大しめ縄の張り替え (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は27日、世界遺産である那智の滝で大しめ縄を張り替えた。日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意しながら慎重に新しいしめ縄に取り換えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は7月14日の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」の前と年末の毎年2回行われている。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。前日の雨の影響もなく、無事に設置された。
大阪府から参拝に訪れていた40代男性は「張り替えは見られなかったが良い時に来ることができた」と語った。
那智の滝は大みそかから元旦にかけて青岸渡寺の三重塔と共にライトアップされる。
(2018年12月28日付紙面より)
リキュール「紀州の一雫」
熊野市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」を使用したリキュール「紀州の一雫(ひとしずく)」の販売が新宮市や熊野市を中心とした酒販店などで始まった。紀州の自然の恵みと果樹の持ち味を引き立たせようと、酒類食品卸売業の株式会社Yアルコ(加藤隆義代表取締役)が企画。和歌山県岩出市にある創業100年の造り酒屋「吉村秀雄商店」で製造した。
新姫は、かんきつ種のタチバナと何かが自然交配したものと推測され、昭和60年に熊野市新鹿町で発見された。市が平成9年に新しい香酸かんきつとして品種登録した。独特の爽やかな香りと程よい酸味が特徴。
紀州の一雫は720㍉㍑入り1600円(税抜き)。新姫の特徴を生かした甘みと酸味のバランスが良く、加藤代表取締役は「アルコールが苦手な方でもおいしく飲んでもらえる」と話している。
問い合わせは新宮市下田の株式会社Yアルコ(電話0735・21・2101)まで。
(2018年12月28日付紙面より)
伝統のこんにゃく作り始まる (熊野川町篠尾 )
新宮市熊野川町の篠尾(ささび)で正月に向けて伝統のこんにゃく作りが始まった。篠尾は日当たりが良く、霧が発生する土地でこんにゃく芋の栽培に適している。昔は多くの家で作られていたが、後継者が減り、一時は少なくなっていた。伝統の味を絶やしてはいけないと昭和61年に篠尾こんにゃくグループが発足した。11月に収穫した芋を1カ月ほど干し、12月中旬からこんにゃく作りを始める。
篠尾集会所内に設けられた作業所で、昔ながらのかまどにカシなどの天然木を燃料にして湯を沸かし、芋をゆでる。皮をむいた後、石臼でこねて木灰からとったにがりを混ぜ、木型に詰める。その後1時間ほど煮てあくを抜き、袋に詰めて殺菌のためにゆでて完成する。機械に頼らない昔ながらの製法で作られた篠尾のこんにゃくは特においしいという。
グループ代表の垣内金夫さんは「以前、京都のお寺さんから定期的に欲しいというありがたいお話をいただき、『篠尾のこんにゃくは12月から2月いっぱいまでなのです』と了解をいただいた」と語る。「正月に向けて年内に1000個を作る。正月明けから2月いっぱいまで続きます。1月中旬には体験こんにゃく作りもあるので、ぜひお越しください」と話していた。
(2018年12月28日付紙面より)
新宮ライオンズクラブ (新宮市 )
新宮ライオンズクラブ(新宮LC、山本俊英会長)は25日、児童養護施設の紀南学園(芝悦男園長)に自動体外式除細動器(AED)一式を寄贈した。芝園長は「設置したいと考えていたところ、お話をいただいた。職員一同大変ありがたく思っています」と話していた。
山本会長をはじめ、新宮LCの会員らが同学園を訪問。児童らに、用意したクリスマスプレゼントを配り、芝園長に目録を手渡した。
山本会長は、児童らに「クリスマスの良き日に、ライオンズクラブから贈り物を届けることができたことをわれわれもうれしく思います。元気に成長して、社会に出てからも頑張ってください。応援しています」とあいさつ。
見送る子どもたちから会員らにお礼の折り鶴が手渡され、芝園長は「今日は一日を通して多くの方々が園に贈り物を届けてくれました」と感謝していた。
(2018年12月28日付紙面より)
スプレー缶ごみの出し方について要望 (新宮市自治会連合会 )
新宮市自治会連合会(榎本義清会長)は25日、札幌市で起こったスプレー缶のガス抜き作業が原因とされる爆発事故を受け、市にスプレー缶ごみの出し方の改正を求める要望を出した。
市では現在、スプレー缶は「金属・金属付プラスチック類」に分類されており、ごみとして出す際には必ず使い切って火気のない場所で穴を開けるよう指導している。エコ広場では、使い切っていないスプレー缶や穴を開けていない缶の持ち込みも多くあり、エコ広場の運営委員らがスプレー缶に穴を開ける作業をしている。
田岡実千年市長を訪ねた榎本会長らは「事故を受け、市民の間でも不安視する声が出ている。自分たちで穴を開けずに市で処理をしてもらった方が事故を防げるのではないか。緊急に対策を取っていただきたい」と要望した。
同連合会員は、家庭でスプレー缶に穴を開ける際に金づちなどを使用したり、喫煙している近くで作業をするなどの危険行為も見られると述べ、「火花で火災が生じた話も聞いたことがある。安全な場所でまとめて処理してもらう方がいい」とした。
生活環境課の稗田明課長は「事故後すぐにクリーンセンターと、スプレー缶の中身を必ず使い切っていただくということを前提に、穴を開けずにごみに出せるよう協議をした。市民の安全のために、要望に応えるべく前向きに検討していく」と回答。新年度あたりの通知をめどに、スプレー缶は家庭やエコ広場ではなく、クリーンセンターでまとめて穴開け作業をする方向で調整を進めていくとした。
(2018年12月27日付紙面より)
子どもたちが正月用に (紀宝町 )
紀宝町青少年育成町民会議(門賢会長)は22日、町生涯学習センターまなびの郷で「ミニ門松づくり」の教室を開いた。
町内の小学生を募集したところ、約50人の参加者が集まり、保護者らと一緒に取り組んだ。
町内で伐採した直径10㌢ほどの竹に松の剪定(せんてい)枝や南天、梅などを装飾。作業開始から2時間ほどで、高さ30㌢ほどのオリジナルミニ門松が完成した。
門松の出来栄えに満足した様子の女の子3人組は「上手にできた」と笑顔を見せていた。
毎年恒例の人気行事で矢渕中学校の生徒がボランティアで協力。門会長は「多くの子どもたちに参加してもらい、うれしく思う。子どもたちの笑顔が毎年続けられる原動力になっています」と話していた。生涯学習センター玄関前に160㌢の門松も設置し、迎春の準備を整えた。
(2018年12月27日付紙面より)
新宮高校で全校集会
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)は26日、同校体育館で冬休み前全校集会(アセンブリー)を開いた。
校歌斉唱の後、前田校長は生徒らが平成最後の年の節目にあることを忘れないでほしいと述べた。今年の漢字「災」を挙げ「当地方で近い将来に発生する可能性があるとされる大災害に備え、『自分の命は自分で守る』を日頃から意識してほしい」と語った。
来年の大学入試についても触れ、センター試験受験者に「試験開始と言われるまで覚えるべきことはしっかりと覚え、努力を続けて」とエール。進路内定者や1、2年生には「自分自身を耕すためにいろんな本を読むこと。文字を通して対話し、教養を身に付けてほしい」と呼び掛けた。
21日に県立新翔高校、22日には近畿大学附属新宮高校・中学校でアセンブリーや終業式があり、生徒らは約2週間の冬休みに入った。
(2018年12月27日付紙面より)
熊野川減災協議会
国土交通省近畿地方整備局や新宮市、田辺市、熊野市、紀宝町、北山村などで組織する第5回熊野川減災協議会が25日、新宮市役所であった。平成30年度の出水状況説明があったほか、各機関が浸水被害に対する取り組み内容などを報告した。
同協議会は、大規模な浸水被害に備え、国、県、市町村などが連携、協力して減災のための目標を共有し、ハード対策とソフト対策を一体的、計画的に推進することにより、熊野川流域市町村において社会全体で常に洪水に備える「水防災意識社会」を再構築することを目的としている。
開会に当たり、紀南河川国道事務所の堤英彰所長が「西日本豪雨の被害を受け、世の中の水害への注目度が高い状況にある」とあいさつ。「熊野川については、8月の台風20号や10月の台風24号などの接近があったが、協議会が目的として掲げる各機関の連携、協力がうまく機能したことにより万全の態勢で臨めたのでは」と述べ、引き続き協力を求めた。
事務局は平成29年10月の台風21号豪雨の際に新宮市街地を中心に発生した浸水被害を受け、国、県、市が連携することで、浸水戸数の半減や主要幹線道路の浸水被害解消を目指す「市田川流域大規模浸水対策事業」について報告。市田川排水機場や浮島川排水機場などのポンプ増強により浸水解消を目指し、本年度末をめどに計画書を作成していくとした。
各機関の取り組みとして、紀宝町は鮒田区の地域住民と情報を共有した上でのハザードマップの検討やタイムラインの策定などを紹介。田辺市は三里地区と請川地区の地域防災拠点施設の整備などを挙げた。新宮市は近畿地方整備局や気象台など関係機関とのテレビ電話を使用した連携を報告し、田岡実千年市長は「テレビ電話を使ったリアルタイムの情報収集や、紀南河川国道事務所にポンプ車を要請できたことは大変ありがたかった。今後もタイムラインに沿った早め早めの情報共有をしていけたら」と話していた。
(2018年12月27日付紙面より)
中部修交会空手道交流大会 (拳武館新宮 )
串本少年野球連盟所属の2チーム
伊勢学園など5チーム86人が参加
世界的宿泊施設予約サイトから注目 (那智勝浦町 )
世界的な宿泊施設予約サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」が公表した「2019年に訪れるべき19の観光地」の一つとして和歌山県が日本で唯一選ばれた。本紙エリア内では那智勝浦町のマグロや「那智の扇祭り(火祭)」などが評価された。
評価を受け、堀順一郎町長は「世界的に著名なサイトで2019年に訪れるべき19の観光地の一つとして、和歌山県が日本で唯一選ばれた。その中でも、マグロや火祭りなどが多く紹介され、ビジュアルでも那智の滝と三重塔が掲載されるなど、本町として大変光栄。今回の紹介を通じて、本町への注目がさらに高まり、全世界から多くの方が訪れることが期待されます。今後も満足をいただけるようおもてなしをし、さらなる誘客につなげていきたいと思います」と語った。また、同町観光協会は「世界の観光地として注目されて光栄に思う。これからはこれを全面に打ち出してPRし、多くの方々に足を運んでいただきたい」と抱負を述べた。
■ウェブサイトより関連箇所を抜粋
大阪に隣接するこの奥ゆかしい地域は、日本の「精神文化の原点」とも呼ばれ、多くの地元の人々や旅行者が、仏教の聖地である高野山において52の寺院に滞在し、瞑想や宿坊、庭園、精進料理などを体験しています。露天風呂に関心があれば、川湯の仙人風呂は国内最大です。また、東京の有名な築地市場に匹敵する魚市場に加え、国内最大のマグロの展示とともに毎日行われるマグロの解体ショーも見学できます。7月に開催される那智の火祭りを目当てに訪問する場合は、早めに到着して良い場所を確保しよう。このお祭りは1700年前から行われており、日本の最も神聖なお祭りの一つと考えられています。
(2018年12月26日付紙面より)
「くまの里山」の教室で (那智勝浦町 )
那智勝浦町高津気の地域興しグループくまの里山(西美恵子代表)は24日、同町の清源寺で正月飾りの手作り教室を開いた。くまの里山は和歌山県の「耕作放棄地再生活動協働モデル事業」の一環として活動している。JAみくまの協賛。
教室では、同町の中野富子さんがしめ縄の指導にあたり、参加者らは真剣な面持ちで制作に挑んでいた。「難を転ず」の意味合いを込め、ナンテンがあしらわれた門松作りや、再生した耕作放棄地で栽培した葉ボタン、マツやウメ、シダレヤナギなどを用いた生け花教室もあった。
しめ縄教室に参加した同町下里の田中順子さんは「経験しておきたいと思った」と話し、ほかの参加者らも「材料がそろっていて助かった」「にぎやかなお正月にできる」などと喜んでいた。一日を通して約100人の参加者が次々に訪れ、それぞれの完成品を持ち帰った。
(2018年12月26日付紙面より)
クリスマス企画にぎわう (串本海中公園水族館 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で23~25日の3日間、イベント「水中サンタとじゃんけん」があり入館者の注目や挑戦を集めてにぎわった。
同館の水中サンタは、串本の海大水槽のコケ(=藻)取りをするスタッフがサンタクロースの衣装を着て水槽に入るという12月恒例の趣向。今年は9日と16日にその格好で実際に作業をする様子をアピールし、クリスマスを含む直前3日間は謝恩の思いも込めてこのイベントを実施した。
正午から空気ボンベ1本をほぼ使い切るまでの約30分間限定で居合わせた入館者に挑戦を呼び掛け、勝てば海の生き物にちなんだ文具などの商品、負けても貝殻や貝細工をプレゼント。興味津々の子どもや怖がる子どもに代わって両親など家族が続々と挑戦し、結果に応じて景品を手にした。水中サンタはじゃんけん勝負のほか、記念撮影の希望にも応えて楽しみを後押しした。
水中サンタの趣向と併せて行われてきたトピックス水槽のクリスマス展示も25日に終了し、27日(木)から正月展示が始まる。センターは正月三が日も営業し、近年定着している餅まきを三が日の午前11時から行う方向で準備を進めているという。
(2018年12月26日付紙面より)
田岡実千年市長が辞令交付 (新宮市 )
新宮市は25日、新教育長に任命した速水盛康さん(61)=同市野田=に辞令を交付した。任期は23日から3年間。
田岡実千年市長が、速水さんと教育委員会委員に任命した石原貞代さん(54)=同市千穂=に人事発令通知書を手渡し、「速水さんには、これまでの教育会での経験を基に新宮市の教育のトップとしてご活躍いただきたい。石原さんは子育て経験、市民活動を生かし教育委員として活動してほしい。市は学校教育、生涯学習、文化振興など課題が山積している。忙しくなるが、他の教育委員と一緒に頑張ってもらいたい」と激励した。
速水さんは「これまでの教育経験を生かして、しっかりと市の教育行政に全力投球でまい進したい。教育の専門性を発揮しながら文化財、文化複合施設、学校教育、社会教育の状況を踏まえ、皆さんと力を合わせて新宮市の大きなエネルギーに変えていきたい」と決意を述べた。
速水さんは昭和56年3月に関西大学を卒業。翌年4月から中学校教諭、小・中学校長、県教育委員会生涯学習局文化遺産課主任などを歴任した。
石原さんは、昭和60年3月に東京女子体育短期大学を卒業。同年4月から平成3年まで新宮市役所に勤務した。
(2018年12月26日付紙面より)
元代表・小島さんらによるサッカー教室 (明治安田生命 )
年忘れグラウンドゴルフ大会 (新宮GG同好会 )
ナショナルトレセンに宇佐川眞央君 (新宮SSS )
今年は復興のシンボルに (川湯温泉 )
田辺市本宮町の川湯温泉街を流れる大塔川河原で22日(土)、巨大露天風呂「仙人風呂」がオープンする。例年12月1日から始まるが、今年は相次ぐ台風被害で3週間遅れた。
川湯地区は8月の台風20号で大塔川が氾濫。旅館や民宿などが軒を連ねる温泉街で床上、床下浸水被害を受けた。その後、復旧作業が続いた。
川の一部をせき止めて浴場にする冬の風物詩「仙人風呂」の開催も危ぶまれたが、台風被害からの復興シンボルとして開設することを決めた。
現在はオープンに向けて作業が進められている。熊野本宮観光協会と川湯温泉街の事業者らでつくる仙人風呂実行委員会の小淵誠委員長は「復興の証しとして仙人風呂の開催を決めた。今の川湯温泉の姿を見てもらい、温泉も楽しんでほしい」と話している。
仙人風呂は、川底から湧いている73度の源泉に、大塔川の清流を引き入れて40度前後に調整した露天風呂。
オープン初日は午前10時からの「開湯式」で安全を祈願し、地元たんぽぽ保育園、ひまわり保育園の園児による一番風呂入浴式を行う。熊野本宮温泉郷の復興PRイベントも計画している。
期間中、毎週土曜日午後8時~10時に「仙人風呂湯けむり灯籠」を実施する。周囲を灯籠で囲い幻想的な雰囲気を醸し出す。雨天中止。
来年1月20日(日)には仙人風呂感謝祭として、恒例の「仙人風呂かるた大会」などを開催する。
入浴時間は午前6時30分から午後10時まで。来年2月28日(木)まで開設する予定。入浴無料。
(2018年12月16日付紙面より)
表彰式は来年1月31日 (和歌山県文化表彰 )
和歌山県はこのほど、文化の発展向上に顕著な功績のある個人、団体に贈る平成30年度和歌山県文化表彰の受賞者を発表した。本紙エリアでは那智勝浦町の「那智の扇祭り保存会」(会長・男成洋三熊野那智大社宮司)が民俗芸能の伝承分野で文化奨励賞を受賞した。
「那智の扇祭り」は熊野信仰を背景に、熊野大自然の恩恵に感謝し、神霊を鎮める日本一の滝の祭礼。室町以前から行われていたといわれている。
祭りは地域の安泰や大漁・満作などを祈念し、毎年7月14日に催行される。12基の扇神輿(みこし)に神々を遷(うつ)し、同大社と那智の滝(飛瀧=ひろう=神社)との間を結ぶ御滝道に沿って渡御する。12本の大松明(たいまつ)が出迎え、扇神輿を清めることから「那智の火祭り」とも呼ばれ、全国から多くの参拝客が訪れている。
祭りは昭和35年に県の無形民俗文化財に、平成27年には国の重要無形民俗文化財に指定された。
祭りに伝わる行事のうち、「那智の田楽」も国の重要無形民俗文化財などに指定され、ユネスコの無形文化遺産にも認定された。
同保存会は昭和35年に組織化され、大社を中核に周辺地域の氏子や関係団体が協力し、祭りの執行や運営を続けている。
会長を務める男成宮司は「祭りは地域の方々や氏子さんの協力があって初めて行える。受賞はそのご努力のたまものなのでうれしい」と述べ、「今後は神様のお祭りとしてだけでなく、県や国を代表する文化財として実施していくことも大事。それが継続につながり、神様にも喜んでいただける」と語った。
文化表彰は昭和39年から始まり、今年で55回目。今年は個人6人、1団体が受賞。最高賞にあたる「文化賞」には映画「仁義なき戦い」シリーズなどに出演し、現在も活躍を続けるかつらぎ町出身の俳優、小林稔侍さん(77)が選ばれた。表彰式は来年1月31日(木)、県庁で開かれる。
(2018年12月16日付紙面より)
新翔高校でマナーアップセミナー (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校(東啓史校長)で14日、1年生129人を対象としたマナーアップセミナーがあった。和歌山信愛女子短期大学生活文化専攻主任・准教授の浅田真理子さんが「マナーについて~好印象を与えるビジネスマナー~」をテーマに話した。
同校では毎年、1年生の時から進路を意識してもらおうと、浅田さんを講師に招いてセミナーを開いている。就職活動や進学における面接試験、就業体験を見越したビジネスマナーの向上を図る目的。
浅田さんは、面接に行った会社のエレベーター内の行動を評価されて内定が決定した例や、面接の帰りにバスで席を譲らずにスマホでゲームをしている姿を見られたことによって不合格となった例などを紹介。「普段からの行動が大事」とマナーの重要性を説いた。
身だしなみについて「自分の頑張りを短い時間で伝えることができる」と述べ、職業や場面にふさわしい身だしなみを心掛けるよう助言。マナー違反とは罰則などがあるわけではないが品位に欠ける行為であり、自分の心掛けでやっていかなければならないと話した。
浅田さんはあいさつや笑顔の重要性についても説明。「笑顔だと周りの人も幸せを感じることができる。接している人に安心感を与えることもできます。笑顔やあいさつはできるだけ自分から」と呼び掛けた。生徒らは浅田さんに次いで会釈や敬礼、最敬礼を実践。お辞儀の種類や使い分けを学んだ。
浅田さんは「高い能力やすごい資格があっても、マナーやコミュニケーションなどの面で評価されることは多い。自分の評価を落とさないために、日常生活からできることを一生懸命頑張ってください」と生徒らを励ました。
(2018年12月16日付紙面より)
初の遺跡探検で子どもたち
新宮市教育委員会と和歌山県文化財センターは15日、同市下本町の旧丹鶴小学校敷地で「子ども遺跡探検」を開催した。小学1年生から中学3年生33人とその保護者らが、遺跡の見学や出土した土器に触れるなどして新宮の歴史を学んだ。
子どもたちに遺跡の存在を知って、考古学に親しんでもらおうと初めて実施した。地域の歴史と文化に興味を持ってもらう狙いもある。
文化複合施設建設のため、市は県文化財センターに委託して2015年から発掘調査を進めている。これまでの調査では江戸時代の武家屋敷境の石垣や、道路跡の一部などが見つかっている。
今回の会場となったのは第2次調査箇所の新宮城跡西側の同敷地内約3500平方㍍。遺構は平安時代末~室町時代の半地下式倉庫跡や弥生時代の竪穴建物跡など、遺物は東海地方などの土器や陶磁器、中国や朝鮮の白磁などが出土している。
催しでは市教委文化振興課の小林高太主任から発掘調査や遺跡について説明を受けた子どもたちが、小林さんと県文化財センターの村田弘さんらとともに遺構を見学して回った。熱心にメモを取ったり質問したりしながら理解を深めていた。熊野学研究委員会委員の中瀬古友夫さんと坊信次さんも参加した。
子どもたちに村田さんは「たくさん来てくれてすごくうれしかった。考古学は宝探しのイメージがあると思うけれど、出土したものを分析し、当時のいろいろなことを解明していく学問。宝探しだけでなく、集めて、調べることも合わせて覚えてほしい」と呼び掛けた。
父と、弟の智弘君(9)と参加した西彩名さん(13)は「いろんな土器があると分かった。遺跡を見るのも初めてで、来られて良かった」。北村厚樹君(11)は「歴史に触れてみたくて参加した。いろんな時代の建物跡や土器を見て、とてもすごいと思った」と話していた。
この日は午後から一般対象の現地説明会があった。
(2018年12月16日付紙面より)
15日には遺跡の現地説明会 (新宮市教委 )
新宮市教育委員会と和歌山県文化財センターは11日、同市下本町の旧丹鶴小学校グラウンドで報道関係者対象の新宮城下町遺跡発掘調査第2遺構面の現地説明会を開いた。中世の地下式倉庫跡や弥生時代の竪穴建物跡などが発見されており、市教委文化振興課の小林高太主任は「これまでの成果、川湊跡をより裏付けるものになった」と話していた。
市教委は県文化財センターに委託し、文化複合施設建設予定地の同校敷地内で施設建設に伴う埋蔵文化財試掘調査をしている。これまでの調査から川湊跡と推定されている。第2次調査箇所は新宮城跡西側の旧丹鶴小学校敷地内約3500平方㍍。
平安時代末~室町時代の地下式倉庫跡について、方形竪穴タイプの床に焼けて炭化した木材が残されていた。同遺跡から建物に伴う木材が発見されたのは初めて。珍しく、床面の構造がうかがえることなどから倉庫跡の構造解明につながる可能性があるとしている。地下式倉庫跡は10棟ほどあり、倉庫群だったと考えられる。
遺物は常滑や渥美、瀬戸など東海地方の土器や陶磁器から、瀬戸内地方、中国や朝鮮の白磁などバラエティーに富んだものが出土しており、物流の拠点だったことや、港の管理者が有力者であったことなどが想定される。
調査は来年3月末までを予定しており、第3遺構面(縄文時代)は年明けから開始する。
これまでの調査では江戸時代の武家屋敷境の石垣や、道路跡の一部などが見つかっている。縄文時代の遺構や土器、鎌倉~室町時代の地下式倉庫の他、江戸時代の武家屋敷跡や中世の川湊跡などさまざまな遺跡が出土している。
15日(土)には子ども向けと一般の2回で説明会を開く。参加無料で雨天中止。駐車場がないため、徒歩や自転車での来場を呼び掛けている。小中学生を対象にした初の「子ども遺跡探検」は午前10時から。小学生は保護者同伴。要申し込みで、締め切りは14日(金)。一般の部は午後1時30分から、申し込み不要。
申し込み、問い合わせは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。
(2018年12月12日付紙面より)
作家の中田重顕さんが講演 (新宮市 )
くまの平和ネットワーク(二河通夫代表)は9日、新宮市福祉センターで憲法の講演会を開いた。元公立学校事務職員で作家の中田重顕さんが「私が見たこと聞いたこと―戦争の被害と加害の実像―」について講演し、元御浜町農協有線放送アナウンサーで、小学校での読み聞かせ運動などに取り組む阪本浩子さんが朗読をした。
中田さんは、明治維新に向けて富国強兵政策を図ったことが以後日本が戦禍に巻き込まれていくことになった原因の一つと解説。「当時の指導者がとった政策だが、太平洋戦争が終わる日まで日本人みんながその方向に向かって走り続けた」。朝鮮の利権を巡り争った日清戦争(1894年)に勝利したことにより、近代軍隊の力に自信を付けた日本では以降、中国を軽侮する風潮が生まれた。
日本は近代化からわずか36年で、当時の世界第一の軍事大国であったロシアと戦った日露戦争(1904年)でも勝利を収めた。中田さんは「日露戦争の勝利が、日本国と日本人を調子狂いにさせたとしか思えない」「日露戦争に勝ったのは、世界中が驚いた死を恐れぬ勇敢な兵士と、血を吐きながら絹糸を紡いで兵器を買った農村出身の娘たちによってだった」と司馬遼太郎の言葉を紹介した。日露戦争を勝利の結果、関東軍が誕生。満州国支配の中核をなした。
中田さんは富国強兵政策の波は地方にも影を落としたと解説。「名も知られぬまままじめに働き子を育て、一生懸命生きた人たちこそ最も立派な人で、知られなくてはならない」と述べ、現在の熊野市飛鳥町に住んでいた森岡みきのさんの生涯について話した。森岡さんは学校に行けず、11歳の時から頭に板を乗せて八丁坂を越え新鹿まで運ぶ仕事に従事。18歳で結婚した後は3人の男の子に恵まれるが夫に先立たれ、3人の男の子らも次々と亡くした。「何も食わすものがのうて魚一匹、甘いもの一つ食わせずに死なしてもうたことを考えると申し訳のうて今でも魚を食べる気にならんのさ」と聞き取りした森岡さんの言葉を紹介。「明治、大正、昭和初期と、日本の歩んだ惨苦の日々が、一人の女性を苦しみと悲しみの底へ沈めた」と話した。
中田さんは軍国の母(戦死した人の母親)の孫や戦争未亡人、遺児らへの聞き取りや南京事件、731部隊などについても検証し解説。平和の尊さや憲法9条の大切さを訴えた。
(2018年12月12日付紙面より)
下里、太田小「おでかけ音楽祭」 (那智勝浦町 )
和歌山県の文化振興事業「おでかけ音楽祭」が6日、那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長)の体育館であった。下里小と太田小学校(尾﨑卓子校長)の全児童が、5本の管楽器が奏でる木管五重奏の音色を楽しんだ。
県から委託を受けた一般財団法人県文化振興財団が実施。県内出身または在住者の音楽家に演奏の場を提供するとともに、文化活動の活性化を目的としている。
和歌山市出身などのメンバーで構成するグループ「Hot Coffee(ホットコーヒー)」の5人が、それぞれ音色の違うフルート、オーボエ、ホルン、ファゴット、クラリネットの合奏を披露した。
子どもらがよく知るアニメソングや「山の音楽家じゅんばん協奏曲」「オー・シャンゼリゼ」などの演奏の合間に、クイズを交えた管楽器の解説や指揮者体験、手拍子ゲームが盛り込まれたプログラムで、児童らは楽器の仕組みや音楽のテンポについても学んだ。
演奏後に児童代表から花束が贈られ、オーボエを担当する榎本理紗さんは「子どもたちのノリが良くて、演奏がとても楽しかった」と話していた。
(2018年12月12日付紙面より)
初めての小中学生サラ川選手権で (新宮市 )
第一生命保険株式会社主催の「小中学生サラ川(せん)選手権byサラリーマン川柳コンクール」の団体部門の団体賞に新宮市立神倉小学校(松本広明校長)が選ばれた。11日に同校で表彰伝達式が行われ、同社和歌山支社の古矢直人副支社長が代表児童に表彰盾や冊子などを手渡した。
同選手権は全国の小中学生に川柳を楽しんでもらうため、友だち、勉強、部活、恋など「学校生活で感じる思い」をテーマにした句を今年初めて募集。同校は小学校の部で応募校数50校、総数114作品の中から選ばれた。
全校集会の中であった伝達式で松本校長は「6年生の皆さんが夏休みに取り組んだ川柳が全国で1校だけの大きな表彰を受けることができました」と述べ、受賞作品を紹介した。
古矢副支社長は専門家による審査の評価として▽自分の気持ちをしっかり表現できていた▽全体的に表現力が素晴らしかった―ことを挙げ、「中学、高校、社会人になっても文章を書くことや言葉で人に伝えることが大事。必ず役に立つため、これからも頑張ってください」とあいさつした。
松本校長は「たくさんの応募の中から選んでいただき、驚きとともにうれしい限りです。一生懸命取り組んだことを認めていただいたことが子どもたちにとって励みになる。これからも文章を知り、好きになってもらえれば」と受賞を喜んでいた。
(2018年12月12日付紙面より)
東牟婁スポ少交流大会野球の部
和歌山県中学校空手道新人大会 (太地中学校 )
市交通指導員協議会が危険箇所へ (新宮市佐野 )
新宮市交通指導員協議会(清岡幸子会長、会員21人)は6日、那智勝浦新宮道路の新宮南インターチェンジ(IC)につながる同市佐野の市道2カ所に交通事故防止の注意喚起看板を設置した。市内では今月1、2日に連続して交通死亡事故が発生している。
設置した場所は同ICや市医療センターに通じる道路。道幅のわりに交通量や速度を出す車両が多く、これまで付近住民から「車の通行や歩行でたびたび危険を感じたことがある。交通事故防止の対応措置を取ってほしい」などの要望があった。
現地調査の結果、道路整備などで以前より道路幅が広くなり、速度を出す車両が認められ、さらに歩行者利用もあることから、交通安全・交通事故防止施策として看板を新たに取り付けた。
看板は縦100㌢、横25㌢。全面反射で夜でも色鮮やかに交通安全をPRできる。スピードを出す車に対する注意喚起として「危険 スピード落とせ」と注意を促している。
設置には会員10人と市職員らが参加。清岡会長は「1日と2日には死亡事故が発生している。市も力を入れてくれ、今回だけではなく今後も市内の危険箇所に看板を設置したい。お邪魔すると思うが、近隣の皆さまのご理解とご協力をお願いします」と話していた。
同協議会は現在活動に参加する指導員を募集している。問い合わせは新宮市生活環境課内、交通指導員協議会事務局(電話0735・23・3333)まで。
(2018年12月8日付紙面より)
新宮市観光振興委員会(森本祐司委員長)が6日、市役所4階会議室で開かれた。第5回のこの日は熊野速玉大社神職体験、熊野川米、宿泊者限定企画「せんペロ対抗戦」の報告を受け、来年度の計画を話し合った。
開会に当たり森本委員長があいさつ。「人口減少の中、インバウンドを含めた流入人口増がなければ、新宮市の経済が回っていかなくなる。『食える観光』にしないと厳しい」と述べた。
神職体験は11月12日に開催。外国人3人が臨時神職として神事を奉仕した。「貴重な体験だった」「感動した」との声があった一方、「マナーが難しい」「覚えることが多くて疲れた」などの改善点も見つかった。
これらを踏まえて一部内容を簡略化し、一般参詣者に「見せる」化する方針を示した。年11回の開催を観光客が多いシーズンに集中的に実施する計画も持ち上がった。
熊野川米は「熊野川ヤタガラス米」と命名。ジェット船乗り場、駅前観光協会、道の駅、宿泊施設の他、贈答品として商店街で販売する。ふるさと納税返礼品、イベントなどでの記念品にも活用する。
せんペロ対抗戦は市の魅力を知ってもらうことが狙い。市観光協会の里中陽互会長は「新宮を楽しんでもらう意識を持つことが重要。イベントを通して、(宿泊者に紹介する)ホテルにも生き残る道を感じてほしい」と話した。
楽天トラベルは、今後のプロモーションを説明。来年1月28日(月)に市福祉センターでDMOセミナーを開催する。
委員会は来年度、「まちなか観光」を加速させ、外国人観光客の市街地誘導を強化する。▽商品開発の仕組みを構築▽川舟の商品化▽グリーンツーリズム開発▽ターゲットを絞った周遊ルート開発▽メニュー開発、お土産開発による事業者の活性化―に取り組む。
来年2月末に今年度最後の委員会を開く。
(2018年12月8日付紙面より)
議長を務めた伊森安美さん (串本古座高校 )
「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山で議長を務めた伊森安美さん(串本古座高校2年)が6日、事後報告のため同校地域協議会の会長や副会長を訪ねた。
このサミットは、10月31日と11月1日の2日間にわたり和歌山市内で開かれた。世界48カ国から約250人、国内49校から約130人の高校生が参加し、自然災害から命を守るための備えについて▽災害について知識を得る▽災害に備え意識を高める▽災害から生き抜く―の各分科会に分かれて協議。伊森さんは県立日高高校3年の中井充歩さんと共に議長を務め、各分科会の協議の成果を「稲むらの火継承宣言」としてまとめた。
串本古座高校からは前回の同サミットにも参加した伊森さんら生徒4人が参加した。先だって参加者を対象に開かれたスタディーツアーでは同校の生徒約50人が参加者の体験をサポートした。サミット後の11月22日、議長2人は東京都にあり▽ANAホールディングス▽気象庁▽内閣府▽自由民主党本部▽文部科学省―に事後報告をし、同本部で二階俊博幹事長から両議長に安倍晋三内閣総理大臣名の感謝状が伝達されたという。
6日の事後報告で報告を受けた会長の田嶋勝正串本町長は防災のリーダーが求められる中、若い世代が率先して防災に取り組んでくれることは町としてもうれしいと感謝。副会長の西前啓市古座川町長は一連の経過を良い経験だとたたえ、そろって伊森さんと同サミットに協力した生徒の今後の活躍を期待した。
事後報告はこの日が最終で、伊森さんは「津波の経験がない国の人が経験した人の話を聞いて意識が高まったという声があって、ここで学んだことを自分の国に帰って同じように伝えてほしいと思ったし、自分もそのように地域や学校に広めていきたい。このサミットに参加するのは2回目ですが、今回も多くのことが学べてすごくよかったです」と思うところをコメント。
両町長が期待した今後について「自分が住んでいる串本町は、自然が豊かで観光客が多く、その中には外国人観光客もたくさんいる。同宣言の一項目にあるユニバーサルデザインの標識があれば、まったく知らない場所でもどこに逃げればいいかが一目見て分かるので、地域とも連携してこれをやってみたい」と抱負を語った。
(2018年12月8日付紙面より)
旅客船の安全やテロ対策 (勝浦海事事務所 )
観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は6、7の両日、串本海上保安署と合同で管内4社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制を確認した。
国交省が実施する「年末年始の輸送などに関する安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。点検をしたのは熊野交通(新宮市)、紀の松島観光(那智勝浦町)、浦島観光ホテル(同)、串本海中公園センター(串本町)の4社。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制などについても指導した。
新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には6日、岩佐裕二次長ら4人が訪れた。堀所長ら立ち会いの下、テロ防止のための取り組みやテロ発生を想定した訓練の実施状況、事故や災害発生時の安全確保のための指示体制などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約18㍍、総トン数約19㌧)内に入り、救命具の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。海中転落者を救助するための、漁具(浮子=あば)を応用した救助機材「非常投浮(とうふ)」の実演もあった。
点検終了後、岩佐次長は「今後も体調の変化などに皆さんで注意し合い、さらなる安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。堀所長は「年末年始に向けて、多くのお客さまを安全にご案内できるよう気を引き締めていきたい」と話していた。
(2018年12月8日付紙面より)
JR紀勢本線利用促進に向け (意見交換会 )
JR紀勢本線の利用促進に向けた意見交換会が3日、新宮市の市人権教育センターで開かれた。
JR西日本和歌山支社の伊藤義彦支社長、中西宏友副支社長らと串本町、古座川町、那智勝浦町、北山村、新宮市、和歌山県の関係者が出席。3回目の今回はJRが昨年6月に発表した新たな長距離列車の誘致について話し合った。
新たな長距離列車は2020年からの運行開始を目指す。エリアは京阪神~山陰方面、京阪神~山陽方面。鉄道の強みを生かした地域と一体となった観光振興を推進する。
6両編成で1両ごとに異なる座席タイプを配置し、定員は約100人。幅広い世代や訪日観光客に鉄道の旅を楽しんでもらう。
新宮市の田岡実千年市長は長距離列車のエリアに熊野地方が外れている理由を聞き、「熊野地方には串本町に建設されるジオパークセンターや世界遺産、勝浦のマグロなどがあり、関係10市町でおもてなし協議会も発足した。ぜひ、運行エリアに入れてもらいたい」と求めた。
北山村の山口賢二村長は「長距離列車に参加、協力したい。列車の車窓から見える川でいかだ下りをPRしたい」。那智勝浦町の堀順一郎町長は、列車と熊野古道をリンクした運行を提案した。
伊藤支社長は今後、誘致に向けた協議の場を継続的に設けることを提案。意見交換後に「このような取り組みを通して、地元との地域共生が推進できれば」とコメントした。
(2018年12月6日付紙面より)
10日まで、人権週間
和歌山地方法務局新宮支局と新宮人権擁護委員協議会は人権週間(12月4~10日)に合わせ、人権意識の向上を促す啓発活動を展開している。6市町村で街頭啓発を実施し、各市町村8カ所に特設相談所を設けて人権に関するさまざまな相談を受け付けた。
那智勝浦町では4日、同町天満のAコープなち店前で街頭啓発を実施した。人権相談員や町、法務局職員9人がタオルやポケットティッシュなどの啓発物資を買い物客らに配布。この日は新宮市のイオン新宮店前や串本町のAコープ紀南VASEO前、太地町、古座川町、北山村でも街頭啓発が実施され、計2000個の啓発物資を配った。
法務局新宮支局の谷口栄二さんは「人権週間に合わせて多くの方の協力の下、活動を行っています。こうした機会に人権について理解を深め、意識を高めていただければ」と話した。
(2018年12月6日付紙面より)
第22回串本町中学校音楽会が4日に同町文化センターであり、町立5中学校の生徒や教員が合唱や合奏を発表し鑑賞するなどして交流した。
同町教育研究会と同会中学校音楽部会が主催する初冬恒例の合同文化行事。町立5中学校が一堂に集まる唯一の機会として回を重ねていて、鑑賞のみながら串本中1年生も参加し、全生徒で本番を迎えた。本年度は大島中が最後の卒業生を送り出して閉校するため、5校そろっての実施は今回が最後になる。
開演に先立ち、同町教育委員会を代表して島野淳副課長は「皆さんが一つの作品を作り上げるために心を合わせて取り組んだことが、この音楽会の文化や伝統の力になる。今日は練習の成果を思う存分発揮し、最高のパフォーマンスができるよう心から祈っています」とあいさつ。潮岬中吹奏楽部の楽曲演奏でプログラムが始まり、串本中2年生、大島中、潮岬中、西向中、串本西中と順次合唱や合奏を発表。串本中3年生が最高学年の威信をかけて楽曲『旅立ちの日に』『手紙~拝啓 十五の君へ~』を合唱し、力強い歌声を同センターホールに響かせた。
今回はゲストとして新宮市出身の声楽家で大阪成蹊短期大学准教授の熊谷綾子さんが出演し、楽曲『魔王』『旅立ちの日に』を披露。最後は教員が舞台に上がり生徒や家族ら観客も含めた全員で楽曲『翼をください』を合唱して音楽の良さを分かち合った。
閉演に当たり、主催者を代表して町教研の沖洋副会長(串本西中学校長)が「感性を豊かにし、心を育み、調和をもたらす音楽は、人間教育において大きな役割を果たす。ポップスもあればクラシックもあり、人数の多い少ないに関係なくどの学校も素晴らしい発表で、皆さんの音楽やまなざしは観客の皆さんにも深く届いたと思う。芸術文化の秋を歌声と演奏で締めくくることができた」と講評し、実施に協力した各位に感謝を示しつつ締めくくった。
(2018年12月6日付紙面より)
初の男性料理教室開催 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は4日、同市の浮島隣保館で「男性料理教室」を開いた。8人がめはりずしや豚汁、揚げギョーザ作りに参加し、雑談を交えながら料理を楽しんだ。
市と市社協は今年5月に開催した「地域支え合いフォーラム」を受け、有志を対象にした研修会を開いてきた。その中で、男性の集まる機会が少ないという声が多く上がったことから同教室を企画した。男性の社会活動を促し、居場所や生きがいを作ることを目的としている。
この日は栄養士の和田町子さんが「料理が初めての人も得意な人もいると思いますが、交流しながら楽しくお料理をしましょう」と呼び掛けた。2班に分かれた参加者らは包丁の使い方などを教わりながら次々と野菜を切っていった。手際良くニンジンをいちょう切りにしていた参加者は「さっき先生が切り方を教えてくれたから」と笑顔。参加者らは会話を楽しみながら料理を進めていた。
出来上がった料理を試食した参加者らは「おいしい」「気持ちがこもっているからね」。蜂伏から参加した里際学さん(70)は「大変よかったです。最近まで料理をしたことはなく、めはりも豚汁も初めて作った。これからも続けてもらえれば」。王子町の若林春次さん(78)は「料理は初めて。健康と食を考えて参加しようと思いました。料理は難しく、知らない言葉もあって、一つ一つの動作も初めて。今後も続けてほしい。料理もそうだが、みんなと交流し、情報交換や話ができるのがいい」と話していた。
次回は3月上旬に予定している。
(2018年12月6日付紙面より)
那智勝浦町ジュニア駅伝チーム
県大会目指し東・西の両ブロック激突
試割オープン選手権大会 (北道院拳法和歌山支部 )
日本生命硬式野球部による野球教室
丹鶴公民分館が防災訓練 (新宮市 )
新宮市の丹鶴公民分館(髙山孝史分館長)は2日、平成30年度丹鶴地区防災訓練「命を守る練習をしよう!」を開催した。丹鶴体育館では消火器の扱い方や車いす体験、救急救命講座、備蓄品の展示啓発などがあり、大勢の地域住民が防災意識を高めた。
今年で7回目となる取り組みで、地域住民の防災意識を高める目的。市、市消防本部、消防団丹鶴分団、市社会福祉協議会、日赤奉仕団、丹鶴婦人防火クラブ、乳幼児の命を守る会、丹鶴地区連合会が協賛している。
会場では新宮市役所防災対策課による出前講座「地震に対する心構えと準備」があった。参加者らは講演を聞き、人形を使った心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の体験、搬送法、車いす体験などに挑戦した。炊き出し練習では豚汁と五目ご飯の試食があり訪れた人たちが味わった。アルミポンチョや非常食など災害時に役立つお土産も配布された。
浦手世志子さん(90)は「災害が起きたらどうするか、年に1度では忘れてしまうこともあるので訓練に感謝します」。
髙山分館長は「町内や地域の人に防災の意義や命を守るための意識を深めてほしいと感じています。経験を積み対処ができるようになれば。町内会長などに来てもらい、それを各町内に持ち帰って指導してもらえればありがたい。毎年結構な人数が来てくれている。さまざまな年齢の人に来てもらいたく、いざというときに自分にできることを頭に入れて行動してほしい」と話していた。
(2018年12月5日付紙面より)
高田交流センターで教養講座 (新宮市 )
新宮市の高田公民分館(竹内伸生分館長)は2日、高田交流センターで教養講座を開いた。地域住民ら30人以上が参加し、NPO法人地域再生ネットワーク鳥獣害対策部の原裕さんが「一から学ぶ獣害対策」を演題に講演した。
原さんは一部の動物のふんや足跡をクイズ形式で紹介した後、シカ、イノシシ、サルの性格や特徴など生態を解説した。里や村に下り、庭に入り込んでくる状況が全国各地で起こっていると説明した。
シカ、イノシシの一般的な対策として「ネットや電気柵、ワイヤーメッシュで畑を守る『防護』、木々を無くし見通しをよくする『環境整備』、増えすぎた動物を捕る『捕獲』をバランスよく行うことが基本」と述べた。サルの対策では▽習性を知る▽居心地を悪くする▽追い払う▽箱わなで捕獲―などを挙げ、長期戦であることを語った。
原さんの地元である那智勝浦町色川では、住民有志らによる色川鳥獣害対策協議会が被害の集中する7~9月に「サル追い払い隊」を立ち上げ活動していると話し「日替わりでサルの動向調査を行い、発見時は花火で追い払って近隣住民の注意喚起とメール配信を実施している」と紹介した。
屋外では実際に設置してある柵やわなを前にしての解説があり、参加者らは原さんに質問するなど知識を深めた。
講演前には市農林水産課の小林徹央さんが市で実施している柵の設置などに対する補助制度についての説明もあった。
参加した中村八十八さんは「皆さん知識はあると思いますが、細かなところが参考になりました」。金子史法さんは「多くの人が集まってくれ、感謝と同時に関心の高さを実感しました。講習を通じて今後の対策への知識を深め、生きがいや楽しみを分かち合えれば」と話していた。
(2018年12月5日付紙面より)
冬の交通安全運動街頭啓発 (串本町 )
わかやま冬の交通安全運動街頭啓発が3日、串本町くじ野川にある橋杭海水浴場駐車場であり、啓発員36人が国道42号を利用するドライバーに運動の趣旨を伝えて理解と実践を求めるなどした。
この運動は、全国規模で展開される春秋の交安運動に加え県警管内で独自に取り入れている。夏と冬の2期があり、今期は12月1日~10日(月)を期間として諸行事が計画されている。
この日の啓発は、交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会(会長・池上敏之東牟婁振興局串本建設部長)が主催。同部と串本警察署、同町役場と同町消防本部、同町交通指導員協議会と県交通安全協会串本支部、交通安全母の会、航空自衛隊第5警戒隊、国土交通省串本国道維持出張所の各職員が啓発員として参加した。
実施に当たり池上会長は、今期の重点項目として▽飲酒運転の根絶▽子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―の4点を挙げ「運動趣旨を十分に伝達し交通安全に大きな成果が得られることを期待したい」とあいさつ。清野武志副町長と串本警察署の中弥泰典署長もあいさつし、中弥署長は信号機がない横断歩道における歩行者優先の徹底をしたい(理念の広報啓発と横断歩行者等妨害等違反の取り締まりを行う)考えを掲げつつ実りのある活動を期した。
同署署員が田辺市方向へ走行する車両を同駐車場に誘導し、停車を求めた上でドライバーにチラシなどの啓発物資を手渡しながら安全運転に努めるよう促した。啓発後は県警交通機動隊の白バイや同署車両の同運動関係活動に向けた出発式も行われた。
(2018年12月5日付紙面より)
PTA連合会で生馬選手が講演 (太地町 )
新宮・東牟婁PTA連合会は1日、太地町公民館で講師にパラ陸上競技で活躍する生馬知季(いこま・ともき)選手(26)を招き教育講演会を開いた。2020年の東京パラリンピック出場を目指す生馬さんが、車いすスポーツから得た「ハンデを強みと捉える強い心」、夢や目標を持つことの大切さを説き、約100人が聴講した。
生馬さんは和歌山県有田市出身。岡山県の株式会社グロップサンセリテ・ワールドアスリートクラブに所属し、日々の練習に取り組んでいる。同クラブは車いす陸上競技選手を雇用・育成し、障害者スポーツを通して、地域社会への貢献を目的としている。
両下肢に先天性の障害があり、腕だけを使って幼少期を過ごしたという生馬さんは、障害を感じることなく楽しく過ごした小学校時代から、一転して引きこもりになってしまった中学校時代に焦点を当てた。きっかけは下校途中に掛けられた「かわいそうに。頑張るんだよ」という一言。「その人の意図が理解できなかった。それまで『かわいそうな自分』を意識したことが無かったのです。他者と自分を比較する考えが生まれ、劣等感が育ちました」と振り返った。
その後、両親の勧めで車いすバスケに出会い「せまい考えから抜け出し、夢中になれた。練習中に『陸上競技向きの体形』と言われ、自分の体を前向きに表現してもらったことが、何よりうれしかった」。この言葉を励みに、陸上競技に転向した生馬さんは、才能が一気に開花。17年世界パラ陸上競技選手権大会ロンドンでは日本代表に選ばれ、日本人として唯一100㍍決勝進出を果たした。
(2018年12月5日付紙面より)
第14回太地町勇魚空手道大会
東牟婁支部学童軟式野球新人大会