一関市と友好都市締結 (新宮市 )
新宮市と岩手県一関市はこのたび、友好都市を締結した。21日にオンラインを通して友好都市提携調印式が行われ、田岡実千年・新宮市長と勝部修・一関市長がそれぞれ提携盟約書に調印。記念品の交換などをもって、新たな親交の一ページ目とした。
一関市は岩手県の最南端、仙台市と盛岡市の中間に位置するまちで、面積1256・42平方㌔㍍で人口11万2639人(3月31日現在)。
室根山(むろねさん)中腹に鎮座する室根神社は、熊野速玉大社と熊野本宮大社の熊野神をそれぞれに祀(まつ)る2社殿から成る。両市の交流は熊野神の縁によるもので、1996年に熊野三山協議会が室根神社を訪問して以降、約25年にわたり交流していきた。
2018年1月には田岡市長と屋敷満雄・市議会議長(当時)が勝部市長を訪問。10月の熊野神勧請(かんじょう)1300年室根神社特別大祭を契機としてさらなる親交を深めてきた。
調印式には新宮市からは田岡市長、大西強・市議会議長らが、一関市からは勝部市長、沼倉憲二・市議会副議長らが出席した。
田岡市長は「2018年に開催された熊野神勧請1300年室根神社特別大祭に参加させていただいたことは今でも感慨深く、本日のこのよき日は『歴史が紡ぐ絆』によりなし得たこと。この記念すべき日を契機に交流が末永く続き、一層実り多きものとなるように祈念しています」。勝部市長は「新宮市の映像を見て、当市と共通点があるような気がして感銘を受けた。歴史上の縁を大事にして、末永いお付き合いをしていければ」とそれぞれあいさつ。両市長ともに、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた折りには市民間の交流を計画していきたいと思いを語った。
記念品交換では、紀州材を使用して作成された、「ナギの木」の葉と一関市の花である「ナノハナ」をデザインした記念プレートと、室根出身のイラストレーター・鈴木吉男さんが描いた室根神社特別大祭のイラストを贈り合った。
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■室根神社
718(養老2)年、元正天皇の時、神の威徳と加護をもって東北を治めたいとの鎮守府将軍・大野東人(あずまんど)の願いを聞き入れ、「本宮」の熊野神を室根山に勧請したのが起源とされる。その後1313(正和2)年に室根村の隣村に勧請されていた「新宮」の熊野神を遷移して祭り現在の形となったといわれている。
(2021年7月25日付紙面より)
熊野川に大輪の花咲く (新宮YEG )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、向井康博会長)は22日夜、熊野速玉大社下の河川敷で「癒やし・励ましの打ち上げ花火」を実施した。約320発の大輪の花が夜空に浮かび、道行く人やドライバー、家で過ごす人々の目を楽しませた。
昨年、新型コロナウイルス感染防止のために地域のイベントが中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにと同所で花火の打ち上げを企画した新宮YEG。
今年は熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)の中止を受け、「空を見上げて前向きな気持ちになれるよう、小さな子どもから年配の方まで、家から出られない不安な気持ちを少しでも和らげられるように」といった願いと、一日も早く日常に戻れるようにとの祈りを込め、昨年に引き続いての開催を決めた。
3密を回避するため、事前の公表なしに実施。50発の2号玉、90発の3号玉、180発のスターマインが夜の市街地を照らし、花火の打ち上がる様子を見た道行く人からは「すごい」「きれい」などの声が上がっていた。最後には約60㍍のナイアガラが熊野川の川面を彩った。
(2021年7月25日付紙面より)
防災や観光などに期待高まる (紀勢国道事務所 )
国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所は21日、熊野尾鷲道路(Ⅱ期)全線開通日時を8月29日(日)午後3時と発表した。
道路区間は、尾鷲市坂場西町(尾鷲北IC)から同市南浦(尾鷲南IC)を結ぶ5・4㌔で2車線。2014年度に工事に着手し、全体事業費は当初予算より80億円増の340億円。熊野道路(熊野大泊IC)と直結するため、名古屋方面や新宮方面への時間短縮が図られる。
同国道事務所はかねて、三重とこわか国体開始日の9月25日(土)までの完成を目指していた。開通により尾鷲市内の津波浸水想定区域を避けることもでき、防災や物資運搬、観光振興、医療など多くの面で期待が大きい。
(2021年7月25日付紙面より)
ブルービーチ那智が海開き (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は22日、那智勝浦町浜ノ宮のブルービーチ那智で海開きに伴う安全祈願祭を営んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓は招待せず、機構職員や堀順一郎町長、町職員のみで神事が執り行われた。遊泳期間は8月22日(日)まで。
神事では熊野那智大社の出仕を得て、神職2人がシーズン期間中の安全と活気を祈念した。
同町によると、感染症対策として、3密回避のためにウオータースライダーの設置はせず、消毒液の配備や感染予防を啓発する看板を設置し、更衣室は一部制限を設けるなどの対策を講じている。
また、海難事故を防ぐために海上と陸上に監視員を配置して来場客の安全を見守るという。
神事を終え、堀町長は「来場者の方々が海難や感染に遭わないように祈願させていただいた。ブルービーチは広くて大きいため、密にはなりにくいと考える。きれいな海をお楽しみいただけたら」と語った。
遊泳時間は午前9時から午後4時30分まで。駐車場は西側(熊野体験博跡地)約150台、東側(JR那智駅側)約100台が駐車可能で有料。8月16日(月)以降は無料となる。同ビーチ以外では粉白地区の玉の浦海水浴場が遊泳可能。
(2021年7月25日付紙面より)
七夕フェスティバルU―12
くじらに出会える海水浴場 (太地町 )
太地町の名物となった催しの「くじらに出会える海水浴場」の準備に向けて、町立くじらの博物館(林克紀館長)は13日、くじら浜海水浴場にハナゴンドウ2頭を搬入。職員らが協力しスムーズに作業を進めた。
展示期間は17日(土)から8月17日(火)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、網いけすから開放される。
クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しで2008年から始まり今年で13回目。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。
今年は感染防止対策で網いけすに特設ステージは設置しない。
搬入されたのは飼育展示5回目で雌のニール(体長291㌢、推定体重380㌔、推定18歳)と、3回目で雄のシロ(297㌢、推定体重380㌔、推定25歳)。
午前6時ごろから搬出作業を開始。1頭は博物館から担架に乗せ、トラックで森浦湾に運び出した。森浦湾からも1頭を搬出。その後、ボートにくくり付けて海水浴場へ向かい、網いけすに搬入した。
職員から餌をもらった2頭はいけす内を泳ぎ回り、ジャンプするなど元気な姿を見せた。
同館の稲森大樹副館長は「2頭とも健康で、搬送後も餌を食べるなど元気な状態。今年は感染症対策を設けた上でのオープンとなる。お客さまとクジラが同じ空間を共有できるので楽しんでほしい。隣接する博物館にも足をお運びいただけたら幸いです」と語った。
(2021年7月14日付紙面より)
「るれいる」メンバーがアクセサリー作り (紀宝町 )
紀宝町の中高生ボランティアグループ「東紀州学生ボランティア『るれいる』」が10日、同町鵜殿の大和田文雄・富子さん夫妻からアクセサリー作りを学んだ。
同グループは同町立矢渕中学校の6人と県立木本高校の10人で発足し、代表は木本高校3年の藤本将太君。同町社協が紀宝町鵜殿の町有住宅で運営する子ども食堂と駄菓子屋でのボランティアを活動の中心とする。この日は「ふれあい子ども食堂」を手伝った中学生3人が、終了後に隣家へ移動。大和田さん夫妻が用意したフェルト布や糸、縫い針などを使ってウサギ、ハムスターなど幅5㌢ほどのかわいいアクセサリー作りに挑んだ。文雄さんが描いた型紙に合わせて布を切り取り、手作業で表裏を縫い付けて最後は綿を内部に詰めて膨らみを持たせ、各人が約30分で一体を完成させた。
大和田さんらがアクセサリー作りを始めたのは約4年前という。文雄さんは「知人にあげると喜ばれた。できた作品を子どもたちと一緒に、施設利用者の皆さんに届けたい」と希望する。市川咲紗さんは「縫うときの針の間隔がばらばら。難しくて1個でも疲れた。次は高校生のグループにも参加してもらえたら」とも話した。次回は18日(日)を中心に、日程調整を進めているという。
(2021年7月14日付紙面より)
社会を明るくする運動 (新宮市 )
7月は法務省が主唱する「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~」強調月間。和歌山保護観察所(奥田幸生所長)では「社明キャラバン隊」を結成し、各地で広報活動を行っている。落語家の桂枝曾丸(かつら・しそまる)隊長率いるキャラバン隊は12日、新宮市役所を訪れ、向井雅男副市長(田岡実千年市長代理)に菅義偉内閣総理大臣のメッセージを伝達した。
社明運動は、全ての国民が犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせて犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な取り組み。
71回目を迎える今年は「#生きづらさを、生きていく。」をテーマに全国各地で運動が展開されている。和歌山保護観察所では昨年、70回目の節目に当たりキャラバン隊を結成。数年かけて県内10カ所の更生保護サポートセンターを巡回する予定としている。
菅内閣総理大臣からは「新型コロナウイルス感染症によるさまざまな困難克服には支え合う人の絆やコミュニティーの存在が大切。犯罪のない明るい地域社会づくりに取り組む決意のしるしである『幸福(しあわせ)の黄色い羽根』(※)の下、多くの人に運動に参加いただけるよう協力を」と呼び掛ける内容のメッセージが伝達された。
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強調月間に当たり、各推進委員会では「全ての県民が犯罪や非行の防止と、犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築く」を趣旨として運動を展開している。
刑法犯の認知件数が減少傾向にあるが、一般刑法犯による被検挙者のうち、再犯者の占める割合(再犯率)は依然として高い状況にある。
2020年版犯罪白書によると、再犯者率は1997年以降上昇し続けており、2019年は48・8%に達した。
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※幸福の黄色い羽根=犯罪のない幸福で明るい社会を願うシンボルとして2009年から使用されている。刑期を終え出所した男性を温かく迎える夫婦愛を描いた映画「幸福の黄色いハンカチ」(1977年、山田洋次監督)から着想を得た。
(2021年7月14日付紙面より)
町出身の木皮成さんら (串本町 )
串本町出身のダンサー兼振付師・木皮成(きがわ・せい)さん(31)らが11日、同町田並にある田並劇場で舞台芸術「スーパーテクニックス」の披露に臨んだ。
木皮さんは県立串本古座高校を経て多摩美術大学へ進学。舞台芸術を学び、ダンス分野へとまい進して主にアジア圏で交流と実績を積み上げ自身の表現を追究している。その成果を生かす一端で2月、母親から聞いた同劇場に協力を申し出て4日間の創作ダンスワークショップ(WS)に取り組んだ経緯も持つ。
「スーパーテクニックス」は木皮さんが代表を務める合同会社フットワークスの舞台芸術作品で、木皮さんが映像作家としての才覚も注いで構成を担当。東京都の北区文化振興財団の事業委託を受けて昨年秋から区内の小中学校で公演を重ねるさなかにあり、創作ダンスWSの延長で披露についても同劇場へ協力を求め実現するに至った。
木皮さんは根本和歌菜さん、高下七海さん、丹野武蔵さんと組んで出演。音楽と映像による演出を交えたダンス表現でコント(=ショートストーリー)の世界観を複数つづる内容で、45分間の上演は演出や補足説明として言葉を使う以外は音楽、映像、ダンス(ジェスチャーを含む)を一体化した表現主体で進行した。
この日は午後2時30分と午後5時に披露があり、高校生以下は無料、その他一般は入場料1000円で迎え入れた。午後2時30分の公演には子どもから高齢者まで20人が鑑賞。終盤では観客の心をつかむため冒頭で演じた「消毒ダンス」の振り付けをみんなで体験するミニWSもあり、和気あいあいとした雰囲気で締めくくった。
区外での披露は今回が初。その第一歩をふるさと串本で踏み出した木皮さんは「今すごく緊張感があふれる日常を少しでも緩和できたらと思う。親子や家族で一緒に鑑賞してもらい、普段とは違った雰囲気でコミュニケーションを取ってもらえたらうれしい」と込めた思いを語り、WSとは違った形で自身の表現を仲間とともにふるさとへ伝えた。
(2021年7月14日付紙面より)
新宮高校女子サッカー部
県スポ少大会バレーボール競技
わかやま夏の交通安全運動 (新宮市 )
和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま夏の交通安全運動」が11日から始まった。20日(火)まで▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽自転車の安全利用の推進▽歩行者などの保護をはじめとする安全運転意識の向上▽飲酒運転の根絶―を重点とし、県民に注意を呼び掛ける。
夏季の行楽などによる交通量の増加、暑さからくる疲れや気の緩みなどによる夏特有の交通事故が多発する時期を捉え、交通ルールの遵守(じゅんしゅ)と正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより交通事故の防止を図ることを目的に、県内各地で啓発活動などが展開される。
期間中の12日、新宮市橋本のイオン新宮店で行われた決起集会では、市交通事故をなくする市民運動推進協議会、市交通指導員会協議会、新宮警察署、市交通安全母の会などの関係団体から約50人が参加。新型コロナウイルス感染症対策のため手袋着用の上、買い物客らに物資を配布。交通安全を呼び掛けた。
市交通事故をなくする市民運動推進協議会副会長の清岡幸子・市交通指導員協議会長は「誰もが安全に安心して暮らせる交通事故のない社会を目指し、今後もあらゆる機会を通じて交通ルールとマナーの遵守を訴えていきたい」とあいさつ。
楠間慎也交通課長は「管内では交通事故件数は減少しているが死亡事故が1件発生している。飲酒運転が絡む事故も3件発生しており厳しい状況にある」と説明し、横断歩行者優先の意識付けの推進と、飲酒運転をさせない環境づくりへの協力を呼び掛けた。
管内では今年に入って26件の人身事故が発生しており(前年比10件減)、うち死者1人、傷者31人。また6、7月で計4件の飲酒運転を検挙した(いずれも11日現在)。
(2021年7月13日付紙面より)
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(故・髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とうがあった。例年、多くの参拝者が集まるが、昨年と同様に新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から規模を縮小し僧侶のみで営んだ。髙木亮英副住職らが護摩をたき上げ、人々の幸せや無病息災、コロナ終息を祈った。
世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、髙木副住職らが読経し、護摩壇で祈とうが行われた。
開帳法要はこの日も含め、1月27日の立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)、5月17日の渡海上人供養の春まつりの年3回営まれている。
髙木副住職は「今日お参りするとご本尊の御利益を頂き、4万6000日参ったことになる功徳の高いありがたい日。皆さまの幸せと安寧、コロナ終息、世の中の平穏無事を祈りました」と語った。
(2021年7月13日付紙面より)
先月17日時点の町民対象に (串本町 )
串本町が9日、町民1万5326人を対象にして生活支援商品券の交付を始めた。1人につき7000円分(100円券70枚)を託す内容で、担当の役場産業課は積極活用を呼び掛けている。
この商品券は、コロナ禍の影響を受ける住民生活と地域経済をともに支援する目的で交付。国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を原資にして計画し、町議会第2回定例会で予算承認を得て準備を進めてきた。
対象者にはあらかじめ引き替えはがきを送って通知し、同日から8月9日(月・振休)までの間に最寄りの郵便局(初日のみ江田、田子、樫野の各集会所と旧養春小で臨時交付窓口を開設)で同商品券と引き換えるよう求めている。引き替え方法は同はがきを参照。
同商品券の有効期限は11月30日(火)で、取扱参加店舗約280店舗で利用でき内訳は交付時に一覧表を併せて配る形で伝えている。店舗まで赴きやすいよう、前回同様にコミュニティバスの運賃としても使える仕組みとしている。
同商品券の交付は3回目で、今回の対象となる町民決定の基準日は6月17日。交付総額は1億728万2000円相当で、同課はこの規模で目的を達成できるよう、過去2回(約99%利用)同様の協力を求めている。問い合わせは同課(電話0735・62・0558)まで。
(2021年7月13日付紙面より)
「那智の扇祭り」前に氏子が奉仕 (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が13日に宵宮(よいみや)、14日(水)に本祭を迎える。祭りを目前に控えた11日、同大社で扇神輿(みこし)2体と馬扇の張り替え作業が行われ、氏子ら16人が奉仕した。
熊野十二所権現の神霊をうつす扇神輿は高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、例年祭り前に張り替えられる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から扇神輿は取りやめとなったが、今年は2体のみ出されることとなった。
当日は本殿で奉告祭を営んだ後、口伝で残された伝統の製法で張り替え作業に取り掛かった。扇神輿は細長い木の枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで止め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡などを飾り付ける。
8面の白銅鏡は「神威八弦絃(あまねく広く輝かすの意)」といわれている。扇神輿は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と残る2本は月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表しているという。
氏子らは声を掛け合いながら協力して扇神輿や馬扇を仕上げていった。
男成宮司は「2年ぶりに2体だけだが、扇神輿を出すことができ、良かった。意義を感じる」。
来年の例大祭については「本来は12体全て出して斎行したい。来年はこれまで通りのお祭りができれば」と語った。
(2021年7月13日付紙面より)
熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日(水)に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事で、日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り替えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は例大祭前の7月と年末の毎年2回行われている。
昨年7月は天候不良で延期となり宵宮(よいみや)の朝に実施。連日の大雨で水量が多くなったため、例年より上流にしめ縄を張った。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。到着後、命綱を着け、滝の流れに足をつけた神職らは声を掛け合いながら無事にしめ縄を設置した。
新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
男成宮司は「参列者や奉仕者、拝観者の安全を優先し、今年も皆さまのご参列をご遠慮いただく形となった。コロナ禍が一日も早く終息し穏やかな日々に戻ること、来年こそはいつも通りの例大祭が斎行できることを切に祈ります」と話していた。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2021年7月10日付紙面より)
町教委主催で教職員研修 (古座川町 )
古座川町教育委員会が6日、同町立高池小学校でGIGAスクール教職員研修会を開き、町内の教員16人が児童生徒用パソコンを活用するときの素地となる理解を深めるなどした。
この研修会は、同スクール構想の急進で充実する校内の情報通信技術(ICT)環境の教育活用を円滑に進めるため、文部科学省「GIGAスクールサポーター配置促進事業」を活用して計画。東牟婁地域が1人1台の割り当てで共同調達した児童生徒用パソコンはオペレーションシステム(OS)「グーグルクローム」を搭載した機種で、その使い方や推奨ソフトを紹介する内容を準備して町立小中学校の教員に参加を呼び掛けた。
この日は同サポーター・岡田政彦さん(和歌山IT教育機構所属)が講師として登壇。序盤は「Google Chrome」のアカウント管理や基本操作、他のOSと比較したときのデータ管理の特色を確かめ、中盤は教育活用頻度が高いと見込まれる推奨ソフト「Google Classroom」、終盤は児童生徒用パソコンを一括管理する授業支援ソフトを紹介。児童生徒の立場で実活用を模擬体験してもらいながら、できる教育活用の基本線を伝えた。
研修会は春にも開いた経緯があり、すでに一部のクラスで同端末の活用が始まっている段階。町教委教育課の坂本耕一さんは活用の裾野をさらに広げて児童生徒用パソコンを生かしたいとし、7月中~下旬には各学校単位で活用を主導する人材(情報担当教諭など)を育てるリーダー研修〈上級研修〉も実施するという。
(2021年7月10日付紙面より)
建設工事関係者連絡会議 (新宮・東牟婁地方 )
建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(中前英人署長)は8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の約20人が出席。取り組み紹介や意見交換を行った。
会議は、三者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。
新宮・東牟婁管内では昨年78件(前年比9件減)の労働災害が発生した。中前署長は「昨年、管内では土木工事業で大きく減少したが、過去3年間発生のなかった死亡事故が発生した。今年は5月末現在で、休業4日以上の労働災害が昨年同月に比べて5件増加となる21件発生している」などと説明。
工事現場災害の減少を図るため▽労働災害の防止▽熱中症対策▽建設業の働き方改革の取り組み推進▽新型コロナウイルス感染症対策―に対する協力を呼び掛けた。
乾孝行監督・安衛課長が、管内の建設工事における災害発生状況を説明したほか、現場での安全管理について▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置―などが重要とした。
2023年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、建設現場での新型コロナウイルス感染防止対策、安全帯など適切な器具の使用、災害復旧工事における注意事項などについて、災害事例を交えて解説した。
今後の同連絡会議の取り組みについて「合同パトロールや安全教育などに当署の活用を」と呼び掛けた。
紀南河川国道事務所串本国道維持出張所、東牟婁振興局農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、串本町、太地町などが公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。
(2021年7月10日付紙面より)
優秀安全運転事業所表彰 (新宮市 )
自動車安全運転センター和歌山県事務所(寺園勝人所長)と県警本部はこのほど、優秀安全運転事業所として、新宮市王子町の佐川急便株式会社新宮営業所(白井康弘所長、33人)に3年ぶりとなる金賞を贈呈した。8日、新宮警察署で開かれた伝達式には同営業所安全推進課主任の松岡裕太さん(30)が出席し、山田守孝新宮警察署長から表彰状を受け取った。
表彰は同センターが主催、警察が共催して毎年3期に分けて実施している。対象となるのは社員が20人以上で、そのうち8割がドライバーの事業所。社員は運転記録証明書を申請し、分析結果の交付を受けている。公私にわたって1年間の事故や違反が3%以内なら金賞(7点)、5%以内なら銀賞(5点)、7%以内なら銅賞(3点)が贈られる。連続で受賞し合計15点以上になった事業所にはプラチナ賞が贈られる。
同営業所は2017、18年に2回連続で金賞を受賞しており、会社全体で環境・安全面を最優先にして事業に当たっている。
松岡さんは「営業所全体で、事故・違反を出さないように努めてきたことが表彰につながりありがたい。日頃から交通弱者を守るために歩行者を優先する運転などに取り組んでいる。今後も交通安全活動を継続していきたい」。
表彰式に同席した寺園所長は「数多くの受賞は安全運転管理をしっかりとしていただいているからこそ。今後も継続していただけたら。また、運転経歴に係る証明書やセーフドライバーカードを活用してもらいたい」と話した。
山田署長は受賞について「交通安全意識の持続がないと難しい。ほかの事業者さまの模範になるとともに一般のドライバーの啓発につながってほしい。他の事業所さまにも参加していただけたら」と話していた。
(2021年7月10日付紙面より)
「WEST EXPRESS 銀河」が試運転 (JR西日本 )
16日(金)から本格的に運行を開始するJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の試運転が4日に行われ、JR新宮駅には午前9時37分に到着。新宮駅、新宮市、市観光協会の職員など関係者約30人が横断幕などを持って出迎えた。
「銀河」は、観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJRが運行する長距離列車。当地方では新宮、紀伊勝浦、太地、古座、串本の各駅に停車する。
車両は117系6両1編成。定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。車窓からは沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
試運転では、京阪神の報道関係者などが乗車。3日午後9時15分に京都を出発した。到着を歓迎し、市職員らは「ようこそ 新宮市・北山村へ」と書かれた横断幕で迎え、新宮駅構内では日本酒「太平洋」の試飲コーナーや新宮市、北山村の産品販売コーナーが設けられた。
「銀河」受入協議会長の田岡実千年市長は「予約状況も好調とのことでうれしく思っている。多くの人に熊野地方の魅力を感じていただき再訪いただけるように、各駅でおもてなしを実施するなど、各自治体ともに頑張っていきたい」と話していた。
(2021年7月6日付紙面より)
市長が余剰ワクチン接種 (新宮市 )
新宮市の田岡実千年市長は4日、市役所別館で実施された新型コロナウイルスワクチン集団接種会場で1回目の接種を受けた。
本年度中に65歳に達する高齢者に対する最後の集団接種(1回目)となったこの日、会場では510人が接種を受けた。接種を希望する高齢者と、一部前倒しとなったこの日の接種を希望する高齢者施設等従事者合わせて508人が1回目の接種を済ませた。
市長のワクチン接種は余剰分ワクチンを活用したもので、当日キャンセル分を含む余剰ワクチンは、市職員が高齢順で接種した。
これまで、感染リスクを回避するため、延期や中止の措置を講じてきた、市長の感染拡大地域への公務出張。現在、他の自治体においては首長の接種状況などを踏まえ徐々に公務出張が再開されているという。
そういった状況を鑑み、市においても今後の公務出張および危機管理の責任者として対応していくために市長のワクチン接種を決定した。田岡市長は今月中旬以降、要望活動などで大阪や東京への3回の公務出張を予定しているという。なお、2回目の接種は3週間後の25日(日)を予定している。
接種を受けた田岡市長は「(注射は)全く痛くなかった。普段からいろいろな方々とお会いする機会も多い中、危機管理責任者として一安心といったところ」と感想。
「7月中に接種を希望する高齢者の方々の接種が無事に完了することに安堵している。これから始まっていく第3、4順位の方々に対してもスムーズに接種いただけるように務めていきたい」と話していた。
市では8月7日(土)に、第3順位となる基礎疾患を有する人と施設等従事者の集団接種を予定しており、今月7日(水)に接種クーポン券を発送する。12~64歳の一般向け接種に関しては14日(水)にクーポン券を送付。ワクチン供給状況などを勘案し、接種態勢を整えていくとのこと。
(2021年7月6日付紙面より)
新庁舎で竣工式や内覧会 (串本町 )
串本町が4日、役場新庁舎の竣工(しゅんこう)式を営み招待者や職員ら約100人で念願の完成を祝った。その後は一般対象の内覧会もあり、約250人(同町発表)が各課配置など内容を確かめた。
この庁舎は2005年の自治体合併時に各課集約を前提にして建設が位置付けられ、11年の東日本大震災を経て高台への建設議論が本格化。最終的にくしもと町立病院奥にある造成地に建設用地を得ておととし9月に着工し、今年5月に完成した。総事業費は約32億円で、合併特例債約4億円、緊急防災・減事業債約24億円などを当てている。
開庁日は今月26日(月)。現在は段階的に分散する各課機能の移転を進めるさなかにあり、備品等搬入直前の段階で竣工式を開き庁舎内を公開することとした。
式典には田嶋勝正町長ら職員や町議会の鈴木幸夫議長ら議員、町内主要団体代表者や地元選出の二階俊博衆議院議員、世耕弘成参議院議員、鶴保庸介参議院議員、仁坂吉伸知事や佐藤武治県議会議員、谷洋一県議会議員、近隣市町村長らが出席。田嶋町長は各課集約や災害対応の特色に触れつつ「町民に親しまれ、『ロケットの町串本』の玄関口として、大規模災害発生時には多くの人命を助ける司令塔になると確信する」と自負を掲げ、その実現に鋭意努力するとして支援を呼び掛けた。
株式会社綜企画設計と谷地建設株式会社への感謝状贈呈や祝辞・祝電の披露を経て、田嶋町長は来賓代表諸氏と共にテープカットに臨んで町政発展半世紀超の計を支える新庁舎の完成を喜び、その第一歩に大きな弾みをつけた。以降、招待者は新庁舎を内覧。昼休憩を挟んで午後2時~4時30分に一般対象内覧会を実施した。
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現本庁舎本館は1958年に旧串本町が建築。町政発展とともに手狭となり新館が増築され、旧古座町と合併して誕生した現串本町においては両館を本庁舎、旧古座町役場を古座分庁舎として活用してきた。社会福祉の多様化により地域保健福祉センター内に保健センターと地域包括支援センターを設置し、社会教育・体育運営のため文化センター内に教育委員会教育課社会教育グループを配置するなど現在の各課配置は複数の施設に分散した状態だが、新庁舎開庁後は企画課ロケット推進室を除き位置付けに基づいて集約される。
同時に文化センターと役場古座分庁舎に各種証明書等発行など利用頻度が高い行政サービスを提供する窓口を設置。現本庁舎は後の津波緊急避難対応県営住宅建設のため解体、役場古座分庁舎はロケット振興拠点としてリノベーションされる。
経路となる町道サンゴ台7号線とすさみ串本道路串本インターチェンジ(仮称)アクセス道路の一部は竣工式に合わせて供用開始となった。コミュニティバスは開庁に合わせて運行形態を変更し、役場新庁舎までの交通を確保。賃貸により入居する紀陽銀行串本支店は8月2日(月)に現店舗から移転し営業を始める。
集約により現状でいずれも低地にある各課は海抜約50㍍の高台かつ耐震設計の新庁舎に集約される。鈴木議長は「災害のリスクがなくなる進展は慶賀に堪えない」と評し、新庁舎の鋭意活用を職員の今後に期待した。
(2021年7月6日付紙面より)
活躍願いOB会が激励金 (新宮高硬式野球部 )
県立新宮高校硬式野球部OB会の井上信也会長は3日、同校を訪れ「第103回全国高校野球選手権和歌山大会」に出場する現役部員たちの活躍を願い、加藤迅(じん)主将に激励金を手渡した。
OB会の3人が訪問し、部員たちを前に井上会長が「3年生にとっては最後、1年生は初めての夏の大会を迎える。この硬式野球部で培ったことを紀三井寺球場で精いっぱい発揮してほしい。緊張や失敗もあるかもしれませんが、気持ちを切り替えて、監督の下『野球を楽しむ』という思いを忘れず全力でプレーしてください」とエールを送った。
髙須崇監督は「多くの方々に支えてもらい、チームとしても勇気を頂き大変感謝しています。困ったときには相談にも乗っていただいている。はつらつとしたプレーを見せて、少しでも恩返しがしたい」と話した。
加藤主将は「いつも現役部員たちを気に掛けてくれてありがたい」と感謝し、「大勢の人が喜んでくれるような結果でお礼ができるように頑張ります」と決意を伝えた。
和歌山大会は39校が参加し、9日(金)に開幕。26日(月)の決勝戦までの15日間で熱戦が繰り広げられる。同校は大会5日目の13日(火)午前9時からの第1試合で和歌山東と対戦する。
(2021年7月6日付紙面より)
東牟婁地方中学校総体陸上競技