熊野速玉大社でコカリナ奉納 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で10日、コカリナ奉納演奏があった。コカリナの第一人者・黒坂黒太郎さんと同市出身の歌手・矢口周美(かねみ)さん夫妻が新型コロナウイルス感染症で混乱する世界の安寧などを祈り、コカリナや歌、オートハープの優しい音色を境内に響かせた。
コカリナはハンガリーの民族楽器を改良したもの。1995年に黒坂さんが日本に紹介し、黒坂さんと日本の木工家によって改良が加えられ、現在のコカリナが誕生した。黒坂さんはコカリナ奏者として国内外でコンサートを実施する傍ら、東日本大震災や紀伊半島大水害の支援コンサートを展開するなど、被災地支援にも積極的に取り組んでいる。
夫妻は、この日、同市で開催される聖火リレー出発式典で演奏する予定だったが、オリンピックの延期に伴い式典も中止に。しかし「感染を防ぐために祈りをささげたい」との思いから、このたびの奉納に至った。
黒坂さんは「来年はきっと事態も収束し、素晴らしいオリンピックが開催できるよう願っています」と思いを込め、国立競技場建設のために伐採された神宮の森の木で作ったコカリナなどで6曲を奉納した。聖火リレー出発式典で演奏する予定だった「世界中の友達に平和を」では、矢口さんが手話を交えて歌唱。美しい歌声が社殿に響いた。
奉納を終え、矢口さんは「熊野の再生の神様の力が必要だと感じた。貧富も関係なく、世界中の人が同じように恐怖を感じている。生きている人や神様、総動員で力を結集して乗り越えていかなければならない」。
上野宮司は「コロナウイルスの影響で重苦しい気を吹き飛ばすようなすがすがしく素晴らしい演奏でした」と感謝を述べ、「この木でコカリナを作ってください」と境内のナギの木から切り分けた枝を贈った。
(2020年4月12日付紙面より)
新型コロナウイルス対策 (三重県 )
三重県は10日、県独自の新型コロナウイルス「感染拡大阻止緊急宣言」を出した。9日時点で、感染経路が不明な事例は確認されていないものの、これまで15人の感染が確認された。感染が拡大する近隣の愛知県、岐阜県と連携を強化し、取り組みを進める。
県民の「命と健康」を最優先に考え、感染者数を抑えるとともに医療提供体制の確保と社会機能の維持を両立させることが狙い。「感染防止対策を徹底いただくとともに、感染はひとごとではなく、明日には自身や大切な家族にも起こり得る事態であるということを認識いただき、個人への偏見や差別につながる行為、人権侵害、誹謗(ひぼう)中傷などは絶対に行わないよう、ご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。
県では「オール三重」で次の対策に取り組む。
▽医療機関への通院や通勤など生活の維持に必要な場合を除き、生活・文化圏が重複する愛知県、岐阜県と「緊急事態宣言」が発出されている7都府県への移動の自粛。
▽広域の移動の多い県立学校、県立特別支援学校の臨時休業の早期検討。
▽入院医療提供体制の充実や軽症者の受け入れ検討、医療従事者の確保、施設設備の整備など医療提供体制の整備推進。
▽県としての追加的な対策を速やかに検討、実施。
(2020年4月12日付紙面より)
障害者用駐車場供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は9日、役場庁舎玄関前と付近駐車場に3台分の障害者用の駐車スペースを整備し、供用を開始した。
障害者が役場を利用する際の利便性向上などを目的に、4日から駐車場内の区画整備を実施。役場横には元々、障害者用スペースが2台分あったが狭かったこともあり、和歌山県が定める基準に合わせて整備した。
また、付近駐車場も3台分の駐車スペースを障害者用駐車場の2台分に整えた。整備作業は8日に終わり、9日から供用が開始された。
同町では「障害者の方の駐車場の幅を広げ、駐車台数を増やしたので利便性の向上ができたと思います。役場に来られた際はぜひご利用ください」と話している。
(2020年4月12日付紙面より)
新宮サッカースポーツ少年団団長・津呂建二さん
新宮市、那智勝浦町、太地町、北山村の公立小中学校で9日、一斉に入学式が行われた。新型コロナウイルス感染症予防のため、各校でマスクの着用や時間短縮などの措置が取られる中、新入生らは期待と不安を胸に新生活をスタートさせた。
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)では、59人の新1年生が歓迎を受けた。
国歌斉唱の後、藪中校長が「笑顔いっぱいの皆さんの入学を、先生たちは楽しみに待っていました」とあいさつ。「分からないことがあれば、先生や先輩のお兄さん、お姉さんたちに聞いてください。きっと優しく教えてくれると思います。自分も友達も大切にできる子になって」と呼び掛けた。
臨時休業措置に伴い入学式に参加できなかった在校生らが、前もって撮影した動画を通じて新入生を歓迎。児童会長の居軒希空(のあ)さん(6年)が「新しい友達、新しい教室。たくさんの初めてが皆さんを待っています。皆さんに会えるのを楽しみにしています」と述べ、同校合唱隊が「世界中のこどもたちが」を披露。「入学おめでとう。友達もすぐにできるよ」などと伝えた。
那智勝浦町立下里中学校(久保敏晴校長)では、真新しい制服に身を包んだ新1年生16人が校門をくぐった。
式には保護者、教職員、在校生代表、育友会長が出席し、拍手で新入生を迎えた。入学を許可した久保校長は「中学校生活を送る中で『確かな学力』を身に付けてください。学び方や学ぶ姿勢を大切にし、学ぼうとする心を育てましょう」と式辞を述べた。
前年度生徒会役員で3年生の寺地鷗(かもめ)さんと太田真由さんが在校生を代表して「皆で支え合って明るく楽しい中学校生活をつくっていきましょう」と歓迎した。
新入生代表の大下にこさんが「新しい仲間との出会いや学校行事など楽しみが多くあると期待しています。新入生一同は友達を信頼する心、感謝の心を大切にし、中学生としての責任、誇りを持って何事にも諦めず最後まで一生懸命頑張ることを誓います」と誓い、新たに始まる中学校生活に心を弾ませた。
(2020年4月10日付紙面より)
霊巌寺で法会「花まつり」 (古座川町 )
古座川町高池にある龍谷山霊巌寺(小原征雄住職)が8日、法会「花まつり」を営んだ。新型コロナウイルスを鑑み、今年は規模を縮小。日中の甘茶供養受け入れと法要を勤めるにとどめ、混雑を避けてお参りするよう呼び掛けながら参拝者を迎えた。
この法会は、仏教の開祖・釈迦(しゃか)の生誕日に徳をしのぶ機会として、宗派によらず多くの仏教寺院が営んでいる。小原住職は昨今の情勢を受けて悩んだが、この法会は別格と考え法要と甘茶供養だけは例年通りに勤めることを決断した。
開祖が生まれた時に天が甘露を降らせて喜んだという言い伝えをなぞらえるのが甘茶供養で、同寺は本堂内に花御堂(はなみどう)を据えて中に甘茶を満たした器を置き、その中央に釈迦の誕生仏を安置。時間差で訪れた参拝者は器と一緒に用意された小さなひしゃくで誕生仏に甘茶をかけ、心静かに手を合わせて信心を注いだ。
法要は午前10時に営み、般若心経や花まつり関係の御和讃を供して参列した10人が順次焼香。お砂踏みは縮小の一環で実施を見合わせ、本尊の祭陣を一周して法要を締めくくった。
お寺に足を運ぶ機会を持ってほしいという願いを持って例年、この法会を初日にして期間実施している寺宝開帳とパッチワーク展も縮小の一環で今年は中止。小原住職は「この地区で感染者が出たときにどう対応するかが大切。手洗い、マスク着用は当たり前で、隣近所で出たときの対応も考えておかないといけない。よそでは村八分や子どもの差別もあるようだがこの地区ではそういうことは絶対に許されず、互いに優しく支え合うことが必要になる。自他の命を大切にするのが花まつりの趣旨だと念頭に置き、今後の生活に生かしてほしい」と決断に込めた思いを語りつつ、参拝者を迎えていた。
(2020年4月10日付紙面より)
なぎ看護学校で入学式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)で8日、入学式が開かれ、新入生36人が看護師の夢への一歩を踏み出した。
塩路校長は「看護の道の一歩を踏み出した皆さんを全力で応援します」と激励し▽看護師になるために学ぶという明確な目標を持つ▽相手を理解し共感するコミュニケーション能力を持つ▽自己管理をしっかり行う―の三つを求めた。
在校生代表の前山和賀子さんは「看護という字は手と目で護(まも)ると書く。病気だけを観察するのではなく、患者さんの思いに耳を傾け、寄り添うことが大切であり、その人の人間性が看護へと現れる。人とのつながり、周囲の方々への感謝の気持ちを忘れず、共に支え合い夢を実現させましょう」と呼び掛けた。
新入生を代表し松平祐佳さんが「看護師としてふさわしい優しさと思いやり、常に学び続ける姿勢を大切に何事にも全力で取り組んでいく所存です。三年後、どんな場面でも率先して行動ができ、誠実で信頼される看護師となれるよう日々努力することをここに誓います」と宣誓した。
新型コロナウイルス感染症対策で来賓の祝辞はなかったが、田岡実千年市長、濱口太史県議会議員などから多くの祝電が寄せられた。
(2020年4月10日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日、新茶祭が営まれた。大社裏の茶園で巫女(みこ)らが摘み取った特産品「音無茶(おとなしちゃ)」の新芽を神前に供え、自然の恵みに感謝するとともに産業の発展を祈った。
音無茶は、平安時代に熊野を訪れた殿上人が植えたのが始まりといわれている。名前は大社近くを流れる音無川にちなんで付けられた。昭和30~40年代に栽培面積を増やし、現在は町内40戸約4・5㌶で栽培している。黄金色でスッキリとした味わいが特徴だ。
茶葉はペットボトル飲料やアイスクリーム、お菓子などの加工品としても販売されているほか、最近では二番茶を使用したほうじ茶の需要が伸びている。昨年の一番茶の収穫量は、渇水の影響で約440㌔、製品化されたのは80㌔強と例年の3分の1程度だったいう。
白衣に赤いたすき姿の巫女と大社敬神婦人会役員らが、祓戸(はらいど)王子近くの茶園(約10㌃)で新芽を摘み取った。大社は毎年、収穫した一番茶を皇室に献上している。本格的な茶摘みは4月下旬を予定。収穫量は1200㌔を見込んでいる。
JAみくまの熊野川営農センターの内野智文センター長によると、今年は暖冬と降雨の影響で新芽の動きが活発。例年より収穫が2週間ほど早いという。「今年は品質が良く、おいしいお茶ができるのでは」。
九鬼宮司は全国的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響に言及。「13日から始まる本宮祭では、この国難の状況の中、一日も早い収束を願いながら祈願を中心に執り行いたい」と述べ、新茶祭の斎行に際して「音無茶を通して、多くの方々に熊野の自然の恵みを知ってもらえれば」と話していた。
(2020年4月8日付紙面より)
ウラシマソウが花の時季に (古座川町 )
古座川町小川にある滝の拝周辺で今年も、ウラシマソウが花の時季を迎えている=写真。
ウラシマソウはサトイモ科テンナンショウ属の多年草。地中にある球茎が越冬し、春にやり型で波打つ小葉が放射状に広がる葉を出し次いでその葉で隠すような位置に花を咲かせる。
筒状に見えるのは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉で、その中に肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれる花の集まりがある。花序の先がさらに伸びて仏炎苞からしな垂れる形が浦島太郎のさお先の糸を思わせることから和名がついたといわれている。
草丈は50㌢ほど。都道府県によっては絶滅危惧種に指定しているケースもあるなど、見かける機会が限られている野草となっている。写真は滝の拝橋右岸側駐車場の近くで撮影。周囲には葉が若々しくまだ花茎を出していない株もあり、しばらくは開花の様子を楽しめそうな状況だ。
よく似た植物にナンゴクウラシマソウがあり、小葉がさらに細いやり型で波打たないなどの違いがある。他にもマムシグサやテンナンショウがあり、これらは葉よりも高い位置に花を咲かせウラシマソウのように花序が極端に伸びない。葉柄にマムシのような濃いまだら模様が伴うのがマムシグサ。やり型ではなく広卵型の幅広い小葉をつけるのがテンナンショウ、と区別ができる。
(2020年4月8日付紙面より)
町内全小学校で入学式 (紀宝町 )
紀宝町内の全小学校で7日、入学式があり、真新しいランドセルを背負った新1年生が元気に初登校した。
町内の新入生は鵜殿小35人(男子18、女子17)、井田小23人(男子12、女子11)、成川小9人(男子6、女子3)、神内小15人(男子11、女子4)、相野谷小7人(男子6、女子1)の計89人(男子53、女子36)。各校では新型コロナウイルスの感染防止のため、式の時間を短縮し、全員がマスクを着用した。
井田小では、会場の体育館を花で飾り新入生を迎えた。高学年の児童と一緒に入場した新入生たちは、自分の名前が呼ばれると「はい」と元気よく返事した。
石谷正秀校長は「一日も早く学校生活に慣れて、井田小学校を好きになってくださいね」と祝い、在校生は「入学おめでとう」と歓迎の言葉を贈り、「さんぽ」を歌った。
新1年生は教材や学習道具などを受け取り、初めての学校生活をスタートさせた。
(2020年4月8日付紙面より)
マリア保育園で入園礼拝 (新宮市 )
新宮市野田のマリア保育園(三浦恒久園長)で7日、第50回入園礼拝が開かれ、教職員と在園児たちが新入児24人を温かく迎えた。
三浦園長は「エフェソの信徒への手紙」5章1節を読み、「マリア保育園に春が来て、新しい家族が増えました。この家族をどうぞお守りください。神様がいつも一緒にいてくださいますように」と祈りをささげた。
保護者会の林英明会長は「初めて子どもを手元から離す方もいると思うが、楽しく最高の先生ばかりなので、安心してお預けください」と話した。
聖歌「ひかりのこらしく あるきなさい」を歌って閉会した後は、クラスごとに記念撮影をした。保護者たちは満開のサクラの木の前などでわが子の姿をカメラに収めていた。
(2020年4月8日付紙面より)
大橋交番が開所 (新宮警察署 )
新宮市の新宮警察署大橋交番(同市大橋通4丁目2番地)が先月31日に完成。6日に同所で開所式が行われた。小畑博昭署長、田岡実千年市長、大橋交番連絡協議会の大崎俊明会長をはじめとした委員らが出席し、新築された交番での勤務開始を祝った。
同交番は老朽化により昨年10月31日から建て替え工事を実施。同交番配属の警察官は工事中、同市新宮にある広角警察官連絡所を拠点に勤務を行っていた。工事前の大橋交番は1974(昭和49)年に運用を開始。築45年が経過しており、新宮署管内で最も古い交番となっていた。
開所に当たり、小畑署長は「大橋交番管内には熊野速玉大社や神倉神社などの世界遺産があり、高速道路の延伸などにより今後観光客の増加が見込まれる。今まで以上にまちの明かりとなり、地域住民や観光客の手助けができるよう、安心で安全なよりどころとなるように署員一丸となって治安向上に取り組んでいく」とあいさつ。
来賓の田岡市長は「これまで以上に住民の安全を支え、安心を与えてくれると感じている。地域の皆さんの困り事などの相談の場として、大きな役割を果たしてくれることを期待しています」。大崎会長は「今まで以上に地域の安全のシンボルとなることを確信しています」などと祝辞を述べた。
新交番は木造2階建て。敷地面積は231・41平方㍍で延べ床面積は89・78平方㍍。建物面積71・9平方㍍。12・53平方㍍のカーポートや5・35平方㍍の二輪車置き場などを備えている。1階には地域住民が交流できるコミュニティールーム、事情聴取室、防御板が装備されたカウンター、事務室などを配置。2階は仮眠室となっている。
同交番には6人の警察官が配置。同日より原則2人態勢で勤務を開始していく。
(2020年4月7日付紙面より)
昨年度のマグロ類9億円のマイナス (勝浦地方卸売市場 )
国内有数のマグロはえ縄船の基地、那智勝浦町の勝浦地方卸売市場の2019(令和元)年度のマグロ類の取引高(カジキ含む)は、60億9179万円、前年比8億7685万円減(税抜き)となった。同市場を運営する和歌山県漁業協同組合連合会(JF県漁連)がまとめた。数量は㌧未満、金額は万円未満切り捨て。
小物類を含む全体の取引高は66億6953万円(税込み)。14年度以降、初めて70億円台を下回った。水揚げ量は過去10年間で最も低く9380㌧にとどまった。昨年度初頭から続く同市場主要魚のビンチョウマグロの大幅な漁獲減少が大きく、クロマグロは数量、金額共に前年度を上回った。
19年度末集計ではビンチョウマグロ706㌧、5億5897万円の減。キハダマグロ95㌧、2億8422万円減。メバチマグロ75㌧、7335万円減。カジキ類84㌧増、5550万円減。クロマグロは38㌧、9520万円増。同市場占有率の低さからも年度集計にマイナスの影響はなかった。
新型コロナウイルス感染防止の自粛などについてJF県漁連勝浦市場は、宿泊施設や飲食店の需要は減っているものの全国のスーパーやデパートは機能しているとして、相場への影響は今のところはないとみている。
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(一社)全国近海かつお・まぐろ漁業協会の2月2日の通達で、目的採捕停止となっていたクロマグロ大型魚の規制が今月1日に解除された。漁業関係者や仲買人の多くから「最盛期のクロマグロの取引は相場の変動も大きいがその年の不漁を挽回するチャンス。関係者全員が規制の解除を待ちに待っていた。コロナは心配だが鮮度の良いマグロと共に元気を届けたい」などの声があった。
16年に同市場で417㌔の巨大クロマグロを揚げた第一海伸丸(宮崎県)の船頭、児玉博さんも「クロマグロ狙いで勝負をしているので値の良い時季の禁止は痛かった。コロナの影響もどうなるか見えないが5月いっぱい頑張りたい」と話していた。
(2020年4月7日付紙面より)
中湊の稲荷神社で例祭 (串本町 )
串本町中湊にある稲荷神社で5日、例祭があった。新型コロナウイルス感染予防のため、今年は式典のみ実施。神保圭志神社総代代表や中湊区の生熊和道区長ら約20人が参列して祭神への礼を尽くした。
この神社は正法寺後背の山腹に鎮座する旧中湊村社(中湊の氏神社)。近年は周辺の伐採により中湊コミュニティセンター付近から鳥居などを見て取れる状態になっている。主祭神は倉持稲命だが例祭は2月の初午(はつうま)でなく4月3日に近い日曜日を期日としていて、近年は式典と厄よけ祈とうに加え青年会「英進社」による子どもみこしや縁日、餅まきなどの奉仕奉賛をして区内随一の祭礼として活気を見せている。
今年は英進社の奉仕奉賛と区関係要職の来賓招待を見合わせ、祈とうも6人中2人を代表参列とし餅まきを行わない形として規模を縮小。参列者が例年の5分の1程度になる中、古座神社の石田保宮司を迎えて式典や厄よけ祈とうを営んだ。
例祭に合わせるように満開を迎える傾向が強い境内の桜は今年も花盛り。時折吹き抜ける風が花びらを運ぶ中、今年も生熊区長のあいさつで開式し区内各団体の代表者が玉串をささげて祈願した。県神社総代会の世耕弘成会長から届いた祝電を披露し、神酒を頂いて今年の奉仕を締めくくった。
生熊区長は「毎年快晴の下でにぎやかに営むのだが、今年は式典のみとなってしまい残念。本厄を迎えた皆さんは来年、後厄となるが改めて参列してほしい。区民の幸せと共に、中湊区からコロナの感染者が出ないことを願った」とコメント。
英進社の谷端洋会長は「一年で一番の奉仕ができなかったのは本当に残念。英進社はこの祭りのほかに夏の盆踊りでも縁日を出すが、その頃には新型コロナウイルスが終息していてほしいし、その時は今回の分も含めて地域の盛り上げに頑張りたい」と思うところを語った。
(2020年4月7日付紙面より)
木の川認定こども園が開園 (新宮市 )
社会福祉法人弘德(こうとく)会(西昭嘉理事長)は6日、新宮市木ノ川に新設した幼保連携型認定こども園「木の川認定こども園」(丸本知加子園長)の竣工(しゅんこう)を祝う落慶式を開いた。式では西理事長らが歓喜天(ガネーシャ神)を祭り読経。法人役員や各関係者ら約40人が出席し、市内で新たに誕生した施設の開園を祝った。
同園は発生が予想される巨大地震や津波に備え、海抜約35㍍の高台で安全な保育環境を整えるとともに、三佐木蜂伏地区の待機児童解消を目指し、西理事長らが開園に向け取り組んできた。
完成した施設は敷地面積が1767平方㍍、延べ床面積763・40平方㍍の鉄骨3階建て。建設工事費は約2億5000万円。設計監理は大阪市の株式会社チャイルド社が行い、同市佐野の有限会社中谷工務店が施工した。
0~5歳児が対象で、幼児教育や幼児期の英語教育の充実を図り、延長保育や一時預かり保育、特定保育や未入園児の子育てクラブなどにも取り組む。初年度は41人が入園した。
西理事長は「5年間かけて完成し、感無量の思い。各関係者の皆さまにお礼を申し上げます」と感謝。「幼児教育や英語教育に取り組み新宮市に貢献するとともに、高台の園舎を地域の方々の避難場所としてご活用いただければ」と語った。
丸本園長は「どのお子さんも明るく元気に安心して過ごしていただけるように、また、初めての集団生活でこども園が楽しいと思ってもらえるように職員一同、頑張っていきたいです」と話した。
なお、入園式は同日午後2時から開かれた。保護者の希望もあり、新型コロナウイルス感染症予防のため、2回に分けて行われた。
(2020年4月7日付紙面より)