6月定例会が開会 (新宮市議会 )
新宮市議会(前田賢一議長、15人)の6月定例会が11日、開会した。会期は27日(木)までの17日間。改選後初となる定例会で、一般会計補正予算など6議案を審議する。一般質問は18日(火)から21日(金)までの4日間を予定している。
一般会計補正予算は、「個別予防接種事業」に520万円を追加。地方譲与税の一つである森林環境譲与税を財源とし、長期森林管理方針の作成および森林所有者への意向調査のために1004万2000円を補正。併せて「森林環境譲与税基金」を設置し、1608万4000円の積み立てを行う。補正後の予算総額は178億6589万8000円となる。
市森林環境譲与税基金条例の制定や、市重度心身障害児者医療費の支給に関する条例、高田保育所の新高田会館への移転に伴う保育所条例、市火災予防条例の一部改正なども審議する。
冒頭で田岡実千年市長が「今年は当市にとって節目となる年。先日の新宮港開港40周年記念式典も盛大に執り行うことができた。多くの議員にも参加いただき、素晴らしい催しとなった」と感謝を示した。11月に予定している水野家入部400年を祝う式典では、ドイツから水野家直系の子孫であるモニカ・水野・ベロイターさんを招く予定であることなどを伝えた。
当局から、新宮港埠頭株式会社や公益財団法人佐藤春夫記念会などの業務報告があり、徐福公園の運営状況について「昨年度の来園者数は2万7667人で前年比1313人の減少。売店売り上げにおいても前年度と比べると減少し、収益的にも厳しい状況が続いている」と報告。竹内弥生議員は「観光客は増えているのに徐福公園の来園者だけが減っている」と指摘した。当局は台湾観光客の減少が来園者数に反映されていると説明し「売店に関しては新規の商品の開発も検討している。今後具体的なアイデアを出していきたい」と回答した。
一般財団法人熊野川町ふれあい公社の業務報告では、上田勝之議員が「川舟の船頭の確保、育成は急務」と述べ、屋敷満雄議員は「渇水によるキャンセル客を減らすため電源開発と協議をするべき」などと提言した。
(2019年6月12日付紙面より)
紀南フィルムがまち歩き撮影会 (那智勝浦町 )
南紀地方とカメラが好きな人たちで構成される「紀南フィルム」のメンバーら11人は9日、那智勝浦町で「Have a nice PHOTO! まち歩き撮影会」を実施した。同町朝日の「ハナイ」に集合したメンバーらは写真家の鈴木さや香さんの講習を受けた後、勝浦漁港などを巡り、思い思いの写真を撮った。
「紀南フィルム」は、昨年度に熊野灘捕鯨文化継承協議会が、日本遺産「鯨とともに生きる」の対象エリア情報発信のため実施したフォトライター養成事業を契機に結成。撮影会は無料写真雑誌「Have a nice PHOTO!」を発行する株式会社シー・エム・エスと、大手機器メーカー「キヤノン」とのコラボ企画として開催した。
鈴木さんは「自分の気持ちを知るためにも、好きという感覚を探ることが大切。同じ被写体でも寄ったり引いたりすると違って見える」などと撮影のポイントを説明。「良い天気でも雨でも曇りでも、その時の条件を受け入れて心動く部分を探して。もっとこうであったら、ではなく今の景色を丁寧に見てみましょう」などと呼び掛けた。作品のタイトルにも言及し、「自分の気持ちを具体的に正直に表すことが大事」などとアドバイスをした。
講習後、メンバーらは「町の表情」をテーマに町内を撮影してまわった。港町の風景や漁業に関わる仕事、人にスポットを当て、写真を通して地域の魅力を発見した。
(2019年6月12日付紙面より)
古民家「稲村亭」「園部邸」 (串本町 )
串本町串本にある古民家「稲村亭」「園部邸」が7月1日(月)、古民家コンセプトホテル「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」として開業する。建物を管理する株式会社一樹の蔭(博多敏希代表取締役)にとっては初の再生活用事例。建物を運用する株式会社subLime(花光雅丸代表取締役)と両輪でともす明かりが今後いっそうの増棟の弾みになれば、と期待しながら創業に備えている。
所有者から古民家の譲渡を受けた同町は活用を模索する中で紀陽銀行が推奨する篠山市の手法に注目し、その仕掛け人の一般社団法人ノオトを含めた3者で街並みの保存継承と観光振興を目的とした地域活性化包括連携協定を締結。株式会社NOTE(藤原岳史代表取締役)と同町地域おこし協力隊の博多敏希さんが共同出資して一樹の蔭を設立し、同町から両古民家の土地の有償貸与と建物の無償譲渡を受けた。
以降は民力で運用する事業者を探してsubLimeと出会い、同ホテルの具体化を目指すことになった。2018年春に「稲村亭」、秋に「園部邸」と順次古民家再生が始まり、当初予定の2月末ごろから4カ月ずれこむ形となったが両古民家そろってオープンするめどが付いた。
先だって今月10日、subLimeのセッティングで経緯に関係する諸氏が稲村亭に集まり両古民家の再生後を内覧。田嶋勝正町長、紀陽銀行の日野和彦常務執行役員、南紀串本観光協会の島野利之会長、稲村亭の元所有者・神田家を代表して神田直樹さん、藤原代表取締役、subLimeの松岡庸一郎執行役員らがそれぞれ思いを掲げた。
それらを受け今後の事業展開に臨む博多代表取締役(35)は、具体化に至るまでの歩みと多くの支えを振り返り「6月に地域おこし協力隊(の任期)が終わるが、最後にこうして事業が出来上がったのをうれしく思う。一樹の蔭は一本の木陰に雨宿りする人の出会いも運命という意味で、神田さんも言われたが1本の流木から150年の時を経てたくさんの人が集まる場所に生まれ変わるのは素晴らしいことだ。これはまだ第1期。これからもまだまだ人の出会いを生んでいく事業にしていこうと思う」と応えた。
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再生後の「稲村亭」は客室1室と地産地消レストラン「紀州原始焼みなも―minamo―」があり、飢饉(ききん)救済の返礼で仕立てたという由緒がある奥座敷二間はほぼそのままの形でレストスペースになっている。「園部邸」は客室2室と古民家カフェ「こより―coyori―」を内包。オープン時点でレストランはディナーで、カフェは午後1時~4時に宿泊客以外も利用でき、古民家を受け皿にした人々の交流の場として振興を目指すとしている。
このオープンを足掛かりにして一樹の蔭とsubLimeは増棟の挑戦をさらに進め、喫緊では2020年までに客室10棟15室の実現を目指すとしている。
同ホテルのコンセプトなど詳細は公式ホームページ(https://nipponia-kushimoto.jp)を参照。
(2019年6月12日付紙面より)
「警戒レベル」運用始まる (和歌山県 )
水害や土砂災害の防災情報を5段階に分け、避難情報を分かりやすく伝える「警戒レベル」の運用が10日から和歌山県内で始まった。
「警戒レベル」は今年3月の国の「避難勧告等に関するガイドライン」改定に伴い導入された。レベル3を「高齢者等避難」、4で「全員避難」とするなど避難のタイミングを明確化。5は「災害発生情報」として命を守る最善の行動を促す。
昨年7月の西日本豪雨ではさまざまな災害情報が発信されていたものの、多様かつ難解で住民が活用できないでいた。このことを踏まえ、情報の意味を直感的に理解できるようにし、住民などの避難行動を支援する目的がある。
洪水、土砂災害、高潮、内水氾濫などに用いる。津波はレベル区分になじまないため対象外とする。
避難勧告の発令権は各市町村にある。基準は従来と変わらず、伝達を行う際にレベルを示し、防災無線やメールなどで住民らに知らせる。自治体によってはシステムの改修が必要なこともあり、改修を終えてから導入する所もあるという。
(2019年6月12日付紙面より)
バドミントン講習会
C級学童軟式野球東牟婁支部大会
女子団体戦でインハイ出場決める (県高校総体弓道競技の部 )
「さるびあ丸」で11回目 (新宮港 )
東京都渋谷区の青山学院初等部6年生120人と引率教諭ら21人の計141人を乗せた「さるびあ丸」(全長120・54㍍、4992㌧)が5日午前8時ごろ、新宮市の新宮港へ入港した。速水盛康・市教育長、東牟婁振興局の田堀国浩・地域振興部長らの歓迎を受けた一行は、バス3台に分乗し熊野古道などへ向かった。同日午後6時に出港する予定。
修学旅行を兼ね同校が毎年実施している洋上小学校の一環で、おととしに続いて11回目の来港。一行は5月29日に東京を出港し、横浜、高知、種子島、福江島、壱岐、門司へ寄港し、新宮に入港した。この後は館山を経て東京へ帰る。
船内での歓迎セレモニーで、速水教育長は熊野が聖地であると紹介し「人と自然がつくった聖地熊野を思う存分体験して」。田堀部長は「この地でいい思い出、楽しい思い出をつくり、人生の中でまた訪れてもらえればうれしい」とあいさつし、記念品を贈った。
児童代表は「熊野古道や那智の滝を楽しみにしてきた。感謝しながら熊野の歴史や文化を学びたい」と元気にあいさつし、バスに乗り込んだ。
(2019年6月6日付紙面より)
職員に向け人権学習会 (関西電力新宮事業所 )
新宮市野田の関西電力新宮事業所(加山和也・新宮担当部長)で4日、職員を対象にした人権学習会があった。市人権政策課の谷嗣弘さんが、性別や性的少数者(LGBT)など性的マイノリティーについて講話をし、45人の職員が人権問題について学びを深めた。
同事業所では、人権問題に対する正しい認識と理解の促進を目的に、定期的に人権学習会を開いている。
谷さんは、性的マイノリティー問題は、職場や家庭、地域社会においても無関係ではなく、身近に迫ってきていると話した。性的マイノリティーは全体の3~5%といわれており、増加傾向にあるとした。
「こういった問題が私たちのすぐそばにあることを知っていただき、理解して行動してほしい」と述べ、LGBTについて解説。最近では、自分の性に確信が持てない「Q(クエスチョニング)」を加え、LGBTQとされていることなども話した。
婚姻適齢について定めた民法731条では「男は、18歳に、女は、16歳にならなければ、婚姻をすることができない」とあるとし、「憲法には両性の同意に基づくという前提があるが、共に18歳とはなっていない」と述べた。
現在日本で同性婚は合法化されていないが、2015年に東京都渋谷区で初めて施行された、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める条例「パートナーシップ制度」について説明。現在は東京都世田谷区、中野区、三重県伊賀市、沖縄県那覇市などの自治体がパートナーとして権利を行使できるように定めていることなどを紹介した。
職員らは啓発DVDを通じ、学校や職場などで起こっている性的マイノリティーに対する差別の現状などを学んだ。谷さんは「多数が普通で、少数が普通ではないという意識が偏見や差別を生む。少数の人が普通ではないという概念を持たないように職場づくり、社会づくりに生かしてほしい」と講話を締めくくった。
(2019年6月6日付紙面より)
東京農業大学と包括連携協定 (太地町 )
太地町(三軒一高町長)、同町漁業協同組合(脊古輝人代表理事組合長)、太地水産共同組合(岸野知夫理事長)と東京都世田谷区の東京農業大学(髙野克己学長)は5月15日、包括連携協定を締結した。産業や教育など幅広い分野で相互協力する協定で、三軒町長は「鯨の学術都市を目指す町として研究者は不可欠。大学との連携は非常に喜ばしい」と話した。
同大学は3キャンパス(世田谷・厚木・オホーツク)6学部を擁する。小中高の附属校を含めたグループの学生数は約2万人となっている。全国75の地方自治体や企業・団体、教育・研究機関との連携活動実績を有し、各地の主な取り組みは▽6次産業化の推進▽鳥獣害対策▽機能性食品の成分分析および土壌診断▽森林・バイオマス資源の利活用▽地域体験実習などによる人材育成▽Iターン・Uターン推進▽里山景観保全活動▽遊休荒廃農地再生▽地域資源を活用した商品開発―など。
4者歩み寄りの背景に、同大学生物産業学部・小林万里教授の太地町訪問があった。小林教授は、オホーツク海のアザラシの食害による漁業被害の対策を求め2017年に太地町の追い込み漁を視察した際、町の施策に感銘を受け、同大学に連携を提案。髙野学長が今年3月に来町し連携締結の運びとなった。
髙野学長は「陸のことばかりではなく、広い視野を持たなくてはならない。学生たちにとって、海と関わりの深い太地町の漁業者や地域住民と交流することは有意義。グローバルな時代に、できることを一緒に考えていきたい」と話している。
調印式は同大学内で行われた。協定に先んじて、町は町立くじらの博物館での学芸員実習を受け入れている。今後もインターンシップや就職を視野に入れた学生交流、同大学の学園祭への出品による鯨肉の普及を目指す。また、山野、公園管理などの学術支援を生かした地域活性化を相互恩恵の成果として見込んでいる。
(2019年6月6日付紙面より)
串本町を拠点とするコーラスグループ「串本コーロびおれった」(山本ちづき団長、団員30人)が2日、同町文化センターで発表会「第6回演奏会」を開き結成30年目の歌声を約400人の観客に披露するなどした。
同グループは、1990(平成2)年に結成した女声合唱団。基本毎週日曜日の午後にレッスンに励み、串本町や新宮市、さらには全国区の大会に出演して成果を発表。賛助出演や慰問もこなすなど練習に発表と活発な活動を続けている。
自主公演となる発表会は「したい時にする」という考え方で不定期に計画していて、今回は2016(平成28)年5月の第5回以来3年ぶりの実施になる。
当日は大ホールの席の約3分の2が埋まる盛況を得て開演。熊谷綾子さんの指揮、客演の藤里香世さんや団員の坂本久美子さんによるピアノ伴奏で4部構成20曲を発表した。第1部と第2部は純粋なコーラス発表で、「歌う」から「響かせる」へと徐々にハーモニー豊かな曲へと移行して展開を盛り上げた。第3部は初の試みで団員が考えた出し物を織り交ぜ、観客と一緒に歌う楽しみを共有。第4部は女声合唱とピアノのための組曲『桜の花びらのように』の全曲披露に挑戦し、ドラマ・坂の上の雲の主題歌『Stand Alone』を響かせた。
曲の合間では熊谷さんが団員の目指すところ、山本団長が30年目の節目の心境と新たに仲間を歓迎したいという思いを語る場面も。プログラム終了後、団員から指揮とピアノ伴奏に感謝する花束を贈り、サプライズでさらに1曲を歌って締めくくった。
おおむね1年前から今回の発表会を意識して練習を重ねてきたという同グループ。退場する観客を感謝して送り出した山本団長は「うまく歌えるか心配な曲もあったけれど、なんとかこなせてほっとした。初めて試みた第3部の趣向も良かったと大勢の皆さんから言っていただけて、団員も一段と意欲が湧いたと思う。次の発表会はいつ、とは言えないけれどこれからもよろしく見守ってほしい」と心境を語った。
(2019年6月6日付紙面より)
「みなとフェスタ」で登録証授与式 (新宮港 )
国土交通省は2日、新宮市佐野の新宮港エリアを「みなとオアシス」として登録した。同日、同港で開催された「新宮港みなとフェスタ」記念式典で登録証授与式が行われ、国交省の菊地身智雄技監が田岡実千年市長に登録証を手渡した。登録により港湾の付加価値を高め、地域住民や観光客、クルーズ旅客などの交流と休憩、情報提供、災害時支援や商業機能などの役割を担っていく。
式典は三輪崎郷土芸能保存会の「三輪崎の鯨踊」で開幕した。新宮港40周年記念実行委員会委員長の垣内宏・新宮港振興会長が「登録に合わせて、次なるステップへとつながる機会を頂いた」と感謝を示した。新宮港港湾管理者の仁坂吉伸県知事が「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2018特別賞を頂いたのも、このたびのみなとオアシスの登録も、新宮市の皆さんの努力が評価されたから」と述べた。
来賓として招かれた自民党の二階俊博幹事長が「親切な気持ちでお客さんを迎えることが大事だと思います。新しい時代の幕開けのために、皆さんと協力し合うことを誓いたい」とあいさつ。続いて鶴保庸介参議院議員、菊地技監、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の平朝彦理事長がそれぞれ祝辞を述べた。
登録証を受け取った同実行委員会副委員長の田岡市長は「クルーズ船の見送りや港の清掃、管理をしてくださった皆さまのおかげ。登録を機に、さらに多くの方々にこの港に集っていただき、港が活性化し発展していくために官民一体となって頑張っていく所存」と決意を示した。
式典では、新宮港に多大な貢献をしたとして、JAMSTECの平理事長、和歌山県クルーズ振興協議会会長の浅見尚史・県県土整備部港湾空港局長、北越コーポレーション(株)の岸本晢夫・代表取締役社長、須川輝一さん、椋野玲史さんに、田岡市長から感謝状と記念品が贈られた。
(2019年6月4日付紙面より)
地元・キナンのガルシアが山岳賞 (第21回ツール・ド・熊野 )
熊野地方を舞台に5月30日から4日間の日程で開催された、国際自転車競技連合(UCI)公認の国際自転車ロードレース「第21回ツール・ド・熊野」が、2日に太地町で行われた第3ステージで全日程を終えた。
レースは逃げ切った5人でのゴール前スプリントを制したフェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア)が2時間38分28秒で優勝。2位に孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、3位に入部正太朗(シマノレーシング)が入った。
この日はスタートと同時に雨が降り始め、前日までとはうって変わって肌寒さを感じる中でのレースとなった。
序盤、マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)と入部がメイン集団と30秒差で先行するも、チーム右京勢の追走により5周目までに吸収された。
中盤6周目には入部、孫崎、中井唯晶(シマノレーシング)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、フェデリコ・ズルロ、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ロビー・ハッカー(チーム右京)の7人が先行し、メイン集団との差を2分以上に広げた。
最終10周目を前に中井と鈴木が遅れ、残る5人での優勝争いに。メイン集団との差が縮まりながらも逃げ切り、ゴール前でのスプリント決着となった。
第3ステージが終了し、自転車競技(ステージレース)最大の名誉とされる個人総合優勝は、第1ステージを制し、第2、第3ステージと安定した走りを見せたオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)が7時間32分49秒で制し、併せてポイント総合賞も獲得した。
山岳総合賞はマルコス・ガルシア、U23個人総合は個人総合4位のコービン・ストロング(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)、チーム総合はマトリックスパワータグが獲得した。
個人総合優勝のアウラールは「とてもうれしい。チームメートや応援してくれた皆さんに『ありがとう』と伝えたい」と喜びを語った。
大会終了後、角口賀敏(よしとし)実行委員長は「今年からUCIレース一本に絞り不安な部分もあったが、選手の頑張りのおかげで、中身が濃くレベルも高く、タイムも縮まるなど良い大会になったと思う。大会は、多くのボランティアの皆さんや地域の皆さんに支えてもらっている。交通規制で迷惑を掛けているが、ご理解いただいた上で応援もしていただいているので、われわれはそれを励みに、今後も続けていきたい」と話した。
また、キナンサイクリングチームについては「第1ステージがふがいない結果に終わってしまったが、選手は地元のチームとして『このまま終われない』と、第2、第3ステージはとても頑張ってくれた。来年に向けて個人総合を取れるように頑張っていきたい」と話した。
(2019年6月4日付紙面より)
二色地内で農事「虫送り」 (串本町 )
串本町二色地内で1日夜に農事「虫送り」があり、たいまつを掲げて各水田を巡りながら海を目指す一行が区民の注目を集めた。
「虫送り」は、乗っているウマが稲刈り後に残った株につまずいて倒れたところを敵に討たれた武将・斉藤実盛が稲虫になって稲を食い荒らす、という伝承にちなんだ慣習。夕暮れ時にたいまつの明かりで田畑の虫を引き寄せ、海まで引き連れていく形が定着している。
二色地内は、地元の水利組合(坂本渡組合長)が二色区(高岡勲区長)の協力を得て世話役を務める形で同行事を続けている。今年も水利組合の坂本組合長ら世話役がタケを長さ約1㍍で切り出し一方の端に灯油を染み込ませた芯を詰めたたいまつを準備して子どもの協力を呼び掛けた。子ども23人がたいまつを手にし、「実盛殿は万代の虫をお供に連れてお通りなされ」と唱えあたりかねを2回、ほら貝を1回「カン、カン、プー」と鳴らす流れを繰り返しながら二色川の上流から各水田を巡り、河口まで歩いた。
河口そばにある浜へ着くと、たいまつを砂浜に立てて終了。ほどなくしてたいまつを浜で焼き、子どもはお礼として菓子をもらい奉仕を締めくくった。坂本組合長は「今年はいつもより大勢参加してくれて、それだけ(害虫を引き連れる)たいまつが増えてありがたかった。子どもが頑張ってくれたのだから豊作をと願うし、そうなるよう自分も頑張らなければと励みをいただけた」と子どもの協力を喜んだ。
(2019年6月4日付紙面より)
新宮市佐野の夏の風物詩、「佐野柱松」。8月16日(金)の開催に向けて、実行委員会(瀬古尊夫会長)のメンバーが、2日、寄付回りを開始した。佐野区民の他、企業を訪問して運営資金の寄付を募る。
佐野柱松は五穀豊穣(ほうじょう)などを願う同区の伝統行事。戦時中に一時中断、1948年に再開したが、資金、人手不足で59年に再び中断。93年に同実行委員会が復活させ、27年目となる。明治時代には木本の花火と並ぶ催しという記述もあったという。
瀬古会長は「柱松は皆さんの寄付で成り立っている。頂いたご厚意を無駄なく楽しいイベントとしてお返しする。思いを伝えるために頑張っていきたい」。
「元号が変わり、令和初の柱松の新たなスタートと、会員一同取り組んでいます。今年は役員改選もあり、新体制で初の柱松でもあり、手探りな部分もありますが、30回、40回と続けられるように頑張りたいので協力をお願いしたい」と話していた。
(2019年6月4日付紙面より)