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2022年08月30日
1 生誕130年、協力して事業展開 実践女子大と包括的連携協定 (新宮市立佐藤春夫記念館)

 新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)と実践女子大学は29日、市役所で包括的連携協定を締結した。締結式には辻本館長と、同大学文芸資料研究所の佐藤悟所長、同研究所研究員で佐藤春夫研究者の河野龍也・東京大学文学部准教授が出席。辻本館長と佐藤所長が協定書に署名した。両者は今後、相互連携の下、生誕130年事業などを共催していく予定。

 市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年。同記念館と同大学文芸資料研究所で連携し、事業を開催できればとの話が発端となり、このたびの締結に至った。

 締結には、春夫の研究のため、学生時代から春夫記念館に足を運び、企画展「百年之遇 佐藤春夫 1920臺灣旅行文學展(百年の旅びと 佐藤春夫 1920台湾旅行文学展)」(2020年、台湾台南市の国立台湾文学館)の開催にも尽力した河野准教授が協力。春夫記念館との公式な関わりは14年の没後50年記念行事以降となる。

 なお、河野准教授は今年4月から東京大学に転任したが、前任地である実践女子大学には、佐藤家から寄託を受け河野准教授が調査してきた関係資料が多数残されている。実践女子大では未公開の書籍や原稿を中心に1万3000カットの資料撮影を完了しているという。

 また、佐藤所長は熊野速玉大社ご神宝の調進に当たった髙倉家に中世以来伝来する装束資料を調査しており、当地方とのつながりに大きく期待を寄せている。

 このたびの締結は、協力と信頼関係の下に、互いの持つ資源を有効に活用し、相互の発展とともに文化振興に寄与することを目的とし、目的を達成するため、双方が関心を持つ学術分野において▽共同研究の実施▽講義、講演およびシンポジウムの実施▽学術情報および資料の交換▽研究・教育への相互助言▽その他必要な展示、調査および研究―について交流、協力を推進するもの。

 喫緊の生誕130年事業は包括連携協定締結記念と銘打ち、実践女子大学では生誕130年記念展示「知られざる佐藤春夫の軌跡―不滅の光芒(こうぼう)―」(9月26日~10月15日、同大学香雪記念資料館)、国文学科公開講座「美の冒険者・佐藤春夫の挑戦」(10月8日、同大学渋谷キャンパス)、春夫記念館では企画展「『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」(10月25日~来年2月12日、同記念館)と特別講演会(11月2日、市文化複合施設「丹鶴ホール」)を計画している。

 締結式では、河野准教授が締結に至った経緯について説明し「春夫の資料は膨大な量があるので大学と記念館とが協力しながら研究や教育に役立てていきたい。春夫は再評価の機運も高まっていると感じる。新宮市の魅力発信の一助にもなると考えている」。

 佐藤所長は「新宮市抜きでは研究はできない。提携がさらに発展し、学術研究・交流など幅広い関係を構築できたら」とあいさつ。

 辻本館長は「生誕130年の節目に共催の展示会が開かれることを非常にありがたく思う。かつては谷崎潤一郎、芥川龍之介と共に三者鼎立(ていりつ)などと称された。これを機会に一人でも多くの方に来場、認識いただければ」と話していた。

(2022年8月30日付紙面より)

(左から)協定書に署名した辻本雄一館長、佐藤悟所長と、締結に尽力した河野龍也准教授=29日、新宮市役所
実践女子大で記念展示・公開講座が開かれる
2022年08月30日
2 元気伝わる大絵馬完成
 えとの兎などにぎやかに  (太地町飛鳥神社 )

 過疎地域神社活性化推進委員会、太地町赤十字奉仕団(和田千明委員長)、太地町地域連絡協議会(法花真左美会長)は27日、同町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で3回目となる大絵馬づくりを行った。同町在住で日本画家の土長けいさんがクジラとイルカを描き、町内の5歳から11歳までの子どもたち10人が来年のえとである「兎(うさぎ)」の型押しを行い、自由な発想で色を塗り背景を描いた。

 髙橋宮司によると、大絵馬づくりは「地域活性化」「子どもたちの思い出づくり」「郷土愛の育くみ」が目的。大絵馬は縦120㌢、横150㌢のヒノキ製。

 この日は新型コロナウイルス対策として▽検温▽消毒▽換気▽マスク着用▽3密回避▽大絵馬は1枚のみ作成▽時間短縮―などを徹底。児童らは二手に分かれ、小さな絵馬と大絵馬の作成を交代で取り組んだ。

 開始前に和田委員長が「瑞光寺のくじら橋」など、町に関連する絵本の読み聞かせを実施。今回は時間短縮のために、土長さんがクジラなどをすでに描いており、児童らはウサギ型に切り抜いたステンシルシートを用いて、白色の絵の具でウサギを型押しした。

 続いて、好みの色で色塗りをして、カラフルな波などを描き加え完成した。小さい絵馬は色とりどりのマジックで好きな絵を描き、目標なども記した。

 昨年も参加した山門咲紀さん(太地小5)は「型紙からはみ出さないように塗るのが難しかった。うまくできたし、楽しかった。来年も参加したい」。

 土長さんは「3密回避で今回の形となった。子どもたちの元気やパワーが伝わる大絵馬が完成した。子どもの参加がある限り大絵馬づくりは継続したいです」と話した。

 法花会長は「コロナ禍のため、前日まで開催を迷った。無事に実施でき、立派な大絵馬が完成して良かった。正月に、ぎやかに飾られるのが楽しみです」。

 和田委員長は「今年も子どもたちの個性が輝いた大絵馬ができてうれしい。来年もコロナ終息を願って実施したいです」。

 髙橋宮司は「毎年、子どもたちによって赴きが違う。自由な発想が楽しい」と述べた。

 年末には大絵馬の奉納奉告祭を予定しており、小さい絵馬も正月に飾られるという。

(2022年8月30日付紙面より)

元気伝わる大絵馬が完成した=27日、太地町の飛鳥神社
自由な発想で色塗りなどを行った
小さな絵馬も作成した
2022年08月30日
3 国交省道路局長にウェブ要望
 国道42号関係3団体の会長  (串本町 )

 近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間建設促進協議会(会長=田嶋勝正・串本町長)、国道42号(田辺~新宮)改良促進協議会(会長=佐藤武治・和歌山県議会議員)、みんなの高速道路建設促進串本協議会(髙井英二会長)が26日、3団体合同で国土交通省の丹羽克彦道路局長にウェブ経由で要望をした。

 新型コロナウイルスの情勢で上京しての面会が難しい状況が続く中、例年の要望は自重しがたいとして昨年は近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間建設促進協議会と国道42号(田辺~新宮)改良促進協議会でウェブ経由による要望を実施。今年は民間団体等52人で結成するみんなの高速道路建設促進串本協議会も加わる形で臨んだ。

 地元側の会場は同町役場本庁舎内に設け、和歌山県の県土整備部・福本仁志部長もウェブ上で同席。3団体それぞれにあらかじめ書面決議した要望事項を読み上げて丹羽局長に伝え、応答を受け止めた。

 同町建設課によると、要望事項は沿線に係る防災、医療、ポストコロナ時代を見据えた地域経済振興、大阪・関西万博などを背景とし▽国道42号の代替道路となる近畿自動車道紀勢線(すさみ串本道路などを含む)の早期完成▽防災・減災、国土強靱化(きょうじんか)のための5か年加速化対策以降も含めて財源を確保し継続して取り組むこと▽自然災害に対応するための地方整備局等の体制強化や資機材の確保を図ること―などを求める内容(他に団体それぞれの立場からの事項がある)。田嶋町長は決議した内容に加えて串本太地道路の用地買収などを急ピッチで進めている旨も付して求めたという。

 丹羽局長からは「紀勢線につきましては、皆さまの期待に添えるよう事業を進めていきたい」「5か年だけでは強靱化は済みませんので、さらに5年、10年と進むよう頑張っていきたい。支援いただければと思う」などの応答を得たという。

(2022年8月30日付紙面より)

国土交通省の丹羽克彦道路局長への要望に臨む3団体の各会長(右)ら=26日、串本町役場本庁舎
2022年08月30日
4 右見てよし、左見てよし
 南大居・大野保が交通安全教室  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立南大居保育所(永野陽美所長)で26日、大野保育所と合同の交通安全教室が開かれた。和歌山県警察本部交通部交通企画課安全教育係(通称・ひまわり)が劇で交通ルールを伝え、3~5歳児11人が楽しく学んだ。

 園児たちは、交通ルールを守らず、いたずらをしてサルの城に捕まってしまった「しんちゃん」を助けるため、ニャン太郎や警察官と一緒に南の島へ出発。信号機や交通標識の意味、ヘルメットやチャイルドシートの大切さを学習し「飛び出しはしません!」と約束した。

 「右見てよし、左見てよし、もう一度右見て渡りましょう♪」の歌詞に合わせて横断歩道を渡る練習もしていた。

 同町を含む新宮市・東牟婁郡の公立小・中学校は、9月1日(木)から新学期がスタートする。交通事故を防ぐため、登下校の時間帯にはドライバーも十分注意が必要だ。

(2022年8月30日付紙面より)

手を上げて横断歩道を渡る=26日、那智勝浦町立南大居保育所
2022年08月30日
5 18年以上、環境美化に尽力  浜街道おもう会を表彰  
2022年08月30日
6 福祉知り考える機会に  御浜町で「ふらっとフェス」  
2022年08月30日
7 絵本「チャコという犬がいた」  実体験基に田中千鶴見さん描く  (紀宝町 )
2022年08月30日
8 夢を持たせる話し合いを  保護者向け進路講演会  (近大新宮 )
2022年08月30日
9 駐車場増設で利便性向上  那智勝浦町教育センター  
2022年08月30日
10 買い物客に演奏披露  吹奏楽部ミニコンサート  (那智中学校 )
2022年08月30日
11 幻想的な光に包まれる  六地蔵まつりとキャンドルナイト  (新宮市 )
2022年08月30日
12 ニホンウナギなど捕まえ観察  古座川ふるさと自然あそび塾  (古座川町 )
2022年08月30日
13 型取りなどして関心深める  第6回わくわく地学探検隊  (ネイバーフッド )
2022年08月30日
14 涼を求める人出でにぎわう  屋台村「串本ナイトガーデン」  (串本町 )
2022年08月30日
15 お悔やみ情報
  
2022年08月28日
16 未曽有の災害、忘れたらあかん
 紀伊半島大水害記念公園で清掃  (那智勝浦町 )

 当地方を襲った未曽有の大水害・紀伊半島大水害(2011年)から11年となる9月4日(日)に向け27日、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表と地元建設業有志ら約30人が慰霊碑の清掃や周辺の草刈りに取り組んだ。清掃後、岩渕代表は「今年も清掃活動を行わせてもらった。どうか見守っていてほしい」と報告し、慰霊碑に手を合わせた。

 清掃は、水害発生当日の追悼供養や慰霊祭を前に毎年実施する恒例行事。なお、今年の慰霊祭(4日正午~)は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から式典は中止とし、岩渕代表と堀順一郎町長による代表献花のみの予定となっている。

 この日、参加したのは▽㈱庵野組▽井筒建設㈱▽カミジ技建㈱▽木原造林㈱▽大和建設㈱▽岡山組▽㈱海邊組▽㈱川合組▽㈲崎建設▽田中建設㈱▽㈱下山組▽㈱泉組▽㈱果無建設▽㈱松原組▽㈱オカダ―の15社。草刈り機などを手に清掃活動に汗を流した。

 岩渕代表は参加者らの協力に感謝を伝え「災害を忘れたらあかん。未曽有の災害を後世に残すことが大事。清掃活動によって災害を思い出してほしい。これから台風も増える。あのような被害が二度と起こらないように、自分の身は自分で守るという気持ちを持ってほしい」と話していた。

 なお、同所では今年も4日未明、死者・行方不明者と同じ数の29個のLEDキャンドルをともすが、新型コロナウイルス感染状況を鑑み追悼供養は中止とする。

(2022年8月28日付紙面より)

慰霊碑を清掃する岩渕三千生代表=27日、那智勝浦町井関
有志ら約30人が清掃活動に参加した
2022年08月28日
17 力作250点を審査
 新宮市観光フォトコンテスト  

 新宮市観光フォトコンテストの審査会が26日、新宮市春日の春日隣保館であった。9人の審査員が80人から寄せられた力作250点を厳正に審査した。入賞者の表彰式を9月9日(金)に予定しており、入選作品は市観光カレンダーやパンフレットなど市のPRに使用される。

 市観光カレンダー製作実行委員会が主催する事業で11回目を数える。今回はテーマを「新宮が魅せる様々(さまざま)な風景(カオ)」とし、一般の部と学生の部(高校生以下)に分けて作品を募った。一般の部には54人から191点が、学生の部には26人から59点の応募があった。

 審査員は、今年新たに熊野速玉大社の上野顯宮司を迎え、田岡実千年市長、実行委員長の山本大輔・市観光協会事務局長、児嶋毅さん(審査委員長)、杉本光朗さん、垣本正道さん、堀幸義さん、西和美さん、市秘書課の廣井芳美・広報広聴係長の9人が務めた。

 熊野速玉大社や神倉神社、熊野川など、市内の四季折々の情景や植物、祭り・イベントの様子などを収めた力作の数々を審査。新型コロナウイルス感染予防のため手袋を身に着け、気に入った作品にシールを付けていった。

 山本実行委員長は「今回は審査に当たり、上野宮司にお越しいただいた。新しい目線で審査いただければ」。

 田岡市長は「コロナ禍ではあるが今回もたくさんの応募を頂いた。市においてはウィズコロナ、アフターコロナに向けて観光をしっかりとやっていきたい。作品は市のPRのために有効的に使用させていただきたい」とそれぞれあいさつした。

(2022年8月28日付紙面より)

フォトコンテストの入賞作品を選ぶ審査員ら=26日、春日隣保館
2022年08月28日
18 心を込めて和菓子届ける
 鵜殿地区配食サービスボラが友愛訪問  (紀宝町 )

 紀宝町鵜殿地区で配食サービスを行うボランティアグループ「鵜殿地区配食サービスボランティア」(田中敦子代表)は27日、年に1回の「友愛訪問」を実施。サービス利用者36人に和菓子セットを届けた。

 町内では鵜殿地区配食サービスボランティアとサークルほほえみが配食サービスを担っており、毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 毎年8月は配食がない代わりに「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアも利用者宅を訪問してお菓子などを配っている。今年は、5日に「サークルほほえみ」の調理ボランティアと配達ボランティアが担当区域の利用者88人に届けた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは普段、会員が調理し、老人クラブ「讃寿(さんじゅ)会」も協力して利用者宅に配っている。この日は同ボランティアの6人が町福祉センターに集合後、手分けして各利用者宅を訪問した。

 田中代表は小阪利代さん(89)宅を訪れ「元気そうですね。暑い日が続いているので気を付けて」と声をかけた。小阪さんは「ありがたいね」と笑顔を見せていた。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月28日付紙面より)

利用者に和菓子を届ける=27日、紀宝町鵜殿
2022年08月28日
19 自衛隊フェスタが盛況
 くまの艦展示、売店も  (新宮市 )

 自衛隊サマーフェスタ2022in新宮が26日と27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁で開かれた。多数が訪れ、海上自衛隊の護衛艦「くまの」や航空自衛隊の地対空誘導弾ペトリオットを見学したり、売店でレトルト「海軍カレー」の購入を楽しんだりした。陸上自衛隊や新宮警察署による車両展示もあった。

 「くまの」は内部の一般公開はなく、岸壁からの見学のみだった。空自のペトリオットは27日のみ展示。陸自は26日に高機動車、27日は軽装甲機動車も加えて展示した。新宮署は白バイ、パトカー、事故処理車を並べた。売店ではレトルトカレーのほか、自衛隊のTシャツやタオル、帽子などが置かれていた。

 岸壁では来場者が「くまの」を単体で撮影したり、一緒に記念撮影したりする姿があった。陸自や警察の車両は、来場者が乗り込むなどして、感触を確かめていた。レトルトカレーは艦ごとのいろいろな「海軍カレー」のほか、陸自の複数の基地のカレーもあり、それぞれ味や辛さが違うとあって、幾つも買い求める来場者もいた。

 自衛隊の制服を着て記念撮影できるコーナーもあり、親子連れが子どもに制服を着せて撮影を楽しむ姿が見られた。「くまの」のシールや缶バッジ、コースターなどが当たる、子ども限定のガラガラ抽選もあった。

 那智勝浦町市野々から訪れた50歳代男性は「くまのの名が付いているから、特別と思い見に来た。(ステルス型なので)今までのデザインと違い、異様な感じを受ける。早くに新宮に来てくれたので良かった」と話した。

(2022年8月28日付紙面より)

護衛艦「くまの」の見学に大勢が訪れた=27日、新宮市佐野の新宮港第3岸壁
レトルトの「海軍カレー」を買い求める
2022年08月28日
20 お盆に多数来館  1週間で1万人超  (くじらの博物館 )
2022年08月28日
21 職員名乗る不審な電話相次ぐ  還付金詐欺に注意を  (新宮市 )
2022年08月28日
22 トマト? カボチャ? 違います  西さん宅のオレンジナス  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
23 巨大すごろくやメダカすくい  小学生たちが夏祭り  (那智勝浦町 )
2022年08月28日
24 オリンピック出場を目指す  高田煕さん、レスリング優勝を報告  (御浜町 )
2022年08月28日
25 補正予算など16議案上程  第3回定例会が開会  (御浜町 )
2022年08月28日
26 参拝者が静かに手を合わす  横手延命地蔵尊で地蔵盆  (紀宝町井田 )
2022年08月28日
27 県が「林地開発」との見解示す  第4回鮒田区環境防災会議  
2022年08月21日
28 全中女子800㍍で1位に
 潮岬中3年・久保凛さん  (串本町 )

 串本町立潮岬中学校3年・久保凛さんが19日、第49回全日本中学校陸上競技選手権大会(以下全中とする)女子800㍍決勝で1位となり、ついに日本一の栄冠をつかみ取った。記録は自己ベストの2分9秒96。久保さんは「今までの練習でつらいこともあったけど、頑張ってきて良かった」と喜びをかみしめている。

 今回の挑戦の起点は7月2~3日にあった第68回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会。女子共通800㍍予選と女子共通1500㍍決勝で標準記録を突破する成績を収め、800㍍種目を選んで全中の出場権を得た。この時点での記録は2分12秒15。以降、24日実施の第74回和歌山県中学校総体陸上競技の部共通女子800㍍で優勝、8月7日実施の第71回近畿中学校総合体育大会陸上競技女子共通800㍍でも優勝と、昨年に続く好成績を収めて全中の本番を迎えた。

 全中の会場は福島市にあるとうほう・みんなのスタジアム。18日実施の女子800㍍予選では57人が7組に分かれて挑み、久保さんは第3組で2分11秒79を記録し総合1位で決勝へ進出した。翌19日午後1時に予選上位8人による決勝があり、久保さんは序盤からの先行を最後まで保ってゴールした。

 昨年初めて全中の女子800㍍に挑み、結果はB決勝(予選9~16位が対象)3位。今年はゴール直後に倒れ込むほど力を出し切り、大会記録まで2秒45差、日本中学記録に2秒77差と迫る好成績で決勝を駆け抜けた。久保さんは「今の気持ちはとてもとてもうれしいし、みんなに感謝をしています。強い選手と走ることができたおかげで自己ベストも更新し、1位を獲得できました」と挑戦を振り返る。

 母校の潮岬中で結果の報告を受けた平原良一校長は「久保さんは集中力と調整力にすごく長けている。今まで積み上げてきたものが実を結んだと思うし、その結果が出たことは感無量でうれしく思う」と語った。

(2022年8月21日付紙面より)

全中女子800㍍1位の証しを手にした久保凛さん=19日、福島市(串本町立潮岬中学校提供)
2022年08月21日
29 インボイス制度を学ぶ
 税理士が詳細を解説  (南紀くろしお商工会 )

 南紀くろしお商工会(森川起安会長)は19日、那智勝浦町築地の町商工会館で事業環境変化対応型支援事業「インボイス制度についてのセミナー」を開催した。講師は税理士法人ウィズ岩出オフィスの税理士・下津正也さんが務め、インボイス制度の詳細や対応などについて講演した。

 インボイスとは複数税率に対応した仕入税額控除の方式で、現行の区分記載請求書等保存方式に代わり、2023年10月1日から導入される。導入後は売り手・買い手双方に新たな義務が課されるという。

 売り手側は買い手である取引相手から求められた際、適格請求書(インボイス)を交付しなくてはならない。また、買い手は原則としてインボイスなどの保存が仕入税額控除の要件になる。

 下津さんは、インボイスは事業者登録の申請があり、商工会などに依頼し番号を発行する必要があると説明。制度導入で請求書などの様式やシステムの変更が必要になるとした。

 制度開始と同時にインボイスを発行するためには、来年3月31日までに申請する必要があると述べた。

 適格請求書発行事業者に未登録の事業者からの仕入れは仕入税額控除ができないことから、仕入れを行う相手業者の選別が行われる可能性があると指摘。

 免税事業者のままでは適格請求書発行事業者に登録できないため、課税事業者を選択した上で登録を行うかどうかの検討が必要になるとした。

 レシートのように記載項目が簡略化され、不特定かつ多数の相手との事業を行う際にはインボイスに代えて、交付できる適格簡易請求書(簡易インボイス)にも触れた。

 制度導入後は経費精算での留意点もあるとし、出張先でのタクシー乗車や居酒屋での忘年会などのインボイス発行については、確認の必要が出てくると話した。

 そのほか▽登録開始前に法人成りするメリット▽インボイスに記載すべき事項と注意点▽適格請求書発行事業者になるための準備▽仕入税額控除を受ける際の注意点―などを解説した。

 下津さんは「制度導入後は値引きや返品、訂正があった際はインボイスの返品請求書などを発行しなくてはならないため、手書きの請求書などはやめたほうがいい。制度導入前から、それに対応したアプリやシステムなどの準備が必要になる」と呼びかけた。

(2022年8月21日付紙面より)

参加者がインボイスについて学びを深めた=19日、那智勝浦町の商工会館
下津正也さん
2022年08月21日
30 豪から女性CIR
 観光案内など担当  (那智勝浦町 )

 国際交流員(CIR)として那智勝浦町が新たに任用する、トルコ出身でオーストラリア国籍を持つスクラン・ベンギス・メルシンリさん(26)が18日、堀順一郎町長を表敬訪問した。英語、トルコ語、日本語を話せるため、通常は那智勝浦観光案内所で案内などを行うほか、学校訪問も計画している。

 「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」による来日。同事業は、地方公共団体が総務省、外務省、文部科学省、自治体国際化協会の協力で実施するもの。外国語教育の充実と地域レベルの国際交流の進展を図ることを目的に、1987年より行っている。

 参加する外国青年は、学校などに配置される外国語指導助手(ALT)、国際交流担当部局などに配置される国際交流員(CIR)、スポーツ指導などを行う「スポーツ国際交流員(SEA)に分かれている。

 メルシンリさんの生まれはトルコ。12歳の頃にオーストラリアに移住し、グリフィスという町に住んでいた。シドニーにあるマッコーリー大学の法学部・日本学部を卒業している。

 好きな食べ物はうどん。趣味は英会話のボランティア。トルコにはミドルネームで呼ぶ慣習があるため、呼称は「ベンギスさん」になる。

 メルシンリさんは14日に来日し、東京都での2日間のオリエンテーションの後、17日に初来町した。同町の印象を「まだ一部しか見ていないが、美しくすてきな町」と語ったほか、「みなさんのお役に立てればと思っています」と意気込みを述べた。

 堀町長は「本町は世界に開かれた観光の町。海外の方を迎える先頭に立ち、健闘してほしい。コロナ禍でインバウンドは少なくなったが、ゆくゆくは海外の人も迎えると思う。その準備をしてほしい。子どもとの交流もしてもらえたら」と伝えた。

 業務内容は観光案内や学校訪問のほか、通訳翻訳、多文化交流、姉妹都市交流、情報発信、海外への観光プロモーションなどとなる。飲食店のメニューの英語、トルコ語への翻訳も行うとのことで、同町は「町内の事業者さまでお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください」と呼びかけている。問い合わせは、那智勝浦町役場観光企画課(電話0735・52・2131)。

(2022年8月21日付紙面より)

着任したスクラン・ベンギス・メルシンリさん(左)と堀順一郎町長=18日、那智勝浦町役場
2022年08月21日
31 歩行者天国、にぎわう
 3年ぶり、夏の「フライデナイト」  (新宮市 )

 商店街の一部を歩行者天国にした「タンカクフライデナイト」が19日夜、新宮市の丹鶴商店街であった。路上は大勢の若者たちでにぎわい、来場者らは露店グルメやステージパフォーマンスなどを通して夏のひとときを堪能した。

 丹鶴商店街振興組合(岩澤祐文理事長)主催。路上ビアガーデンとダンス、ライブをミックスしたイベントで2017年夏に初開催。20年は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、昨年11月に復活。夏のフライデナイト開催は3年ぶりとなる。

 5回目となる今回は前回に引き続き、飲食中は会話を控える、テーブルの利用を30分以内とするなどの新型コロナウイルス感染予防対策に協力を呼びかける形で開催。唐揚げや焼き菓子、フライドポテト、各種丼など地元商店が提供する露店グルメが集結。各店舗前には大勢が列を作り、開始間もなく売り切れとなる商品もあった。

 ステージイベントではシンガー・ソングライターの藪下将人さんと藍田真一さんのユニット「ヤブシン」がMCを担当。約15団体がダンスや演奏で会場を盛り上げた。

 岩澤理事長は「開催に際しては内外からもいろいろな意見があったが、新型コロナウイルスで沈んだ空気を少しでも上向きにできたらと思って実施に至った」。

 国や県のコロナ対策ガイドラインに基づいて対策を講じているとし「同商店街は若手の事業者も多い。イベントが中心市街地の活性化につながればうれしいです」と話していた。

(2022年8月21日付紙面より)

多くの若者や家族連れなどでにぎわった=19日夜、新宮市の丹鶴商店街
各団体がステージを盛り上げた
2022年08月21日
32 楽しい夏の思い出づくり  太地学童保育所が夏祭り  (太地町 )
2022年08月21日
33 多数来場までいかず  お盆の観光施設状況  (新宮市 )
2022年08月21日
34 みんなで楽しく鑑賞  中央児童館で「ミニ映画会」  (新宮市 )
2022年08月21日
35 恒例盆行事で先祖しのぶ  三輪崎区で精霊送り  (新宮市 )
2022年08月21日
36 コロナ禍で初盆行事縮小  海翁禅寺で灯籠焼き営む  (那智勝浦町 )
2022年08月21日
37 中学3年生が特色学ぶ  高校生活入門講座に118人  (紀南高校 )
2022年08月21日
38 子どもたちがいす作り挑戦  「寺子屋広場」で木工教室  (紀宝町 )
2022年08月21日
39 大門さんら100歳の長寿祝う  「くよくよせず気楽に」  (紀宝町 )
2022年08月21日
40 お悔やみ情報
  
2022年08月17日
41 平和への誓い新たに
 熊野速玉大社で戦没者慰霊祭  (新宮市 )

 終戦記念日の15日、全国各地で戦没者慰霊祭が営まれた。新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、新型コロナウイルスの影響で規模を縮小しつつ境内の忠魂碑前で慰霊祭を斎行。新宮市遺族会員や上野宮司らが参列し、英霊に対し追悼の誠をささげるとともに平和への誓いを新たにした。

 「堪え難きを堪え 忍び難きを忍び 以(もっ)て万世の為に太平を開かんと欲す」―。1945(昭和20)年8月15日、昭和天皇の玉音放送で日本国民にポツダム宣言受諾による終戦が告げられた。

 総務省によると、新宮市では製材工場が密集していた海岸地帯を中心に終戦直前に集中的に砲弾などを受けた。また、44(昭和19)年ごろから勤労動員が始まり、多くの学生らが和歌山市や大阪府、兵庫県などへ動員された。

 44年12月3日、三輪崎上空に米軍機が初めて侵入、焼夷弾を投下。翌45年1月19日には大浜基地付近、広角方面が被爆し十余人が死傷した。

 23日には焼夷弾により佐野、高田の森林六百余町歩(約600㌶)が焼失。また、同年4月7日には午前と午後の2回にわたり空襲があり、大浜で十余人の死傷者、三輪崎国民学校で23人の負傷者が出た。

 以降も熊野地、野田、阿須賀などが焼夷弾や爆弾などの攻撃を受け、7月24日午前には西阿須賀町から丹鶴町にかけて250㌔爆弾数個が投下。当時、現在の新宮郵便局付近にあった県立新宮高等女学校では校舎全壊、死者50人、負傷者200人の被害を受けた。

 同大社境内の忠魂碑は54(昭和29)年12月19日に建立されたもので、日清戦争~大東亜戦争で戦地に赴き尊い命を散らしていった1158柱の英霊が祀(まつ)られている。

 慰霊祭を終え上野宮司は、今年、本土復帰50年の節目となった沖縄において、終戦後最も早い時期に建てられた慰霊碑「魂魄(こんぱく)の塔」に言及。「沖縄の人たちは『怨親平等』を実践した。怨親平等の根底にあるものは慰霊だと思う。今をちゃんと生きようという実感が、暴力や犯罪を少なくする。慰霊の気持ち、祖先への思いを大切にしてほしい」と思いを語った。

(2022年8月17日付紙面より)

忠魂碑前で慰霊祭が執り行われた=15日、熊野速玉大社
2022年08月17日
42 3年ぶり、お盆に大輪の花
 花火大会に多くの観客  (紀宝町 )

 紀宝町花火大会が15日、鵜殿港で開催され、3年ぶりにお盆の夜空に大輪の花が咲いた。新型コロナウイルスの影響で2年間中止となっていたが、感染症対策を取った上で実施。町内外の住民や帰省客らが集まり、趣向を凝らした約700発の花火を楽しんだ。

 町村合併前の「初盆供養・追善花火大会」を新町でも引き継ぎ、2006年から町の花火大会として実行委員会(実行委員長・西田健町長)が主催。毎年、メッセージ花火や追善早打ちなど趣向を凝らした花火が夜空を染め夏の風物詩に定着していた。

 太平洋を背に追善スターマインやメッセージ花火が次々と打ち上がり、家族連れや友達同士で夜空を見上げていた。

 花火大会を前に、初精霊供養があり、西田町長が「ふるさと紀宝町の繁栄を見守りいただきたい」とあいさつ。藤根正典、谷川孝栄両県議、向井健雅町議会議長も哀悼の意を表した。

 東正寺(とうしょうじ)の片野晴友住職らによる読経に続いて西田町長、遺族代表の瀬古真市さんらが焼香。35柱の初盆家庭が供えた灯籠に手を合わせ故人の冥福を祈った。最後は銀滝花火が灯籠を焼いた。

(2022年8月17日付紙面より)

鵜殿港で3年ぶりに開催された紀宝町花火大会=15日、紀宝町鵜殿
銀滝花火が灯籠を焼く
2022年08月17日
43 50匹のウミガメがふ化
 「海亀を守る会」が確認  (新宮市 )

 ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長、環境ファースト連合会会員)は14日早朝、新宮市王子ヶ浜のふ化場で50匹のアカウミガメのふ化を確認した。榎本会長は「(地面に)聴診器を当てたら音がしていたのでまたふ化すると思う」と期待を寄せている。

 同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同守る会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。

 このたびふ化したのは、6月14日に確認された今期初産卵のもの。産卵確認日から62日目に128個の卵から50匹がかえった。今期、同浜では5回のアカウミガメの上陸が確認されており、うち4匹が約490個の卵を産んだ。

 なお、昨年は例年より早めとなった5月20日に初上陸と初産卵を確認。以降、上陸は確認されたが産卵はなかった。初産卵で98個の卵を確認し14匹がふ化し9月下旬に放流した。

 榎本会長は「数日前から砂場がへこむなど(ふ化の)兆候があった。昨年は少なかったが今年は5匹も上がってくれた。ふ化率5割は難しいかもしれないが、産卵、ふ化を確認した瞬間は格別で保護活動の醍醐味(だいごみ)です」と話していた。

 ふ化は数日間続く見込み。一定の大きさに育つまで餌やりや水替え、水温などの管理を行い、海水温が低くなる前に放流を実施する予定。

(2022年8月17日付紙面より)

榎本晴光会長がふ化を確認した=14日、新宮市王子ヶ浜
元気に水槽を泳ぐ、ふ化したばかりのアカウミガメ
2022年08月17日
44 灯ろう焼いて送り出す
 池野山区で初精霊供養  (古座川町 )

 古座川町の池野山区(垣秀志区長)が15日夜、八坂神社そばの広場で初精霊供養「灯ろう焼き」を営んで区内の初精霊を天上へ送り出した。

 祖先を供養する風習として定着する盆行事。同区は平年、初精霊の親族と共に14日に迎え、15日に送りの盆祭りを営み、区を挙げてその遺徳をしのんでいる。

 今年は12霊と例年になく多い初精霊を迎えて送ることとなり、同区は集まる親族の多さと新型コロナウイルスの情勢から感染症予防は難しいと判断。平年にある追善の地踊り(通称・扇の手)を含む盆踊りや縁日は中止とし、区の世話役と親族らで灯ろう焼きのみ営むとした。

 親族は盆中に掲げた紙灯ろうを持って参集し、区が準備した竹棚につり下げ。高池にある龍谷山霊巌寺の小原征雄住職らが法要を営み、読経を交えて紙灯ろうをに火を入れてたき上げた。

 垣区長は送る初精霊の多さを憂いつつ親族に今年の盆行事の経緯を伝えて理解を求め、他の世話役と共に灯ろう焼きに奉仕した。

(2022年8月17日付紙面より)

八坂神社そばから初精霊を送り出す区の世話役や親族ら=15日、古座川町池野山
2022年08月17日
45 多くの観光客で活気  行動制限を伴わないお盆休み  
2022年08月17日
46 夜空を染める追善花火  阿田和で伝統の初盆供養  (御浜町 )
2022年08月17日
47 輪になって「神内音頭」踊る  3年ぶりに「納涼大会」  (紀宝町神内 )
2022年08月17日
48 夏の夜に妖しく咲くカラスウリ  古座川町相瀬で  
2022年08月17日
49 盆に合わせ振り付け発表  「小川音頭」お披露目会  (古座川町 )
2022年08月17日
50 後世への遺言「熊野びとの戦記」  中田重顕さん  (戦後77年 )
2022年08月17日
51 お悔やみ情報
  
2022年08月14日
52 徐福の遺徳しのぶ
 供養式典に20人参列  (新宮市 )

 新宮市徐福の徐福公園で12日、徐福供養式典が営まれた。熊野徐福万燈祭運営委員長の田岡実千年市長や、山口泰郎代表理事をはじめとした一般財団法人新宮徐福協会役員ら関係者約20人が参列。徐福の遺徳をしのんだ。

 徐福は今から約2200年前、中国を統一した秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来したという伝説がある。公園内には、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の命で1736年に建立された墓碑(市指定文化財)がある。

 今年の式典は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、規模を縮小し関係者のみで執り行った。なお、関連行事である「熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)」は3年連続の中止が決定している。

 式典執行に当たり、山口代表理事は「今年も徐福さんに思いをはせる日がやって来た。徐福さんが取り持つご縁は、友好的で平和的な交流の礎構築に寄与してきた」。

 「混沌(こんとん)とした世界情勢に鑑み、今こそ徐福さん顕彰の理念である『友愛の絆』を見つめ直さねばならない。徐福さんを媒介として、未来永劫(えいごう)親しくお付き合いをさせていただくことを切に願ってやみません」とあいさつした。

 田岡市長は、徐福の墓前で農耕や捕鯨などの技術を日本に伝えたとされる徐福に感謝を示し「永く永く安らかに、そして新宮市の発展と日中両国や徐福の縁(えにし)につながる多くの人々や、国内伝承地のより一層の繁栄と友好そして永遠(とわ)の平和へのお導きとともに、お守りくださらんことを祈念します」などと祭詞祭文を読み上げた。

 参列者たちは新宮仏教会の読経が響く中、墓前に線香を手向けた。

(2022年8月14日付紙面より)

徐福の墓前で祭詞祭文を読む田岡実千年市長=12日、新宮市の徐福公園
山口泰郎・新宮徐福協会代表理事
2022年08月14日
53 一致団結でおもてなしを
 新宮港クルーズ振興広域協議会総会  

 新宮市役所別館で9日、新宮港クルーズ振興広域協議会(会長・田岡実千年市長)の総会が開かれた。関係者ら45人が出席。本年度の事業計画など4議案を承認した。

 同協議会は新宮港へのクルーズ振興を通じて県境を越えた広域連携を図り地域振興に寄与する目的で設立した。会員は新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、紀北町、十津川村、下北山村、和歌山県、三重県、奈良県の14市町村3県。

 開会に当たり、田岡会長が関係者らの支援に対し感謝。「新型コロナウイルス感染症の影響で入港数が減少していたが、皆さま方の尽力により、コロナ禍での運航体制や受け入れ体制が確立されつつある中、少しずつではあるが明るい兆しが見えてきている。クルーズ振興がこの地域、各自治体における振興の柱の一つとして確立されることを心から願っている。そのためにもこの協議会が果たすべき役割は重いものと考えている」とあいさつした。

 来賓の谷川孝栄・三重県議は「クルーズ船で当地域を訪れるたくさんの皆さまをどうおもてなししていくか、14市町村3県でどう連携していくのかは大切なこと。私たちも再スタートの気持ちでおもてなしをしていければ」と祝辞を述べた。

 本年度は▽クルーズ客船受け入れのための情報収集および情報共有▽クルーズ振興にかかる調査・研究▽岸壁や周辺観光地における観光案内などの支援、コロナ対策を講じてのクルーズ客船受け入れ実施―などの事業を展開していく。

 任期満了に伴う役員選任では、田岡会長と副会長の河上敢二熊野市長を再任した。県港湾空港振興課がコロナ禍におけるクルーズ客船受け入れ対応について報告。「国などのガイドラインの改訂により、条件を満たせば感染者が出てもクルーズ続行が可能になった」などと説明した。

 議案審議後には大型客船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズ㈱経営企画部の村山公崇部長が「これからのクルーズ ポスト・コロナに向かって」を題目に講話した。

 村山部長は、日本のクルーズの現状について説明し▽ウイルスを船内に入れない▽ウイルスを船内で拡散させない―を2本柱とした「飛鳥Ⅱ」の新型コロナウイルス感染対策プランについて紹介。「船は、コロナ前は3密だったのは事実だったが、コロナ後は管理がしっかりできることにより安心な場所になってきたのでは」などと話した。

 同船が実施する地方創生、地域活性化を目的とした取り組みや、2025年就航予定の新造客船について紹介した。

 昨年度の新宮港へのクルーズ船入港実績は入港数8隻で客数は1795人。今月17日(水)、24日(水)には「ぱしふぃっくびいなす」、28日(日)には「飛鳥Ⅱ」が入港する予定。

(2022年8月14日付紙面より)

新宮港クルーズ振興広域協議会総会の様子=9日、新宮市役所別館
2022年08月14日
54 帰省ラッシュでにぎわい
 JR利用者、昨年より増加  (熊野地方 )

 お盆をふるさとや観光地で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。新宮市徐福のJR新宮駅では12日、京都・大阪や名古屋方面から来た列車から、大きな荷物を持った帰省客らが下車。ラッピング電車「パンダくろしお」と記念撮影をしたり、迎えに来た家族と再会を喜んだりする姿が見られた。

 新型コロナウイルス感染症の第7波が拡大する中で迎えた今年のお盆。首都圏1都3県や大阪府に緊急事態宣言が発令されていた昨年と比較すると、駅構内もにぎやかな雰囲気に包まれている。

 12~17日の特急くろしお空席状況(新大阪―新宮間)によれば、上り・下りともにグリーン車を中心に予約が埋まり、ほぼ満席の列車もある。

 駅業務に当たるJR職員からは「昨年に比べて明らかに利用者が増えており、駅としてはうれしい限り。大阪方面へ向かう利用者では、新型コロナ感染再拡大の影響か予約の取り消しもある」との声があった。

 国道42号では他府県ナンバーの車も目立ち、熊野地方各地で開設されている自然プールや海水浴場もにぎわいを見せている。

(2022年8月14日付紙面より)

パンダくろしおから下車する帰省客ら=12日、新宮市のJR新宮駅
2022年08月14日
55 クサギの花が咲く  熊野地方各所で  
2022年08月14日
56 地球は一つの生命体  「丹鶴ホール」映画上映会に500人  (環境ファースト連合会 )
2022年08月14日
57 各所に多数の人出  マスク姿でお盆休み  (那智勝浦町 )
2022年08月14日
58 楽しい「なつまつり」  紀宝町内3つの保育所で  
2022年08月14日
59 帰省客らでにぎわい見せる  次回「みなと市」で抽選結果発表  (紀宝町 )
2022年08月14日
60 お悔やみ情報
  
2022年08月10日
61 認定に向け、現地調査実施
 南紀熊野ジオパーク  

 今年4月に行ったユネスコ世界ジオパーク国内推薦申請に伴い、南紀熊野ジオパークの現地調査が行われている。日本ジオパーク委員会の中田節也委員長(東京大学名誉教授・防災科学技術研究所火山研究推進センター長)、田中裕一郎委員(産業技術総合研究所地質調査総合センターシニアマネジャー)、ヴォウォシェン・ヤゴダ委員(隠岐ジオパーク推進機構)が、7~10日の4日間の日程でエリア内で地質遺産の価値や保全、活用の仕組みなどについて調査を行う。

 南紀熊野ジオパークは、プレートの沈み込みに伴って生み出された3種類の大地、それらが作る独特の景観、温暖湿潤な気候がもたらす多種多様な動植物、そこから生まれた熊野信仰や筏(いかだ)流しなど、数多くの自然や文化を体験できるエリアとして2014年に日本ジオパークに認定され19年に再認定された▽新宮市▽白浜町▽上富田町▽すさみ町▽那智勝浦町▽太地町▽古座川町▽北山村▽串本町▽奈良県十津川村の一部―の10市町村からなるエリア。

 このたびの調査は、同ジオパークを世界ジオパークに推薦するかどうかを審査するためのもの。また、日本ジオパークとしても4年に1度の再認定審査の年でもあるため、前回再認定審査時からのジオパーク活動の進展なども併せて審査される。

 現地調査2日目の8日、3人の委員らは北山村、新宮市、太地町を訪問。県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があり、同校3年の坂本美波さんが昨年10月に白浜町と新宮市の三輪崎海岸で調査した、海洋ごみの現状や課題などについて英語でプレゼンテーションを展開。委員らが活動概要について質問し、坂本さんや東垣(あずま・わたる)同探偵団長(南紀熊野ジオパークセンター長)が解答。坂本さんは「環境問題について自分が知っていたことは小さなことだと感じた。(調査は)新しい発見があった。いい経験になったと思う」などと報告した。

 熊野速玉大社では田岡実千年市長が委員らを出迎え、応援に駆け付けた濱口太史県議らが見守る中、市観光協会登録ガイドの西浦康代さんが同大社や周辺の歴史的背景を紹介した。

 委員らは10日にかけて、那智の滝や橋杭岩、一枚岩などのジオサイトを見学したり、ジオサイトを体験したりする予定。

 現在、世界では44カ国169のユネスコ世界ジオパークが認定されており、日本では9地域が登録されている。国内推薦の可否は9月ごろに決定する見通しだ。

(2022年8月10日付紙面より)

4日間の日程でエリア内のジオサイトなどを訪問する=8日、新宮市の熊野速玉大社
県立新宮高校では「南紀熊野ジオパーク探偵団」の活動紹介があった
2022年08月10日
62 神経発達症の対応学ぶ
 新宮東牟婁特別支援教育研究会  (那智勝浦町 )

 新宮東牟婁特別支援教育研究会(松本潤会長)は2日、那智勝浦町の体育文化会館で教職員ら70人を対象とした夏季研修会を開いた。南和歌山医療センター小児科に勤務し、瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子さんが講師を務め「神経発達症の対応~薬物療法と中長期的な展望~」と題し、さまざまな症例や対応について講演した。

 星野さんは知的能力障害やコミュニケーション症群、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、限局性学習症(SLD)、運動症などの神経発達症について詳細を説明。

 治療の原則として、「早寝早起き、睡眠を整える」「昼間の活動、運動、覚醒が大切」「保護者の理解は必須」「報酬系に留意した接し方を指導」「小児内科的視点を忘れない」「ゲーム、メディアの過剰に注意」を挙げた。

 発達障害の支援を考える上では、本人や保護者が個性として理解し、疾患として脳科学的視点を持つこと、養育者も家族や貧困などの問題を抱えているケースがあると報告。支援体制や薬物療法に頼れる良い仲間・集団を探すこと、長期の支援について話した。

 星野さんは本人が自分を理解できなければ、自己肯定感が低くなり結果、孤立を招いてしまうと危惧。教職員がかける言葉の例も伝えた。

 障害が理解されずに起こる適応障害やうつなどの二次障害にも触れ、保護者からの温かい言葉も必要であると述べた。

 脳内の報酬系が強く、神経が過度に興奮、中毒に陥る、前頭葉系が萎縮してしまうなどの理由からゲームやネット依存の注意点を述べた。対応策としては昼間、本人が過ごせる場所をつくることが有効であると提案した。

 症例の紹介や対応のほか▽行政が行う発達障害者への支援施策の利用▽受給できる手当や年金に必要な診断書の作成▽薬物による治療▽支援グループの存在▽就労支援▽就労の多様化▽作業療法や言語療法、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングなどの療育―などの詳細を解説した。

 星野さんは「傾聴し寄り添い、具体的な方法を提案し、希望を与え関係機関と連携を取り、現実的な支援に向かって動く」ことが重要とし「未来は変えられる。支援や治療があるので頼ってください」と述べた。

 その後は質疑応答が行われた。松本会長は「教師も学び続けていかなくてはならない。医療や保健、福祉と連携することが最も大切。今後も一人一人の子どもに寄り添っていきたい」と語った。

(2022年8月10日付紙面より)

神経発達症について学びを深める教職員ら=2日、那智勝浦町の体育文化会館
星野恭子さん
松本潤会長
2022年08月10日
63 映画や企画展見て考える
 串本中が平和登校日活動  (串本町 )

 串本町立串本中学校(濱﨑和司校長、生徒118人)が5日、文化センターで平和登校日の活動に取り組み生徒に戦争と平和を考えるきっかけを託した。

 広島に原子爆弾が投下された日に合わせて毎年実施している校外行事。戦時を伝える映画を鑑賞し、込められたメッセージを受け止める内容が慣例となっている。

 本年度は沖縄・津堅島の戦禍を題材とした作品「かんからさんしん」(1989年作)を上映。鑑賞に先立って濱﨑校長は平和登校日の趣旨を伝えて最後まで見届けることなどを呼びかけて生徒の気持ちを引き締めた。

 同センター2階ホワイエでは企画展「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」が実施中で、濱﨑校長は巡り合わせを生かして映画鑑賞後に見学することも推奨。生徒は時間が許す限り展示の内容を確かめ、この日の経験の一助とした。

(2022年8月10日付紙面より)

「第五福竜丸建造75年平和の歴史展」を見学する串本中の生徒ら=5日、串本町文化センター
2022年08月10日
64 紀伊半島一周高速道路実現を 東紀州に高速道路をつくる会 

 東紀州に高速道路をつくる会(垣内貴会長)は、御浜町役場くろしおホールで本年度の総会を開催。総会を前に、国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所の藤山一夫所長が近畿自動車道紀勢線の整備状況を報告し、「紀勢線は全線事業化され、紀伊半島一周が現実に見えてきた。命の道、医療連携、観光活用として有意義な道路になる」と伝えた。

 熊野市大泊町―久生屋町間の熊野道路(延長6・7㌔)は用地取得が完了し、本年度は橋梁(きょうりょう)下部工事、トンネル準備工事などに着手。久生屋町―紀宝町神内間の紀宝熊野道路(延長15・6㌔)は、道路設計、用地調査などを行っており、御浜(仮称)、紀宝(同)のインターチェンジを計画している。

 紀宝町神内―新宮市あけぼの間の新宮紀宝道路(延長2・4㌔)は、国交省近畿地方整備局紀南河川国道事務所工務第三課の藤田和志課長が説明。熊野川に架かる河口大橋の上部工事は和歌山県側が完了し、三重県側で工事が進んでおり、2024年秋の供用を目指しているとした。

 総会で垣内会長は「官民一体となって盛り上げ、一日も早く紀伊半島一周高速道路を実現したい。ぜひ、ご協力を」とあいさつ。昨年度の事業、収支決算を報告し、本年度の予算、事業計画を決めた。

 同会は東紀州地域の住民有志196人で構成。本年度は関係機関への要望・PR活動などに取り組み、熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会との連携を図る。

 ▽熊野道路の早期完成▽紀宝熊野道路の工事着手▽新宮紀宝道の開通に向けた事業推進―など、紀伊半島一周高速道路の早期完成に向けた決議文を採択。本年度の要望活動で活用するという。

(2022年8月10日付紙面より)

建設工事が進む新宮紀宝道路(紀南河川国道事務所提供)
東紀州に高速道路をつくる会による総会=御浜町役場
2022年08月10日
65 瀧本さん、元屋敷さんが活躍
 大阪国際柔術選手権  
2022年08月10日
66 男女3選手が県代表に
 「とちぎ国体サッカー競技」近畿ブロック大会  (近大新宮高・新宮高 )
2022年08月10日
67 古写真が語る、熊野の歴史  浦神にあった「巡航船」  (那智勝浦町 )
2022年08月10日
68 没後30年、中上健次を語る② 熊野大学で講師陣ら (新宮市)
2022年08月10日
69 特選に佐古金一さん  写連紀南支部7月優秀作品  
2022年08月10日
70 カブトムシ森に捨てないで  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2022年08月10日
71 「サ市代表として頑張る」  ALT着任に当たり市長表敬  (新宮市 )
2022年08月10日
72 会派問わずの大会で準優勝  串本支部所属の大内創太君  (白蓮会館 )
2022年08月10日
73 感染拡大防止への協力を  3市町長が合同メッセージ  (熊野市・南郡 )
2022年08月10日
74 新たに言葉の相談会開催  高校での性教育も継続  (母子保健代表者会議 )
2022年08月02日
75 文化奏でる時間を共有
 熊野芸術文化セミナーに50人  (新宮市 )

 新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で7月30、31の両日、軽井沢美術文化学院提携「2022熊野芸術文化セミナー」(市、市教育委員会、熊野芸術文化セミナー実行委員会主催)があった。約50人が参加。ルヴァン美術館評議員や日本美術家連盟講師、熊野美術協会の講師陣の指導の下、2日間にわたって実技を通して文化・芸術に触れる機会とした。

 「生活を芸術として」という生涯を送った、文化学院創立者であり名誉市民の西村伊作(1884~1963年)。創立当時の文化学院の建物を再現し設立したルヴァン美術館と提携して開催されており、今年で21年を数える。

 30日の開講式で清水雅昭・実行委員長が「新型コロナウイルスの影響でおととし、昨年と中止となったが、こういった形で開催できたことを心から感謝している。新宮保健所管内でも感染が拡大しているが、お互いに十分に気を付けていただきながらセミナーを楽しんで」とあいさつ。

 田岡実千年市長は「市の芸術の取り組みとしてこのセミナーが定着している」と、講師陣や関係者、参加者らに感謝を伝え「2日間という限られた期間ではあるが、日々の生活に『文化奏でる潤いの時間』が流れ、すてきな出会いと交流がありますよう期待しています」と呼びかけた。

 今回の講義科目は「○○○(あなた)・ワールドを体感してみよう。」。ルヴァン美術館評議員の上野秀一さん(元・文化学院総合芸術学科常勤講師)による実技セミナーを経て、参加者らは水彩と中世の没食子インクを使って、パネルに心象風景などを表現していった。

 同セミナーに初めて参加した今西信子さん(67)は「新聞で告知を見て参加を決めた。普段からパッチワークやウクレレ、書道をしているけど絵を描くのは初めて。先生方が失敗してもいいっておっしゃってくれたので自由に描くことができて楽しかったです。機会があればまた参加したい」と笑顔で話した。

(2022年8月2日付紙面より)

想像力を膨らませ制作にかかる参加者ら=7月31日、新宮市の「丹鶴ホール」
2022年08月02日
76 構図の基礎などプロから学ぶ 鈴木理策さんがアウトリーチ授業 (新宮高校)

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)美術室で7月30日、新宮市出身の写真家で同校美術部OBでもある鈴木理策さんによるアウトリーチ授業があった。美術部員20人が、構図の基礎などについてプロの指導を受ける機会を得た。

 鈴木さんは1963年新宮市生まれ。87年東京綜合写真専門学校研究科を修了した。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から新宮の御燈祭(おとうまつ)りに至る63枚の写真をシークエンスで構成した、自身初の写真集「KUMANO」(光琳社出版)を98年に発表。翌年、《Osorezan》と《Izanami》の二つのシークエンスによる「PILES OF TIME」(同)を出版し、2000年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞した。

 今年3月には、市文化複合施設「丹鶴ホール」オープニングイヤー事業(前期)として、同施設で写真展「瀧を見に行く」を開催。今回の授業は写真展の継続事業として実施された。

 午前中、鈴木さんは絵画・写真の歴史や、絵画の巨匠たちが写真から受けた影響、絵画と写真との関わりなどについて講義。写真の登場によって絵画に「瞬間」が描かれるようになり、構図にも変化をもたらしたなどと説明したほか「カメラは記録を捉える道具であると同時に、何を伝えたいのかを表現する部分として機能するものだと思う」などと話した。

 午後からは「みんなが考える熊野の魅力」「自分が考える熊野の魅力」に沿って、当地方の世界遺産や自然、身近な風景など、生徒たちが事前に撮影した作品を鈴木さんが講評。「言葉と写真は違う道具。見えていることを実際には説明していくと、うまく重ならない場合があるが、違う道具で意味を拾っていくこともある。写真にも触れてもらって、写真がどういう形で物を表し、それを見る自分がどう感じるかということを経験してもらえれば」と呼びかけた。

 山口結人部長(3年)は「これまで写真を撮る機会はあまりなかったけど本格的に写真に興味を持つ機会となった。写真と絵画の違いもこれまではぼやっとしていたが、授業を受けて言語化することができた。写真の構図も絵に転用できると思うので、これから意識して描いていきたい」と話していた。

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新刊写真集「冬と春」



 現代日本を代表する写真家・鈴木理策さんはこのほど、待望の新作「冬と春」を赤々舎から出版した。ライフワークでもある「White」「Sakura」「Water Mirror」シリーズにおける未発表の新作を主に収録している。写真集の問い合わせは赤々舎(http://www.akaaka.com)まで。

(2022年8月2日付紙面より)

新宮高校美術部の皆さん。鈴木理策さん(前列中央)を囲んで=7月30日、県立新宮高校の美術室
講義や講評を通じて構図などの基礎を学んだ
2022年08月02日
77 旅行気分で遊びに来て
 移住ウェブセミナー  (紀宝町 )

 移住に関する情報や地元の生の声を伝える紀宝町と大紀町の「移住ウェブセミナー」があり、両町の移住者ら担当職員がオンラインを通じて、それぞれの町の魅力を発信した。

 新型コロナウイルスの影響で移住相談会の開催が困難な状況となっていることから、昨年に引き続き、両町がウェブセミナーとして開催。紀宝町は、元町地域おこし協力隊で浅里地区在住の福田由美子さんらが参加し、役場内を会場として生配信した。

 町の移住・定住支援員を務める福田さんは兵庫県尼崎市から移住。2018年1月から20年12月まで協力隊として、飛雪の滝キャンプ場に勤務した。

 移住した際の印象について「熊野古道が近いのにほとんど観光客の姿がなく驚きました。早朝から日暮れまで、畑仕事や草刈りに精を出す高齢者の姿をよく見かけ『元気だな』と感心しました」と振り返り、「自然に寄り添った生活を実践しています。住んでいる場所、仕事、遊び、食べ物など自分自身も常に自然体で過ごすことを意識しています。以前より大きなストレスはあまりなく、心穏やかに理想的な生活ができています」と語った。

 視聴者に対し「まずは旅行気分で遊びに来てください。移住している方々と実際に会ってお話してみてください。もしかしたら自分たちが探していた理想の暮らしが見つかるかもしれません」と町をPR。役場職員は「お試し住宅」「就労体験」などを紹介し、「ぜひ紀宝町に一度お越しください」と呼びかけた。

(2022年8月2日付紙面より)

移住ウェブセミナーで町をPRした出演者=紀宝町役場
2022年08月02日
78 3年ぶりに串本の夜空彩る
 人見建設がサプライズ花火  (串本町 )

 串本町の串本漁港で7月30日、株式会社人見建設=串本町=によるサプライズ花火の打ち上げがあり事前の口コミで察知した住民らの観賞を集めた。

 平年であれば串本まつりで町内が盛り上がる時季だが、最近3年は新型コロナウイルス感染症の情勢により中止続き。社会貢献活動の一環で会社を挙げて美化を重ねている橋杭ビーチは予防対策を講じて海開きをしているものの、年間でも特ににぎわう同まつりの花火大会がないことによる物さみしさを何とかできないかと考えた同社の人見翔専務取締役(36)が発起人となり、その光景を短時間でも描き出すことを目指した。

 打ち上げ場所は同大会同様、巡視艇が停泊する桟橋先に設定。ゴールデンウイーク明けごろから有限会社紀州煙火=有田川町=や管理関係各所との交渉を重ね、同日午後8時から約10分間にわたって打ち上げた。同大会のフィナーレが3カ所からの同時打ち上げであるのに対し、この日は序盤と終盤に5カ所からの同時打ち上げを組み込んだ構成。最大5号玉の大輪(直径約180㍍)を織り交ぜて、串本の夜空を彩った。

 夕立などの支障もなく予定通りに打ち上げを終了し、サプライズは住民からの喝采を浴びながらの終幕となった。人見専務取締役は「串本まつりの中止が続き、いつもならある(ふるさとの)花火を子どもらが見られないのがかわいそう、というのが一番の動機。他のまちも中止続きで見せようがなく、もう自分で上げようと思って準備をしてきた。見てくれた皆さんを元気づけられたら何より」と打ち上げに込めた思いを語った。

(2022年8月2日付紙面より)

3年ぶりに串本の夜空を彩った株式会社人見建設のサプライズ花火=7月30日、串本漁港
人見翔専務取締役
2022年08月02日
79 年に1度の天体ショー  ペルセウス座流星群13日に極大  (こども新聞 )
2022年08月02日
80 電動キックボードの実証実験  8日から貸し出し開始  (那智勝浦観光機構 )
2022年08月02日
81 みんな上手に描ける!  子供絵画チャレンジ体験  (新宮市 )
2022年08月02日
82 模擬店に園児大はしゃぎ  太地こども園  
2022年08月02日
83 間近のSFに目輝かせ 家族で児童劇楽しむ (御浜町)
2022年08月02日
84 地域連携活動を全国に紹介  高校生SBP交流フェアに初出場  (紀南高校 )
2022年08月02日
85 樫野埼灯台内を一般公開  CGS部主体で実施開始  (串本古座高校 )
2022年08月02日
86 お悔やみ情報