第7回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会(同実行委員会主催)が18日、一般国道42号那智勝浦新宮道路を舞台に開催された。北は北海道、南は沖縄県までの31都道府県から2078人(エントリー2257人)が参加。ハーフマラソン男子で瀧谷海斗さん=千葉県/新宮市出身、3㌔女子で久保瑚都さん=岩出市=が連覇するなど2058人が完走した。
2011年、当地方に甚大な被害をもたらした「紀伊半島大水害」の復興イベントとして、翌年に官民協働で始まった。全国的にも珍しい自動車専用道路を使用するコースで行われる大会で、「世界遺産・熊野古道のまち」である新宮市、那智勝浦町の魅力を体感するとともに、地域の振興につなげることを目的に開かれている。
やたがらすサッカー場で行われた開会式では、大会長の田岡実千年新宮市長が「北海道から沖縄まで31都道府県から2000人を超えるランナーの皆さんに集まっていただき、心より歓迎と感謝を申し上げます。山々の素晴らしさ、眼下に広がる太平洋を見ながら走っていただき、それぞれが十分に楽しみ、終わってからは地域にある数々の素晴らしい温泉、海の幸、山の幸を楽しんで」と選手を激励。
衆議院議員で自民党幹事長の二階俊博氏の祝辞を秘書の二階俊樹さんが代読、来賓・主催者役員の紹介などの後、昨年のハーフマラソン男子優勝の瀧谷さんが選手宣誓をした。
レースは3㌔、10㌔、ハーフの順に行われ、男女別で各部門の総合8位までの選手が表彰を受けた。
表彰式後、10㌔女子で優勝の柴原希さん=那智勝浦町=は「去年のタイムに負けないことを目標に走り、いいタイムを出せたが、2歳下の弟(颯君)と同じタイムだったのが悔しい。来年も走り、自己ベストを出した上での優勝を目指したい」、ハーフ男子優勝の瀧谷さん(20)は「1時間10分前後を目標にしていたので、タイム的には納得していないが、優勝できて良かった」。ハーフ女子優勝の空地久予さん(33)=紀宝町=は勤務先のランニングチームの仲間と出場。「アップダウンもあり、暑く厳しいレースだったが仲間の応援を力に変えて走ることができ、自己ベストで優勝することができた」と喜びを語った。
(2018年11月20日付紙面より)
田辺市本宮町、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が19日、新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、来年のえと「亥(い)」の絵馬を渡した。熊野三山の絵馬がそろう来月初旬ごろ、改札付近の駅ホームに飾られる。
スギで作った絵馬の大きさは縦約1㍍、横約1・5㍍で、九鬼宮司がポスターカラーで筆書きした。スカイブルーの躍動感あふれるイノシシが描かれており、白浜、紀伊田辺、和歌山の各駅へも授与する。
今年は各駅のスローガンを書き入れた。新宮駅に飾る絵馬には「安全」「挑戦」の文字が入っている。
九鬼宮司は「イノシシは南の空と海、太平洋をイメージした青で描いた。明るく元気でいい年を過ごせるようにと願いを込めた。平穏で明るく活気があり、駅周辺の地域も元気あふれる町になるようにという思いも。今年は初めて駅のスローガンを聞き、書き入れた。無事故でという意味もあります」。
林正樹駅長は「今回は『挑戦』と書いていただきました。当駅のスローガンである『日々チャレンジしていこう』ということを表現してもらえた。猪突(ちょとつ)猛進でチャレンジし続ける駅を目指したい」と感謝を述べた。
この日は、同市徐福の熊野交通株式会社を交通安全慰問した。毎年実施しており九鬼宮司らが紅白の餅と肌守り、ステッカーを授けた。
(2018年11月20日付紙面より)
創立100周年記念式典 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長、生徒282人)が17日、串本校舎第一体育館で創立100周年記念式典を開いた。生徒教職員と来賓ら招待者が出席して歴史を振り返り、節目の決意や期待を掲げてこれからの歩みに弾みをつけた。
同校は、1918(大正7)年に開校した旧串本町立串本実業学校と旧古座町高池町西向村学校組合立古座実業学校を歴史の起点とし、戦後の学制改革や平成20年度の統合などの変遷を経て本年度、創立100周年を迎えた。この節目を受けて実行委員会を立ち上げ、複数の記念事業を計画。この式典はその中核行事に当たる。
開会に当たり愛須校長は学校の沿革を振り返り、生徒に向け地域と共に先輩がつないできた歴史をこれからもつなぐためこれまで以上に意欲的に取り組むことを期待し、その決意を持って地域や保護者にいっそう信頼される学校づくりを目指すと誓ってこれまでの支援に感謝し、今後の支援を求めた。
同窓会の島野勝会長、育友会の川本静哉会長も節目に思うところを述べ、来賓を代表して下宏副知事が知事メッセージを代読し、県議会の藤山将材議長、県教育委員会の宮下和己教育長、串本町の田嶋勝正町長、古座川町の西前啓市町長が生徒や学校への期待を込め祝辞を寄せた。
校長の抱負と周囲の期待を受け、生徒を代表して古座校舎生徒会会長の宮下歌奏さん(3年)と串本校舎生徒会会長の伊森安美さん(2年)が登壇。「節目の年に在席できた私たちは喜びとともに伝統を受け継ぎ守り続ける責任も感じている。目まぐるしく進展する社会情勢の中でこの先、串本古座高校も私たちにも多くの試練が待ち受けているかもしれない。この学校の先輩方が努力を重ね、支え合い、強く生きてきたように私たちも仲間と協力し100年という大切な時間を共有しながら乗り越えていきたいと思う。温かく見守ってくれる皆さまへの感謝の気持ちを忘れず、次の100年に向けて新しい串本古座高校を築いていきたい」と言葉を掲げた。
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会場には時代ごとの校舎の様子などを伝える写真パネルや数多くの折り鶴で校章をかたどった記念製作(ドット画)が展示され、式の前後で鑑賞を集めた。この日午前中は記念芸術鑑賞があり、世界規模で評価を集めるNPO法人転輪太鼓=愛知県春日井市=のチーム「SEED」による演奏と殺陣とプロジェクションマッピングと演奏を絡めた圧巻のパフォーマンスを鑑賞。式後はレスリング選手の吉田沙保里さんを迎えて記念トークショーも開かれた。記念芸術鑑賞と記念トークショーは整理券を事前配布する形で入場を管理しながら一般公開された。
(2018年11月20日付紙面より)
来年の大絵馬が完成 (速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社で19日、来年のえと「己亥(つちのとい)」の大絵馬が完成した。白いイノシシと2匹のうり坊を描いた上野顯宮司は「イノシシということで、勢いを出したかった。『猪突(ちょとつ)猛進』など勇猛なイメージばかりだが、実は愛情深くて子だくさん。うり坊のかわいらしさと父母の慈愛を表現した」と話した。12月から大社拝殿に掲げる。
大絵馬はヒノキ製で、大きさは縦1・5㍍、横2・1㍍。無邪気なうり坊を愛情深く見守る親イノシシの姿が描かれている。祝福をもたらす神の使いとして、白で描き清らかさを表現。平和の象徴である梛の御幣をくわえている。瑞雲(ずいうん)と瑞光でみずみずしい年の幕開けを表した。
上野宮司は2000年から毎年大絵馬を描いている。今年は8色のアクリル絵の具を使い、8月から制作を始めた。仕上げに「新日本の國造り」の文字を書き添えた上野宮司は「来年は御代替わりもありメモリアルな年。日本国民として魂を鼓舞し、豊かな国造りのために頑張っていかなければ」と話した。
毎年、JR新宮駅に掲げている小絵馬(縦75㌢、横110㌢)も完成。2匹のうり坊を見守る母イノシシが描かれている。
(2018年11月20日付紙面より)
男女別に個人・団体で練習成果競う
県新人大会4部門で近畿出場権獲得 (新宮高校卓球部 )
熊野那智大社に一番湯奉納 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
湧き出る温泉水を朝一番で源泉からくみ上げ、神前に供える「献湯祭(けんとうさい)」が11日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で営まれた。南紀勝浦温泉旅館組合(中定俊組合長、組合10館)の組合員、組合旅館の宿泊客の中から希望者が参列した。
今年で41回目となる献湯祭。宿泊客の参加は同組合の新たな試みで、正式参拝や神事の後に振る舞う「温泉もち投げ」の投げ手経験などを盛り込んでいる。ホテルなぎさやに滞在中のスペインからの旅行客、フランシスカさんは「日本には7回、那智勝浦町は2度目です。今日は参加できて本当にうれしいです」と笑顔で話していた。
神事では、神職が祝詞を奏上、中組合長が祭文を読み上げ、裃姿の各旅館代表者が16カ所の源泉の一番湯を順に供えた。一同で自然の恵みに感謝するとともに業界の繁栄を祈願した。
同大社は、来年3月まで続く創建1700年記念境内施設整備事業を実施している。拝殿内部工事は献湯祭に間に合うよう取り進められ、この日は修復と塗り直しを終えた拝殿での初めての行事となった。
男成宮司は太古からの紀伊半島の地質活動に触れ、「自然は猛威を振るうこともありますが恵みも豊か。いの一番の温泉を大神さまも気持ち良くお喜びでしょう。那智勝浦町を訪れる方々が温泉に浴し、心身ともに癒やされますように」と結んだ。
(2018年11月13日付紙面より)
火災予防運動で総合訓練 (新宮市 )
秋の全国火災予防運動中の11日、新宮市消防本部は同市佐野の新宮港緑地と同市熊野川町の紀州造林跡地で総合訓練を実施した。市消防団の団員らと市消防職員が放水や礼式、資機材取り扱いの訓練に取り組んだ。
実災害に即した訓練を消防団員が主体となって行うことによる、団員の技術の向上と知識の習得を目的としている。消防職員の訓練時の安全管理意識の向上を図る狙いもある。
新宮港緑地での訓練には団員97人と市消防職員18人が参加。人員報告後、整列した団員らを前に市消防団の竹内由定団長は「市民の安心・安全と生命、財産を守る任務があり、どのような現場でも安全・迅速な対応ができるよう訓練を。火災の発生しやすい季節になってくるので十分注意をしてほしい」とあいさつした。
放水訓練ではホースが破れた想定で交換する作業などにも取り組んだ。礼式訓練では基本と出初め式で実施する行進をした。
竹内収・市消防次長は「いずれの訓練も今後の消防活動に重要な役割を果たすもので、今後も訓練を重ね、来るべき災害に備えていただきたい」と講評。台風時の活動への感謝を述べ、消防団の協力が必要不可欠だと呼び掛けた。
熊野川地区では団員38人と消防職員14人が訓練を実施した。
(2018年11月13日付紙面より)
大島地区で島内避難訓練 (串本町 )
串本町の大島地区で11日、島内避難訓練や防災学習会が行われた。3連動地震(東海・東南海・南海地震の同時発生)を想定した内容で、今回は小中学生を含む住民163人が最寄りの高台を目指して津波緊急避難行動を実践。その後は二次避難所とされる大島小に集まりさまざまな体験をして防災意識を高めるなどした。
同訓練は、大島小・大島中と大島区・須江区・樫野区が合同で年1回、3連動地震を想定して取り組んでいる。同学習会は島内各所が地震や津波で被災し住民が二次避難所に避難する流れをつくるために取り入れている機会で、今回は同町役場総務課防災・防犯グループ、同町消防本部、串本警察署、内閣府と県がそれぞれ防災体験企画を持ち込み、訓練参加者への啓発を行った。
同日午前9時に3連動地震が発生した想定で同訓練が始まり、防災行政無線による合図で住民の多くがその時間帯にいるであろう自宅から最寄りの高台へと避難。小中学生は年長の住民を気遣いつつ高台へと駆け上がり、高台では自主防災組織の役員が避難状況を確かめるなどした。
航空自衛隊串本分屯基地のバスやスクールバスを使って同訓練参加者を二次避難所へ搬送し、大島小体育館で避難者受け入れ訓練を実施。小学生と住民は地区(大島、須江、樫野、同基地)単位で、外部機関が持ち込んだ防災体験をローテーションしながら一通り体験した。
内閣府と県が持ち込んだのは、準天頂衛星「みちびき」を使った衛星安否確認サービスの体験。情報端末で登録した自身の避難者情報が衛星経由で集約されインターネット上で確認できるようになるという仕組みで、全員で試験入力して利便性を確かめるなどした。
警察はドローンや救助資機材のデモンストレーション、消防は消火器操作体験や負傷者搬送法の紹介、防災・防犯グループは業者招致により簡易トイレの組み立て体験や可搬型浄水器の紹介といった機会を提供した。
中学生と保護者有志は別行動を取り、同基地の隊員が炊き出した米20㌔を手分けしておにぎりにし、野戦鍋で沸かした湯を使って非常用のみそ汁も作って訓練参加者や運営陣に配るなどした。
その他、防災意識を高めるきっかけになればと、消防、警察、自衛隊の各特殊車両や自衛隊の非常食やウオーターシューターなど、県警の救援活動紹介パネルなどの展示もあった。
この訓練や学習会は島民の防災意識を高めることを狙いとし、小中学生はさらに避難経路の選択と率先避難を実践し、担い手となるため救助や避難所運営を身に付けるなどの目的を持って同訓練や同学習会に参加した。
全体会で小学生は印象に残ったことや防災意識がついたと感想を寄せ、中学生はこのような体験を通して誰も死なないようにすることが大事だと発表。大島小中を兼務する布引伸幸校長は、災害はいつ起こるか分からないが大島で暮らしている以上は何かがあれば逃げることや、学校と地域はできることで支え合い互いに恵まれることが大切だと講評して締めくくった。
(2018年11月13日付紙面より)
新宮ユネスコ協会が鐘打会 (新宮市 )
「世界平和記念日」の11日、新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は新宮市薬師町の瑞泉寺(麻谷正彦住職)で「平和の鐘」を鳴らし、世界平和を祈願した。
1918(大正7)年11月11日は第1次世界大戦が終結した日。ヨーロッパ各国では祝日に制定されたり、戦没者追悼式典などが営まれたりするなど、重要な日とされている。「平和の鐘」は4年目の取り組みで、約10人の会員らが午前11時から順番に鐘を突き、手を合わせた。
麻谷住職は「今年は第1次世界大戦終結から100年目の節目の年。平和に対する切なる願いを鐘の音に乗せて、一人でも多くの人の心に響かせてもらえたら」とあいさつ。中谷会長は鐘を鳴らすことには時間や危機を知らせるなどいくつかの意味があると述べ「願いや祈りを込める意味もある。平和とは平穏な日々の蓄積。平和が持続することを祈って鐘を鳴らすことは大切」と話していた。
仲之町商店街のサンタウンホールでは12月8日(土)と9日(日)、会員による「第4回写真展」を開催する。熊野地方の風景や世界遺産に関する写真を展示予定。開場時間は正午から午後4時まで。
(2018年11月13日付紙面より)
高校ラグビー和歌山大会
高校サッカー和歌山大会
新宮市スポーツ祭典ソフトボール
高校レスリング新人大会
町政懇談会で意見交換 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は7日、役場で町政懇談会を開いた。この日は勝浦地区の住民が集まり、堀順一郎町長や職員から町行政の課題や施策の報告を受けた。懇談会は14日(水)までの間、各地区で実施される。
堀町長は課題の一つである新クリーンセンター建設について説明。湯川・市屋間の大浦用地を建設候補地に決めた理由として、「津波の危険性がなく、道路も近いので建設費の節約にもつながる」と述べた。利便性を考慮し、敷地内にリサイクル施設も設置することを話した。
100年先を見据えた町づくりや観光の柱づくりとなる「那智の滝100年の森づくり事業」を提唱。種苗育成などを町民全体で取り組み、国内外の人々やふるさと納税協力者らと共に植樹を行い、観光客の増加や防災力の向上、郷土愛の醸成などを目指すと力を込めた。
平成29年度決算について当局は、一般会計歳出総額が約93億7000万円で、歳入決算額は昨年より約8億4000万円増と説明した。新病院建設に伴う町債の借り入れの増加や、ふるさと納税の増加により寄付金が増えたことが大きな要因であると報告した。
地震発生時におけるブロック塀の倒壊被害軽減のため、撤去や改善に対する補助事業の詳細を話した。
質疑応答では出席者らは「(ブロック塀の)補助はどの程度の場合に対応するのか」「滝の保全はそれらの土地を町有地としてから進めるべきでは」など多くの意見が挙がった。当局は「町道や県道以外にも自転車や人が通る場合や避難に使用するものが対象」「土地の所有者たちが保全への協力を約束してくれている。町の財政を考えると現在は買うことは難しい」と返答した。
近年、連続発生した台風で浸水被害を受けた築地地区からは「満潮時刻と重ならない場合でも浸水した。商売を辞める人も出てくる。雨量だけでなく、水の流れにも注意してほしい」と声が上がり、町は「築地地区の排水機能の調査をし、土砂が堆積している側溝や排水管を発見次第、吸い上げ作業を行っている」と答えた。
堀町長は「先を見据えた長期的な施策を進め、町民の皆さまが夢を持てるようなまちづくりを行っていきたい」と語った。
今後の懇談会の日時、場所は次の通り。
▽12日(月)午後7時~ 交流センター太田の郷
▽13日(火)午後2時~ 口色川会館、午後7時~ 福祉健康センター
▽14日(水)午後7時~ 宇久井区民会館
(2018年11月10日付紙面より)
深瀬尚久さんが講演 (県中小企業家同友会 )
経営者団体「和歌山県中小企業家同友会」新宮支部(高橋伸支部長)は8日、新宮市大橋通の新宮信用金庫本店で11月例会を開いた。元北部航空方面隊副司令官の深瀬尚久さんが「日本を守る最前線の実話!!~日本を守る~」を題目に講演をし約60人が聴講した。
深瀬さんは新宮市出身。空幕では総務防衛系の要職を歴任。統合幕僚学校副校長を務めた。司令官として、航空自衛隊の幹部として40年にわたり国の平和と安全のため最前線で尽力。2017年に航空自衛隊を退職した。
深瀬さんは父親の希望で防衛大学に入学。自由に過ごしていた高校生活から一変、大学では徹底した規律や斉一性が求められたことに「カルチャーショックを受けた」と語った。「厳しい訓練を乗り越えたことにより同期の絆が生まれ、親やふるさとにありがたさを感じるようになった。帰属意識や愛国心も芽生えた」と振り返った。卒業後は幹部自衛官として年上の部下やベテラン下士官たちの指揮統率に悪戦苦闘した。立場が高くなるほどに公の人間として言いたいことが言えないもどかしさを感じた。
深瀬さんは現在の日本が置かれている状況に関して「不安定、不透明な東アジアにおけるメインプレーヤーにならざるを得ない状況。いまや『関係国』から『当事国』となった」と述べた。中国機やロシア機とのスクランブル(防空識別圏内に正体不明の航空機が侵入した場合の緊急発進)は年間千回近く起こっていると説明。尖閣諸島問題について「施設もなければ人も住んでいない。簡単に奪われる可能性がある。中国は徐々に既成事実化していく戦略が得意。共産党一党独裁国家ならではの強さと怖さを感じる」と話した。
国防のためには国民の意識改革が必要とし「平和国家の理想は必要だが、現実とリスクから目をそらしていては国家の存続は危うい。平和と安全を守ることはきれいごとではすまない」と警鐘を鳴らした。「国を守るためには膨大な労力とお金と犠牲が必要。それを怠るといつかもっと甚大な犠牲を生むことになる。民主主義国家の一員として政治や軍事、安全保障に関心を持つことは国民の責務」と強く語っていた。
(2018年11月10日付紙面より)
第14回串本町民総合展
第14回串本町民総合展が9日、町立体育館と町文化センターで始まった。期間は11日(日)までで、開場時間は午前9時~午後4時30分。入場無料で随時鑑賞できる。
この展示会は、同町と同町教育委員会が主催。町民の美術への愛好心と鑑賞力を啓発し、創造意欲を活発にして町域の文化向上に資する目的で年1回開いている。
出品者は町内在住、出身、在勤・在学者や町内のグループ所属者。今回は400件余りの事前申し込みがあり、会場には約600点の作品が飾られている。
作品のジャンルは▽生け花▽山野草▽フラワーデザイン▽書道▽俳句短冊▽俳画▽工芸▽手芸▽ちぎり絵(以上同館内)―などと、▽絵画▽写真(以上同センター内)―で、特別展示は前回に引き続いて写真展「トンボロの町・串本―歴史の道と老舗商店街」が同センター2階で開かれている。
特別展示は昭和20年代を中心に複数の写真で往時を振り返る内容で、昭和38年10月6日の串本小学校講堂落成記念行事(三笠宮さまご臨席)の様子も含まれる。
同センター内の一角には感想ボードが設けられ、付箋紙に記入して貼り付ける形で寄せる趣向も行われている。
(2018年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴い、各地の消防は9日、防火広報を実施した。新宮市消防本部(川嶋基正消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて、住民らに防火意識の高揚を呼び掛けた。今年の全国統一防火標語は「忘れてない? サイフにスマホに火の確認」。
市消防本部で行われた新宮地区の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から18人が参加した。竹内由定団長は「火災の防火意識を認識してもらう必要があり、一人でも多くの市民にお伝えいただきたい」と訓示。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地区の広報に向かった。
期間中の11日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時火災発生防止対策の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の六つ。
市消防本部では▽住まいの防火対策を進めよう▽延焼拡大危険性の高い地域を中心とした火災予防対策や警戒を徹底しよう▽放火されない環境づくりを進めよう▽防火管理体制の徹底を図ろう▽電気用品、燃焼機器、自動車などの適切な使用・維持管理を徹底しよう▽火気器具・危険物は正しく取り扱いましょう―の6点を重点に実施する。
市消防本部管内で今年1~9月に発生した火災は、住宅火災3件、その他火災1件の計4件で、昨年同期より4件減少した。
(2018年11月10日付紙面より)