日本クマノザクラの会が観測会 (那智勝浦町 )
「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長)は23日、那智勝浦町二河の那智勝浦町教育センターで観察会と講習会および役員会を開いた。同会の役員ら約15人が参加。勝木会長がクマノザクラの見分け方や標本の作り方などを解説した。
クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種で、勝木会長が発見、命名した。紀伊半島南部の3県に分布。早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。
同会は、国内で約100年ぶりに新種と確認されたクマノザクラの利活用や保全活動を目指し2月に発足。会員同士が連携し、和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組むことを目的としている。
観察会では、同センター敷地内や近隣のソメイヨシノ、ヤマザクラを観察しつつ、勝木会長が植物の同定(生物の分類上の所属や種名を決定すること)やそれぞれのサクラの特徴などを説明。「長枝ではなく短枝で見る」「観察したものの特徴を言葉で表していく」「五感を使って植物の特徴を捉える。見る項目を増やすことでより確かな同定ができる」などを観察のポイントとして挙げた。
同会員が所有する、同センター近隣にあるクマノザクラ観察地では、勝木会長が「葉っぱが他のサクラより幅が狭く、裏が淡い緑色」などとクマノザクラの特徴を解説し標本用の木を採取。「同定には写真と標本が必要だがそれだけでは不十分。現場でできる限り多くの視点で観察し、情報を持ち帰ることが大事」とし、「標本は採ってもいい場所で採取を」と呼び掛けた。
講習会では、勝木会長は植物分類学の基礎などについて説明。学名や属名、標準和名などにも言及し「原則として学名と標準和名は対応する。クマノザクラは学名が付いたことで初めて世界共通となった」。
クマノザクラの同定に関して、花序や苞(ほう)、短枝、葉柄などの判断材料をソメイヨシノやヤマザクラなどと比較し特徴を解説。「花びらの形や色、葉の鋸歯(きょし)など、年齢や環境でも大きく変わってくる。同定に使えるくらい安定しているものを見極めていくことが大きなポイントとなる。場数を踏んで覚えていくしかない」と説明した。
(2021年7月27日付紙面より)
県主催の大会「第3回宇宙シンポジウムin串本」が24日にホテル&リゾーツ和歌山串本であり、宇宙の最先端の話題などを会場聴講とオンライン聴講の2系統で世界へ向け発信した。
国内初の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」と地域を結び付けて印象付けるためおととし、県と射点がある串本町が両輪となって立ち上げた大会。以降はコロナ禍の情勢により県主催で年1回開く形が続いていて、今回も会場聴講を第1回比で約3分の1の規模に抑え代替のオンライン聴講を受け付けるなど感染症予防対策を講じて参加を募り、両聴講合わせて1500人規模の申し込みを得たという。
開会に当たり仁坂吉伸知事は同発射場と地域の最近の主な動向を伝えつつ聴講を歓迎。テレビ和歌山が進行役を務め、来賓の紹介を経て序盤から中盤は基調講演、終盤はパネルディスカッションを実施した。
基調講演の登壇者は▽山崎直子さん(宇宙飛行士)▽津田雄一さん(JAXAはやぶさ2プロジェクトマネジャー)▽小山浩さん(三菱電機株式会社電気システム事業本部主席技監)▽遠藤守さん(スペースワン株式会社最高顧問)。
前3人はそれぞれの立場から宇宙との関わりを振り返り、周囲を取り巻く状況やそれらと向き合うときの姿勢を示し同発射場や有する地域への期待を寄せるなどした。遠藤さんはスペースワン社の事業概念や中核となる小型ロケット「カイロス」の開発段階や同発射場建設の進捗(しんちょく)を報告。「カイロス」はシステム試験段階、同発射場はおおむね完成段階だと伝え、和歌山の新たな魅力としての宇宙を地域と一緒になって盛り上げたいと貢献の思いを掲げて事業に対する地域の協力を求めた。
パネルディスカッションは東京大学大学院の中須賀真一教授がモデレーターを担当。基調講演登壇者に県産業技術政策課の大原眞晴課長を加えた5人をパネリストに迎え、中須賀教授は宇宙と関わるようになったきっかけ、人工衛星事業・アルテミス計画・国際連携による有人探査の展望、地域の状況対応や今後の人材育成など状況活用の展望などをざっくばらんに探り明かした。
会場から質問を受け付ける時間もあり、県立串本古座高校の清野健太郎君(1年)が「串本町は宇宙に希望や夢を抱いている。皆さんにとって宇宙とは何か」と質問して中須賀教授を含めた6人それぞれの思いを引き出した。最後にパネリストが今後に向けたメッセージをそれぞれ掲げて締めくくった。
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この日は県立桐蔭中学校科学部や県立串本古座高校のCGS部カイロス応援隊・雑賀和さん(1年)と生徒有志2人など次代を担う若い世代も複数、引率の教職員や家族と共に会場聴講に参加。同高校の生徒はその延長で同隊が準備した缶バッジをパネルディスカッション登壇者や仁坂知事に進呈し、残りを先着順で手分けして会場聴講参加者に配った。
この缶バッジはロケット事業に対する地域包括的支援として生産を始めた。手軽でかさばらず思い出になる土産物として、さらにはコレクション需要による見学リピーター拡大ツールとして今後は「カイロス」打ち上げを節目にしてシリーズ生産しその原資を得るため販売を目指すとしている。
(2021年7月27日付紙面より)
職員ら協力し全町民宅訪問 (太地町 )
太地町は新型コロナウイルス感染症対策の一環として25日、全町民に対して現金1万円の給付を行った。町や町社会福祉協議会の職員らが協力して町民宅を訪問し現金を手渡した。
同町ではこれまで、全町民に対してマスクや米を支給し、現金5000円と1万円の給付も行ってきた。
同給付金の予算は6月定例会において議決されたもので、予算額は3000万円。財源の一部は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用している。
この給付には町民の生活環境や健康状態などの確認も目的に含まれているという。給付や職員が訪問する旨は町内放送や町防災メールの登録者へのメールで周知を促した。
当日朝、町や社協の職員ら42人が集まり、役場庁舎内で訪問時の注意や不在時の対応などの打ち合わせを行った。職員らは10班体制で、9地区の1565世帯2960人に現金を届けた。
森尾伸総務課長は「生活支援として3度目の給付となる。コロナ禍において、町民の皆さまの生活状況や健康状態を確認することが給付の本来の目的です」と話した。
現金を受け取った平見地区の上中綾子さんは「本当にありがたい。コロナ禍で子どもが外に出て行けないため、屋内で遊ぶことのできるものを購入したいと思う。職員の皆さんが各戸のことに詳しく、『子どもさんは元気ですか』など、お声掛けもしてくれるので安心感があります」と話していた。
(2021年7月27日付紙面より)
くじらに出会える海水浴場 (太地町 )
太地町の名物となった催しの「くじらに出会える海水浴場」の準備に向けて、町立くじらの博物館(林克紀館長)は13日、くじら浜海水浴場にハナゴンドウ2頭を搬入。職員らが協力しスムーズに作業を進めた。
展示期間は17日(土)から8月17日(火)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、網いけすから開放される。
クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しで2008年から始まり今年で13回目。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。
今年は感染防止対策で網いけすに特設ステージは設置しない。
搬入されたのは飼育展示5回目で雌のニール(体長291㌢、推定体重380㌔、推定18歳)と、3回目で雄のシロ(297㌢、推定体重380㌔、推定25歳)。
午前6時ごろから搬出作業を開始。1頭は博物館から担架に乗せ、トラックで森浦湾に運び出した。森浦湾からも1頭を搬出。その後、ボートにくくり付けて海水浴場へ向かい、網いけすに搬入した。
職員から餌をもらった2頭はいけす内を泳ぎ回り、ジャンプするなど元気な姿を見せた。
同館の稲森大樹副館長は「2頭とも健康で、搬送後も餌を食べるなど元気な状態。今年は感染症対策を設けた上でのオープンとなる。お客さまとクジラが同じ空間を共有できるので楽しんでほしい。隣接する博物館にも足をお運びいただけたら幸いです」と語った。
(2021年7月14日付紙面より)
「るれいる」メンバーがアクセサリー作り (紀宝町 )
紀宝町の中高生ボランティアグループ「東紀州学生ボランティア『るれいる』」が10日、同町鵜殿の大和田文雄・富子さん夫妻からアクセサリー作りを学んだ。
同グループは同町立矢渕中学校の6人と県立木本高校の10人で発足し、代表は木本高校3年の藤本将太君。同町社協が紀宝町鵜殿の町有住宅で運営する子ども食堂と駄菓子屋でのボランティアを活動の中心とする。この日は「ふれあい子ども食堂」を手伝った中学生3人が、終了後に隣家へ移動。大和田さん夫妻が用意したフェルト布や糸、縫い針などを使ってウサギ、ハムスターなど幅5㌢ほどのかわいいアクセサリー作りに挑んだ。文雄さんが描いた型紙に合わせて布を切り取り、手作業で表裏を縫い付けて最後は綿を内部に詰めて膨らみを持たせ、各人が約30分で一体を完成させた。
大和田さんらがアクセサリー作りを始めたのは約4年前という。文雄さんは「知人にあげると喜ばれた。できた作品を子どもたちと一緒に、施設利用者の皆さんに届けたい」と希望する。市川咲紗さんは「縫うときの針の間隔がばらばら。難しくて1個でも疲れた。次は高校生のグループにも参加してもらえたら」とも話した。次回は18日(日)を中心に、日程調整を進めているという。
(2021年7月14日付紙面より)
社会を明るくする運動 (新宮市 )
7月は法務省が主唱する「社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~」強調月間。和歌山保護観察所(奥田幸生所長)では「社明キャラバン隊」を結成し、各地で広報活動を行っている。落語家の桂枝曾丸(かつら・しそまる)隊長率いるキャラバン隊は12日、新宮市役所を訪れ、向井雅男副市長(田岡実千年市長代理)に菅義偉内閣総理大臣のメッセージを伝達した。
社明運動は、全ての国民が犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせて犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な取り組み。
71回目を迎える今年は「#生きづらさを、生きていく。」をテーマに全国各地で運動が展開されている。和歌山保護観察所では昨年、70回目の節目に当たりキャラバン隊を結成。数年かけて県内10カ所の更生保護サポートセンターを巡回する予定としている。
菅内閣総理大臣からは「新型コロナウイルス感染症によるさまざまな困難克服には支え合う人の絆やコミュニティーの存在が大切。犯罪のない明るい地域社会づくりに取り組む決意のしるしである『幸福(しあわせ)の黄色い羽根』(※)の下、多くの人に運動に参加いただけるよう協力を」と呼び掛ける内容のメッセージが伝達された。
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強調月間に当たり、各推進委員会では「全ての県民が犯罪や非行の防止と、犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築く」を趣旨として運動を展開している。
刑法犯の認知件数が減少傾向にあるが、一般刑法犯による被検挙者のうち、再犯者の占める割合(再犯率)は依然として高い状況にある。
2020年版犯罪白書によると、再犯者率は1997年以降上昇し続けており、2019年は48・8%に達した。
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※幸福の黄色い羽根=犯罪のない幸福で明るい社会を願うシンボルとして2009年から使用されている。刑期を終え出所した男性を温かく迎える夫婦愛を描いた映画「幸福の黄色いハンカチ」(1977年、山田洋次監督)から着想を得た。
(2021年7月14日付紙面より)
町出身の木皮成さんら (串本町 )
串本町出身のダンサー兼振付師・木皮成(きがわ・せい)さん(31)らが11日、同町田並にある田並劇場で舞台芸術「スーパーテクニックス」の披露に臨んだ。
木皮さんは県立串本古座高校を経て多摩美術大学へ進学。舞台芸術を学び、ダンス分野へとまい進して主にアジア圏で交流と実績を積み上げ自身の表現を追究している。その成果を生かす一端で2月、母親から聞いた同劇場に協力を申し出て4日間の創作ダンスワークショップ(WS)に取り組んだ経緯も持つ。
「スーパーテクニックス」は木皮さんが代表を務める合同会社フットワークスの舞台芸術作品で、木皮さんが映像作家としての才覚も注いで構成を担当。東京都の北区文化振興財団の事業委託を受けて昨年秋から区内の小中学校で公演を重ねるさなかにあり、創作ダンスWSの延長で披露についても同劇場へ協力を求め実現するに至った。
木皮さんは根本和歌菜さん、高下七海さん、丹野武蔵さんと組んで出演。音楽と映像による演出を交えたダンス表現でコント(=ショートストーリー)の世界観を複数つづる内容で、45分間の上演は演出や補足説明として言葉を使う以外は音楽、映像、ダンス(ジェスチャーを含む)を一体化した表現主体で進行した。
この日は午後2時30分と午後5時に披露があり、高校生以下は無料、その他一般は入場料1000円で迎え入れた。午後2時30分の公演には子どもから高齢者まで20人が鑑賞。終盤では観客の心をつかむため冒頭で演じた「消毒ダンス」の振り付けをみんなで体験するミニWSもあり、和気あいあいとした雰囲気で締めくくった。
区外での披露は今回が初。その第一歩をふるさと串本で踏み出した木皮さんは「今すごく緊張感があふれる日常を少しでも緩和できたらと思う。親子や家族で一緒に鑑賞してもらい、普段とは違った雰囲気でコミュニケーションを取ってもらえたらうれしい」と込めた思いを語り、WSとは違った形で自身の表現を仲間とともにふるさとへ伝えた。
(2021年7月14日付紙面より)
新宮高校女子サッカー部
県スポ少大会バレーボール競技
熊野那智大社(男成洋三宮司)は9日、世界遺産・那智の滝上の大しめ縄の設置を行った。14日(水)に斎行される国指定重要無形民俗文化財「那智の扇祭り(火祭)」を前にした恒例行事で、日本一の落差133㍍の滝口で神職たちが足元に注意を払いながら慎重に新しいしめ縄に取り替えた。
那智の滝は同大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体。張り替え作業は例大祭前の7月と年末の毎年2回行われている。
昨年7月は天候不良で延期となり宵宮(よいみや)の朝に実施。連日の大雨で水量が多くなったため、例年より上流にしめ縄を張った。
しめ縄はサラシ製で長さ約26㍍、重さ約4㌔。大社本殿で安全祈願を行い、白装束に烏帽子(えぼし)姿の神職ら5人が表参道約2㌔の道のりを運んだ。到着後、命綱を着け、滝の流れに足をつけた神職らは声を掛け合いながら無事にしめ縄を設置した。
新型コロナウイルスの感染拡大予防の観点から、14日の例大祭は規模縮小と一部中止を決定。祭典内容を変更して神職や役員、祭り関係者のみで斎行される。
男成宮司は「参列者や奉仕者、拝観者の安全を優先し、今年も皆さまのご参列をご遠慮いただく形となった。コロナ禍が一日も早く終息し穏やかな日々に戻ること、来年こそはいつも通りの例大祭が斎行できることを切に祈ります」と話していた。
同社によると、本殿での参拝は通常通り行えるが、別宮の飛瀧神社においては午前10時から正午まで参拝を中止するという。
(2021年7月10日付紙面より)
町教委主催で教職員研修 (古座川町 )
古座川町教育委員会が6日、同町立高池小学校でGIGAスクール教職員研修会を開き、町内の教員16人が児童生徒用パソコンを活用するときの素地となる理解を深めるなどした。
この研修会は、同スクール構想の急進で充実する校内の情報通信技術(ICT)環境の教育活用を円滑に進めるため、文部科学省「GIGAスクールサポーター配置促進事業」を活用して計画。東牟婁地域が1人1台の割り当てで共同調達した児童生徒用パソコンはオペレーションシステム(OS)「グーグルクローム」を搭載した機種で、その使い方や推奨ソフトを紹介する内容を準備して町立小中学校の教員に参加を呼び掛けた。
この日は同サポーター・岡田政彦さん(和歌山IT教育機構所属)が講師として登壇。序盤は「Google Chrome」のアカウント管理や基本操作、他のOSと比較したときのデータ管理の特色を確かめ、中盤は教育活用頻度が高いと見込まれる推奨ソフト「Google Classroom」、終盤は児童生徒用パソコンを一括管理する授業支援ソフトを紹介。児童生徒の立場で実活用を模擬体験してもらいながら、できる教育活用の基本線を伝えた。
研修会は春にも開いた経緯があり、すでに一部のクラスで同端末の活用が始まっている段階。町教委教育課の坂本耕一さんは活用の裾野をさらに広げて児童生徒用パソコンを生かしたいとし、7月中~下旬には各学校単位で活用を主導する人材(情報担当教諭など)を育てるリーダー研修〈上級研修〉も実施するという。
(2021年7月10日付紙面より)
建設工事関係者連絡会議 (新宮・東牟婁地方 )
建設工事における災害の一層の減少を図ろうと、厚生労働省和歌山労働局新宮労働基準監督署(中前英人署長)は8日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で建設工事関係者連絡会議を開催した。新宮・東牟婁地区の公共工事発注機関、建設関係団体、災害防止行政機関の約20人が出席。取り組み紹介や意見交換を行った。
会議は、三者がより緊密な連携を図ることで災害防止対策の取り組みを推進することを目的に毎年開かれている。
新宮・東牟婁管内では昨年78件(前年比9件減)の労働災害が発生した。中前署長は「昨年、管内では土木工事業で大きく減少したが、過去3年間発生のなかった死亡事故が発生した。今年は5月末現在で、休業4日以上の労働災害が昨年同月に比べて5件増加となる21件発生している」などと説明。
工事現場災害の減少を図るため▽労働災害の防止▽熱中症対策▽建設業の働き方改革の取り組み推進▽新型コロナウイルス感染症対策―に対する協力を呼び掛けた。
乾孝行監督・安衛課長が、管内の建設工事における災害発生状況を説明したほか、現場での安全管理について▽建設機械の安全対策▽安全施工サイクルの推進▽気象状況の変化に伴う措置―などが重要とした。
2023年までに死亡災害を15%以上、死傷災害を10%以上減少させることを目標とした「第13次労働災害防止計画」や「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」、建設現場での新型コロナウイルス感染防止対策、安全帯など適切な器具の使用、災害復旧工事における注意事項などについて、災害事例を交えて解説した。
今後の同連絡会議の取り組みについて「合同パトロールや安全教育などに当署の活用を」と呼び掛けた。
紀南河川国道事務所串本国道維持出張所、東牟婁振興局農林水産振興部林務課、新宮市、那智勝浦町、串本町、太地町などが公共工事の現状や労働災害防止に係る取り組みなどを紹介した。
(2021年7月10日付紙面より)
優秀安全運転事業所表彰 (新宮市 )
自動車安全運転センター和歌山県事務所(寺園勝人所長)と県警本部はこのほど、優秀安全運転事業所として、新宮市王子町の佐川急便株式会社新宮営業所(白井康弘所長、33人)に3年ぶりとなる金賞を贈呈した。8日、新宮警察署で開かれた伝達式には同営業所安全推進課主任の松岡裕太さん(30)が出席し、山田守孝新宮警察署長から表彰状を受け取った。
表彰は同センターが主催、警察が共催して毎年3期に分けて実施している。対象となるのは社員が20人以上で、そのうち8割がドライバーの事業所。社員は運転記録証明書を申請し、分析結果の交付を受けている。公私にわたって1年間の事故や違反が3%以内なら金賞(7点)、5%以内なら銀賞(5点)、7%以内なら銅賞(3点)が贈られる。連続で受賞し合計15点以上になった事業所にはプラチナ賞が贈られる。
同営業所は2017、18年に2回連続で金賞を受賞しており、会社全体で環境・安全面を最優先にして事業に当たっている。
松岡さんは「営業所全体で、事故・違反を出さないように努めてきたことが表彰につながりありがたい。日頃から交通弱者を守るために歩行者を優先する運転などに取り組んでいる。今後も交通安全活動を継続していきたい」。
表彰式に同席した寺園所長は「数多くの受賞は安全運転管理をしっかりとしていただいているからこそ。今後も継続していただけたら。また、運転経歴に係る証明書やセーフドライバーカードを活用してもらいたい」と話した。
山田署長は受賞について「交通安全意識の持続がないと難しい。ほかの事業者さまの模範になるとともに一般のドライバーの啓発につながってほしい。他の事業所さまにも参加していただけたら」と話していた。
(2021年7月10日付紙面より)
那智勝浦町観光振興応援団有志はこのほど、紀の松島遊覧船の存続や紀の松島の観光価値の認知を促進するために「紀の松島見どころまっぷ」を作成した。絵地図作家の植野めぐみさんが作画し、遊覧船から見える各名所や歴史などが満遍なく紹介されている。
以前、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)で観光資源の磨き上げを担当していた応援団有志代表の齋藤滋さん。自身が事務局を務めた世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会でイベントプロデュースや各種マップ作成などに尽力してきた。
まっぷは今年3月20日から作成に着手。6月14日に2500部を印刷・納品した。作画料や印刷費などを含めた計約36万円は、齋藤さんが協議会に所属当時のプロデュース人件費の一部を寄付した。まっぷの裏面は協議会が作成したJR紀伊勝浦駅周辺の名所が記された「わがらの紀伊勝浦駅お散歩まっぷ」になっている。
応援団有志によると、同町の国道42号沿いには串本町などのように、海岸造形を眺望できる場所はないが、遊覧船から紀の松島をはじめ吉野熊野国立公園のダイナミックな海岸造形を見ることができる。それらを説明したマップがなかったことも作成に至った理由の一つという。
まっぷには「海岸造形」「島の名称」「平家伝説」「数々の海岸の自噴泉」「補陀落渡海を含む歴史伝承」などの内容が収められている。多くの島名については、資料によって記述内容が異なるため参考資料名を表記。完成したまっぷは紀の松島観光株式会社や宿泊施設、観光案内所、太地町の町立くじらの博物館、その他協力先に配布した。
齋藤さんは遊覧船存続には、個人観光旅行者の取り込みと地元住民の乗船促進が必要とし、市街地の無料・低価格な駐車場整備が必須と主張。町では観光客の利便性向上を目的とした公共地の駐車場の有効活用がほとんどされていないと指摘した。
まっぷや遊覧船については「町民の方々にも紀の松島の自然景観や歴史伝承価値を認識していただき、年1回は遊覧船に乗ってもらえたら。児童や生徒の課外学習にも利用していただきたい。また、太地町への二次交通の一つとしての認知と活用や、観光客の方には吉野熊野国立公園のダイナミックな海岸造形がこの町では、海から見られることを知っていただき、乗船が促進されることを期待します」と語った。
なお、まっぷの版権は齋藤さんが所持している。
(2021年7月7日付紙面より)
地域経済活性化商品券配布 (古座川町 )
古座川町が4日、地域経済活性化商品券の配布を始めた。3月3日時点で住民登録されている町民2569人それぞれに1万円相当を託す内容で、町職員が11日(日)までに対象者を一巡訪問して届け、12日(月)から10月31日(日)までの間、町内の47店舗(移動販売含む)で利用できるという。
この配布は、新型コロナウイルスにより影響を受けている地域経済の活性化を目的とし、国の同ウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施。対象となる町民1人につき1万円相当(500円券20枚)を託す形で準備を進めてきた。
コロナ禍の情勢により当初計画した期日より若干ずれこむ形となったが、4日は仲本耕士副町長や中道悟教育長ら町職員約40人が休日返上で参集し、手分けして高池・明神・小川地域の対象者に届けた。三尾川(みとがわ)・七川地域は11日(日)に届ける予定。当日不在時は商品券の代わりに不在票を投函(とうかん)する形で後日引き渡しの段取りをつけている。
実施に当たり西前町長は「町民も心待ちに待っていると思う。商品券の配布と兼ねて安否確認も含めて声掛けをし、2分でも3分でも話をして(職員と町民の交流を深めながら)今日一日頑張ってほしい」と呼び掛け、職員の気持ちを引き締めた。
同商品券の取扱店はその趣旨を伝えるポスターを張り出して町民にアピールをしている。商品券は釣り銭が出ない仕組みで、会計を補助する形で活用してほしいという。印刷している使用期間初日が「6月21日」となっているが、配布のずれ込みにより「7月12日」に変更となっている。利用時は商品券裏面に氏名を記入してほしい(あらかじめ記入しておくと便利)という。
問い合わせは役場地域振興課(電話0735・72・0180)まで。
(2021年7月7日付紙面より)
大雨に備え「ハザードマップ」で
3日に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流。現在も警察や消防、自衛隊による救出や捜索活動が続いている。
2日夜から3日朝、関東地方の太平洋側で記録的な大雨となり、熱海市に土砂災害警戒情報が発令された。土砂災害警戒情報は、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険を及ぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況時に発表される。
全国の各市町では、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の位置や避難場所、避難経路などを記載した「土砂災害ハザードマップ」を作成し、住民に配布するなどして日頃から災害に備えた確認を呼び掛けている。
紀宝町は各地区の土砂災害ハザードマップを作成。避難に役立ててもらうため、全地区での完成に向けて取り組みを進めている。
マップには警戒区域や避難場所を記した地図のほか、土砂災害、避難に関する情報などを掲載。避難する際は「周囲の状況や雨の降り方にも注意し、町から避難勧告などが発令されていなくても、土砂災害の前兆現象(湧き水・地下水の濁り・渓流の水量の変化など)に気付いたときなど、少しでも危険を感じたら躊躇(ちゅうちょ)することなく自主避難をお願いします。日中の雨風が激しくならないうちに余裕を持って安全な場所へ避難してください」と求めている。
町ではタイムライン(事前防災計画)発動に備え、消防団などと連携して水防点検や各課での行動確認といった事前準備に取り組んでいる。
(2021年7月7日付紙面より)
神倉小学校図書室に展示 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校の図書室内にある「ヤタガラス子ども未来ハウス」で現在、市立図書館ボランティアの石垣幸代さんが制作した絵本の粘土細工が展示されている。
石垣さんは「子どもの絵本離れが進む中、立体化したら興味を持つきっかけになるかも」と考え、2001年に粘土細工制作をスタート。絵本の表紙や印象的な場面を題材に最初は年1~2作品を作っていたが、次第に毎月1作品を制作するようになった。
これまで毎月市立図書館に展示していたが、市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向けた休館に伴い、知人の紹介を受けて神倉小学校に展示することになった。
現在展示しているのは、「てぶくろ」や「おつきさまってどんなあじ?」「からすのパンやさん」「ピノキオ」「ねずみのよめいり」などを題材にした作品で、絵本も一緒に見ることができる。
同所は7月末までの毎週土曜日午前9時~午後1時に一般開放されており、粘土細工の観覧も可能。入り口は同校の地域ボランティア玄関。利用時は新型コロナウイルス対策としてマスクを着用。学校横の駐車場に限りがあるため、できるだけ徒歩や自転車で来室する。
石垣さんは「粘土細工を見て、その絵本を読んでみようと思ってもらえたら何よりうれしい」と話していた。
(2021年7月7日付紙面より)
紀南バレーボール連盟「第73回社会人大会」