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2022年08月28日
1 未曽有の災害、忘れたらあかん
 紀伊半島大水害記念公園で清掃  (那智勝浦町 )

 当地方を襲った未曽有の大水害・紀伊半島大水害(2011年)から11年となる9月4日(日)に向け27日、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表と地元建設業有志ら約30人が慰霊碑の清掃や周辺の草刈りに取り組んだ。清掃後、岩渕代表は「今年も清掃活動を行わせてもらった。どうか見守っていてほしい」と報告し、慰霊碑に手を合わせた。

 清掃は、水害発生当日の追悼供養や慰霊祭を前に毎年実施する恒例行事。なお、今年の慰霊祭(4日正午~)は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から式典は中止とし、岩渕代表と堀順一郎町長による代表献花のみの予定となっている。

 この日、参加したのは▽㈱庵野組▽井筒建設㈱▽カミジ技建㈱▽木原造林㈱▽大和建設㈱▽岡山組▽㈱海邊組▽㈱川合組▽㈲崎建設▽田中建設㈱▽㈱下山組▽㈱泉組▽㈱果無建設▽㈱松原組▽㈱オカダ―の15社。草刈り機などを手に清掃活動に汗を流した。

 岩渕代表は参加者らの協力に感謝を伝え「災害を忘れたらあかん。未曽有の災害を後世に残すことが大事。清掃活動によって災害を思い出してほしい。これから台風も増える。あのような被害が二度と起こらないように、自分の身は自分で守るという気持ちを持ってほしい」と話していた。

 なお、同所では今年も4日未明、死者・行方不明者と同じ数の29個のLEDキャンドルをともすが、新型コロナウイルス感染状況を鑑み追悼供養は中止とする。

(2022年8月28日付紙面より)

慰霊碑を清掃する岩渕三千生代表=27日、那智勝浦町井関
有志ら約30人が清掃活動に参加した
2022年08月28日
2 力作250点を審査
 新宮市観光フォトコンテスト  

 新宮市観光フォトコンテストの審査会が26日、新宮市春日の春日隣保館であった。9人の審査員が80人から寄せられた力作250点を厳正に審査した。入賞者の表彰式を9月9日(金)に予定しており、入選作品は市観光カレンダーやパンフレットなど市のPRに使用される。

 市観光カレンダー製作実行委員会が主催する事業で11回目を数える。今回はテーマを「新宮が魅せる様々(さまざま)な風景(カオ)」とし、一般の部と学生の部(高校生以下)に分けて作品を募った。一般の部には54人から191点が、学生の部には26人から59点の応募があった。

 審査員は、今年新たに熊野速玉大社の上野顯宮司を迎え、田岡実千年市長、実行委員長の山本大輔・市観光協会事務局長、児嶋毅さん(審査委員長)、杉本光朗さん、垣本正道さん、堀幸義さん、西和美さん、市秘書課の廣井芳美・広報広聴係長の9人が務めた。

 熊野速玉大社や神倉神社、熊野川など、市内の四季折々の情景や植物、祭り・イベントの様子などを収めた力作の数々を審査。新型コロナウイルス感染予防のため手袋を身に着け、気に入った作品にシールを付けていった。

 山本実行委員長は「今回は審査に当たり、上野宮司にお越しいただいた。新しい目線で審査いただければ」。

 田岡市長は「コロナ禍ではあるが今回もたくさんの応募を頂いた。市においてはウィズコロナ、アフターコロナに向けて観光をしっかりとやっていきたい。作品は市のPRのために有効的に使用させていただきたい」とそれぞれあいさつした。

(2022年8月28日付紙面より)

フォトコンテストの入賞作品を選ぶ審査員ら=26日、春日隣保館
2022年08月28日
3 心を込めて和菓子届ける
 鵜殿地区配食サービスボラが友愛訪問  (紀宝町 )

 紀宝町鵜殿地区で配食サービスを行うボランティアグループ「鵜殿地区配食サービスボランティア」(田中敦子代表)は27日、年に1回の「友愛訪問」を実施。サービス利用者36人に和菓子セットを届けた。

 町内では鵜殿地区配食サービスボランティアとサークルほほえみが配食サービスを担っており、毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 毎年8月は配食がない代わりに「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアも利用者宅を訪問してお菓子などを配っている。今年は、5日に「サークルほほえみ」の調理ボランティアと配達ボランティアが担当区域の利用者88人に届けた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは普段、会員が調理し、老人クラブ「讃寿(さんじゅ)会」も協力して利用者宅に配っている。この日は同ボランティアの6人が町福祉センターに集合後、手分けして各利用者宅を訪問した。

 田中代表は小阪利代さん(89)宅を訪れ「元気そうですね。暑い日が続いているので気を付けて」と声をかけた。小阪さんは「ありがたいね」と笑顔を見せていた。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月28日付紙面より)

利用者に和菓子を届ける=27日、紀宝町鵜殿
2022年08月28日
4 自衛隊フェスタが盛況
 くまの艦展示、売店も  (新宮市 )

 自衛隊サマーフェスタ2022in新宮が26日と27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁で開かれた。多数が訪れ、海上自衛隊の護衛艦「くまの」や航空自衛隊の地対空誘導弾ペトリオットを見学したり、売店でレトルト「海軍カレー」の購入を楽しんだりした。陸上自衛隊や新宮警察署による車両展示もあった。

 「くまの」は内部の一般公開はなく、岸壁からの見学のみだった。空自のペトリオットは27日のみ展示。陸自は26日に高機動車、27日は軽装甲機動車も加えて展示した。新宮署は白バイ、パトカー、事故処理車を並べた。売店ではレトルトカレーのほか、自衛隊のTシャツやタオル、帽子などが置かれていた。

 岸壁では来場者が「くまの」を単体で撮影したり、一緒に記念撮影したりする姿があった。陸自や警察の車両は、来場者が乗り込むなどして、感触を確かめていた。レトルトカレーは艦ごとのいろいろな「海軍カレー」のほか、陸自の複数の基地のカレーもあり、それぞれ味や辛さが違うとあって、幾つも買い求める来場者もいた。

 自衛隊の制服を着て記念撮影できるコーナーもあり、親子連れが子どもに制服を着せて撮影を楽しむ姿が見られた。「くまの」のシールや缶バッジ、コースターなどが当たる、子ども限定のガラガラ抽選もあった。

 那智勝浦町市野々から訪れた50歳代男性は「くまのの名が付いているから、特別と思い見に来た。(ステルス型なので)今までのデザインと違い、異様な感じを受ける。早くに新宮に来てくれたので良かった」と話した。

(2022年8月28日付紙面より)

護衛艦「くまの」の見学に大勢が訪れた=27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁
レトルトの「海軍カレー」を買い求める
2022年08月28日
5 お盆に多数来館  1週間で1万人超  (くじらの博物館 )
2022年08月28日
6 職員名乗る不審な電話相次ぐ  還付金詐欺に注意を  (新宮市 )
2022年08月28日
7 トマト? カボチャ? 違います  西さん宅のオレンジナス  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
8 巨大すごろくやメダカすくい  小学生たちが夏祭り  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
9 オリンピック出場を目指す  高田煕さん、レスリング優勝を報告  (御浜町 )
2022年08月28日
10 補正予算など16議案上程  第3回定例会が開会  (御浜町 )
2022年08月28日
11 参拝者が静かに手を合わす  横手延命地蔵尊で地蔵盆  (紀宝町井田 )
2022年08月28日
12 県が「林地開発」との見解示す  第4回鮒田区環境防災会議  
2022年08月21日
13 全中女子800㍍で1位に
 潮岬中3年・久保凛さん  (串本町 )

 串本町立潮岬中学校3年・久保凛さんが19日、第49回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下全中とする)女子800㍍決勝で1位となり、ついに日本一の栄冠をつかみ取った。記録は自己ベストの2分9秒96。久保さんは「今までの練習でつらいこともあったけど、頑張ってきて良かった」と喜びをかみしめている。

 今回の挑戦の起点は7月2~3日にあった第68回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会。女子共通800㍍予選と女子共通1500㍍決勝で標準記録を突破する成績を収め、800㍍種目を選んで全中の出場権を得た。この時点での記録は2分12秒15。以降、24日実施の第74回和歌山県中学校総体陸上競技の部共通女子800㍍で優勝、8月7日実施の第71回近畿中学校総合体育大会陸上競技女子共通800㍍でも優勝と、昨年に続く好成績を収めて全中の本番を迎えた。

 全中の会場は福島市にあるとうほう・みんなのスタジアム。18日実施の女子800㍍予選では57人が7組に分かれて挑み、久保さんは第3組で2分11秒79を記録し総合1位で決勝へ進出した。翌19日午後1時に予選上位8人による決勝があり、久保さんは序盤からの先行を最後まで保ってゴールした。

 昨年初めて全中の女子800㍍に挑み、結果はB決勝(予選9~16位が対象)3位。今年はゴール直後に倒れ込むほど力を出し切り、大会記録まで2秒45差、日本中学記録に2秒77差と迫る好成績で決勝を駆け抜けた。久保さんは「今の気持ちはとてもとてもうれしいし、みんなに感謝をしています。強い選手と走ることができたおかげで自己ベストも更新し、1位を獲得できました」と挑戦を振り返る。

 母校の潮岬中で結果の報告を受けた平原良一校長は「久保さんは集中力と調整力にすごく長けている。今まで積み上げてきたものが実を結んだと思うし、その結果が出たことは感無量でうれしく思う」と語った。

(2022年8月21日付紙面より)

全中女子800㍍1位の証しを手にした久保凛さん=19日、福島市(串本町立潮岬中学校提供)
2022年08月21日
14 インボイス制度を学ぶ
 税理士が詳細を解説  (南紀くろしお商工会 )

 南紀くろしお商工会(森川起安会長)は19日、那智勝浦町築地の町商工会館で事業環境変化対応型支援事業「インボイス制度についてのセミナー」を開催した。講師は税理士法人ウィズ岩出オフィスの税理士・下津正也さんが務め、インボイス制度の詳細や対応などについて講演した。

 インボイスとは複数税率に対応した仕入税額控除の方式で、現行の区分記載請求書等保存方式に代わり、2023年10月1日から導入される。導入後は売り手・買い手双方に新たな義務が課されるという。

 売り手側は買い手である取引相手から求められた際、適格請求書(インボイス)を交付しなくてはならない。また、買い手は原則としてインボイスなどの保存が仕入税額控除の要件になる。

 下津さんは、インボイスは事業者登録の申請があり、商工会などに依頼し番号を発行する必要があると説明。制度導入で請求書などの様式やシステムの変更が必要になるとした。

 制度開始と同時にインボイスを発行するためには、来年3月31日までに申請する必要があると述べた。

 適格請求書発行事業者に未登録の事業者からの仕入れは仕入税額控除ができないことから、仕入れを行う相手業者の選別が行われる可能性があると指摘。

 免税事業者のままでは適格請求書発行事業者に登録できないため、課税事業者を選択した上で登録を行うかどうかの検討が必要になるとした。

 レシートのように記載項目が簡略化され、不特定かつ多数の相手との事業を行う際にはインボイスに代えて、交付できる適格簡易請求書(簡易インボイス)にも触れた。

 制度導入後は経費精算での留意点もあるとし、出張先でのタクシー乗車や居酒屋での忘年会などのインボイス発行については、確認の必要が出てくると話した。

 そのほか▽登録開始前に法人成りするメリット▽インボイスに記載すべき事項と注意点▽適格請求書発行事業者になるための準備▽仕入税額控除を受ける際の注意点―などを解説した。

 下津さんは「制度導入後は値引きや返品、訂正があった際はインボイスの返品請求書などを発行しなくてはならないため、手書きの請求書などはやめたほうがいい。制度導入前から、それに対応したアプリやシステムなどの準備が必要になる」と呼びかけた。

(2022年8月21日付紙面より)

参加者がインボイスについて学びを深めた=19日、那智勝浦町の商工会館
下津正也さん
2022年08月21日
15 豪から女性CIR
 観光案内など担当  (那智勝浦町 )

 国際交流員(CIR)として那智勝浦町が新たに任用する、トルコ出身でオーストラリア国籍を持つスクラン・ベンギス・メルシンリさん(26)が18日、堀順一郎町長を表敬訪問した。英語、トルコ語、日本語を話せるため、通常は那智勝浦観光案内所で案内などを行うほか、学校訪問も計画している。

 「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」による来日。同事業は、地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省、自治体国際化協会の協力で実施するもの。外国語教育の充実と地域レベルの国際交流の進展を図ることを目的に、1987年より行っている。

 参加する外国青年は、学校などに配置される外国語指導助手(ALT)、国際交流担当部局などに配置される国際交流員(CIR)、スポーツ指導などを行う「スポーツ国際交流員(SEA)に分かれている。

 メルシンリさんの生まれはトルコ。12歳の頃にオーストラリアに移住し、グリフィスという町に住んでいた。シドニーにあるマッコーリー大学の法学部・日本学部を卒業している。

 好きな食べ物はうどん。趣味は英会話のボランティア。トルコにはミドルネームで呼ぶ慣習があるため、呼称は「ベンギスさん」になる。

 メルシンリさんは14日に来日し、東京都での2日間のオリエンテーションの後、17日に初来町した。同町の印象を「まだ一部しか見ていないが、美しくすてきな町」と語ったほか、「みなさんのお役に立てればと思っています」と意気込みを述べた。

 堀町長は「本町は世界に開かれた観光の町。海外の方を迎える先頭に立ち、健闘してほしい。コロナ禍でインバウンドは少なくなったが、ゆくゆくは海外の人も迎えると思う。その準備をしてほしい。子どもとの交流もしてもらえたら」と伝えた。

 業務内容は観光案内や学校訪問のほか、通訳翻訳、多文化交流、姉妹都市交流、情報発信、海外への観光プロモーションなどとなる。飲食店のメニューの英語、トルコ語への翻訳も行うとのことで、同町は「町内の事業者さまでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町役場観光企画課(電話0735・52・2131)。

(2022年8月21日付紙面より)

着任したスクラン・ベンギス・メルシンリさん(左)と堀順一郎町長=18日、那智勝浦町役場
2022年08月21日
16 歩行者天国、にぎわう
 3年ぶり、夏の「フライデナイト」  (新宮市 )

 商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が19日夜、新宮市の丹鶴商店街であった。路上は大勢の若者たちでにぎわい、来場者らは露店グルメやステージパフォーマンスなどを通して夏のひとときを堪能した。

 丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催。路上ビアガーデンとダンス、ライブをミックスしたイベントで2017年夏に初開催。20年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、昨年11月に復活。夏のフライデナイト開催は3年ぶりとなる。

 5回目となる今回は前回に引き続き、飲食中は会話を控える、テーブルの利用を30分以内とするなどの新型コロナウイルス感染予防対策に協力を呼びかける形で開催。唐揚げや焼き菓子、フライドポテト、各種丼など地元商店が提供する露店グルメが集結。各店舗前には大勢が列を作り、開始間もなく売り切れとなる商品もあった。

 ステージイベントではシンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」がMCを担当。約15団体がダンスや演奏で会場を盛り上げた。

 岩澤理事長は「開催に際しては内外からもいろいろな意見があったが、新型コロナウイルスで沈んだ空気を少しでも上向きにできたらと思って実施に至った」。

 国や県のコロナ対策ガイドラインに基づいて対策を講じているとし「同商店街は若手の事業者も多い。イベントが中心市街地の活性化につながればうれしいです」と話していた。

(2022年8月21日付紙面より)

多くの若者や家族連れなどでにぎわった=19日夜、新宮市の丹鶴商店街
各団体がステージを盛り上げた
2022年08月21日
17 楽しい夏の思い出づくり  太地学童保育所が夏祭り  (太地町 )
2022年08月21日
18 多数来場までいかず  お盆の観光施設状況  (新宮市 )
2022年08月21日
19 みんなで楽しく鑑賞  中央児童館で「ミニ映画会」  (新宮市 )
2022年08月21日
20 恒例盆行事で先祖しのぶ  三輪崎区で精霊送り  (新宮市 )
2022年08月21日
21 コロナ禍で初盆行事縮小  海翁禅寺で灯籠焼き営む  (那智勝浦町 )
2022年08月21日
22 中学3年生が特色学ぶ  高校生活入門講座に118人  (紀南高校 )
2022年08月21日
23 子どもたちがいす作り挑戦  「寺子屋広場」で木工教室  (紀宝町 )
2022年08月21日
24 大門さんら100歳の長寿祝う  「くよくよせず気楽に」  (紀宝町 )
2022年08月21日
25 お悔やみ情報
  
2022年08月13日
26 「癒やし・励まし」願い込め
 熊野川でサプライズ花火  (新宮YEG )

 新宮商工会議所青年部(新宮YEG、岩澤宣之会長)は11日夜、熊野速玉大社下の河川敷で「癒やし・励ましの打ち上げ花火」を実施した。約350発の大輪の花が夜空に浮かび、散歩をする人やドライバーらの目を楽しませた。

 コロナ禍で迎える3年目の夏。感染拡大防止の観点から熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)をはじめとしたさまざまなイベントが中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにとの思いを込めて、おととし、昨年に引き続き企画した。

 3密を回避するため、今年も事前の公表を行わずにサプライズで実施。午後8時に突然打ち上がった花火は約15分間にわたって市街地や川面を照らし、道行く人からは感嘆の声や拍手が上がっていた。

 新宮城跡を散歩していた40代男性は「いつも通り散歩していたら河原から花火が上がった。(偶然見られて)ラッキー。夏のいい思い出になった」と笑顔。

 岩澤会長は「新型コロナの影響で多くの人が我慢を強いられている。子どもたちや大人も楽しみにしていた1年に1回の新宮花火大会も中止になった。ささやかではあるが、今日の花火が少しでも癒やしや励ましになれば」と話していた。

(2022年8月13日付紙面より)

夜空に花火が打ち上がった=11日夜、新宮市の熊野川河川敷
2022年08月13日
27 熊野がアート一色に
 国内外13組が滞在し制作  

 国内外のアーティストが熊野地域に滞在しながら作品制作・展示をするアートイベント「KUMANONISUMU(クマノニスム)!2022」が熊野市で始まった。およそ1カ月をかけて制作された作品が空き店舗や旧校舎などを生かして展示されており、市内がアート一色に染まっている。14日(日)まで。

 イベントを仕掛けたのは同市飛鳥町出身でオーストリア・ウィーン在住のアーティストえのもとひささん。10年ほど前に初めて故郷で作品展示をしたのをきっかけに、2017年に海外から2人を迎え、初めて「クマノニスム」を開催。今回はキュレーターが企画運営に入り、オーストリアから8人と東京から1人、地元からもアーティストを迎え、旧神上中学校と記念通り商店街(チャレンジショップ、シャッターアート)、市文化交流センターの4カ所で展示している。

 えのもとさんは、過疎が進む地元の現状を目の当たりにし、アートで力になれないかとイベントを考案した。「入国制限など実現には多くのハードルがあった」が、オーストリア連邦芸術文化省やクラウドファンディングなどを通して資金援助も受け、開催へ道筋をつけた。

 アーティストらは長い滞在を通して、日常の中で住民と交流してきた。「熊野の人たちはアートに関心を持ってくれることが多く、双方にとって面白い経験になったのではと思う」。「子どもたちにもアートやアーティストと触れ合い、文化や習慣の違いを知ってもらう機会になればうれしい」。

 記念通り商店街の空き店舗を市が貸し出す「チャレンジショップ」では、エマ・クリングさんとローレンツ・クナートさんが熊野の日常の中で布に目を向けた写真や絵などを展示している。シャッターの廃材や使われなくなった布団など限られた材料を空間に配置し、世界観を表現した。二人は「本のようにした作品もあるので手にとり、ページを開いてみて。熊野は素晴らしい。でも、とても暑い」と笑っていた。

 各会場の展示時間など詳しくはホームページ(https://www.interact-projects.net/)へ。

(2022年8月13日付紙面より)

熊野での日常を切り取った作品が並ぶ=熊野市木本町の記念通り商店街
2022年08月13日
28 家族連れでにぎわい
 海水浴場や自然プール  ( )

 お盆休みを前に、熊野地方各地の自然プールや海水浴場が、家族連れの帰省客や観光客でにぎわっている。

 太地町の名物の「くじらに出会える海水浴場」は7月22日の開設以来、5482人が利用(8月9日現在)。特に午前11時と午後1時のクジラの開放の時間帯は大勢でにぎわっている。

 一方、3年ぶりに開設した新宮市の高田第1・第2自然プールでは、7月15日以来、累計2806人が利用(8月9日現在)。新型コロナウイルス感染拡大前には及ばないものの、第1プールには平日でも40人、休日には200人を超える人々が訪れている。

 9日に訪れた小林英資(えいすけ)君(6)、隼生(はやせ)君(3)兄弟は「魚が見えた」「捕まえたい!」と笑顔。父親の伸崇さんは「自分も子どもの頃から両親に連れられて高田に来ていた。11年前の紀伊半島大水害でこの辺りも様変わりし、もう元に戻らないかもと思ったが、今こうして子どもたちを連れてこられて感慨深い」と話していた。

(2022年8月13日付紙面より)

クジラと触れ合う=9日、太地町のくじら浜海水浴場
自然プールで遊ぶ兄弟=9日、新宮市の高田第1自然プール
2022年08月13日
29 盆前を過ごす利用集める
 潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )

 串本町の潮岬望楼の芝キャンプ場の有料開放が11日から始まった。今期は14日(日)まで開放する計画で、盆前をアウトドアで過ごす人の利用を集めている。

 本年度から諸事情で既設エリアの無料開放を休止している同キャンプ場。同芝管理運営委員会(田仲康慧会長)と町が協議して定める繁忙時の対応・有料開放のみがテント泊できる機会となっていて、小学生1人1泊1000円の協力金(キャンプごみの引き取りや広大な芝地の管理経費などに充当)を得て環境省の許可に基づき芝地の東側一帯をテント設営場所として管理し提供している。

 無料開放の休止に伴い、有料開放の受け付けは期間前日の午後4時から実施。1時間ほど待つ利用者もいる中、10日は22人を先行して受け入れ、11日は131人が同キャンプ場駐車場そばに設けている現地受け付けに利用を申し出た。

 新型コロナウイルスの感染拡大第7波のさなかだが、国の行動制限がないことにより同委員会は県の感染予防対策認証を受け、そのガイドラインに沿って午前8時~午後6時に現地受け付けを設けて対応に当たっている。例年のこの時期は日に200人前後の利用があり、それに比べると行動制限がないといっても勢いは例年ほどではないという。

 田仲会長は期間終盤にかかる台風8号の影響を注視しつつ、他方で現に利用者が集まる状況にできる限り応えたい考え。最近増えている自動二輪車用の臨時駐車場を新たに設けるなど利便を高めつつ、委員交代制で期間中の運営に当たっている。

 期間中の同キャンプ場利用の問い合わせは現地受け付けまで。期間外の問い合わせは同委員会事務局の町産業課(電話0735・62・0557)まで。

(2022年8月13日付紙面より)

有料開放期間に入りテントが並ぶ望楼の芝の東側一帯=11日、串本町潮岬
2022年08月13日
30 さらなるレベルアップに
 体育文化会館でレスリング強化合宿  (那智勝浦町 )
2022年08月13日
31 ロケット事業で地域振興  内容学ぶワークショップ  (那智勝浦町 )
2022年08月13日
32 食品セットを無料配布  帰省中の学生なども対象  (紀宝町 )
2022年08月13日
33 「あなたが防ぐ電気事故」  8月は電気使用安全月間  (電気工事工業組合 )
2022年08月13日
34 町立小中学校の方向性探る  学校規模検討委員会を設置  (古座川町 )
2022年08月13日
35 違法な抗議活動を監視  追い込み漁前に現地警戒所  (太地町 )
2022年08月13日
36 お悔やみ情報
  
2022年08月10日
37 認定に向け、現地調査実施
 南紀熊野ジオパーク  

 今年4月に行ったユネスコ世界ジオパーク国内推薦申請に伴い、南紀熊野ジオパークの現地調査が行われている。日本ジオパーク委員会の中田節也委員長(東京大学名誉教授・防災科学技術研究所火山研究推進センター長)、田中裕一郎委員(産業技術総合研究所地質調査総合センターシニアマネジャー)、ヴォウォシェン・ヤゴダ委員(隠岐ジオパーク推進機構)が、7~10日の4日間の日程でエリア内で地質遺産の価値や保全、活用の仕組みなどについて調査を行う。

 南紀熊野ジオパークは、プレートの沈み込みに伴って生み出された3種類の大地、それらが作る独特の景観、温暖湿潤な気候がもたらす多種多様な動植物、そこから生まれた熊野信仰や筏(いかだ)流しなど、数多くの自然や文化を体験できるエリアとして2014年に日本ジオパークに認定され19年に再認定された▽新宮市▽白浜町▽上富田町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽奈良県十津川村の一部―の10市町村からなるエリア。

 このたびの調査は、同ジオパークを世界ジオパークに推薦するかどうかを審査するためのもの。また、日本ジオパークとしても4年に1度の再認定審査の年でもあるため、前回再認定審査時からのジオパーク活動の進展なども併せて審査される。

 現地調査2日目の8日、3人の委員らは北山村、新宮市、太地町を訪問。県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があり、同校3年の坂本美波さんが昨年10月に白浜町と新宮市の三輪崎海岸で調査した、海洋ごみの現状や課題などについて英語でプレゼンテーションを展開。委員らが活動概要について質問し、坂本さんや東垣(あずま・わたる)同探偵団長(南紀熊野ジオパークセンター長)が解答。坂本さんは「環境問題について自分が知っていたことは小さなことだと感じた。(調査は)新しい発見があった。いい経験になったと思う」などと報告した。

 熊野速玉大社では田岡実千年市長が委員らを出迎え、応援に駆け付けた濱口太史県議らが見守る中、市観光協会登録ガイドの西浦康代さんが同大社や周辺の歴史的背景を紹介した。

 委員らは10日にかけて、那智の滝や橋杭岩、一枚岩などのジオサイトを見学したり、ジオサイトを体験したりする予定。

 現在、世界では44カ国169のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本では9地域が登録されている。国内推薦の可否は9月ごろに決定する見通しだ。

(2022年8月10日付紙面より)

4日間の日程でエリア内のジオサイトなどを訪問する=8日、新宮市の熊野速玉大社
県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があった
2022年08月10日
38 神経発達症の対応学ぶ
 新宮東牟婁特別支援教育研究会  (那智勝浦町 )

 新宮東牟婁特別支援教育研究会(松本潤会長)は2日、那智勝浦町の体育文化会館で教職員ら70人を対象とした夏季研修会を開いた。南和歌山医療センター小児科に勤務し、瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子さんが講師を務め「神経発達症の対応~薬物療法と中長期的な展望~」と題し、さまざまな症例や対応について講演した。

 星野さんは知的能力障害やコミュニケーション症群、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(SLD)、運動症などの神経発達症について詳細を説明。

 治療の原則として、「早寝早起き、睡眠を整える」「昼間の活動、運動、覚醒が大切」「保護者の理解は必須」「報酬系に留意した接し方を指導」「小児内科的視点を忘れない」「ゲーム、メディアの過剰に注意」を挙げた。

 発達障害の支援を考える上では、本人や保護者が個性として理解し、疾患として脳科学的視点を持つこと、養育者も家族や貧困などの問題を抱えているケースがあると報告。支援体制や薬物療法に頼れる良い仲間・集団を探すこと、長期の支援について話した。

 星野さんは本人が自分を理解できなければ、自己肯定感が低くなり結果、孤立を招いてしまうと危惧。教職員がかける言葉の例も伝えた。

 障害が理解されずに起こる適応障害やうつなどの二次障害にも触れ、保護者からの温かい言葉も必要であると述べた。

 脳内の報酬系が強く、神経が過度に興奮、中毒に陥る、前頭葉系が萎縮してしまうなどの理由からゲームやネット依存の注意点を述べた。対応策としては昼間、本人が過ごせる場所をつくることが有効であると提案した。

 症例の紹介や対応のほか▽行政が行う発達障害者への支援施策の利用▽受給できる手当や年金に必要な診断書の作成▽薬物による治療▽支援グループの存在▽就労支援▽就労の多様化▽作業療法や言語療法、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングなどの療育―などの詳細を解説した。

 星野さんは「傾聴し寄り添い、具体的な方法を提案し、希望を与え関係機関と連携を取り、現実的な支援に向かって動く」ことが重要とし「未来は変えられる。支援や治療があるので頼ってください」と述べた。

 その後は質疑応答が行われた。松本会長は「教師も学び続けていかなくてはならない。医療や保健、福祉と連携することが最も大切。今後も一人一人の子どもに寄り添っていきたい」と語った。

(2022年8月10日付紙面より)

神経発達症について学びを深める教職員ら=2日、那智勝浦町の体育文化会館
星野恭子さん
松本潤会長
2022年08月10日
39 映画や企画展見て考える
 串本中が平和登校日活動  (串本町 )

 串本町立串本中学校(濱﨑和司校長、生徒118人)が5日、文化センターで平和登校日の活動に取り組み生徒に戦争と平和を考えるきっかけを託した。

 広島に原子爆弾が投下された日に合わせて毎年実施している校外行事。戦時を伝える映画を鑑賞し、込められたメッセージを受け止める内容が慣例となっている。

 本年度は沖縄・津堅島の戦禍を題材とした作品「かんからさんしん」(1989年作)を上映。鑑賞に先立って濱﨑校長は平和登校日の趣旨を伝えて最後まで見届けることなどを呼びかけて生徒の気持ちを引き締めた。

 同センター2階ホワイエでは企画展「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」が実施中で、濱﨑校長は巡り合わせを生かして映画鑑賞後に見学することも推奨。生徒は時間が許す限り展示の内容を確かめ、この日の経験の一助とした。

(2022年8月10日付紙面より)

「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」を見学する串本中の生徒ら=5日、串本町文化センター
2022年08月10日
40 紀伊半島一周高速道路実現を 東紀州に高速道路をつくる会 

 東紀州に高速道路をつくる会(垣内貴会長)は、御浜町役場くろしおホールで本年度の総会を開催。総会を前に、国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所の藤山一夫所長が近畿自動車道紀勢線の整備状況を報告し、「紀勢線は全線事業化され、紀伊半島一周が現実に見えてきた。命の道、医療連携、観光活用として有意義な道路になる」と伝えた。

 熊野市大泊町―久生屋町間の熊野道路(延長6・7㌔)は用地取得が完了し、本年度は橋梁(きょうりょう)下部工事、トンネル準備工事などに着手。久生屋町―紀宝町神内間の紀宝熊野道路(延長15・6㌔)は、道路設計、用地調査などを行っており、御浜(仮称)、紀宝(同)のインターチェンジを計画している。

 紀宝町神内―新宮市あけぼの間の新宮紀宝道路(延長2・4㌔)は、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所工務第三課の藤田和志課長が説明。熊野川に架かる河口大橋の上部工事は和歌山県側が完了し、三重県側で工事が進んでおり、2024年秋の供用を目指しているとした。

 総会で垣内会長は「官民一体となって盛り上げ、一日も早く紀伊半島一周高速道路を実現したい。ぜひ、ご協力を」とあいさつ。昨年度の事業、収支決算を報告し、本年度の予算、事業計画を決めた。

 同会は東紀州地域の住民有志196人で構成。本年度は関係機関への要望・PR活動などに取り組み、熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会との連携を図る。

 ▽熊野道路の早期完成▽紀宝熊野道路の工事着手▽新宮紀宝道の開通に向けた事業推進―など、紀伊半島一周高速道路の早期完成に向けた決議文を採択。本年度の要望活動で活用するという。

(2022年8月10日付紙面より)

建設工事が進む新宮紀宝道路(紀南河川国道事務所提供)
東紀州に高速道路をつくる会による総会=御浜町役場
2022年08月10日
41 瀧本さん、元屋敷さんが活躍
 大阪国際柔術選手権  
2022年08月10日
42 男女3選手が県代表に
 「とちぎ国体サッカー競技」近畿ブロック大会  (近大新宮高・新宮高 )
2022年08月10日
43 古写真が語る、熊野の歴史  浦神にあった「巡航船」  (那智勝浦町 )
2022年08月10日
44 没後30年、中上健次を語る② 熊野大学で講師陣ら (新宮市)
2022年08月10日
45 特選に佐古金一さん  写連紀南支部7月優秀作品  
2022年08月10日
46 カブトムシ森に捨てないで  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2022年08月10日
47 「サ市代表として頑張る」  ALT着任に当たり市長表敬  (新宮市 )
2022年08月10日
48 会派問わずの大会で準優勝  串本支部所属の大内創太君  (白蓮会館 )
2022年08月10日
49 感染拡大防止への協力を  3市町長が合同メッセージ  (熊野市・南郡 )
2022年08月10日
50 新たに言葉の相談会開催  高校での性教育も継続  (母子保健代表者会議 )
2022年08月05日
51 導入に向け実証実験
 「HONBIKE」感想聞かせて  (新宮市観光協会 )

 新宮市徐福の市観光協会で、話題の電動自転車「HONBIKE(ホンバイク)」の実証実験が行われている。ClickHoldings株式会社よりプロモーションを兼ねて貸し出しを受けており、現在一般向けにレンタルを展開。8月末までの実験を経て、導入の是非などを検討していくという。

 同社が事業展開する電動アシスト自転車。バッテリー内蔵タイプでデザイン性が高く、チェーンのないクローズ式シャフトドライブを採用している。5段階の電動アシスト付きで、ペダリングに合わせて自動で出力をコントロールする。

 ハンドル箇所に収まる形状の液晶ディスプレーではスピードメーター機能も搭載。防水性も高く、年間を通して天候に左右されないところも魅力だ。

 同観光協会には7月から3台を配置。これまで関係者や職員らで実証実験を行ってきたほか、先月24日に新宮港にクルーズ船「にっぽん丸」が入港した際には岸壁でモニター貸し出しを実施したところ、利用者から好評を得たという。

 実証実験は今月末までを予定しており、1500円(3時間まで、1日の場合は2000円)でレンタルすることが可能。山本大輔事務局長は「導入後にどういう料金設定をしていくかも課題。利用された方々からの感想も聞きたい。ぜひご利用を」と呼びかけている。

(2022年8月5日付紙面より)

導入に向け実証実験を行っている=3日、新宮市徐福の市観光協会
電動自転車「HONBIKE」
2022年08月05日
52 特殊詐欺未然防止に貢献
 コンビニ店員に感謝状  (新宮警察署 )

 新宮警察署(田原正士署長)は3日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、ファミリーマート新宮あけぼの店員の中川佳代さん(45)に感謝状を贈った。

 中川さんは7月11日、同店に来店し5万円分の電子マネーを購入しようとしていた市内の50代男性客に応対。高額の電子マネーの購入を不審に思い男性客に使用目的を確認したところ、詐欺の可能性が高いと感じ、男性の同意を得て警察へ通報した。

 通報を受け駆け付けた警察官が確認したところ、男性はパソコンがウイルスに感染し、復旧のためには5万円の電子マネーを購入する必要があると電話で告げられたなどと説明。購入後、電子マネーの番号を被疑者へ送ろうとしていたという。

 電子マネーの種類や購入方法を把握していなかった男性客の様子を見てピンときたと話す中川さん。男性客に対し「詐欺の可能性が高い」と説明するなど、機転を利かせた行動により、特殊詐欺被害の未然防止につないだ。

 中川さんは「日頃からインターネットなどで情報を得ており、気にかけるようにしていた。店舗からも普段から指導を受けていました。特殊詐欺を未然に防ぐことができて良かった。これからも不審に感じたときは積極的に声かけしていきたい」と笑顔。

 感謝状を手渡した田原署長は、中川さんの勇気ある行動に感謝を伝え「警察官一人一人がATMなどにいるわけではなく、警察官の目だけでは詐欺を未然に防ぐのは難しい。不審に感じたときはすぐに連絡してほしい。一人でも多くの被害の防止につながれば」と話していた。

 今年の県内の特殊詐欺被害認知件数(6月末現在)は41件で前年同期比で6件の増となっている。被害額は6318万4555円。還付金詐欺が減少している一方でオレオレ詐欺や預貯金詐欺、架空料金請求詐欺が増加の傾向にある。新宮市内でも本年度に入って1件の特殊詐欺が発生している。

(2022年8月5日付紙面より)

感謝状を受けた中川佳代さん(左)と田原正士署長=3日、新宮市あけぼの
田原署長が感謝状を手渡した
2022年08月05日
53 日本の伝統文化に親しむ
 光洋中1年生が着装とマナー  

 新宮市立光洋中学校(榎本由香校長)の1年生54人は7月27、28の両日、同校で内閣府認定公益社団法人全日本きものコンサルタント協会装道礼法きもの学院分院苅屋きもの学院の苅屋企世子さんと吉田由香さん、坂上こふ美さんから、浴衣の着装とマナーを学んだ。

 授業は総合学習の一環で行われ、昨年とおととしは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となっていた。27日にはA組27人が授業に励んだ。

 この日は、B組27人が実施。苅屋さんはマネキンを使用して着方や帯の結び方の手本を見せた。生徒は男女に分かれ、苅屋さんらに教わりながら着装を体験。女子は半幅帯で重ね文庫結び、男子は角帯を使い貝の口結びに挑戦し、説明に耳を傾けながら取り組んだ。最後はお辞儀の仕方や立礼、座礼などの礼儀作法を学び、苅屋さんたちに感謝を込めてお礼を伝えた。

 浪花茜音(あかね)さん(13)は「今まで浴衣を着る機会はあったけど、自分で着装したのは初めて。帯結びが難しくて悪戦苦闘しましたが、教わりながら完成したのを見るときれいな形で美しかったです。教わったことを忘れないでいたい」。竹村翼冴(つばさ)さん(12)は「違和感がなく着心地が良かったので、豊かな気持ちになりました。貝の口結びが上手にいかなかったけど、貴重な経験ができた」と語った。

 苅屋さんは「3年ぶりに行うことができ、元気で明るい1年生に出会えてうれしかったです。授業を通じて日本の伝統文化に触れ、内面からの美しさを大切に大きく成長してもらえれば」と話していた。

(2022年8月5日付紙面より)

授業を受けた1年B組の生徒と講師の皆さん=7月28日、新宮市立光洋中学校
苅屋企世子さん(中央)らから着装やマナーを教わった
2022年08月05日
54 オレンジの花で認知症啓発
 9月の花盛り目指し育てる  (串本町 )

 串本町が4日、役場本庁で認知症啓発企画「オレンジガーデニングプロジェクト」に基づく花の苗植えに取り組んだ。地域の理解を深める取り組みで、世界アルツハイマー月間に当たる9月中の花盛りを目指して育てるという。

 このプロジェクトは、「認知症になっても希望をもって自分らしく暮らし続けられる社会」の実現を目指す取り組みの一つとして全国規模で実動の輪が広がっている。認知症啓発のシンボルカラー・オレンジ色の花が咲く植物を育てて住民の趣旨に対する優しさを高めるのが狙い。思いを同じくする同町もその動きに乗り、先んじて協力してくれる個人や団体にオレンジ色の花が咲くヒマワリの種を配って育ててもらっているという。

 この日は役場本庁に飾る分を準備。田嶋勝正町長や認知症看護認定看護師資格を持つくしもと町立病院の寺島真由美看護師長、認知症サポーター資格を持つ町福祉課職員やシニアエクササイズ活動で健康維持に励む住民有志計10人が手分けしてプランターやポットに前述したヒマワリやマリーゴールドの苗を寄せ植えして仕立てた。

 マリーゴールドはすでに咲き始めていて、ヒマワリは9月中に咲く見込み。資格を生かして中学生など次世代への指導も始めている寺島看護師長は「認知症を知り関心を持ち、知りたいことや気になることがあったら相談してみようと思ってもらえるきっかけになれば」と成果を期待し、そのための相談先として町には地域包括支援センター(電話0735・62・6005)や同病院地域医療連携室(電話0735・62・7878)などがあることをアピールした。

(2022年8月5日付紙面より)

手分けしてオレンジ色の花が咲く苗を寄せ植え=4日、串本町役場本庁
2022年08月05日
55 好記録目指し真剣に  ギネス世界記録からの挑戦状  
2022年08月05日
56 バーチャルウオーターって?  調べてみようSDGs  (こども新聞 )
2022年08月05日
57 県内各地で巡回パネル展  8月は北方領土返還運動全国強調月間  
2022年08月05日
58 華やかなカノコユリ咲く  那智勝浦町中里の付近で  
2022年08月05日
59 ゲームや花火で夏を満喫 市野々小学校で夏祭り (那智勝浦町)
2022年08月05日
60 アカウミガメの卵を展示  館内のトピックス水槽で  (串本海中公園 )
2022年08月05日
61 技術など身に付け海中観察  子どもスノーケリング体験  (潮岬青少年の家 )
2022年08月05日
62 部員ら上浦海岸で清掃奉仕  合宿受け入れへの感謝込め  (大阪偕星学園高ハンドボール部 )
2022年08月05日
63 PCR検査費用、全額助成  新型コロナ対策の独自事業  (紀宝町 )
2022年08月05日
64 熊野リトルが優勝  紀宝トレジャーズが準優勝  (少年野球 )
2022年08月05日
65 津波からの避難場所も計画  防災拠点の整備進む  (紀宝町 )
2022年08月05日
66 進路への学習意識高める  新翔高でオープンスクール  (新宮市 )
2022年08月02日
67 文化奏でる時間を共有
 熊野芸術文化セミナーに50人  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で7月30、31の両日、軽井沢美術文化学院提携「2022熊野芸術文化セミナー」(市、市教育委員会、熊野芸術文化セミナー実行委員会主催)があった。約50人が参加。ルヴァン美術館評議員や日本美術家連盟講師、熊野美術協会の講師陣の指導の下、2日間にわたって実技を通して文化・芸術に触れる機会とした。

 「生活を芸術として」という生涯を送った、文化学院創立者であり名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。創立当時の文化学院の建物を再現し設立したルヴァン美術館と提携して開催されており、今年で21年を数える。

 30日の開講式で清水雅昭・実行委員長が「新型コロナウイルスの影響でおととし、昨年と中止となったが、こういった形で開催できたことを心から感謝している。新宮保健所管内でも感染が拡大しているが、お互いに十分に気を付けていただきながらセミナーを楽しんで」とあいさつ。

 田岡実千年市長は「市の芸術の取り組みとしてこのセミナーが定着している」と、講師陣や関係者、参加者らに感謝を伝え「2日間という限られた期間ではあるが、日々の生活に『文化奏でる潤いの時間』が流れ、すてきな出会いと交流がありますよう期待しています」と呼びかけた。

 今回の講義科目は「○○○(あなた)・ワールドを体感してみよう。」。ルヴァン美術館評議員の上野秀一さん(元・文化学院総合芸術学科常勤講師)による実技セミナーを経て、参加者らは水彩と中世の没食子インクを使って、パネルに心象風景などを表現していった。

 同セミナーに初めて参加した今西信子さん(67)は「新聞で告知を見て参加を決めた。普段からパッチワークやウクレレ、書道をしているけど絵を描くのは初めて。先生方が失敗してもいいっておっしゃってくれたので自由に描くことができて楽しかったです。機会があればまた参加したい」と笑顔で話した。

(2022年8月2日付紙面より)

想像力を膨らませ制作にかかる参加者ら=7月31日、新宮市の「丹鶴ホール」
2022年08月02日
68 構図の基礎などプロから学ぶ 鈴木理策さんがアウトリーチ授業 (新宮高校)

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)美術室で7月30日、新宮市出身の写真家で同校美術部OBでもある鈴木理策さんによるアウトリーチ授業があった。美術部員20人が、構図の基礎などについてプロの指導を受ける機会を得た。

 鈴木さんは1963年新宮市生まれ。87年東京綜合写真専門学校研究科を修了した。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から新宮の御燈祭(おとうまつ)りに至る63枚の写真をシークエンスで構成した、自身初の写真集「KUMANO」(光琳社出版)を98年に発表。翌年、《Osorezan》と《Izanami》の二つのシークエンスによる「PILES OF TIME」(同)を出版し、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞した。

 今年3月には、市文化複合施設「丹鶴ホール」オープニングイヤー事業(前期)として、同施設で写真展「瀧を見に行く」を開催。今回の授業は写真展の継続事業として実施された。

 午前中、鈴木さんは絵画・写真の歴史や、絵画の巨匠たちが写真から受けた影響、絵画と写真との関わりなどについて講義。写真の登場によって絵画に「瞬間」が描かれるようになり、構図にも変化をもたらしたなどと説明したほか「カメラは記録を捉える道具であると同時に、何を伝えたいのかを表現する部分として機能するものだと思う」などと話した。

 午後からは「みんなが考える熊野の魅力」「自分が考える熊野の魅力」に沿って、当地方の世界遺産や自然、身近な風景など、生徒たちが事前に撮影した作品を鈴木さんが講評。「言葉と写真は違う道具。見えていることを実際には説明していくと、うまく重ならない場合があるが、違う道具で意味を拾っていくこともある。写真にも触れてもらって、写真がどういう形で物を表し、それを見る自分がどう感じるかということを経験してもらえれば」と呼びかけた。

 山口結人部長(3年)は「これまで写真を撮る機会はあまりなかったけど本格的に写真に興味を持つ機会となった。写真と絵画の違いもこれまではぼやっとしていたが、授業を受けて言語化することができた。写真の構図も絵に転用できると思うので、これから意識して描いていきたい」と話していた。

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新刊写真集「冬と春」



 現代日本を代表する写真家・鈴木理策さんはこのほど、待望の新作「冬と春」を赤々舎から出版した。ライフワークでもある「White」「Sakura」「Water Mirror」シリーズにおける未発表の新作を主に収録している。写真集の問い合わせは赤々舎(http://www.akaaka.com)まで。

(2022年8月2日付紙面より)

新宮高校美術部の皆さん。鈴木理策さん(前列中央)を囲んで=7月30日、県立新宮高校の美術室
講義や講評を通じて構図などの基礎を学んだ
2022年08月02日
69 旅行気分で遊びに来て
 移住ウェブセミナー  (紀宝町 )

 移住に関する情報や地元の生の声を伝える紀宝町と大紀町の「移住ウェブセミナー」があり、両町の移住者ら担当職員がオンラインを通じて、それぞれの町の魅力を発信した。

 新型コロナウイルスの影響で移住相談会の開催が困難な状況となっていることから、昨年に引き続き、両町がウェブセミナーとして開催。紀宝町は、元町地域おこし協力隊で浅里地区在住の福田由美子さんらが参加し、役場内を会場として生配信した。

 町の移住・定住支援員を務める福田さんは兵庫県尼崎市から移住。2018年1月から20年12月まで協力隊として、飛雪の滝キャンプ場に勤務した。

 移住した際の印象について「熊野古道が近いのにほとんど観光客の姿がなく驚きました。早朝から日暮れまで、畑仕事や草刈りに精を出す高齢者の姿をよく見かけ『元気だな』と感心しました」と振り返り、「自然に寄り添った生活を実践しています。住んでいる場所、仕事、遊び、食べ物など自分自身も常に自然体で過ごすことを意識しています。以前より大きなストレスはあまりなく、心穏やかに理想的な生活ができています」と語った。

 視聴者に対し「まずは旅行気分で遊びに来てください。移住している方々と実際に会ってお話してみてください。もしかしたら自分たちが探していた理想の暮らしが見つかるかもしれません」と町をPR。役場職員は「お試し住宅」「就労体験」などを紹介し、「ぜひ紀宝町に一度お越しください」と呼びかけた。

(2022年8月2日付紙面より)

移住ウェブセミナーで町をPRした出演者=紀宝町役場
2022年08月02日
70 3年ぶりに串本の夜空彩る
 人見建設がサプライズ花火  (串本町 )

 串本町の串本漁港で7月30日、株式会社人見建設=串本町=によるサプライズ花火の打ち上げがあり事前の口コミで察知した住民らの観賞を集めた。

 平年であれば串本まつりで町内が盛り上がる時季だが、最近3年は新型コロナウイルス感染症の情勢により中止続き。社会貢献活動の一環で会社を挙げて美化を重ねている橋杭ビーチは予防対策を講じて海開きをしているものの、年間でも特ににぎわう同まつりの花火大会がないことによる物さみしさを何とかできないかと考えた同社の人見翔専務取締役(36)が発起人となり、その光景を短時間でも描き出すことを目指した。

 打ち上げ場所は同大会同様、巡視艇が停泊する桟橋先に設定。ゴールデンウイーク明けごろから有限会社紀州煙火=有田川町=や管理関係各所との交渉を重ね、同日午後8時から約10分間にわたって打ち上げた。同大会のフィナーレが3カ所からの同時打ち上げであるのに対し、この日は序盤と終盤に5カ所からの同時打ち上げを組み込んだ構成。最大5号玉の大輪(直径約180㍍)を織り交ぜて、串本の夜空を彩った。

 夕立などの支障もなく予定通りに打ち上げを終了し、サプライズは住民からの喝采を浴びながらの終幕となった。人見専務取締役は「串本まつりの中止が続き、いつもならある(ふるさとの)花火を子どもらが見られないのがかわいそう、というのが一番の動機。他のまちも中止続きで見せようがなく、もう自分で上げようと思って準備をしてきた。見てくれた皆さんを元気づけられたら何より」と打ち上げに込めた思いを語った。

(2022年8月2日付紙面より)

3年ぶりに串本の夜空を彩った株式会社人見建設のサプライズ花火=7月30日、串本漁港
人見翔専務取締役
2022年08月02日
71 年に1度の天体ショー  ペルセウス座流星群13日に極大  (こども新聞 )
2022年08月02日
72 電動キックボードの実証実験  8日から貸し出し開始  (那智勝浦観光機構 )
2022年08月02日
73 みんな上手に描ける!  子供絵画チャレンジ体験  (新宮市 )
2022年08月02日
74 模擬店に園児大はしゃぎ  太地こども園  
2022年08月02日
75 間近のSFに目輝かせ 家族で児童劇楽しむ (御浜町)
2022年08月02日
76 地域連携活動を全国に紹介  高校生SBP交流フェアに初出場  (紀南高校 )
2022年08月02日
77 樫野埼灯台内を一般公開  CGS部主体で実施開始  (串本古座高校 )
2022年08月02日
78 お悔やみ情報