北方領土返還求め県民大会 (和歌山県 )
「北方領土の日」(2月7日)に合わせて、北方領土返還要求運動和歌山県民会議(会長=尾崎要二県議会議長)は8日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「第42回北方領土返還要求和歌山県民大会」を開催した。同会議加盟団体や地域住民ら約300人が参加。式典や講演、中学生による学習報告などを通して、北方領土問題に理解を深める機会とした。
1945年8月、北方領土(歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島)がソ連に不法に占拠されたことから発生した北方領土問題。これにちなみ、日本では8月を「北方領土返還運動全国強調月間」としており、1855年2月7日に「日魯通好条約」が締結され、北方領土は日本の領土であると国際的に明確になったという歴史的意義などを背景に、同日を「北方領土の日」と設定している。
和歌山県民会議は、北方領土の返還を平和的な話し合いで実現し、日露間に真の友好関係を築くための「北方領土返還運動」を推進とすることを目的に1981年に発足し、翌82年から県内各地で県民大会を開催している。現在は112団体が加盟し、問題解決に向けて活動を展開している。令和4年度の北方領土に関する標語は「四島(しま)還せ! 声出し合って 動く今」。
式典では、国歌・県民歌静聴に続き尾崎会長があいさつ。ロシアのウクライナ侵攻などに言及し「こんなときだからこそ領土問題を共に考え、なんとしても北方領土を取り戻そうという思いを強くしていかなければならない」と協力を求めた。
岸本周平知事(代読)と田岡実千年市長が来賓のあいさつ。(一社)新宮青年会議所(和田祐幸理事長)と那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)が、返還要求運動の積極的展開や、北方領土学習への取り組みなどに尽力したとして尾崎会長から表彰を受けた。
式典後には、那智中学校の3年生4人が、オンライン授業などを通して北方領土について学んだ成果を発表。北方領土の暮らしや領土問題発生の経緯、返還に向けて行われている活動などを紹介し「問題解決のためには正しい認識を深め、身近な問題として認識すること、そして人々の意志と熱意を受け継ぎ、幅広く粘り強い運動を展開して返還への一日も早い実現を訴え続けることが大切。皆さんも北方領土の発信者です」と伝えた。
講演では、拓殖大学の名越健郎・特任教授が「これからの北方領土問題」を題目に講話。「プーチン政権が続く限り交渉は困難。ウクライナ戦争がどう終わるか分からないが、戦後処理やロシアの動向を注視することが必要。改革派政権誕生後をチャンスと捉え、過去の失敗から新しい体制を考えていくことが大事」などと話した。
最後、来場者らは「この大会を契機として決意を新たにし、北方領土の一日も早い返還の実現に向けて、今後も粘り強く運動を推進していく」とした大会宣言に、拍手をもって賛同した。
(2023年2月10日付紙面より)
和歌山県子ども会連絡協議会(中上清之会長)は4、5の両日、那智勝浦町のホテル浦島で2022年度「和歌山県子ども会指導者研修会」を開催した。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から3年ぶりとなる研修会で「『部落差別の解消の推進に関する法律』の具体化に向け、さらなる行動を展開しよう!」をテーマに進められた。
約70年前に、部落差別を背景とした当時の子どもたちの長欠や不就学といった課題を解決し、子どもたちに生きる力を育むことを目的とし、同県に子ども会が結成された。
子ども会は、相談活動を通して教育や生活、福祉に関する課題の解決に取り組むとともに、人権や子育てに関する法を活用し、課題ある子どもたちと支援制度をつなぐ役割や地域防災の中心的な役割なども担っている。
4日は、同協議会に加え、学習支援推進教員や各市町子ども会専任職員、県教育委員会などが参加した。
中上会長は昨年創立100周年を迎えた全国水平社に触れ、子ども会としても意志を引き継ぎ、活動を展開していくとし「コロナのパンデミックで定例会や行事も実施できない状況もあったが、各地域で工夫して常に子ども会活動を止めることなく進めていただいた。われわれには、子どもたちが本当に行きたい学校、将来なりたい職業に就かせていく使命もある。3月には入試もあるため、受験生のサポートをお願いします」とあいさつ。
来賓の堀順一郎町長は「日頃から子どもたちのために、皆さまのご尽力に感謝します。ウィズコロナがしばらく続くと思うが、その中でも子どもたちが、生き生きと過ごすための支援をしていきたい」と祝辞を述べた。
辻岡龍閣事務局長が基調提案を行い、新宮市立王子ヶ浜小学校元校長の山本眞也さんが「新宮市の子ども会活動から学んだこと」をテーマに講演。山本さんは自身が子ども会活動を行う中で向き合った事例などを紹介し、課題の根本や要因、その解決への道のりなどを話した。
その後、「インリーダー研修会」「高校生・青年リーダー交流会」の報告があった。翌5日は、3会場に分かれ、「子どもの実態から、これからの子ども会活動を考える」をテーマに分散会を開いた。最後は全体会でその報告を行った。
(2023年2月10日付紙面より)
高池小地震・津波避難訓練 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長、児童63人)が9日、地震・津波避難訓練に取り組み日頃の備えを改めて考える機会を持った。
児童が迅速で安全に避難行動をすること、教職員はそのための行動をすることを目的とした同訓練。今回は約5年ぶりに地震体験車「ごりょう君」を迎え、大きな地震の揺れも経験する内容で実施した。
授業中の午前9時25分に大きな地震が発生した想定で始め、担任はすぐに教室の戸を開けて逃げ道を確保し児童は身を守る行動をした。揺れが収まった直後に「大津波の危険がある。(避難路が崩れて津波緊急避難先の)愛宕山へは行けない。3階図書室へ避難」と放送が入り、児童は防災頭巾をかぶって同室へ駆け上がった。
全員が集まるのに要した時間は1分22秒。大畑校長は津波避難三原則を振り返り、愛宕山に行けなかったのは途中の避難路が大きな揺れで崩れてしまったためで、そのような状況が起こってもできる最善を考えることを呼びかけ。トルコの地震で被災した人々に思いをはせて児童の気を引き締めつつ、避難行動を締めくくった。
その後は低学年から順に「ごりょう君」で大きな地震の揺れを経験。初めて体験したという大屋想太君(4年)は「想像していたのより10倍ぐらいひどくて怖かった。しっかりと机の下に隠れたら乗り越えられると思った」と、身を守る行動の大切さへの気付きを得つつ印象を語った。
(2023年2月10日付紙面より)
横町ちびっこ広場を整備 (新宮市 )
新たな遊具が設置された、新宮市の「横町ちびっこ広場」が9日、利用可能となった。ブランコや滑り台のほか、ストレッチができる健康器具もあり、子どもから高齢者まで幅広く利用できるようになっている。
横町ちびっこ広場は、遊具が修繕や撤去が必要な状態になるなど、老朽化が進んでいた。このため新宮市は、宝くじ助成金を活用。1月中旬から新たな遊具の設置工事を始め、8日に完成した。ブランコ、滑り台付き複合遊具、健康器具などが設置された。工事費用は1133万円で、うち1000万円が助成金となる。
横町ちびっこ広場を管理する新宮市子育て推進課は「新宮市でも少子化が進んでおり、子育て支援の一環として整備したので、気軽に利用してください。高齢の方にも使ってもらえる健康器具も用意したので、世代を超えた関わりを持ってもらえたら」と伝えている。
(2023年2月10日付紙面より)
全国少年少女選抜レスリング選手権大会 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
12日(日)午前11時スタート