ニュースアーカイブ|ARCHIVES
アーカイブ検索で表示されるグレーのリンクのない記事については、熊野新聞紙面をご覧ください。
ご購読のお申し込み
過去2年分の熊野新聞は、
SHIMBUN ONLiNE
でご購読頂けます。
新聞オンライン(電子新聞)
カレンダー検索:175件の記事がありました
【検索ステータス】 
2023年03月28日
1 殺処分ゼロを目指し祈る
 慰霊碑前で犬・猫を供養する会  (紀南狂犬病予防連 )

 紀南狂犬病予防連絡会(代表=山本泰司・うぐい動物病院長)は24日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局内、北側駐車場にある慰霊碑前で「犬・猫を供養する会」を開いた。市内外から参列者が訪れ、動物たちの冥福を祈って慰霊碑に花を供え、手を合わせた。

 同会は保健所や新宮・東牟婁の6市町村、動物病院でつくる団体。「犬・猫を供養する会」は、人間社会の中でやむなく保健所に引き取られ、最終的に処分されることとなった犬、猫の霊を慰めるため、例年春の彼岸時に営まれている。慰霊碑は2005年に建立され、犬・猫をはじめとする動物を慰霊するための恒久的なシンボルとしての役割を担っている。

 今年も式典は、新型コロナウイルス感染の観点からあいさつなどを中止とし祭壇を設置。各個人で参拝する形式を取った。22年度(2月末現在)に新宮保健所と串本支所に収容された犬は10匹(前年比2匹増)、猫は62匹(前年比28匹減)だった。殺処分ゼロを目指す和歌山県では▽安易な引き取りは行わない▽地域猫対策の推進▽譲渡頭数を増やす―などの施策を展開しており、ミルクボランティア、一時預かりボランティア、譲渡ボランティアを随時募集している。

 同保健所衛生環境課の應田学主任は「年々、少なくなっているとはいえ、処分されてしまう動物がいる。今後も尊い命を少しでも多く救えるよう努力し、いつか殺処分ゼロの状況になってもらえれば」と話していた。

 各ボランティアなどに関する問い合わせは同保健所(電話0735・21・9631)まで。

(2023年3月28日付紙面より)

慰霊碑に手を合わせる参列者=24日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
2023年03月28日
2 設置範囲縮小し点灯始まる
 佐田地内のちょうちん飾り  (古座川町 )

 古座川町佐田地内で24日、ちょうちん飾りの点灯が始まった。ソメイヨシノの開花に合わせた恒例の趣向で、点灯時間は午後6時~9時。設置期間は散り終わるまでとしている。

 七川ダム湖畔はダム完成以降の段階的な苗木の植樹により3000本規模のサクラ名所へと成長。1990年には日本のさくら名所100選の一つに選ばれ、今も花が咲く時期には多くの見物客が訪れるところとなっている。

 ちょうちんの飾り付けは、来る人に風情よく花盛りを楽しんでもらおうと考えた佐田区が飾り始めたのがきっかけ。長らく開花時期限定の趣向として続けてきたが年々区内の人口減や高齢化が進み、イベント「桜まつり」を開く実行委員会のつながりで若手が担い手の不足を補うようになり現在は同委員会が趣向を受け継ぐ形で主導している。

 この日は同実行委員会事務局の町地域振興課と観光協会や七川ふるさとづくり協議会の若手や、要領を引き継ぐ区民計10人が作業に参加した。近年まで経年劣化に伴う資材不足(特に電球、ちょうちんは旧第三銀行〈現三十三銀行〉の寄贈により不足緩和)のため点灯を一つ飛ばしにして設置範囲を保ってきたが、往時の明るさがないなどの課題があり昨年に続いて今年も設置範囲を縮小。佐田駐在所~同協議会事務所(旧夏目商店)間の国道371号沿い約150㍍と駐車場やトイレがある桜の広場の芝地外周約150㍍とし、限りある電球を集中させる照度優先の形とした。

 この場所のソメイヨシノは同日現在、咲き始め~五分咲きの段階。風情を帯びた咲き進みを間近に見る区民は「月末~4月第1週末が見頃になりそうだ」と話し、その瞬間を心待ちにしている。

 桜の広場を会場とするイベント「桜まつり」は実施の有無を判断する時期に新型コロナウイルス感染拡大第8波の情勢があり今年も中止となっている。設置期間中、おおじゃの森駐車場の芝生広場では2店舗が出店を希望(1店舗は4月1~2日に出店予定、1店舗は不定期出店予定)しているという。問い合わせは同課(電話0735・67・7901)まで。

(2023年3月28日付紙面より)

桜の広場の芝地外周にちょうちんを飾り付ける若手ら=24日、古座川町佐田
2023年03月28日
3 「自分らしく表現する」
 NeRuさんが思い語る  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立図書館で25日、同町在住のNeRu(中村彩音)さんによるトークイベント「自分らしく表現する」が開催された。NeRuさんは、自身が作った紙芝居を読み、これまでの活動や取り組みについて語った。また、現在、絵本の原画展も同館で開催されている。30日(木)まで。

 日本各地を旅しながら、多くの人と出会ってきたNeRuさん。人はそれぞれ価値観や生き方が違うという思いを込め、絵本「わたしのいろ」「ながれぼし」を制作した。

 NeRuさんが町立勝浦小学校在学時代、校長などを務めていた岡田秀洋教育長は「ある日のテレビニュースでNeRuさんのことを知り、中村さんであることが分かった。NeRuさんはいろいろな人生を歩んできたのだと思う。今日は楽しみにしている」とあいさつ。

 紙芝居を披露したNeRuさんは「わたしのいろ」について、相手を認め、個性を認め合うことがテーマであると解説。「ながれぼし」は、自分自身との対話の大切さや自分自身を認めることがテーマであるとした。

 今年高校を卒業したNeRuさんは、人との出会いやその土地の文化伝統を知るために、これまでも多くの旅に行っているとし「一歩、外に出るだけで、当たり前が当たり前じゃないことに気付く。旅を重ねることで、自分の視野が広がる。多くの人との出会いは、価値観をアップデートさせてくれる」と述べた。

 旅や生活を通して、差別や自殺、生きづらさを抱えている人の存在に違和感や苦しさを覚えたとし「人と人の違いの大切さ」などを伝えるために活動しているとした。

 高校2年生当時に一人旅をした岩手県で、紙芝居を用いて地域の歴史・文化を伝える男性と出会い、心を打たれたという。その後、自身も紙芝居を用いて表現していくことを決意。聴覚に障害を持つ人にも、思いを伝えたいと考え、絵本の作成に至ったとした。

 また、自身のプライドの高さや失敗が嫌で、人に頼ることもできなかった過去があったと説明。恩師の存在や母の「心の喜ぶことをしなさい」という言葉から「強い人は素直な人。自分の心の声に素直に従える人になりたい」と考え方が変化したことを報告した。

 国内でも病気で苦しむ人やカミングアウトのために勇気がいる人など、多くの問題があるとし「生きづらさを解決するために考えてきたが、まだ見つからない。みんなが生きやすい世界になるためには、相手の個性を受け入れ、自分らしく表現することが大切。そうなれば、自分らしくいるために勇気はいらなくなる。優しい世界になってくれるように信じて、理想を描きながら活動を続けていきます」と抱負を述べた。

(2023年3月28日付紙面より)

心を込めて紙芝居を読むNeRuさん=25日、那智勝浦町立図書館
NeRuさんの言葉に耳を傾ける来場者
2023年03月28日
4 早くも田植え始まる
 東海地方有数の早場米の産地  (紀宝町 )

 紀宝町大里で27日、早くも田植えがあった。同町神内の中西和益さん(75)が30㌃の田んぼに早場米のアキタコマチを植えた。

 同町は東海地方有数の早場米の産地で、毎年お盆前に新米が食べられるよう、県内の他地域に先駆けて3月下旬に田植えを行っている。JA伊勢三重南紀地区管内では中西さんら2人が約1㌶の田んぼで栽培を続け、昨年は6㌧を出荷した。

 この日は朝から作業に取り組み、田園風景に苗を植える機械の音が鳴り響いていた。中西さんは「昨年は満足のいく収穫量だった。今年も期待している」と話していた。稲刈りは7月下旬を予定しており、昨年並みの収穫量を目指している。

 お盆前の8月上旬にはJA各店舗やファーマーズマーケット「ほほえみかん」で新米を販売する予定。

(2023年3月28日付紙面より)

早場米の田植えをする中西和益さん=27日、紀宝町大里
2023年03月28日
5 災害復旧、歩道ともに完了  串本町串本地内ののり面崩土  (国道42号 )
2023年03月28日
6 第1回定例会一般質問①  串本町議会  
2023年03月28日
7 太地町の人事異動   
2023年03月28日
8 部落差別解消への展望  神原文子さんが講話  (和歌山県 )
2023年03月28日
9 物語の世界に夢中  蓬莱体育館で生涯学習演劇会  (新宮市 )
2023年03月28日
10 教職員の異動発表㊦ 和歌山県教育委員会 
2023年03月28日
11 半年後の仕上がり楽しみに  三重県産大豆でみそ作り  
2023年03月28日
12 高見さん、杉本さんが優勝  讃寿会グラウンドゴルフ大会  (紀宝町 )
2023年03月28日
13 色とりどり春の花咲く  「もんきりあそび」体験  (紀宝町 )
2023年03月28日
14 18組が自慢の歌声披露  新宮市で「NHKのど自慢」  
2023年03月28日
15 お悔やみ情報
  
2023年03月26日
16 地域防災のリーダーに
 王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式  (新宮市 )

 新宮市消防本部で24日、令和4年度「王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式」があった。クラブ員第10期となる市立王子ヶ浜小学校6年生14人が、市幼少年婦人防火委員会会長(垣内一男消防長)代理の古根川喜一・市消防本部予防課長から表彰状や記念品を受け取った。

 同クラブは、地域や家庭における防火防災を図るため、同小6年の少年少女により組織。火災予防など防火について学習し、正しい防火・防災知識を身に付けるとともに、活動を通して規則正しい明るく元気な少年少女に育つことを目的に結成された。

 本年度、同クラブには14人が入部した。はしご車乗車体験や消火器取り扱い、心肺蘇生法、人権学習など、10回にわたり防火防災に関する知識の習得に取り組んできた。

 卒団する子どもたちを前に、古根川課長は「中学生になっても地震や火事などについて勉強すると思いますが積極的に取り組んでほしい。大人になった時、まちの防災リーダーになってくれることを願っています」とこれまでの活動をねぎらった。

 「先生」として子どもたちの指導に当たった、予防課の亀井剣太さんは「皆さん、元気に頑張ってくれた。学んだことを忘れずに今後に生かしてほしい。皆さんが将来、地域防災の担い手になってくれることを期待しています」と言葉をかけた。

(2023年3月26日付紙面より)

卒団式に出席した10期生の皆さん=24日、新宮市消防本部
表彰状や記念品を受け取った
2023年03月26日
17 教えすぎない子育て論
 和高教講演会で岩出雅之さん  (新宮市 )

 和歌山県高等学校教職員組合(和高教)第5支部は21日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で教育文化のつどい講演会を開いた。県立新宮高校出身で、帝京大学ラグビー部前監督の岩出雅之さんが「平成生まれの子育て論~教えすぎない~」を演題に講話。約200人が聴講した。

 和高教は、高等学校の教職員による労働組合。労働条件向上のほか、子どもたちが幸せに生きるための教育を目指し活動している。「教育文化のつどい」は生徒や地域住民を対象に35年以上前から展開。これまで元プロ野球選手や政治家、歌手など多彩なゲストを迎え、コンサートや講演会を開催してきた。

 郷土が生んだラグビー界の名将・岩出さん。1958年、新宮市に生まれ、監督として帝京大学を大学選手権10回の優勝に導いた。現在は同大学スポーツ局長やスポーツ医科学センター教授を務める。著書に「負けない作法」「逆境を楽しむ力」などがある。

 岩出さんは「幸せの定義を持っているといい結果が生まれてくる」と述べ「青年期の若者との向き合い方」「自律型人材が育つ組織づくり」を柱に、自ら学び成長する心を導くマネジメント論を展開した。

 「発言」や「行動」は「思考」がつくると定義し「自分とは何者か、どう生きるか。自分との向き合い方を考えることが大事」。Z世代の若者への関わり方について▽自律▽目的▽可能性―を若者が納得する基本ポイントとし、「分かる」「好奇心」「自律心」「やる気」が「考える力」を養うための基本要因であるとした。

 自己効力感、前向きな肯定感を高めていく関わり方が重要と述べ「思う存分力を出し切れる人の集まりにいかにしていくかが必要」。「理解できているつもり」は実は「理解できていない」ことであるとし、内省のステップを紹介。「振り返り、行動や結果に加えて前提に気付かせる。思い込みに気付くことが新しい考え方や取り組みにつながる」と話した。

 自律型人材をつくる組織づくりについて「経験学習により考える力が高まる。精神的余裕のある組織づくり、幸せを感じる組織づくりも大事」と話し、脱体育会構造・環境改革は多様な価値観からのイノベーションや思いやりの文化づくりに好影響を及ぼしたと説明。

 何でも言い合える関係性のためには誠実さと対話が重要とし「応答・対話をやめないことが責任を果たすということ」。同大学の教え子らに対し「苦しさや悔しさなどを財産にして、次のステージに向かってくれると思う」とエールを送った。

(2023年3月26日付紙面より)

岩出雅之さんが子育て論について講話=21日、新宮市の「丹鶴ホール」
約200人が聴講した
2023年03月26日
18 4年ぶりの開催へ、準備進む
 熊野大花火大会に向け試し打ち  (熊野市 )

 熊野市は24日夜、「熊野大花火大会」に向けて、木本町の鬼ヶ城などから花火の試し打ちをした。新型コロナウイルスの影響で、市の一大イベント熊野大花火が3年連続で中止となっていたが、今年は8月17日の開催に向けて準備を進めており、4月上旬に決定する予定だという。

 市観光協会の中平孝之会長は「3年連続で熊野大花火が開催できていない。大花火の原点は精霊供養。これまで規模を縮小して供養花火は続けてきたが、本格的に御霊(みたま)をしっかり供養したい」と話していた。

 試し打ちには、地元熊野市の和田煙火店をはじめ、伊藤煙火工業(亀山市)、紀州煙火(和歌山県有田川町)が参加。3~7号玉の160発の花火を打ち上げ、漆黒の夜空を鮮やかに染めた。

 浜辺には一目見ようと、多くの見物客が詰めかけ、熊野大花火大会の4年ぶりの復活を心待ちにしていた。

(2023年3月26日付紙面より)

夜空に打ち上がる試し打ち花火=24日、熊野市木本町
2023年03月26日
19 コウノトリが飛来
 2羽が休耕田で羽休める  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町中里の休耕田付近に22日、2羽のコウノトリが飛来した。2羽のコウノトリは場所を少しずつ移動し、餌をついばんでいた。

 コウノトリは、日本の代表的な大型水鳥で、国の特別天然記念物。国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種に指定される国際的にも希少な鳥だ。

 体長は約110㌢で、翼を開くと200㌢にも及ぶという。河川や湿地、水田などで、魚類やカエルなどの小動物を補食する。近年、同町では毎年のように、目撃されている。

 コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づき野生復帰を実践している兵庫県のコウノトリの郷に、2羽の足環の特徴を伝えたところ、2歳の雌と3歳の雄であることが判明した。どちらも徳島県で足環を装着した個体だという。

 担当者は「休耕田などは敵も少なく、安心して食事ができるのだと思う。2羽でいるからといって、必ずしもつがいではない」と話していた。

 偶然、コウノトリを発見したという町内在住の男性は「見るのは2度目。羽を休める姿がかわいらしい」と笑顔で語った。

(2023年3月26日付紙面より)

コウノトリが飛来=22日、那智勝浦町中里
2羽が行動を共にしていた
2023年03月26日
20 教職員の異動発表㊤ 和歌山県教育委員会 
2023年03月26日
21 児童を交通事故から守る  レッスンバッグを寄贈  (JAみくまの )
2023年03月26日
22 演奏で感謝を伝える  吹奏楽部が第12回定演  (近大新宮 )
2023年03月26日
23 「先生、ありがとう」  わかば保育園で卒園式  (那智勝浦町 )
2023年03月26日
24 楽しい思い出がいっぱい  天満保育園で7人が卒園  (那智勝浦町 )
2023年03月26日
25 シダレザクラにオウバイ満開  那智山の観光客ら楽しむ  (那智勝浦町 )
2023年03月26日
26 新宮市の人事異動(終)   
2023年03月26日
27 東牟婁振興局長に鳥羽真司氏  本紙エリア関係の人事異動  (和歌山県 )
2023年03月26日
28 新規採用は5人  紀宝町の人事異動  
2023年03月26日
29 ソメイヨシノ45本植樹  サクラの名所、大里親水公園に  (大里桜愛好会 )
2023年03月26日
30 思い出いっぱい抱え  4保育所で修了式  (紀宝町 )
2023年03月26日
31 お悔やみ情報
  
2023年03月18日
32 602人が喜びの春
 県立高校で合格発表  (和歌山・三重 )

 和歌山県と三重県の県立高校で17日、一般入学試験の合格発表があった。本紙エリアの和歌山県側は新宮高校、新翔高校、串本古座高校の3校で計380人が、三重県側は木本高校と紀南高校で計222人が喜びの春を迎え、憧れの高校生活に期待を寄せていた。

 両県ともに所定の時間に一斉に、合格者の受験番号が掲示板へ張り出された。緊張した面持ちで発表を待っていた受験生たちは、自分の受験番号を見つけると友人や教職員らと喜びを分かち、携帯電話で家族へ報告していた。新型コロナウイルスの感染拡大防止を考え合格者番号は、受験生や中学校関係者用のホームページにも掲載された。

  □     □

■和歌山県



 和歌山県側の各校の合格者数は、新宮高校全日制200(定員200)人、同校定時制5(同40)人、新翔高校85(同120)人、串本古座高校90(同120)人だった。

 新宮高校に合格した下里中出身の小谷鳳菜さん(15)は「しっかり勉強してきたので、結果が出てうれしい。勉強も運動も両方頑張って、高校生活を楽しみたい」。新翔高校に合格した宇久井中出身の堀希優さん(15)は「最高です! 新しい友達をたくさんつくって勉強も頑張る高校生活にしたい」。

 串本古座高校に合格した串本中出身の山本秀斗さん(15)は「受かってよかった。中学校の先生に感謝したい。高校ではしっかり勉強して、自分がしたい仕事に向かっていけるよう努力したい」と話した。

 定員に満たなかった学校の追募集の出願は24日(金)に受け付け、学力検査は28日(火)、合格発表は30日(木)に行う。

  □     □

■三重県



 三重県立木本高校と紀南高校は、後期選抜と内定通知した前期選抜の合格者を合わせて発表した。木本高校は全日制普通科(定員120人)に101人、総合学科(同40人)に39人、定時制普通科(同40人)に4人、紀南高校は普通科(同80人)に78人が合格した。

(2023年3月18日付紙面より)

自分の番号を見つけて歓喜=17日、新宮高校
合格者で集まり記念撮影=17日、新翔高校
手をたたき合格を喜ぶ=17日、串本古座高校
2023年03月18日
33 フーイエン省訪問団が来県
 堀町長らが那智大社を案内  (那智勝浦町 )

 ベトナム社会主義共和国フーイエン省から、フーイエン省訪問団が13、14の両日に来県し、那智勝浦町や太地町などを視察した。13日は約30人の団員たちが、那智勝浦町の熊野那智大社を訪れ、堀順一郎町長らが案内した。

 フーイエン省は、マグロや温泉、サンゴ礁、世界遺産があり、ベトナム最東端の省だ。マグロはアメリカやヨーロッパに輸出されているが、ブランド力が弱いことから、日本企業と協力(持続可能なマグロ漁)し、ブランド力の構築と日本市場への輸出を目的に今回の視察に至ったという。

 訪問団は、国会議員で省共産党のファム・ダイ・ズオン書記長を団長とし、各企業の関係などで構成される。

 この日一行は、和歌山県国際課の職員や同町職員らと共に、同町築地のにぎわい市場と株式会社ヤマサ𦚰口水産を視察。その後、那智山を訪れた。

 熊野那智大社では、正式参拝を行い、巫女(みこ)による「那智の瀧舞」の奉納後、玉串をささげた。男成洋三宮司が本殿などを案内した。

 堀町長が、那智山青岸渡寺や境内から見える那智の滝について説明した。堀町長は「本町ではすでにベトナム人の方が活躍されている。フーイエン省もマグロと温泉が有名と聞き、共通する点を感じる。今後も交流を深め、ビジネスパートナーとなれれば」と話していた。

 ズオン書記長は「那智山は景観がとても良い。町の人々も親切で歓迎してくれてありがたい。今回の訪日は、マグロに関係する事業のパートナーを探すことが大きな目的。にぎわい市場でマグロ漁について話を聞き、経済的なポテンシャルを感じた。ぜひ、ベトナムに来てほしい。和歌山県とのつながりを強化し、生かしていきたい」と語った。

 一行はその後、太地町立くじらの博物館を見学。翌14日は、串本町なども視察した。

(2023年3月18日付紙面より)

正式参拝を行った=13日、那智勝浦町の熊野那智大社
フーイエン省訪問団の皆さん(和歌山県提供)
2023年03月18日
34 消防団活動への理解に感謝
 2事業所に表示証交付  (新宮市 )

 新宮市消防本部(垣内一男消防長)は16日、同所で消防団協力事業所表示証の交付式を実施した。垣内消防長が、㈲仮屋商会(同市三輪崎)の仮屋幹代表取締役と、SWS西日本㈱新宮工場(同市佐野)の瀧谷浩一さん(下地康浩工場長の代理)に認定証を交付した。

 消防団協力事業所表示は、消防団活動に協力している事業所に対し、社会的貢献の証しとして表示証を交付する制度。事業所の活動を広く社会にアピールするとともに、消防団員の活動に対しより理解を深めてもらうことなどを目的に2017年6月に導入した。

 表示証の表示有効期間は原則2年間。現在、上記2社と、南紀プロパンガス㈱(同市清水元)、熊野観光開発㈱(同市熊野川町)の計4社が協力事業所となっている。

 交付式には垣内消防長はじめ幹部職員、中谷健兒団長らが出席した。垣内消防長は「日頃から市民の生命、身体、財産を災害から保護し、地域防災の中核として重要な役割を担っている消防団員の存在を企業として認めていただいていることは、大変ありがたい限り」と感謝。

 「今後も消防団入団促進や組織強化などさらなる発展に向けて取り組んでいきたい」と述べ、消防団活動や防災活動へのさらなる協力を呼びかけた。

 3人の職員が市消防団に所属している仮屋商会は、2018年、21年に続き3回目の交付。「引き続き、地元のために協力していきたい」。

 初めて交付を受けたSWSの瀧谷さんは「職員2人が佐野分団と高田分団に所属している。新宮市に拠点を構えて31年目。少しでも地域の安全に寄与できれば」と話していた。

 同制度の認定基準は従業員2人以上が入団していることなど。問い合わせは同本部庶務課(電話0735・21・0119)まで。

(2023年3月18日付紙面より)

消防団協力事業所表示証交付式が行われた=16日、新宮市消防本部
2023年03月18日
35 137人乗せて新宮港へ
 東海大学海洋調査研修船「望星丸」  

 新宮市三輪崎の新宮港第4岸壁に17日、東海大学海洋調査研修船「望星丸」が入港した。同大学連合後援会員や平安衣装をまとった女性らが小旗などを手に研修団を出迎えた。同船は同日、同港に停泊。18日に出港する。

 同大学が所有する、海洋調査研修船「望星丸」(全長87・98㍍、幅12・8㍍、2174国際総トン)は、1962年に日本初の開設となった海洋学部の海洋実習および調査・観測のほか、学園全体としての海外研修航海、地域社会の青少年に対する海洋思想の普及活動を目的として航行している。

 毎年、同大学、東海大学短期大学部、東海大学医療技術短期大学の在学生を対象に、異文化理解や環境保護、協調性の大切さなどを実践的に学んでもらうことを目的とした海外研修航海を実施。研修航海には、68年の第1回以降、3800人を超える学生が参加している。

 過去2年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見合わせていたが、本年度はコロナ禍でも実施可能な国内航路に切り替えて再開。研修学生や教職員、乗組員、練習学生ら合わせて137人を乗せて2月19日に静岡県の清水港を出発。小笠原や沖縄、広島などを経て、新宮港に入港した。

 新宮港に降り立った学生らは、バスを利用して熊野三山などを訪問。18日には市観光協会登録ガイドによる絵解き説法を受けるほか、市内を散策する予定とのこと。

 出港は午後4時。船内でお見送りセレモニーや、市ツイッターキャラクターめはりさんらによる見送りが行われる。

(2023年3月18日付紙面より)

東海大学海洋調査研修船「望星丸」が入港した=17日、新宮市三輪崎
2023年03月18日
36 空き家活用の糸口は?  古民家再生で地域づくり  (新宮市出身の前博之さん )
2023年03月18日
37 備蓄や中村氏の顕彰問う  那智勝浦町議会一般質問㊤  
2023年03月18日
38 弁天島の景観保持に汗  「かつうら渚の会」が清掃  (那智勝浦町 )
2023年03月18日
39 高齢者が集い交流  子どもの発表など見学  (新宮市熊野川町 )
2023年03月18日
40 会員11人で114点を出展  町立体育館で第14回会員展  (串本写真倶楽部 )
2023年03月18日
41 2店舗で集めた募金届ける  串本町トルコ義援金窓口へ  (和歌山トルコ文化協会 )
2023年03月18日
42 町内愛好者63人試合に臨む 公民館杯兼老連杯グラウンドゴルフ大会 (古座川町)
2023年03月18日
43 ミツバツツジ45本を植樹  新宮港振興会が「緑の募金」事業で  (新宮市 )
2023年03月18日
44 桂文三さんの落語楽しむ  3年ぶりの下里寄席  (那智勝浦町 )
2023年03月18日
45 卒業生講師から学ぶ  受験や就活の経験談  (新宮高校 )
2023年03月18日
46 プレミア和歌山 奨励賞  ベリー工房髙田の蜂蜜  
2023年03月18日
47 地震や津波、どう対処  東日本で得た教訓語る  (森岡茂夫さん )
2023年03月18日
48 正しい薬の服用方法学ぶ  蓬莱地区福祉委員会がサロン  (新宮市 )
2023年03月18日
49 世界遺産から平和考える  優秀賞の生徒11人を表彰  (新宮ユネスコ協会 )
2023年03月18日
50 町公共交通アンケートも  紀宝町議会一般質問(終)  
2023年03月18日
51 感謝伝え、92人巣立つ  5小学校で卒業式  (紀宝町 )
2023年03月18日
52 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第59回】料理は苦痛か、楽しいか  

 先日、私の知人が「子どもに料理しなくていいって言われたから、私は家事代行にお願いしてる」という話をしてくれました。お母さんが、手作りにとらわれてキリキリしてしまうのは、子どもにとって良くないと私は思っているので「それができるなら、すごくいいね」と言ったのですが「『料理は面倒だし嫌でしょ』って子どもが言ってくれて…」という話を聞いたときに「ん?」と違和感を覚えてしまいました。

 毎日義務的に料理をするのは、本当に大変ですし、家事や仕事に追われていると、とっても面倒だと思います。だからこそ、毎日手作りじゃなくていいと思っていますし、そう伝えたい!と強く思ってきました。家事代行を利用するもよし、外食や、冷凍食品や、お総菜を活用するもよし、お弁当もファストフードもいい!と。何を食べるかよりも、どう食べるか。子どもたちの自己肯定感を高めるのは「イライラしながら作る手作り」よりも、「ニコニコ食べるお弁当」だったりするよ!と。いろんな人に伝えてきました。この情報にはきちんとしたエビデンスがありますし、間違いないんです。

 そんな私が、知人の話に違和感を覚えたのは「子どもが料理を面倒で大変なことだと思っている」という点にあるのです。私は仕事で、料理人の方や、フードコーディネーターさん、料理研究家など、さまざまな食のプロに会います。そうして食に関わるお仕事をさせていただく中で「料理って面白いな」とつくづく思うのです。ほんの少しの手間や工夫で、味は大きく変わりますし、同じレシピで作っても、塩加減や火加減が異なると、仕上がりも変わります。ときには思いがけない食材や調味料の掛け合わせで、びっくりするようなおいしい一品ができることもあります。お肉を軟らかくしたり、野菜の色止めをしたりする際には、科学的な考え方が必要になりますし、何品も同時に作るには、効率よく作る段取りが必要になります。そう!つまり、本来料理はとっても頭も使うし、クリエーティブな作業で、楽しいはずなんです。

 毎日手作りをする必要も、手間をかける必要もありません。でも、子どもたちには「料理の楽しさ」をぜひ伝えてあげてほしいのです。時間がある週末や休日などに、一緒にお料理をして、楽しいね、おいしいねとコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか?調味料の量を間違えても「入れすぎたね」と笑えば、それは立派な食育です。理科の実験のように、いろいろな下味を試してみたり、かつおだしと顆粒だしの飲み比べなんていうのもいいかもしれません。お料理が上手じゃなくても、嫌いでも、その楽しさや驚きを、ぜひ伝えてあげてほしいと思います。毎日作らなくても、そういう時間の共有が、将来の子どもの調理意欲をかき立ててくれます。調理体験は、子どもたちの食意識に大きく作用するという研究結果もあるのです。食べるのも作るのも楽しい! それが最大の食育だと私は感じています。

(2023年3月18日付紙面より)

2023年03月18日
53 お悔やみ情報
  
2023年03月17日
54 「35年間、ありがとう」
 新宮支局、歴史に幕  (和歌山放送 )

 和歌山放送新宮支局は、17日の放送をもって新宮単独放送を終了する。新宮スタジオの開設から35年。新宮市の一角から地域に密着した情報を届けてきたその歴史に幕が下ろされる。

 和歌山放送は1959年4月1日午前5時30分、「県下の皆さま、おはようございます。~略~県下の皆さまの放送局として皆さまと共に歩んでゆきたいと考えております」と第一声を放送。県民からの期待を受け、開局した。

 時代が昭和から平成へと移り変わろうとしていた88年。「県都中心の情報より、地域密着の情報を」との要望に応える形で「新宮スタジオ」が開設。新宮・串本単独放送を開始した。新宮スタジオの開設により、現在の本社、田辺支局、新宮支局の3局体制が完成。地域に寄り添った放送を住民に届けてきた。

 しかし、今年3月、放送機器の中核であるマスター設備の更新に伴う設備投資を実施するに当たり、現在の3元放送の維持が困難に。新宮単独放送をやむなく終了するという決断に至った。

 現在、17日にかけて「ありがとう! お世話になりました! 感謝感謝の35年!!『ラジオDE元気!』」が放送されており、歴代パーソナリティーが日替わりで番組に登場。秘蔵音源の紹介などをもって番組の歴史を振り返りながら、リスナーらへの感謝を伝えている。

 小田川和彦さん(75)は、初代パーソナリティーとして1993年9月まで放送の中核を担った。中上健次が後に設立した「熊野大学」の前段階であった「熊野大学準備講座」や御燈祭(おとうまつ)り、那智の原生林、四十八滝、当時のリスナーからのはがきなど「思い出は山ほど」と振り返る。

 「住んで、いろいろな人と出会って、生活を共にして熊野の魅力を感じた。親切を受けたことも数多い。熊野は古来から多くの人を受け入れてきた優しい土地で優しさは熊野の本質だと思う」。

 一方、「妻との結婚を決めるきっかけともなった新宮市への赴任は、人生の中で一番大きな転機だった」と語るのは93年10月から98年3月まで、2代目パーソナリティーを務めた小川孝夫さん(56)。

 「阪神・淡路大震災の時は繰り返しの情報を伝えるだけで、力のなさを感じた」と回顧しつつも「新宮で生まれた娘は、私が出演する明日16日に入籍する(取材は15日)。当時、ここは楽しくて子育てに最適な所だと思った」。

 現在も同放送局で和歌山県地域密着アイドルグループの冠番組のディレクターを担当する小川さん。「何らかの形で携われることができてうれしいです」と話していた。

 最後のラジオカーリポーターによるインタビューに応じた田岡実千年市長は「長きにわたり、いろいろな思いを届けていただいてありがたい限り。さみしくなるが、これからも県民の放送局として活躍を期待しています」と語った。

 最後の放送は17日午後1時から。3代目パーソナリティーの平井理弘さんが出演する。

(2023年3月17日付紙面より)

(前列左から)小川孝夫さん、小田川和彦さん、引本孝之さん、(後列左から)柿白享子さん、尾崎さとみさん=15日、オークワ仲之町店内の新宮スタジオ
最後のインタビューに応じる田岡実千年市長=同日、新宮市役所
2023年03月17日
55 外国人観光客の防災
 町内事業者集め研修  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は15日、那智勝浦観光機構の協力の下、町内事業者を対象にした「外国人観光客に向けた防災研修」を行った。約10人が参加、災害発生時の外国人観光客への対応をどうすべきかを学んだ。

 初の取り組みとなる。同町役場防災対策室の柴田通仁さんが、和歌山県による災害発生時の外国人への避難所対応の講習を受け、これを避難所以外の外国人観光客にも応用できるのではと発想。那智勝浦観光機構の協力を得て実施に至った。柴田さんが「もしもの時の外国人観光客への対応や情報提供について」を演題に講話した。

 柴田さんは、外国人観光客の特性として▽日本語が話せない▽土地勘がない▽災害の基本知識を持たない▽文化・宗教の違いにより災害時行動や避難所でトラブルの可能性あり―と説明。「外国人観光客に災害関連情報の入手方法を確認しておいてもらう必要がある」と話した。

 そのために普及啓発を行うべき災害関連アプリとして「セーフティティップス」を紹介。「緊急地震速報や津波警報などを通知する無料アプリで、14カ国語15言語で提供する。この案内板を店内などに掲示し、QRコードも表示すれば、外国人観光客にも役に立つ」と語った。

 翻訳アプリ「ボイストラ」も紹介。「31言語に翻訳してくれる。日本語で話して翻訳してもらい、相手に何語が話せるかをタップしてもらえば、会話が始まる。ポイントは、やさしい日本語で話しかけること。難しいと誤訳が多くなる」と述べた。

 一般財団法人自治体国際化協会のサイトにある▽災害時多言語表示シート▽災害時用ピクトグラム(案内用図記号)▽多言語指さしボード―に言及、有効性を伝えた。

 和歌山県が行う「外国人サポートメール」についても「空メール送信で登録できる。印刷して外国人観光客に配布していただければ」と勧めた。

 また町や観光機構としても「観光客への災害情報の伝達や、宿泊を伴わない観光客への避難案内を実施する」とした。「事業者さまも災害時のご協力を」と呼びかけた。

 熊野別邸中の島の長谷川文平取締役は「研修を受け、ピクトグラムの準備が足りていないと分かったので、そこをどう拡充させていくかが旅館としての課題かと思った。ただ、一番怖いのは津波。5分ぐらいで来るともいわれているので、今後の検討課題として、適切なやり方を考えていきたい」と話した。

(2023年3月17日付紙面より)

柴田通仁さんの説明を聞く参加者=15日、那智勝浦町役場
2023年03月17日
56 クマノザクラ楽しんで
 みなと橋やゆかし潟で満開  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町二河の国道42号沿いのみなと橋すぐ横に植わっているクマノザクラが満開を迎えている。また、ゆかし潟周辺のクマノザクラも同じく満開を迎え、地域に彩りを添えている。

 クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。森林総合研究所の勝木俊雄博士らが新種として命名、発表した。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。

 みなと橋横の木は秋にも花を付け、二度咲きすることでも知られている。クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」では、「みなと橋小春」と命名している。

 そこから少し離れたゆかし潟沿いの歩道にも小さなクマノザクラが確認できる。この木は「ハート型の汽水湖」としても有名なゆかし潟のハート上のくぼみ部分から対岸に位置しており、花びらは背を見せているのが特徴だ。

 同町湯川の喫茶きよもんの駐車場からは、ゆかし潟を見渡すことができ、周辺に植わる多くのクマノザクラが楽しめる。

 同会会員の大江伸二さんによると、現在、各地で確認できるサクラのほとんどがクマノザクラであるという。その確認方法として「一つの花芽に2個の花が付く」「花柄は比較的短くて毛が生えていない」「葉身が卵形で幅が18~36㍉と細長く、鋸歯が粗い」などの特徴を挙げた。

 大江さんは「背を見せているクマノザクラは、佐藤春夫が命名したゆかし潟のゆえんでもある『奥ゆかしさ』を感じさせる。『ゆかし桜』と名前を付けてみた。いろんな見方で楽しめるのでは」と笑顔。

 観賞については「ゆかし潟は1周2・1㌔あって、30~40分のほど良い散歩コース。ジオパークの説明書きがある場所にも車を止めることができる。歩きながら多くのクマノザクラを楽しんでほしい」と話していた。

(2023年3月17日付紙面より)

みなと橋横のクマノザクラが満開=13日、那智勝浦町二河の国道42号
奥ゆかしさを感じさせる『ゆかし桜』
喫茶きよもんからは多くのクマノザクラが楽しめる
2023年03月17日
57 劔持家に伝わる「慶喜奏聞書」
 「丹鶴ホール」で展示中  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」2階の「熊野サロン」で、「江戸幕府一五代 徳川慶喜奏聞書 写(うつし)」の特別展示が始まった=写真。4月末まで展示している。

 江戸幕府かつ日本史上最後の征夷大将軍、徳川慶喜。江戸末期、「薩長同盟」が成立し倒幕への動きが加速する中、慶喜は1867(慶応3)年10月に政権を朝廷に返上した。

 奏聞書は、慶喜から明治天皇に宛てたもので、慶喜に対する辞官納地の決定に激昂した主戦論派の幕閣によって作成され、京都に持ち込まれたもの。

 岩倉具視らの抑止で天皇への提出には至らなかったが、旧幕府側では江戸城に召集された諸大名・重臣らに老中から本書の写しが渡され、また早々に兵を率いて集まるようにと呼びかけられた。

 紀州藩においては「南紀徳川史」に、老中から江戸の紀州藩家老に渡されたと記載があり、これが水野家中でも写され、水野家が新宮城領主として入部した際に側用人として浜松から入国したという劔持家に伝わることとなったとされる。

 今回の展示は、市が同市下本町の劔持幸代さんより預かった奏聞書を一般公開するもので、市が所蔵する「御広間三番方勤役日記」(1867年)も併せて展示。同書は城主の命により赤井武左衛門らが記した水野家中の日記で、城中の出来事や、城主・家臣の動きなどが記されている。

(2023年3月17日付紙面より)


2023年03月17日
58 1位に野中誠一さん  写連紀南支部3月例会  
2023年03月17日
59 親子でプログラミング学ぶ  県教委が方法や思考教える  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
60 焼き肉モリモリおいしいね  わかば保育園で卒園前に  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
61 小学校でも頑張ってね  丹鶴幼でお別れ会  (新宮市 )
2023年03月17日
62 一回の使用も駄目  薬物乱用防止教室  (三輪崎小学校 )
2023年03月17日
63 「適切な生活設計を」  那智中学校で消費者教育  
2023年03月17日
64 あ、今年もこの臭い…  ヒサカキの花が咲く  (那智勝浦町 )
2023年03月17日
65 串本町へトルコ義援金寄託  組合長自ら目録読み上げて  (和歌山東漁業協同組合 )
2023年03月17日
66 4組が演奏を響かせる  町民音楽祭バンドの部  (串本町 )
2023年03月17日
67 校区に義援金など呼びかけ  大島小児童が受け付け寄託  (串本町 )
2023年03月17日
68 サイクルツーリズムの推進を  東紀州サイクリング活用推進協  
2023年03月17日
69 鵜殿長照、町のPRに  紀宝町議会一般質問③  
2023年03月17日
70 自宅への不審電話に注意  すぐに相談窓口へ連絡を  (紀宝町 )
2023年03月17日
71 第2期入選作品を発表  新宮市インスタグラムフォトコンテスト  
2023年03月17日
72 トルコ地震に救援金  団員有志が善意の寄付  (新宮赤十字奉仕団 )
2023年03月17日
73 お悔やみ情報
  
2023年03月16日
74 インバウンド誘客に向け
 6社招き、FAMツアー  (新宮市 )

 新宮市は14、15の両日、市内各所でインバウンドFAM(ファム)ツアーを実施した。東京や大阪の旅行会社6社から6人が参加。ガイドらと共に名所を巡りアクティビティーを体験。観光資源やその魅力を発見する機会とした。

 FAMツアー(トリップ)はモニターツアーの一種。国や自治体などが観光誘致を目的に、旅行会社やメディアなどに現地視察してもらい、観光客目線で実際に体験したツアーやサービスを発信してもらう狙いがある。

 入国制限の緩和や、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据え、インバウンドの誘客に力を入れる同市ではこのたび、今後の旅行商品造成のきっかけづくりや、新たな観光コンテンツを体験してもらおうと、訪日外国人を取り扱う旅行会社を招待するに至った。

 ツアーに参加したのは▽㈱リベルタ▽G Adventures▽INTO Japan▽ジャパンリンクストラベル▽㈱JTBグローバルマーケティング&トラベル▽㈱HIS―の6社。

 1日目14日は、ガイドの福辻京子さんらの案内を受けながら、一行はEバイク(電動アシスト自転車)で熊野速玉大社や神倉神社、阿須賀神社へ。このほどリニューアルした熊野速玉大社神宝館見学や絵解きを通して、同市の文化的魅力に触れた。

 15日は大雲取越や高野坂のトレッキング、熊野川川舟下り、スイーツ巡りなどを通して、自然や歴史などを楽しんだ。

 ツアーに参加した「INTO Japan」のツアーコンサルタントで英国人のダニエル・リッチーズさんは「神話や伝説、祭りなどローカルでユニークなカルチャーを通して日本の文化や自然に触れられて素晴らしいと感じた。和歌山県も新宮市も、海外の人にはあまり知られていないのでこの機会を利用して広めていきたい」と笑顔で語った。

 なお、コロナ禍前の2018年には、9112人の訪日外国人が同市(熊野川町含む)を訪れた。22年は新型コロナウイルスの影響で1406人にまで落ち込んだが、入国制限の緩和に伴い、訪日外国人数は徐々に増加しているという。

(2023年3月16日付紙面より)

6社6人が市内の名所を巡った=14日、新宮市の神倉神社
538段の石段も体験
2023年03月16日
75 みんなが助かるために
 下小防災伝え隊が発表  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、6年生9人による発表「下小防災伝え隊~みんなが助かるために、わたしたちにできることって?~」があった。全校児童や地域住民が参加し、防災について学んだ。

 6年生は本年度、役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話や修学旅行での「人と防災未来センター」(神戸市)訪問などを通じ、防災について学んできた。

 発表では、児童や保護者を対象にしたアンケート結果を基に「ほとんどの人が地震発生時の避難場所を知っていたが、逃げる準備をしている人はあまりいない。南海トラフ地震が何年周期で起きているか知らない人が多かった」と問題提起。

 海洋プレートの沈み込みによって起こる海溝型地震の仕組みを解説し「今後40年以内に90%の確率で南海トラフ地震が起こる。那智勝浦町では、東海・東南海・南海の3連動地震で死者5200人、家屋の全半壊6100棟、南海トラフ巨大地震で死者1万1700人、家屋の全半壊7800棟の被害がでると予想されている」と警鐘を鳴らした。

 非常時に備える3ステップとして▽バッグやポケットに常に携帯しておくもの(0次)▽被災の1日を乗り切るコンパクトな非常持ち出し袋(1次)▽何日か自給自足してしのげる物品の備蓄(2次)―をそれぞれ用意しておくとの考え方を示した。

 サイコロトークでは、地域住民と混合の3グループに分かれ、さまざまなテーマで話し合った。「家の中で危険だと思う場所」では「刃物や陶器があるキッチン」「大きなタンスや冷蔵庫の近く」、「下里校区内で安全な場所」では「津波のことを考えると、どこも安全とは言い難いのでは」との意見が聞かれていた。

(2023年3月16日付紙面より)

町の被害予想を解説=14日、那智勝浦町立下里小学校
地域住民とサイコロトーク
2023年03月16日
76 カルシウムしっかりと
 城南中学校で食育講座  (新宮市 )

 新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)は14日、新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんを講師に招き、食育講座「栄養のはなし」を開いた。1年生58人が受講、成長のためにカルシウムの摂取が重要であることを学んだ。

 大西さんは、ある日の学校給食の栄養素のグラフと、メニューから牛乳を除いた場合のグラフを提示。あらゆる栄養素が大きく減少することを示し「牛乳は栄養バランスの良い食材です」と話した。

 カルシウムは骨や歯に99%、血液や細胞に1%が含まれることを説明。「骨はカルシウムを貯蔵し、血液中のカルシウム濃度を調節、骨格を形成する」「血液や細胞では、神経伝導や筋肉収縮を調節し、血液を固める機能を活性化させる」などと述べた。

 骨はカルシウムとコラーゲンで作られていることを解説。「カルシウムが少ないと折れる。10代から20代は一番骨に蓄えやすい」と語った。カルシウムが多い食材として▽牛乳・乳製品▽大豆製品▽小松菜などの野菜▽ワカサギなどの魚介類▽ひじきや昆布などの海藻―などを挙げた。カルシウムの多い給食のメニューも紹介した。

 体内のカルシウムを増やすためには、規則正しい生活をして日光を浴びることも大切と強調。「カルシウムをたくさん取って、骨を豊かにしてください」とまとめた。

(2023年3月16日付紙面より)

カルシウム摂取が重要であることを学んだ=14日、新宮市立城南中学校
講話する大西勇也さん
2023年03月16日
77 トルコ・シリア復興のために
 太地中生徒会が義援金届ける  (太地町 )

 太地町立太地中学校生徒会(山下創太郎会長)の5人は14日、同町役場を訪問し、自身らで集めたトルコ南東部地震災害義援金を宇佐川彰男教育長に手渡した。義援金は和歌山県を通じて、訪日トルコ大使館に届けられるという。

 2月にトルコ南東部で発生した大地震やその被害を受け、生徒会で義援金を集めることを決定。同校玄関で実施するあいさつ運動の際に、義援金箱を持って、生徒らに寄付を呼びかけたという。

 今月6日から10日の間で合計1万300円が集まった。14日は引率の教諭と共に、山下会長、宇佐川昊副会長、脊古陸駆副会長、由谷蓮太郎さん、竹田成さんが訪れた。

 山下会長は「多くの方々が呼びかけに応えてくれて良かった。トルコとシリアの復興のために使ってください」と話した。

 宇佐川教育長は「太地町や町教育委員会では、太地の子どもは賢く、思いやりのある子に育ってほしいという思いで、多くの施策に取り組んできた。生徒会の皆さんで集めていただき、本当にありがたい。義援金は、町から県を通してしっかりとトルコに届けていただきます」と語った。

(2023年3月16日付紙面より)

太地中学校生徒会の皆さんが義援金を町に届けた=14日、太地町役場
2023年03月16日
78 敷地さん(男子)、雜賀さん(女子)が制す
 新宮GG同好会「早春大会」  
2023年03月16日
79 各部門で熱戦繰り広げる
 春季社会人学生卓球大会  
2023年03月16日
80 優勝は妹尾さん(男子)、松本さん(女子)
 グラウンドゴルフかつうら大会  (県年金受給者協会 )
2023年03月16日
81 目標に向け努力する姿を
 宮戸伸之会長が剣道八段優勝大会に  (新宮剣友会 )
2023年03月16日
82 買い物ごっこで思い出  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2023年03月16日
83 子育て支援対策など取り上げ  紀宝町議会一般質問②  
2023年03月16日
84 防災グッズ「避にゃんセット」  生徒らが考案し販売へ  (紀南高 )
2023年03月16日
85 危険な外来植物を除去  タウンガーデンで有志ら10人  (新宮市 )
2023年03月16日
86 クマノザクラ楽しんで  加寿地蔵尊までのゲート開放  (那智勝浦町 )
2023年03月16日
87 もうすぐ保育園だね!  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2023年03月16日
88 花見シーズンに向け  佐野川沿いでちょうちん設置  (新宮市 )
2023年03月16日
89 挑戦することを忘れずに  みくまの支援学校小・中学部卒業式  (新宮市 )
2023年03月16日
90 感想述べ合い締めくくる 古座川町チームが解団式 (ジュニア駅伝)
2023年03月16日
91 高池小6年生が案内に挑戦  タイプ木前で子どもガイド  (古座川町 )
2023年03月16日
92 発令対象職員55人を発表  4月1日付人事異動内示  (串本町 )
2023年03月16日
93 お悔やみ情報
  
2023年03月12日
94 大和舞、八咫烏舞の稽古開始 例大祭に向け、地元小中学生ら (田辺市本宮町)

 4月13~15日に斎行される、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)令和5年度例大祭「本宮祭」に向け、地元小中学生らによる「大和舞」と「八咫烏(やたがらす)舞」の稽古が始まった。10日夜、同大社瑞鳳殿で顔合わせと初稽古が行われた。4月15日(土)に旧社地・大斎原(おおゆのはら)で営まれる「斎庭(さいてい)神事」で奉納する。

 熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣を願う祭り。

 毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩るが、新型コロナウイルス感染症の影響でおととし、昨年は規模を縮小して斎行。伴い、本来なら子どもたちが舞う「大和舞」「八咫烏舞」も青年会有志らが継承していた。

 従来に近い規模での斎行が予定されている今年の例大祭では、3年ぶりに地元小中学生らが祭りに参加。本宮・三里小学校と本宮中学校の小6~中2(祭り時点)の8人が本番に向けて4回の稽古と大斎原でのリハーサルに臨む。

 初稽古に当たり、九鬼宮司は「コロナはまだ収束していないが、少しでも前に進むという思い。しかし、学校やご父兄の理解がないと前に進むことはできない。感謝を申し述べるとともに、元の祭り以上ににぎやかなものとなるようお力添えを」と協力を求めた。

 「大和舞」に初挑戦する岩田耕希さん(13)=本宮中学校=は「最初は不安だったけど練習するうちに覚えられた。自信を付けて本番に臨みたい」。「八咫烏舞」を舞う真砂りえさん(13)=同=は「小学4年生の時に本宮町に引っ越してきて、祭りで八咫烏舞を見た時からやってみたいと思っていた。足の動きが難しかったので家でも練習したい」と意気込む。

 榎本隆文総代会長は「3年ぶりの従来に近い形での斎行。子どもたちにはおおいに期待している。本番までに稽古を重ねて頑張ってほしい」と話していた。

(2023年3月12日付紙面より)

舞に参加する子どもたちが初稽古に励んだ=10日夜、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2023年03月12日
95 グラウンドの雑草を除去
 太田小学校で芝生の日  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で5日朝、「芝生の日」があった。児童や保護者、教職員、地域住民ら41人が参加し、グラウンドの雑草除去作業に取り組んだ。

 同校は県教委の屋外運動場芝生化促進事業を活用し、2008年度からグラウンドを全面芝生に。月1回ほど「芝生の日」を設定して手入れをしている。近年は種子に鋭いとげを持つ外来植物のメリケントキンソウに苦慮していたため、冬休み中に業者に依頼し、ほぼ全面に繁殖していたトキンソウの除去を行ったという。

 この日の作業は、水を含むと寒天質になって児童の転倒の原因となる「イシクラゲ」や、種ができる前のスズメノカタビラを中心に行われた。

 朝8時にグラウンドに集合した参加者たちは、各所に散らばって作業を開始。1、2年生たちも一輪手押し車を押して雑草を回収し「草はありますか」「ありがとうございます」と声をかけて協力していた。

(2023年3月12日付紙面より)

1、2年生も作業に協力=5日、那智勝浦町立太田小学校
2023年03月12日
96 東日本大震災から12年
 熊野速玉大社で復興慰霊祭  (新宮市 )

 東日本大震災の発生から12年となる11日、被災者を追悼し被災地の復興を祈る式典が全国各所で営まれた。新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では復興慰霊祭がしめやかに執り行われ、同大震災をはじめ、世界各地で発生した自然災害の犠牲者の鎮魂と一日も早い復興を祈念し玉串が供えられた。

 2011年3月11日午後2時46分ごろ、宮城県牡鹿半島の東南東沖で発生した同大震災。日本国内最大規模で、アメリカ地質調査所(USGS)によれば、1900年以降、世界でも4番目の規模となった。マグニチュードは9・0。宮城県北部の栗原市で最大震度7が、宮城県、福島県、茨城県などで震度6強が観測された。

 太平洋沿岸部を未曽有の大津波が襲い、地震に伴う福島第一原子力発電所事故の影響もあり多くの人が避難所生活を余儀なくされた。警察庁のまとめでは、今年2月末現在で全国の死者は1万5900人、不明者2523人。復興庁によると、避難生活の疲労などが原因の震災関連死は昨年3月末現在で3789人に上る。

 同大社の復興慰霊祭には、大社崇敬会や敬神婦人会の会員らが参列。上野宮司は、同大震災や熊本地震、トルコ・シリア大地震などの犠牲者への哀悼の意や復興の願いを祝詞に込め、巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。

 上野宮司は「季節は移り変わり、何事もなかったかのように優しく動くが、あの時の悲しみは拭うことはできない。あの日を忘れず、人々の心に寄り添うことが大事。悲しみを乗り越え、立派な国になるよう力を合わせていかなければ」と思いを語った。

(2023年3月12日付紙面より)

巫女が「浦安の舞」を奉納=11日、熊野速玉大社
慰霊と復興の思いを込め玉串をささげた
2023年03月12日
97 住宅用火災警報器の設置を
 紀宝町では購入費補助も  

 消防白書によると、住宅火災による死者の約8割が高齢者で、亡くなった人の半数近くは逃げ遅れだという。一刻も早く火災に気付くため、設置が義務化されている住宅用火災警報器(住警器)。消防庁の調査では昨年6月1日時点の全国設置率は84%。三重県は78・9%となっている。

 熊野市消防本部によると、管内の熊野市、御浜町、紀宝町の設置率は2016年が53%で、以降、54%、58%、66%、68%、73・6%。昨年6月1日現在で72%だった。

 設置から10年以上経過した住警器は、汚れやごみなどにより火災を感知しない場合があり、こまめに点検や掃除が必要。製造から10年経過したものは部品の寿命などで火災を感知しない場合があり、10年を目安に交換することが勧められている。

 紀宝町では、町内の世帯を対象に住警器の購入費補助事業を行っており、周知を図るため町消防団(逢野統一団長)と同町鵜殿の主婦の店で街頭啓発を実施。女性消防団員がチラシを配布し「ご家族の安全のためにも必ず設置しましょう」と呼びかけた。

 一般世帯は購入費用の半額、65歳以上のみの世帯は全額をそれぞれ補助する。補助額はいずれも1世帯につき1回のみで、上限は5000円。

 先着順で募集しており、購入前に募集件数を超過していないか問い合わせを。申し込みは、役場総務課防災対策室(電話0735・33・0335)まで。

(2023年3月12日付紙面より)

住宅用火災警報器の設置を呼びかける女性消防団員
2023年03月12日
98 家屋や店舗の解体進む  県道の拡幅工事に向け  (新宮市 )
2023年03月12日
99 渡御順路変更など共有 「本宮祭」斎行に向け意見交換 (熊野本宮大社)
2023年03月12日
100 追加含め全議案が可決  3月定例会が閉会  (太地町議会 )
2023年03月12日
101 念願の休憩所も好評  下里とも子ガーデン  (那智勝浦町 )
2023年03月12日
102 安全なくくりわなを作成  狩猟事故防止講習会  (御浜町 )
2023年03月12日
103 下地さん、辰巳さんが優勝  3年ぶり、グラウンドゴルフ大会  (紀宝町福祉連絡会 )
2023年03月12日
104 誰一人取り残さない社会を  ヤングケアラーの現状学ぶ  (人権研修会 )
2023年03月12日
105 木本、紀南高校の統合を表明  2025年4月から校舎制に  (三重県教育委員会 )
2023年03月12日
106 みんなの活動を知ろう  第16回しんぐう元気フェスタ  (新宮市 )
2023年03月12日
107 小ぶりな薄紫の花  タチツボスミレ咲く  
2023年03月12日
108 お悔やみ情報
  
2023年03月10日
109 看板設置でシンボル周知
 地域見守る伊勢平柿の分身  (補陀洛山寺 )

 「なちかつ古道を守る会」(地庵晋司会長)は8日、那智勝浦町の補陀洛山寺(髙木智英住職)の境内にある伊勢平柿の分身である柿の木の前に手作りの看板を設置・奉納した。由緒ある柿の木は、3月を迎えた現在もその実を枝に蓄えている。

 この伊勢平柿は接ぎ木で植えられたもので、元の木は同町川関の熊野古道沿いにある「ふだらく霊園」内の推定樹齢800年以上と伝わる古木だ。鎌倉時代に源頼朝(1147~99年)の死後植えられたと伝わっており、町の天然記念物にも指定されている。

 かつての巨木が長年の風雨などの影響で、樹勢が衰えた姿を目の当たりにした故・苅屋茂登恵さんや故・池本泰三さん、西わさ子さんら町民有志が2002年、「貴重な柿の木を未来へ残そう」と立ち上がる。

 樹木医などの協力を得て枝を取り、紀の川市の和歌山県果樹試験場かき・もも研究所で育成してもらい04年に植樹。那智山青岸渡寺など町内各所に5本植えたが、無事に育ったのは同寺の木のみだったという。

 木が境内の奥にあって目立ちにくいことや参拝者・町民にも広く知ってもらえるようにと、守る会が同寺や町教育委員会に相談。手続きを経て今回の設置に至った。看板はヒノキ製で「伊勢平柿 樹齢八百年の古木から接ぎ木 命を受けついだ」と彫られている。

 看板の制作者で、守る会の小松隆幸さんは「材料から考え、2日ほどで仕上がった。小さな接ぎ木から命がつながっていることが大切。地域の皆さまに知ってほしい」。

 地庵会長は「ふだらく霊園の北条政子にまつわる柿の木から接ぎ木した由緒ある柿。この機会に広く知っていただけたら」と話した。

 過去に同会の会員でもあった西さんは「苅屋さんも、池本さんもきっと喜んでいるはず。私もとてもうれしいです」と笑顔を浮かべた。

 参拝者に木の存在を知ってもらおうと、木を紹介した新聞記事や案内を促す矢印を壁に張り出した同寺の管理人・南善文さんは「本当にありがたいこと。柿を多くの方々に知っていただけたら幸いです」と述べた。

 髙木住職は「由緒があり、多くの風雨にも実を落とさないこの木は寺にとってもシンボル。看板をご用意いただき、感謝しています。お寺は住職一人ではやっていけない。地域の皆さまに守っていただいているからこそ。この先もこの寺に何百年と根付いて、地域を見守ってほしい」と語った。

(2023年3月10日付紙面より)

伊勢平柿の分身の木に看板を設置した皆さん=8日、那智勝浦町の補陀洛山寺
シンボルの柿の木を周知
2023年03月10日
110 研修受け活動の充実図る
 東牟婁老人クラブ指導者研修会  (那智勝浦町 )

 東牟婁郡老人クラブ連合会(奥根公平会長)は8日、「東牟婁地方単位老人クラブ指導者研修会」を那智勝浦町体育文化会館で開いた。那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村の老人クラブから54人が参加。相続などや人権に関する各研修を受け、学びを深めた。

 同研修会は単位老人クラブ指導者(会長・副会長クラス)の研修会を行うことで、指導者の資質向上とクラブ活動の充実、発展を目的に実施している。

 奥根会長は講師や那智勝浦町、和歌山県の尽力に感謝を述べ「コロナ禍で多くの行事が、延期や開催ができなかった。本日の研修会、盛大に開催できることをうれしく思う」とあいさつ。

 東牟婁振興局健康福祉部の杉本善和部長が「皆さまの力でより元気な地域にしていただければ」と祝辞を述べた。

 新宮公証役場の三橋豊さんが講師を務め「相続・遺言・後見等について」を講演。相続や財産について▽相続は死亡により、所有していた財産などが引き継がれること。遺言と遺産分割がある▽遺言は、生前の意思で死亡後の財産などの引き継ぎ先をを指定する。相続は相続人以外も可能▽遺産分割は死亡後に、法律で決められた相続人が話し合い、財産などの引き継ぎ先を決める。相続は相続人に限定▽財産はその者が有していた物や権利。不動産や預貯金などの積極財産や借金、連帯債務といった消極財産も含まれる―と紹介した。

 相続財産の把握や相続人間での協議など、遺産分割協議の詳細も説明。遺言の種類では、自ら手書きで作る自筆証書遺言や公証役場で公証人と相談しながら作成する公正証書遺言があるとした。

 「財産争いを未然に防止する」などの遺言のメリットを解説。公正証書遺言のメリットとして「適法な内容で安心、確実」などを挙げ「手間や手数料がかかる」などのデメリットも伝えた。

 遺言でないと相続できないケースや自ら行使できない事務をサポートする後見などの制度や権利擁護の手段にも触れた。三橋さんは「財産の多い少ないは関係ない。自分が築いたものを次の世代に残すことで、本人の思いはつながっていく。遠慮なく、ご相談ください」と呼びかけた。

 人権研修では東牟婁振興局の人権主幹・濱口美都子さんが「高齢者の人権―認知症を学ぶ―」を講演。認知症の症状について、記憶障害や理解・判断力の障害、実行機能障害などを挙げた。

 元気がなく、引っ込み思案になることがあるなどの行動・心理症状にも触れ、環境や介護者などの周囲の援助方法により改善される可能性もあるとした。認知症者への支援や接する際の心構え、認知症者を介護している家族の気持ちを理解すること、認知症の予防なども解説した。

 最後は同連合会の更家正也副会長があいさつし、研修会を締めくくった。

(2023年3月10日付紙面より)

各クラブの代表などが集まり学びを深めた=8日、那智勝浦町の体育文化会館
奥根公平会長
三橋豊さん
2023年03月10日
111 明神小の頑張りに高評価
 読書活動優秀実践校表彰  (古座川町 )

 古座川町立明神小学校(濵地久夫校長、児童11人)がこのほど、県教育委員会が実施するきのくに読書活動優秀実践校表彰の対象校に選ばれた。8日に臨時集会を開いて表彰状などの伝達を受け、日頃の読書活動に対する評価をみんなで喜んだ。

 この表彰は、県内の公立小学校や義務教育学校〈前期課程〉、特別支援学校〈小学部〉における読書活動の活性化と児童の読書の質的・料的充実を目的として前年度から年1回の頻度で実施。例年2月実施の学校図書館教育に係る調査から1人当たりの読書冊数を抽出し、その数値が多い未表彰校20校を選考し3月1日付けで表彰している。

 同町教育委員会は、子ども教育15年プラン〈改定版〉において重点項目の一つに位置付けている読書活動推進を達成するために同推進員を起用。学校図書室の環境を児童に分かりやすい形へと整え、ブックトークや読み聞かせなどの演示を通して読書の啓発に努めている。濵地校長によると、明神小はこの状況を生かして週2回の始業前活動「学びタイム〈読書〉」を実施。週1回の頻度で読書集会を開いて木本陽子・同推進員の演示を受け、それを手本にして児童もブックトークや学期ごとに1回の頻度で高学年が低学年に読み聞かせをするなどしている。

 さらに図書委員を立てて児童主体の読書活動推進にも力を入れ、本年度の同委員は週1回の学校図書室からの貸し出しの仕事をこなしつつ、校内放送による読書の呼びかけや読書週間期間中にはみんなで花の形をした紙に読んだ本のタイトルと名前を書いて幹を描いたポスターに貼る行事「読書の木キャンペーン」をするなどみんなで読書を楽しむ雰囲気つくりに頑張ってきたという。

 その成果の一端として、同調査では1人当たりの読書冊数は94・64冊(4~1月の平均値)と報告。この実績により県内20校中の1校に選ばれ、表彰されるに至った。この日は県教委の指導主事2人が来校し、明神小を代表して図書委員の山本玲志君(5年)が表彰状、谷口紬さん(同)が副賞(図書カード5万円分)の伝達を受けた。濵地校長は同推進員が来てくれるからこその成果だと感謝しつつ、その先にある児童の頑張りに対する高評価を喜んだ。

 来校した指導主事2人によると本年度、東牟婁地方では明神小と那智勝浦町立太田小学校の2校が選ばれているという。

(2023年3月10日付紙面より)

きのくに読書活動優秀実践校表彰の伝達を受ける山本玲志君(右)と谷口紬さん=8日、古座川町立明神小学校
2023年03月10日
112 花見時期前に清掃活動
 生徒有志が新宮城跡で  (近大新宮 )

 新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の生徒会(梅崎光会長・速水救会長)は8日、全校生徒にボランティアを呼びかけ、新宮(丹鶴)城跡とJR新宮駅で清掃活動を行った。有志の約130人が参加、散乱するごみを拾い集めた。

 生徒のボランティア活動意識の向上と、社会に積極的に参加する姿勢の育成のため実施。コロナ禍前は年3回、王子ヶ浜や徐福公園、市田川などさまざまな場所で行っていたが、感染拡大を受けて一時期、中断していた。新宮城跡とJR新宮駅での実施は、昨年の5月以来となる。

 高校1年生と中学生が新宮城跡を、高校2年生がJR新宮駅を清掃した。新宮城跡では、中学3年の速水会長があいさつ。「ここは新宮市の歴史ある素晴らしい城跡。花見シーズンも近づいている。花見に訪れる人にきれいと思ってもらえるよう、頑張りましょう」と呼びかけた。

 この後、清掃を実施。火ばさみやごみ袋を持ち、落ちたごみを探した。近年の美化意識の高まりからか、ごみはほとんど落ちておらず、生徒らは協力して落ち葉を集め、ごみ袋に入れていた。高校1年生の小沼佑斗さんは「ボランティアには積極的に参加しようと思って来た。来たときよりも美しくなるよう、磨きに磨きをかけて頑張りたい」と意気込んだ。

 なお今年は4年ぶりに、新宮市による新宮城跡での夜桜ライトアップが予定されており、すでに多くのちょうちんが下がっていた。期間は18日(土)から4月28日(金)までを予定、点灯時間は午後6時から午後11時までとなっている。

(2023年3月10日付紙面より)

落ちたごみを探して拾い集めた=8日、新宮城跡
2023年03月10日
113 県立高校で後期選抜試験  17日に合格発表  (三重県 )
2023年03月10日
114 大正琴や舞踊など披露  4年ぶり、芸能発表会に21団体  (紀宝町 )
2023年03月10日
115 全会一致で再任  漁野洋伸副町長2期目へ  (太地町 )
2023年03月10日
116 4人登壇、市長の政治姿勢など  新宮市議会一般質問②  
2023年03月10日
117 歌やゲームで楽しい時間  マリア保で「ひなまつり会」  (新宮市 )
2023年03月10日
118 春の野草について学ぼう  自然探訪スクールに16人  (宇久井VC )
2023年03月10日
119 宝探しスタンプラリー  ビー・スターがイベント  (那智勝浦町 )
2023年03月10日
120 県立高校の入試始まる  新宮・新翔は305人  
2023年03月10日
121 ハクモクレン満開間近  カワヅザクラや菜の花も見頃  (那智勝浦町 )
2023年03月10日
122 2度の大波乗りこなす  角勇海さんが米ハワイで  
2023年03月10日
123 堀順一郎町長諸報告㊤  令和5年3月那智勝浦町定例会  
2023年03月10日
124 飛ぶ原理を体験して考える  町立体育館で科学実験教室  (串本町 )
2023年03月10日
125 器楽・合唱等で6組出演  4年ぶり町民音楽祭開演  (串本町 )
2023年03月10日
126 商店街に、春がきた  活性化イベント「春よこい」盛況  (新宮市 )
2023年03月10日
127 お悔やみ情報
  
2023年03月09日
128 「通いの場」を見える化
 社会参加促進へ、マップ発行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町役場福祉課高齢者支援係が3月、「通いの場マップ」を発行した。日常的に高齢者をはじめとする地域住民が集まって活動・交流している場を“見える化”することで社会参加を促し、生きがいづくりや仲間づくり、健康長寿の実現につなげることが狙いだ。

 「通いの場」は地域住民が主体となって月1回以上開き、介護予防に資する取り組みなどを行う場とされる。定期的に活動・交流の場を持つことで支え合いの輪を広げるとともに、認知機能低下や低栄養による衰弱を予防し、運動機能や口腔機能の向上につなげることができる活動として、近年、厚生労働省なども推進している。

 マップには、いきいきサロンをはじめ、ゆうゆう体操やいきいき百歳体操、茶話会、グラウンドゴルフ、カラオケ、ガーデニング、畑仕事、ヨガ、彫刻など多種多様な活動の場所や日時をまとめて掲載している。

 福祉課の桝本佳貴主査は「通いの場は地域の宝です。特別養護老人ホームやグループホームなど、高齢者を支える制度やサービスは整ってきているが、介護保険などの個別支援は高齢者の孤立につながることも。『介護の専門職に任せておけば大丈夫』ではなく、人と人がつながり、気にかけ合うような地域づくりが重要」と話す。

 マップは町役場福祉課や町福祉健康センターで配布している他、町のホームページでも公開している。福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)では通いの場への参加や立ち上げ、町社会福祉協議会(電話0735・52・5252)ではいきいきサロンに関する問い合わせをそれぞれ受け付けている。

(2023年3月9日付紙面より)

マップを紹介する桝本佳貴主査(左)と生活支援コーディネーターの岩本ひろ子さん
那智勝浦町発行の「通いの場マップ」
2023年03月09日
129 浅里バイパス、新規事業化決定
 三重県知事が西田町長と対話  (紀宝町 )

 一見勝之知事が県内各市町の首長らと対談する「知事と市町長の円卓対話」が7日、紀宝町で開かれた。工事が進む熊野川河口大橋、町が事業化を要望した一般県道小船紀宝線浅里バイパスの現場を視察した一見知事は「浅里バイパスは来年度から新規事業着手する。事業説明会、用地買収があり、皆さまにご協力いただきたい」と述べた。

 対話は浅里地区の飛雪の滝キャンプ場で実施し、地元住民、藤根正典県議、町議らが傍聴。西田健町長が求めたバイパス整備に応える形で新規事業化が実現した。

 地域の諸課題に対する共通認識の醸成を目指し、知事が地域に出向いて市町長らから意見を聞き、県政に役立てるもの。知事就任以降開催しており、紀宝町では初めてとなった。

 西田町長は、災害対策のためにも高規格道路が必要とし「一日も早く紀勢線が全線開通するよう整備促進を」と求めた。一見知事は高速道路早期完成の重要性を示した。

 医療費助成、給食無償化、移住新生活応援事業、固定資産税の減免、空き家バンク制度の充実など町の人口減少対策を把握した上で、さらなる支援要望を受けた一見知事は、子どもの医療費無償化、移住・Uターン促進の重要性を伝え、県の子ども支援予算の増額、移住対策コーディネーターの設置などを紹介した。

  □     □

「子育てするなら紀宝町」 ママサークルに意見聞く



 視察後、一見知事と西田町長は紀宝はぐくみの森に移動し、ママサークル「さくらんぼ」(舛屋秀美代表)のメンバー6人と対談した。

 県民から地域課題を聞く「知事と県民の円卓対話」で、15回目となった。一見知事は「今まで以上に子育て支援に力を入れ、市町を応援する。これからも子どもに優しい三重県を続けたい」と語った。

 さくらんぼは、子育ての孤立をなくし、前向きに元気にできるよう、2012年から始まり、毎月1回、イベントを開いている。舛屋さんは「親も子も楽しめる会なので、みんなが笑顔で元気になり、家庭での楽しい会話タイムができています」と活動の様子を伝えた。

 メンバーは、ファミリーサポートセンターや子育て支援センター、歯磨き指導、乳幼児健診、医療費、子育て相談など子育ての面から町の魅力を紹介。「子育てするなら紀宝町。年々、町が好きになっている」「医療費助成、ファミサポがあり、子育てしやすい」「ファミサポの存在が安心につながっている」などと語った上で、延長保育、遊具の設置、公園整備などを要望した。

 西田町長は「16年前、子育て支援センターとファミサポを公約に掲げた。『子育てするなら紀宝町』と言っていただき、うれしく思う。皆さんのご意見を子育て支援の参考にしたい」と話した。

(2023年3月9日付紙面より)

工事が進む熊野川河口大橋を視察する一見勝之知事(右)=7日、紀宝町鵜殿
円卓対話に参加したママサークル「さくらんぼ」と一見知事、西田健町長=紀宝町のはぐくみの森
2023年03月09日
130 戦禍の子どもの思い聞く
 中央公民館で人権講演会  (古座川町 )

 令和4年度古座川町人権講演会が4日に中央公民館であり、約100人が聴講して人権意識を高める一助とした。

 この講演会は町と町教育委員会と町人権尊重推進委員会が主催、町教育会と町連合PTAが共催。新型コロナウイルスの情勢により4年ぶりの実施となった今回は、戦場カメラマンとして30年来活動するフォトジャーナリスト・渡部陽一さんを講師に迎える内容を手話通訳付きで準備し、定員120人で事前申し込みを受け付けた。

 当日は主催者を代表して中道悟教育長が「戦争は人権侵害の最たるもの。今まさにウクライナでも戦争が行われていて、教育委員会として何かできることはないかと考え昨年12月のおとなのためのピアノ教室発表会をウクライナ支援チャリティーコンサートとして開かせていただいた。世界中にはまだまだ戦争があり、今日はその現実のお話を頂き平和や人権を振り返って考えるきっかけにしていただければ」と述べて参加を歓迎した。渡部さんは「戦場からのメッセージをあなたに~ファインダー越しにみた命の現場~」と題して登壇し、戦場カメラマンとなった経緯や30年来撮影を続けて伝えようとしている事柄を紹介。戦渦に巻き込まれて将来のために学ぶ機会を失い、その境遇に悲しみ泣く子どもたちが世界のどこかに常にいることを写真で知らせ続けるのが自身の活動だと伝えて、その現実や当事者である子どもたちの思いを訴えかけた。

 ウクライナ戦争の経緯も戦場カメラマンとしての目線で解説し、数々の戦場を見てきた自分は現状でこの戦争は終結しない(長期化する)と直感していると主張。戦争の終結に結び付く世界の大きな動きが生まれることを願いつつ、自身は今後も戦禍に直面する子どもたちがいることを伝え続ける意思を掲げた。時間が許す限り質問にも答えて理解を後押しした。

(2023年3月9日付紙面より)

戦禍で将来を奪われる子どもたちの存在を伝え託す渡部陽一さん=4日、古座川町中央公民館
渡部さんが伝える子どもたちの思いを真摯(しんし)に受け止める聴講者
2023年03月09日
131 一遍ゆかりの地で神仏に奉告 他阿一浄上人就任奉告法要 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)と同大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)で6日、「時宗総本山・藤澤山無量光院清浄光寺(神奈川県藤沢市、通称「遊行寺」)、他阿一浄上人就任奉告法要」が営まれた。大社や同寺の関係者ら約50人が参列。法主に就任した遊行七十五代他阿一浄上人が、本殿や一遍上人名号碑前で登位および法灯相続を奉告した。

 鎌倉時代中期から室町時代にかけて日本全土に広まった浄土系仏教・時宗の開祖・一遍上人(1239~89年)。同大社には、布教の在り方について苦悩した智真(後の一遍上人)が同大社証誠殿の御前で祈り続け、悟りを開いた逸話が残っている。

 大斎原には、1971年に熊野権現の霊告を受け、独一念仏を開顕した開眼供養の碑「一遍上人神勅名号碑」が建立され、1289年8月23日に入寂した一遍をしのび毎月23日に一遍上人月例祭が斎行されている。

 他阿は1278年、一遍に師事して以来、一遍の諸国遊行に従い、一遍が亡くなった後にいったん解散した時衆を再結成して集団組織化し、遊行を続けた。1304年に遊行を3世の量阿に譲り、相模国に草庵(後の当麻道場金光院無量光寺)を建立して独住し、83歳で示寂。一遍と並び「二祖上人」と通称されている。

 遊行四代呑海上人の開山以来、遊行上人が住まう寺として「遊行寺」の名で親しまれている清浄光寺。他阿一浄上人は、遊行七十四代他阿真円上人の遷化に伴い、昨年1月6日に登位。同大社本殿前において仏国祭、大斎原において法楽が執り行われた。祭事後には賦算が行われ、一浄上人が参列者らに念仏札を配った。

 九鬼宮司は、一遍上人を通した時宗と同大社との縁について話し「熊野は神仏が一体となって世界の平和を祈る場所。今日は他阿一浄上人の姿を目に焼き付けていただき、熊野が神仏一体に、心を一つにして平和・平穏を祈る場所であることを改めて感じていただければ」。

 一浄上人は「このような儀を執り行っていただけたことは感激の極み」と参列者らに感謝を伝え「同大社でお参りをしながら、熊野のこの地であったからこそ、そのご神勅にありつけたのだろうと改めて感銘した。皆さまのご加護がなければ到底務まる職ではないが、この世の中が平穏であることを一心に願いながら自分の誠をささげてまいりたい」と思いを語った。

(2023年3月9日付紙面より)

本殿前の仏国祭に参列した皆さん。前列中央が他阿一浄上人と九鬼家隆宮司=6日、熊野本宮大社
一遍上人名号碑前で行われた法楽の様子=同日、大斎原
2023年03月09日
132 百歳体操で体動かす  いきいきサロン子安  (紀宝町 )
2023年03月09日
133 児童ら昔の遊びを体験  讃壽会と3年ぶり交流  (鵜殿小 )
2023年03月09日
134 4人が登壇、当局質す  新宮市議会一般質問①  
2023年03月09日
135 町営バス無料化で賛否  条例可決、予算これから  (太地町議会 )
2023年03月09日
136 捕鯨文化や歴史を学ぶ  留学生らがツアーで訪問  (太地町 )
2023年03月09日
137 自分らしい生活を送って  みくまの支援学校で卒業式  (新宮市 )
2023年03月09日
138 点検や交換を呼びかけ  火災警報器で街頭啓発  (新宮市 )
2023年03月09日
139 車両2台で管内を一巡  春の防火啓発パレード  (古座川町 )
2023年03月09日
140 トルコ義援金寄託申し出  和歌山トヨタグループ  (串本町 )
2023年03月09日
141 高池小6年生がガイド練習  クマノザクラのタイプ木前で  (古座川町 )
2023年03月09日
142 お悔やみ情報
  
2023年03月08日
143 義務教育終え次の道へ
 公立中学校で卒業式  (新宮市・東牟婁郡 )

 新宮市・東牟婁郡の公立中学校で7日、卒業式が行われた。新宮市の215人、那智勝浦町の96人、太地町の15人、北山村の3人、串本町の89人、古座川町の32人が義務教育を終え、次の道へと歩み始めた。

  □     □

■城南中学校



 新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)では43人が、吉田校長より卒業証書を受け取った。

 吉田校長は式辞で「あなたたちの人生はこれから。可能性は無限。希望を持ち、夢を描き、命を輝かせて。城南中で学んだ全てを糧に、諦めず、へこたれず、前を向いて歩いて」と呼びかけた。

 卒業生を代表し、山中伶威さんが答辞した。学校生活での思い出を回想したほか、先生や家族への感謝を述べた。

 「仲間と別れ、それぞれの道を歩むが、絆はなくならない。いつか集まれることを楽しみに頑張る」と強調。周囲の支えに「ありがとう」を伝えて締めくくった。

  □     □

■那智中学校



 那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)では岡校長が卒業生47人に卒業証書を手渡した。

 卒業生代表の松岡木葉さんが答辞。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、平和の尊さや地元の魅力を学び、たくさんの挑戦を経て可能性を広げてきた中学校生活を振り返り、卒業生たちに「みんなと過ごした3年間は最高の宝物」。家族や教職員、在校生にもメッセージを贈り「次に会うときはマスクを取って、みんなで笑い合いましょう」と呼びかけた。

 卒業生たちは「3月9日」を合唱し、在校生から花束を受け取って会場を後にした。温かな拍手に包まれ、目を潤ませる様子も見られた。

  □     □

■太地中学校



 太地町立太地中学校(山田貴也校長)からは、15人が卒業した。

 山田校長は式辞で、小説「握手」に登場する「困難は分割せよ」の言葉を述べ「人生山あり谷あり。高校生や社会人になって壁にぶつかっても、一つ一つ焦らずに乗り越えていって」と語った。

 来賓の宇佐川彰男教育長は祝辞で、卒業生たちが中学生議会で要望を出した▽高校への通学定期券費用の全額補助▽町内の公共交通機関の運賃無料化―といった施策が実現に向けて動いていることに言及。「地域学習、国際理解教育、主権者教育をしっかりとやり遂げた。大波や小波が押し寄せても、誇りを持って前進して」と激励した。

(2023年3月8日付紙面より)

胸を張り順に入場する=7日、新宮市立城南中学校
花束を手に会場を後にする=同日、那智勝浦町立那智中学校
一人一人卒業証書を受け取る=同日、太地町立太地中学校
2023年03月08日
144 これからも命を守る活動したい
 県内唯一、防災まちづくり大賞  (津本地区自主防災会 )

 紀宝町の津本地区自主防災会(産屋敷誠会長)が2022年度の「第27回防災まちづくり大賞」で日本防火・防災協会長賞を受賞した。三重県で唯一の受賞で、紀伊半島大水害を教訓に立ち上がり、11年間の取り組みが評価された。

 防災まちづくり大賞は、阪神・淡路大震災を契機に1996年度に創設。地域に根差した防災の取り組みなどを進める団体・組織を表彰するもので、本年度は総務大臣賞、消防庁長官賞、日本防火・防災協会長賞で計17団体が受賞した。

 津本地区自主防災会は、紀伊半島大水害後の2012年に発足。防災訓練や炊き出し訓練、幅広い世代を対象にした防災訓練、避難所運営訓練などを継続して開催し、地域の防災力向上に努めてきた。子どもから高齢者までが楽しく防災を学ぶ「防災チャレンジ大運動会」も開いてきた。これまで、みえの防災大賞、みえの防災奨励賞などを受賞している。

 6日には産屋敷会長、谷口昌宏前会長、防災士の大峪やす子さんが紀宝町役場を訪れ、西田健町長らに受賞報告した。東京で開催された表彰式に出席した大峪さんは、これまでの取り組みを振り返り「11年目にして防災まちづくり大賞を受賞するとは夢にも思わなかった。これからも自分、家族、隣近所の大切な命を守る防災活動を続けたい」と話した。

 西田町長は「受賞おめでとうございます」とたたえ、「楽しみを持って防災に当たるユニークな取り組みが町内に浸透し、防災に強い町づくりにつながれば町の防災文化につながる。これからも先駆的な取り組みをアピールし協力したい」と伝えた。

(2023年3月8日付紙面より)

西田健町長(右)に受賞を報告した津本地区自主防災会の皆さん=6日、紀宝町役場
2023年03月08日
145 みんなの活動楽しもう
 第16回しんぐう元気フェスタ  (新宮市 )

 新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長)は5日、市福祉センターで「第16回しんぐう元気フェスタ'23」を開催した。ボランティア・市民活動センターに登録する団体らが、ステージや展示を通してお互いの活動に対する理解を深めた。

 「楽しんで! 知って、見て、感じて! ボランティア」と銘打ち、企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった今回は「みんなの活動を見て、知って、楽しもう」と題し、規模や時間を縮小する形で実施にこぎ着けた。

 開催に当たり、岡鼻会長は「時間に限りがあるが、お互いのブースに足を運んでいただき、団体同士の交流の場になれば。これからも、皆さんの活動が持続可能なものとなることを祈念しています」。

 来賓の田岡実千年市長は「いろいろな方々が活動を発表できる貴重な機会。絆や、人と人が助け合い支え合うことの大切さを気付かせてくれるイベントだと感じます」とあいさつした。

 ステージ発表は、Team雅龍によるよさこい踊りで幕開け。マジックサークル青い鳥によるショーや、南紀手話サークル虹による手話歌が披露され、会場からは大きな拍手が送られた。

 会場内には7団体によるパネルや作品展示、5団体による体験ブースも設けられ、来場者らは各コーナーを回って交流を深め、活動内容を学ぶ機会とした。

 最後には「川柳で新宮を元気に」の表彰式も行われた。岡鼻会長は閉会に当たり「自分たちの勇気や元気に変わるかもしれない、そういう活動が地域や団体を守ってくれていると思う。これからも皆さまと共に、当イベントを続けていくことができれば」と思いを語った。

(2023年3月8日付紙面より)

ステージや展示、体験などを通して活動を発表した=5日、新宮市福祉センター
各団体の活動について理解を深めた
2023年03月08日
146 「大峰奥駈け」春峰入り
 熊野修験が山々で修行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの険しい山道を歩く「熊野修験大峰奥駈(おくが)け」が4日、始まった。熊野の山々の霊気を感じられるコースで、コロナ禍前は修験者だけでなく、全国から一般の参加も増加していた。今年は例年のように広く募らず、修験者と一般合わせ約50人が集まった。修験者を先頭に列をなして山道を歩き、山中にほら貝の音と「懺悔(さんげ)、懺悔、六根清浄(ろっこんしょうじょう)」の声が響いた。

 1872(明治5)年に修験道が廃止されていたが、約120年を経た1988年に那智山青岸渡寺住職の髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)らが再興させた。今年で36回目を迎える。

 大峰奥駈けは那智山から奈良県吉野までの約200㌔の山道を4回に分けて歩く。この日は「春峰(はるみね)入り」と呼ばれ、髙木智英副住職を中心に青岸渡寺から熊野本宮大社までの約30㌔を丸1日かけて踏破した。

 出発前、髙木正大先達は「副住職が代表して皆さまと共に本日の目的地である熊野本宮大社へと向かう。道中、くれぐれもけがなどには注意して、修行に励んでください」とあいさつ。

 智英副住職は「この数年は新型コロナウイルスのため、行者のみで行ってきた。今回は普段ほどではないが、一般の皆さまにもご参加いただけた。今年は念願であった修験者のための行者堂の完成の年、身を引き締めて修行に取り組みたい。世界平和とコロナ退散、無事に満行できることを願っています」と話していた。

 次回は4月ごろに本宮大社から玉置山まで歩くとしている。

(2023年3月8日付紙面より)

出発前に読経を行う一行=4日早朝、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
熊野修験大峰奥駈けが始まった
2023年03月08日
147 坂本さん(男性)、戸石さん(女性)が制す
 那智勝浦町体協グラウンドゴルフ部春季大会  
2023年03月08日
148 優勝は富田、ジラソーレ
 トルベリーノかつおカップ  
2023年03月08日
149 木本普通科は0.84倍  県立高校後期選抜入試  
2023年03月08日
150 83人が新たな一歩  矢渕、相野谷中で卒業式  
2023年03月08日
151 交流や連携を推進  全国「勝浦」3市町  
2023年03月08日
152 流域巡る諸問題解決に向け  熊野川流域対策連合会が要望活動  
2023年03月08日
153 卒業生に聞く看護の道  希望生徒を集め座談会  (新翔高校 )
2023年03月08日
154 防災や子育てなど34議案上程  3月定例会が開会  (那智勝浦町 )
2023年03月08日
155 元気よく「いらっしゃい」  市内園児たちが「銀河」歓迎  (新宮市 )
2023年03月08日
156 3年ぶり「福祉健康まつり」  体験やバザーで理解深める  (那智勝浦町 )
2023年03月08日
157 捕獲した鳥獣を追善供養  本廣寺境内で慰霊祭営む  (県猟友会東牟婁支部 )
2023年03月08日
158 だんらんと海への愛着促す  串本海中公園で会員交流会  (紀南地域労働者福祉協議会 )
2023年03月08日
159 新年度の施政方針を掲げて  町議会第1回定例会始まる  (串本町 )
2023年03月08日
160 お悔やみ情報
  
2023年03月04日
161 いだ天マラソンに栄冠
 スポーツ文化ツーリズム賞  

 那智勝浦町を舞台にした100㌔マラソンの大会「奥熊野いだ天ウルトラマラソン」(同実行委員会主催・関康之委員長)がこのほど、「スポーツ文化ツーリズムアワード2022」の「スポーツ文化ツーリズム賞」を受賞した。関委員長は「うれしい。今後も継続していきたい」とほほ笑む。

 スポーツ文化ツーリズムアワードは、スポーツや文化、またその両方を融合して観光を活性化させる、国内の優秀な取り組みを表彰する賞。スポーツ庁、文化庁、観光庁が毎年行っている。那智勝浦観光機構が応募して選ばれた。

 同大会は、那智の滝前をスタート、補陀洛山寺をゴールとする。地域住民がボランティアとして多数参加し、給水所で地域特産品を提供することも特色の一つ。「世界遺産の熊野を舞台に地域性が高く、地域を巻き込みながら組み立てられている」との評価を受け、アワードの受賞に至った。

 大会が始まったのは、20年以上前。関委員長は「初めての時は、警察の許可をもらうのがかなり苦しかった」と話す。運営に関しても、スタートが早朝のため、前日は準備で徹夜となることもあるなど、苦労を明かす。

 運営ボランティアに助けられている部分も大きい。「みんなフレンドリーで、そのホスピタリティーのおかげで、参加者が増えてきた部分もある」と感謝する。スタートやゴール地点として、境内の使用を許してくれる、熊野那智大社や補陀洛山寺の存在も大きいと力を込める。

 今後について関委員長は「引き続き、関係機関のご協力をお願いしたい。今後はランナーだけでなく、ボランティアも楽しめる大会にしたい」と語った。

 なお、奥熊野いだ天ウルトラマラソンは、コロナ禍の影響で20~22年は中止だったが、今年は4年ぶりとなる第23回大会の開催を、4月23日(日)に予定している。

(2023年3月4日付紙面より)

表彰式で3庁官と共に写る関康之委員長(後列右)(奥熊野いだ天ウルトラマラソン実行委員会提供)
表彰状を持つ関康之委員長=2日、新宮市橋本の関三吉商店
2023年03月04日
162 臨時便運航結果を公表
 2月の南紀白浜―東京間  (南紀白浜エアポート )

 ㈱南紀白浜エアポート(岡田信一郎代表取締役社長)と和歌山県港湾空港振興課は1日、今年2月の南紀白浜―東京(羽田)線臨時便の運航結果(速報値)を発表した。搭乗者数は2万人を超え、2月としては過去最多となった。

 同社は2018年に、和歌山県から引き継ぎ南紀白浜空港を運営。県はその後も、利便性向上に向けた取り組みを行っている。

 通常1日3往復6便である南紀白浜と東京(羽田)の空港を結ぶ航空便が、今年2月の1カ月間、1日4往復8便に増便された。

 期間中における搭乗者数は2万271人で搭乗率は58・5%だった。月の過去最多に加え、11カ月連続過去最多を更新した。過去4番目に多い搭乗者数で、冬場の閑散期では初めて月間2万人を超えた。日平均搭乗者数では令和4年8月に次いで過去2番目だった。

 結果を受け、両者は、これまで過去最多だった令和元年度と令和4年度との比較では、4月~1月の増加率の平均が約1・2倍であるのに対し、2月は約1・4倍と、臨時便の効果が表れたと分析。東京―南紀白浜の夕便、南紀白浜―東京の朝便の全体に占める割合が増加しており、臨時便によって需要が喚起されたとしている。

 また、搭乗者へのアンケートも実施しており、4往復8便化の効果などについて今後分析を行う予定としている。

 このたびの臨時便運航に対し、岸本周平知事は「好調な利用となったことは大変喜ばしい限りで、地元の皆さまをはじめ多くの方々に南紀白浜空港を応援いただいたたまもの」と感謝。

 「南紀白浜空港は紀南地域の核となるインフラであり、特に人口・産業が集積する東京(羽田)便の輸送力強化は、和歌山の観光や経済の活性化にとって大変重要。本格的な4往復8便化の実現などの空港活性化に向け、県を挙げて推進していく」とコメントしている。

 岡田代表取締役社長は「ワーケーションやITなど、ビジネス関係のお客さまが着実に増えており、観光魅力度ランキングで上位に入るなど和歌山の認知度が上がったことによる観光需要が増加したことも大きい。利用者増加の大きな推進力として引き続き伸ばしていく」。

 一方で、地元からの需要が東京方面からの需要と比べて少ないことが課題として浮き彫りになったとし「地元需要喚起の策を粘り強く講じることで、双方向の需要を創出し、4往復化の実現を目指していきたい」としている。

(2023年3月4日付紙面より)

2023年03月04日
163 山本秋広寄贈の資料展示
 没後50年節目に「山本紀山文庫より」  (新宮市立図書館 )

 新宮市下本町の市立図書館の中上健次コーナー横で、特別展示「没後50年 山本紀山(きざん)文庫より」が始まった=写真。5月9日(火)まで。

 新宮市の名誉市民・山本秋広(号:紀山、1893~1973年)は在野の水戸史研究家として高く評価されている。

 新宮市に生まれ、東京帝大に進学。大学卒業後は官僚として貴族院書記官や、熊本県、愛知県の学務部長を歴任した。

 任地の茨城県で退官した後は、地元の日立製作所に請われて要職に。社業に励む傍ら、水戸史の研究に没頭し、二十数巻に及ぶ著作を執筆。水戸にいながらも郷里を忘れなかった秋広は、収集した史料の中から、新宮に関する史料や「大日本史」など水戸史に関する貴重な書画を新宮市に寄贈した。「紀山文庫」と名付けられたこれらの史料は、市立図書館に保管されている。

 このたびは没後50年の節目として、寄贈資料の中から井伊直弼や徳川慶喜の和歌など、紀州藩付家老水野忠央と関わりのある人物の資料など約10点を展示。また、書架34「熊野ゆかりの人々」コーナーにおいて、著書の展示・貸し出しも行っている。

(2023年3月4日付紙面より)


山本秋広(新宮市提供)
2023年03月04日
164 火災警報器の寿命大丈夫?
 消防職員が設置促進啓発活動  (新宮市 )

 春の全国火災予防運動(1~7日)期間中の3日、新宮市消防本部は新宮市佐野の「コメリパワー新宮店」で住宅用火災警報器設置促進啓発活動を展開した。同本部予防課の4人が買い物客に啓発物資を配布。住宅用火災警報器の交換や点検を呼びかけた。

 煙や熱に反応して大きな音で鳴動し、住民に素早く異常を知らせることで火災による被害を軽減する役割を果たす住宅用火災警報器。新宮市においては、2011(平成23)年に全ての住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務化されてから10年以上が経過していることを受け、同消防本部では設置時期の確認や交換を呼びかける広報活動を展開している。

 設置から10年以上経過した火災警報器は、電池切れや機器の故障にもつながり、火災を感知しなくなることもあるため、設置した時に記入した設置年や本体に記載されている製造年などを確認するとともに定期的な動作確認が必要となる。また、新しい機器に交換したときは、本体の側面などに設置年月を記入することも大切だ。

 なお、住宅用火災警報器の設置率は全国82・6%に対し、和歌山県は78・9%、新宮市では72・9%となっている。予防課の後岡賢係長は「住宅用火災警報器は命を守る大切な防災機器。火災警報器で助かる命があります。この機会に設置や交換、定期点検を考えていただければ」と呼びかけている。

 同消防本部は6日(月)に同市三輪崎のAコープランティス店、7日(火)に橋本のイオン新宮店で、婦人防火クラブや消防団員らと共に啓発活動を展開する予定としている。

  □     □

■火災警報器はどこに取り付ける?



 住宅用火災警報器は市町村条例によって設置時期・設置場所が決められている。新宮市では寝室や階段などへの取り付けが義務付けられているほか、台所や居室などへの設置が義務または推奨されている。住宅用火災警報器に関する相談や問い合わせは市消防本部予防課(電話0735・21・0119)まで。

(2023年3月4日付紙面より)

住宅用火災警報器の交換や点検を呼びかけた=3日、新宮市佐野のコメリパワー新宮店
2023年03月04日
165 御浜町の動画が好評  「観客賞」は閲覧数で決定  (国際観光映像祭 )
2023年03月04日
166 金山が接戦制し優勝  熊野市で少年野球大会  
2023年03月04日
167 保育料第2子以降の無償化も  西田町長、新規事業を説明  (紀宝町 )
2023年03月04日
168 令和5年度予算大綱(終)  新宮市・田岡実千年市長  
2023年03月04日
169 早咲きのサクラが開花  那智勝浦町  
2023年03月04日
170 「そら」に桜が咲いたよ  利用者らが制作「見に来て」  (美熊野福祉会 )
2023年03月04日
171 南紀熊野ジオフォトコン  令和4年度入賞作品紹介③  
2023年03月04日
172 施政方針交え当初案を説明  町議会第1回定例会始まる  (古座川町 )
2023年03月04日
173 無火災の継続目指し啓発  春季火災予防運動始まる  (串本町消防本部 )
2023年03月04日
174 小学生になったらね…  勝浦こども園でお別れ会  (那智勝浦町 )
2023年03月04日
175 お悔やみ情報