赤十字奉仕団と地域連絡協議会 (太地町 )
太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)と太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は23日、町内の避難路を歩く「小学生と歩く太地町避難道防災ウオーク」を開催した。園児、児童15人含む団員や会員、保護者など計21人が参加し、ウオーキングを楽しみながら防災への意識を高めた。
防災ウオークは両団体が協力し、モデル赤十字奉仕団活動の一環として実施。今年8月の飛鳥神社大絵馬作成に引き続き2回目の事業となり、日本赤十字社和歌山県支部の助成で行われた。
発生が懸念される巨大地震や津波を想定し、児童に町内の避難階段などを知ってもらい、防災意識の高揚を促すとともに、世代間の交流を図ることも目的だという。
法花会長は「天気にも恵まれたので良かった。皆さんで仲良く歩きましょう」とあいさつ。
この日は町多目的センターを出発し、同町太地にある「いさなの宿 白鯨」前の避難階段を確認し上った。道中、同団員らは児童らに対し、同町の歴史や名所の説明を行い、浅間山(せんげんやま)を登った。
続いて、一行は太地町立くじらの博物館(林克紀館長)のシロナガスクジラの標本前に集合。赤十字奉仕団が教材としてインターネットで公開している「新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう」を元に手作りで紙芝居化したものを和田委員長が読み聞かせた。
児童らは紙芝居からコロナの実態や危険性、自身が取るべき行動などを学んだ。その後はクジラのショーなどを楽しんだ。
参加した町立太地小学校6年の由谷蓮太郎君は「今日は良い運動になった。知らない避難階段もあったので勉強になった。地震が起きたときはしっかりと避難します」と話した。
和田委員長は「防災訓練への子どもたちの参加が少ないため、このような場で防災について楽しく学んでほしい。次世代を担う子どもたちには太地を愛し、将来も太地をよりどころに感じていただける人になっていただきたい」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
神倉小6年生がふるさと学習事前授業 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で24日、ふるさと学習に向けた事前授業があった。6年生83人が、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会で委員などを務める中瀬古友夫さんから市が発展した経緯や川原家(かわらや)などについて学んだ。
ふるさと学習は神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が取り組む「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに地元の歴史や文化を学んでもらい、愛着を持ってもらおうと、同協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力の下に取り組んでいる。12月10日(木)には県立新翔高校の野間清教諭と同校生徒による川原家作りの見学を行う予定になっている。
事前授業で中瀬古さんは、明治時代末期と現在の熊野速玉大社下の河川敷の写真をスライドで紹介。当時の住宅である川原家を説明し「昔はここで生活している人が多くてお店などもあり、200軒ほどの川原家がありました。かつてこの地域は材木が盛んな町で、本宮町や奈良県十津川村、北山村などから筏(いかだ)で運ばれ、新宮から東京や大阪に向かい木炭や和紙などと取引されていた」と述べた。
「一見、不便に見えるかもしれませんが、当時の人たちにとって舟での移動が中心だったので陸路よりも距離が短く、むしろ便利に感じていたと思います。新宮市は熊野川と一緒に成長してきた町。昔の発展があったからこそ今があるという歴史を理解して、見学に臨んでください」と呼び掛けた。
上野碧(あお)さん(12)は「昔と今の写真を比較して地形は変わっていないけど、建物が川原家なだけで大きく雰囲気が違って驚きました。勉強していく中で、自分たちが住んでいる町をもっと知っていきたい」と話していた。
(2020年11月26日付紙面より)
串本環境学習FPを初実施 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が22日、実証モニターツアー「串本環境学習フィッシングプログラム(FP)」を実施し、親子38人が串本海中公園見学や珍魚釣り体験を通して串本の海の環境に親しんだ。
このツアーは、環境省「国立・国定公園への誘客の推進事業」の適用を受けて同協会が展開する「本州最南端 自然を学べる環境学習型フィッシングプログラム整備事業」の一環。
適用により同協会は将来的に同プログラムの定着を目指す状況にあり、コロナ禍の情勢を考慮しつつ具体的な形として同ツアーを22日と29日(日)の2回実施することを計画して告知し、まずは主ターゲットの地域外、次いで地域内から事前申し込みを募った。両日とも定員40人をほぼ満たす申し込みを得ているという。
初回の22日は、同事業の一環で研修育成中のアドバイザリースタッフ候補11人とオブザーバーのオダギリサトシさんらが親子の一連の活動をサポート。前半は串本海中公園センター水族館で館内展示やバックヤードなどを見学して串本の海の実像のイメージを培い、昼食休憩を経て後半は串本漁港へ移動し珍魚釣りを体験した。
触れてはいけない魚を教わった親子は貸し出しや持ち込みの道具で魚を釣り上げ、その感覚を重ねて経験しながら参加者一丸で水槽「串本珍魚釣り水族館」を仕立てて串本の海に宿る豊かな生態系の一端を実感した。
2回目の29日も39人の申し込みを得ているそう。同事業を担当する宇井晋介事務局長は「珍魚釣り自体はこれまでにも大会や体験を実施してノウハウがある。今回は初めて串本海中公園とコラボして実施。串本の海のイメージを持ち、釣り好きの皆さんにじかに教えてもらって釣り上げた時の親子の喜びを見て人の関わりは本当に大事だなと感じた。アドバイザリースタッフの価値を感じる良い機会にもなった」と初回の手応えを語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新嘗祭・献穀講祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら11人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「今年の豊作をお礼に来た。来年の豊作や関係者の健康もお祈りさせていただきました」と語った。
(2020年11月26日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
那智勝浦町総合体育大会
U―8キッズサッカーフェスティバル (和歌山県サッカー協会 )
課題探究ポスター発表会 (新宮高校 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長)で17日、「合同課題探究ポスター発表会」(榎本泰雅実行委員長)が開かれた。1、2年生349人がグループごとに設定したテーマで、「総合的な探究の時間」に取り組んだ調査・研究の内容を発表し、質問に答えた。
日常生活や社会に目を向けたときに出てくる疑問や関心に基づいて自ら課題を設定し、情報収集や分析を通じて問題解決に取り組み、明らかになった考えや意見を表現する力を培うことが目的。課題に対する調査や考察に加え、2年生は論文作成も行う。
発表会は、学年を超えた聞く人との質疑応答を通じて新たな観点や課題の発見、自分が導き出した結論の見直しにつなげるとともに、コミュニケーション能力を高める狙いもある。今年は84グループが3部に分かれ、各ブースで模造紙にまとめた内容を発表した。
オープニングセレモニーで榎本実行委員長は「今日まで、それぞれの課題に向かって取り組んできた。特に1年生は調査や考察が難しく、うまくいかなかったこともあったと思う。発表では全力を尽くし、これまでの調査結果や考えたことを最大限活用して頑張りましょう」とあいさつ。
生徒たちは「夜きちんと眠れていますか?~授業中にせまる睡魔のヒミツ~」など日常生活から着想を得た疑問や、「新宮市の観光名所とコロナ対策」といった新型コロナウイルス禍中の社会問題、「自然を壊すマイクロプラスチック」などの環境問題を取り上げ、テーマ設定の理由や立てた仮説、調査や考察の過程を説明し、結論について議論する中で互いに知識を深めていた。
(2020年11月19日付紙面より)
PTA連絡協議会が臨時役員会 (新宮市 )
新宮市立緑丘中学校で17日夜、新宮市PTA連絡協議会(市P連、金田有史会長)臨時役員会が開かれた。市内5小学校と5中学校、10校の校長・教頭、教職員らが出席。「県立高等学校の今後の在り方」について、各校育友会の声を集結し意見交換を行った。
県教委は、「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2となる20校程度とするのが適正」などとした「きのくに教育審議会」の答申を受け、各地域から寄せられた意見を基に再編整備実施プログラムを作成していくと方向性を示している。
新宮、新翔の両校統合も視野に入れた和歌山県立高校の再編問題。この日の会議には▽三輪崎小▽光洋中▽熊野川小▽熊野川中▽高田小・中▽神倉小▽緑丘中▽王子ヶ浜小▽城南中―が参加。各校が保護者らへのアンケートなどで集約した意見を報告。オブザーバーとして県立みくまの支援学校も意見を提出した。
市P連はこの日の報告内容と「もう少し時間をかけて詳しい情報を開示しながら進めていってほしい」などといった多数意見を再度集約。26日(木)に行われる懇談会で県教委に提出する予定。
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■各校育友会から寄せられた意見(一部)
▽学びなおし学科やオンラインを伴う通信制、紀南地方ならではの海洋関係の学科や自然学科、グローバル科、少人数で特色のある学科も設置してほしい
▽英会話授業、ICT教育が充実した学科が必要
▽総合学科を残し、県外からも広く募集できるようにしてほしい
▽クラブ部員が少ないので分校(別校舎)になってもクラブは合体したほうがいい
▽新宮高校は伝統を守ってほしい
▽紀北(和歌山市)を中心に話は進んでいる。紀南の地域性などの声は届きにくい現状かと
▽概要に「高校の活力や多様化が低下」「高校の魅力が低下」とあるが、県教委は地域や学校に責任転嫁しているように感じる
▽子どもたちの環境の変化が大きい。子どもたちの声を聞いてほしい
▽校風などになじめない生徒のためにも分校として学級を残す必要があると考える
▽学校が減ることによって1クラスの人数が増えて教育の質が低下するようなことがあってはならない
▽遠方から通学する生徒に対する通学費や寮費などの支援を
▽学力の向上やパソコンなどの資格取得の支援に力を入れてほしい
▽地元に根差した学科(農林・水産・観光)を
▽2校を存続してほしい
▽就職につながるクラスも残してほしい
▽プール、実験施設、宿泊施設など、両校の生徒が有効に活用できるようにしてあげてほしい
▽スクールバスを保有し、生徒の送迎や部活練習の移動に利用してほしい
▽専門科を作って地元に就職して人が残るようなことも考えてほしい
▽働く場所が限られている。看護・介護・保育など専門的な学科の設置を
▽高校に支援学級を設置したり、高校と特別支援学校の中間のような学校があったらいい
(2020年11月19日付紙面より)
紀宝町民児協の11月定例会
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の11月定例会が17日、町福祉センターであった。委員約30人が参加し、津本地区自主防災会と町防災対策室の取り組みを通して、コロナ禍における防災対策を学んだ。
津本自主防災会は2011(平成23)年9月の紀伊半島大水害を契機に、翌年4月に発足。14(平成26)年に避難所の津本防災センターが完成し、防災チャレンジ大運動会や訓練など防災の拠点として活用しているという。
町防災対策室の鈴木大司さんは、新型コロナウイルスに対応した避難所のレイアウトや運営について「密になりにくい場所に受付を設け、体温計、消毒液を設置する。受付要員はマスクを必ず着用する」と説明。マスク、使い捨てゴム手袋、手指消毒液、除菌シートなど衣装ケースにまとめた備品を紹介。避難所で活用できるパーティション、簡易ベッドを組み立てた。
前回の意見交換会であった「タイムライン運用時の民生委員の行動」について濵口会長は「地域によって実情が違う。タイムラインが発動したら、高齢者に早めの避難や縁故避難などを呼び掛けてもらえれば」と伝えた。また、町に対し「タイムライン始動を防災無線で放送してほしい」と改めて要望した。
(2020年11月19日付紙面より)
「祝ドラフト2位」懸垂幕掲示 (新宮市 )
新宮市、市体育協会、市スポーツ少年団本部は18日、市庁舎にプロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから2位指名を受け、入団が決まった新宮市出身の森浦大輔投手の活躍を願い、応援懸垂幕を掲げた。来年1月31日(日)まで掲示される予定。
森浦投手は現在、天理大学4年生。最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器とする左腕だ。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞している。
森浦投手の今後の活躍に対し、田岡実千年市長は「新宮市出身の森浦大輔選手が広島東洋カープから2位指名を受けたことは、市としましても本当に喜ばしいことであり、当地方の子どもたちにとっても大きな目標になったと思います。厳しいプロの世界と聞きますが、森浦選手の1軍でのご活躍に地元新宮市から精いっぱいのエールを送ります」とコメントを寄せている。
(2020年11月19日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で12日、来年のえと「辛丑(かのとうし)」の大絵馬と小絵馬が完成した。大絵馬は24日(火)に、大しめ縄と共に大社神門に掲げられる。
スギ材などで作った大絵馬は、横232㌢、縦113㌢。九鬼宮司が7月ごろから構想を練り、制作に着手した。新型コロナウイルス感染症の一刻も早い終息と国内外の医療関係者への感謝をささげ、青い丑を描いた。
「困難な中にあっても新たな目標を掲げ、自分の歩幅で進んでほしい」と願いを込め、金と銀の鈴の付いたくらには「歩」、そして大きく「前進」の文字を揮毫(きごう)。九鬼宮司は「新しい生活様式などが提唱される中、国内外の多くの人が自分の方向性を模索している。来年は新型コロナが終息し、多くの人が新たなスタートを切り、自らの歩幅で目標を達成していただければ」と絵馬に込めた思いを語った。
新宮、白浜、紀伊田辺、和歌山、周参見のJR各駅に掲げる小絵馬の丑のくらには、「未来」(田辺)、「元気」(和歌山)、「輝」(白浜)、「山海川」(新宮)、「自然と人」(周参見)と、それぞれのまちのキャッチフレーズから単語を抜粋。紀伊田辺駅、白浜駅、周参見駅には16日(月)、新宮駅には17日(火)、和歌山駅には25日(水)に授与する。旅の安全を願い、南紀白浜空港にも絵馬を贈る予定。
同大社では3密回避のため来年の初詣における「分散参拝」を呼び掛けており、毎年境内で執り行われる「新年初祈祷(きとう)」を大斎原(おおゆのはら)で斎行する。このたび、大斎原に掲げる絵馬の制作にも当たった九鬼宮司は「太陽を背にした丑に『翔』の文字を入れ、世界中の人々が新たな一歩を踏み出し、大きく羽ばたくことのできる明るい年に」と祈念。初祈祷が大斎原で行われるのは132年ぶりという。
(2020年11月13日付紙面より)
城南中でオレンジリボンの授業 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長、生徒171人)で11日、各学年を対象にした「オレンジリボン」の授業があった。生徒たちは児童虐待などへの学びを深めた。
11月の児童虐待防止月間であるオレンジリボンキャンペーンは、2004(平成16)年に栃木県で子どもが虐待を受け、命を奪われた事件をきっかけに始まった。同校では子どもたちを保護者の温かい気持ちで包み、やがて子どもたちが守ってあげられる側の人間に成長してほしいとの願いから取り組みを開始し、今年で6年目。生徒にとってはオレンジリボンを通じて保護者の気持ちを受け取り、児童虐待防止に関して学ぶ機会となっている。先月22日には、保護者や教職員がリボン約200個を制作した。
2年生61人の授業では、森浦展行・主幹教諭が復習を兼ね、社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色や意味を説明。生徒は12班に分かれ「あなたにとって、大切なものは?」「この世の中からなくなればいいと思うものは?」の問いに意見を出し合い話し合った。
金田あすかさん(14)は「報道などで耳にするたびにつらい思いになっていました。優しさや人を敬う気持ち、助け合いを忘れず、いろんな意味で平和な世の中になってほしいです」。小口篤紀君(14)は「日本をはじめ、世界でも心を痛めることがあることを改めて感じ、知らないことがたくさんあった。先生や家族からのメッセージを目にして愛情を感じ、その言葉を支えにしていきたい」。
森浦主幹教諭は「生徒たちの真剣に耳を傾ける姿が見られました。それぞれの考えを出し合い、内容の重要さを理解しながら取り組んでいた。授業を通して温かい気持ちになってもらい、地域と人を愛せる文化をつくっていってもらえれば」と話していた。
(2020年11月13日付紙面より)
アドバイザリースタッフ研修 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が9、10日の2日間、串本海中公園センター研究所内で人材育成講座「アドバイザリースタッフ研修」を開いた。地元の人材が持つ知的資源を誘客に強く生かすための試みで、20人が全体または部分的に受講して接遇向上に励んだ。
この研修会は、環境省「本年度国立・国定公園への誘客の推進事業」の採択を受ける事業「本州最南端自然を学べる環境学習型フィッシングプログラム整備事業」の一環。同プログラムを展開するに当たって同協会は非常勤有償のアドバイザリースタッフの起用を想定し、近日実施するモニターツアー「串本環境学習フィッシングプログラム」をサポートする人材をその候補に見据えて受講を呼び掛けた。
町内近隣の釣り好きに接遇力を高めてもらい、持ち前の技術を安全かつ円滑に波及してもらうことで釣り好きの串本ファン、ひいてはリピーターを増やすのが起用の狙い。
大阪・とんぼりリバークルーズなどの実績を持つ株式会社インプリージョンのプロデューサー・森なおみさんを講師に迎え、2日間計3時間の中でガイドの基礎やおもてなしを学んだほか、元・串本海中公園センター水族館長で現・同協会事務局長の宇井晋介さんから串本の海の魅力を聞くなどした。
2日目は主におもてなしの研修で、森さんはコミュニケーションにおける第一印象の構成要素や自己紹介における六つのポイント、笑顔・おじぎ・傾聴の種類と種類ごとの意味や狙い、おもてなし実践時の五つ道具などを考えるべき点として紹介した。学んだ事柄の実践をグループワークなどで促し、人と向き合うときの緊張を解き姿勢を正す、笑顔を魅力的にする口角の作り方といった知恵も紹介して候補の成長を後押し。「ゲストをもてなす皆さんが大切。まちの観光大使、というつもりでウエルカムを発揮してほしい」と活躍を期待した。
研修の様子は同社のオダギリサトシ代表取締役も見守り、時折ムードメーカーとして参加。宇井さんは「学んだ事柄はさまざまな面で串本を伝える一助になると思う」と汎用(はんよう)を促しつつ、本題のフィッシングプログラムへの支援を呼び掛けて締めくくった。
(2020年11月13日付紙面より)
職員がシロマダラ発見か (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)周辺の防災道路で11日、同社の職員が作業中に幻のヘビ「シロマダラ」と思われる個体を発見した。体長は60㌢ほどで、12日夕方には山に返す予定。
シロマダラは日本の固有種で低山地の森林などに生息している。夜行性で個体数も少ないことから目撃例も数少なく、幻のヘビといわれている。
同社の花井啓佑権禰宜(ごんねぎ)(27)は「夜行性のため、人の多い日中には見られるのは珍しいようです」。
シロマダラと思われる個体の発見については「世界遺産・熊野那智大社には昔ながらの自然が色濃く残っている証しだと思う。無毒のため、参拝者を傷つけることもないので山にそのまま返させていただきます」と話していた。
(2020年11月13日付紙面より)
県中学校バレーボール新人大会で優勝
那智大社で規模縮小し献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長、組合員10館)は8日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「献湯祭(けんとうさい)」を営んだ。組合員らが参列し、朝一番に源泉からくみ上げた温泉水を神前に奉納した。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宿泊客の参列参加や餅投げも行わず規模を縮小して実施した。
神事では各旅館の代表者らが14個のたるに入れた源泉の一番湯を順に神職に手渡し供えた。
所用で欠席した清水組合長に代わり、野口滋己(しげき)副組合長が代表して玉串を奉てん。一同は自然の恵みに感謝し、業界の繁栄とコロナ終息を祈願した。
男成宮司は「自然の恵みに感謝するとともに各旅館のご繁栄、コロナ終息を祈願した。各地で巣ごもりが続いている。旅行でリフレッシュしたい方々のためにも仕事にご精励いただけましたら」と語った。
野口副組合長は「4~6月は前年比で100%近く客足が減少した。しかし、町の宿泊クーポンや県のリフレッシュキャンペーン、国の『Go To トラベル』、修学旅行の県内実施により、9月以降は組合全体で前年と同程度に戻った。10月も前年並みになると思う」。
今後については「本日は各旅館の繁栄とコロナ終息を祈りました。各旅館とも感染症対策はしっかりとしているため、安心してお越しください」と語った。
同組合によると、組合員10館の収容力は762室で、3200人だという。
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献湯祭を終えた一同は那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)に向かい、物故者追善法要を営んだ。
法要は南紀勝浦温泉の礎を築き上げ故人となった経営者や従業員などの功績に感謝し、冥福を祈るもので髙木亮英副住職らが読経を行った。
野口副組合長が「43回目の法要として、礎を築かれた皆さまに感謝するとともに、組合員一同、創意工夫をもって業績の向上に励み、観光産業の発展に努力します」と追悼の言葉を述べた。
髙木副住職は「コロナの影響などで厳しい状況にあるが、皆さまの力を合わせ、この難局を乗り越えてください」と語った。
(2020年11月10日付紙面より)
保育サービス講習会開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町地域子育て支援センター(戸塚ゆう子センター長)は7日、同町福祉健康センターで「保育サービス講習会」をスタートさせた。地域住民7人が参加し、子育て支援の基礎や心得、親子の気持ちを尊重した寄り添い方などを学んだ。
本年度初の取り組み。子育て世代の労働時間や労働形態が多様化する中、子どもの送迎や残業時の預かりなど、既存の保育所・保育園での一時預かりサービスでは対応できない保育ニーズに応えることが目的で、町民からの要望があって実現した。基本的な知識・技術を習得した保育サービスの提供者を養成するとともに、母親同士の自助グループづくりを促す狙いもある。
講師は町の保育士や救急救命士、管理栄養士、かづこ助産院の本舘千子(もとだて・かづこ)院長、NPO法人Com子育て環境デザインルームの松本千賀子理事長ら。全24時間の講習を修了すると、保育活動に際して一般財団法人女性労働協会の補償保険に加入できる。
この日は戸塚センター長が「保育の心」と題して講話。活動時の安全で快適な空間づくりや、事前打ち合わせなどでコミュニケーションを取ることの重要性を解説し、「困ったときに『助けて』と言える人がいる、わが子の成長を共に喜んでくれる人がいるというのは、親にとってとても心強いこと。皆さんの活動が、子育てに優しい町づくりにつながる。地域の良き子育てパートナーになってほしい」と呼び掛けた。
(2020年11月10日付紙面より)
商工会青年部が「屋台deランチ」開催 (紀宝町 )
紀宝町商工会青年部(玉置一貴部長)は8日、同町の鵜殿港で「屋台deランチ」を開催した。新型コロナウイルスの影響で遊び場も限定されている子どもたちに、屋台の雰囲気を味わってもらいながら、親子や友達同士に楽しみの場を提供するのが目的。青年部初の試みで、ゲーム機、米、お菓子の詰め合わせなどが景品の抽選会もあり、秋の休日は最後までにぎわった。
連絡先を記入し、検温を済ませて入場できる会場は、鵜殿ふれあい会館の裏手。焼きそば、ホットドッグ、フライドポテト、ソフトドリンクなど子どもたちに人気のメニューをそろえた屋台が並び、ほとんどが100円という安さで、売り手は青年部員が担当。屋台前に行列ができるほどの人気を集めた。コンテナを並べて設けた席も、間隔を空けてコロナの感染予防に配慮。会場のあちこちで、歓談を楽しむ様子が見られた。
2家族6人で訪れた町立井田小1年の谷口來未(くるみ)さん(6)は、この集いを母親に教えてもらったという。仲間同士でラムネやかき氷、フライドポテト、焼きそばなど囲み「どれもおいしい」と笑顔を浮かべた。母親と妹の3人で来た町立鵜殿小4年の芝鼻美唯菜(みいな)さん(9)はやや肌寒い天候にもかかわらず、フライドポテトとともにかき氷も味わって「寒くないし、大丈夫。おいしかった」と元気。2人は「楽しい」と口をそろえ、玉置部長も「遊び場所を提供したかった。うれしい」と話し、予想以上の好評さを喜んだ。
(2020年11月10日付紙面より)
秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴い、各地の消防は9日、防火広報を実施した。新宮市消防本部(越水薫消防長)では新宮、熊野川の2地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼び掛けた。今年の全国統一防火標語は「その火事を 防ぐあなたに 金メダル」。
市消防本部で行われた新宮地区の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、三輪崎、佐野、高田、警備の7分団から26人が参加。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は団員数を縮小しての実施となった。竹内由定団長は「これから寒くなり火災の起こりやすい季節となる。防火広報活動をしっかりやっていただき、火災予防に役立つようにお願いします」と訓示。
出発式に駆け付けた田岡実千年市長は、団員らの日頃の尽力に感謝を述べ「空気が乾燥し火災が発生しやすいこの時季は、市民一人一人が火の用心を心掛けていただけるように広報活動を」と呼び掛けた。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地区の広報に向かった。
15日(日)には新宮地区と熊野川地区の8カ所で総合訓練を実施する。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の6点。
市消防本部では▽住まいの防火対策を進めよう▽延焼拡大危険性の高い地域を中心とした火災予防対策や警戒を徹底しよう▽放火されない環境づくりを進めよう▽防火管理体制の徹底を図ろう▽電気用品、燃焼機器、自動車などの適切な使用・維持管理を徹底しよう▽火気器具・危険物は正しく取り扱いましょう―の6点を重点に実施する。
市消防本部管内で今年1~10月に発生した火災は、住宅火災4件、その他火災4件の計8件で、昨年同期より4件減少した。
(2020年11月10日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれる、熊野地方に春を呼ぶ「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)。来年の斎行についてこのほど、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事を執り行うことが決定。5日に同大社、神倉奉賛会、神倉青年団が発表した。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
このたびの決定は、全国的にコロナ感染症のクラスター発生防止についてあらゆる取り組みが行われている中、2000人以上の上がり子が神倉神社山門内に集結することによって長時間の3密状態が避けられない状況であることを考慮。上がり子の安全と健康を最重要視する運びとなった。報道関係者や一般撮影者の入山も禁止となる。翌7日の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止。
斎行に関して、同大社、神倉奉賛会、神倉青年団、市観光協会で御燈祭り検討委員会を開催。新宮警察署や市消防本部、市消防団、新宮森林事務所、新宮少年相談センター、新宮小売酒販組合、御燈祭りを守る会など関係機関と協議を重ね、また、和歌山県危機管理局、県福祉健康部感染症対策班および県神社庁などの助言も得ながらこのたびの決定に至った。
祭り当日は15人以内の神職と介釈(かいしゃく)のみで入山する。中止に関して、介釈を務める神倉青年団の中山忠吏団長は「新型コロナの情勢に敏感になる人が多い中、上がり子の健康を第一に考え中止に至った。当日は新型コロナの終息を願い、神職の指示に従って厳粛に滞りなく任務を遂行したい」。
上野宮司は「中止の決定に至るまで葛藤はあった。残念だが健康と安全を考えた結果。長い時代の中で同じような苦労はあったのでは。その中で祭りをどう伝えていくかを模索しながらこれまで続いてきたことと思う。今年は、家から神倉山を見て、手を合わせてほしい」と思いを語った。
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■御燈祭り当日の日程
※当日(2月6日)夕刻以降、神倉神社付近への車の参入は避けること
▽午前10時 かがり御供(ごく)奉製
▽午後5時10分 介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう
▽午後5時50分 神職、介釈一行同大社を出発し、神倉神社に向かう
▽午後6時20分 神倉神社到着
▽午後7時10分 御神火をおこし、神事開始
▽午後7時30分ごろ 大たいまつを先頭に下山開始
▽午後7時35分ごろ 中ノ地蔵に到着、拝礼
▽午後7時40分 神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発
▽午後8時 阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る
▽午後8時30分 熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る
(2020年11月7日付紙面より)
タウンガーデンで花の植え替え (新宮市 )
新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は5日、同所で花の植え替えを行った。会員10人が、秋から冬に咲く花を植えた。
この日に植えた花はパンジー、ビオラ、ハボタンの3種類。今後も随時、ナデシコやカンパニュラ、クローバー、金魚草などさまざまな花を植えていく予定になっている。会員たちは花壇を囲み、協力しながら丁寧に作業を進めていった。
平田代表は「季節の変わり目に花を植え替え、大勢の方たちに見てもらい楽しんでほしい。まちの中で少しでも座って休むことのできる憩いの場にもなってもらいたいですね。コロナ禍で引きこもりがちになりそうな毎日ですが、まちのシンボルの一つになってもらえれば」と話していた。
(2020年11月7日付紙面より)
例年並み110㌧見込む (北山村 )
日本唯一の飛び地の村、北山村で6日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年並みの約110㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。
じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。ユズや紀州みかんの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したとされている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。大きさはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。
じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家30戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ぽん酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品があり、昨年度の売り上げは約4億7500万円だった。本年度は約6億円を見込んでいる。
北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(44)は「夏場に雨が少なく木が枯れそうになるなどの心配がありましたが、みんなで手入れに力を入れて無事に成長させることができました。今年は実もしっかりしており、品質の良いものが育ちました」と話していた。
予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは村じゃばら村センター(電話0735・49・2037)まで。
(2020年11月7日付紙面より)
サイクリング動画制作し公開 (東牟婁振興局 )
東牟婁振興局がこのほど、サイクリングPR動画「KINAN Cycling Team 山本大喜選手 熊野を走る」を制作し、動画サイトでの公開を始めた。
この動画は、サイクリングを通じて熊野地方の魅力を伝え県内外からの誘客につなげることを狙い、NPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」が擁する県内唯一の自転車競技チームの協力を得て制作。
県サイクリングコースの一ルート「本州最南端ジオパークコース」の魅力や地域柄を語りながら紹介する内容で、同局企画産業課の職員が「自転車で出会う熊野の魅力」をコンセプトにして企画、撮影、編集を担当した。
シーンとして橋杭岩や南紀熊野ジオパークセンター、一枚岩や虫喰岩なども収録。ドローンやウエアラブルカメラ、一眼レフカメラなど撮影手法の多彩さにもこだわっているという。
公開先は動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」の熊野エリア観光ちゃんねる(サイト内検索で検索可)。同局や同チームの公式ホームページ、同課公式フェイスブック、熊野エリア観光推進実行委員会公式ホームページやフェイスブック、南紀熊野ジオパーク推進協議会公式ホームページにおいて、外部リンクをたどっての閲覧もできる。
山本選手は奈良県平群町出身、24歳。現在は同チームに所属し、新宮市に在住し主に同局管内でトレーニングを続けている。第38回アジア選手権ロードレース(U―23)優勝、2018年全日本選手権個人タイム・トライアル(U―23)優勝、第54回西日本ロードクラシック広島大会(Day―1)優勝、と実績を重ねている。
今回紹介するルートは串本駅を発着点にし、橋杭岩~虫喰岩~一枚岩~串本海中公園~潮岬灯台を巡る全長約65㌔の初・中級者向けコース。詳細は和歌山県サイクリング総合サイト「RIDE ON WAKAYAMA」を参照。
今回のルート以外にも管内にかかるルートが複数あり、現時点では未定だが同課は同チームと引き続き話をする中で第2、3弾に挑戦できればと話している。
(2020年11月7日付紙面より)
東牟婁地方中学校秋季陸上競技大会
新宮市民スポ祭硬式テニス
那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会
みんなで防災意識高める (丹鶴幼で地震津波避難訓練 )
「世界津波の日」(11月5日)前日の4日と5日、県内全域で地震・津波避難訓練が実施された。国や県、市町村、教育機関、自治会などが取り組み、適切な避難の定着を図った。
「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定。1854(安政元)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵(ごりょう)が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った「稲むらの火」の故事にちなんでいる。
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新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児56人)は5日、地震、津波の避難訓練を行った。園児たちは経路をたどり、落ち着いて避難した。
同園では子どもたちに防災や防犯意識を高めてもらおうと火災、地震、津波、不審者を想定した各訓練を定期的に実施している。この日は午前10時に地震発生を知らせるアナウンスが流れた。園庭で遊んでいた子どもたちはその場に座り、手で頭を覆って身を守った後、職員の指示に従って近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。
下岡園長は「今日は上手に逃げることができました」と講評。「部屋にいるときには丈夫な物の下にもぐり、外で遊んでいる場合は『ダンゴムシのポーズ』で体を守ってくださいね」と呼び掛けた。
「真剣に取り組むことが大切。そのために、しっかりと避難できるように訓練しています」と語り、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」「泣かない」の「お・は・し・も・な」を守るよう伝えた。
訓練後にはみんなで園に戻り、遊戯室で災害にまつわる紙芝居「稲むらの火」を見た。
(2020年11月6日付紙面より)
中央公民館で防災講演会 (古座川町 )
古座川町が3日、中央公民館で津波避難総合センター完成記念防災講演会を開いた。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授・後誠介さんを講師として迎え、約50人が聴講して防災意識を高めるなどした。
津波避難総合センターは下部区内で5月に完成したが、コロナ禍に伴い落成式を営めず。「何かをしたい」という思いは持ち続け、できることとしてこの講演会を思いついた。同日午後にあった同センターの内覧会と対の行事に位置づけ、町民対象で定員60人程度とするなど感染症予防対策を講じつつ参加を呼び掛けたという。
落成式だけでなく防災行事の機会もコロナ禍で減っている同町にとっては、久しぶりの意識喚起の機会。開会に当たり西前啓市町長は同センター設置の経緯を伝えつつ「(今後も町内の)防災力向上を図り、町民の皆さまが安全に安心してもらうためまい進していきたい」と意気込みを示して講師の登壇と聴講を歓迎した。
演題は「地震・津波災害に備える」。後さんは昭和19年東南海地震、昭和21年南海地震を振り返って地震や津波のイメージを組み立て、本質は地下で大きなずれが起こる点にある、と視点を誘導。紀伊半島付近の地下にある二つのプレートの固着域(破壊域)を震源とし、両プレートのずれが東に広がれば東南海、西に広がれば南海、それ以上に広がった先に国が想定する南海トラフ巨大地震があると印象づけた。
来る地震は単発か連動か巨大地震のいずれかで、マグニチュードが大きくなるほど被災地が広がり救援の手が遅れて長期(持久)戦が強いられる。その時は体力を温存しながら復興に臨む姿勢も必要になるなど規模相応に対処する発想の柔軟さを促しつつ、現在の予測状況を同町に当てはめて紹介した。
地震・津波対策の盲点として県内の耐震化や家具転倒防止の普及の鈍さを懸念し、これらは続く津波避難時に自身や助けてくれる周りの人に負担を掛けない点で大切だと推奨。まとめとして▽来る地震は3種類▽防災意識が高い地域は犠牲者が少ない▽耐震化の大切さ―を振り返って話を締めくくり、質問に答えるなどした。
(2020年11月6日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(久保敏晴校長、生徒73人)では4日、南海トラフ巨大地震を想定した防災学習と裏山への避難訓練があった。
毎年実施している取り組みで、本年度は家庭での防災意識向上にも役立ててもらおうと、プリントや無料の連絡網サービス「マチコミ」を使った情報発信にも力を入れている。
生徒たちは防災学習で「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」の津波避難3原則を学習。家族分も含めた「避難カード」が配られ、分かる範囲で地震・津波時の避難場所や緊急連絡先を記入した。
1年生のクラスでは南隼太教諭が「皆さんが率先して避難することが、家族や友人など周囲の人の命を助けることにつながる。緊急時に家族の安否が確認できるよう、具体的な避難先や連絡先を家族と話し合い、一緒に『避難カード』を作成して」と呼び掛けていた。
(2020年11月6日付紙面より)
宇久井小・中・保が避難訓練
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童155人)、中学校(坊信次校長、生徒62人)、保育所(山田有美所長、園児83人)は5日、合同避難訓練を実施した。
午前9時50分に地震を知らせる校内放送がかかると、児童、生徒、園児は机の下に避難。地震がやんだ後、児童・園児は救命胴衣を身に着け、生徒はヘルメットを着用して一次避難場所の中学校グラウンド(海抜約26・6㍍)に集合した。
芝﨑校長は「2011年の東日本大震災では多くの人が津波の被害に遭い、命を失った。その教訓を生かそうと今日の避難訓練がある。宇久井は海の近くなので、津波が来れば大きな被害が出る可能性がある。いざというときのため、今後もしっかりと訓練に取り組んで」と呼び掛けた。
なお、本年度は3密防止のため、二次避難場所である中学校校舎屋上への避難は実施しなかった。
(2020年11月6日付紙面より)