6日間の休業に入る
官公庁で28日、仕事納め式があった。各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は1月3日(木)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所で行われた式には、屋敷満雄市議会議長、濵田雅美副議長をはじめ職員約50人が出席。田岡実千年市長は、市民が来庁した際の職員の対応について「今年は苦情よりお褒めの言葉を多く頂いた。接遇の気持ちが高まっているとうれしく思う」とねぎらいの言葉を掛けた。
12月の「わかやま冬の交通安全運動」初日の1日と翌2日に市内で連続して交通死亡事故が発生したことに触れ「いつ自分たちが加害者になるか分からない。一瞬の気の緩みが事故につながる。安全、思いやり運転を心掛け、4日に皆で元気よく一年をスタートできれば」と呼び掛けた。
小谷充総務部長が今年一年に実施した主な事業などを振り返り紹介。向井雅男副市長は閉会の辞を述べ、最後は一本締めで締めくくった。
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那智勝浦町では、役場2階の大会議室で仕事納め式が開かれた。
町歌斉唱後、町職員約80人を前に、堀順一郎町長が訓示。職員らにねぎらいの言葉を掛け、5月21日の就任以降を振り返った。「新クリーンセンターの建設にある一定のめどが付いたが、町には懸案、課題が多くあると感じている。今後も5年、10年先を見据えた町民のための施策を推進する」と話した。
式典の後は勤続20年表彰があり、柳川敦子さんら8人の職員に堀町長が賞状を手渡した。
(2018年12月30日付紙面より)
年末の帰省ラッシュピーク (熊野地方 )
年末の帰省ラッシュがピークを迎え、正月を故郷や観光地で過ごそうとする人や車の姿が多く見られる。29日、JR新宮駅では午前中に特急列車の2便が、京都・大阪方面と名古屋方面から到着。大きな荷物を持ち帰省してきた人たちが次々と改札を通り、迎えに来た家族の車に乗り込む姿などが見られた。Uターンのピークは1月3日(木)とみられる。
改札付近にはお見送り&お迎えコーナーを設置し、駅員らからの温かなメッセージが利用客らを出迎えた。東京から帰省した40代女性は「正月は実家でゆっくりと過ごそうと思います」と話していた。
和歌山県警では渋滞中の追突事故防止として「間隔が空いてしまったと思い、急に速度を上げると先行車が思いもかけずに急停車したりすることもある。渋滞中は、しっかりと前の車の動きを見て適切な車間距離を保ってください」と呼び掛けている。
日本道路交通情報センターによると、年末年始の期間中、高速道路は1月6日(日)まで、一般道路は1月中旬まで故郷への帰省や観光地への行楽などで交通量が増加し、高速道路を中心に激しい渋滞の発生が予測される。
(2018年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(川嶋基正消防長)と同市消防団(竹内由定団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。30日(日)までの3日間、午後8時から午前0時まで市内を巡視する。
火を使用する機会の多いこの時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組んでいる。初日の28日夜には市消防本部と熊野川消防出張所で出陣式があった。
市消防本部での出陣式には、旧市内七つの消防団から計51人が出席。整列した団員らを前に田岡実千年市長は「日頃から昼夜を問わず、市民の安心安全のために尽力いただき感謝している」と述べ、1年間の活動をねぎらった。
屋敷満雄市議会議長が「警戒に当たって体調管理に留意し、市民の皆さんが良い新年を迎えることができるようよろしくお願いします」とあいさつ。濱口太史県議は「自身の防寒にも気を付けて任務に当たってください」と述べ、大髙圭司新宮警察署長が「年末警戒は地域の安心安全を支える大きな活動。警察にとっても大変ありがたい」と激励した。
式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中、担当地域へ出発。竹内団長は「毎年恒例だが、今年も市民の安心と安全を守るために警戒に当たっていきたい」と話していた。
(2018年12月30日付紙面より)
中央・くろしお児童館で大掃除 (新宮市 )
新宮市野田の中央児童館と同市佐野のくろしお児童館で28日、大掃除があった。同館を利用する児童らは、一年を楽しく遊んだ感謝の気持ちを込めて、館内を隅々まで掃除した。
中央児童館では遊びに来ていた33人が集合。職員からの説明を受けた子どもたちは六つの班に分かれ、「わんぱくルーム」や「ゲーム室」「図書室」、廊下や階段、玄関などの場所を分担し、窓やいつも遊ぶ遊具を丁寧に磨き、協力しておもちゃを整理していた。
初めて参加した畑有羽梨(ゆうり)さん(10)は「普段から本を読んでいて破れているのが多く気になっていたので、整理ができて良かった。来年から新しい気持ちで遊びに来たいです」と掃除に励んでいた。
くろしお児童館では30人が参加した。職員の説明を受け、子どもたちは各部屋を分担して拭き掃除。遊戯室の雑巾がけが始まると、みんなで横一列に並び「よーい、どん!」の合図で一斉にかけだし、往復を競争するなどしてにぎわった。
田原拓真君(7)は「初めて参加して、みんなで汚れを落とせて良かった。きれいになった児童館で来年も遊びたい」と話していた。
年始は両館とも1月4日(金)から利用できる。
(2018年12月30日付紙面より)
新宮信用金庫理事長杯卓球大会
竹内結賀さん、弓友会Bが優勝 (新宮弓友会 )
紀宝町出身の坊ノ内希愛さん (神戸弘陵高校女子サッカー部 )
労働基準監督署が啓発とパトロール (新宮市 )
新宮労働基準監督署と新宮保健所は18日、新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で労働災害防止および食品衛生の啓発とパトロールを実施した。同署管内の休業4日以上の労働災害は10月末現在で77件(速報値)と、前年同期比で10件増加している。
卸・小売業の労働災害の約30%が転倒災害で、うち4分の3以上の休業見込みは1カ月以上。被災者の7割は50歳以上となっている。増加傾向が顕著な卸・小売業に対する取り組みとして、繁忙期を迎える12月に業者が多数集まる同市場で実施を決めた。
パトロール実施者は新宮労働基準監督署、新宮保健所、東牟婁振興局農林水産振興部、新宮広域圏公設地方卸売市場、同市場協力会。この日はパトロールと啓発の2班に分かれて、場内点検、重点事項の転倒災害防止と食品衛生管理について呼び掛けを行うなどした。
同署の森美大(よしひろ)署長は「整理・整頓・清掃・清潔の『4S』を心掛け、危険箇所の確認や『ながら歩き』がないかなど基本動作をしっかりとしてほしい。転倒災害は一人一人の意識で防げる。今回の呼び掛けを、事業者の方が各自持ち帰って点検や指導をしてほしい」と語った。パトロールを終え「台車の置き方やフォークリフトの操作、階段に物を置かないなどいくつかの危険箇所を指摘しました。改善していただければ」。
新宮保健所衛生環境課の大家秀仁主任は「今回はノロウイルスなど感染症について周知したい。ひとごとではなく感染源にならないようにしてほしい」。
新宮広域圏公設地方卸売市場の中本勝久市場長は「点検していただき、危険箇所を発見、指摘していただいた。自分たちでは見つけられない部分もある。これから設備を整え、今後も注意していきたい」と話していた。
和歌山県内の労働災害発生状況は11月末現在で910件となっている。
(2018年12月19日付紙面より)
マラソン交流大会リハーサル (太地町 )
太地町で開催される「ねんりんピック紀の国わかやま2019 マラソン交流大会」のリハーサルを兼ねて同実行委員会は16日、町内で「くじらの町マラソン大会」を開催した。近隣市町村や全国各地からエントリーした313人が完走し、大勢の観客から温かい拍手が送られた。
くじら浜公園をスタート・ゴール地点に、ファミリー1㌔コースには29組68人、3㌔110人、5㌔46人、10㌔89人が参加。元日本生命マラソンランナーの西貝朋美さんがスターター、表彰式のプレゼンター、ファミリーコースの伴走などを務め、マラソンを通して1歳から81歳までの幅広い世代が交流した。
朝市やバザー、飲食販売などの出店でにぎわう会場には和歌山県のマスコットキャラクター「きいちゃん」、太地町の「ゴン太」が登場し、ねんりんピックのPR活動を行う「ねんりんピックキャラバン隊」、「ねんりんサポーター」の峰武久さん、妻の美佐子さんも法被姿で会場を盛り上げた。
3㌔のコースを走り終えた應地峯旭人君(那智中3年)は「いい感じで走ることができた。和歌山市のジュニア駅伝に向けて頑張る」、湊谷恭央君(宇久井中1年)は「景色が良くて気持ちよく走ることができた」、片谷豹立君(那智中1年)は「結果は思うようにいかなかったが楽しいコースだった」と話していた。
(2018年12月19日付紙面より)
南紀くろしお商工会青年部(廣澤篤部長)は16日、なちかつクリスマスパーティー2018を那智勝浦町いざかた通り商店街で開催した。会場各所でさまざまな催しが実施され、家族連れなどの来場者でにぎわった。
イベントは地域間の交流や振興、商店街の活性化を目的に実施され、今回で2回目となる。
射的やミニ四駆サーキット、コイン落としやエア遊具などの催しに多くの子どもたちが集まり、楽しんでいた。また、菓子やクラムチャウダーなどの飲食ブースも盛況だった。
会員扮(ふん)するサンタクロースとトナカイが会場に登場。じゃんけんをして、サンタクロースに勝てば風船がもらえるゲームでは、挑戦を心待ちにする子どもたちの行列ができた。
友人と会場に訪れていた辻大輝君(勝浦小3年)は「射的で2個もお菓子が取れた。ミニ四駆もすごくおもしろかった。また来たいです」と笑顔で話した。
廣澤部長は前回開催時にアミューズメントブースを一部に固め過ぎてしまったことや、チケット制のため来場者が集中し混雑してしまったことを今回改善したと説明。「初めてこの商店街に来られた方々にさまざまなお店が数多くあることを知ってもらいたい。そして、今後も足を運んでいただけたら」と語った。
(2018年12月19日付紙面より)
串本町田原
串本町田原の荒船海岸では冬の風物詩、海霧(気嵐=けあらし)が発生している=写真。
15日の朝、6時55分の日の出とともに朝日に照らされた黄金色の海霧が浮かび上がった。沖行く船は寒波で生じた水温と気温差で浮島現象になり、霧の中を行き交う漁船の姿が幻想的な風景を醸し出していた。
土曜日とあって県内外から多くのカメラマンが訪れ、夢中でシャッターを切っていた。シーズンは1月末ごろまで続く。
(2018年12月19日付紙面より)
第39回熊野三山小学生バレーボールフェスタ
国指定重要無形民俗文化財「奥三河の花祭」の熊野公演が8日、田辺市本宮町の熊野本宮大社旧社地「大斎原(おおゆのはら)」で開かれた。
熊野本宮大社御創建二千五十年奉祝式年記念として、熊野でテホヘ実行委員会(高栖浩史会長)が主催、月花祭保存会(愛知県東栄町)が共催、同大社が協賛した。
奥三河の花祭は東栄町月地区に伝わる伝統行事。湯立てを行い、鬼や人が舞い、生まれ清まりを願うもので、熊野修験が成立に関わったとされている。
悪霊を払いよけ、神人和合、五穀豊穣(ほうじょう)、無病息災を祈る目的で鎌倉時代から伝承され、およそ40種類の舞が夜を徹して行われる。
熊野公演では「うち清め」に始まり、「切目の王子」「湯立て」「一の舞」「榊(さかき)鬼」「おつるひゃる・みこ」「山割(やまわり)鬼」「湯ばやし」をささげた。
湯立ては、釜の正面に菰(こも)を敷き、花太夫が祭文を唱え、火と水を清め、地域内の一切の神々を勧請するもの。湯を沸かして諸神へ献じ、氏子からの祈願を奏上して諸神の加護を願った。
榊鬼は最も重要視される鬼。月地区では「榊さま」と呼び、悪霊をはらうとされる呪術的な足踏み「反閇(へんばい)」をして大地に新しい生命力や活力を吹き込んだ。
参加する観客を「せいと衆」と呼び、熊野公演でも多くの観客が「テーホヘ、テホヘ」と掛け声を合わせ全員で盛り上がった。
公演前には無事を祈る神事が執り行われ、九鬼家隆宮司が「先般の台風で川湯温泉街が被害を受けたが、関係者、ボランティアの力添えで徐々に復興している。花祭が復興の兆しとなり、力をわれわれに与えていただきたい」とあいさつした。
(2018年12月11日付紙面より)
ひきこもりを考える講演会 (紀宝町 )
紀宝町社会福祉協議会(上平善一会長)主催の「ひきこもりを考える講演会」が6日、町福祉センターであった。町が展開する「命と暮らしを守る地域づくり」事業の一環で、町民や福祉関係者ら約50人が出席。県の引きこもり対策に理解を深めた。
講師には「三重こころの健康センター」の楠本みちる所長と技術指導課の西川多香子主査を招いた。精神科医でもある楠本所長は、引きこもりは原則的に6カ月以上、家庭にとどまり続ける状態を指し、本人や親の高齢化が進んで問題が増えていると紹介。家族を長期間支える社会資源、本人や家族に適切に対応できる支援者の育成、本人の居場所が支援に必要と訴えた。西川主査は、平成21年度に制度化された「県ひきこもり地域支援センター」について相談窓口の明確化、自立への支援、包括的な支援体制の確立、情報発信など役割を説明した。
上平会長は「引きこもりは大きな問題。家族もどう対応していいか分からない。知識、支援に理解を深めてほしい」と講演会の効果に期待。社協でも福祉センター敷地内のアプローチ邸で毎月第1木曜日に「集まりの場」を設けるなど、引きこもり状態や長期不就労の人、その家族への支援体制を整えている。詳しくは同社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。
(2018年12月11日付紙面より)
樫野崎のスイセン植え替え (串本町 )
串本町樫野にある樫野崎園地の一角で8日、スイセンの植え替え作業があり、田嶋勝正町長ら観光関係者や一般約30人が手分けして球根を植え込んだ。
樫野崎園地のスイセンは、樫野埼灯台の建設に関わったイギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンがふるさとを懐かしみ母国から取り寄せたという話にちなんで植えられた。その数は約12万株。咲き誇る花が同園地の冬の風物詩として親しまれているが、近年は株が育って球根が密になり花付きが鈍ってきたため、同町は2年前から一般協力を呼び掛けてスイセンの植え替えに取り組み始めた。
今回の植え替えの対象は、あずまやの近くにある一角(約200平方㍍)。2年前に植え替えをした場所の隣で、事前に事業者が球根を掘り起こして土を作り直し、状態のいい球根約5000個を選んでこの日の植え替え作業に託した。
実施に当たり田嶋町長は「串本の観光客数は今、過去最高の状況となりいい雰囲気が来ているように思う。多くの方々が楽しんでいただけるようなスイセンの新たな名所をつくっていきたいので、今日はよろしくお願いします」とあいさつ。参加者は約20㌢の株間を取りながら、深さ約10㌢の穴を掘って球根を植える作業を繰り返した。
2年前に植え替えた場所の株はこの日、草丈50㌢前後に育っていてすでに花を咲かせ始めている状況。参加者はそのような植え替えの効果を実感し、今回の場所も同じように勢いを取り戻すことを願いながら作業に励んでいた。
(2018年12月11日付紙面より)
速玉大社などをウオーク (新宮市 )
新宮市健康づくり地域推進員会(松岡文子会長)は8日、市内で「いきいき健康! 市民ウオーク2018」を開いた。市民ら約120人が参加し、熊野速玉大社や御旅所などを歩いた。
市民ウオークは市民の健康づくりへの意識向上や運動習慣をつくることを目的に毎年開催されている。同市保健センターに集合した参加者を前に、田岡実千年市長は、年々人口が減り、3人に1人が高齢者となっている状況を述べ、健康長寿に向けての取り組みへの協力を呼び掛け「健康は生きていく上での基本中の基本。市の歴史も感じながら歩いてください」とあいさつした。
新宮市佐野の「ワークショップゆう」の平澤学さんからストレッチなどの指導を受けた後、初心者約2㌔、健脚者約4・3㌔のコースへ出発。参加者らは雑談をするなどして交流を図りながらウオーキングを楽しんでいた。
(2018年12月11日付紙面より)
第12回新宮ジュニアレスリング大会
城南男子バスケ部が3位に入賞 (県中学校新人大会 )
試食販売会で観光客に好評 (熊野川町 )
新宮市熊野川町産のコシヒカリをブランド化した「熊野川ヤタガラス米」の試食販売会が7日、同町日足の瀞峡めぐりの里熊野川(志古ジェット船乗場)であった。
市観光振興計画の一つ。インバウンド(訪日外国人客)を含む観光客向けに熊野川のおいしい米を使ったお土産として開発した。
同町三津野地域活性化協議会(下阪殖保会長)のメンバーが生産した1800㌔のうち、今年は約200㌔を用いた。
日本サッカー協会のシンボルマーク「ヤタガラス(八咫烏)」と絡めて、パッケージはサッカー日本代表のユニホームカラー「サムライブルー」の青色を基調に、ヤタガラスと黄金色の稲穂をデザイン。熊野速玉大社に奉納し付加価値を付けた。
試食販売会は同協議会が実施し、市観光振興委員会が協力。平安衣装と法被姿で出迎えた。
試食用に一口サイズのおにぎりを用意し、関東方面や外国からの観光客らが味わった。米2合(約300㌘)を真空パックにして500円で販売。お土産用に人気を集めた。
東京から2泊3日のツアーで訪れた女性は「もっちりしておいしかった。色つやも良いと思う。お土産として二つ購入しました」と話していた。
下阪会長は「新宮市をPRする目印になればと考えている。多くの皆さんに知ってもらえるよう、来年以降も継続して取り組んでいきたい」。
熊野川ヤタガラス米は同所で販売を開始し、市観光協会、徐福公園などでも順次取り扱う予定だという。
(2018年12月9日付紙面より)
第3回紀宝警察署協議会
住民の声を警察業務に反映させる第3回紀宝警察署協議会(山本孝司会長、会員5人)が6日、紀宝町の同警察署で開かれた。
協議会は警察改革の一環として、平成13年に全国の各警察署に設置された。年度内に4回程度の会合を開いて委員から意見を求め、警察の安全・安心な地域づくりに反映させるのが目的。紀宝署の島田満署長は11月末現在の管内概況を説明した。
遺失物、拾得物は、遺失物303件(現金約160万円)、拾得物175件(現金約100万円)を取り扱い、返還率は49・7%。うち現金は68・6%となっている。
振り込め詐欺については、昨年中は3件91万5000円が被害に遭ったのに対し、今年10月末では1件30万円のみ。ただし署の迅速な対応で被害は発生していない。少年補導は深夜徘徊、喫煙、飲酒で52件。少年犯罪では窃盗(万引)で2件2人を逮捕している。
交通部門では総事故件数276件、うち物損事故247件、人身事故29件で昨年同期より減少しているが、御浜町で死亡事故が1件発生している。
協議会終了後は紀宝町ウミガメ公園に移動し、協議会に出席した会員4人と島田署長ら署員も参加して啓発物品を配布。年末の交通事故防止を呼び掛けた。
(2018年12月9日付紙面より)
ふれあいサロンいっぷく亭 (太地町 )
太地町社会福祉協議会は5日、「ふれあいサロンいっぷく亭」を同町の東新集会所で開いた。集まった住民ら18人は特殊詐欺被害防止講話で詐欺の現状や対策など学び、松ぼっくりを使用したクリスマスツリーを和気あいあいと制作した。
同サロンは高齢者らが自宅から出て集まり、会話や催しを通して触れ合うことで引きこもりの予防や地域づくりが目的。東新、寄水、平見、森浦の各集会所で実施されている。それぞれの地区で人を集めたり、運営を手助けするボランティアがおり、東新集会所では浜中由さんが尽力している。
全国的に多数の被害が発生している特殊詐欺。町内での被害を防止すべく、和歌山県警本部生活安全企画課の特殊詐欺被害防止アドバイザーの大山擴さん、更谷正人さんを同サロンに招き、講話を受講している。
大山さんらは今年10月末の県内の特殊詐欺発生件数を43件、被害総額を2億4077万円と報告。串本・新宮署管内では現在、発生は0件と説明した。
「訴訟最終告知・訴訟最終通知」などの不審はがきにも触れ、「これらは全て詐欺。電話をするとだまされる可能性があるので電話はしないでください」と注意を呼び掛けた。また、最近の手口として、▽はがき同様の文書を封書で送ってくる▽警察官を名乗り、金銭をだまし取ろうとする―事例もあると紹介した。
大山さんと更谷さんは「特殊詐欺がどういうものか知ってもらうことで防御対策になる。困ったことや不安がある場合は、新宮署までご連絡ください」と締めくくった。
その後は、同町在住でフラワー装飾1級技能士の坂下富貴子さんがボランティアで講師を務め、材料も提供した。坂下さんの指導の下、参加者らは松ぼっくりに装飾を施し、クリスマスツリー作りを楽しんだ。
同町社協の小畑美由紀さんは「多くの方々が足を運び、互いを気遣い、仲の良い関係になっていただけるような地域づくりをしていきたい。皆さま方のご協力のおかげで運営できている。感謝しております」と語った。
(2018年12月9日付紙面より)
熊野新宮の歴史を絵本にした『新宮ってこんな街なんやで』の完成記者会見が7日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局であった。「くまの地域絵本つくりの会」の平見靖子代表(64)は「熊野新宮の魅力を絵本仕立てにすれば分かりやすく伝えられるのではと思い製作しました。一人でも多くの人にご一読いただければ」と話していた。
絵本はA4判82㌻、フルカラー。熊野権現が紀州熊野に鎮座し、世に知られるようになったいきさつを書いた縁起記「熊野権現御垂迹縁起(くまのごんげんごすいじゃくえんぎ)」の伝説を基に製作した。熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の3社を中心に紹介。4部で構成されている。和歌山県の「地域・ひと・まちづくり補助事業」、市の「街作り市民活動補助金」の支援を受け完成に至った。
同会は市内でゲストハウスを営む平見代表の呼び掛けで昨年10月に発足。昨年8月に当地方を訪れゲストハウスを利用した台湾旅行客がフェイスブックに寄せた「この地は日本の歴史に重要な部分」といった内容のレビューがきっかけとなった。平見さんは「外国の方がそういう思いで歴史を踏まえて来られているのに、この地に生まれ育った私は何も知らないことに恥ずかしく思った」と語る。
当地方の歴史などについて学ぶ機会がなかったことへの反省を踏まえ、「子どもに世界遺産の地・新宮市を知ってもらい、成長した後も歴史や文化、魅力を自信を持って語り継いでもらいたい」との思いから絵本作りに至った。文章はフリーの観光ガイドなどとして活躍する同会の玉置ひとみさん(62)が、熊野三山協議会の山本殖生幹事の監修の下に作成。「方言も忘れてほしくない」との思いで言葉にもこだわった。芸術家の平野薫禮(ぐれ)さん(45)が絵を担当。平野さんは「子どもたちに自分たちの町を愛してもらえるきっかけになれば」と語っていた。
同会は会見後、熊野速玉大社と田岡実千年市長を訪問し絵本を手渡した。田岡市長は「自分たちの町に自信を持ってもらえることはうれしいこと。心から感謝します」と話していた。
絵本は今月から来年1月にかけて市内の保育園、幼稚園、小・中学校、高校、児童館、図書館に配布予定。販売の予定はないが、3千円以上の寄付で贈呈される(数に限りあり)。
(2018年12月9日付紙面より)
市交通指導員協議会が危険箇所へ (新宮市佐野 )
新宮市交通指導員協議会(清岡幸子会長、会員21人)は6日、那智勝浦新宮道路の新宮南インターチェンジ(IC)につながる同市佐野の市道2カ所に交通事故防止の注意喚起看板を設置した。市内では今月1、2日に連続して交通死亡事故が発生している。
設置した場所は同ICや市医療センターに通じる道路。道幅のわりに交通量や速度を出す車両が多く、これまで付近住民から「車の通行や歩行でたびたび危険を感じたことがある。交通事故防止の対応措置を取ってほしい」などの要望があった。
現地調査の結果、道路整備などで以前より道路幅が広くなり、速度を出す車両が認められ、さらに歩行者利用もあることから、交通安全・交通事故防止施策として看板を新たに取り付けた。
看板は縦100㌢、横25㌢。全面反射で夜でも色鮮やかに交通安全をPRできる。スピードを出す車に対する注意喚起として「危険 スピード落とせ」と注意を促している。
設置には会員10人と市職員らが参加。清岡会長は「1日と2日には死亡事故が発生している。市も力を入れてくれ、今回だけではなく今後も市内の危険箇所に看板を設置したい。お邪魔すると思うが、近隣の皆さまのご理解とご協力をお願いします」と話していた。
同協議会は現在活動に参加する指導員を募集している。問い合わせは新宮市生活環境課内、交通指導員協議会事務局(電話0735・23・3333)まで。
(2018年12月8日付紙面より)
新宮市観光振興委員会(森本祐司委員長)が6日、市役所4階会議室で開かれた。第5回のこの日は熊野速玉大社神職体験、熊野川米、宿泊者限定企画「せんペロ対抗戦」の報告を受け、来年度の計画を話し合った。
開会に当たり森本委員長があいさつ。「人口減少の中、インバウンドを含めた流入人口増がなければ、新宮市の経済が回っていかなくなる。『食える観光』にしないと厳しい」と述べた。
神職体験は11月12日に開催。外国人3人が臨時神職として神事を奉仕した。「貴重な体験だった」「感動した」との声があった一方、「マナーが難しい」「覚えることが多くて疲れた」などの改善点も見つかった。
これらを踏まえて一部内容を簡略化し、一般参詣者に「見せる」化する方針を示した。年11回の開催を観光客が多いシーズンに集中的に実施する計画も持ち上がった。
熊野川米は「熊野川ヤタガラス米」と命名。ジェット船乗り場、駅前観光協会、道の駅、宿泊施設の他、贈答品として商店街で販売する。ふるさと納税返礼品、イベントなどでの記念品にも活用する。
せんペロ対抗戦は市の魅力を知ってもらうことが狙い。市観光協会の里中陽互会長は「新宮を楽しんでもらう意識を持つことが重要。イベントを通して、(宿泊者に紹介する)ホテルにも生き残る道を感じてほしい」と話した。
楽天トラベルは、今後のプロモーションを説明。来年1月28日(月)に市福祉センターでDMOセミナーを開催する。
委員会は来年度、「まちなか観光」を加速させ、外国人観光客の市街地誘導を強化する。▽商品開発の仕組みを構築▽川舟の商品化▽グリーンツーリズム開発▽ターゲットを絞った周遊ルート開発▽メニュー開発、お土産開発による事業者の活性化―に取り組む。
来年2月末に今年度最後の委員会を開く。
(2018年12月8日付紙面より)
議長を務めた伊森安美さん (串本古座高校 )
「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山で議長を務めた伊森安美さん(串本古座高校2年)が6日、事後報告のため同校地域協議会の会長や副会長を訪ねた。
このサミットは、10月31日と11月1日の2日間にわたり和歌山市内で開かれた。世界48カ国から約250人、国内49校から約130人の高校生が参加し、自然災害から命を守るための備えについて▽災害について知識を得る▽災害に備え意識を高める▽災害から生き抜く―の各分科会に分かれて協議。伊森さんは県立日高高校3年の中井充歩さんと共に議長を務め、各分科会の協議の成果を「稲むらの火継承宣言」としてまとめた。
串本古座高校からは前回の同サミットにも参加した伊森さんら生徒4人が参加した。先だって参加者を対象に開かれたスタディーツアーでは同校の生徒約50人が参加者の体験をサポートした。サミット後の11月22日、議長2人は東京都にあり▽ANAホールディングス▽気象庁▽内閣府▽自由民主党本部▽文部科学省―に事後報告をし、同本部で二階俊博幹事長から両議長に安倍晋三内閣総理大臣名の感謝状が伝達されたという。
6日の事後報告で報告を受けた会長の田嶋勝正串本町長は防災のリーダーが求められる中、若い世代が率先して防災に取り組んでくれることは町としてもうれしいと感謝。副会長の西前啓市古座川町長は一連の経過を良い経験だとたたえ、そろって伊森さんと同サミットに協力した生徒の今後の活躍を期待した。
事後報告はこの日が最終で、伊森さんは「津波の経験がない国の人が経験した人の話を聞いて意識が高まったという声があって、ここで学んだことを自分の国に帰って同じように伝えてほしいと思ったし、自分もそのように地域や学校に広めていきたい。このサミットに参加するのは2回目ですが、今回も多くのことが学べてすごくよかったです」と思うところをコメント。
両町長が期待した今後について「自分が住んでいる串本町は、自然が豊かで観光客が多く、その中には外国人観光客もたくさんいる。同宣言の一項目にあるユニバーサルデザインの標識があれば、まったく知らない場所でもどこに逃げればいいかが一目見て分かるので、地域とも連携してこれをやってみたい」と抱負を語った。
(2018年12月8日付紙面より)
旅客船の安全やテロ対策 (勝浦海事事務所 )
観光客や帰省客が増える年末年始に備え、国土交通省近畿運輸局勝浦海事事務所は6、7の両日、串本海上保安署と合同で管内4社の旅客船の安全やテロ対策などを点検した。事故の未然防止などを目的に船舶検査官らが浮輪などの救命設備や安全確保のための連絡体制を確認した。
国交省が実施する「年末年始の輸送などに関する安全総点検」(12月10日~1月10日)の一環。点検をしたのは熊野交通(新宮市)、紀の松島観光(那智勝浦町)、浦島観光ホテル(同)、串本海中公園センター(串本町)の4社。乗組員の健康状態や過労状態の把握、新型インフルエンザ対策、事故や災害時の連絡体制などについても指導した。
新宮市熊野川町日足の熊野交通志古船舶営業所(堀芳生所長)には6日、岩佐裕二次長ら4人が訪れた。堀所長ら立ち会いの下、テロ防止のための取り組みやテロ発生を想定した訓練の実施状況、事故や災害発生時の安全確保のための指示体制などを聞き取り調査。ウオータージェット船(全長約18㍍、総トン数約19㌧)内に入り、救命具の位置、消火器の有効期限などを一つ一つ調べた。海中転落者を救助するための、漁具(浮子=あば)を応用した救助機材「非常投浮(とうふ)」の実演もあった。
点検終了後、岩佐次長は「今後も体調の変化などに皆さんで注意し合い、さらなる安全運航に取り組んでください」と呼び掛けた。堀所長は「年末年始に向けて、多くのお客さまを安全にご案内できるよう気を引き締めていきたい」と話していた。
(2018年12月8日付紙面より)
丹鶴公民分館が防災訓練 (新宮市 )
新宮市の丹鶴公民分館(髙山孝史分館長)は2日、平成30年度丹鶴地区防災訓練「命を守る練習をしよう!」を開催した。丹鶴体育館では消火器の扱い方や車いす体験、救急救命講座、備蓄品の展示啓発などがあり、大勢の地域住民が防災意識を高めた。
今年で7回目となる取り組みで、地域住民の防災意識を高める目的。市、市消防本部、消防団丹鶴分団、市社会福祉協議会、日赤奉仕団、丹鶴婦人防火クラブ、乳幼児の命を守る会、丹鶴地区連合会が協賛している。
会場では新宮市役所防災対策課による出前講座「地震に対する心構えと準備」があった。参加者らは講演を聞き、人形を使った心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の体験、搬送法、車いす体験などに挑戦した。炊き出し練習では豚汁と五目ご飯の試食があり訪れた人たちが味わった。アルミポンチョや非常食など災害時に役立つお土産も配布された。
浦手世志子さん(90)は「災害が起きたらどうするか、年に1度では忘れてしまうこともあるので訓練に感謝します」。
髙山分館長は「町内や地域の人に防災の意義や命を守るための意識を深めてほしいと感じています。経験を積み対処ができるようになれば。町内会長などに来てもらい、それを各町内に持ち帰って指導してもらえればありがたい。毎年結構な人数が来てくれている。さまざまな年齢の人に来てもらいたく、いざというときに自分にできることを頭に入れて行動してほしい」と話していた。
(2018年12月5日付紙面より)
高田交流センターで教養講座 (新宮市 )
新宮市の高田公民分館(竹内伸生分館長)は2日、高田交流センターで教養講座を開いた。地域住民ら30人以上が参加し、NPO法人地域再生ネットワーク鳥獣害対策部の原裕さんが「一から学ぶ獣害対策」を演題に講演した。
原さんは一部の動物のふんや足跡をクイズ形式で紹介した後、シカ、イノシシ、サルの性格や特徴など生態を解説した。里や村に下り、庭に入り込んでくる状況が全国各地で起こっていると説明した。
シカ、イノシシの一般的な対策として「ネットや電気柵、ワイヤーメッシュで畑を守る『防護』、木々を無くし見通しをよくする『環境整備』、増えすぎた動物を捕る『捕獲』をバランスよく行うことが基本」と述べた。サルの対策では▽習性を知る▽居心地を悪くする▽追い払う▽箱わなで捕獲―などを挙げ、長期戦であることを語った。
原さんの地元である那智勝浦町色川では、住民有志らによる色川鳥獣害対策協議会が被害の集中する7~9月に「サル追い払い隊」を立ち上げ活動していると話し「日替わりでサルの動向調査を行い、発見時は花火で追い払って近隣住民の注意喚起とメール配信を実施している」と紹介した。
屋外では実際に設置してある柵やわなを前にしての解説があり、参加者らは原さんに質問するなど知識を深めた。
講演前には市農林水産課の小林徹央さんが市で実施している柵の設置などに対する補助制度についての説明もあった。
参加した中村八十八さんは「皆さん知識はあると思いますが、細かなところが参考になりました」。金子史法さんは「多くの人が集まってくれ、感謝と同時に関心の高さを実感しました。講習を通じて今後の対策への知識を深め、生きがいや楽しみを分かち合えれば」と話していた。
(2018年12月5日付紙面より)
冬の交通安全運動街頭啓発 (串本町 )
わかやま冬の交通安全運動街頭啓発が3日、串本町くじ野川にある橋杭海水浴場駐車場であり、啓発員36人が国道42号を利用するドライバーに運動の趣旨を伝えて理解と実践を求めるなどした。
この運動は、全国規模で展開される春秋の交安運動に加え県警管内で独自に取り入れている。夏と冬の2期があり、今期は12月1日~10日(月)を期間として諸行事が計画されている。
この日の啓発は、交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会(会長・池上敏之東牟婁振興局串本建設部長)が主催。同部と串本警察署、同町役場と同町消防本部、同町交通指導員協議会と県交通安全協会串本支部、交通安全母の会、航空自衛隊第5警戒隊、国土交通省串本国道維持出張所の各職員が啓発員として参加した。
実施に当たり池上会長は、今期の重点項目として▽飲酒運転の根絶▽子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底―の4点を挙げ「運動趣旨を十分に伝達し交通安全に大きな成果が得られることを期待したい」とあいさつ。清野武志副町長と串本警察署の中弥泰典署長もあいさつし、中弥署長は信号機がない横断歩道における歩行者優先の徹底をしたい(理念の広報啓発と横断歩行者等妨害等違反の取り締まりを行う)考えを掲げつつ実りのある活動を期した。
同署署員が田辺市方向へ走行する車両を同駐車場に誘導し、停車を求めた上でドライバーにチラシなどの啓発物資を手渡しながら安全運転に努めるよう促した。啓発後は県警交通機動隊の白バイや同署車両の同運動関係活動に向けた出発式も行われた。
(2018年12月5日付紙面より)
PTA連合会で生馬選手が講演 (太地町 )
新宮・東牟婁PTA連合会は1日、太地町公民館で講師にパラ陸上競技で活躍する生馬知季(いこま・ともき)選手(26)を招き教育講演会を開いた。2020年の東京パラリンピック出場を目指す生馬さんが、車いすスポーツから得た「ハンデを強みと捉える強い心」、夢や目標を持つことの大切さを説き、約100人が聴講した。
生馬さんは和歌山県有田市出身。岡山県の株式会社グロップサンセリテ・ワールドアスリートクラブに所属し、日々の練習に取り組んでいる。同クラブは車いす陸上競技選手を雇用・育成し、障害者スポーツを通して、地域社会への貢献を目的としている。
両下肢に先天性の障害があり、腕だけを使って幼少期を過ごしたという生馬さんは、障害を感じることなく楽しく過ごした小学校時代から、一転して引きこもりになってしまった中学校時代に焦点を当てた。きっかけは下校途中に掛けられた「かわいそうに。頑張るんだよ」という一言。「その人の意図が理解できなかった。それまで『かわいそうな自分』を意識したことが無かったのです。他者と自分を比較する考えが生まれ、劣等感が育ちました」と振り返った。
その後、両親の勧めで車いすバスケに出会い「せまい考えから抜け出し、夢中になれた。練習中に『陸上競技向きの体形』と言われ、自分の体を前向きに表現してもらったことが、何よりうれしかった」。この言葉を励みに、陸上競技に転向した生馬さんは、才能が一気に開花。17年世界パラ陸上競技選手権大会ロンドンでは日本代表に選ばれ、日本人として唯一100㍍決勝進出を果たした。
(2018年12月5日付紙面より)
第14回太地町勇魚空手道大会
東牟婁支部学童軟式野球新人大会