高校生地球環境論文賞
中央大学が主催、高校生新聞社が共催する「第18回高校生地球環境論文賞」で、近畿大学附属新宮高校3年の中地智里さんが最高位である最優秀賞を受賞し、21日に同校会議室で表彰式が行われた。
論文賞は同大学が環境改善への基本的認識を共有できる次世代の育成などを目的に実施。地球環境問題全般をテーマに今回は全国から841通の応募があった。
論文賞の存在を知った中地さんは個人で応募し受賞を果たした。表彰式には審査委員で同大学商学部教授の清水克洋さんらも駆け付けた。清水さんは田中廣滋委員長の講評を代読し、「多くの論文を読みましたが、中でも中地さんが素晴らしかった。よく勉強されている」と功績をたたえ、表彰状などを贈った。
中地さんは幼い頃にラッコを見て興味を持ち、それがきっかけで研究を開始。今回は3カ月間、実験を重ねて論文を作成した。受賞については「疑問は実験を通して明らかにできた。12年間続けてきた研究が表彰されてうれしく思う」と笑顔で語った。
□ □
■論文の内容
題名は「ラッコの生息地における赤潮の影響評価」。生息数の少ないカリフォルニアラッコに焦点を当て、近年、生息地周辺で発生する赤潮が原因で生息域に大きな影響を及ぼしていると説明。赤潮の影響で海洋性毒素の濃度が上昇し、それらを摂取した貝を食べるラッコに毒素が蓄積され、異常を来すという。結果、異常な動きをするラッコに反応したサメなどに捕食されてしまい、生息数が減少する事例も紹介している。
少ない生物量でも生態系に大きな影響を与える「キーストーン種」であるラッコは多くの生物をつなぐ生態系の要であり、その保全が海洋生物の多様化を実現させると説く。また、赤潮の発生を抑え、ラッコを守るために取り組んだ実験と結果も詳細に解説されている。
□ □
■将来について
卒業後は理系大学に進み、ラッコを中心とする海洋生物の研究者になることを目指す中地さんは「将来は海洋環境悪化の原因やその状況を改善するために研究していきたい」と抱負を述べた。
中地さんのクラスの担任を務める千手久味教諭は「研究が報われてよかった。素晴らしい論文だった」と語った。
中地さんを含む受賞者の論文は同大学ホームページに掲載されている。
(2018年12月23日付紙面より)
那智勝浦町苺生産組合(桒野稔近組合長、組合員9戸)はクリスマス需要期出荷に向け21日、同町南大居のJAみくまの太田営農センター(野生計センター長)でイチゴの目慣らし会を開いた。
目慣らし会は、ケース詰め基準の統一と等級の確認を目的にイチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。JAみくまので販売される県独自の品種「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地となっている。
この日はイチゴ生産農家、みくまの農業協同組合、新宮公設市場、東牟婁振興局の職員らが参加し、イチゴの品質やケースごとの量などについて意見を出し合った。公設市場の職員は「まりひめは、他のイチゴの基準になるくらい品質の良さに定評があります」と話した。
まりひめは例年11月下旬から翌年の5月ごろにかけて出荷されるが、台風20号、24号の影響によるハウスの倒壊や畑への浸水などの被害から出足が遅れ、この日の出荷量も昨年の7割ほどとなったが、品質は上々だという。桒野組合長は「どうにかクリスマスに間に合いました。シーズン出だしは不安もありますが、消費者の皆さんの声を励みに、より高品質な生産を目指します」と力を込めた。
まりひめは熟した頃合いを見て摘果しており、地域でしか販売されないため、公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売している。昨シーズンは約1万ケースを出荷した。
(2018年12月23日付紙面より)
御創建二千五十年終了奉告祭 (熊野本宮大社 )
田辺市本宮町の熊野本宮大社で21日、御創建二千五十年奉祝式年大祭の締めくくりとなる終了奉告祭が執り行われた。本殿前で九鬼家隆宮司が男舞を奉奏し、一文字揮毫(きごう)では大筆で力強く「刻」と書いた。
熊野本宮大社が旧社地大斎原へ鎮座して以来、今年で2050年を迎えた。これを記念し、1月1日から歌唱奉納、講大社祭・献詠披講式、奥三河の花祭熊野公演など奉納イベントや記念行事が催されてきた。
奉告祭には約150人が参列。九鬼宮司が、四方を榊(さかき)の風によってはらい清め、太陽を迎える神楽「熊野」を奉奏し、地元の小学生が歌を奉納した。
一文字揮毫は新年への願いを込め九鬼宮司が書き始め10年目。大社本殿前に敷かれた縦横2・9㍍の白い布に、長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げると、見守った参列者らから拍手が湧き起こった。年内は社務所前に掲げる。
最後に朱印を押して書を仕上げた九鬼宮司は「毎年試行錯誤をするが、今年は時を刻む『刻』。明年(みょうねん)は元号も変わり、新しく時を刻んでいく。2050年も長きにわたり多くの先人が時を刻んできて今日がある。しっかりと船出を刻み、それぞれ一日一日大事な時を刻み、平穏で素晴らしい一年を迎えてほしい。刻の左はえとの『亥(い)』。来年は亥年で、刻む年になる」と話した。
(2018年12月23日付紙面より)
※ 九鬼家隆宮司の「鬼」は、「鬼」の1画目を取った字
仙人風呂がオープン (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉街を流れる大塔川の河原で22日、露天風呂「仙人風呂」がオープンした。地元園児たちが一番風呂を楽しみ、大自然の恵みを満喫した。入浴は無料で、利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は来年2月末まで。
例年12月1日から始まるが、今年は相次ぐ台風被害で開催も危ぶまれる中、仙人風呂実行委員会(小淵誠委員長)が台風被害からの復興シンボルとして開設することを決めた。
冬の風物詩になっている仙人風呂は1985年から毎年設置されている。今年は例年より規模を縮小し、熊野川の支流大塔川の一部をせき止めて横幅約28㍍、奥行き約12㍍、深さ約60㌢の浴場を造成。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。名前は、川湯温泉が昔、仙人のお告げで発見されたという言い伝えがあることと、千人が入れるぐらいの大きさがあることに由来している。
アルカリ性単純温泉で、神経痛や筋肉痛に効果がある。約80台分の無料駐車場や男女別の簡易更衣室を設置。シャンプーやせっけんの使用は不可で、水着やタオルなどを着用して入浴する。
今シーズンの安全と温泉街の繁栄を願う開湯式では、祐川寺の丹羽達宗住職による読経の後、小淵委員長ら関係者が湯にお神酒を注いだ。
たんぽぽ保育園とひまわり保育園の園児ら16人が一番風呂に入り、「温かくて気持ちいい」となどと喜んでいた。
利用者数は2006年度が最も多く10万4000人。昨年度は6万5000人だった。小淵委員長は「今回の台風では川湯温泉の全ての宿泊施設が浸水し、大きな被害を受けた。そんな中での仙人風呂の開催は非常に難しかった。まだ傷跡が残っており本来の姿ではないが、復興のシンボルとして開催します」とあいさつ。来賓の真砂充敏市長は「多くの皆さんのお力添えで復興のシンボルとして開催することができた。よみがえりの地として、元気になった川湯温泉を多くの人に見ていただきたい」とさらなる協力を呼び掛けた。
□ □
■湯けむり灯籠も
期間中、毎週土曜日午後8時~10時に「仙人風呂湯けむり灯籠」を実施する。周囲を灯籠で囲い幻想的な雰囲気を醸し出す。雨天中止。
(2018年12月23日付紙面より)
文化複合施設管理運営検討委 (新宮市 )
第12回新宮市文化複合施設管理運営検討委員会(堀内秀雄委員長)が18日、市人権教育センターで開かれ、自主および貸館の事業計画などについて意見を交換した。
楠本秀一教育長は「社会教育施設として市民に愛され、人と人とをつなぐ場所として生き生きとした施設にするためには、管理運営計画をどうしていくかが問われることになる」と述べ、さらなる協力を呼び掛けた。
計画策定を支援する、株式会社シアターワークショップ代表取締役の伊東正示さんが、自主事業計画について方針や方向性を確認しながら事業の種類などを説明。管理運営基本計画で例示された▽鑑賞事業▽普及・育成事業▽創造事業▽交流事業▽情報事業▽生涯学習事業―の6事業のうち、生涯学習事業の項目について「熊野の文化が強調されている重要な項目。より具体的な検討が必要では」と述べ、生涯学習事業を『資料収集・公開事業』と『熊野文化魅力発信事業』の二つに分けることを提案。『熊野文化魅力発信事業』を核とすることによって複数の事業を関連させる展開が可能であると示した。
委員からは「文化といっても幅が広い。市が目指す方針は明確なのか」「専門的な知識を持たずに進めるのは危険では」「熊野の文化について知らない子どもたちが多い。『熊野文化魅力発信事業』は将来を考えた上でも良い」などの意見が出た。自主事業費については「ふるさと納税の寄付金やクラウドファンディングで事業費の不足分を補うといったことはできないのか」といった声もあった。
途中、同市出身(現在オランダ・アムステルダム在住)のピアニストであり芸術家の向井山朋子さんがサプライズゲストとして登場。向井山さんは文化複合施設の完成について「すごく楽しみ。私はジャンルを超えたネットワークもあるし、海外のさまざまな組織で活動をしているので、利用していただければ。私を使わないと損だと思います」と会場を沸かせていた。堀内委員長は「市には東京や海外で活躍している人が多くいる。そういった人たちの力を借りて文化複合施設を完成させることができれば」と話していた。
(2018年12月20日付紙面より)
関係機関連携し医療救護訓練 (新宮保健所 )
地震などの大規模災害発生に備え、新宮保健所(形部裕昭所長)は16日、新宮市立医療センターで「平成30年度災害医療救護訓練」を実施した。新宮市~串本町、北山村の自治体や消防、管内の医療機関など24機関が参加した。
南海トラフでの巨大地震に備え、県は2012年7月に各保健所単位で災害医療コーディネーターを委嘱。新宮保健所管内では、災害時の活動について理解を深め、医療救護などの関係機関の連携強化に力を入れている。
今回は初の試みとしてロールプレーイング方式の机上での情報伝達訓練を実施。訓練後は、被害状況や支援依頼を関係機関が報告する「地域災害医療対策会議」を模擬開催した。刑部所長は訓練の概要を説明し、「顔を合わせることで双方の連携が強まる。関係づくりが重要」と話した。
災害規模は、13日午前9時に紀伊半島沖などの南海トラフを震源とする東海・東南海・南海の3連動地震(マグニチュード8・7)が発生し、新宮・東牟婁では最大震度7を記録。沿岸部は津波による大きな被害に見舞われ、余震が続いている状況と想定。6市町村別被害者数、ライフラインや通信機能の復旧率、道路の通行障害などの状況も詳しく設定され、発災後4日目の朝、重傷者への対応は終了し、圏域内には自衛隊、災害派遣医療チーム、日赤救護班が活動中といった前提で訓練した。
県災害対策本部東牟婁健康福祉班(新宮・串本保健所)や災害派遣医療チーム、自治体、医師会、病院、消防本部などの機関ごとに分かれ、経時活動記録(クロノロジー)用のホワイトボードを設置。各機関に災害状況や要請などが書かれたカードが配布され、対応や事後処理、報告・連絡事項を記録した。傷病者の受け入れや入院中の患者の状況、物資の供給状況、医療スタッフや職員の行動も詳しく書き込み、終了後に今後の課題などを共有し、連携を強めた。
(2018年12月20日付紙面より)
高池小5、6年生が学習会 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の5、6年生26人が18日、同町池野山にあるクマノザクラのタイプ標本木前で学習会に臨んだ。
この学習会は、役場地域振興課が今後の同木の保護を図る上で児童の力を借りたいと申し入れたことがきっかけで実現。同校は6年生の卒業制作として協力することを考えていて、その事前学習として同町長追在住の樹木医・矢倉寛之さんから話を聞くことにした。5年生は来年度の学習に向けた足掛かりとして参加したという。
矢倉さんは神奈川県横浜市出身。市街地にはない山の自然に親しむ中でクマノザクラと出会い、自分なりに研究を深めるようになった。クマノザクラの学名はCerasus kumanoensis。国内の野生種のサクラとして約100年ぶりに新種と認められ、和歌山県、奈良県、三重県に自生しているが、新種とするために必要なタイプ標本を採取した木はこの場所にあるクマノザクラ。タイプ標本木はこの1本しかないと伝え、このクマノザクラのすごさと大切にしなければならないことを実感させた。
サクラにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があることを冬芽の比較で確認。学者が注目する葉の特徴も写真で解説し、さらに同じクマノザクラでもさまざまな個性があることを花の写真の比較で紹介した。この差を生み出しているのが生物多様性であることにも触れつつ、タイプ標本木はクマノザクラとしての個性を特に色濃く持っていることも伝えた。
併せてキイジョウロウホトトギスやナンバンギゼルなど、都会にはない植物が同町にはたくさんあって、都会と違ってすぐに探せる環境は幸せなことだということも忘れないでほしいと呼び掛けて話を締めくくった。
同町役場地域振興課は同校に保全を呼び掛ける看板の制作を希望していて、同校も希望に沿う形で準備を進めている。同町教育委員会教育課によると、高池小以外の学校も校区内に教材とするクマノザクラを見つけて学習会に取り組むことを検討しているという。
(2018年12月20日付紙面より)
「体文イルミ」点灯式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の冬の夜を彩る第16回体育文化会館イルミネーション(同実行委員会主催)の点灯式が18日、天満保育園(松隈智子園長)の園児らが参加して開かれた。来年1月10日(木)までの午後5時から同10時まで点灯。今月24日(月・振休)、25日(火)は午前0時まで。
点灯式では実行委員長の庵野高司さん=那智勝浦町建設業組合=があいさつ。園児2人が司会のカウントダウンに合わせてスイッチを入れた。
那智の滝や三重塔をモチーフにしたイルミネーションに明かりがともると、見学の保護者から歓声が上がった。園児たちは色とりどりの明かりをバックにクリスマスソングを歌ったり、トーンチャイムを演奏したり、手話も披露したりするなど、華やかな点灯式となった。同町のイメージキャラクター「なっちー」が登場し、最後はサンタが子どもたちにプレゼントを手渡した。
イルミネーションを設置しているのは▽勝浦手話サークル「ちゃお」▽勝浦金融協会▽那智勝浦町建設業組合▽那智勝浦町観光協会▽南紀勝浦温泉旅館組合▽那智勝浦町職員互助会・職員組合―の6団体。
(2018年12月20日付紙面より)
第51回紀南剣道大会
ジョン・ケンドリック旗争奪少年野球大会
労働基準監督署が啓発とパトロール (新宮市 )
新宮労働基準監督署と新宮保健所は18日、新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で労働災害防止および食品衛生の啓発とパトロールを実施した。同署管内の休業4日以上の労働災害は10月末現在で77件(速報値)と、前年同期比で10件増加している。
卸・小売業の労働災害の約30%が転倒災害で、うち4分の3以上の休業見込みは1カ月以上。被災者の7割は50歳以上となっている。増加傾向が顕著な卸・小売業に対する取り組みとして、繁忙期を迎える12月に業者が多数集まる同市場で実施を決めた。
パトロール実施者は新宮労働基準監督署、新宮保健所、東牟婁振興局農林水産振興部、新宮広域圏公設地方卸売市場、同市場協力会。この日はパトロールと啓発の2班に分かれて、場内点検、重点事項の転倒災害防止と食品衛生管理について呼び掛けを行うなどした。
同署の森美大(よしひろ)署長は「整理・整頓・清掃・清潔の『4S』を心掛け、危険箇所の確認や『ながら歩き』がないかなど基本動作をしっかりとしてほしい。転倒災害は一人一人の意識で防げる。今回の呼び掛けを、事業者の方が各自持ち帰って点検や指導をしてほしい」と語った。パトロールを終え「台車の置き方やフォークリフトの操作、階段に物を置かないなどいくつかの危険箇所を指摘しました。改善していただければ」。
新宮保健所衛生環境課の大家秀仁主任は「今回はノロウイルスなど感染症について周知したい。ひとごとではなく感染源にならないようにしてほしい」。
新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長は「点検していただき、危険箇所を発見、指摘していただいた。自分たちでは見つけられない部分もある。これから設備を整え、今後も注意していきたい」と話していた。
和歌山県内の労働災害発生状況は11月末現在で910件となっている。
(2018年12月19日付紙面より)
マラソン交流大会リハーサル (太地町 )
太地町で開催される「ねんりんピック紀の国わかやま2019 マラソン交流大会」のリハーサルを兼ねて同実行委員会は16日、町内で「くじらの町マラソン大会」を開催した。近隣市町村や全国各地からエントリーした313人が完走し、大勢の観客から温かい拍手が送られた。
くじら浜公園をスタート・ゴール地点に、ファミリー1㌔コースには29組68人、3㌔110人、5㌔46人、10㌔89人が参加。元日本生命マラソンランナーの西貝朋美さんがスターター、表彰式のプレゼンター、ファミリーコースの伴走などを務め、マラソンを通して1歳から81歳までの幅広い世代が交流した。
朝市やバザー、飲食販売などの出店でにぎわう会場には和歌山県のマスコットキャラクター「きいちゃん」、太地町の「ゴン太」が登場し、ねんりんピックのPR活動を行う「ねんりんピックキャラバン隊」、「ねんりんサポーター」の峰武久さん、妻の美佐子さんも法被姿で会場を盛り上げた。
3㌔のコースを走り終えた應地峯旭人君(那智中3年)は「いい感じで走ることができた。和歌山市のジュニア駅伝に向けて頑張る」、湊谷恭央君(宇久井中1年)は「景色が良くて気持ちよく走ることができた」、片谷豹立君(那智中1年)は「結果は思うようにいかなかったが楽しいコースだった」と話していた。
(2018年12月19日付紙面より)
南紀くろしお商工会青年部(廣澤篤部長)は16日、なちかつクリスマスパーティー2018を那智勝浦町いざかた通り商店街で開催した。会場各所でさまざまな催しが実施され、家族連れなどの来場者でにぎわった。
イベントは地域間の交流や振興、商店街の活性化を目的に実施され、今回で2回目となる。
射的やミニ四駆サーキット、コイン落としやエア遊具などの催しに多くの子どもたちが集まり、楽しんでいた。また、菓子やクラムチャウダーなどの飲食ブースも盛況だった。
会員扮(ふん)するサンタクロースとトナカイが会場に登場。じゃんけんをして、サンタクロースに勝てば風船がもらえるゲームでは、挑戦を心待ちにする子どもたちの行列ができた。
友人と会場に訪れていた辻大輝君(勝浦小3年)は「射的で2個もお菓子が取れた。ミニ四駆もすごくおもしろかった。また来たいです」と笑顔で話した。
廣澤部長は前回開催時にアミューズメントブースを一部に固め過ぎてしまったことや、チケット制のため来場者が集中し混雑してしまったことを今回改善したと説明。「初めてこの商店街に来られた方々にさまざまなお店が数多くあることを知ってもらいたい。そして、今後も足を運んでいただけたら」と語った。
(2018年12月19日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧(気嵐=けあらし)が発生している=写真。
15日の朝、6時55分の日の出とともに朝日に照らされた黄金色の海霧が浮かび上がった。沖行く船は寒波で生じた水温と気温差で浮島現象になり、霧の中を行き交う漁船の姿が幻想的な風景を醸し出していた。
土曜日とあって県内外から多くのカメラマンが訪れ、夢中でシャッターを切っていた。シーズンは1月末ごろまで続く。
(2018年12月19日付紙面より)
第39回熊野三山小学生バレーボールフェスタ
今年は復興のシンボルに (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉街を流れる大塔川河原で22日(土)、巨大露天風呂「仙人風呂」がオープンする。例年12月1日から始まるが、今年は相次ぐ台風被害で3週間遅れた。
川湯地区は8月の台風20号で大塔川が氾濫。旅館や民宿などが軒を連ねる温泉街で床上、床下浸水被害を受けた。その後、復旧作業が続いた。
川の一部をせき止めて浴場にする冬の風物詩「仙人風呂」の開催も危ぶまれたが、台風被害からの復興シンボルとして開設することを決めた。
現在はオープンに向けて作業が進められている。熊野本宮観光協会と川湯温泉街の事業者らでつくる仙人風呂実行委員会の小淵誠委員長は「復興の証しとして仙人風呂の開催を決めた。今の川湯温泉の姿を見てもらい、温泉も楽しんでほしい」と話している。
仙人風呂は、川底から湧いている73度の源泉に、大塔川の清流を引き入れて40度前後に調整した露天風呂。
オープン初日は午前10時からの「開湯式」で安全を祈願し、地元たんぽぽ保育園、ひまわり保育園の園児による一番風呂入浴式を行う。熊野本宮温泉郷の復興PRイベントも計画している。
期間中、毎週土曜日午後8時~10時に「仙人風呂湯けむり灯籠」を実施する。周囲を灯籠で囲い幻想的な雰囲気を醸し出す。雨天中止。
来年1月20日(日)には仙人風呂感謝祭として、恒例の「仙人風呂かるた大会」などを開催する。
入浴時間は午前6時30分から午後10時まで。来年2月28日(木)まで開設する予定。入浴無料。
(2018年12月16日付紙面より)
表彰式は来年1月31日 (和歌山県文化表彰 )
和歌山県はこのほど、文化の発展向上に顕著な功績のある個人、団体に贈る平成30年度和歌山県文化表彰の受賞者を発表した。本紙エリアでは那智勝浦町の「那智の扇祭り保存会」(会長・男成洋三熊野那智大社宮司)が民俗芸能の伝承分野で文化奨励賞を受賞した。
「那智の扇祭り」は熊野信仰を背景に、熊野大自然の恩恵に感謝し、神霊を鎮める日本一の滝の祭礼。室町以前から行われていたといわれている。
祭りは地域の安泰や大漁・満作などを祈念し、毎年7月14日に催行される。12基の扇神輿(みこし)に神々を遷(うつ)し、同大社と那智の滝(飛瀧=ひろう=神社)との間を結ぶ御滝道に沿って渡御する。12本の大松明(たいまつ)が出迎え、扇神輿を清めることから「那智の火祭り」とも呼ばれ、全国から多くの参拝客が訪れている。
祭りは昭和35年に県の無形民俗文化財に、平成27年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
祭りに伝わる行事のうち、「那智の田楽」も国の重要無形民俗文化財などに指定され、ユネスコの無形文化遺産にも認定された。
同保存会は昭和35年に組織化され、大社を中核に周辺地域の氏子や関係団体が協力し、祭りの執行や運営を続けている。
会長を務める男成宮司は「祭りは地域の方々や氏子さんの協力があって初めて行える。受賞はそのご努力のたまものなのでうれしい」と述べ、「今後は神様のお祭りとしてだけでなく、県や国を代表する文化財として実施していくことも大事。それが継続につながり、神様にも喜んでいただける」と語った。
文化表彰は昭和39年から始まり、今年で55回目。今年は個人6人、1団体が受賞。最高賞にあたる「文化賞」には映画「仁義なき戦い」シリーズなどに出演し、現在も活躍を続けるかつらぎ町出身の俳優、小林稔侍さん(77)が選ばれた。表彰式は来年1月31日(木)、県庁で開かれる。
(2018年12月16日付紙面より)
新翔高校でマナーアップセミナー (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で14日、1年生129人を対象としたマナーアップセミナーがあった。和歌山信愛女子短期大学生活文化専攻主任・准教授の浅田真理子さんが「マナーについて~好印象を与えるビジネスマナー~」をテーマに話した。
同校では毎年、1年生の時から進路を意識してもらおうと、浅田さんを講師に招いてセミナーを開いている。就職活動や進学における面接試験、就業体験を見越したビジネスマナーの向上を図る目的。
浅田さんは、面接に行った会社のエレベーター内の行動を評価されて内定が決定した例や、面接の帰りにバスで席を譲らずにスマホでゲームをしている姿を見られたことによって不合格となった例などを紹介。「普段からの行動が大事」とマナーの重要性を説いた。
身だしなみについて「自分の頑張りを短い時間で伝えることができる」と述べ、職業や場面にふさわしい身だしなみを心掛けるよう助言。マナー違反とは罰則などがあるわけではないが品位に欠ける行為であり、自分の心掛けでやっていかなければならないと話した。
浅田さんはあいさつや笑顔の重要性についても説明。「笑顔だと周りの人も幸せを感じることができる。接している人に安心感を与えることもできます。笑顔やあいさつはできるだけ自分から」と呼び掛けた。生徒らは浅田さんに次いで会釈や敬礼、最敬礼を実践。お辞儀の種類や使い分けを学んだ。
浅田さんは「高い能力やすごい資格があっても、マナーやコミュニケーションなどの面で評価されることは多い。自分の評価を落とさないために、日常生活からできることを一生懸命頑張ってください」と生徒らを励ました。
(2018年12月16日付紙面より)
初の遺跡探検で子どもたち
新宮市教育委員会と和歌山県文化財センターは15日、同市下本町の旧丹鶴小学校敷地で「子ども遺跡探検」を開催した。小学1年生から中学3年生33人とその保護者らが、遺跡の見学や出土した土器に触れるなどして新宮の歴史を学んだ。
子どもたちに遺跡の存在を知って、考古学に親しんでもらおうと初めて実施した。地域の歴史と文化に興味を持ってもらう狙いもある。
文化複合施設建設のため、市は県文化財センターに委託して2015年から発掘調査を進めている。これまでの調査では江戸時代の武家屋敷境の石垣や、道路跡の一部などが見つかっている。
今回の会場となったのは第2次調査箇所の新宮城跡西側の同敷地内約3500平方㍍。遺構は平安時代末~室町時代の半地下式倉庫跡や弥生時代の竪穴建物跡など、遺物は東海地方などの土器や陶磁器、中国や朝鮮の白磁などが出土している。
催しでは市教委文化振興課の小林高太主任から発掘調査や遺跡について説明を受けた子どもたちが、小林さんと県文化財センターの村田弘さんらとともに遺構を見学して回った。熱心にメモを取ったり質問したりしながら理解を深めていた。熊野学研究委員会委員の中瀬古友夫さんと坊信次さんも参加した。
子どもたちに村田さんは「たくさん来てくれてすごくうれしかった。考古学は宝探しのイメージがあると思うけれど、出土したものを分析し、当時のいろいろなことを解明していく学問。宝探しだけでなく、集めて、調べることも合わせて覚えてほしい」と呼び掛けた。
父と、弟の智弘君(9)と参加した西彩名さん(13)は「いろんな土器があると分かった。遺跡を見るのも初めてで、来られて良かった」。北村厚樹君(11)は「歴史に触れてみたくて参加した。いろんな時代の建物跡や土器を見て、とてもすごいと思った」と話していた。
この日は午後から一般対象の現地説明会があった。
(2018年12月16日付紙面より)
新宮市立城南中学校生徒会と城南地域共育コミュニティ本部は10日、「城南校区クリーン作戦」を実施した。城南中178人、王子ヶ浜小学校の5、6年生117人、王子幼稚園の21人、教職員、育友会、市教育委員会、地域住民ら約500人が15班に分かれ、阿須賀神社、浮島の森、下田児童館など14カ所から出発。城南中を目指しながらごみ拾いに励んだ。
地域貢献の一環として毎年実施している。縦割りグループで作業し、中学生の自覚を深め、学校と地域の連携を強める目的。以前は生徒会が「通学路クリーン作戦」として主催しており、2009年から現在の形で実施している。
城南中生徒会の傳田未咲会長(3年)は作戦でまちがきれいになり、犯罪が減る、交流の場になるなど多くのメリットがあるとし、「みんなできれいで住みやすいまちにしていきましょう」。環境委員長の窪上珠波(しゅうば)君(3年)は「みんな真面目に取り組んでおり、きれいになって良かった。今後も地域のことに関われれば」。
同中の中田善夫校長は「笑顔で協力したクリーン作戦になった。まちがきれいになることで心もきれいになる。日頃からまちをきれいにしていきたい」とあいさつ。
地域共育コーディネーターの大石熊野さんは「毎年少しずつごみが減っている。美しい所に美しい心が宿る。大人になっても住んでいる町をきれいにしていく気持ちを持って」と呼び掛けた。
(2018年12月13日付紙面より)
太地小6年が「租税教室」
太地町立太地小学校(宮本礼子校長)で11日、「租税教室」が開かれた。新宮税務署が管内の小中学校を対象に開いている出前講座の一環。6年生11人が参加し、矢萩会計事務所の矢萩文さんから税の仕組みや納税の意味を学んだ。
矢萩さんは身近な税金としてまず消費税を紹介。所得税や住民税なども例に挙げ、児童らは日本に約50種類の税金があることをクイズ形式で学んだ。
その後はアニメーション教材の上映があり、登場人物が税金のない世界で困難に直面する姿から、警察や消防、義務教育などの社会基盤が税金で支えられていることを児童らは知った。
用意された1000万円の札束10個からなる1億円の札束の見本を手に取り、金額の重みも実感した。最後に矢萩さんが「税金があった方が良いと思う人」と呼び掛けると、児童らは一斉に手を挙げていた。
(2018年12月13日付紙面より)
串本町文化センターで11日、人権講演会「―ヒロシマ―被爆ピアノコンサート」があり、約350人が聴講や鑑賞をして平和と人権の大切さを考えるきっかけにした。
この講演会は、同町人権委員会(西野政和会長)が主催。同和運動推進月間(11月)や人権を考える強調月間(11月11日~12月10日)などにより人権を考える機運が高まる晩秋~初冬時期に開いていて、今回は広島県から被爆ピアノの所有者で調律士の矢川光則さんと爆心から1・8㌔の距離にあった被爆ピアノ、ソプラノ歌手の大島久美子さん、ピアニストの梶田法子さんを迎える形で計画し、参加を呼び掛けた。
テーマは「平和と人権のメッセージを音楽に込める」。開会に当たり西野会長は、同町立串本西小学校における戦争体験談を例に挙げ「平和のないところに人権はない。今宵は原爆から生き抜いたピアノで平和への思いを新たにしてほしい」とあいさつして講師一同の来町を歓迎した。
序盤は矢川さんが20年来取り組んでいる被爆ピアノコンサートやこの日持ち込んだ被爆ピアノの経緯を紹介。「自分にできる平和活動として全国に平和の種をまいている」と取り組みに込める思いと被爆ピアノの映画が2020年ごろに公開予定であることも伝えて、被爆ピアノとの出会いを平和の尊さを考えるきっかけにしてほしいと呼び掛けた。
中盤は大島さんと梶田さんによるコンサートで、大島さんは被爆ピアノの歩みを擬人化した詩を朗読し、被爆ピアノや平和について伝えたい思いを曲間に述べたり歌に乗せたりして来場者に託した。梶田さんは被爆ピアノを演奏し、その音色で大島さんを後押しした。
大島さんは終盤、「何があったかを正しく知り、伝え、忘れないこと。誰もが平和を望めば世界は平和に向け動き出す」「身近な人に『ありがとう』『ごめんなさい』の気持ちを伝え、皆が笑顔で過ごす。これが私たちにできる平和活動」などのメッセージを掲げて矢川さんが思い描く平和の種まきを実践。閉会に当たり同委員会の山本ちづき副会長は、「命を大切にすることやその種まきをすることを教わった。これらを糧にし今後に生かしていきたい」と述べ、3人と被爆ピアノへの感謝の拍手を来場者に求めて締めくくった。
(2018年12月13日付紙面より)
少年サッカー東西対抗戦
第6回近畿少年少女選抜空手道大会 (拳武館新宮道場 )
第15回太地いさなカップ大会 ( )
市交通指導員協議会が危険箇所へ (新宮市佐野 )
新宮市交通指導員協議会(清岡幸子会長、会員21人)は6日、那智勝浦新宮道路の新宮南インターチェンジ(IC)につながる同市佐野の市道2カ所に交通事故防止の注意喚起看板を設置した。市内では今月1、2日に連続して交通死亡事故が発生している。
設置した場所は同ICや市医療センターに通じる道路。道幅のわりに交通量や速度を出す車両が多く、これまで付近住民から「車の通行や歩行でたびたび危険を感じたことがある。交通事故防止の対応措置を取ってほしい」などの要望があった。
現地調査の結果、道路整備などで以前より道路幅が広くなり、速度を出す車両が認められ、さらに歩行者利用もあることから、交通安全・交通事故防止施策として看板を新たに取り付けた。
看板は縦100㌢、横25㌢。全面反射で夜でも色鮮やかに交通安全をPRできる。スピードを出す車に対する注意喚起として「危険 スピード落とせ」と注意を促している。
設置には会員10人と市職員らが参加。清岡会長は「1日と2日には死亡事故が発生している。市も力を入れてくれ、今回だけではなく今後も市内の危険箇所に看板を設置したい。お邪魔すると思うが、近隣の皆さまのご理解とご協力をお願いします」と話していた。
同協議会は現在活動に参加する指導員を募集している。問い合わせは新宮市生活環境課内、交通指導員協議会事務局(電話0735・23・3333)まで。
(2018年12月8日付紙面より)
新宮市観光振興委員会(森本祐司委員長)が6日、市役所4階会議室で開かれた。第5回のこの日は熊野速玉大社神職体験、熊野川米、宿泊者限定企画「せんペロ対抗戦」の報告を受け、来年度の計画を話し合った。
開会に当たり森本委員長があいさつ。「人口減少の中、インバウンドを含めた流入人口増がなければ、新宮市の経済が回っていかなくなる。『食える観光』にしないと厳しい」と述べた。
神職体験は11月12日に開催。外国人3人が臨時神職として神事を奉仕した。「貴重な体験だった」「感動した」との声があった一方、「マナーが難しい」「覚えることが多くて疲れた」などの改善点も見つかった。
これらを踏まえて一部内容を簡略化し、一般参詣者に「見せる」化する方針を示した。年11回の開催を観光客が多いシーズンに集中的に実施する計画も持ち上がった。
熊野川米は「熊野川ヤタガラス米」と命名。ジェット船乗り場、駅前観光協会、道の駅、宿泊施設の他、贈答品として商店街で販売する。ふるさと納税返礼品、イベントなどでの記念品にも活用する。
せんペロ対抗戦は市の魅力を知ってもらうことが狙い。市観光協会の里中陽互会長は「新宮を楽しんでもらう意識を持つことが重要。イベントを通して、(宿泊者に紹介する)ホテルにも生き残る道を感じてほしい」と話した。
楽天トラベルは、今後のプロモーションを説明。来年1月28日(月)に市福祉センターでDMOセミナーを開催する。
委員会は来年度、「まちなか観光」を加速させ、外国人観光客の市街地誘導を強化する。▽商品開発の仕組みを構築▽川舟の商品化▽グリーンツーリズム開発▽ターゲットを絞った周遊ルート開発▽メニュー開発、お土産開発による事業者の活性化―に取り組む。
来年2月末に今年度最後の委員会を開く。
(2018年12月8日付紙面より)
議長を務めた伊森安美さん (串本古座高校 )
「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山で議長を務めた伊森安美さん(串本古座高校2年)が6日、事後報告のため同校地域協議会の会長や副会長を訪ねた。
このサミットは、10月31日と11月1日の2日間にわたり和歌山市内で開かれた。世界48カ国から約250人、国内49校から約130人の高校生が参加し、自然災害から命を守るための備えについて▽災害について知識を得る▽災害に備え意識を高める▽災害から生き抜く―の各分科会に分かれて協議。伊森さんは県立日高高校3年の中井充歩さんと共に議長を務め、各分科会の協議の成果を「稲むらの火継承宣言」としてまとめた。
串本古座高校からは前回の同サミットにも参加した伊森さんら生徒4人が参加した。先だって参加者を対象に開かれたスタディーツアーでは同校の生徒約50人が参加者の体験をサポートした。サミット後の11月22日、議長2人は東京都にあり▽ANAホールディングス▽気象庁▽内閣府▽自由民主党本部▽文部科学省―に事後報告をし、同本部で二階俊博幹事長から両議長に安倍晋三内閣総理大臣名の感謝状が伝達されたという。
6日の事後報告で報告を受けた会長の田嶋勝正串本町長は防災のリーダーが求められる中、若い世代が率先して防災に取り組んでくれることは町としてもうれしいと感謝。副会長の西前啓市古座川町長は一連の経過を良い経験だとたたえ、そろって伊森さんと同サミットに協力した生徒の今後の活躍を期待した。
事後報告はこの日が最終で、伊森さんは「津波の経験がない国の人が経験した人の話を聞いて意識が高まったという声があって、ここで学んだことを自分の国に帰って同じように伝えてほしいと思ったし、自分もそのように地域や学校に広めていきたい。このサミットに参加するのは2回目ですが、今回も多くのことが学べてすごくよかったです」と思うところをコメント。
両町長が期待した今後について「自分が住んでいる串本町は、自然が豊かで観光客が多く、その中には外国人観光客もたくさんいる。同宣言の一項目にあるユニバーサルデザインの標識があれば、まったく知らない場所でもどこに逃げればいいかが一目見て分かるので、地域とも連携してこれをやってみたい」と抱負を語った。
(2018年12月8日付紙面より)
旅客船の安全やテロ対策 (勝浦海事事務所 )
観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は6、7の両日、串本海上保安署と合同で管内4社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制を確認した。
国交省が実施する「年末年始の輸送などに関する安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。点検をしたのは熊野交通(新宮市)、紀の松島観光(那智勝浦町)、浦島観光ホテル(同)、串本海中公園センター(串本町)の4社。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制などについても指導した。
新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には6日、岩佐裕二次長ら4人が訪れた。堀所長ら立ち会いの下、テロ防止のための取り組みやテロ発生を想定した訓練の実施状況、事故や災害発生時の安全確保のための指示体制などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約18㍍、総トン数約19㌧)内に入り、救命具の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。海中転落者を救助するための、漁具(浮子=あば)を応用した救助機材「非常投浮(とうふ)」の実演もあった。
点検終了後、岩佐次長は「今後も体調の変化などに皆さんで注意し合い、さらなる安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。堀所長は「年末年始に向けて、多くのお客さまを安全にご案内できるよう気を引き締めていきたい」と話していた。
(2018年12月8日付紙面より)
JR紀勢本線利用促進に向け (意見交換会 )
JR紀勢本線の利用促進に向けた意見交換会が3日、新宮市の市人権教育センターで開かれた。
JR西日本和歌山支社の伊藤義彦支社長、中西宏友副支社長らと串本町、古座川町、那智勝浦町、北山村、新宮市、和歌山県の関係者が出席。3回目の今回はJRが昨年6月に発表した新たな長距離列車の誘致について話し合った。
新たな長距離列車は2020年からの運行開始を目指す。エリアは京阪神~山陰方面、京阪神~山陽方面。鉄道の強みを生かした地域と一体となった観光振興を推進する。
6両編成で1両ごとに異なる座席タイプを配置し、定員は約100人。幅広い世代や訪日観光客に鉄道の旅を楽しんでもらう。
新宮市の田岡実千年市長は長距離列車のエリアに熊野地方が外れている理由を聞き、「熊野地方には串本町に建設されるジオパークセンターや世界遺産、勝浦のマグロなどがあり、関係10市町でおもてなし協議会も発足した。ぜひ、運行エリアに入れてもらいたい」と求めた。
北山村の山口賢二村長は「長距離列車に参加、協力したい。列車の車窓から見える川でいかだ下りをPRしたい」。那智勝浦町の堀順一郎町長は、列車と熊野古道をリンクした運行を提案した。
伊藤支社長は今後、誘致に向けた協議の場を継続的に設けることを提案。意見交換後に「このような取り組みを通して、地元との地域共生が推進できれば」とコメントした。
(2018年12月6日付紙面より)
10日まで、人権週間
和歌山地方法務局新宮支局と新宮人権擁護委員協議会は人権週間(12月4~10日)に合わせ、人権意識の向上を促す啓発活動を展開している。6市町村で街頭啓発を実施し、各市町村8カ所に特設相談所を設けて人権に関するさまざまな相談を受け付けた。
那智勝浦町では4日、同町天満のAコープなち店前で街頭啓発を実施した。人権相談員や町、法務局職員9人がタオルやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客らに配布。この日は新宮市のイオン新宮店前や串本町のAコープ紀南VASEO前、太地町、古座川町、北山村でも街頭啓発が実施され、計2000個の啓発物資を配った。
法務局新宮支局の谷口栄二さんは「人権週間に合わせて多くの方の協力の下、活動を行っています。こうした機会に人権について理解を深め、意識を高めていただければ」と話した。
(2018年12月6日付紙面より)
第22回串本町中学校音楽会が4日に同町文化センターであり、町立5中学校の生徒や教員が合唱や合奏を発表し鑑賞するなどして交流した。
同町教育研究会と同会中学校音楽部会が主催する初冬恒例の合同文化行事。町立5中学校が一堂に集まる唯一の機会として回を重ねていて、鑑賞のみながら串本中1年生も参加し、全生徒で本番を迎えた。本年度は大島中が最後の卒業生を送り出して閉校するため、5校そろっての実施は今回が最後になる。
開演に先立ち、同町教育委員会を代表して島野淳副課長は「皆さんが一つの作品を作り上げるために心を合わせて取り組んだことが、この音楽会の文化や伝統の力になる。今日は練習の成果を思う存分発揮し、最高のパフォーマンスができるよう心から祈っています」とあいさつ。潮岬中吹奏楽部の楽曲演奏でプログラムが始まり、串本中2年生、大島中、潮岬中、西向中、串本西中と順次合唱や合奏を発表。串本中3年生が最高学年の威信をかけて楽曲『旅立ちの日に』『手紙~拝啓 十五の君へ~』を合唱し、力強い歌声を同センターホールに響かせた。
今回はゲストとして新宮市出身の声楽家で大阪成蹊短期大学准教授の熊谷綾子さんが出演し、楽曲『魔王』『旅立ちの日に』を披露。最後は教員が舞台に上がり生徒や家族ら観客も含めた全員で楽曲『翼をください』を合唱して音楽の良さを分かち合った。
閉演に当たり、主催者を代表して町教研の沖洋副会長(串本西中学校長)が「感性を豊かにし、心を育み、調和をもたらす音楽は、人間教育において大きな役割を果たす。ポップスもあればクラシックもあり、人数の多い少ないに関係なくどの学校も素晴らしい発表で、皆さんの音楽やまなざしは観客の皆さんにも深く届いたと思う。芸術文化の秋を歌声と演奏で締めくくることができた」と講評し、実施に協力した各位に感謝を示しつつ締めくくった。
(2018年12月6日付紙面より)
初の男性料理教室開催 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は4日、同市の浮島隣保館で「男性料理教室」を開いた。8人がめはりずしや豚汁、揚げギョーザ作りに参加し、雑談を交えながら料理を楽しんだ。
市と市社協は今年5月に開催した「地域支え合いフォーラム」を受け、有志を対象にした研修会を開いてきた。その中で、男性の集まる機会が少ないという声が多く上がったことから同教室を企画した。男性の社会活動を促し、居場所や生きがいを作ることを目的としている。
この日は栄養士の和田町子さんが「料理が初めての人も得意な人もいると思いますが、交流しながら楽しくお料理をしましょう」と呼び掛けた。2班に分かれた参加者らは包丁の使い方などを教わりながら次々と野菜を切っていった。手際良くニンジンをいちょう切りにしていた参加者は「さっき先生が切り方を教えてくれたから」と笑顔。参加者らは会話を楽しみながら料理を進めていた。
出来上がった料理を試食した参加者らは「おいしい」「気持ちがこもっているからね」。蜂伏から参加した里際学さん(70)は「大変よかったです。最近まで料理をしたことはなく、めはりも豚汁も初めて作った。これからも続けてもらえれば」。王子町の若林春次さん(78)は「料理は初めて。健康と食を考えて参加しようと思いました。料理は難しく、知らない言葉もあって、一つ一つの動作も初めて。今後も続けてほしい。料理もそうだが、みんなと交流し、情報交換や話ができるのがいい」と話していた。
次回は3月上旬に予定している。
(2018年12月6日付紙面より)
那智勝浦町ジュニア駅伝チーム
県大会目指し東・西の両ブロック激突
試割オープン選手権大会 (北道院拳法和歌山支部 )
日本生命硬式野球部による野球教室