幼少年婦人防火委が研修会 (新宮市 )
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で20日、令和4年度市幼少年婦人防火委員会の防災研修会があった。市内三つの自主防火組織が参加。防災講話や活動報告などを通して防災意識の高揚を図る機会とした。
幼少年婦人防火委員会は▽婦人防火クラブ(端地遥会長、7クラブ114人)▽王子ヶ浜少年消防クラブ(川嶋丈温委員長、14人)▽白梅幼年消防クラブ―の自主防火組織により構成されている。
当地域に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害(2011年)から11年。同研修会は「紀伊半島大水害を教訓に地域防災力の強化~命を守る経験を次の世代へ~」と題し、未曽有の災禍や水害の教訓を伝え、地域防災力の強化を図ることを目的に同委員会初の全体行事として開催した。(一財)日本防火・防災協会が共催。市消防本部が協力した。
研修会は、白梅幼年消防クラブの防火太鼓で幕開け。同委員会長の垣内一男消防長は、各団体の日頃からの火災予防啓発活動への協力に感謝。研修会実施に至った経緯について説明し「防火太鼓はとても元気が良く力を頂いた。この素晴らしいホールで開催できてうれしい。実りの多い研修会となれば」とあいさつした。
来賓の田岡実千年市長は「紀伊半島大水害から来月で11年を迎える。私たちはこの災害を教訓として市の防災に生かしていかなければ。災害から一人の犠牲者も出さないという強い信念の下、防災対策の一層の充実、強化を図るためには皆さまのより一層の協力が必要」と呼びかけた。
王子ヶ浜小6年生で組織される王子ヶ浜少年消防クラブは、煙体験や天ぷら油火災実験、消火器取り扱い訓練など、動画を通して活動内容を紹介。「これからも知識や技術を学びながら、将来の地域防火防災リーダーの担い手となるために頑張っていきます」と誓いを新たにした。
市消防本部予防課は近年の火災状況や動向などを説明。「住宅火災による死者の主な原因として逃げ遅れが過半数を占めている。発見の遅れが被害を拡大させる」と述べ、住宅用火災警報器の設置や交換への協力を求めた。
防災講話では減災カフェ主宰の上野山巳喜彦さんが「体験談から振り返る紀伊半島大水害」を演題に講話。当時の様子を写真と証言で紹介し「過去に学び、現在を点検し、未来に備えることが大事。令和に生きる私たちは科学・技術の力、先人の知恵、共助の力を合わせた多重防御が必要」と伝えた。
(2022年8月23日付紙面より)
串本町の少年野球チーム・串本オーシャンズの木下正己監督と選手の堀愛菜さん、堀結菜さん(ともに潮岬小6年)らが19日、田嶋勝正町長に全国大会「NPBガールズトーナメント2022全日本女子学童軟式野球大会」に出場し優勝したことを報告した。
この大会は7月29日から8月4日まで石川県内であり、全国の43チームがトーナメント形式で対戦。愛菜さん、結菜さんを含む6年生主体のチーム「和歌山ハーモニーズ」(和田昌宏監督、選手14人)を結成して参戦し、6戦を勝ち抜いて優勝をつかみ取った。
2人は兄に刺激を受け小学1年生の終盤で串本オーシャンズへ入団し軟式野球を始めた。最高学年となった現在のポジションは愛菜さんがキャッチャー、結菜さんはピッチャーとファースト。和歌山ハーモニーズでは外野手(ともにライト)として2月以降7回の合同練習に参加し、その成果も発揮して今回の勝利に貢献した。
報告には堀さんの両親も同席。木下監督から経緯の説明を受けた田嶋町長は「一つのスポーツに打ち込んでこういった舞台に立つことは良い経験になるし、多くの人に接する機会もあって視野も広まる。君たちの年齢でその経験をすることは素晴らしいことだと思う」とたたえ、懇談をする中で今後別の新しい挑戦を始めたいと2人が考えていることを知り「今経験していることは、野球に限らずいろいろな場面で自分の肉となり血となって返ってくると思う。これからまた新たな目標をつくって挑むにしても精いっぱい頑張ってほしい」と後押しした。
「力を出し切れた」と同大会を振り返る2人。今後も9月の近畿大会など試合の予定があり、有終の美を目指して卒団まで頑張りたいと意欲を示していた。
(2022年8月23日付紙面より)
東牟婁地方美育協会が研修 (那智勝浦町 )
東牟婁地方美育協会(芝﨑勝善会長)は19日、那智勝浦町立宇久井小学校で「第63回那智山研究集会」を開いた。新宮・東牟婁地方の幼稚園・小中学校から教職員40人が参加し、図画工作や美術に関わる実践報告や講義に、熱心に耳を傾けた。
畿央大学教育学部の西尾正寛教授、和歌山大学教育学部の丁子かおる准教授を講師に招き、3年ぶりに開催した。
実践報告では、今年10月に和歌山県で開催予定の第73回造形表現・図画工作・美術教育研究全国大会および第76回和歌山県図工・美術教育研究大会で、研究発表する教諭らが経過を述べた。
新宮市立丹鶴幼稚園の松尾れいか教諭は、感触や素材との触れ合いを重視した園児たちの造形活動について報告。生き物の観察を通じた絵画制作や粘土・段ボールを使った遊びの様子を振り返り、写真と文章を組み合わせた「ドキュメンテーション」による教職員・保護者間の情報共有についても語った。
北山村立北山小学校の福田誠教諭は「不易と流行の視点から見直す地域の木版画教材」と題して発表した。約70年の歴史を持つ「東牟婁地方学校版画展」の取り組みに言及し、本年度の北山小学校の5、6年生7人が取り組んでいる共同版画制作に言及。那智勝浦町立勝浦小学校の5年生が「那智勝浦町」をテーマに多色刷りの「彫り進み版画」を制作したことにも触れた。
講師による講義や色彩・色調に関する実技講習もあり、西尾教授は「外からの情報を取り入れ、美術教育に生かそうとする先生方の熱意が素晴らしい」と話していた。
(2022年8月23日付紙面より)
講話で避難生活考える (御浜町 )
御浜町は21日、防災講話「地域における防災力の重要性 避難所で過ごす生活とは」を阿田和の町中央公民館で開催した。自主防災組織に関わる町民らが聴講し、避難生活や避難所運営について考えた。
町には阿田和、下市木、上市木、志原、尾呂志、神木の6地域に計65の自主防災組織が活動している。講話は研修の一環として町民対象に企画し、三重大学大学院地域イノベーション学研究科、三重大学地域圏防災・減災研究センター准教授の水木千春さんを講師に迎えた。
講話で水木さんは近年の気象について「台風に関係なく線状降水帯が発生し、局所的に雨が降っている。日本のどこで被害が出ても不思議ではない」と指摘。「非常時こそ、地域の力が必要」とし、災害を見据えて日頃からリアルな訓練を重ねることや、運営側だけでなく、避難者の協力が必要不可欠で、地域にも事前に周知しておくことの重要性をアドバイスした。
「災害発生時は誰もが切迫した状態になり、強い不安やストレスが重なる」とした上で、避難所ではさまざまな問題が発生することを紹介。プライバシー、食事、健康、衛生、トイレなどの問題のほか、子どものいる世帯や高齢者、外国人などへの配慮も欠かせないとした。また、感染症対策を考慮した避難所のレイアウトや運営のポイントについても説明した。
あいさつした大畑覚町長は昨年度に町総合計画を策定し防災対策を進めていることや、6地域で避難所運営マニュアルが作られたことを報告。「今後台風シーズンを迎えるに当たり、警戒を強めている。自主防災組織の皆さんには町職員と一緒になって取り組んでもらえたら」と日頃の活動に感謝を示し、今後の協力を求めた。
(2022年8月23日付紙面より)
追い込み漁前に海保が訓練 (太地町 )
9月から始まるイルカなどの小型鯨類追い込み漁を前に第5管区海上保安本部は17日、太地町の太地漁港および周辺海域で反捕鯨団体による違法行為を想定した12回目の事案対処訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、太地町漁業協同組合などから約30人が参加し、官民一体で訓練に取り組んだ。また、訓練前には串本海上保安署太地町臨時駐在所の披露式もあった。
同町へは2010年以降、過激な環境保護団体などが多く訪れ、港の無許可撮影などの嫌がらせ行為が続いていた。
保安部によると、昨年度は同町における反捕鯨活動家の違法行為の確認はないが、ドローンを用いて上空から漁の様子を撮影する事例があったという。
田辺海上保安部の真部克彦部長は新型コロナウイルスによる入国制限の解除により、外国人活動家が入国しこれまでと同様の活動を行うことが懸念されるとし「最近では交流サイト(SNS)を活用し、自己主張を世界中に配信する活動が確認されている。惑わされず、冷静かつ毅然(きぜん)とした態度で警備活動を行うことが求められる。地域住民の安心のためにも、万全の体制を取るように努めていただけたら」とあいさつ。
この日はゴムボートによる操船や、漁の様子をドローンで撮影する活動家に対する警備、カヤック乗艇者の転覆救助、違法行為者の海上追跡や捕捉の訓練に取り組んだ。
訓練を終え、海上保安庁警備救難部警備課の坂本誠志郎課長が「高度な技能や練度の高さを見せていただいた。新しい臨時駐在所近くには和歌山県警の特別警戒本部現地警戒所もあり、連携も深まる。町民の安心と安全を守っていただくようお願いします」と講評した。
来月1日(木)から追い込み漁を控える太地いさな組合の小畑充規組合長は「ドローンで船上を飛行されて危険を感じたこともあった。訓練は非常にありがたい。今年もコロナ禍で価格面など大変な状況は続くが、これまで通り仕事に取り組んでいきたい」と話した。
□ □
■臨時駐在所
串本海上保安署は太地漁港内に臨時駐在所を設置していたが、建物の老朽化や津波対策を踏まえて、多目的センター近くの同町小長井に新臨時駐在所を建設した。建物面積が63平方㍍、敷地面積が100平方㍍。
会議などに使用する待機スペースやシャワー室、トイレを完備。すでに開始されている海上のパトロールやさまざまな事案対応などの拠点となる。正式運用は28日(日)から。
(2022年8月19日付紙面より)
熊野市で合同初精霊供養
熊野市木本町の七里御浜海岸で17日、合同初精霊供養が営まれた。例年、8月17日に開催される「熊野大花火大会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に続き中止となったが、追善花火が熊野の夜空を染めた。
300年余りの伝統を誇る熊野大花火大会は、お盆の初精霊供養に花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯籠焼きを行ったのが始まりといわれている。
現在の花火大会でも初精霊供養の灯籠焼きや追善供養の打ち上げ花火などがプログラムに組み込まれている。3年前は、三尺玉海上自爆や鬼ヶ城大仕掛けなど1万発の花火が観客を魅了した。
3年連続で花火大会が中止となったが、市観光協会(中平孝之会長)が初精霊供養を実施。法要後に追善花火が打ち上がり、遺族らが故人をしのび大輪の花を見上げていた。
同協会の紀の川良子副会長は「今年も熊野大花火大会が中止になる中、伝統を絶やさぬため花火の原点である初精霊供養を営むことができて良かった」と話していた。
(2022年8月19日付紙面より)
潮岬でリーダー養成キャンプ (県青少年育成協会 )
本年度地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプが17日に和歌山県立潮岬青少年の家であり、同リーダーや一般参加の小中学生(=地域ユース)29人が自身の在り方を意識しながらグループ活動に励んだ。
このキャンプは県と県青少年育成協会が主催するリレー式次世代健全育成事業の一環で、異年齢集団における自身の役割を考えて相応の自覚や責任感、地域で活躍するためのリーダシップを高めることを目的として夏季と冬季の年2回実施している。
今回は夏季の巡りで、三つある県立の各青少年の家を会場とし最寄りのジュニアリーダーも自身の研修を兼ねて関わりながらそれぞれの日程と内容を計画している。潮岬の同キャンプは当初例年通り1泊2日での実施を計画して参加を呼びかけたが、新型コロナウイルスの情勢により急きょ感染症予防対策を心がけながらの1日実施に内容を変更して行う形となった。
参加者の内訳は中学生~高校生で結成するジュニアリーダーズクラブ「ドルフィン(西牟婁振興局管内)」「ビー・スター(東牟婁振興局管内)」所属のメンバー16人と、一般参加の小中学生13人。内容の圧縮により、今回は▽アイスブレーキング▽野外炊事〈たき火おこしや飯ごう炊さんなど〉▽クラフト〈レジンアクセサリー制作〉―といった活動に取り組んで、前述した目的や個々の目標の達成を目指した。
一般参加の小中学生はジュニアリーダーと接することで目指すべきリーダー像を考え、ジュニアリーダーは接する小中学生の求めるところに応えて導く筋道を考える、と近しい異年齢間で双方向に気付きをリレーし合う点もこのキャンプの特色。ジュニアリーダー4年目で野外炊事の主導を経験した岩本遥香さん(串本古座高1年、ビー・スター所属)は「いろいろな子が集まると、どうしても一人になってしまう子が出てくる。せっかくこのキャンプに来ているのにそれで思い出がつくれないのは悲しいことなので、今回はいろいろな子に話しかけて誰も一人にならないよう心がけた」と活動するに当たって意識した点などを語った。
(2022年8月19日付紙面より)
ひまわりの絆プロジェクト (マリア保育園 )
新宮市の保育所型認定こども園「マリア保育園」(三浦恒久園長)で、今年も「ひまわりの絆プロジェクト」のヒマワリが咲いた。16日にはきしゅう君と新宮警察署の警察官が来園し、園児たちに交通ルールを守ることの大切さを伝えた。
2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児=当時(4)=が育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。命の大切さや交通事故の被害者支援への理解を深めるため、新宮警察署管内でも多くの保育園や小中学校が取り組んでいる。
マリア保育園で咲かせるのは今年3年目。昨年開花したヒマワリから種を取り、5歳児たちが水やりなどの世話をし、9輪が咲いた。
本田斗生多警部補は園児たちに「飛び出しは危険!一度止まって安全確認をしよう」などの言葉が描かれた下敷きなどを手渡し「お父さんやお母さんと交通ルールについてよく話し合いましょう」と約束。
登園、降園の時間帯に園児たちの安全を見守っている三浦園長は「園の前の道は自転車の通行も多いですから、子どもたちには送り迎えの時に急に飛び出さないよう話しています。種から花が咲くというのは、子どもたちにとっては不思議で面白い体験となったのでは」と話していた。
(2022年8月19日付紙面より)
供養式典に20人参列 (新宮市 )
新宮市徐福の徐福公園で12日、徐福供養式典が営まれた。熊野徐福万燈祭運営委員長の田岡実千年市長や、山口泰郎代表理事をはじめとした一般財団法人新宮徐福協会役員ら関係者約20人が参列。徐福の遺徳をしのんだ。
徐福は今から約2200年前、中国を統一した秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来したという伝説がある。公園内には、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の命で1736年に建立された墓碑(市指定文化財)がある。
今年の式典は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、規模を縮小し関係者のみで執り行った。なお、関連行事である「熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)」は3年連続の中止が決定している。
式典執行に当たり、山口代表理事は「今年も徐福さんに思いをはせる日がやって来た。徐福さんが取り持つご縁は、友好的で平和的な交流の礎構築に寄与してきた」。
「混沌(こんとん)とした世界情勢に鑑み、今こそ徐福さん顕彰の理念である『友愛の絆』を見つめ直さねばならない。徐福さんを媒介として、未来永劫(えいごう)親しくお付き合いをさせていただくことを切に願ってやみません」とあいさつした。
田岡市長は、徐福の墓前で農耕や捕鯨などの技術を日本に伝えたとされる徐福に感謝を示し「永く永く安らかに、そして新宮市の発展と日中両国や徐福の縁(えにし)につながる多くの人々や、国内伝承地のより一層の繁栄と友好そして永遠(とわ)の平和へのお導きとともに、お守りくださらんことを祈念します」などと祭詞祭文を読み上げた。
参列者たちは新宮仏教会の読経が響く中、墓前に線香を手向けた。
(2022年8月14日付紙面より)
新宮港クルーズ振興広域協議会総会
新宮市役所別館で9日、新宮港クルーズ振興広域協議会(会長・田岡実千年市長)の総会が開かれた。関係者ら45人が出席。本年度の事業計画など4議案を承認した。
同協議会は新宮港へのクルーズ振興を通じて県境を越えた広域連携を図り地域振興に寄与する目的で設立した。会員は新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、紀北町、十津川村、下北山村、和歌山県、三重県、奈良県の14市町村3県。
開会に当たり、田岡会長が関係者らの支援に対し感謝。「新型コロナウイルス感染症の影響で入港数が減少していたが、皆さま方の尽力により、コロナ禍での運航体制や受け入れ体制が確立されつつある中、少しずつではあるが明るい兆しが見えてきている。クルーズ振興がこの地域、各自治体における振興の柱の一つとして確立されることを心から願っている。そのためにもこの協議会が果たすべき役割は重いものと考えている」とあいさつした。
来賓の谷川孝栄・三重県議は「クルーズ船で当地域を訪れるたくさんの皆さまをどうおもてなししていくか、14市町村3県でどう連携していくのかは大切なこと。私たちも再スタートの気持ちでおもてなしをしていければ」と祝辞を述べた。
本年度は▽クルーズ客船受け入れのための情報収集および情報共有▽クルーズ振興にかかる調査・研究▽岸壁や周辺観光地における観光案内などの支援、コロナ対策を講じてのクルーズ客船受け入れ実施―などの事業を展開していく。
任期満了に伴う役員選任では、田岡会長と副会長の河上敢二熊野市長を再任した。県港湾空港振興課がコロナ禍におけるクルーズ客船受け入れ対応について報告。「国などのガイドラインの改訂により、条件を満たせば感染者が出てもクルーズ続行が可能になった」などと説明した。
議案審議後には大型客船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズ㈱経営企画部の村山公崇部長が「これからのクルーズ ポスト・コロナに向かって」を題目に講話した。
村山部長は、日本のクルーズの現状について説明し▽ウイルスを船内に入れない▽ウイルスを船内で拡散させない―を2本柱とした「飛鳥Ⅱ」の新型コロナウイルス感染対策プランについて紹介。「船は、コロナ前は3密だったのは事実だったが、コロナ後は管理がしっかりできることにより安心な場所になってきたのでは」などと話した。
同船が実施する地方創生、地域活性化を目的とした取り組みや、2025年就航予定の新造客船について紹介した。
昨年度の新宮港へのクルーズ船入港実績は入港数8隻で客数は1795人。今月17日(水)、24日(水)には「ぱしふぃっくびいなす」、28日(日)には「飛鳥Ⅱ」が入港する予定。
(2022年8月14日付紙面より)
JR利用者、昨年より増加 (熊野地方 )
お盆をふるさとや観光地で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。新宮市徐福のJR新宮駅では12日、京都・大阪や名古屋方面から来た列車から、大きな荷物を持った帰省客らが下車。ラッピング電車「パンダくろしお」と記念撮影をしたり、迎えに来た家族と再会を喜んだりする姿が見られた。
新型コロナウイルス感染症の第7波が拡大する中で迎えた今年のお盆。首都圏1都3県や大阪府に緊急事態宣言が発令されていた昨年と比較すると、駅構内もにぎやかな雰囲気に包まれている。
12~17日の特急くろしお空席状況(新大阪―新宮間)によれば、上り・下りともにグリーン車を中心に予約が埋まり、ほぼ満席の列車もある。
駅業務に当たるJR職員からは「昨年に比べて明らかに利用者が増えており、駅としてはうれしい限り。大阪方面へ向かう利用者では、新型コロナ感染再拡大の影響か予約の取り消しもある」との声があった。
国道42号では他府県ナンバーの車も目立ち、熊野地方各地で開設されている自然プールや海水浴場もにぎわいを見せている。
(2022年8月14日付紙面より)
熊野川でサプライズ花火 (新宮YEG )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、岩澤宣之会長)は11日夜、熊野速玉大社下の河川敷で「癒やし・励ましの打ち上げ花火」を実施した。約350発の大輪の花が夜空に浮かび、散歩をする人やドライバーらの目を楽しませた。
コロナ禍で迎える3年目の夏。感染拡大防止の観点から熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)をはじめとしたさまざまなイベントが中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにとの思いを込めて、おととし、昨年に引き続き企画した。
3密を回避するため、今年も事前の公表を行わずにサプライズで実施。午後8時に突然打ち上がった花火は約15分間にわたって市街地や川面を照らし、道行く人からは感嘆の声や拍手が上がっていた。
新宮城跡を散歩していた40代男性は「いつも通り散歩していたら河原から花火が上がった。(偶然見られて)ラッキー。夏のいい思い出になった」と笑顔。
岩澤会長は「新型コロナの影響で多くの人が我慢を強いられている。子どもたちや大人も楽しみにしていた1年に1回の新宮花火大会も中止になった。ささやかではあるが、今日の花火が少しでも癒やしや励ましになれば」と話していた。
(2022年8月13日付紙面より)
国内外13組が滞在し制作
国内外のアーティストが熊野地域に滞在しながら作品制作・展示をするアートイベント「KUMANONISUMU(クマノニスム)!2022」が熊野市で始まった。およそ1カ月をかけて制作された作品が空き店舗や旧校舎などを生かして展示されており、市内がアート一色に染まっている。14日(日)まで。
イベントを仕掛けたのは同市飛鳥町出身でオーストリア・ウィーン在住のアーティストえのもとひささん。10年ほど前に初めて故郷で作品展示をしたのをきっかけに、2017年に海外から2人を迎え、初めて「クマノニスム」を開催。今回はキュレーターが企画運営に入り、オーストリアから8人と東京から1人、地元からもアーティストを迎え、旧神上中学校と記念通り商店街(チャレンジショップ、シャッターアート)、市文化交流センターの4カ所で展示している。
えのもとさんは、過疎が進む地元の現状を目の当たりにし、アートで力になれないかとイベントを考案した。「入国制限など実現には多くのハードルがあった」が、オーストリア連邦芸術文化省やクラウドファンディングなどを通して資金援助も受け、開催へ道筋をつけた。
アーティストらは長い滞在を通して、日常の中で住民と交流してきた。「熊野の人たちはアートに関心を持ってくれることが多く、双方にとって面白い経験になったのではと思う」。「子どもたちにもアートやアーティストと触れ合い、文化や習慣の違いを知ってもらう機会になればうれしい」。
記念通り商店街の空き店舗を市が貸し出す「チャレンジショップ」では、エマ・クリングさんとローレンツ・クナートさんが熊野の日常の中で布に目を向けた写真や絵などを展示している。シャッターの廃材や使われなくなった布団など限られた材料を空間に配置し、世界観を表現した。二人は「本のようにした作品もあるので手にとり、ページを開いてみて。熊野は素晴らしい。でも、とても暑い」と笑っていた。
各会場の展示時間など詳しくはホームページ(https://www.interact-projects.net/)へ。
(2022年8月13日付紙面より)
海水浴場や自然プール ( )
お盆休みを前に、熊野地方各地の自然プールや海水浴場が、家族連れの帰省客や観光客でにぎわっている。
太地町の名物の「くじらに出会える海水浴場」は7月22日の開設以来、5482人が利用(8月9日現在)。特に午前11時と午後1時のクジラの開放の時間帯は大勢でにぎわっている。
一方、3年ぶりに開設した新宮市の高田第1・第2自然プールでは、7月15日以来、累計2806人が利用(8月9日現在)。新型コロナウイルス感染拡大前には及ばないものの、第1プールには平日でも40人、休日には200人を超える人々が訪れている。
9日に訪れた小林英資(えいすけ)君(6)、隼生(はやせ)君(3)兄弟は「魚が見えた」「捕まえたい!」と笑顔。父親の伸崇さんは「自分も子どもの頃から両親に連れられて高田に来ていた。11年前の紀伊半島大水害でこの辺りも様変わりし、もう元に戻らないかもと思ったが、今こうして子どもたちを連れてこられて感慨深い」と話していた。
(2022年8月13日付紙面より)
潮岬望楼の芝キャンプ場 (串本町 )
串本町の潮岬望楼の芝キャンプ場の有料開放が11日から始まった。今期は14日(日)まで開放する計画で、盆前をアウトドアで過ごす人の利用を集めている。
本年度から諸事情で既設エリアの無料開放を休止している同キャンプ場。同芝管理運営委員会(田仲康慧会長)と町が協議して定める繁忙時の対応・有料開放のみがテント泊できる機会となっていて、小学生1人1泊1000円の協力金(キャンプごみの引き取りや広大な芝地の管理経費などに充当)を得て環境省の許可に基づき芝地の東側一帯をテント設営場所として管理し提供している。
無料開放の休止に伴い、有料開放の受け付けは期間前日の午後4時から実施。1時間ほど待つ利用者もいる中、10日は22人を先行して受け入れ、11日は131人が同キャンプ場駐車場そばに設けている現地受け付けに利用を申し出た。
新型コロナウイルスの感染拡大第7波のさなかだが、国の行動制限がないことにより同委員会は県の感染予防対策認証を受け、そのガイドラインに沿って午前8時~午後6時に現地受け付けを設けて対応に当たっている。例年のこの時期は日に200人前後の利用があり、それに比べると行動制限がないといっても勢いは例年ほどではないという。
田仲会長は期間終盤にかかる台風8号の影響を注視しつつ、他方で現に利用者が集まる状況にできる限り応えたい考え。最近増えている自動二輪車用の臨時駐車場を新たに設けるなど利便を高めつつ、委員交代制で期間中の運営に当たっている。
期間中の同キャンプ場利用の問い合わせは現地受け付けまで。期間外の問い合わせは同委員会事務局の町産業課(電話0735・62・0557)まで。
(2022年8月13日付紙面より)
体育文化会館でレスリング強化合宿 (那智勝浦町 )
南紀熊野ジオパーク
今年4月に行ったユネスコ世界ジオパーク国内推薦申請に伴い、南紀熊野ジオパークの現地調査が行われている。日本ジオパーク委員会の中田節也委員長(東京大学名誉教授・防災科学技術研究所火山研究推進センター長)、田中裕一郎委員(産業技術総合研究所地質調査総合センターシニアマネジャー)、ヴォウォシェン・ヤゴダ委員(隠岐ジオパーク推進機構)が、7~10日の4日間の日程でエリア内で地質遺産の価値や保全、活用の仕組みなどについて調査を行う。
南紀熊野ジオパークは、プレートの沈み込みに伴って生み出された3種類の大地、それらが作る独特の景観、温暖湿潤な気候がもたらす多種多様な動植物、そこから生まれた熊野信仰や筏(いかだ)流しなど、数多くの自然や文化を体験できるエリアとして2014年に日本ジオパークに認定され19年に再認定された▽新宮市▽白浜町▽上富田町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽奈良県十津川村の一部―の10市町村からなるエリア。
このたびの調査は、同ジオパークを世界ジオパークに推薦するかどうかを審査するためのもの。また、日本ジオパークとしても4年に1度の再認定審査の年でもあるため、前回再認定審査時からのジオパーク活動の進展なども併せて審査される。
現地調査2日目の8日、3人の委員らは北山村、新宮市、太地町を訪問。県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があり、同校3年の坂本美波さんが昨年10月に白浜町と新宮市の三輪崎海岸で調査した、海洋ごみの現状や課題などについて英語でプレゼンテーションを展開。委員らが活動概要について質問し、坂本さんや東垣(あずま・わたる)同探偵団長(南紀熊野ジオパークセンター長)が解答。坂本さんは「環境問題について自分が知っていたことは小さなことだと感じた。(調査は)新しい発見があった。いい経験になったと思う」などと報告した。
熊野速玉大社では田岡実千年市長が委員らを出迎え、応援に駆け付けた濱口太史県議らが見守る中、市観光協会登録ガイドの西浦康代さんが同大社や周辺の歴史的背景を紹介した。
委員らは10日にかけて、那智の滝や橋杭岩、一枚岩などのジオサイトを見学したり、ジオサイトを体験したりする予定。
現在、世界では44カ国169のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本では9地域が登録されている。国内推薦の可否は9月ごろに決定する見通しだ。
(2022年8月10日付紙面より)
新宮東牟婁特別支援教育研究会 (那智勝浦町 )
新宮東牟婁特別支援教育研究会(松本潤会長)は2日、那智勝浦町の体育文化会館で教職員ら70人を対象とした夏季研修会を開いた。南和歌山医療センター小児科に勤務し、瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子さんが講師を務め「神経発達症の対応~薬物療法と中長期的な展望~」と題し、さまざまな症例や対応について講演した。
星野さんは知的能力障害やコミュニケーション症群、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(SLD)、運動症などの神経発達症について詳細を説明。
治療の原則として、「早寝早起き、睡眠を整える」「昼間の活動、運動、覚醒が大切」「保護者の理解は必須」「報酬系に留意した接し方を指導」「小児内科的視点を忘れない」「ゲーム、メディアの過剰に注意」を挙げた。
発達障害の支援を考える上では、本人や保護者が個性として理解し、疾患として脳科学的視点を持つこと、養育者も家族や貧困などの問題を抱えているケースがあると報告。支援体制や薬物療法に頼れる良い仲間・集団を探すこと、長期の支援について話した。
星野さんは本人が自分を理解できなければ、自己肯定感が低くなり結果、孤立を招いてしまうと危惧。教職員がかける言葉の例も伝えた。
障害が理解されずに起こる適応障害やうつなどの二次障害にも触れ、保護者からの温かい言葉も必要であると述べた。
脳内の報酬系が強く、神経が過度に興奮、中毒に陥る、前頭葉系が萎縮してしまうなどの理由からゲームやネット依存の注意点を述べた。対応策としては昼間、本人が過ごせる場所をつくることが有効であると提案した。
症例の紹介や対応のほか▽行政が行う発達障害者への支援施策の利用▽受給できる手当や年金に必要な診断書の作成▽薬物による治療▽支援グループの存在▽就労支援▽就労の多様化▽作業療法や言語療法、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングなどの療育―などの詳細を解説した。
星野さんは「傾聴し寄り添い、具体的な方法を提案し、希望を与え関係機関と連携を取り、現実的な支援に向かって動く」ことが重要とし「未来は変えられる。支援や治療があるので頼ってください」と述べた。
その後は質疑応答が行われた。松本会長は「教師も学び続けていかなくてはならない。医療や保健、福祉と連携することが最も大切。今後も一人一人の子どもに寄り添っていきたい」と語った。
(2022年8月10日付紙面より)
串本中が平和登校日活動 (串本町 )
串本町立串本中学校(濱﨑和司校長、生徒118人)が5日、文化センターで平和登校日の活動に取り組み生徒に戦争と平和を考えるきっかけを託した。
広島に原子爆弾が投下された日に合わせて毎年実施している校外行事。戦時を伝える映画を鑑賞し、込められたメッセージを受け止める内容が慣例となっている。
本年度は沖縄・津堅島の戦禍を題材とした作品「かんからさんしん」(1989年作)を上映。鑑賞に先立って濱﨑校長は平和登校日の趣旨を伝えて最後まで見届けることなどを呼びかけて生徒の気持ちを引き締めた。
同センター2階ホワイエでは企画展「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」が実施中で、濱﨑校長は巡り合わせを生かして映画鑑賞後に見学することも推奨。生徒は時間が許す限り展示の内容を確かめ、この日の経験の一助とした。
(2022年8月10日付紙面より)
東紀州に高速道路をつくる会(垣内貴会長)は、御浜町役場くろしおホールで本年度の総会を開催。総会を前に、国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所の藤山一夫所長が近畿自動車道紀勢線の整備状況を報告し、「紀勢線は全線事業化され、紀伊半島一周が現実に見えてきた。命の道、医療連携、観光活用として有意義な道路になる」と伝えた。
熊野市大泊町―久生屋町間の熊野道路(延長6・7㌔)は用地取得が完了し、本年度は橋梁(きょうりょう)下部工事、トンネル準備工事などに着手。久生屋町―紀宝町神内間の紀宝熊野道路(延長15・6㌔)は、道路設計、用地調査などを行っており、御浜(仮称)、紀宝(同)のインターチェンジを計画している。
紀宝町神内―新宮市あけぼの間の新宮紀宝道路(延長2・4㌔)は、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所工務第三課の藤田和志課長が説明。熊野川に架かる河口大橋の上部工事は和歌山県側が完了し、三重県側で工事が進んでおり、2024年秋の供用を目指しているとした。
総会で垣内会長は「官民一体となって盛り上げ、一日も早く紀伊半島一周高速道路を実現したい。ぜひ、ご協力を」とあいさつ。昨年度の事業、収支決算を報告し、本年度の予算、事業計画を決めた。
同会は東紀州地域の住民有志196人で構成。本年度は関係機関への要望・PR活動などに取り組み、熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会との連携を図る。
▽熊野道路の早期完成▽紀宝熊野道路の工事着手▽新宮紀宝道の開通に向けた事業推進―など、紀伊半島一周高速道路の早期完成に向けた決議文を採択。本年度の要望活動で活用するという。
(2022年8月10日付紙面より)
大阪国際柔術選手権
「とちぎ国体サッカー競技」近畿ブロック大会 (近大新宮高・新宮高 )
「HONBIKE」感想聞かせて (新宮市観光協会 )
新宮市徐福の市観光協会で、話題の電動自転車「HONBIKE(ホンバイク)」の実証実験が行われている。ClickHoldings株式会社よりプロモーションを兼ねて貸し出しを受けており、現在一般向けにレンタルを展開。8月末までの実験を経て、導入の是非などを検討していくという。
同社が事業展開する電動アシスト自転車。バッテリー内蔵タイプでデザイン性が高く、チェーンのないクローズ式シャフトドライブを採用している。5段階の電動アシスト付きで、ペダリングに合わせて自動で出力をコントロールする。
ハンドル箇所に収まる形状の液晶ディスプレーではスピードメーター機能も搭載。防水性も高く、年間を通して天候に左右されないところも魅力だ。
同観光協会には7月から3台を配置。これまで関係者や職員らで実証実験を行ってきたほか、先月24日に新宮港にクルーズ船「にっぽん丸」が入港した際には岸壁でモニター貸し出しを実施したところ、利用者から好評を得たという。
実証実験は今月末までを予定しており、1500円(3時間まで、1日の場合は2000円)でレンタルすることが可能。山本大輔事務局長は「導入後にどういう料金設定をしていくかも課題。利用された方々からの感想も聞きたい。ぜひご利用を」と呼びかけている。
(2022年8月5日付紙面より)
コンビニ店員に感謝状 (新宮警察署 )
新宮警察署(田原正士署長)は3日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、ファミリーマート新宮あけぼの店員の中川佳代さん(45)に感謝状を贈った。
中川さんは7月11日、同店に来店し5万円分の電子マネーを購入しようとしていた市内の50代男性客に応対。高額の電子マネーの購入を不審に思い男性客に使用目的を確認したところ、詐欺の可能性が高いと感じ、男性の同意を得て警察へ通報した。
通報を受け駆け付けた警察官が確認したところ、男性はパソコンがウイルスに感染し、復旧のためには5万円の電子マネーを購入する必要があると電話で告げられたなどと説明。購入後、電子マネーの番号を被疑者へ送ろうとしていたという。
電子マネーの種類や購入方法を把握していなかった男性客の様子を見てピンときたと話す中川さん。男性客に対し「詐欺の可能性が高い」と説明するなど、機転を利かせた行動により、特殊詐欺被害の未然防止につないだ。
中川さんは「日頃からインターネットなどで情報を得ており、気にかけるようにしていた。店舗からも普段から指導を受けていました。特殊詐欺を未然に防ぐことができて良かった。これからも不審に感じたときは積極的に声かけしていきたい」と笑顔。
感謝状を手渡した田原署長は、中川さんの勇気ある行動に感謝を伝え「警察官一人一人がATMなどにいるわけではなく、警察官の目だけでは詐欺を未然に防ぐのは難しい。不審に感じたときはすぐに連絡してほしい。一人でも多くの被害の防止につながれば」と話していた。
今年の県内の特殊詐欺被害認知件数(6月末現在)は41件で前年同期比で6件の増となっている。被害額は6318万4555円。還付金詐欺が減少している一方でオレオレ詐欺や預貯金詐欺、架空料金請求詐欺が増加の傾向にある。新宮市内でも本年度に入って1件の特殊詐欺が発生している。
(2022年8月5日付紙面より)
光洋中1年生が着装とマナー
新宮市立光洋中学校(榎本由香校長)の1年生54人は7月27、28の両日、同校で内閣府認定公益社団法人全日本きものコンサルタント協会装道礼法きもの学院分院苅屋きもの学院の苅屋企世子さんと吉田由香さん、坂上こふ美さんから、浴衣の着装とマナーを学んだ。
授業は総合学習の一環で行われ、昨年とおととしは新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止となっていた。27日にはA組27人が授業に励んだ。
この日は、B組27人が実施。苅屋さんはマネキンを使用して着方や帯の結び方の手本を見せた。生徒は男女に分かれ、苅屋さんらに教わりながら着装を体験。女子は半幅帯で重ね文庫結び、男子は角帯を使い貝の口結びに挑戦し、説明に耳を傾けながら取り組んだ。最後はお辞儀の仕方や立礼、座礼などの礼儀作法を学び、苅屋さんたちに感謝を込めてお礼を伝えた。
浪花茜音(あかね)さん(13)は「今まで浴衣を着る機会はあったけど、自分で着装したのは初めて。帯結びが難しくて悪戦苦闘しましたが、教わりながら完成したのを見るときれいな形で美しかったです。教わったことを忘れないでいたい」。竹村翼冴(つばさ)さん(12)は「違和感がなく着心地が良かったので、豊かな気持ちになりました。貝の口結びが上手にいかなかったけど、貴重な経験ができた」と語った。
苅屋さんは「3年ぶりに行うことができ、元気で明るい1年生に出会えてうれしかったです。授業を通じて日本の伝統文化に触れ、内面からの美しさを大切に大きく成長してもらえれば」と話していた。
(2022年8月5日付紙面より)
9月の花盛り目指し育てる (串本町 )
串本町が4日、役場本庁で認知症啓発企画「オレンジガーデニングプロジェクト」に基づく花の苗植えに取り組んだ。地域の理解を深める取り組みで、世界アルツハイマー月間に当たる9月中の花盛りを目指して育てるという。
このプロジェクトは、「認知症になっても希望をもって自分らしく暮らし続けられる社会」の実現を目指す取り組みの一つとして全国規模で実動の輪が広がっている。認知症啓発のシンボルカラー・オレンジ色の花が咲く植物を育てて住民の趣旨に対する優しさを高めるのが狙い。思いを同じくする同町もその動きに乗り、先んじて協力してくれる個人や団体にオレンジ色の花が咲くヒマワリの種を配って育ててもらっているという。
この日は役場本庁に飾る分を準備。田嶋勝正町長や認知症看護認定看護師資格を持つくしもと町立病院の寺島真由美看護師長、認知症サポーター資格を持つ町福祉課職員やシニアエクササイズ活動で健康維持に励む住民有志計10人が手分けしてプランターやポットに前述したヒマワリやマリーゴールドの苗を寄せ植えして仕立てた。
マリーゴールドはすでに咲き始めていて、ヒマワリは9月中に咲く見込み。資格を生かして中学生など次世代への指導も始めている寺島看護師長は「認知症を知り関心を持ち、知りたいことや気になることがあったら相談してみようと思ってもらえるきっかけになれば」と成果を期待し、そのための相談先として町には地域包括支援センター(電話0735・62・6005)や同病院地域医療連携室(電話0735・62・7878)などがあることをアピールした。
(2022年8月5日付紙面より)