住民らがこいのぼり設置 (新宮市熊野川町 )
熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は24日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田で、毎年恒例のこいのぼり設置作業を実施。地域活性化などへの思いを込めた。
2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、また「地域の人々を元気づけたい」との思いから、地元住民らが設置を始めて11回目。なお、災害復興イベント「鯉(こい)のぼり祭り」は新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、今年も中止となっている。
11年まで町内イベントで使用し、熊野川行政局で保管していたこいのぼりは水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼びかけを行い、県内各地から集まったものだ。
この日は、会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりは風を受けて元気に泳いだ。
こいのぼりの設置期間は5月14日(日)ごろまで。下阪会長は「イベントを催すたびに12年前の水害を思い出す。日々の生活の中でも、一瞬忘れてもすぐに思い出す。全てあの水害につながっている」と水害に思いをはせる。
「(こいのぼりを)子ども連れの家族が見に来てくれるとそれだけで元気になる。少しでも明るい話題につながればうれしい。マスクを外して、みんなで元気に過ごせる日が来ればいいですね」と話していた。
(2023年4月27日付紙面より)
初の国民保護制度研修 (那智勝浦町 )
他国による高頻度で発射される弾道ミサイルなどの事案を受け、那智勝浦町は25、26の両日、役場大会議室で職員に対する国民保護制度研修を初開催した。元自衛官で町総務課企画員・防災対策担当の柴田通仁さんが講師を務め、制度の理解と知識の習得のために講話を行った。
同制度は万一、武力攻撃や大規模テロが発生した際に、国や地方公共団体、関係機関などが協力して住民を守るための仕組み。
研修は、危機管理における国民保護などを含む制度の概要を学び、武力攻撃事態などから、住民の生命・身体・財産を守るための基礎的な知識を育成することが目的。2日間で合計8回実施した。
柴田さんは、国民保護の三つの柱として「住民の避難」「避難住民の救援」「武力攻撃災害への対処」を挙げ、「国民保護計画は、全庁職員が取り組むもの。全員が周知しておかなければならない」と述べた。
そのほか▽武力攻撃事態▽緊急対処事態▽過去日本で発生した緊急事態例▽着上陸侵攻や弾道ミサイルなどの武力攻撃事態の類型▽防災と国民保護の差異▽住民等の避難に関する措置の流れ▽町で作成している避難パターン―などの詳細を、元自衛官の専門知識を生かしながら解説した。
国民保護に携わる人たちや、そのために使用される場所などを識別するために使用される「特殊標章」について説明。ジュネーブ諸条約で保護されていることや同町でも職員数以上に準備しているとした。
また、戦時中に同町浦神で、米軍航空機による攻撃があった事案などにも触れた。
柴田さんは「国を取り巻く安全保障環境を受けて、国や県でも国民保護制度に基づく役場の対応が求められている。制度についての知識や意識を持っていただけたら」と締めくくった。
柴田さんによると、他府県の自治体では役場や自衛隊、消防、警察が協力して、大規模な訓練に取り組んでいるという。同町でも今後、同様の訓練実施を目標に取り組んでいきたいと話していた。
(2023年4月27日付紙面より)
「やまじ採れたて市」を新築 (御浜町 )
御浜町山地の無人市場「やまじ採れたて市」が26日、新築オープンした。広々としたスペースに木々や休憩エリアを設け、利用者と生産者、利用者同士をつなぐ憩いの場、ふれあいの場にリニューアルした。
建物は以前より天井が高くなり、幅21㍍に20のブースが並ぶ。壁には絵地図作家の植野めぐみさん(津市在住)と看板館が共同製作した作品を設置。上空から斜めに見下ろした伊勢から串本までの山並み、七里御浜海岸などが描かれている。ミカンの種類も紹介し、「年中みかんのとれる町」をPRした。
2010年に開設。年中無休で、町特産のかんきつや新鮮な野菜など地元産品が多くそろう市場として人気を集めてきた。より多くの人が利用しやすいよう、株式会社R.LinkCorporation(椋野玲史・代表取締役会長)と山地地区企業会が前回に続き建設し、無償提供した。
駐車場も広くなり、防犯カメラを4台設置、管理棟も新築した。午後10時まで営業するため、照明も加えた。
初日はイチゴ、フルーツジャム、みかんジュース、生きくらげ、野菜、ミカンなどがそろい、地元産品を買い求める客でにぎわった。山地地区企業会からの寄付もあり、管理責任者の尾﨑英夫さんは「将来性を見込んで建て直してくれた椋野会長に感謝しています。くまのグリーンファームを中心に各店舗が年間を通してより良い商品を提供したい。お客さんと生産者との信頼関係が大切で、ぜひ協力してほしい」と話している。
(2023年4月27日付紙面より)
新宮市役所で応援展示
新宮市は、FIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア&ニュージーランド2023に挑むサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の跳躍を願い、市役所1階玄関ロビーで応援展示を行っている=写真。
熊野は日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里。その縁で、熊野三山協議会(会長・田岡実千年新宮市長)は2002年W杯日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
FIFA女子W杯は7月20日(木)に開幕。2011年以来、3大会ぶり2度目の優勝を目指す日本女子代表はグループCで初戦は22日(土)。ザンビアと対戦する。
応援展示は5月12日(金)まで。展示はいったん終了するが、開幕前に改めて展示を行う予定としている。(西久保勢津子)
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日本サッカー協会では「なでしこジャパン応援キャンペーン」として、写真で作る応援モザイクアートを実施する。「笑顔」「サッカー」「なでしこジャパン」にまつわる写真を募集しており、寄せられた写真でモザイクアートを制作する。応募者の中から抽選で7人に、なでしこジャパン選手のサイン入りグッズが当たる。
応募期間は5月14日(日)まで。詳細はキャンペーンページ(QRコード)を参照。
(2023年4月27日付紙面より)
県スポ少バレー東牟婁予選
スポ少野球東牟婁大会
第43回マクドナルド・トーナメント
妙法山阿弥陀寺で御影供 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南平野にある妙法山阿弥陀(あみだ)寺(谷宏之住職)で20、21の両日、弘法大師御尊像を前に、大師の命日をしのぶ法要「御影供(みえく)」があった。コロナ禍で数年間は一般参拝を中止していたが、今年は4年ぶりに通常通りに斎行された。
弘法大師は真言宗の開祖・空海(774~835年)の別称で、同寺は空海が開山した寺院の一つに数えられており、平安初期に開創された。
女人禁制のない仏域として、女性の信心を広く集めたことから「女人高野」とも呼ばれ、「御影供」と生誕日の法要「青葉祭」が年中行事とされている。
20日夜は、室町時代の1509(永正6)年に建立された大師堂(県文化財)で、弘法大師御開帳護摩供が営まれた。
町内外から多くの参拝者が集まり、約10㍍の長い大数珠「百万遍数珠」2本を参拝者が輪になって繰りながら般若心経を唱えた。
三重県大紀町から家族と共に訪れた石倉里美さんは「コロナ禍前は毎年、お参りに来ていた。祖父母の供養をしてもらっている。こちらに来ると心が落ち着きます」と笑顔で話した。
谷住職は「全ての宗教において、共通するのは祈り。人には必ず死が訪れる。それまでに日々、自分ができることや生きることをしっかりとやる。後はそれぞれの宗教や信じるものに任せるが、その際に祈りが必要。その時、人は強くなる。自分の方法で構わないので、功徳や供養になるように祈ってほしい」と語った。
21日は、本堂で熊野地方の風習「お髪上げ」(納骨・納髪)や先祖代々の総供養も行われた。
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■大師堂や大師尊像
大師堂は、創建当初からの姿を残している。国の重要文化財指定に向けて老朽化していた屋根の葺(ふ)き替えを終え2020年に、第一期の補修工事が完了している。
また、御尊像は檜(ひのき)材寄木造(よせぎづくり)。このほどの解体修理で1451(宝徳3)年に完成し、京都高辻に住む大仏師・大進法橋と小仏師太夫法橋によって彫られたということが分かった。
同寺では、重文指定に向けて今後も工事を進めていくとしている。
(2023年4月26日付紙面より)
宇久井海と森の自然塾 (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井半島の自然保全活動を続ける「宇久井海と森の自然塾運営協議会」(湊谷幸三会長)は23日、3年ぶりに地玉(じごく)の浜の清掃活動を実施した。会員ら42人が汗を流した。
「地玉の浜」は吉野熊野国立公園の特別地域に指定されている宇久井半島の一部で、約3億年前に形成された石英の粒「オルソコーツァイト」や地層の褶曲(しゅうきょく)、火成岩の岩壁などが観察できるスポット。新型コロナウイルス感染拡大により2020年3月以降清掃を実施できておらず、3年ぶりの開催となった。
以前はペットボトルや空き缶、漁具といった漂着ごみが目立っていた同海岸だが、近年では海洋プラスチックごみ問題への認知の広がりから、地元住民や中学生、観光客らによる自主的な清掃の輪が広がり、きれいな状態が保たれている。
この日もプラスチックごみはほとんどなく、清掃は流木の処理が主となった。会員たちは大きな流木をチェーンソーなどで運びやすい大きさに分けて処分。比較的小さなものは町指定ごみ袋で回収した。
作業には同塾の会員でもある堀順一郎町長や瀧本雄之副町長も参加。休暇村南紀勝浦の職員や地域のボランティアも応援に駆け付けた。
湊谷会長は「普段から清掃をしてくださる方がおり、浜は非常にきれいな状態。6月にも芝生の草取りを計画しており、また皆で活動できたら」と話していた。
(2023年4月26日付紙面より)
橋杭ビーチオープンフェス (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会が23日、串本町くじ野川にある橋杭園地でイベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」を実施し目下力を入れている同ビーチの春~秋3季活用の魅力をアピールした。
7~8月の海水浴場設置以外にもっと活用できないかという思いが高じ、2017年度から本格展開している同活用。現在は4~10月をシーズンとしてフリーマーケットや釣り大会などを積極誘致し、同協会自体は事業委託先のビーチハウス・ラパンを軸にしたシーズン中の飲食と各種マリンアクティビティーの提供を通してアウトドアレジャー拠点としての活発化を図っている。
そのイメージをシーズンインに合わせて印象づける企画が同フェスタ。17年3月にシーズン直前のプレイベントとして初実施して以降、当日の天候や新型コロナウイルスの情勢で中止が続いたため、ほぼ6年ぶりの実施となった。
今回は感染症予防の観点で密を誘いやすいステージを中止とし、体験企画とフリーマーケットで内容を構成した。体験は小学生限定の特別メニューを追加し全4種で組んだが、当日は雨こそ降らなかったもの風が強く▽BIG SUP▽特別メニュー「ふわっと体験パラグライダー」―は中止。▽シーカヤック▽特別メニュー「モデルロケット製作・打ち上げ」―は実施した。フリーマーケットも天候に伴うキャンセルがあり規模縮小となったが、適時来場者の注目と利用を集めた。
同ハウスは水曜日と11~3月、過度の荒天日を除き午前9時~午後5時に営業している。各種マリンアクティビティーは▽シーカヤック▽フィッシングカヤック▽SUP▽BIG SUP―をレンタル提供していて、一部はツアー利用(指導者同行)の相談にも応じている。詳細は同ハウスの公式ホームページを参照。3季活用の問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)まで。
(2023年4月26日付紙面より)
JR新宮駅でキャンペーン
通学中の列車内や駅構内など、公共の場でのモラルとマナーの向上を呼びかける「きのくに・さわやかマナーアップキャンペーン」が25日朝、JR新宮駅で実施された。高校生や警察関係者ら約20人が、通学で電車を利用する高校生らに啓発グッズを配布した。
学生が駅など公共の場所で座り込む、大声で騒ぐなどのマナー違反行為が横行して社会問題となった2003年から、春と秋の年2回実施している。この日は新宮高校生徒会の生徒ら7人と教職員が活動に参加。新宮警察署、少年補導員、少年相談センター職員、地域安全推進員らと共に、電車内における携帯電話の迷惑使用やごみのポイ捨てなど、迷惑行為の禁止やマナーの向上を呼びかけた。
生徒会長の磯﨑咲良さん(3年)は「活動に参加するのは初めて。自身も通学で電車を利用しているが、新入生や一般の方が入りづらいと思うので入り口付近に立たないようにしている。みんなでマナーを守って気持ちよく電車を利用することができれば」。
生活安全刑事課の中濱智厚警部補は「座り込みや携帯電話の迷惑使用など、マナー違反について再認識してほしい。高校生が参加してくれることによって、呼びかけがより身近なものになると思う。高齢者などには席を譲ってあげてください」と呼びかけていた。
(2023年4月26日付紙面より)
ホップリーグ3部東牟婁大会
接戦の末、新人下す (和歌山県議選・新宮市選挙区 )
統一地方選挙の前半戦である和歌山県議会議員選挙が9日、投開票された。定数1に対し現職と新人の2人が立候補していた新宮市選挙区では、自民現職の濱口太史氏(56)が接戦の末、無所属新人の上田勝之氏(57)に408票の差をつけ、4回目の当選。同選挙区では12年ぶりとなる選挙戦を制した。投票率は56・31%だった。
最後まで気の抜けない戦いだった。確定時刻は午後9時28分。同市神倉の選挙事務所で当選の知らせを受けた濱口氏は、支援者らと握手を交わすなどして喜びを分かち合った。
同僚議員や近隣自治体の首長らが祝いに駆け付けた。伊藤算志後援会長は「本当に難しい選挙だった。今日一日、不安で不安で仕方なかったが、僅差ではありますが皆さま方にお支えいただき、4期目の県政へ送り出すことができた」と感謝。玉木久登県議は「これからも新宮市、そして和歌山県のためにみんなで頑張っていくのでご支援を」と呼びかけた。
娘の安奈さんから花束を受け取った濱口氏は「当初から危ない、危ないと言われていた選挙戦。そんな中、多くの皆さま方に応援を頂き、一人一人に広げていただいた結果。この地域、まだまだ元気になる要素がたくさんある。自民党の所属議員として公明党の皆さんのお力も借りながら、そして県政や国にもつなぎながら、皆さんと一緒になってこの地域を元気にしていきたい」とあいさつ。
報道陣の取材に対して「相手の強さも感じた。毎日毎日本当に戦いだった。当選できてほっとしている。まだ働ける喜びをひしひしと感じている。皆さまのご支援には感謝しかない」と心境を語り「3期12年務めさせていただき、ようやく議員として一人前になれたという自覚がある。身近に感じられる県会議員が求められていると感じた。これからは地域の皆さんと一緒になって、地域を元気にする活動を展開していきたい」と話していた。
後援会青年部の杉本雄一朗部長が音頭を取り、万歳三唱で当選の喜びを共有した。
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■上田勝之氏、敗戦の弁
上田勝之氏は落選の知らせを受け、同市井の沢の選挙事務所で支援者らを前に「3期連続の無投票の可能性を受けて、出馬に踏み切らせていただいた。12年ぶりの選挙戦。400票余りの差で、現職にはあと一歩及ばず、落選が決まった。ひとえに私の責任、大変申し訳ございませんでした」。
支援者らの支えに感謝を伝え「悔いのない、良い選挙戦を戦わせていただきました。本当にありがとうございました」と深く頭を下げた。
(2023年4月11日付紙面より)
周年祭に多くの来場者 (ウミガメ公園 )
紀宝町の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」で9日、18年目の「周年祭」が開かれ、地元住民や観光客らが多彩な催しを楽しんだ。
全国で唯一、ウミガメ保護施設を併設した道の駅で、1993年に開業。2005年4月の物産館オープンを機に毎年、周年祭を開いてきた。新型コロナウイルスの影響で20年以降自粛してきたが、4年ぶりに復活した。
ミニ観葉植物のプレゼント、外れなしの「ガチャガチャ抽選会」、オリジナル焼き菓子「かめっこ」の無料試食会には、長蛇の列ができた。出張ピザ、雑貨店などが並び、飛雪米を使った具だくさんの「おにぎり」も人気を集めた。
淡水ガメの展示や、飼育するアオウミガメのタッチイベントもあり、子どもたちが甲羅に触れるなどした。町のキャラクター「カメレンジャー」も登場し、来場者と一緒に記念撮影した。
(2023年4月11日付紙面より)
地方創生担当大臣賞 (温泉総選挙2022 )
那智勝浦町のホテル浦島で8日、旅して日本プロジェクトが主催する「温泉総選挙2022」の地方創生担当大臣賞の授賞式があった。受賞したのは、このほど同催しの歴史・文化部門において2位にも輝いた「南紀勝浦温泉(以降、同温泉)」。温泉総選挙総合プロデューサーで、社会起業家の山下太郎さんが来町し、南紀勝浦温泉旅館組合の清水貞吾組合長に表彰状を手渡した。
国民参加型の地方活性化プロジェクトの温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じてさまざまな情報に触れ、各温泉地の利用促進を図り、地域活性化につなげることが目的。
ウェブやリアル、交流サイト(SNS)などを用いて投票を行う。九つの部門があり、全国各地の温泉地が毎年、エントリーを行っている。
同温泉はこれまでに、「総選挙2018」で総務大臣賞を、「総選挙2019」では歴史・文化部門で1位、「総選挙2020」では同部門で3位、「総選挙2021」で1位を受賞している。
今回の地方創生担当大臣賞は同温泉が、地方の重要産業である漁業や地域住民との幅広い連携、地域資源を生かす活動など、多くの地域活性化に係る取り組みが評価されて受賞に至った。
直接現地を訪れての表彰は、今年から始めたという山下さんは「この町は歴史がある。文化と温泉、海の幸まである温泉地はまれ。多くのコンテンツがそろっている。歴史・文化を伝える代表的な温泉地として、今後の活躍を期待しています」と評価した。
清水組合長は受賞について「町の温泉を、組合や観光機構で売り出していくための足掛かりとなる。組合の中平理咲さんや皆さんの努力に感謝します。来年は1位に返り咲きたい」と笑顔。
那智勝浦観光機構(NACKT)の理事長も務める清水組合長は、観光庁が実施する「インバウンド向けモデル観光地公募事業」の地域に先日、全国11の地域の一つとして選定されたことを紹介。同町と同一エリアとして選ばれた奈良県と共に、高付加価値なインバウンド観光地づくりに向けて取り組むと述べた。
課題については「土日は国内のお客さまが来てくれるが、平日は課題。解決にはインバウンドの集客が重要になる」と主張。観光庁が世界に誇れる持続可能な観光地域づくりを行う「先駆的DMO」に、このほど選定した田辺市熊野ツーリズムビューローにも触れ、組合や機構をはじめ、関係機関と連携して、同DMOが対応するインバウンドの受け皿としても努めていくと語った。
(2023年4月11日付紙面より)
2学期前の新米納入見据え (串本町地産地消生産者組合 )
串本町地産地消生産者組合(山下敏文組合長、組合員19人)による学校給食米の田植えが8日から始まった。坂本渡副組合長(69)が2学期の学校給食再開前に新米を届けられるよう見据え、二色地内で仕立てた水田に苗を植えて栽培に取りかかった。
学校給食における地産地消推進と町内の休耕田解消を同時に図る策として、2009年度から同組合による学校給食米生産をしている同町。当初は旧古座町域にある小学校だけだった学校給食も、16年度の町学校給食センター本稼働に伴い全町規模(旧組合立の名残で田原小、古座小の卒業生が通う古座川町立古座中学校も含む)となり、相応に同組合も組合員数を増して必要量の納入に励んでいる。
4㌧から一気に15㌧に増え、最近は少子化13㌧前後となっている年間必要量の目安。新型コロナウイルスの情勢でその量が安定しない状況だが、同組合は余った分を町内の福祉施設に卸すなどして無駄を出さず生産規模を保っているという。
同町はコシヒカリを納入する品種として指定。坂本副組合長は「子どもたちの『おいしい』と言う声が支え。納入先の職員も新米の到着を喜んでくれるので頑張れる」と励みを語り、今年新たに導入した田植え機が好調で天候に恵まれたこともあり「今日は一気に50㌃はいけそうだ」と張り切って田植えに臨んでいた。
山下組合長(73)によると、組合員の田植えの時期はまちまちで組合全体としては4~5月が田植え、8~9月が収穫の時期となるそう。坂本副組合長ら前半組は作柄を大きく左右する出穂の時期が梅雨にかかる、後半組は収穫の時期が台風のシーズンにかかる、加えてまちの子どもが食べるので安全な生産が大前提と幾重にも栽培の難しさが重なる中で組合員は子どもが喜んでくれる学校給食米の生産に頑張っている。山下組合長は梅雨や台風、伴う病気に直面することなく学校給食米が納入できる今後を願って、坂本副組合長の田植えを見守った。
(2023年4月11日付紙面より)