13団体が市長に要望 (新宮市 )
新宮市自治会連合会をはじめとした市内の13団体は18日、連名で田岡実千年市長に新宮城復元の早期着手を求める要望書を提出した。榎本義清・自治会連合会長ら13団体の代表が市役所を訪れ、「市民に夢と希望を与えるまちづくりの推進を」と求めた。
新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(同8)年までに取り壊されている。現在では、幾多の自然災害の影響による石垣の崩壊や、樹木の成長による天守台の崩落や城跡の劣化も進んでいる。
市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始。発掘調査や水ノ手側の石垣修復、炭納屋遺構群の保存工事を実施。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受けた。
17(平成29)年に(公財)日本城郭協会より「続日本100名城」に選定され、19(令和元)年には水野家入部400年記念事業が開催されるなど、他地方から訪れる観光人口も増加している。
復元に当たっては、戦後間もない1946(昭和21)年に発生した南海道大地震で市内中心部が焼失しており国内での資料の発見は難しいとされている中、市では復元調査委員会などを組織し、本年度末を期限に「新宮城復元資料収集懸賞事業」を実施。懸賞金を懸けて天守や大手門、やぐらの復元につながる古写真や設計図などの資料を募っているが、今に至るまで復元の足掛かりとなる資料などは見つかっていない。
提出された要望書は▽市自治会連合会▽市婦人団体連絡協議会▽新宮商工会議所▽市観光協会▽市商店街振興組合連合会▽新宮ライオンズクラブ▽新宮ロータリークラブ▽市仲之町商店街振興組合▽丹鶴商店街振興組合▽市駅前本通り商店街振興組合▽新宮商工会議所女性会▽新宮商工会議所青年部▽子育てサポートキッズクラブ―の連名。
19(平成31)年に施行された「文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」、昨年に文化審議会が定めた「史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準」(以下新基準)などに言及し、「今こそ時機を逸することなく、早急に官民一体となった『新宮城再建委員会』などを組織するなど、『新宮城復元』に向けての取り組みを」と要望した。
要望を受け、文化振興課は「大手門がどこにあったかも分かっておらず、想像される場所は民有地となっている」「史跡として整備していくとなれば保存活用計画を策定する必要がある」などと現状を説明。新基準については「往時の規模や構造、形式などや材料、工法を検証し、それを採用しない部分については史跡などの理解促進や保存・活用の効果と比較衡量する必要がある」と理解を求めた。
榎本自治会連合会長は「早急に委員会などをつくり進めていかないと、未計画では中ぶらりんと取る市民も多いのでは」。対し田岡市長は「復元整備に向けてしっかりと検討していきたい。早いうちに何らかの返答をさせていただきたい」とした。
(2021年2月20日付紙面より)
大規模氾濫減災協議会 (和歌山県 )
東牟婁地域等における大規模氾濫減災協議会の第6回会議が18日、ウェブ上で実施された。和歌山県や各市町村が参加。各地域の流域治水を計画的に推進するためのプロジェクトの素案などを議論した。
2015年9月の関東・東北豪雨などによる甚大な被害を踏まえ、17年5月、国は多様な主体が連携して社会全体で洪水に備える取り組みなどを推進するために大規模氾濫減災協議会制度を創設。県内においても各地域で同協議会を組織し、さらなる連携・協力体制の構築を図っている。
この日は2日に閣議決定された「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)についても説明があった。
法案は近年、全国各地で激甚化・頻発する水災害や、気候変動による今後の降雨量や洪水発生頻度の増加に対応するために流域全体を俯瞰(ふかん)し、あらゆる関係者が協働して流域治水の実現を図ることを目的としている。
改正案の概要は「流域治水の計画・体制の強化」「氾濫をできるだけ防ぐための対策」「被害対象を減少させるための対策」「被害の軽減、早期復旧、復興のための対策」となり、同協議会の対策に関連するところも多いことから加えて取り組んでいくという。
ウェブ会議で井口好晴東牟婁振興局長は「協議会を通じて流域治水の取り組みが進み、地域にとって水防災がより高いレベルになることを目指していきたい」とあいさつ。
事務局は「被害の軽減」「早期復旧」「復興のための対策」を三つの柱として▽河川や堤防、砂防えん堤の整備▽浸水が頻発する場所に住宅を建築させない▽危険地域の住宅の移転促進▽浸水想定図の作成▽避難のためのタイムラインの作成継続や強化▽被害の最小化のための事業継続計画(BCP)策定―などを推進していくとした。
古座川、太田川、那智川、佐野川の四つの水系のこれまでの事業の進捗(しんちょく)状況や治水プロジェクトについての素案を説明。次年度は各地域に出向いて課題などのヒアリングを行い、今後の流域治水のプロジェクトに反映させていくと方針を示した。
中家章夫河川・下水道局長が「この素案は住民の皆さまに理解していただけるように県のホームページに掲載する予定。今後もあらゆる関係者が協力し、議論していく。各市町でも取り組んでいただけたら」と締めくくった。
(2021年2月20日付紙面より)
紀宝熊野道路の事業説明会 (紀宝町 )
平成31年度に事業化された「国道42号紀宝熊野道路」の事業説明会が18日、紀宝町の井田公民館であった。国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所が測量、地質などの現地作業の内容やスケジュールを説明した。
紀宝熊野道路は紀勢自動車道、国道42号熊野尾鷲道路、熊野道路などと一体となって道路ネットワーク強化を目的に計画され、熊野市久生屋(くしや)町から紀宝インターに至る延長15・6㌔の一般国道の自動車専用道路。新宮紀宝道路の紀宝町鵜殿から成川、神内、井田の各地区を通過して、御浜町阿田和、志原両地区を経て久生屋町につながる計画だ。
説明会には約30人が訪れ、紀勢国道事務所紀勢線推進室の佐溝健治・事業対策官が説明した。現地調査、予備設計、地元説明、幅杭打設、用地測量、用地補償、工事着手などを経て完成・開通に至る計画で「今後、詳細な設計を行うため現地で測量・地質調査を行う予定です」と述べ、協力を求めた。
調査結果を基に設計を行い、後日、詳細な計画ルートや構造について説明会を開く予定で、出席者からは「ルート変更がないようお願いしたい」「雨量も考えて設計を」などの意見、要望があった。
(2021年2月20日付紙面より)
6施設に寄付金手渡す (新宮東牟婁労福協 )
新宮東牟婁地域労働者福祉協議会(關(せき)勝行会長)は18日、新宮市と那智勝浦町の福祉施設6カ所に寄付金計12万円を贈った。
協議会は子どもたちの健全育成を目的に毎年、入場無料の映画まつりを開催。その際に集まったチャリティー募金と加盟団体からの寄付金を贈呈しているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から3密を避けるため上映を中止した。今回は活動費の一部が活用された。
寄付金は▽美熊野福祉会▽なぎの木園作業所▽わかば園作業所▽どんぐりの家▽南紀ひまわり作業所▽いなほ作業所―の6施設に均等に分配され、各2万円が贈られた。
美熊野福祉会(森常夫理事長)には關会長と谷口晃一事務局次長が訪問。森理事長に寄付金を手渡した。
關会長は「残念ながら映画の上映は中止となってしまったが、コロナ禍だからといって皆さんからの善意の気持ちは変わらない。感染症に負けずに継続して活動し、少しでも役に立てていければ」。
森理事長は「このご時世にもかかわらず、気に掛けていただいて本当にありがたい。乳幼児向けのリハビリ用のおもちゃを購入するなど、有効的に使わせていただきます」と感謝を述べていた。
(2021年2月20日付紙面より)
テキサスヒットグラブ工房・須川幸太さん
【第30回】調理体験が子どもを育てる!
子どもはかわいくて、手が掛かるものですが、いつかは自立して独り立ちしてもらわないといけません。私も子育ての目標は、一人で生きていける人間に育てることだと思っています。そのために今できること、それは、ズバリ「お手伝い」です。日々の家事のお手伝いももちろんですが、私の一押しは「調理のお手伝い」です。お手伝いがしたい!と言う3~4歳ごろ、私も「今日は時間がないから、また今度ね」とよく言っていました。親がやった方が早い・見ていないと危ない・やりたいことしかやらない。こうなると、やらせるのはかなりハードルが高いですよね。でも、お休みのときなど、ゆとりのあるときに一緒に調理をするだけで十分なんです。調理のお手伝いは、子どもにとってたくさんのメリットがあります。
調理経験は、子どもの自尊心や自己肯定感を高めるという研究結果があります。「調理経験は自尊感情のうち『他者への思いやり』に最も強く影響を及ぼすと考えられた」(栄養学雑誌「小学生の家庭での調理経験が食事観・自尊感情・教科に対する関心に及ぼす影響」、2018年)。子どもにとって、調理体験は、単純に「できた!」という成功体験の喜びを与えるだけではありません。家族に褒めてもらうことで「自分は大切な存在である」ということを認識することができますし、作ることの大変さを通じて、作ってくれる人への思いやりや感謝も学ぶことができるわけです。
さらに、調理の手伝いは学習意欲も向上させます。先ほどの論文にも、こんな記述があります。「調理経験が食事観や自尊感情を介し、教科に対する関心に影響を及ぼすという結果が得られ、児童の調理経験を増やすことが教科に対する関心を高める可能性が示唆された」(同論文)。さらに海外の研究では、調理の体験の食育で、理科や算数などの理解度が高まったという論文もあります。ここには、自尊心や自己肯定感が大きく影響していると私は考えています。ただ、調理をさせるだけではなくとにかく褒めてあげることが大切です。誰かのために作るという姿勢や、やろうとする好奇心、そしてやり切ったこと、出来上がったものを全力で褒めてあげましょう!
他にも、「好き嫌いなどの偏食の改善につながる」というメリットもあります。自分で作ったことによって、食べたいという気持ちや食べてみようという気持ちにつながるからです。そして、調理の手伝いは、将来への食意識に作用します。調理を手伝えば手伝うほど、健康的な食生活への意識が高まるといわれています。親元を離れた後でも、食生活に気を使って、健康的な生活が送れるようになるということです。お料理を一緒にするということは、子どもたちに良いことずくめなんです。忙しい毎日の中で、ふと時間があるとき、ぜひ一緒にお料理を楽しんでみてください。やりたいということをやらせてあげてみてください。子どもたちは、お料理のお手伝いを通して、大人が思っているよりも、たくさんのことを吸収してくれると思います。
(2021年2月20日付紙面より)
国内で約100年ぶりに新種と確認された「クマノザクラ」の利活用や保全活動を目指す「日本クマノザクラの会」が発足した。個人、団体を含む76人の会員が連携して和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組む。正確なクマノザクラの情報を発信するため、ホームページ(kumanozakura.jp)を開設した。3月上旬にはリーフレットを作製する予定だ。
クマノザクラはバラ科サクラ属の樹木で、2018(平成30)年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、早咲きで花が美しいことから観賞用の利用が期待されている。
発見、命名した森林総合研究所多摩森林科学園チーム長の勝木俊雄さんによると、ほとんどが山林に自生しており、花びらはピンク色。海岸部、山間部で違いはあるものの、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。
14日には、紀宝町の町福祉センターで設立総会があり、会長に勝木さん、副会長にNPO熊野さくらの会理事長の田尾友児さんを選出した。
リモートを含む31人が出席。冒頭、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って東京から参加した勝木さんが「クマノザクラの魅力は美しさにある。すでに観光目的の植栽が始まっており、地域の経済発展に生かすことができる。今後、会員の皆さんと一緒に活動を考えていきたい」とあいさつした。
来賓の西田健・紀宝町長は「皆さんと連携して多くの方々にクマノザクラの良さを知ってもらい、名所として地域の起爆剤になることを願っている」と祝辞を述べた。
議事では役員を選出したほか、会則、事業計画案、予算案を審議し、採択した。本年度はNPO法人化の準備・手続きや、新型コロナウイルスの感染状況に応じて観察会、講習会、講座の開催などを計画した。クマノザクラの鉢植えを貸し出し、その良さもアピールする。
(2021年2月16日付紙面より)
ロケット事業「宇宙ウイーク」 (串本町 )
串本町が12日から14日までの3日間、役場古座分庁舎などでロケット事業「宇宙ウイーク」を実施した。
ロケットによる町民総参加の振興の第一段階「ロケットを自分事にする」を担う同事業は本年度、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の適用を受けて展開。「宇宙ウイーク」は先んじて取り組んだ町民向けロケットワークショップ(WS)に続く公開行事で、12日は関係者向けのビジネスデー、13、14日は町民向けの一般公開日としてさまざまな企画を展開した。
12日午前はオープニングセレモニーとして、町独自作成のロケットロゴマーク2種類を発表し、漫画「宇宙兄弟」の作者・小山宙哉さんの公式ファンクラブ・コヤチュー部プレミアムが応援の意を込めて単行本全巻(現38巻)3セットや小山さんのサイン入り「宇宙兄弟×串本町コラボレーションポスター」を、小山さんのビデオメッセージを添えて贈呈した。
午後は同事業の委託を受けるUSPジャパンの榎坂伸也さんをファシリテーターとしてトークショーを実施。ファムトリップで来町中のアメリカ人ジャーナリストのロブ・シュワルツさん、小山さんの代理で株式会社コルクの小室元気さん、地元を代表して役場企画課の濵地弘貴課長と南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長がパネラーとして登壇した。
テーマは「2025年の串本町の姿」。濵地さんは小型ロケット発射場誘致の経緯、宇井さんは観光需要の変遷を踏まえてどのような活用を見据えているかを語り、外部からの視点でシュワルツさんは訪日外国人観光客対応のさらなる充実の必要性、小室さんは宇宙兄弟関係グッズの売れ筋と作成時の視点を紹介して地元の振興の挑戦を後押しした。
榎坂さんは、2025年は遠くではなく少し未来の話であり、このショーを4年後の串本をどうしたいかを考えるきっかけにすることを呼び掛け。最後に濵地さんは「必ずや皆さんの活性化と笑顔につなげることを約束する」と誓い締めくくった。その後は南紀串本観光協会ガイド部会による宇宙ガイドWSもあった。
12日と13日は午後6時から田原で建設中の小型ロケット発射場の射点そばからサーチライトを照射。一般公開日は午前10時~午後3時に、入場無料で随時来場を受け付けた。翌15日以降は町立小中学校を対象にした見学の受け入れもし、さらに公開の裾野を広げている。同課によると、寄贈の単行本3セットのうち1セットは来夏の新庁舎移転以降に宇宙振興拠点となる同分庁舎、残り2セットは同町図書館で所蔵する。別途、町立小中学校の全図書室に単行本を入れて児童生徒が手軽に読める状況を目指している(実現は来夏の見込み)ことも同ショーの中で明かした。
(2021年2月16日付紙面より)
大辺路コンシェルジュ (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)は12、13、14日の3日間、串本町と那智勝浦町間の14駅に「大辺路コンシェルジュ」を配置し、JRの利用客などに熊野古道「大辺路」や地域の魅力を発信した。
大辺路コンシェルジュは大辺路を愛する地元ボランティアの「なちかつ古道を守る会」(以後、守る会)「熊野那智ガイドの会」(以後、ガイドの会)、「大辺路刈り開き隊」の会員がJR和深~紀伊田原駅、紀伊浦神~那智駅に滞在し、熊野古道「大辺路」に興味のある人やウオークを楽しみに来た人々を迎えるもの。
JRの利用促進に務めるとともに、「大辺路アクセス・ルートマップ」や「お散歩まっぷ」を用いて交流しながら、古道と地域の魅力を伝えることが目的だという。
那智勝浦町ではJR浦神、下里、湯川駅を守る会が、紀伊勝浦、紀伊天満、那智駅はガイドの会が担当した。
最終日の14日、那智駅ではガイドの会の宇保英生さんが駅利用者などに声掛けをし、資料などを配布していた。宇保さんは「興味のない方にも大辺路を知っていただいた。那智浜や補陀洛山寺なども案内しました」。
山東健会長は「大辺路を知らない方も多かったが良い反応もあった。この機会を通じて今後は大辺路の魅力を広げていきたい」と話した。
湯川駅では守る会のメンバー5人が周辺の案内や見送りに加え、電車が到着するまでの空き時間を利用してトイレ清掃や駅ホーム、駐車場などのごみ拾い、花壇整備にも取り組んだ。
小松隆幸さんは「訪れた方が気持ち良く過ごしていただけることが大事。また来たいと言ってくれた人も多かった」。
太田耕二代表は「今回は仕方ないが、夏休み時期ならもっと反響があったと思う。このモデルを今後、行政がどうやって引き継いでいくかが課題では」と語った。
同協議会のプロジェクトマネージャーの齊藤滋さんは開催時期や新型コロナウイルスの影響から催しへの参加者数は想定より少なかったと説明。
しかし、運営に協力した各団体や参加者、通勤・通学する地元住民らの、大辺路と周辺地域への魅力再認識や意識の向上、JRの利用促進が大きな成果だと述べた。
齋藤さんは「参加団体の皆さまには感謝しています。アクセス・ルートマップや各お散歩まっぷを集めたマップ集も成果物として残る。継続していく基盤はできたと思う」と語った。
(2021年2月16日付紙面より)
5児童館でチャレラン大会 (新宮市 )
新宮市の中央、くろしお、下田、橋本、浮島の5児童館で13日、チャレンジランキング大会が開かれ、子どもたちが「紙ひこうきゴルフ」と「文字探し」に挑戦した。
チャレランとは、子どもたちがさまざまなゲームに挑戦し、記録やランキングを競う活動。例年は児童が1カ所に集まって開催するが、今年は新型コロナウイルス感染症対策のため5児童館に分かれて同じゲームをし、20日(土)に総合順位の発表と表彰を行う。
今回の競技は、紙飛行機を5㍍先の地点に向けて飛ばして近さを競う「紙ひこうきゴルフ」と、400文字の中にある「い」の字を30秒以内に何個見つけられるかを競う「文字探し」の二つ。
床や多目的トイレ、LED照明など内部の改装工事を終えて9日から開館した浮島児童館では、近隣の児童5人が参加。真っすぐに飛ばない飛行機に一喜一憂し、悔しがる様子も見られた。この日は同館で30年以上続く高田優子さんによる料理教室もあり、児童6人がクリームチューを作って持ち帰った。
両方に参加した前山百花さん(王子ヶ浜小3年)は「浮島児童館には料理やバドミントン、茶道、習字などの習い事でよく来ます。改装して床などがきれいになった。紙ひこうきゴルフでは、2位か3位になれたらいいな」と話していた。
(2021年2月16日付紙面より)
全国勝浦ネットワーク会議 (那智勝浦町 )
全国勝浦ネットワークは9日、オンライン会議を実施した。那智勝浦町の堀順一郎町長、千葉県勝浦市の土屋元(はじめ)市長、徳島県勝浦町の野上武典町長の3人が各市町からインターネット上で会議が行える「Zoom(ズーム)」を使用して意見交換や情報共有を行った。
同ネットワークは「勝浦」と地名が付く3自治体が互いの地域の発展を目指すことを目的に集まり、2003(平成15)年に友好都市盟約を取り交わした。
従来は3人の首長が集まって会議を実施しているが、今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり今回のオンライン会議に至ったという。
会議の進行は勝浦市が行い、3人の首長はそれぞれの地域のコロナの状況や感染防止対策、経済対策などを発表した。
勝浦市ではマスクや応援券(商品券)の全戸配布、水道料金や小中学生の給食費を半額にしたことを説明。勝浦町では小中学校休校時に給食センターの職員に依頼してマスクを作成し配布したことや老人福祉施設への衛生用品、商品券の配布、水道料金を負担したことなどを紹介した。
堀町長は県内の発生状況や観光の町である那智勝浦町がコロナによって受けた打撃や影響を説明。取り組みとして▽紀伊半島大水害の際に寄付されたマスクを消毒し再利用▽運転席と患者室の間仕切りやオゾン発生装置などを完備した高規格救急車などの導入▽災害発生時、避難所での密を防止するため町内宿泊施設との連携▽まちなか商品券の配布▽非接触型決済の導入推進―などを報告した。
土屋市長は「今後も情報共有し、この会議を有効的に活用していきたい」。野上町長は「両市町の目線の変えた取り組みを参考にして、職員一丸となって考えていきたい」とそれぞれ話した。
堀町長は「コロナ終息後はそれぞれの地域に出向いて、より密な情報共有や交流をしたい」と締めくくった。
(2021年2月11日付紙面より)
和深発で駅拠点ウオーク (「大辺路」活性協議会 )
串本町にあるJR和深駅~田並駅間で8日と9日、「世界遺産熊野古道大辺路 駅からウオーク」があり、両日計37人が熊野古道大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)とともに両駅間の大辺路沿いの見どころを巡り歩いた。
那智勝浦町と串本町の観光関係諸機関・団体で結成する世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会が、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の適用を受けて展開する取り組みの一環。
同協議会は鉄道駅を拠点にしたウオークに親しむ環境整備を進め、両町内にある各駅を拠点化するツールとして▽駅からアクセス・ルートマップ(駅拠点で歩くためのコース図)▽あがらの○○駅お散歩マップ(各駅周辺の見どころ紹介図)―などを作成。その成果を生かす実証として同ウオークを考え参加を募った。
初日は22人、2日目は15人が参加。その多くが趣旨に沿い、普通列車を利用して参加、解散する手段を取った。
ガイドは串本町域の大辺路を再興し保全する同隊が担当。2日目は上野隊長ら隊員4人で感染症予防のため四つの小グループに分かれた参加者を誘導し、新田平見道や富山平見道はもとよりメタルアートギャラリーやおおな魚(=イシナギ)伝説が宿る大師堂、旧赤瀬小学校など道中の見どころの数々をガイディングレシーバー越しで紹介するなどした。
今回は各自昼食を持参とし、無料で実施。参加者には駅からアクセス・ルートマップを事前送付し、お散歩まっぷはカラー版が完成次第送付するという。同機構の齋藤滋さんは、事業終了後も引き続き実動が伴いJRきのくに線活用の一助にもなる今後を思い描いて同ウオークを主導していた。
翌10日と11日は湯川駅~那智駅間でも同様のウオークを実施。別系統で「JR14駅で大辺路コンシェルジュがお出迎え」と題して12日(金)から14日(日)までの午前7時~午後4時、宇久井を除く対象各駅に管理人が常駐し地図を配るなどして送り出す実証も行う。
問い合わせは南紀串本観光協会(電話0735・62・3171)か那智勝浦町観光案内所(電話0735・52・5311)まで。
(2021年2月11日付紙面より)
図書館・子育て支援セの内覧会 (紀宝町 )
紀宝町神内の旧町保健センターを改修した「紀宝町立図書館・子育て支援センター複合施設」の内覧会が9日にあり、西田健町長、町議会議員らが施設内を見学した。
改修は昨年6月24日から始まり、1月29日に完成。1階に図書館、2階には子育て支援センター室、活性化ホールなどを配置した。今後は複合施設の愛称を今月中に決定し、同センター室などの整理や準備、鵜殿図書館から図書の引っ越しなどを行い、4月に開館する予定だという。
施設は誰もが利用できるようエレベーターと多目的トイレを設置。新たなフリースペースでは飲食が可能なほか、キッチンを活用した簡易な料理教室を開くことができる。
図書館は、旧保健センター事務室や診察室などの壁を撤去し、一つのフロアに改修。木の温かみと落ち着きが感じられるスペースとなった。蔵書は約5万冊となる見込みで、児童コーナーには絵本を中心に配置する。
支援センターでは、図書館と連携した事業を展開し、新たな子育て支援のサービスを提供する。活性化ホールは壁や床を改修し、スクリーンを新設し、出入り口にスロープ、窓に転落防止用の手すりを設置した。
視察した西田町長は「木材をふんだんに配置し、温かみのある施設になった。4月の開館後は多くの方に利用していただきたい」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
ブック・ブックが県教育委員会功労賞 (新宮市 )
新宮市のボランティアグループ「ブック・ブック」(濱野小夜子代表)が、和歌山県教育委員会の「県教育委員会功労賞」を受賞した。先月14日、和歌山市内の「ホテルアバローム紀の国」で開催された「和歌山県教育表彰式」で表彰を受けた。
県の教育の発展に功績があった個人や団体をたたえる同表彰は4分野で構成されており、「知事感謝状・県教育功労者」「知事感謝状・優秀教職員」「教育委員会功労賞」「きのくに教育賞・きのくに教育の匠」がある。同グループは地域の読書文化の振興と向上に大きく貢献した功績が認められこのたびの受賞に至った。
2000(平成12)年度に発足した「新宮市立図書館百周年記念事業実行委員会」を母体とし、02(平成14)年度に設立。
4カ月検診時に母親と幼児に絵本を読み聞かせ、絵本をプレゼントする「ブックスタート」、市立図書館や小学校での「おはなし会」、書架整理、本の修繕、グリーンカーテンの設置や庭の手入れなど、読書環境の整備や子どもの読書を推進する事業を中心に活動している。14(平成26)年に市政功労者表彰、15(平成27)年に第48回優良読書グループに選ばれている。
「本が好き」「子どもが好き」な人が集まり、現在メンバーは25人。新型コロナウイルスの影響を受けながらも、本を通じたふれあいの時間や子どもたちの笑顔を活力に日々、ボランティア活動にいそしむ。
このたびの受賞を受け、濱野代表は「みんな自分の好きなことをしているだけ。大それたことはしていない。うれしいというより驚きです」と謙遜しながらも、読書の輪のさらなる広がりに期待を寄せる。
代表して表彰式に参列した江川大二郎副代表は「率直にうれしい。これからも本を通して『知る』ことを楽しんでくれる子どもたちのお手伝いができれば」と話していた。
(2021年2月11日付紙面より)
森の再生を考える会が植樹 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の住民団体「森の再生を考える会」(新垣有慶会長)は7日、同町湯川の熊野古道沿いで植樹会を開き、ヤマザクラなど26本を植樹した。和歌山県の「令和2年度未来を彩る花の郷づくり事業」を活用した。
同会は熊野古道の一部であるゆかし潟周辺の昔の景観を再現し、古道を散策する来町者に楽しんでもらうことを目的に活動している。昨年には緑の募金事業を活用し、同町湯川のゆかし潟北側側道沿いにヤマザクラ21本の植樹を行った。
この日は▽なちかつ古道を守る会▽南紀くろしお商工会▽南紀くろしお商工会西部支部▽町観光企画課▽二河公民館▽虹の会▽東牟婁振興局▽くまの里山▽NPO三つの森▽ふるさと共会▽住民▽山下造園―など約50人が参加した。
堀順一郎町長は「当町は自然環境に優しい取り組みを行うため、町民の皆さまに生活を見直していただくきっかけになればと思い、ゼロカーボンシティ宣言をした。ぜひ皆さまとたくさんの桜を植えていきたい」。
濵﨑信雅湯川区長は「今日植樹する苗木が桜の名所となって、熊野古道を散策する皆さまの楽しみになればうれしい」とあいさつした。
参加者は3班に分かれ、それぞれの植樹場所へ移動。スコップなどで穴を掘り、肥料を入れるなどして苗を植えた。獣害対策ネットや倒木防止用の杭を打ち込むなど協力しながら作業に汗を流した。
数年前から同会に参加し助言なども行う熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二副会長は「山桜は常緑樹に負けてしまう恐れもあり、ダニを運ぶシカなどの食害もあるので注意が必要。手を掛けていくことで将来は多くのきれいな花が咲き、子どもたちが楽しめる場所になるはず」と話した。
新垣会長は「元々この周辺は桜があったが、朽ちてしまった。熊野古道周辺に再度、桜を植えることで景観を美しくしたい。先では桜を楽しむための会も作ることができれば」と語った。
(2021年2月10日付紙面より)
西向の成就寺で防火訓練 (串本町 )
串本町西向にある薬王山成就寺(大崎實宗住職)で8日、防火訓練があり串本町消防本部古座消防署とともに出火時の初動の在り方を実践しながら確かめるなどした。
第67回文化財防火デーの趣旨に基づく取り組み。旧古座町域は同寺と古座にある佛光山善照寺が隔年で同訓練をしていて、西暦奇数年は成就寺の巡りに当たる。
同寺には国指定重要文化財「成就寺の芦雪(ろせつ)画(方丈障壁画45面)」を所蔵しているが、44面は県立博物館へ寄託済み。昨年7月に残る1面を修復のため搬出し後に県立博物館へ寄託するため同文化財は堂内に残っていないが、守るべきは同文化財を含む寺宝全般であり、これらを火災から守るため同訓練に臨むこととした。
この日は同寺の大崎住職や檀家らと同署の職員、合わせて20人が参加。庫裏から出火し初期消火に失敗したという想定で同訓練を始め、大崎住職は人命最優先の観点で堂内に火事を伝え参拝者が急ぎ寺門そばまで避難した。119番通報をして消防の到着を待つ間、駆け付けた総代らが手分けして本堂の寺宝(同日はその模擬品を使用)を寺門の外へ持ち出し。到着した職員は境内へホースを引き込み、本堂屋根に放水するところまで実践した。
ホースは延長途中で二股分岐をはさみ、今回は実践を省略したが残る一口からも放水できる状態とした。同署による講評後、総代から守るべき文化財がもうない点で訓練実施の意図を確かめる質問があり、大崎住職は数ある寺宝の中でも本尊と過去帳は絶対に守らなければならないという思いを伝えて引き続きの協力を求めた。
(2021年2月10日付紙面より)
新宮高校の教育現場で
和歌山県教育委員会は現在、県内全ての全日制および定時制県立高校に1万9239台のタブレット型パソコン(PC)端末「Surface Go 2」の導入を進めている。新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)にも既にPC端末や高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)が整備され、積極的に情報通信技術(ICT)を活用した授業づくりが行われている。
政府は現在、義務教育を受ける全ての小・中学生に1人1台の学習用タブレットPCと校内LANを整備する「GIGAスクール構想」を推進している。高校生は対象外だが、低所得世帯の生徒には端末貸与などの支援を行う方針で、必要な費用を本年度の第3次補正予算案に計上した。一方、和歌山県を含む全国11県は、独自に公立高校の1人1台の端末整備を進めており、本年度内にも整備を終える見通しだ。
新宮高校では、昨年12月中旬から生徒にPC端末を配布した。インターネット接続や機器の不具合はおおむね1週間で終息。当初はPCを使う授業の時間のみ端末保管室から持ち出す形を取っていたが、現在では科目数の増加により一日中端末を貸し出すこともあるという。
コミュニケーション英語の岡野恵子教諭は「もともとパワーポイントで授業をしていたこともあり、現在では黒板に板書をすることはほとんどない」と語り、「PC端末の強みはリスニング。教壇にオーディオを置いて音声を流すのではなく、自分の聞きたいところで巻き戻したり、繰り返したりできる」と話す。
体育の創作ダンスでは、グループごとにはやりのK―POPミュージックなどを流し、動画を見ながら練習をしている。丹羽泰一郎教諭は「動画のスロー再生など、生徒から新しい機能を教えてもらうこともある。球技のシュートやランニングフォームを動画で見せることで、生徒の理解も深まるのでは」。
地理の授業では、ルワンダ内戦やチェチェン共和国問題、北アイルランド紛争といった世界の民族紛争の調べ学習に端末を使用。雨郡義和教諭は「自分で調べた内容を共有したり、発表用のスライドで使う画像を探したりするときには便利だが、差別や偏見を含む情報へのリテラシーも必要になる」と課題を述べた。
大きな抵抗感なくPC端末を使った授業スタイルが定着する一方、有害情報への対応や、いかに生徒の学力向上へつなげていくかが課題として浮かび上がる。今後も各校の取り組みに注視が必要だ。
(2021年2月10日付紙面より)
ワクチン事業盛り込んだ補正予算を可決 (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)は9日、臨時会を開き、新型コロナウイルスワクチン接種推進事業に係る予算を盛り込んだ「令和2年度新宮市一般会計補正予算(第9号)」を審議。全会一致で可決した。
既存システム改修費用、クーポン券印刷および郵送料、ワクチン接種委託料などワクチン接種に関する予算補正を行い、歳入歳出予算の総額に1355万円を追加し、歳入歳出予算の総額を236億3411万6000円とするもの。
審議に当たり、田岡実千年市長が「10都府県で緊急事態宣言が延長となるなどまだまだ収束の兆しは見えてこないが、間もなく開始されるワクチン接種に大きく期待している」とあいさつ。
国の指示の下、市町村において実施するワクチン接種事業に対して「最優先事項であると考え、迅速かつ的確に実施するため先月に新型コロナワクチン接種推進室を設置した。さらに関係課長などで構成する『新宮市コロナワクチン接種推進連絡会』を設置し、全力で進めていきたい」と決意を新たにした。
県が主体となり3月から医療従事者などに優先接種される新型コロナワクチン。ワクチンを保存する超低温冷凍庫は基本型接種施設である市医療センターに設置され、現在のところは市医療センターや連携型接種施設である新宮病院と岩崎病院、県立なぎ看護学校体育館などでの接種を予定している。
対象者は市医療センターや市内医療機関の従事者や消防の救急隊員など約1000人。接種は任意で、新宮保健所は対象者のうち7割程度の接種を見込んでいるという。
高齢者や高齢者施設などの従事者、基礎疾患を有する人、それ以外の市民への接種については、国から3、4、6月に1台ずつ超低温冷凍庫が提供される予定。
接種には自治体が発送するクーポンを受け取り電話などで予約する必要がある。当局は3月中旬から下旬にかけてクーポンと案内を送り、4月から集団接種を先行して進めていく見通しであるとした。
(2021年2月10日付紙面より)
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で5日、ふるさと学習があった。1年生58人と6年生83人が、毎年2月6日に摂社神倉神社で斎行される「御燈祭(おとうまつ)り」について学びを深めた。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに自分が住んでいる町や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアの協力を得ながら授業を設けている。
6年生は、熊野速玉大社(上野顯宮司)禰宜(ねぎ)の濵中孝成さんから神倉神社や御燈祭りの歴史についての話を聞いた。濵中さんは熊野権現が祭られている熊野神社は全国にあり、その総本宮が「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」「熊野那智大社」の熊野三山であると説明。「熊野大神が三山に祭られる前、最初に降臨した聖地が神倉山といわれており、神が鎮まる場所との意味で『神倉』と名付けられたとされています。銅鐸(どうたく)などのさまざまな出土品から、弥生時代には神倉山で祭りが営まれていたことが分かっている」と述べた。
後半には清めやかがり御供(ごく)作り、阿須賀神社で神職・山伏・介釈(かいしゃく)たちが行う奉幣(ほうへい)神事などの祭りの行程を紹介し「春を迎える季節に神様の火を頂くことが御燈祭りの本意。今年は新型コロナウイルスの影響で上ることはできませんが、祭りを知ってもらい、いろんな人に伝えてあげてください」と呼び掛けた。
1年生は、祭り当日のタイムスケジュールや草鞋(わらじ)、たいまつ、白装束の説明に耳を傾け製作の大変さなどを学習。協議会メンバーや関係者らが作成した絵本「やくそく~はると君のお燈まつり~」の読み聞かせもあった。また、この日の給食には▽豆腐のクリーム煮▽大根サラダ▽カルピス寒天―など、全て白い食べ物からなる「精進潔斎給食」が出され、児童はおいしそうに味わっていた。
6年生の清岡三獅郎君は「御燈祭りは、長い歴史があり一日を通しての祭りということを改めて知った。機会があれば自分も参加してみたいと思いました」。下岡会長は「子どもたちが興味を持って聞いていた姿が見られてよかったです。今後もさまざまな授業を設けて町の歴史や文化を知ってもらえれば」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」 (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)はこのほど、串本町と那智勝浦町内で8日(月)~14日(日)に開催する「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」に向けて那智勝浦町のJR湯川駅で「大辺路コンシェルジュ」として参加するメンバーらを対象に研修会を実施した。集まった24人は本番に向けての最終確認やコミュニケーションを図った。
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「世界遺産・熊野古道大辺路 駅からウオーク」は両町の大辺路地域の滞在を促進する誘客多角化事業の一環として有効な手段となるかを実証実験するために行うもの。
同ツアーではJR和深駅~田並駅の【世界遺産:新田平見道、富山平見道】絶景!吉野熊野国立公園の海岸造形に感激「JR和深駅からJR田田並駅へガイドウオーク」と、JR湯川駅~那智駅の【世界遺産:駿田峠】汽水湖のゆかし潟、町なか散歩も楽しい「JR湯川駅からJR那智駅へガイドウオーク」が用意されている。
参加予定人数は1月末時点で串本コース分が8日21人、9日15人で大辺路刈り開き隊がガイドを担当。那智勝浦コース分は10日が25人、11日が27人で熊野那智ガイドの会が担当する。
また、12~14日の期間中には両町間の14駅に「大辺路コンシェルジュ」を配置。串本側は大辺路刈り開き隊が、那智勝浦側は熊野那智ガイドの会となちかつ古道を守る会が担当する。
コンシェルジュは駅に待機して大辺路を歩きに来た人や興味のある人々と交流し、「大辺路アクセス・ルートマップ」や「駅近お散歩マップ」を用いて両町と大辺路の魅力を伝えるという。
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研修会は串本町でも実施された。那智勝浦町では参加者が感染症対策や当日の配布物の確認、運営に必要なテーブルの設置方法、マップを使用した説明方法などを学んだ。
同協議会のプロジェクトマネジャーで、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)で観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「コンシェルジュにこれほど多くの方が参画してくれると思わなかった。参加者の方々は自らが住む町の世界遺産をより知ることができる機会になると思う。最初のステップとしては好感触です」と話した。
(2021年2月7日付紙面より)
神事で供える特別な餅 (御燈祭り )
御燈祭(おとうまつ)り当日の6日午前、新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りがあった。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員たちが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。
中山忠吏団長をはじめとする団員と上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長たち約10人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、6升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。
上野宮司は「今年は上(あ)がり子が登れないため、残念な気持ちを持っている方が多いと思いますが、かつて漆黒の闇の中で営まれていた神事を思い起こす意味では貴重な経験と感じています。改めて気を引き締めながら心を込めて斎行していきたい」。
中山団長は「新型コロナウイルスの影響から少数の人たちが神事に携わらせていただくことになった。今後、このような状況にならないよう願って一生懸命、奉仕したいと思います」と話していた。
(2021年2月7日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会