくさん揚がってくれるとうれしい」と話した。
(2021年3月31日付紙面より)
グラウンドゴルフ「春季大会」 (宇久井GG )
水害耐えたソメイヨシノ (新宮市熊野川町 )
熊野地方を中心に甚大な被害を及ぼした「紀伊半島大水害」から今年で10年。傷つきながらも当時の水害に耐えた熊野川町相須のソメイヨシノが、今春も花の盛りを迎えている。木を植えた平岩明さん(83)は「毎年、この桜を見るのが楽しみ」と妻・アツ子さん(74)、愛犬・元気君と共に花を見つめ、目を細める。
2011年8月25日、マリアナ諸島の西の海上で発生した大型の台風12号は、紀伊半島を中心に記録的な豪雨を降らせた。熊野川の氾濫で多くの家屋が浸水。幹線道路が寸断され、山間部で土砂災害が発生した。
平岩さんが50年ほど前に植えた桜も濁流にのみ込まれた。アツ子さんが「かわいそうに」とこぼすように、幹には濁流によって付いた痛々しい傷が残っている。「ここに丸太が引っ掛かっていたんですよ」。アツ子さんは傷跡を指で示す。
水害で地区はほとんどの家が浸水。平岩さんの家も同様に被害に遭った。裏手から山へと逃げ、以降8カ月にわたり仮設住宅での生活を余儀なくされた。アツ子さんは「同町日足の仮設住宅では優しい人ばかりで、とても心強かった」と回顧する。現在は取り壊した自宅跡地をかさ上げし、新しい家を建てて暮らしている。
「今年も見事に咲いてくれた」と桜を見上げながら明さんはつぶやく。水害を生き抜いた桜を、明さんは「平岩桜」と命名した。「水害から10年。長く生かせてもらった。花が咲くと元気をもらえる。今年は特に見事。家の2階からの眺めが最高ですよ」と笑顔で話した。
(2021年3月28日付紙面より)
文化複合施設「丹鶴ホール」 (新宮市 )
新宮市は、今年完成予定の市文化複合施設「丹鶴ホール」の施設開館に向けて機運を高めようと、市庁舎に懸垂幕、市庁舎周辺と市内商店街にのぼり旗を設置した=写真。
のぼり旗は市内中学校の美術部の生徒がデザイン協力。21種類63本を制作した。駅前本通り・丹鶴・仲之町の各商店街に掲揚されており、継続して施設完成に向けて市民の関心を促すPR役の一助を担っていく。
担当課では「各商店街でお買い物の際には、ぜひご覧いただければ」と話している。
(2021年3月28日付紙面より)
モニターツアーに24人 (新宮市 )
新宮市は23日、市内各所で日帰りモニターツアー「新宮の世界遺産体験コース」を実施した。24人の市民が参加。熊野古道ウオークや川舟下り、町歩きなどを通して地元に対する関心を高める機会とした。
世界遺産や新宮城跡など、市内の観光素材の魅力を再発見してもらおうと企画。20日は東牟婁郡内在住者を対象に「新宮の世界遺産3社巡りと新宮城跡散策コース」を催し、参加者らは熊野速玉大社や新宮城跡、徐福公園などを散策し知見を広めた。
市民限定で実施された23日のツアーでは、参加者は貸切バスで小和瀬へ。市観光協会登録ガイドの案内で熊野古道・大雲取越を歩き、円座石(わろうだいし)などを見学。熊野川温泉さつきで昼食を取った。
熊野川町からは、世界で唯一「川の参詣道」として世界遺産に登録されている熊野川を川舟下りで移動。市街地に下った一行はその後熊野速玉大社や周辺を散策し、体験を通じてまちの魅力を肌で感じていた。
初めて川舟下りに乗船したと話す三﨑幸子さん(70)は「御船島を近くで見ることができた。案内のおかげもあり新しい発見でいっぱい。とてもいい体験だった」と笑顔。
「新宮市には素晴らしい所がたくさんあると改めて感じた。新型コロナが落ち着いたらもっとアピールして観光に力を入れてほしい」と話していた。
(2021年3月28日付紙面より)
井筒建設が車椅子など寄贈 (さんぎんSDGs私募債 )
那智勝浦町勝浦の井筒建設株式会社(井筒千津留代表取締役)は26日、第三銀行のSDGs(持続可能な開発目標)私募債を利用して、町立温泉病院(山本康久院長)に車椅子2台と歩行車3台を寄贈した。同日、同町役場で寄贈式が開かれた。
SDGs私募債は、社会貢献活動の一環として実施。同行が私募債を発行する企業から受け取った手数料の一部(発行額の0・20%)を企業が指定する学校や福祉施設などに寄贈している。
2017年からCSR私募債を開始し、19年より内容を一部変更してSDGs私募債の取り扱いを始めた。同銀行では通算77件、約1200万円の寄贈を行っているという。
井筒建設はこれまでにも同町市野々の「那智川平野川他流域整備工事」を実施する際に近隣住民や熊野古道を訪れる観光客のために誰もが利用できるトイレと休憩所を設置し、社会貢献活動に努めている。
また、以前にも町教育委員会に書籍を寄贈しており、私募債発行は2回目。今回、病院側の希望からレッグサポート付き車椅子と歩行車の寄贈に至った。
井筒代表取締役は「創業以来、地域の皆さまや多くの方々に支えられてきた。第三銀行さまにお声掛けをいただき、温泉病院さまに車椅子と歩行車を寄贈させていただいた。町のお役に立つことができれば幸いです。これからも地域の活性化や社会貢献に取り組んでいきたい」と思いを語った。
この日、同銀行勝浦支店の小林秀行支店長やソリューション営業部営業課の大矢雄一課長代理と共に来庁した山川憲一・取締役兼常務執行役員は「井筒建設さまは地域貢献意欲の高い事業者。ご意向を受け、連名で温泉病院さまに車椅子や歩行車を寄贈させていただいた。ご活用いただければ幸いです」と話した。
堀順一郎町長は「寄贈いただきありがたい。有効に活用させていただきます」。
山本院長は「ご寄付いただいた品々は本当にありがたい。地域密着型で高齢化社会に優しい心に寄り添う病院を目指して頑張っていく」と感謝を述べた。
(2021年3月28日付紙面より)
紀南十高校春季野球リーグ戦
「銀河」受入協議会を設立 ( )
JR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」(以下「銀河」)が、今年7月から秋にかけて京都―新宮間を運行する。「銀河」の乗客を受け入れる体制を整えるため、和歌山県と1市5町1村で構成される受入協議会が設立。25日、市役所別館で設立総会および第1回総会を開催した。事業計画や収支予算などが承認された。
「銀河」の受け入れにおいて、構成団体の情報の共有を図り、乗客に対する満足度の高いおもてなしを通じて、当地域への継続的な運行を確保し、将来にわたって地域振興・経済の活性化などに寄与することを目的に設立。新宮市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町、県で構成されJR西日本和歌山支社がオブザーバーを務める。
目的達成のために▽「銀河」受け入れのための情報収集および情報共有▽「銀河」を活用した誘客対策▽その他、協議会の目的を達成するために必要な事項―の事業を行う。
2021年度においては停車駅でのおもてなしや列車内イベント実施など「銀河」の乗客を受け入れる体制を整え、関係団体と協力し、当地域のPRを積極的に行い、誘客・周遊を促進していく。また、地域住民の機運醸成やJR西日本に働き掛けを行い、「銀河」の継続的な運行を要望していく。
「銀河」紀南パスポートやスタンプラリーなどの「地域内周遊事業」、イベント出展などの「情報発信事業」、ノベルティ作成などの「おもてなし事業」、駅や車内で物産販売を行うなどの「地域活性化事業」を展開していく予定。
役員には、会長に田岡実千年・新宮市長、副会長に田嶋勝正・串本町長、監事に堀順一郎・那智勝浦町長、井口好晴・東牟婁振興局長が選出された。
協議会設立に当たり、田岡市長は「列車の運行はコロナ禍で落ち込む地元事業者にも良い影響を与えるものと大いに期待している」。田嶋町長は「銀河で訪れた人に再訪いただくためにどうすればいいか、そこに力を傾注していかなければ」とそれぞれあいさつ。
JR西日本和歌山支社の冨本直樹支社長は「銀河をきっかけに紀南地方の素晴らしさを実感し、何度もこの地域にお越しいただけるようなきっかけづくりに貢献していきたい」と力を込めた。
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■WEST EXPRESS 銀河
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJRが運行する長距離列車。車両は117系6両1編成。定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置。
シンプルながら高い快適性と落ち着いた車内空間を提供するとともに、車窓から沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
(2021年3月27日付紙面より)
温泉むすめと駅メモがコラボ (那智勝浦町 )
株式会社モバイルファクトリー=東京都=が配信するアプリの位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!」「駅メモ! Our Rails」が9日より、株式会社エンバウンド=東京都=が展開する人気コンテンツ「温泉むすめ」とコラボレーションを開始した。その中で南紀勝浦温泉の「南紀勝浦 樹紀(きき)ちゃん」が和歌山県で唯一の参加となった。
同ゲームはスマートフォンのGPSを使い全国各地の鉄道駅を訪問し、鉄道をモチーフにしたキャラクター(通称でんこ)を集めながら、他のプレイヤーと競い合うもの。「おでかけ記録」や「称号集め」なども簡単操作で楽しめるという。
温泉むすめは全国の温泉地をキャラクター化し、知的財産(キャラクターIP)を通して、日本各地の温泉地や地方都市の魅力を国内外に発信することが目的。観光庁の後援も受けている。
今回、「でんこ」として登場する温泉むすめは各温泉地において観光大使や温泉大使を務めるキャラクターで、樹紀ちゃん含めて6人。
樹紀ちゃんのでんこを入手するには那智勝浦町の南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長)やJR紀伊勝浦駅、JR那智駅、勝浦漁港にぎわい市場でアプリを使用してチェックインなどをする必要がある。
また、キャンペーンの実施に併せてコラボグッズであるアクリルキーホルダーが各温泉街で販売中。南紀勝浦温泉旅館組合では同ゲームの人気キャラクター「岩切よしの」ちゃんと樹紀ちゃんがコラボしたキーホルダーが販売されている。
同組合の中平理咲さんによると、樹紀ちゃんのでんこ入手とキーホルダーを購入するために連日5~10人、土日で50人ほどの旅行客が訪れているという。
中平さんは「今回のコラボ企画は『温泉むすめ』と『駅メモ!』両方のファンの方に当地方を訪れていただく良い機会となった。那智勝浦町にお越しになられたお客さまに『南紀勝浦温泉にまた来たい』と思っていただけるよう、温泉むすめとのコラボ事業に一層力を入れてまいります」。
新型コロナウイルス感染症対策については「コロナ禍でのご旅行に不安があるかとは思いますが、少しでも安心して旅館組合にお越しいただけるよう、こまめな消毒・換気・マスク着用での接客を徹底しております。観光客だけでなく地元の皆さまにもお気軽に南紀勝浦温泉旅館組合へお越しいただけると嬉しいです」と語った。
(2021年3月27日付紙面より)
登録有形文化財(建造物)答申
国の文化審議会がこのほど、登録有形文化財(建造物)の新規登録について文部科学大臣に答申した。対象とする物件には古座川町西向にある旧谷畑家(たにはたけ)住宅(こざがわ)主屋(おもや)も含まれ、本登録が待たれる状況となった。
登録有形文化財(建造物)は、近代を中心とする多様かつ大量の文化財を保護する目的で1996年に制度導入。登録後も規制に強く縛られることなく多彩に活用しやすい緩やかな保護を特色とし、原則として建設後50年を経過し一定の評価を得た建造物を登録の対象としている。
旧谷畑家住宅は串本町西向78―1(岩渕区内)にある、材木商だった谷畑家が1954年に建築した入母屋造、瓦葺(ぶ)きの木造2階建て家屋。小庇(こひさし)が付き出桁(だしげた)造りで吹寄垂木(ふきよせたるき)を配する屋根など凝った造作に加え、2階の座敷が古座川の眺望に秀でる配置になっているなど立地を生かした設計も宿す近代和風建築の好例と評価され、登録基準「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の枠で新規登録の答申が成されるに至った。
現在は県福祉事業団が取得し障害者の就労施設として活用。飲食店「うどんとうなぎの古座川」兼ギャラリーこざがわを、スタッフ5人と障害者4人のチームで営んでいる。営業時間は午前11時~午後2時で、火曜定休。普段使いの延長で建造物内外に親しめる状況は、本登録後も続けるという。
この施設を管轄する同事業団東牟婁圏域統括責任者で障害者支援施設「古座あさかぜ園」の佐武寛子園長は、「登録により今以上に多くの皆さんにこの施設を知っていただき、建物と事業共々なじんでいただけたら何より。今後も大切に活用させていただきます」と気持ち改まるところを語った。
串本町内では先んじて樫野埼灯台旧官舎と旧神田家別邸〈稲村亭〉が登録されていて、旧谷畑家住宅が本登録されれば町内で3件目、旧古座町域では初の登録となる。
(2021年3月27日付紙面より)
新入学児らにランドセルカバー贈呈 (交通安全協会新宮支部 )
和歌山県交通安全協会新宮支部の田中肇支部長らは25日、新宮市役所を訪れ、市教育委員会の速水盛康教育長に新入学児童212人(小学校5校202人、支援学校1校10人)分の交通安全ランドセルカバーを、子育て推進課の辻本美恵課長に市内12の保育所や保育園(所)などの新入園児175人分の巾着袋を贈った。
毎年、春の全国交通安全運動期間を前に実施している事業で、新生活を迎える児童・園児や保護者、ドライバーの交通安全意識の高揚を図ることを目的としている。
田中支部長は「保護者の人も交通安全について教えていただくきっかけになれば。また、目立つ黄色いカバーを見かけたら、ドライバーの方にもより一層優しい運転をしてもらえたら」。
目録を受けた速水教育長は「ランドセルカバーを付けることによって、1年生ながら交通安全について考えて安全登校をしてもらえるのでは。自分の力だけでなく、地域に見守られながら新しいスタートを切っていただけると思います」と感謝を示した。
ランドセルカバーは県内共通、巾着袋は同支部独自の取り組みという。24日には本宮教育事務所と北山村を訪れ、25日には太地町、那智勝浦町の児童・園児に対しても贈呈を行った。
(2021年3月27日付紙面より)
和歌山県エンジョイなぎなた大会
三和大会、1年ぶりに開催 (グラウンドゴルフ )
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は15日、同大社瑞鳳殿で会見を開き、4月13日(火)~15日(木)にかけて斎行される同大社例大祭「本宮祭」の体制を発表した。新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、神事・祭典は神職ならびに総代会、青年会関係者のみ。人数制限などの対策を講じつつ、緩やかに従来の規模に戻して執り行う。
熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。
昨年は新型コロナの全国的な拡大状況を考慮し、神事を一部中止。規模を縮小して実施した。
祭りの始まりを告げる「湯登神事」は、湯の峰温泉で身を清めた稚児の頭に神を降ろす神事。和歌山県の無形民俗文化財の指定を受けている。額に神が降臨した証しである「大」という文字を書かれた稚児らをウマ役の父親が背負い、湯の峰での神事の後大日越えを果たす。
昨年は主人公である稚児の参加を見合わせたが、従来12人が参加するところ、今年は県内から5人の稚児が参加する。同じく昨年は中止となった地元中学生による大和舞は20~50代の青年会有志により継承。現在、当日に向けて練習を重ねているという。
15日の本殿祭における参列者は、同市をはじめ紀南地方の関係者のみに呼び掛け100人までとする。マスク着用を呼び掛けるほか検温も実施する構え。例年なら修験者や巫女(みこ)など、約300人の規模で行う渡御行列も50人程度に人数を制限し執り行う。県内の女性による巫女舞、御田植神事、護摩たきなども実施する。
また、今年は初の試みとして祭りの様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」の同大社公式チャンネルで配信する予定としている。
同大祭の概要を説明した九鬼宮司は「コロナの現状に鑑み、心苦しいが県外からの参列はご遠慮いただいた。今年も厳しい状況は変わらないが、少しでも元気を与えられるように、昨年より緩やかに執り行うことができれば」。
榎本隆文・総代会長は大和舞について「コロナ禍で中学生の参加が困難な中、青年会と協議した結果『どうしてもやりたい』ということになった」と説明。髙栖浩史・青年会長は「大和舞も巫女舞も祭りの中では重要。2年連続中止では、携わる人の意識も薄れてしまう。青年会でやるべきだと感じた」と経緯を話した。
【本宮祭タイムスケジュール】
■4月13日(火)
▽湯登神事(午後1時~)
▽宮渡神事(午後5時30分~)
■4月14日(水)
▽船玉大祭(午前10時~)
■4月15日(木)
▽本殿祭(午前10時~)
▽渡御祭(午後1時~)
▽還御祭(午後4時~)
(2021年3月17日付紙面より)
院内医療従事者を対象に (紀南病院 )
医療従事者を対象とした新型コロナウイルスワクチンの優先接種が15日、御浜町阿田和の紀南病院で始まった。12日に第1便280人分のワクチンが到着し、「超低温冷凍庫」に保管。初日は院内の医師、看護師、医療技術職員ら約30人に接種した。
国が先月から医療従事者を対象に先行接種を開始し、今月から対象を全国の医療従事者に拡大した。三重県では今月初めから配布を開始し、すでに尾鷲市や伊勢市、津市などで優先接種が始まっている。
紀南病院ではこれまで、県内医療機関で先行接種の見学、会場設営のシミュレーションなど事前準備を整えてきた。
接種対象者は、院内の医療従事者をはじめ救急隊員、地域の医療従事者、薬剤師、新型コロナに対応する行政職員など約1000人。今回は19日(金)まで接種を行う。第2便の到着時期は未定だが、ワクチンが届き次第、接種するという。
院内で最初に接種した加藤弘幸院長は、アレルギー反応などに備えて約30分、別室で待機。その後「針を刺された感覚も少なく、痛くもなかった。職員が接種して不安がある際は病院に連絡し対応する体制を整えている」と話した。
(2021年3月17日付紙面より)
学童保育所新施設完成式 (古座川町 )
古座川町が15日、中央公民館で学童保育所「きらり」の新施設完成式を開いた。条例上の移転期日は4月1日(木)。段階的に進める引っ越しで機能が新施設へ移るため、同日付で本年度登録児童が先行利用を始めている。
同町の学童保育所は2007年、学童保育所を支える会の発足に伴い開所した。その需要を察した同町は2年後の09年に同保育所設置条例を制定。玄関が道に接していた旧施設(現古座川漁業協同組合)に代わり、高池小前の旧教職員住宅を改修した現施設を準備して同会に運営を委託した。
児童定員20人の現施設に対してここ数年は年間35人程度の利用登録があり、常にその数が利用しているわけではないが逆に利用が集中した時の許容超えが課題に。同会は11年の紀伊半島大水害に伴う床上30㌢の浸水で老朽化に拍車がかかり、耐震性がなく衛生管理面でも課題を感じて18年に施設の更新を要望した。同町は検討の末、最寄りにある町民体育館前の民家を前年度に取得。本年度は耐震改修工事を進め、今年1月に完了した。
木造2階建てで、延べ床面積は約152平方㍍。敷地面積は約733平方㍍あり、建物以外に庭園や旧耕作地、職員駐車場や送迎の一時駐車場所を含む。建物は児童定員を40人とし、2階を倉庫、1階を児童や職員の過ごす場所とする。
職員には和室(=事務所)、児童には和室2室と洋室1室を割り当て。他に台所と温水洗浄便座付き洋式トイレ二つ、住居由来の浴室も備える。取得や設計を含めた総事業費は約2554万円。現施設が抱える課題の大半を今回の事業で解消する形となっている。
完成式で西前啓市町長は、周囲の支援あればこその新施設だと同事業を振り返り今まで以上の活用と運営協力を今後に希望。中道悟教育長は「児童が有意義に放課後を過ごせるよう努める」、同会の皿田由紀子会長は「安心して過ごせる居心地のいい場所を意識して運営する」とそれぞれ意気込みを掲げて感謝し、町議会の瀧口定延議長や仲本耕士副町長も同席してこのやりとりを見届けた。
(2021年3月17日付紙面より)
ESS部がオンライン交流会 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長)のESS部(水谷菜乃部長)は15日、インド東部の大都市コルカタと中継をつないでオンライン交流会を開いた。部員6人を含む生徒16人が参加し、在コルカタ日本総領事館の政府開発援助(ODA)嘱託業務を担当する渡邉大貴さん(28)を案内人に、現地の街を旅した。
ESS(English Speaking Society)部は楽しみながら英語を学ぶクラブ活動。
渡邉さんは現地の屋台でグアバやココナツを買いつつ、クラクションが鳴り響くにぎやかな街の様子を紹介。一時は世界第2位の新型コロナウイルス感染者数を出していたインド国内の情勢も落ち着き、高齢者を優先してワクチン接種が始まっていると話した。
日本総領事館での仕事について「政府開発援助は、国同士の助け合い。井戸水の汚染で病気がまん延する地域を援助したり、差別を受けている人々に職業教育をしたりする。日本の国民から集めた税金を使うため、支援方法や効果について綿密な調査や報告書を作る必要があり、とても大変で責任のある仕事」と語った。
エチオピアでの青年海外協力隊活動が基になって国際協力の道を志した経験を振り返り「世界は広く、さまざまな文化がある。学生の皆さんには視野を広げ、いろんなことに挑戦してほしい」と呼び掛けた。
27日(土)から始まる西ベンガル州議会議員選挙に伴い、デモや暴動の防止のために現地のインターネット接続が規制されるハプニングもあり、生徒たちはインドと日本の情勢の違いに驚いていた。
仲美咲さん(2年)は「タクシーの運賃が安かったり、選挙でインターネットが使えなくなったりと、日本ではあり得ないことがたくさんあり、文化の違いを感じた」と話していた。
(2021年3月17日付紙面より)
来週から、医療従事者に接種開始 (新宮市 )
都道府県が実施する、新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が全国で始まっている。新宮・東牟婁地方では12日午前、195バイアル(1箱、975人分)が新宮市立医療センターに到着。ワクチンは今後、那智勝浦町立温泉病院、くしもと町立病院に配分される。
ファイザー製ワクチンは、先月12日に輸入第1便として、最大38万6100回(19万3050人)分が到着。21日の第2便では最大45万2790回(22万6395人)分、今月1日の第3便で最大52万6500回(26万3250人)分が国内に届いた。
和歌山県では今月6日、3900回分が県内11病院に到着し、8日に接種が始まった。市立医療センターでは17日(水)から19日(金)にかけて、医師・看護師・技術スタッフなど同センター職員に接種を行っていく予定だ。
12日、河野太郎行政改革担当相は会見で、6月までに計約1億回分(約5千万人分)のワクチンを調達できるとの見通しを表明した。欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週9188箱、最大約1千万回分が日本に到着し、全ての高齢者約3600万人分を6月末までに市区町村に届けるなどの方針を示した。
今後のスケジュールによると、15日(月)に360箱が日本に到着。医療従事者分のワクチンについて、5月10日の週に対象者全てが2回接種できる量の配送が完了するという。
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4月中旬から高齢者への接種が始まる新型コロナワクチン。和歌山県では、16日(火)に相談窓口を開設し、ワクチンの効果や副反応に係る相談などに対応していく。相談は電話(073・441・2593)もしくはFAX(073・431・1800)で応じる。受付時間は土・日・祝日含む午前9時~午後6時。接種券、接種場所、接種時期などについては各市町村に問い合わせる。
(2021年3月14日付紙面より)
ICOCAもエリア拡大 (JR西日本 )
春のダイヤ改正に伴い13日、JRきのくに線・紀伊田辺―新宮駅間に新型車両227系が導入された=写真。同車両には車載型IC改札機が搭載。これにより、県内全域でICOCA(イコカ)が使用できるようになった。
同車両は、アーバンネットワーク共通のインテリアデザインを採用。客室には間接光を組み合わせたLED照明を用いるなど落ち着いた車内空間となっている。2019年春のダイヤ改正により近畿圏に初投入。和歌山線・桜井線、きのくに線の一部に導入された。和歌山県と奈良県では、文化・歴史・自然の奥深さを表現した緑色が配されている。
同日午前6時53分、第1便が新宮駅を出発。駅のホームには新型車両を写真に収めようとスマートフォンや一眼レフを手にした鉄道ファンの姿が見られた。
ICOCAが新たに使えるようになるのは同区間で21駅。ICOCA、ICOCA定期券が利用できる。また、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使うことができる。
(2021年3月14日付紙面より)
フラット7紀宝バイパス店で2人展 (紀宝町 )
アフリカを代表する現代アートでタンザニア発祥の「ティンガティンガ」。現地でその芸術を学んだ2人のアーティストによる作品展が14日まで、紀宝町神内の紀宝バイパス沿いにある「フラット7紀宝バイパス店」で開かれている。入場無料で、時間は午前10時30分から午後5時まで。14日午後1時30分からはピアノに作品を描くという。
出品したアーティストは、SHOGEN(上田祥玄)さん(34)と御浜町立阿田和小学校6年のHARUKA(細川悠花)さん(12)。赤、青、黄、緑、白、黒の6色の外壁用油性ペンキを用いて描いた35点を展示した。
ティンガティンガは、1960年代末に生まれた絵画スタイル。サバンナの動物や豊かな自然、人々の暮らしを6色のペンキを使って、色鮮やかに描き出す。
SHOGENさんは京都の雑貨店で出会ったティンガティンガに魅了され、その日のうちにタンザニア行きのチケットを購入。2014年7月から約1年間、現地で生活しながら修行を積んだ。現地で、タンザニア政府にパトカーを寄贈したHARUKAさんの父と知り合い、帰国した翌年、小学1年のHARUKAさんと出会った。
「ティンガティンガは人の背中を押してくれるアート。コロナ禍だからこそ見てほしい。タンザニアの人たちと同じ生活をしたHARUKAさんにも会いに来てほしい」。
HARUKAさんもティンガティンガに心を引かれ、小学4年の夏休みに2週間ほどタンザニアで学んだ。帰国後、初めて描いた「草原の中の夢」や、未来を意味するスワヒリ語の「baadaye」と題してヒマワリを描いた作品など27点を出品。「ヒマワリは太陽に向いて咲くので、前を向くイメージで描いた。ティンガティンガは自分が思ったときに好きな動物などを描けるので好き」と話していた。
(2021年3月14日付紙面より)
中学校で卒業証書授与式 (新宮・東牟婁 )
新宮市、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町の公立中学校で9日、卒業証書授与式が挙行された。義務教育を修了した卒業生たちが思い出の詰まった校舎を巣立ち、それぞれの道へ歩を進めた。なお、北山村は8日に式を実施した。
本年度の卒業生は新宮市207人、那智勝浦町107人、太地町22人、串本町77人、古座川町24人、北山村3人の計440人。
新宮市立緑丘中学校(松本潤校長)は、体育館の全面改修工事に伴い、同市徐福の蓬莱体育館で式を実施した。
松本校長は卒業生81人に一人一人証書を手渡し、「みなさんの周りには、たくさんの応援団がいる。家族をはじめ、地域の方々や先生たちです。母校、緑丘中学校の誇りを胸に、この学びやで育んだ絆を生かして、新たな一歩を踏み出していきましょう」と式辞を述べた。
卒業生を代表して西珀人君が、個性豊かな友に恵まれた3年間を振り返り「僕たちはたくさんの経験をしながら大人に向かっていく。これからも温かく見守っていてください」と答辞。在校生には「自分の好きなことをしながら、緑丘中学校を雰囲気の良い学校にしていってほしい」と語り、自分たちに根気強く向き合ってくれた教職員や学校生活を支えた家族に感謝を伝えた。
最後に、卒業生が手話を交えて「旅立ちの日に」を合唱。教職員と保護者が「想い出がいっぱい」を歌って送り出した。
(2021年3月10日付紙面より)
健康ウオーキングに20人参加 (紀宝町 )
紀宝町大里の「相野谷川・電気の谷往復コース」を歩く健康ウオーキングが7日にあった。20人が参加し、ウオーキングの基礎を学んで緑鮮やかな渓谷沿いを歩いた。
運動習慣のきっかけや仲間づくりを目的とした町山歩き部会と町みらい健康課の合同企画。健康運動指導士の杉浦資史さんを講師に招いた。
大里親水公園駐車場に集合後、杉浦さんがストレッチ法を紹介。ゆっくり全身をほぐし「ストレッチは姿勢づくりに効果的。朝や疲れたときに取り組んでください」と呼び掛けた。
ウオーキングはリズムが大切と伝え、「早く歩く」「ゆっくり歩く」を繰り返すウオーキング法「インターバル速歩」を指導した。
歩き方の基礎を学んだ参加者は、往復5㌔のウオーキングに出発。通称「電気の谷」に架かる吊り橋を渡り、1903(明治36)年に開設された大里発電所横の石段を登って水路上の道へ。リズムや足の運びを意識しながら上流の取水堰を目指した。
折り返し地点には、浸食によってできた円形のくぼみ甌穴(おうけつ)が大小数個あり、参加者は川の歴史を満喫しつつ、帰りは渓谷を眺めながら雄大な自然を楽しんだ。
(2021年3月10日付紙面より)
ゆかし潟で花咲かす (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河の国道42号沿いで現在、クマノザクラが満開を迎えている。付近を散歩する町民や車を運転するドライバーたちの目を楽しませている。
桜の場所はゆかし潟近くの「みなとはし歩道橋」すぐ横。ピンク色をした無数の花びらが美しく咲き、地域に春を告げている。
ゆかし潟周辺でもクマノザクラを見ることができるほか、町教育センター(旧三川小学校)近くの河川公園裏の山にもヤマザクラが色づき始めている。今後はソメイヨシノなどの桜の開花も控えている同所では、毎年きれいな桜を目当てに散歩や写真撮影に訪れる町内外の人々も多い。
また、喫茶きよもん前では愛らしいヒドリガモの群れが泳ぐ姿も見ることができる。
(2021年3月10日付紙面より)
13日、新型車両にバトンタッチ (JR西日本 )
13日(土)の春のダイヤ改正に伴い、和歌山県からその姿を消すJRの車両「105系」。13日以降は新型車両227系にバトンタッチされる。かつては通勤・通学の足として、多くの人の生活を支えた。新宮発のラストランは12日(金)午後9時59分。同日をもって県、そして近畿地方から勇退となる。
105系は、日本国有鉄道(国鉄)が1981(昭和56)年から製造した直流通勤型電車。国鉄分割民営化後はJR西日本とJR東日本に継承されたが、JR東日本ではすでに全廃されている。
和歌山県では84(昭和59)年に導入。2009(平成21)年度からJR西日本が実施した、地域に合わせた統一塗装により太平洋をイメージした青緑色の塗装が行われ、海沿いや山間を疾走する鮮やかな姿が多くの人の目に焼き付いている。
和歌山線では19(令和元)年9月30日をもって廃止。現在は紀勢本線(新宮―紀伊田辺間)の他、岡山県と山口県の一部路線で運用されているのみで、紀勢本線での廃止は和歌山県と近畿地方での廃止につながる。
ラストランを目前に、JR新宮駅の小谷典史駅長は「古い電車なので、暑かったり寒かったりと乗客の皆さまにはご不便を掛けたこともあったが趣のある電車だった。新型車両導入後は快適にご利用いただけると思っています」と話している。
13日からは車載型IC改札機が搭載された新型車両が新宮―紀伊田辺間を走行。区間21駅でICOCA(イコカ)、ICOCA定期券が利用できるほか、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使用可。これにより県内全域でICOCAが使えるようになる。
(2021年3月10日付紙面より)
春季近畿高校野球和歌山県予選
新年度案を3月議会に上程 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の堀順一郎町長や幹部職員らが2日、会見を開き、一般会計79億8700万円の令和3年度当初予算案を発表した。前年度より7億3200万円(8・4%)減となった。予算案は9日(火)開会の町議会定例会に上程する。
当初予算は子ども・子育て支援に重点を置き、少子化対策や子育て支援策として「赤ちゃん誕生祝い金」「高校生の通学補助」などの事業を実施する。
防災・減災対策では令和2年度に引き続き、消防・防災センターの新築工事を進めていくという。さらにオペラや「紀の国わかやま文化祭2021」などのイベントを通じて主力産業である観光産業の振興に力を入れる方針だ。当局は今議会で町政運営の指針となる「長期総合計画」を上程する。
堀町長は新型コロナウイルス感染症の影響から、宿泊者数が対前年比38%減の22万8303人となったと説明。3万7022人だった外国人宿泊客が95%減の1941人に落ち込み、マグロの水揚げ量が9509㌧から8079㌧に減少したと報告した。
今後や当初予算については「緊急事態宣言の解除に伴い、GoToキャンペーンの再開を見越して経済対策を実施していきたい。ワクチン接種を進めることが一番の経済対策だと思う。引き続き、防災・減災対策を行うとともに、自然にやさしいゼロカーボンに向かって各事業を行っていく」と話した。
また、4日にワクチン接種の確認作業を実施し、5日(金)から相談窓口を開設するとした。
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町税収入は2016万円(1・4%)増の14億1239万円を計上。新型コロナウイルス感染症の影響で、令和2年度に徴収猶予した分の固定資産税が令和3年度に納入されることから、滞納繰越分が大幅に増加した。
歳入の3分の1強を占める地方交付税は1億円(3・3%)増の31億円。国県支出金は1億4344万円(12・1%)増の13億3307万円。
借り入れに当たる町債は8億9911万円(66・4%)減の4億5540万円となった。歳入の不足を補う基金繰入金では財政調整基金、減債基金合わせて6億円となった。
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民生費が4024万円増の26億3970万円で全体の33・1%を占め、続いて14・5%を占める衛生費が11億6082万円、公債費が11億2949万円となった。
前年度と比較し1億572万5000円増と大幅に増加した教育費は6億6190万9000円を計上。主な要因は熊野参詣道中辺路の石倉峠災害復旧工事に係る費用だという。
また、消防費は大幅に減少し9億4802万円減の4億4580万7000円となった。防災行政無線デジタル化整備事業、消防・防災センター用地造成事業に係る費用の減少が要因となった。
(2021年3月4日付紙面より)
子ども教育15年プラン冊子 (古座川町 )
古座川町教育委員会がこのほど、子ども教育15年プラン〈令和3~7年度〉を冊子化し、1日付で町内の各保育所・小学校・中学校に通う子どもの家庭へ配布した。
同プランは町域における0歳から15歳までの育ちを大切にする保小中一貫教育の筋道を示す計画で、同町の教育振興基本計画に相当する。2016(平成28)年度に導入し、5年周期で改訂する仕組みに基づいて教育委員会と保育所や学校が一丸となり約1年にわたって協議。その集大成が同プラン〈令和3~7年度〉となる。
大枠の教育目標「心豊かに たくましく羽ばたく 古座川っ子の育成」を1期目〈平成28年度~令和2年度〉から引き継ぎつつ、詳細は現状と照らし合わせて多岐に改訂。1期目と比べたときの大きな変化は、保育所から小学校へのつなぎをより強く意識し直した点や重点活動の「英語教育」と「読書活動」を継続しつつ「古座川アドベンチャープログラム(KAP)」を「ふるさと教育」に置き換えた点にある。
保育所と小学校のつなぎの強化では、幼児期終了時に育っている10の姿を踏まえて児童期へつなぐ流れを意識。ふるさと教育は子どもにより一層ふるさとへの誇りを持ってほしいという地域の期待の高まりに応えるための重点化だという。
▽確かな学力(自ら学ぶ力=知)▽豊かな人間性(ともに生きる力=徳)▽健康で元気(たくましく生きる力=体)をバランス良く備えた子どもの育成が同プランの目指すところ。分かりよく保育所や学校、地域社会、家庭の役割も見据えた概要樹も示して、全体像の理解を図っている。
全容版となる冊子はA4判カラー54㌻構成で500部作成。別途概要版(=リーフレット)も1000部作成した。家庭には全容版と概要版をセットにして配布した。次年度以降に古座中へ進学する串本町の子どもの家庭には入学をめどにして配るという。今回は概要樹を印刷したクリアフォルダも作成。概要版の余剰分と共に同プランの紹介資料として活用するとしている。同プランの問い合わせは同町教育委員会(電話0735・72・3344)まで。
(2021年3月4日付紙面より)
プロジェクトチームを設置 (紀宝町 )
紀宝町は新型コロナウイルスのワクチン接種を速やかに開始できるよう、役場庁舎内に「紀宝町新型コロナウイルスワクチン接種プロジェクトチーム」を立ち上げた。
町によると、今月中旬以降、住民票のある65歳以上の住民のみに先行してクーポン(接種券)を郵送する予定。接種開始は4月以降となる見込みで、会場や日時は広報などで知らせる。
接種希望者は町のワクチン専用ダイヤルなどで申し込む。予約開始時期は詳細が決まり次第、周知する。
16~64歳は、基礎疾患のある人などからワクチン供給量に応じて順次受けられる見込み。接種時期が決まった後、クーポンを郵送する。
これらの情報は3月1日時点のもので、今後、国・県の準備状況によりスケジュールは変更になることがあるという。
町の専用ダイヤル(電話0735・33・0363)は、クーポン・予約などの相談を受ける。平日のみで、時間は午前9時~午後4時。
紀宝町は県内で唯一、新型コロナの感染者が確認されておらず、1日の町議会定例会で西田健町長は町民や医療従事者、福祉施設、企業をはじめ各事業者の感染予防と感染防止対策の徹底に感謝し、接種体制構築強化を図るとともに役場全体で総力を挙げて、確実かつ円滑にワクチン接種を受けてもらえるよう全力を尽くすと述べた。
(2021年3月4日付紙面より)
特設コーナーで展示 (新宮市立図書館 )
新宮市井の沢の市立図書館では、1階に特設コーナー「東日本大震災から10年」を設け、震災関連の本を展示・貸し出ししている=写真。5月2日(日)まで。
震災関連の「小説」「記録」、東北の文化を紹介している本や写真集、ガイドブックなどの「東北の本」、防災に関する本など、一般書・児童書合わせて約200冊を展示中。
卒業、進学、就職など冬から春の季節の本が並ぶ「季節の本」コーナーでも引き続き展示・貸し出しを行っている。
今月のおはなし会「ぷちぷち」(先着5組、4日から申し込み受け付け)は26日(金)午前10時30分からの約15分、「にこにこ」(先着10人・付き添い含む、申し込み不要)は27日(土)午後2時30分からの約15分を予定している。申し込み、問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284、FAX0735・22・2312、メールtosyo@city.shingu.lg.jp)まで。
(2021年3月4日付紙面より)