近畿運輸局勝浦海事事務所(吉武愼二所長)は「海の日」の15日、那智勝浦町勝浦のホテル浦島で「海の日記念式典」を開いた。吉武所長が海事関係の功績などをたたえる国土交通大臣表彰や近畿運輸局長表彰、船員災害防止協会近畿支部長表彰、そして第63回「海と船の絵画展」勝浦海事事務所長表彰(海と船の絵画表彰)の受賞者に表彰状を手渡した。
「海の日」は海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日として制定された祝日。「海の日」の理解と周知を図るため、全国でさまざまな行事が開かれている。
開式に当たり、吉武所長は「海事産業は物資の安定輸送を支え、国民の暮らしや経済の基盤として重要な役割を果たしている。海の安全確保や海洋環境の保護についても関係者の努力により守られている。特に安全安心の確保については私たちにとっても最大の使命であり、海事関係者が一丸となって取り組むべき問題」と式辞。「今後とも海洋国日本と、希望と誇りある地域の発展のために尽力を」と協力を求めた。
来賓の東川智昭・東牟婁振興局長は「これからも関係機関の皆さまと連携し、海の恵みを活用していけたら」とあいさつ。
田岡実千年・新宮市長が「海事に関する皆さまの協力を頂きながら、海の環境問題などに取り組んでいきたい」。堀順一郎・那智勝浦町長が「この日を、海の環境を見つめなおす一日にしていければ」とそれぞれ祝辞を述べ、荒尾典男・那智勝浦町議会議長が海と船の絵画表彰受賞者に「これからも海を大切にする気持ちを持ち続けて」と呼び掛けた。
先月、新宮港40周年記念イベントの際に入港した地球深部探査船「ちきゅう」の絵を描いて入賞した山口渉君は「家族みんなで船内を見学しました。離れた所から見ても大きかったです」と話していた。
(2019年7月18日付紙面より)
11月に水野家入部400年記念事業 (新宮市 )
水野家入部400年記念事業実行委員会(委員長・田岡実千年新宮市長)、(一財)自治総合センター主催の水野家入部400年記念事業「水野家と新宮城下町」の開催が11月9日(土)、10日(日)に決まり、新宮市役所で17日、記者発表が行われた。田岡市長は「新宮城は石垣が全国的に有名。この機会に県内外から多くの人に実物を見に来ていただけるようなイベントになれば」と呼び掛けた。
今年は元新宮領主水野家入部・浅野家移封400年を迎える節目の年。記念事業開催により、新宮城の魅力を市内外に発信し、歴史と文化のまち新宮市を広くPRし、市民意識を醸成するとともに、城郭ファンをはじめとした交流人口の拡大を図っていく。事業費は720万円。
イベント当日は水野家第20代当主・水野勝之さんをはじめ、新宮水野家の子孫であるモニカ・水野・べロイターさん、健・ヨアヒム・べロイターさんをドイツから招き、「水野家入部と新宮の発展」(仮)と題したシンポジウムを開催するほか、モニカさんと健さんを先頭に、当時の衣装を着た関係者らによる「新宮城入城ウオーク」などが催される。
水野家交流自治体である刈谷市(愛知県)、福山市(広島県)、結城市(茨城県)や、浅野家の移封先である三原市(広島県)、姉妹都市の名取市(宮城県)、昨年10月に「歴史・文化・産業交流都市協定」を締結した気仙沼市などにも参加を要請し、シンポジウムや物産展、PR展示などを展開していく。
記者発表に先立ち、田岡市長が「これを機に関係交流都市や友好都市と親交を深めるとともに、モニカ・水野・べロイターさんにも協力をお願いしドイツとの交流も期待している」とあいさつ。旧チャップマン邸を拠点とした商店街周遊イベント「ナイトタイムエコノミー」や新宮城でのステージイベント、チャンバラ合戦「IKUSA」などの開催も予定しており、事務局では随時情報を公開していくとしている。
(2019年7月18日付紙面より)
20日の海開きを前に (那智勝浦町 )
20日(土)の海開きを前に那智勝浦町の那智海水浴場で17日、町内の各種団体が協力してクリーン作戦を実施した。
同町観光企画課が毎年、関係団体に協力を呼び掛けて実施している。観光協会、南紀勝浦温泉旅館組合、民宿組合、勝浦ライオンズクラブ、南紀くろしお商工会、和歌山東漁協那智支所、浜ノ宮区、東牟婁振興局、那智勝浦ロータリークラブ、同町建設業組合、熊野交通勝浦営業所、なちかつ古道を守る会などの団体から約50人が開始前に集まった。参加者らは流木や藻くずなどの漂着物を拾い集め、県内最大の砂浜をきれいにした。
海開きは午前10時30分から期間中の安全を祈り、神事が営まれる。同町観光協会によるイベント「ビーチフラッグでお菓子をゲット」も開催する予定。
(2019年7月18日付紙面より)
JICA国別研修の一環で (串本町 )
国際協力機構(JICA)の国別研修に参加するトルコ共和国の地方幹部行政官12人が15、16日の2日間、串本町を訪問し樫野崎などの視察や田嶋勝正町長を表敬訪問するなどの研さんを積んだ。
12人はJICA北海道が公益財団法人はまなす財団に委託して展開する地方幹部行政官対象の同研修に参加。母国の課題になっている地域間格差是正のため、日本の地方行政の仕組みや活性化の手法を知り自身の任地を活性化する行動計画作成能力の向上を目指して活動している。
研修期間は6月26日から7月19日までの24日間。同財団は目的達成のため基本事項を伝える座学と参考になる地域開発モデルケースの視察や交流の2面で見識を深める機会を提供している。その中に日本とトルコの友好発祥地とされる同町への訪問を組み込み、来町するに至った。
到着した12人は真っ先に樫野崎へ赴いてトルコ軍艦エルトゥールル号遭難の地を確かめ、殉難将士慰霊碑に花と国歌をささげて礼を尽くした。同行した役場総務課の計らいで霊廟に入る機会も得て、同碑に眠る先人と対面。最年長のグループリーダー、カフラマンマラシュ県ドゥルカディルオール郡のカディル・オカタン郡長(50)は「エルトゥールル号のことは小さい頃からよく聞いていて、いつかこの地に行きたいとずっと思っていた。実際に来てまたとないほどの感動が心にしみている。司令官を含む587人が犠牲になったが、69人が日本の皆さんに助けられ、このことが日本とトルコの友好を深めたし、そうあり続けることで将士の皆さんも安らかに眠れると思う。私たちはそのような先人を日本の皆さんに預けている、という思いです」と心境を語った。
その後は樫野埼灯台やトルコ記念館も巡って日本側が伝える史実への理解を深め、同町の主要観光資源・橋杭岩とそれを活性化している現地の仕組みも視察した。
町内で宿泊し16日は同町役場本庁を訪問。職員の歓迎を受け、田嶋町長はエルトゥールル号遭難救助の史実を子どもや孫の世代に伝えることに今後も頑張りたいと決意を示しつつ一行との懇談に応えるなどした。
(2019年7月18日付紙面より)
野球、バドミントン
御火行事に多くの参拝者 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の世界遺産、熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、令和初の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が営まれた。祭り序盤は雨が降り、霧に包まれる場面も。神事の斎行を心配する声も聞かれたが天候は持ち直し、無事に全ての日程を終えることができた。祭りでは重さ約30~50㌔にもなる大たいまつ12体が勢いよく燃えさかり、昨年より1000人多い1万1000人(主催者発表)の参拝者を魅了した。
熊野の神々が年に1度、那智の滝を表す12体の扇神輿(おうぎみこし=高さ約6㍍、幅約1㍍)にうつされ、本宮の那智の滝に里帰りする神事。12体の大たいまつの炎で扇神輿を清める場面が見どころであることから「火祭」とも呼ばれている。
大たいまつに火が付けられると、白装束と烏帽子(えぼし)をまとった氏子が「ハリャ、ハリャ」と威勢の良い掛け声とともに参道を往復した。
長野県飯田市在住の松島賢治さん(62)は今年10月に地元の熊野神社で営まれる秋季例大祭(扇祭り・火祭り)の実行委員長となったことから、祭りを学ぼうと同大社を訪れたという。「祭りの実物を本場で見たかった。古くからの文化が霊的であり、伝統的なものとして受け継がれているのが感じ取れた。本当に参考になりました」と語った。
男成宮司は「雨は覚悟していたが多くの方々の心が天に通じ、渡御祭の奉仕を行うことができた。令和初めての例大祭で雨が降らなかったことがこれからの令和の御代を象徴している気がする。これからの御代の発展と日本が栄えていくことを願っております」と話した。
(2019年7月17日付紙面より)
新宮市徐福のJR新宮駅で14日、紀勢本線全通60周年を祝い記念イベントが催された。JR西日本主催、JR東海、市観光協会など協力。60周年号到着時のお出迎えや「サロンカーなにわ」などの車両展示、ライブペインティング、地元店舗などによる「しんぐう駅マルシェ」などがあり、多くの家族連れや鉄道ファンでにぎわった。
JR(旧国鉄)紀勢本線は長い海岸線を持つ紀伊半島の交通の大動脈として1959(昭和34)年に全通した。中でも新宮駅は半島の豊富な木材資源と熊野速玉大社参拝客輸送の主要駅として、駅を起点として市も発展してきた歴史がある。
市観光協会は、24(大正13)年の民間鉄道敷設以来、鉄道を中心に経済的・文化的繁栄を享受し、特に紀勢本線全通は戦後の当地方の発展に大きく寄与したことを顕彰し、後世に伝える目的で記念企画「ライブペインティング」や「しんぐう駅マルシェ」などを主催。
アフリカンペイントアーティストのSHOGENさんと小学生ペンキ画家のHARUKAさんによるペイントアート制作を通し、子どもたちが「地元に帰ってきたくなる」町づくりを企画した。ペイントアートには地元の子どもら延べ60人以上が参加。駅舎の壁や待合室をカラフルに彩った。
60周年を記念し、同駅には83(昭和58)年に14系客車の改造により登場した欧風客車「サロンカーなにわ」が「サロンカーなにわで行く!紀勢本線全通60周年号の旅」ツアー客を乗せて到着。お召し列車として使用されたこともある列車の登場に、多くの鉄道ファンがカメラを手に歓迎した。
同イベントの企画を担った同駅職員の安間美幸さん(23)は「準備段階で不安でしたが、地域の皆さんのご協力のもと、全員一体となって60周年を盛り上げられて良かった。鉄道ファンの方やお子さんだけでなく、地域の人全員に楽しんでもらえたのでは。JR東海さんと交流を図ることもでき、素晴らしいイベントになったと思います」。
市観光協会の里中陽互会長は「にぎわっていてうれしく思います。ライブペインティングは取り組みとして斬新だったのでは。JRさんの理解なしではかなわなかったことで大変有意義だったと思います」と話していた。
(2019年7月17日付紙面より)
古座区の関係25人一丸で (河内祭を前に )
串本町古座にある祭船倉庫で13日、祭礼「河内祭(こうちまつり)」で用いる御船、小伝馬、当船を引き出す作業があった。
今年の祭礼は27日(土)に宵宮、28日(日)に本祭を迎える計画で奉仕する古座区、古田区、下部区、宇津木区、月野瀬区がそれぞれ準備を進めている。これら祭船は古座区が用いる船で、御船は先んじて宵宮午後、小伝馬と当船は本祭早朝に古座川河口から約3㌔上流にある河内神社の神体「河内様(こおったま)」を目指す。
御船は海に命を懸けた旧古座浦~古座区の諸霊を「河内様」へ誘う意味合いも持ったスギの木造船。全長約11㍍、幅約2㍍あり、鯨船に屋形を載せ軍船風の装飾を施した外観を特色とする。小伝馬は水上交通が活発だった時代の木造通船で、櫂伝馬(かいでんま)より一回り小さい全長約7・4㍍、幅約1・5㍍。現在は古座中男子生徒が乗組員として奉仕している。
当船は古座神社の生き神「ショウロウ」と神職、区長が乗る屋形船で全長約9㍍、幅約1・8㍍。本祭早朝の船団の先頭を行く。御船、小伝馬とも古座区の分区(上、中、下)が建造した3隻が伝わるが、奉仕者減により今年も各2隻で奉仕するという。
作業には御船を操船する勇進会(坂井信夫会長)や河内祭保存会(杉本喜秋会長)の関係者25人が参加。60~70代が中心のため、フォークリフトの力も借りながら小伝馬3隻(うち1隻は他船を引き出すため仮出し)、御船2隻、当船を順に倉庫から引き出し、以降は台車に載せ人力で動鳴気漁港のスロープまで運んだ。
坂井会長は参加者の高齢に細心を払いつつ作業。無事に6隻の引き出しを終え、「奉仕する人間の数が減ってもなくせないのがこれらの祭船だが、この作業自体があと何年続けられるかという厳しい状況で早く何とかしないといけないと思っている。勇進会もなかなか若い者を集められず申し訳ないが、今年も先輩方のおかげで無事引き出せた。祭りを続けたいというみんなの思いを受け継ぎ、後は祭りに向けできる限り奉仕を尽くすのみ」と話した。
祭礼ではこれら祭船に加え、古座青年会と芳流館互盟社の各獅子伝馬も出船する。陸上交通未発達で水上交通が主流だった時代は当船に多くの船が連なって「河内様」を目指したそう。その当時の華々しさから、この祭礼は「御船祭」と呼ばれることもある。
(2019年7月17日付紙面より)
ミス扇に柏木未有さん (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」があった。拝殿で神事を営み、檜扇(ひおうぎ)を開帳。特設舞台では扇立祭奉賛会による「ミス扇コンテスト」などの行事も華やかに繰り広げられ、大勢の人でにぎわった。
神事では、神職が各殿で檜扇を開帳。参列した奉賛会役員らが無病息災、家内安全などを願って神前に玉串をささげた。
今年で41回目の「ミス扇コンテスト」には18人が出場。審査の結果、大賞のミス扇に柏木未有さん(17)、ミス速玉に平野裕り花さん(23)、ミス梛(なぎ)の木賞に日浦琳香さん(18)、顧問特別賞に南らなさん(16)が選ばれた。ミスに選ばれた3人は1年間、市のPR活動などに参加する。
柏木さんは「信じられないくらい驚いています。名前を呼ばれたときは手が震えていました。新宮市を盛り上げるために、しっかりPRしていきたい。祖父母に早く伝えたいです」。平野さんは「自信がなかったので選ばれたときは固まりましたが、うれしいです。1年間、積極的に活動していきたい」。日浦さんは「応援に来てくれたたくさんの人のおかげ。最初は申し訳ないくらい自信がありませんでしたが、うれしさでいっぱいです」と喜びを語った。
(2019年7月17日付紙面より)
第43回和歌山県なぎなた夏季大会
新宮黒潮BBCが無失点で大会制す (全少軟式クラブ選抜予選 )
わかやま夏の交通安全運動 (新宮市 )
和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま夏の交通安全運動」が11日から始まった。20日(土)まで▽子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽自転車の安全利用の推進▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽横断歩道における歩行者優先の徹底―を重点とし、県民に注意を呼び掛ける。
夏季の行楽などによる交通量の増加、暑さからくる疲れや気の緩みなどによる夏特有の交通事故が多発する時期を捉え、交通ルールの遵守(じゅんしゅ)と正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより、交通事故の防止を図ることを目的に、各地で啓発活動などが展開された。
新宮市橋本のイオン新宮店で行われた決起集会では、新宮警察署、市交通事故をなくする市民運動推進協議会、市交通指導員会協議会などの関係団体から約50人が参加。上田勝之市議、松浦友範交通課長、田中肇・県交通安全協会新宮支部長、清岡幸子・新宮市交通指導員協議会長も加わり、買い物客らに物資を配布し、交通安全を呼び掛けた。
決起集会で田岡実千年新宮市長は、「交通事故のない安心安全な社会を目指す、そういう思いが少しでも伝わるような啓発活動になれば」。松浦交通課長は、管内の人身事故件数は半減していると日頃の活動に感謝を示し、「これからのレジャーシーズンに向け、遠方からの観光客増加に伴い事故の増加が見込まれる。さらに暑くなると過労気味のドライバーが増え、居眠り運転など大きな事故が懸念される。夏場の事故防止に対する広報、啓発をはじめ、住みよい社会づくりのためにより一層の協力を」と呼び掛けた。
(2019年7月12日付紙面より)
光洋中で「生命の駅伝」募金贈呈式 (新宮市 )
第25回「生命の駅伝」募金贈呈式が10日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長)の体育館であった。生徒会長の海野夏葵さん(3年)が、学校で集めた1万1464円を和歌山県立医科大学の村田晋一教授に手渡した。
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている募金活動で、主催は「生命の駅伝の会」(本部・三重県松阪市、太田正隆会長)。今回の募金は、三重、和歌山の両県合わせて329万322円だった。
毎年協力している同校の宮本校長は「今回は募金という形で、がん撲滅の夢を託してくれたと思っています。近い将来、その夢が実現できることを祈っています」とあいさつ。
田岡実千年市長は「患者さんに勇気を与える取り組みだと考えていますので、これからも取り組みがますます発展することを願っています」。東牟婁振興局の久保田清之健康福祉部長が「生命の駅伝の取り組みが、多くのがん患者やその家族の方々に勇気や希望を与えること、また今回集められた募金が、がん研究の一部となるよう祈念したい」と今後に期待を寄せた。
募金を受け取った村田教授は、小さなことの積み重ねが大きなことにつながるとし「皆さんもこれから、中学、高校、大学、社会へと進むと思いますが、日頃のちょっとした驚きや感動、そういったところから、幸せが見つかる気がします。皆さんのこれからの活躍と、頂いた寄付が大きく融合していく世の中になればと願っています」と感謝した。
同駅伝実行委員会の上村眞由委員長はがんに関わる人のことを考えることが社会人にとって重要なことだとし「皆さんも、生命の駅伝を通して、そういう人たちのことを考えてくれながら、社会に進む準備をしてくれている。素晴らしい社会人になるだろうなと期待しています」と呼び掛けた。
(2019年7月12日付紙面より)
「教育かもめ」作成し寄贈 (トヨタレンタリース和歌山串本駅前店 )
和歌山トヨタ自動車株式会社のグループ会社・株式会社トヨタレンタリース和歌山の串本駅前店(坂井崇副店長)が10日、串本町と古座川町の学校に通う小学生~高校生1225人分6125枚のはがき「教育かもめ」を両町の教育委員会に寄贈した。
「教育かもめ」は、手紙を書く楽しみや喜びを経験し豊かな人生の一助とする気持ちを高めるきっかけとして学校教育の現場に寄贈する夏のお便り郵便はがき(通称・かもめ~る)。日本郵便株式会社の手紙文化振興の一施策で、各郵便局が管内企業の協賛を得て作成している。
今回は串本郵便局(構浩局長)管内にある同店が協賛する形で実現。背景には3年ほど前に和歌山トヨタ自動車株式会社の小川至弘会長が当時の同局局長から同施策の紹介を受けた経緯があり、その趣旨に共感した小川会長の思いにより「教育年賀」と対で3年来寄贈を重ねる状況にある。
この日は同局と受け手の教育委員会の段取りにより贈呈式を実施した。和歌山トヨタ自動車株式会社の保養所があることで縁が深い古座川町では、中央公民館を会場にし同町立高池小学校(大畑眞校長)の1、2年生が出席。代表して5人が小川会長から同店名と教育委員会名が入った「教育かもめ」を受け取り、立花優仁君(2年)が感謝を述べた。同店がある串本町では同町立串本小学校(濵正和校長)を会場にし、児童を代表して1、2年生が小川会長を出迎えて寄贈を受けた。
古座川町の会場で小川会長は「皆さんに渡したのは暑中見舞いのはがき。手書きで『お元気ですか?』と書いて出したら相手は喜ぶし、お返しに『かわいらしいな』と言ってもらえたら自分もうれしい。そのような人と人のつながりを生むために、字を書いて相手に気持ちを伝えるのが手紙だ」と諭して賛成を誘い、このはがきを使った頑張りを期待。併せて両会場とも紙芝居を上演しお菓子を配るなどして、意欲のもとになる元気も引き出した。
贈呈式には西前啓市町長と中道悟教育長、田嶋勝正町長も来賓として同席。両町長は小川会長への感謝を述べ、子どもたちにしっかりと役立てるよう呼び掛けるなどした。寄贈した「教育かもめ」は教育委員会から学校へ届けて趣旨に沿う活用をしてもらうという。
(2019年7月12日付紙面より)
14日の例大祭に向け (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で11日、「那智の扇祭り」=14日(日)=を前に扇神輿(おうぎみこし)張替奉告祭が営まれた。熊野十二所権現の神霊を移す扇神輿は高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、毎年張り替えられる。
午前8時から神事が営まれた後、白装束の氏子ら28人が斉館に集まり、男成宮司の見守る中、伝統の製法で作業に取り掛かった。扇の長さが神輿を張る寸法の基本になっていることや扇を神輿に止める縫い糸の長さも決まっていることなど、作り方のほとんどが口伝によるため先輩が後輩に手順を指導しながら作り上げた。
扇神輿は細長い枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで留め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡、細工が施されたへり松と呼ばれる板などが飾られる。神輿1体は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と、残る2本が月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表している。8面の白銅鏡は「神威八紘(はっこう)」(あまねく広く輝かすの意味)と伝わる。
(2019年7月12日付紙面より)
四日市、いなべ両市での大会に出場 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
「那智の扇祭り」を前に (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝の上に架かる大しめ縄を張り替えた。14日(日)に催行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事。雨で水量が増したことから、この日は例年より上流に張り、天候の回復を待って後日、元の場所に張り直す。
この日は午前9時から本社拝殿で奉告祭が営まれた後、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職らが真新しいしめ縄を担いで入山した。しめ縄は長さ約26㍍、重さ4㌔。神職らは神域である滝の落ち口から約50㍍ほど上流で、命綱を着け、水につかりながら張り替えた。
現場は高さ133㍍の滝の上。ここ数日、毎日のように降っている雨の影響もあり水量が増している中、足元を確認しながら慎重に作業した。張り替えは、毎年同日と迎春準備として12月27日の年2回行われている。
(2019年7月10日付紙面より)
城南中2年生が保健体育で (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)で8日、合気道の保健体育の授業があった。2年生64人は同市元鍛冶町の合気道熊野塾道場師範の田坂光男さんと、チェコ出身で同塾の門下生オンドレイ・トラーヴニーチェックさんに教わりながら正座やあいさつの仕方、簡単な技など、合気道の基礎を学んだ。
同市の中学校では昨年まで保健体育の武道の授業で剣道が行われていた。当地方にゆかりのある合気道を生徒に知ってもらおうと、教員を務めていた田坂さんの関係からモデル授業として同校で初めて実施。計5回を行い、取り組みの中で課題などを挙げて来年度以降に他の市内中学校にもつなげていく予定にしている。
田坂さんは合気道の創始者である植芝盛平(もりへい)翁(1883~1969年)の紹介や新宮での合気道の歴史、稽古方法などを説明。今後取り組んでいく技の手本を見せ、「力の伝わり方、姿勢が大事」と述べた。二人組になった生徒は合気道の基礎となる技「肩手取り」「相どり」に挑戦。「どっち?」「これで合ってる?」などと確認しながら熱心に取り組んだ。
仮谷心さん(14)は「力の入れ方が難しかったです。初めて合気道をして手順が多くて奥深いことに驚いた。今後の授業でいろんなことを知りたい」。和平蓮君(13)は「基礎的な技だったけど、力加減が分からず難しい。授業が進むにつれて、自然と身に付けていきたい」。
田坂さんは「生徒が合気道を知ろうという姿勢を感じました。今後の授業ではさらに難しいことも増え、集中力や姿勢、精神力が必要になる。授業を通じ、普段の生活の中で成長するきっかけになれば」と話していた。
(2019年7月10日付紙面より)
生活支援体制整備学習会 (古座川町 )
古座川町中央公民館で6日、第1回生活支援体制整備事業学習会があり、町民約110人が同事業で目指す地域像を見通す機会を持った。
この事業は、介護保険制度の平成27年度改正に伴い市区町村に移行した介護予防・日常生活支援総合事業の一環。同町は町民の互助による生活支援体制の創出と定着を目指していて、前年度は手法の模索を進めつつ同町社会福祉協議会職員の宮本泰輔さんが生活支援コーディネーターとして着任した。本年度は対の関係で事業展開の核となる最上位協議体の立ち上げを目標にし、人材育成を図りながら担い手を得るためにこの学習会を複数回開くとしている。
この日はその1回目。西前啓市町長のあいさつを経て、基調講演と地域活動発表の2部構成で同事業が求められる時代背景と生活支援コーディネーターや協議体の概念、協議体の振興対象となる既存の地域活動の現状を一同で共通認識した。
基調講演は、コミュニティーネットハピネス=静岡県=の土屋幸己代表理事が「安心して暮らし続けるために今必要なこと」と題して登壇。地域包括ケアシステムの趣旨と取り巻く状況、今後顕在化する課題を踏まえて生活支援コーディネーターと協議体の必要性を導き、南アルプス市の事例を交えてイメージを培った。
専門職がこなしている支援の中で外出や家事の手助けなど互助でもできる内容を新たに地域の支え合いへ委ねることで、生活支援の量と質を向上する仕組みを形作るのが協議体の役割で、その後押しをするのが生活支援コーディネーター。これら仕組みにより誰かがではなく住民同士が主体的に互いを理解し支え合う状態を目指す状況として意識づけた。
発表では、▽明神の手芸▽高池上部の卓球と囲碁▽洞尾の寄り合い▽平井の休耕田再生―といったグループ活動が協議体を通して創出する地域活動に結び付く事例として紹介され、さわやか福祉財団=東京都=の高林稔インストラクターが各地域の活動を講評し、土屋さんが総評を述べて本年度の目標達成を促した。
土屋さんは、この生活支援体制整備事業を進める上で住民の居場所となる拠点確保の大切さや、高齢化率約52%の町域にあっては元気な高齢者が支援を必要とする高齢者を支える形が生きがいの創出や社会参加による健康寿命の増進にもつながるといった側面などにも触れながら、1回目の学習会を締めくくった。
次回は8月上旬に実施予定。宮本コーディネーターは回を重ねて関心が高い人材の育成を進めて最上位協議体を立ち上げるのが本年度の到達目標で、来年度以降に地域に根差して町民に密接する生活課題を見つけ、支援を形にする下位協議体の数を増やして地域内互助による生活支援の輪を広げたいと思い描いている。
(2019年7月10日付紙面より)
デジタル防災行政無線戸別受信機 (紀宝町 )
紀宝町は6、7日の2日間、役場防災拠点施設でデジタル防災行政無線の戸別受信機を配布した。回覧と防災行政無線で呼び掛けたところ、週末の2日間で50人が受け取った。
町が使用する防災行政無線のアナログ簡易無線が2022年で終了するため、2月からデジタル方式の受信機を町内全戸と各事業所などに無料配布してきた。
配布開始から5カ月が経ち、全戸配布が完了した地区があるものの、配布率が低い地区もあり、町では広報などを通じて周知を図ってきた。
平日に同施設内の防災対策室で受信機を配布しており、今回は働く世代の休日を狙って土曜日と日曜日に特別配布した。
職員2人が対応し、訪れた住民に受信機の使い方などを説明した。町内放送を聞いて訪れた女性は「平日は仕事が忙しくて来ることができなかった。休日に受け取ることができてよかった」と話していた。
町では今後も受信機の配布を続ける計画で、担当職員は「防災対策室で早めに受け取ってください」と呼び掛けている。
問い合わせは、同室(電話0735・33・0335)まで。
(2019年7月10日付紙面より)
13日開幕、第12回学童軟式野球大会
JA杯ソフトバレーボール大会