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2021年01月29日
1 樹齢約90年の木、倒れる
 「丹鶴姫のサクラ」保存を検討  (新宮市 )

 新宮市伊佐田町登坂(とさか)のポケットパークで27日早朝、登坂橋の架け替え工事に伴い現在地に移植された推定樹齢約90年のサクラ(ソメイヨシノ)の木が倒れているのが見つかった。同所とサクラの木を管理する市では今後、木の保存に向けた取り組みを検討していくという。

 サクラの木は、上本町磐盾線整備事業に伴う登坂拡幅工事(1999~2014年)の際に、元々あった登坂橋付近から移植されたもの。高さ約12㍍、推定樹齢約70年(2004年当時)のサクラの木は、地域住民から「丹鶴姫のサクラ」などと呼ばれ親しまれてきた。

 市は「サクラを残してほしい」といった地域住民の声に応える形で、11(平成23)年に約200㍍離れた現在地に木を移植。一般的にソメイヨシノの寿命は70~80年とされる中、移植後の木の状態を危惧する声もあったが、移してから約10年が経過し推定樹齢約90年となった現在でも春になると力強く花を咲かせ、地域住民や通行人の目を楽しませている。

 市は、このたびの倒木について一部の幹が腐っており、枝の重みなどに耐えられなかったのではと推測。同日には倒れた部分の撤去作業が終了しており、今後は腐食した部分の処理や支えを新しくするかなど木の保存に向けて専門家らと協議を進めていくという。

 市都市建設課では「地元の方々の愛着あるサクラ。できる限り残せる形で検討していきたい」と話している。

(2021年1月29日付紙面より)

倒れた登坂のシンボルツリー=27日、新宮市伊佐田町
2021年01月29日
2 キテンハタ標本など展示
 串本町二色で採取の個体  (県立自然博物館 )

 海南市にある県立自然博物館が27日、串本町二色で採取されたキテンハタ標本などの展示を始めた。期間は2月28日(日)まで。同館はこの機会にキテンハタを多くの皆さんに知っていただければとしている。

 同館の國島大河学芸員によると、キテンハタはインド洋~西大平洋に分布するハタの仲間。日本でも2015(平成27)年以降に発見の報告が相次いでいる。

 本州域では黒潮の流路にあたる相模湾~八重山諸島付近で写真などによる記録があるが標本に基づく記録は鹿児島以南で採取したものしかなく、今回展示している標本が本州初になるという。

 このキテンハタは昨年10月24日、県立向陽中学校=和歌山市=に通う脇本総志君(2年)が二色付近の堤防で釣りをしている時に採取。魚好きで新聞などでも名をはせている脇本君はキテンハタではないかと思って同館へ持ち込み、同館もその通りと確認した。体長約7㌢の幼魚で、國島学芸員は本州での標本に基づく初記録になるとし論文執筆を脇本君に推奨。論文は2人の連名で仕上げ、今月19日付で鹿児島大学総合研究博物館のウェブ学術誌「ICHTHY」に掲載された。

 展示はその液浸標本と論文、解説パネルなどをセットにし、目立つ同館玄関ホールで実施している。國島学芸員は「県内で確認しているのはこの一個体だけ。もっと調べないと分からないが、今のところは黒潮に流されてきたと見ている。あるいは分布域が広がっているのか。この個体はその手掛かりになると思う」と話し、展示後の標本は同館所蔵として保管し学術活用の依頼があれば対応するとしている。

 同館は期間中、月曜(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)を除く毎日午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)に開館。高校生以下と65歳以上は入館無料(高校生は学生証、65歳以上は運転免許証など年齢が分かるものの提示が適用条件)、その他一般は1人480円の入館料(障害者の無料化制度あり)が必要となる。3月まで実施中の第2水曜日入館料無料は2月も適用するという。問い合わせは同館(電話073・483・1777)まで。

(2021年1月29日付紙面より)

今回の展示対象魚・キテンハタ(県立自然博物館提供)
2021年01月29日
3 地区の平穏など願い
 浅里神社で例大祭  (紀宝町 )

 紀宝町浅里の浅里神社(宮地秀直宮司)で24日、例大祭が営まれた。大森晴雄・氏子総代、厄年の男女3人、区の役員らが参列し、地区の平穏や無病息災、家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。

 神事では、宮地宮司が神饌(しんせん)を供え、祝詞を奏上。区民らは感謝と願いを込めて玉串をささげた。どんど焼きでは各家のしめ飾りや古神札を持ち寄り、忌火(いみび)にくべた。

 宮地宮司は「新型コロナウイルスで大変な思いをしている中だが、一日も早い終息と、里人の健康を祈らせていただいた。神様から心を離さず、健康に過ごしてほしい」。大森総代は「浅里は災害の多い場所だが、一年間土砂災害や洪水などがなく、平穏に過ごせたら」と話していた。

 浅里神社の創始は不明だが、「紀伊続風土記」には「八幡宮 境内山周240間 村中にあり、境内飛雪瀧の側なれば末社に瀧御前といふを祭る、当村及相賀村の少名瀬原の産土神なり」とあり、江戸期から崇敬を集めていたことがうかがえる。

(2021年1月29日付紙面より)

宮地秀直宮司が神事を執り行った=24日、紀宝町の浅里神社
2021年01月29日
4 一足早い節分で終息願う
 補陀洛山寺で立春大護摩祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で27日、立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)があった。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木亮英副住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。

 同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳し、髙木住職らが法要を営んだ。

 続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛などを祈願。その後、僧侶3人が本堂の回廊から境内に向けて豆をまいた。

 例年は多くの参拝者が集まる中、髙木住職とかみしも姿の厄年の人たちが境内に設置したやぐらから豆まきや餅まきを実施している。

 髙木副住職は「コロナウイルスの撲滅退散や世界の平穏無事を願った。一日も早い終息と人々の幸せが来ることをお祈りしています。そして熊野地方にも早く春が訪れてくれたら」と語った。

 なお、毎年多くの人々が参拝に訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、中止を発表している。

(2021年1月29日付紙面より)

商売繁盛や終息などを願い護摩木をたき上げた=27日、那智勝浦町の補陀洛山寺
僧侶のみで一足早い豆まきを行った
2021年01月29日
5 市職員を地公法違反で懲戒処分  新宮市  
2021年01月29日
6 英会話で親交深める  台湾女子高級中學とオンライン交流  (新宮高校 )
2021年01月29日
7 熊野地方の未来の気候学ぶ  近大新宮で出前講座  
2021年01月29日
8 健康な歯を保つために  太地中でブラッシング指導  
2021年01月29日
9 38事業所で仕事を体験  1年生がインターンシップ  (新翔高校 )
2021年01月29日
10 住民らでぶつぶつ川守る  維持や美化に尽くし感謝状  (那智勝浦町 )
2021年01月29日
11 医療、次いで町民一般へ  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年01月29日
12 5歳児の視機能の支障探る  機器用いてスクリーニング  (串本町 )
2021年01月29日
13 園児にイチゴをプレゼント  古川園芸が認定こども園に  (御浜町 )
2021年01月29日
14 スイセンの花、愛らしく  ふるさと資料館前で咲き誇る  (紀宝町 )
2021年01月29日
15 「いじめ反対」の意思表示  相野谷小でピンクシャツデー  (紀宝町 )
2021年01月29日
16 お悔やみ情報
  
2021年01月27日
17 防火意識持ち文化財守る
 那智大社、青岸渡寺で訓練  (那智勝浦町 )

 「第67回文化財防火デー」の26日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で消防訓練が行われた。職員や那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)が参加し、防火の重要性を再認識するとともに国の宝を守る意識を高めた。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年から、この日を中心に消防と地域が連携し、全国的に防火活動が展開されている。

 熊野那智大社では宝物殿裏の山林からの出火を想定。自衛消防隊が火災の報知後、宝物などを運び出し、消火ホースで放水した。続いて、消防職員が神職らに消火器の取り扱い方法を指導し、実際に使用した。

 男成宮司は「ご本殿は重要な建造物、火を出してはいけない。訓練を通じて防火意識を高め、火気の管理を徹底し、万が一の際に行動が取れるように心掛けてほしい」と話した。

 那智山青岸渡寺では訓練前に職員が集合し、髙木亮英副住職が同寺は西国三十三所の第一番札所であり、観音信仰の布教にとっても重要な建造物であると説明。訓練について「重要なお寺を後世に伝え残していくことが大きな使命。火を出さないことを再認識して訓練に取り組んでほしい」とあいさつした。

 同寺では本堂床下から出火した想定で訓練を実施。髙木副住職の指示の下、初期消火や避難誘導、宝物運搬、消火器による消火訓練などに取り組んだ。

 湯川消防長は両社寺に対して課題の検証や訓練の積み重ねを継続してほしいとし、「火災の報知や的確な放水が行われており不備はなかった。世界遺産を守るために消防も一致協力していきたい」と講評した。

(2021年1月27日付紙面より)

文化財を守るため訓練に取り組んだ=26日、那智勝浦町の熊野那智大社
放水銃で消火訓練=同日、那智山青岸渡寺
2021年01月27日
18 コミュバスの原画を制作
 田原小と絵本作家協力し  (串本町 )

 串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が25日、同町コミュニティバスにラッピングする絵の着色に取り組んだ。絵本作家・やのともこさんとの共同作業の一環で、やのさんは14人の絵を組み合わせて必要な原画を仕上げるという。

 同町は同バス4路線のうち、潮岬線と佐部・上田原線の車両について新旧入れ替えを目指している。新車は初導入となる29人乗りのノンステップ仕様。当初は潮岬線で先行導入し高齢化が進む町域になじむかを確かめるとしていたが、後に町民から受けた寄付を生かすため関係する佐部・上田原線も先行導入の対象に加えた。

 同バスは路線にちなんだラッピングが特色で、佐部・上田原線の新車にはロケット関係の原画採用を想定。写真がまだ存在しないためイラストを採用する方向で検討し、町民寄付の思いに子どもの夢を上乗せする方向性を持った。他方でプロの手も借りたいという思いから、くしもと町立病院にホスピタルアートを飾る縁をたどりやのさんに相談。最地元の田原小児童との共同制作を前提にして具体化するに至った。

 必要な原画は新車の側面と後面に用いる3枚。この日はやのさんが来校し、ロケットと灯台や橋杭岩、キャラクターなどを描いた下絵と塗り方の雰囲気を伝えるため着色済みの見本を児童に配り、着色を求めた。画材は色鉛筆とソフトパステルで、後者は温かいタッチにするため指に付けて塗るよう指示し後は自由とした。

 今後は14人全員の絵を部分的に切り出し、やのさんが良い感じに組み合わさるよう手を加えて原画を仕上げるという。

 児童の荒木野乃子さん(6年)は「全体的にふんわりとしたイメージになるよう、細かなところもできるだけ色鉛筆を使わないようにした。これから(中学校への通学で)コミュニティバスに乗る機会が増えるので、その時が今から楽しみです」とコメント。やのさんは「指で色を塗ることで思い通りのものができるという新感覚を感じてもらえたらうれしい。このロケットの絵がバスのラッピングになるということで、今日は私も含めみんなで貴重な経験ができたと思う」とこの機会を喜んだ。

  □     □

4月中に新旧入れ替え予定



 役場企画課によると、新車は2月末に納車予定。現行のマイクロバスと車両感覚が異なるため、運転手の馴致期間を若干取り4月中にの入れ替えを目指している。潮岬線は従来通り路線にちなんだ写真をラッピングするという。

(2021年1月27日付紙面より)

やのともこさん(右)が描いた下絵に着色する児童=25日、串本町立田原小学校
コミュニティバス後面の絵を仕上げた児童
2021年01月27日
19 教育振興や発展に尽力
 橘、丹羽教諭が表彰受ける  (新宮高校 )

 県立新宮高校(前田成穂校長)の橘恭子・国語科教諭(46)がこのほど、和歌山県教育委員会の「きのくに教育の匠(たくみ)」を受賞した。

 県の教育振興や発展に功績があった個人、団体をたたえる「和歌山県教育表彰式」で表彰された。橘教諭は1996(平成8)年に教員生活をスタートさせて以来、25年にわたり同校に勤務。18(平成30)年度には、優れた教育実践が評価され「きのくに教育賞」を受賞した。

 その後も継続的な実践で成果を上げつつ、他の教員の指導力向上に寄与したとして「きのくに教育の匠」に選ばれた。令和2年度文部科学大臣優秀教職員の表彰も受けた。

 橘教諭は「恐縮しているが、大変ありがたい。生徒たち自身が物事を感じ、活動する中で意見や考えを交換して学びを深めるサポートになればとの思いを意識している。賞を頂いたことを励みに今後も授業はもちろん、さまざまな学びの場で指導に生かしていきたい」と述べた。

 また、同校保健体育科の丹羽泰一郎教諭(40)が、県学校体育研究協議会から「和歌山県学校体育授業優秀教員」の表彰を受けた。

 この表彰は県を代表する研究実践を行った教員が対象で、丹羽さんは「主体的に取り組み、生涯にわたって運動に親しめる健康で安全な体育授業」をテーマに授業を実践し、研究発表に取り組んできたことが評価された。

 丹羽教諭は「受賞することができて大変うれしいとともに、自分自身の勉強にもつながったと思っています。時代に合った教育を目指して多くの先生方と情報共有しながら、さらに向上させていければ」と話していた。

(2021年1月27日付紙面より)

「きのくに教育の匠」を受賞した橘恭子教諭(左)と「和歌山県学校体育授業優秀教員」に選ばれた丹羽泰一郎教諭=25日、新宮市神倉の県立新宮高校
2021年01月27日
20 愛称に62点の応募
 図書館・子育て支援セ複合施設  (紀宝町 )

 紀宝町立図書館の開館に向け、同町神内の旧保健センターで改修工事が進んでいる。今春の開設を前に外観が完成し、看板も設置された。

 3月下旬には新図書館と子育て支援センター複合施設の竣工(しゅんこう)式を実施する予定。新型コロナウイルスの状況を確認しつつ、プレオープニングイベントを計画している。イベントはワークショップで紋切り作品を作ってもらい、地区住民や施設利用者に飾り付けを呼び掛ける。

 町では、まちづくり構想の基本理念「海・山・川の恵みに抱かれ、ともに輝き創造するまち」の拠点として、より多くの人に親しみを持ってもらえるよう、新たな「図書館・子育て支援センター複合施設」の愛称を募集したところ、町内から62点の応募があった。

 今後、教育委員や神内地区区長、子育て支援センター・子育てサークル代表、鵜殿図書館・絵本よみきかせボランティアなどで組織する「愛称選定委員会」で審査し、最終候補案の中から町長が愛称を決定する。

 昨年12月に閉館した町立鵜殿図書館では、蔵書整理を行っており、役目を終えた本や雑誌は2月から移動図書館でも配布する。3月中旬から新図書館開館準備として利用者カードの修正作業に取り掛かる。

(2021年1月27日付紙面より)

新図書館開館に向け外観がお目見え=紀宝町神内
新たな施設の看板も設置
2021年01月27日
21 もみじ会1月ゴルフコンペ
  
2021年01月27日
22 1月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2021年01月27日
23 西垣戸農園が優勝 第162回職場対抗ボウリング大会 
2021年01月27日
24 林床などでひっそり咲く  カンアオイ属花の時季に  (古座川町 )
2021年01月27日
25 区民限定で信心をつなぐ  添野川いくさ地蔵尊例祭  (古座川町 )
2021年01月27日
26 「和歌山県の祭りと民俗」  きのくに民俗文化財ガイドブックが発売  
2021年01月27日
27 ベートーベンの協奏曲を収録  森岡薫さん、アルバムを発売  (新宮市出身のピアニスト )
2021年01月27日
28 ゆかし潟の良さを知って  小松さんが「呼ばずの鼻」整備  (那智勝浦町 )
2021年01月27日
29 地域活性化の一端に  よみがえりの地で永代供養  (新宮市熊野川町 )
2021年01月27日
30 声掛けで詐欺被害を防ぐ  鈴木愛さんと石倉あいさんに署長感謝状  (熊野警察署 )
2021年01月27日
31 参拝者が静かに手を合わす  横手延命地蔵尊で例祭  (紀宝町井田 )
2021年01月27日
32 地域の自慢、ぶつぶつ川 辻悠斗君の作品が最優秀賞に (那智勝浦町)
2021年01月27日
33 お悔やみ情報
  
2021年01月23日
34 亀裂や沈下に不安の声
 自転車道年度内に再舗装  (和歌山県 )

 「サイクリング王国わかやま」をPRする和歌山県が整備を進め、2019(令和元)年7月に供用開始となった太地新宮自転車道線。完成後間もない同サイクリングロードでは亀裂や段差が生じており、町民や利用者からは不安の声が上がっている。

 県は、県内800㌔を超えるサイクリングの道しるべ「ブルーライン」を引き、観光や健康づくりの促進に向け、利便性や安全性を備えたサイクリングロードの整備を進めてきた。

 1989(平成元)年から工事に着工していた太地新宮自転車道線は、98(平成10)年に一時休止となったが、2017(平成29)年から旧グリーンピア南紀周辺コース(那智勝浦町寄りの744㍍)の整備を再開し、19年7月に供用開始に至った。

 問題とされている現場は、大浦トンネル手前の約80㍍間。舗装された道に大小の亀裂が入っているほか、沈んでいる箇所もあり、雨水などを排水するU字溝との間に段差や隙間が生じている。

 利用者や町民からは「歩く人もいる。多額の費用もかかっているため適正な管理をしてほしい」「地震や大雨の際に危険ではないか」「このような状況では他府県から自転車で訪れた人たちに恥ずかしい」などの意見が本紙に寄せられた。

 東牟婁振興局新宮建設部によると、軟らかな粘性土層が盛土などの荷重を受けることで、土と土の間の水が排水され体積が減少して起きる「圧密沈下」が原因だという。施工時に約11㍍の盛土をした箇所と地山の境目部分で圧密沈下が発生し、ひび割れなどに至ったと見解を示した。

 供用開始後、数カ月で亀裂が生じており、同建設部では大きな危険はないとしながらも、液状のアスファルトによる補修作業を実施。大きな亀裂や沈下箇所にはカラーコーンを設置して自転車利用者や歩行者が進入しないように対策を施した。

 本年度中に亀裂箇所などの約80㍍区間のアスファルト部分を撤去し、再度舗装を行うとしており、工期は1週間程度を見込んでいるという。

 同建設部では自転車利用者や歩行者が安全に利用できるようにしっかりと施工作業に努めると話している。

(2021年1月23日付紙面より)

圧密沈下でひび割れなどが発生した太地新宮自転車道線=19日、那智勝浦町
段差も目立つ
2021年01月23日
35 被災の厳しさ知って
 那智中学校で防災学習  

 那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長、生徒149人)で19日、1年生49人を対象とした防災学習があった。和歌山大学紀伊半島価値共創基幹Kii―Plus災害科学・レジリエンス共創センターの今西武客員教授が講義し、被災の厳しさや災害に備えることの重要性を伝えた。

 和歌山県教育委員会の学校安全総合支援事業の一環。那智勝浦町は同事業のモデル地域となっており、町内の小中学校ではそれぞれの地理環境を反映して地震や津波、土砂災害などさまざまな防災学習が行われている。

 生徒たちは最初に、2011年の東日本大震災発生当時の報道写真を集めた「3・11メッセージ」を視聴。がれきの山と化した町や津波に流された遺体を確認して泣き崩れる家族、避難所での生活の様子を知り、涙を見せる姿もあった。続いて、明日災害が起きることを想定し、今日一日どのような行動を取るのかを考えた

 今西教授は「災害時は上下水道、電気、ガス、道路、情報などのライフラインが使えなくなる。那智勝浦町内で使われているプロパンガスが漏れた場合、低い場所にたまって爆発を起こす可能性もある」と話し、「病気や事故により、本人の努力では生きられない人もいる。一方で災害は、事前に備えておけば、自分や大切な家族、愛する人たちの命を守ることができる。皆さんの将来の夢をかなえるためにも、災害から生き延びなければ」と語り掛けた。

 谷川優衣さんは「地震や津波でたくさんの人が亡くなったり、行方不明になったりして苦しい思いをする中、みんなで助け合って元の生活に戻そうとしている姿が印象に残った。明日災害が起きるとしたら、今日中に家族と避難所の確認や、避難後にできることを話し合うと思う」と話していた。

(2021年1月23日付紙面より)

「3・11メッセージ」を視聴=19日、那智勝浦町立那智中学校
今西武客員教授
2021年01月23日
36 打ち上げに向け情報を学ぶ
 古座中がロケットWS参加  (古座川町 )

 古座川町立古座中学校(濵地久夫校長、生徒80人)が21日、串本町のロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加して2021年度以降の打ち上げに向け基本情報を教わる機会を持った。

 このWSは、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の一環で町民を対象にして実施。古座中はその枠外にあるが、旧組合立の名残で古座地区在住の生徒が通っているため、共に通う古座川町在住の生徒も含めて参加する機会を届けた。

 講師は南紀串本観光協会付けで養成を受けた仲江孝丸さんが担当。同校は5時間目に2、3年生、6時間目に1年生と教職員全員が参加し、5時間目は後口幸宏君(3年)が代表してあいさつを述べて歓迎した。

 仲江さんは串本町田原で建設が進む小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」を運用するスペースワン株式会社は、21年度中に初打ち上げ、将来的に年20基の打ち上げを目指していると説明。ロケットは全長18㍍あり、高度500㌔まで飛んで人工衛星を軌道に乗せる時には東京―大阪間を約1分で移動できる速度に達する。他方、人工衛星には衛星放送など通信、気象観測など撮影とさまざまな役割があり、今は重量100㌔前後でも機能を果たせるほどに進歩。これをロケットで上げたい時に上げたい場所へ運ぶのが同社のビジネスだとした。

 ロケット事業はその様子を見学する以外にロケット産業や取り巻く産業への従事、打ち上げ時の来町者のもてなしやインターネットを使ったアピールなど、さまざまな関わり方ができることも紹介。説明の合間にクイズや実験、他地域での打ち上げ時の動画や最前線で活躍する人らのビデオメッセージなども交えて興味を誘い、ロケット事業を自分事とするための頑張ろうコールで締めくくった。

 工学系の進路に関心があるという浅利大雅君(3年)は「動画やクイズなどもあり、興味を持って学ぶことができた。スペースポート紀伊でロケットを発射する時は、今日学んだことを思い出しながら観察したい」と話し、進路の一選択肢としても興味を示しつつ打ち上げへの期待を強めていた。

(2021年1月23日付紙面より)

スペースポート紀伊のロケット打ち上げに向け情報を学ぶ生徒=21日、古座川町立古座中学校

2021年01月23日
37 火災に備え素早く避難
 丹鶴幼稚園で消防訓練  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で21日、職員室からの出火を想定した自衛消防訓練があった。市消防本部協力の下、教職員たちは園児56人を素早く園庭に避難させた。

 「令和2年版消防白書」によれば、元年中は全国で3万7683件の火災が発生。空気が乾燥し、ストーブやこたつなどの火気を使用する機会が多い冬季~春季の出火は、全体の59・5%を占めている。

 火災を知らせる放送がかかると、園児たちは口元を押さえ、火元から離れた出入り口から園庭に出た。教職員は園児の誘導、消防本部への通報、消火器による一次消火、取り残された園児がいないかの確認をし、出火元のドアを閉めて避難した。

 消防士は園児たちが3分で避難できたことを褒め、▽押さない▽走らない▽しゃべらない▽戻らない―の頭文字を取った「おはしも」の約束を確認。教職員に向け「連携が取れていて良かった。通報する電話が出火元から近い場合は、携帯電話の使用も視野に入れて。一次消火の際は火元に近づきすぎないよう注意を」と講評した。

 訓練後には消防士による防火服着装や、火災現場で有毒な煙やガスを吸わないよう着ける「空気呼吸器」の説明があった。初めて消防車に乗った園児たちは歓声を上げ、消防士を質問攻めにしていた。

(2021年1月23日付紙面より)

園庭に避難する園児=21日、新宮市立丹鶴幼稚園
消防車へ乗車体験
2021年01月23日
38 クジラってどんな生き物?  こどもとおとなのジオ教室  (太地町 )
2021年01月23日
39 高校生に命の尊さ伝える  岩崎順子さんが人権講話  (新翔高校 )
2021年01月23日
40 物語の世界に夢中 下里保で絵本読み聞かせ (那智勝浦町)
2021年01月23日
41 和やかな雰囲気で運動も  今年最初の「カフェいっぷく亭」  (紀宝町 )
2021年01月23日
42 色とりどりのボンボンアート  寺子屋広場に女性7人参加  (紀宝町 )
2021年01月23日
43 児童、生徒がゲームで交流  矢渕中学校区人権フォーラム  (紀宝町 )
2021年01月23日
44 お悔やみ情報
  
2021年01月14日
45 授業開始に向け教職員研修
 GIGAスクール構想  (新宮・東牟婁 )

 黒板と教科書、ノート、鉛筆。そんな子どもたちの学習風景が大きく変ろうとしている。新型コロナウイルス感染拡大が追い風となる形で政府が推進する「GIGAスクール構想」では、義務教育段階の児童生徒に1人1台の学習用パソコン(PC)端末と高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)を整備し、個人に最適化された教育環境の実現を目指す。

 新宮・東牟婁地方の各自治体や教育現場でも本年度、タブレットPC導入や校内LAN整備工事、教職員研修、オンライン授業研究などが進んでいる。早ければ年度内にも、児童生徒が学習用端末に触れる授業が開始される。

 太地町立太地中学校では12日、「1人1台パソコンの導入に係る操作研修」が行われた。町内小中学校の教職員25人が参加し、実際にタブレットPCを使いながら操作方法を学んだ。

 講師の赤井俊哉さんは、共有ドライブに保存した作文の添削やコメント、協働編集によるスライド作りの手順などを教えた。教職員からは「使いこなすにはもっと実践が必要だが、端末の立ち上がりも早く、授業で使えそうな便利な機能もたくさんあった。特にグループでのスライド作りは操作も簡単で、資料作りと発表が一つの端末でできる」との声があった。

 新型コロナ第3波により首都圏1都3県に緊急事態宣言が発出され、関西や東海など7府県の追加も見込まれる中、遠隔授業の環境整備を含む情報通信技術(ICT)活用は喫緊の課題だ。それに加え、山間部のへき地学校や複式学級を多く抱える当地方では、ICTが子どもたちの学習を支え、人々との交流の輪を広げる手段となる可能性を秘めている。今後の各自治体の取り組みに注視が必要だ。

(2021年1月14日付紙面より)

学習用端末の使用方法を学ぶ教職員=12日、太地町立太地中学校
2021年01月14日
46 新年の事業に意欲
 三役が市長ら表敬  (新宮青年会議所 )

 一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義理事長、和田祐幸副理事長、竹内知恵利専務理事の三役は12日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と速水盛康教育長を表敬訪問した。新年のスタートに当たっての意欲を伝えるとともに事業への協力などを呼び掛け、新年のあいさつとした。

 「温故知新~変化のとき~」をテーマに掲げる今年の新宮JC。梅村理事長は「去年は新型コロナウイルスの影響でほとんど事業ができなかった。今年は『コロナだからできない』のではなく『コロナでもできる』ように事業を模索していきたい」と、会員拡大に向けた取り組みや青少年育成事業、新宮JC杯中学新人サッカー大会の開催などへの意欲を示した。行政や学校ができない役割を担っていきたいと抱負を語り「自分たちだけでできないことも多いと思う。そのときは行政とタッグを組ませていただければ」と協力を求めた。

 新宮JC第32代理事長を務めた経緯のある田岡市長は「地域と学校の関係が希薄となる中、JC会員が小中学校を訪問し自分の仕事について講話した事業は楽しかった」などと当時を振り返り会員らにアドバイス。

 また、新宮JCで7年間取り組んだこと、理事長を務めた経験は自身の人生のターニングポイントだったと語り「一生懸命頑張るということは多くを学べるということ。仕事と活動の両立は大変だと思うが頑張りは自分の成長につながる。(JCの活動は)短い期間だが一生のうちでも貴重な時間になると思う」と激励した。

(2021年1月14日付紙面より)

新宮JCの竹内知恵利専務理事(左)、梅村英義理事長(右から2人目)、和田祐幸副理事長(右)が田岡実千年市長を表敬訪問=12日、新宮市役所
2021年01月14日
47 来年こそ活気ある祭りに
 塩竃神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で10日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを願った。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承しており、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016(平成28)年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取って西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(鈴木伸社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などが披露され、にぎわいを見せているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小し神事のみの斎行となった。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。脊美祭り前には豊漁などを祈願する弁天祭りも行われた。

 並川区長は「昨年秋の例大祭に続き、獅子舞などができずつらくて寂しい。終息を願い、平常通りの行事ができることを祈っています」。神事を終えた井谷宮司は規模縮小について残念の一言と述べ「脊美祭りは地域の伝統ある特別の祭り。若い人たちも継承しようと頑張ってくれています。来年こそは活気ある通常の祭りができれば」と話していた。

(2021年1月14日付紙面より)

さまざまな思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司=10日、那智勝浦町浦神の塩竃神社
祭り関係者が玉串をささげた
2021年01月14日
48 全患者対象に機器貸し出しも
 オンライン面会環境整う  (くしもと町立病院 )

 くしもと町立病院がこのほど全病室にWi―Fi(ワイファイ)環境を整え、今月4日から全患者を対象にオンライン面会のための通信機器貸し出しも始めた。

 入院患者にとって面会に訪れる家族の存在は加療の励みとなるところ。他方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限は少なからずその機会を奪っている。この状況下でどうすれば入院患者が相応の励みを得られるかを考えた竹村司病院事業管理者は、オンライン面会の手法を導入できないかを昨夏に着想。以降同病院を挙げて実現を目指してきた。

 院内は旧来、1階待合室と3、4階のデイルーム限定でWi―Fi環境があり、持ち込みの通信機器で独自にオンライン面会をする患者もいた。しかし病室から動けない患者や通信機器の操作が苦手な患者、通信機器を持っていない患者にとっては縁遠い利便。そこで通信機器が患者に与える影響を確かめた上で▽Wi―Fi環境を全病室へ拡大▽貸し出し用通信機器(タブレット)を確保▽医療スタッフによる通信支援―の3項目を県の新型コロナウイルス関係補助金を活用して整え、全患者が家族とオンライン面会できる状況を形にした。

 同病院が貸し出す通信機器の利用対象は患者の家族で、オンライン面会できるのは祝日を除く月~金曜日の午後2時~4時。▽面会時間は最大5分▽1週間につき1回まで―といった条件をつけ、数に限りがある通信機器を多くの患者で活用できる状況を目指している。

 LINE(ライン)通話を使った面会となるため、家族側の通信機器にも相応の設定が必要。患者側の通話にはスタッフが対応する(病院側から家族側へ通話を発信する)ため利用は事前予約制とし、前述した曜日時間帯中に同病院(初回のみ電話0735・62・7111、2回目以降はLINEトークを使用)へ希望する日時の前日までに家族側から申し出てほしいという。以降は担当するスタッフとの調整となる。

 同病院は今月7日に新宮保健所管内で陽性患者が出たという発表を受け、翌8日から患者の付き添い人と病院が来院を求めた人以外は面会禁止とする対応を取っている。名田倍也事務長は「今は患者と直接面会できないが、代わりにオンライン面会で入院する家族を支えてほしい」とし、それが可能となったことの周知と活用の促進に努めている。問い合わせは同病院まで。

(2021年1月14日付紙面より)

入院患者にオンライン面会可能となったことを伝えるスタッフ=12日、くしもと町立病院
2021年01月14日
49 スポーツウエルネス吹矢大会
 那智勝浦町体育協会  
2021年01月14日
50 礼儀礼節の大切さ知って
 軟式野球体験練習会  (新宮黒潮ベースボールクラブ )
2021年01月14日
51 チーム一体で力を合わす
 ジュニア駅伝チームが本番に向け練習  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
52 販売終了まで1カ月切る  新宮市プレミアム付共通商品券  
2021年01月14日
53 地域の防災活動に尽力  消防関係者表彰  (新宮市消防本部 )
2021年01月14日
54 区民の安全と健康願い  青彦神社で春の例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
55 規模縮小し神事のみ斎行  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
56 小雨降る中参拝集める  峯の薬師堂で厨子開帳  (古座川町 )
2021年01月14日
57 初動や連携の練度を高める  代替指揮所で災害警備訓練  (串本警察署 )
2021年01月14日
58 手作りたこを大空に  元気いっぱい走り回る  (鵜殿保育所 )
2021年01月14日
59 新年会で笑顔あふれる  ふれあいサロン牡丹  (紀宝町 )
2021年01月14日
60 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2021年01月14日
61 お悔やみ情報
  
2021年01月10日
62 老朽化に伴い工事進む
 熊野速玉大社の「熊野神宝館」  (新宮市 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の「熊野神宝館」で、屋根のふき替えと下地の修繕工事が進んでいる。工事に伴い、同館は昨年10月から休館しており、3月末の工事完了を予定している(工事延期の可能性あり)。

 このたびの工事は老朽化に伴うもので、同大社は第1弾として屋根および下地、天井の修繕に着手した。

 同大社が発行する「国宝古神宝類」によると、1950(昭和25)年の文化財保護法施行以降、彩絵(さいえ)檜扇(ひおうぎ)5握をはじめとする多数の古神宝670(内容品、付属品を計上すると1204)点が55(昭和30)年に新国宝として指定を受けた。

 同館はそれを記念し57(昭和32)年に新築工事に着工したもので、敷地面積373平方㍍、鉄筋コンクリート造り彩色仕上げ、瓦ぶき屋根の建物は同年12月31日に竣工(しゅんこう)した。以来、60年以上にわたり国宝神宝類の一部、金銅装神輿(みこし)、朱塗り神幸船(しんこうせん)、糸巻太刀など、数々の重要文化財や県・市の指定文化財および古文書などを保存・展示してきた。

 同書によると、神宝(神の調度として皇室から献納された宝物)の全国的に現存する遺品は極めて数が少なく、わずかに熱田神宮、春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮と同大社(阿須賀神社含む)とに限られており、また、同大社古神宝の調進年代など、各社殿別に品目を記した「熊野新宮御神宝目録」の写しが佐藤春夫の父・豊太郎によって21(大正10)年に奉納されている。

(2021年1月10日付紙面より)

今年3月末の完了目指して工事が進む「熊野神宝館」=6日、熊野速玉大社
2021年01月10日
63 「幸多き一年に」
 天御中主神社で例大祭など  (新宮市 )

 新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除(よ)け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事や新型コロナウイルスの終息を祈った。

 例大祭では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の北道篤志さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。新型コロナ感染防止の観点から、毎年大勢の地域住民でにぎわう餅まきは中止となった。

 同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は中地地区が当家を務めた。

 神事後、北道さんは「当主を務めることができて光栄。今年は新型コロナが収まり、皆さまにとって幸多い年となるようお祈りします」とあいさつ。

 石垣総代長は「皆さまのご健勝やご活躍、郷土繁栄、新型コロナの終息などを祈願しました」と話していた。

(2021年1月10日付紙面より)

一年の無事などを祈り玉串を供えた=9日、新宮市佐野の天御中主神社
2021年01月10日
64 今年一年の平穏など祈願
 初薬師の法要営む  (紀宝町 )

 新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂でも祭典が執り行われた。

  □     □

■東正寺



 紀宝町鵜殿の醫王山東正寺(片野晴友住職)では、本尊の薬師瑠璃光如来を開帳し、初薬師大般若会(だいはんにゃえ)を営んだ。寺の役員らが訪れ、家内安全、心願成就、疫病退散、新型コロナウイルス感染症の早期終息などを祈願した。

 普同三拝、心経読誦(どくじゅ)に続き、600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、参拝者らが順に焼香した。

 片野住職による法話では「続けることは根気がいるが、やるべきことを真面目に行えば、人は輝いてくる。まねを続ければ、やがてそれが本物になる」と話し、「普通の生活を送れることに感謝し、一日一日を大切にしてほしい。今日やるべきことはやって、明日目覚めなくても悔いが残らないよう努めて」と語りかけていた。

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■平尾井薬師堂



 平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、一年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。

 今年は新型コロナウイルス対策として、密にならないよう参列者を制限した。また、「薬師の庭」と呼ばれる境内で行っている餅ほりも中止とし、餅俵のみを供えた。

 参拝者は石段を登った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。参列した老人クラブ「平和クラブ」の林杜谷会長)は「新型コロナウイルスの終息と今年一年の平穏を願いました」と話していた。

 白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。

 薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。

(2021年1月10日付紙面より)

大般若経典を転読=8日、紀宝町の東正寺
平穏、豊作など願い冬の大祭を営む=同日、紀宝町の平尾井薬師堂
2021年01月10日
65 絵本で新年初笑い
 井関保育所に「よむよむ」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立井関保育所(桝本千惠美所長)で6日、絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあった。全園児15人が正月にちなんだ絵本に笑顔を見せ、楽しい時間を過ごした。

 町立図書館や保育所などで20年以上活動を続ける同会には町内在住の6人が所属しており、この日は中村起代子さんと伊藤松枝さんが来所した。

 園児は2グループに分かれて読み聞かせに耳を傾けた。大型絵本「おめんです」では、面の下に誰がいるのか予想し、面白おかしい回答に初笑い。おせち料理や年賀状、たこ揚げ、福笑いなどの正月の過ごし方を描いた「あけましておめでとう」や餅が大好きなお殿様が登場する「おもちぶとん」の世界に引き込まれていた。

 読み聞かせの後は、「たこのうた」と「カレンダーマーチ」を歌ってお礼をした。1月中は、保育所で羽子板やたこ揚げ、かるた、こま回しなどの正月遊びをする予定だという。

(2021年1月10日付紙面より)

「これはまる」を読み聞かせ=6日、那智勝浦町立井関保育所
2021年01月10日
66 市民の皆さまへお願い  田岡市長がメッセージ  (新宮市 )
2021年01月10日
67 ダウンロード数2300万件突破  接触確認アプリ「COCOA」  (厚生労働省 )
2021年01月10日
68 誰もがなる可能性のある病  那智中学校で認知症講座  (那智勝浦町 )
2021年01月10日
69 「浮島の森」の池も凍る  新宮市  
2021年01月10日
70 歯科口腔外科の診療を変更  職員不足で通常体制困難に  (紀南病院 )
2021年01月10日
71 自身と大切な人の命守るため  西田町長がメッセージ  (紀宝町 )
2021年01月10日
72 これで君も指文字マスター  やさしい初級手話教室  (紀宝町 )
2021年01月10日
73 お悔やみ情報
  
2021年01月08日
74 将来を展望するために
 児童が初の麦踏み体験  (太地学童保育所 )

 「朝、種を蒔(ま)け、夜にも手を休めるな。実を結ぶのはあれかこれかそれとも両方なのか、分からないのだから」(旧約聖書のコヘレトの言葉11章6節から引用)―。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する現代においてメッセージ性の強いコヘレトの言葉が注目されているという。この言葉に感銘を受けたと語る新宮市在住で太地町立子育て支援室・子どもの居場所づくり指導員の村上和弥さん。太地学童保育所を利用する児童14人と共に5日、那智勝浦町長井の2㌃の田んぼで麦踏み体験を行った。児童は初めての麦踏みを全力で楽しんだ。

 麦踏みはコロナ禍の中、自然に触れることで子どもたちが抱えるストレスや閉塞(へいそく)感を除き、互いに絆を深め合ってもらうことを目的に計画された。

 村上さんによると、麦踏みをすることで麦が倒れることを防ぎ、新芽が伸びて株分かれする「分げつ」が起きるほか、根の張りなどが良くなるという。説明を受けた児童は両足でカニ歩きをするように元気いっぱい麦を踏んでいった。

 昭和30年代には同地域にも農業の繁忙期には学校が休みとなる農繁休暇があったと述べる村上さんは「昔の人々は地域と密着しており、日本が農業を大切にしていたのが分かる」と推測。

 今回の体験については「野菜などを例に挙げると、スーパーで売られている姿しか知らない子どもが多い。種をまき、収穫するまでの期間やそこに喜びがあることを理解する『長いものさし』を持ってほしい。コロナ禍で先が見えない中だからこそ、将来を展望するための『種まき』の重要性に気付いていただけたら」と語った。

 麦踏みの様子を絵日記にする児童がいるほど盛況で、参加した太地小学校3年生の塩﨑心温(こはる)さんは「麦を踏むと枯れてしまうのではと心配した。踏むことで元気に育つと知ってびっくりした。楽しかった」と語った。

 なお、麦は6月に刈り取って製粉し、できた小麦粉でうどん作りを行う予定だという。

(2021年1月8日付紙面より)

麦踏み体験に取り組む児童=5日、那智勝浦町の村上和弥さん所有の田んぼ(太地学童保育所提供)
2021年01月08日
75 「おおきによ、また来てよ」
 ぱしふぃっくびいなす入港  

 新宮港に6日、おととし8月から約1年5カ月ぶりに日本クルーズ客船株式会社のクルーズ客船「ぱしふぃっく びいなす」(総トン数2万6594㌧、全長183・4㍍)が入港した。熊野の地に降り立った乗客らは、それぞれ観光バスやタクシーに乗車し、熊野三山などの観光を楽しんだ。

 クルーズ名は「新春 伊勢四日市・南紀新宮クルーズ」で行程は横浜―四日市―新宮―横浜。乗客は74人。「GoToトラベル」の一時停止によりキャンセルが相次いだという。

 同船は新型コロナウイルス感染予防と拡大防止対策として▽乗客数を定員(620人)の約半数(300人)とする▽乗船前のスクリーニングを実施▽マルチ空調システムで常に新鮮な空気を取り入れる▽レストランなど座席数・定員を減らす▽全員でマスク着用、体調不良の人は船医の診察を受ける▽寄港地でも船内同様の感染予防に努める▽乗組員の定期的な感染検査と予防教育・訓練に努める▽感染者が確認された場合はクルーズを中止し速やかに下船港へ向かう―の「びいなす安全八策」を講じた上で再開に至った。

 入港に当たり、同船は「クルーズ再開と寄港にあたり『持ち込ませない・うつさない・広げない』ために船内では『びいなす安全八策』を実施するとともに、寄港地でもツアーバス座席数の制限や、乗車時の検温・マスク着用など、クルーズ旅行全体の感染対策を徹底する」とコメントを寄せていた。

 感染防止対策のため入港セレモニーは実施されなかったが、平安衣装姿の女性や雅楽演奏が乗客らを出迎えた。

 夕方の出港時には、田岡実千年市長が「蘇(よみがえ)りの地 熊野」への来訪に感謝を述べ「当面の間は感染症対策を実施した上でのお迎えとはなりますが、梛(なぎ)の木見送り隊をはじめ、地域を挙げて歓迎させていただきたいと思いますので、また熊野・新宮へお越しを」と乗客らに呼び掛けた。

 太鼓演奏などによる見送りイベントは実施されなかったが、梛の木見送り隊や駆け付けた地域住民らが「さいなら おおきによ また来てよ」と見送り。船上からは「また来るよ」の声が響いた。

(2021年1月8日付紙面より)

市民らに見送られ新宮港を後にするぱしふぃっくびいなす=6日、新宮市
2021年01月08日
76 リラックスして全身ほぐす
 からだスッキリ教室  (紀宝町 )

 音楽に合わせたストレッチ・筋力アップエクササイズを楽しむ「からだスッキリ教室」が6日、紀宝町福祉センターで始まった。

 日頃の運動不足を解消してもらうことを目的に、町みらい健康課が実施し今年で6年目。新型コロナウイルス感染症防止の観点から、ソーシャルディスタンスを保てるよう、マットの上でできるストレッチや筋力アップエクササイズを中心に行うこととした。

 20日(水)までに3回の教室を開き、1時間の運動に取り組む。11人が参加し、初回は体組成測定器で体重、筋肉量などを測定した。

 講師はスポーツインストラクターの田畑麻子さん。10年前から各地で指導しており、これまでの経験を生かしたオリジナルストレッチを教えた。

 会場にはリラックスできる音楽が流れ、参加者は呼吸を意識しつつ、1時間かけて全身をゆっくりほぐしていった。田畑さんは「体を温めながら全身を使って楽しみましょう」などとアドバイスした。

  □     □

■参加者募集中

 みらい健康課では、27日(水)、2月3日(水)、10日(水)に開催する同教室の受講生を募集している。いずれも午前10時30分から11時30分までで、場所は同福祉センター。

 運動しやすい服装で参加し、飲み物、タオル、ヨガマット(なければバスタオル)を持参する。

 対象は町内在住の20歳以上で、申し込みは同課(電話0735・33・0355)まで。

(2021年1月8日付紙面より)

田畑麻子さん(左)の指導で楽しく体を動かす=6日、紀宝町福祉センター
2021年01月08日
77 たこ揚げやこま回し
 新木保育園で正月遊び  (新宮市 )

 「お正月にはたこ揚げて こまをまわして遊びましょう」。新宮市名誉市民の東くめ(1877~1969年)の唱歌「お正月」に歌われる正月遊び。空高く舞い上がるたこには子どもたちの健康と成長の願いが込められ、こま回しは「物事が円滑に回る」「お金が回る」に通ずることから縁起が良いとされている。

 同市の保育所型認定こども園「新木保育園」(斎藤広志園長、園児88人)でも毎朝、園児たちがこま回しの練習に励み、「エイヤ!」「すごい! 私もやりたい」と元気な声が響いている。

 7日には5歳児21人がこまやけん玉、かるた、すごろく、お手玉などの日本の遊びをした。こま回しではなかなか成功しないものの、ひもの巻き方を教わり、何度も挑戦する中で上達を見せた。

 3歳児23人は画用紙を使ってウシ型のたこ作りにチャレンジ。この日は天候にも恵まれ、園庭を一生懸命走って初めてのたこ揚げを楽しんでいた。

(2021年1月8日付紙面より)

大きな木製のこまを回す=7日、新宮市の保育所型認定こども園「新木保育園」
ウシ型のたこを飛ばす
2021年01月08日
78 感染拡大防止に向けた対応求め  関西広域連合が緊急提言  
2021年01月08日
79 オガタマノキが花咲く  那智勝浦町  
2021年01月08日
80 一年の無病息災願い  7日は「七草粥」  
2021年01月08日
81 平穏な一年を願いつつ 消防功労で瀧本分団長ら56人表彰 (熊野市消防出初め式)
2021年01月08日
82 1月は移動図書館を継続  町内各所で貸し出し  (鵜殿図書館 )
2021年01月08日
83 吹き抜ける寒風が花揺らす  樫野埼灯台周辺のスイセン  (串本町 )
2021年01月08日
84 仁徳たたえて墓石を移設  真砂の妙好人・玉置長兵衞  (佛光山善照寺 )
2021年01月08日
85 コロナ禍で本殿神事のみに  「水門祭」異例の規模縮小  (串本町 )