新宮市観光フォトコンテストの表彰式が26日、市役所であり、最優秀賞を獲得した新宮市の小阪享志さん(66)と平美結衣さん(15)らに賞状と記念品が贈呈された。入選した作品33点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用する他、10月30日(金)まで、市役所1階ギャラリーに展示される。
市観光カレンダー製作実行委員会(山本大輔委員長)が主催で毎年開催しており今年で9回目。今回はテーマを「伝えたい、知ってほしい、新宮の魅力」とし、一般の部のほかに初めて中学生・高校生の部を設けた。一般の部には54人から165作品、中・高校生の部には51人から53作品の応募があった。
一般の部では小阪さんが2回目の応募にして最優秀賞を受賞。カメラを本格的に始めたのは2年ほど前からとしながらも、インスタグラムを見るなどして技術の研さんに励んだという。作品は「孔島の暑い朝」。青い空を映す穏やかな海に浮かぶ孔島の様子を捉えた。「(最優秀賞と聞いて)びっくりの一言。うれしく思う反面恐縮しています」。
中学生・高校生の部では、阿須賀神社本殿と境内の桜を撮影した平美さんの「このまち大好き」が最優秀賞に輝いた。賞状を受け取った平美さんは「とてもうれしい。新宮にはきれいな景色がたくさんある。これからも写真に収めていきたい」と笑顔で話した。
山本委員長は「たくさんの方々から市内の魅力あふれる作品を応募いただいた。観光カレンダーをはじめ市の観光PRの一助となるように大いに期待したい」。
審査員を務めた田岡実千年市長は「これほどブルーがきれいで水面が鏡になるような日は年間通しても珍しい」「桜と本殿の距離感やアングルが素晴らしい」などと作品を講評。「年々レベルが上がっている。来年の観光カレンダーも素晴らしいものが完成するとうれしく思っています」と話していた。
(2020年8月28日付紙面より)
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介護保険事業計画等策定委員会 (新宮市 )
新宮市では現在、市高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画の策定に向け協議を進めている。市役所別館で26日、1回目の介護保険事業計画等策定委員会が開かれ、計画の概要や第7期計画の実績などについて意見を交わした。
市では、高齢者が住み慣れた地域でいつまでも安心して暮らし続けられる地域社会の実現を目指し「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」を策定している。
同委員会は「市介護保険事業計画等策定委員会設置要綱」に基づき、市長から委嘱された学識経験者や保健医療関係者、福祉関係者、被保険者代表者ら12人で構成。介護保険事業計画や高齢者福祉計画の策定、高齢者福祉施策に必要な事項などの所掌の事務を遂行する。
第8期の計画策定に当たって▽介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)▽保険者機能の強化(地域保険としての地域のつながり機能・マネジメント機能の強化)▽地域包括ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)▽認知症「共生」・「予防」の推進▽持続可能な制度の再構築・介護現場の革新―の5項目を中心に議論が進められる見通し。
今後は計画骨子案や素案、本編、概要版の作成・修正を経てパブリックコメントを実施した後、計画策定となる。計画は3カ年で実施される。
開会に当たり、田岡実千年市長が「第8期の事業計画においては、これまでに取り組んできた地域包括ケアシステムの推進や介護予防・健康づくりの推進、そして認知症との共生や予防の推進について、より一層取り組んでいくことになる」とあいさつ。
市民が住み慣れた地域で健康で安心して暮らすことのできる「高齢者が安心して自立した質の高い生活を送ることができるまちづくり」の実現を目指してこれまで以上に介護保険制度の適切な運営に努めていかなければならないと述べた。
(2020年8月28日付紙面より)
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地震、津波想定して総合防災訓練 (紀宝警察署 )
大規模地震を想定し、紀宝警察署(濱口裕史署長)は27日、総合防災訓練を実施。午前7時30分、県内で震度7の地震が発生し、大津波警報が発令されたと想定し、署員36人が初動措置、人命救助、救急法の各訓練に取り組んだ。
地震発生時に迅速、的確に行動できるよう災害対処能力の向上を図ることが目的で、毎年「防災週間(8月30日~9月5日)」に合わせて実施している。
訓練は地震発生後、署内に対策本部を設置し、管内7カ所の交番、駐在所と無線で交信。津波避難誘導や被害状況を確認し、本部で集約した。
資器材の扱いや車両に取り残された負傷者を救出する訓練、救急法訓練にも取り組んだ。ライフラインの寸断を想定して、平島交差点で信号機用電源付加装置の操作方法を確認し、信号が復旧するまでの間、手信号で車両を誘導した。
新型コロナウイルス対策として、3密を避けるため全署員への訓示は行わず、濱口署長は「管内は災害が発生しやすい地形で、署では独自の訓練を定期的に行っている。今年は必要最小限の少人数で訓練した。無線訓練では現場の警察官が災害をイメージして被害状況を報告できた。今後もあらゆる想定に基づき訓練をこなしていく」と話した。
(2020年8月28日付紙面より)
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水道関係で支障連絡なし (串本町・古座川町 )
雨天の予報が出るもののまとまった雨が降らない串本町・古座川町域。27日現在で両町に水道関係の支障の連絡はないが、七川ダムが発電を止めて貯水位の回復にかかるなど水不足への対応の度合いが増している。
1週間前は22日以降7日続きの曇天~雨天が予報として出され、同ダム管理事務所もその雨に期待したところ。好天続きもようやく緩み時折雨が降るようになったが、貯水のにわかな回復には結びついていない状況だ。
県河川/雨量防災情報内で公表されている同ダムの27日午前9時時点の貯水位は97・24㍍で、同事務所によると現在は発電を止め下流の流れを保つため毎秒0・8立方㍍まで放流量を絞っている。他方で流入量は毎秒1・0~2・4立方㍍で推移していて、その差分で貯水位の回復を図っている。貯水位の変化で見る回復の勢いは1時間当たり0・5㌢前後とごくわずか。流入量増につながる雨の後押しがほしいところとなっている。
支流域の水量も乏しく、滝ノ拝を越えようとするアユやハゼ類には好機だが下流の流れはごく弱まっている。古座川町域の水道は池野山、月野瀬、川口と明神の一部、直見(ぬくみ)、三尾川(みとがわ)、下露、平井の計7簡易水道が公営、高池を除く他の地域は民営と源流への依存度が高いが、現状でいずれも利用できる状況にあるという。串本町も一部の地域を簡易水道で支えているが、同様に支障は確認していないという。
(2020年8月28日付紙面より)
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「つれもてエコら」が畑を (那智勝浦町 )
那智勝浦町北浜の北浜公園にこのほど、誰もが自由に野菜を収穫できる「どうぞの畑」が設置された。この珍しい畑は同町の子育て世代の母親などで組織する「つれもてエコら」(井藤朋子代表、以降「エコら」)が管理している。エコらの活動や、畑設置の経緯などを取材した。
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エコらの代表を務める井藤さんは以前から地球温暖化や環境問題について調べていたところ、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)に触れる機会があり、エコロジーに関する活動を決意。自身のみでは限界があると考え、友人などに声を掛け、昨年12月に結成。メンバーは現在11人。
井藤さんは「地球環境に配慮した生活を一人一人が意識することでつながりが深まり、各地域に広がっていくと思う。環境に優しい町づくりが目標」と話した。
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初協議の際には個人的に実施しているエコなど意見を出し合い、意識の共有を図った。現在は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、メンバーが集まることはできないが、各個人で「子どもといっしょにごみ拾い」「買い物の時点からごみの削減を考える」「生ごみの埋め立て処理」などに取り組んでいるという。
コロナ終息後には他の団体との交流や勉強会の開催、ごみを出さないフリーマーケットや不要となった子ども服を譲り合う催しも視野に入れている。
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イギリス北部のトッドモーデンという町には至る所に食べられる植物が植えられており、誰もが収穫可能なため「食べられる町」として注目されている。それにヒントを得た井藤さんは、エコらの活動として同町でも取り組もうと考え行動を起こした。
エコらは親子連れが集まる北浜公園に畑を作ることを同町に提案し承諾された。町はこれまでも快適な公園づくりのために利用者からの要望を受け、築山などの設置も行っている。
畑は今年7月に完成。井藤さんの知人から譲り受けた土を入れ、土質を改善後、メンバーで植え付けを行った。
現在はミニトマト、ナス、インゲン豆、ヘチマ、モロヘイヤ、バジルなどが育っており、水やりなどの協力を行う近隣住民もいるという。
「どうぞの畑」は思いやりが学べる絵本として知られる「どうぞのいす」から名付けた。井藤さんは「子どもたちに、普段食べている野菜が育つ姿を見て、学んでもらいたい。この畑を見に来た人、収穫に訪れた人たちが交流してくれたらうれしい」。
今後については「この畑が町全体に広がり、町内外の人たちや観光客の皆さんで収穫できたら楽しい。私たち自身がわくわくする町に住みたいし、子どもたちにもそういった町を残したい」と語った。
(2020年8月22日付紙面より)
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生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は20日、市役所別館で令和2年度第1回生涯現役スキルアップセミナー「野菜づくり体験~野菜を育てるには~」を開催した。JAみくまの営農経済部営農販売課の清水重良さんが、家庭菜園の基礎知識について講演。参加者は家庭菜園に生かすことのできる方法や条件を学んだ。
セミナーは市在住の55歳以上の中高年齢者を対象に、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を、和歌山労働局の受託事業として実施している。
清水さんは野菜作りにおいて土づくりが最も重要であると説明。「物理性」「化学性」「生物性」の3要件が交じり合った土が良い土の条件と解説した。
良い土の作り方として堆肥や石灰類、肥料の投入を挙げ、「肥料の投入は引き算でなく足し算。少しあげ、変化を見て少ないようなら足してほしい。毎日見に行くことも大切」と話した。
アドバイスとして「まんべんなく日が当たる南北方向を条件に畝をつくり、できるだけ高くする」「種や農薬の情報を見て詳細を把握する」などを挙げた。
同じ場所で同じ作物を続けて作ることで特定の病害虫や病原菌が増えるなど、生育が不良になる連作障害に触れ、「エンドウなどのマメ科だと5年以上、ナス科やウリ科だと3年以上作付けができない」と話した。
清水さんは「分からないことがあれば農協にお気軽に相談を。時間をいただければ直接お伺いします。失敗はプロの農家さんでさえある。めげずに楽しんで頑張っていただけたら」と締めくくり、質疑応答が行われた。
新宮市在住の田戸路郎(みちろう)さん(71)は「良い勉強になったので、これからも野菜づくりを頑張ってみようと思いました」と話した。
9月3日(木)には2回目のセミナーを予定しており、同市緑ヶ丘にある恵広場で実際に野菜の種を植える実習を行う。清水さんらが指導する。
なお、25日(火)には第2回の「英語を学んで外国人におもてなし」が実施されるほか、第3回は「川舟の船頭育成セミナー」も行われるという。
(2020年8月22日付紙面より)
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一枚岩「守り犬の影」 (古座川町 )
古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩で晩夏の風物詩「守り犬の影」が出現時期に差し掛かった。
一枚岩の川向かいにある犬鳴岩の影が日差しの加減で一枚岩の大きな壁面に映り込んだときに見られる現象。年2期、晩春と晩夏に出現時期があり、現地の案内板は4月19日前後と8月25日前後の数日間が見頃と伝え、午後5時前後にほえかかるような犬の影を見ることができる。
晩春の影はかすみがちだが、晩夏の影は比較的鮮明に映る。出現時期中は日々下流側から上流側へ移動するように映り込む場所がずれていく。地元では物産販売所のデッキ~道の駅一枚岩駐車場の上流側付近がお薦めの観賞位置といわれている。20日現在、週末から雨天傾向に転じるとの予報が出されているため、午後5時ごろに夕日が差すかどうかを見計らった上で見に行くのが無難だ。
守り犬は一枚岩に伝わる民話に登場する動物。民話は岩が好物の魔物が浦神や高池(現池野山)など所々で岩をかじりながら古座川をさかのぼり、一枚岩にかみつこうとしたところで蔵土(くろづ)から現れた犬がほえかかり追い払ったという内容で、一枚岩に虫食い状の風化があまり見られない理由をそう伝えていたとされている。
守り犬の影は町民が愛犬の姿をなぞらえる影として気付いたことがきっかけとなり、民話再現絵巻としてにわかに観賞を集めるようになった。その評判を背景にしてイラストレーター・ムロケイスケさんが守り犬をキャラクター化。道の駅瀧之拝太郎の「瀧之拝太郎」(兼同町マスコットキャラクター)、同駅虫喰岩の「ムッシーくん」と並ぶ同駅一枚岩のマスコットとして親しまれるところとなっている。
(2020年8月22日付紙面より)
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トルベリーノ・クロシオFC代表・北野泰宏さん
【第18回】夏のお酢パワー
長い梅雨が明けて、うだるような暑さになりました。子どもたちが外で遊ぶのも、熱中症にならないか心配ですよね。こうも暑い日が続くと、食欲がなくなってきたお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 今日はそんな夏バテにぴったりなお酢のお話をしようと思います。
お酢はその歴史は古く紀元前5000年ほど前からあったといわれています。元々はお酒が原料の調味料です。日本食でも、おすしや酢の物に使われてきましたよね。お酢の「すっぱさ」は酢酸という成分です。これは殺菌作用もあるため、食中毒の原因となる菌の繁殖を抑えて食べ物を傷みにくくしてくれる成分です。夏は食中毒が怖い季節でもありますから、お酢とお魚などの組み合わせもオススメです。マヨネーズが保存料いらずなことも、このお酢の殺菌作用のおかげと言えます。またお酢の酸味は、味覚や嗅覚を刺激して、唾液や胃液の分泌を促すといわれています。これによって食欲増進につながるのです。さらに、お酢には代謝を活発にして、摂取した食べ物を効率よくエネルギーに変える力があります。つまり、疲労回復にも効果的ということです。スポーツの後などに、糖分を摂取するといいと言いますよね。これはグリコーゲンが疲労回復に効果的だからですが、そのグリコーゲンも、お酢と一緒に取ることでより効果的に補給できるといわれています。他にも、お酢には脂肪の蓄積を抑える効果や、腸内環境の改善、高血圧の抑制効果などたくさんの効果があることが分かっています。
数あるお酢の効果の中で、私が一番注目しているのは「減塩効果」です。実は料理にお酢を使うことで、減塩できることが分かっています。お酢には塩が入っているわけではありませんが、酸味が物足りなさを補ってくれるんです。小学校低学年の子どもを対象にした味覚の研究にこんな記述があります。「塩を『酸っぱい』、酢を『しょっぱい』と表現する子供がいた」(三重大学教育学部研究紀要「小学校低学年を対象とした味覚授業の実践」、2016年)。「酸っぱい」と「しょっぱい」はとても似ているんですね。塩分の取り過ぎが健康を害することはさまざまな分野で証明されています。減塩のためにもぜひお酢を取り入れてみてください。
さて、お酢の料理を番組で紹介するとき、打ち合わせで必ず質問に上がるのが「お酢の種類」です。家庭でよく使うのは穀物酢か米酢ですよね? 穀物酢は麦やトウモロコシ、米などから造られます。酸味が強いので、煮物などの加熱調理に使うのがオススメです。一方米酢は、米とアルコールで造られたお酢です。酸味がまろやかなので、おすしや酢の物など加熱しない調理によく合います。夏バテにも健康にも良いお酢。ぜひこの夏、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?
(2020年8月22日付紙面より)
供養式典に15人参列 (新宮市 )
新宮市徐福の徐福公園で12日、徐福供養式典が営まれた。熊野徐福万燈祭運営委員長の田岡実千年市長をはじめ、一般財団法人新宮徐福協会の山口泰郎代表理事ら関係者15人が参列し、徐福の遺徳をしのんだ。
徐福は今から約2200年前、中国を統一した秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来したという伝説がある。公園内には、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の命で1736年に建立された墓碑(市指定文化財)がある。
今年の式典は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、規模を縮小し関係者のみで執り行った。また、関連行事である「熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)」は中止が決定している。
山口代表理事は、一日も早い新型コロナの終息を祈願しつつ「今年も徐福さんに思いをはせる日がやってきました。徐福さんが取り持つご縁は、友好的で平和的な交流の礎構築に寄与してきた」とあいさつ。
「今年は新型コロナウイルスのまん延という大変な世界情勢ではあるが、『徐福さん』顕彰の理念である『友愛の絆』を忘れることなく、徐福さんを媒介として国内外の関係者の皆さまとの交流が一日も早く訪れる日が来ることを願ってやみません」と述べ、来年の式典と花火大会が盛大に開催されることを願った。
徐福の墓前で田岡市長が、農耕や捕鯨などの技術を日本に伝えたとされる徐福に感謝し、「新宮市の発展と、日中両国や徐福の縁につながる多くの人々、国内の伝承地のより一層の繁栄と友好を、永遠(とわ)の平和へのお導きとともに、お守りくださらんことを祈念します」などと祭詞祭文を読み上げた。参列者たちは新宮仏教会の読経の中、墓前に線香を手向けた。
(2020年8月14日付紙面より)
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郷土の芸術を支えた岡本実氏 (三重県立美術館 )
65年前、絵画集団「うつなみ画会」(現・三重自由美術うつなみ)を結成し、当地方の芸術文化を支えてきた熊野市出身の故・岡本実氏(1917~2002年)。数多くの遺作が存在する中、1960年に描いた「台風一過」が32年ぶりに三重県立美術館(津市)で開催中の「ステイミュージアム」で展示されている。
岡本氏は県立木本中学校(現・木本高校)、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業。第2次世界大戦中の43年、シベリアで抑留生活を送り、戦後の49年に32歳でふるさとに帰還した。
木本高校で教師をしながら郷土の生活を描き、地域文化に貢献しようと55年に「うつなみ」を結成した。現在でも2年に1回、作品展を開いている。
「台風一過」は59年9月に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風を描いた作品。モスクワでの日本現代美術展に招待出品された。その後、88年に三重県立美術館で開催された企画展で展示され、そのまま同美術館が保管していた。
85歳で永眠するまで芸術文化の発展に寄与し、数々の芸術家を輩出してきた。次女で芸術活動に取り組む女性グループ「なでしこArtists」の代表、榎本優子さんは「父が亡くなって18年になる。数え切れないほどの遺作がある中、この機会に県立美術館で父の作品を見てほしい」と話している。
(2020年8月14日付紙面より)
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学校給食米の収穫始まる (串本町 )
串本町の地産地消生産者組合(山下敏文組合長)が今年も、学校給食米として育てた稲の収穫作業を始めた。新型コロナウイルスの影響で町立小中学校は20日(木)から第2学期が始まり、24日(月)から学校給食が再開する予定。例年より10日ほど早まる再開に間に合わせるため、鋭意稲刈りに励んでいる。
同組合は学校給食における地産地消を進めるため、2009(平成21)年から学校給食米を生産。その当時は旧古座町域の町立小学校が実施する学校給食に向け年間4㌧を納入していたが、後に学校給食センターが完成して町立小中学校全校と古座川町立古座中学校を対象にした学校給食が始まり、現在は年間14㌧規模へと需要が増している。
相応に組合員の増強を図り、今年は22人がかりで品種・コシヒカリを育てて米12㌧を納入する計画。山下組合長(70)によると、梅雨の長雨の影響を一時心配したが出穂の時期は好天続きで実入りは上々。再興田の一部でサルとみられる鳥獣被害があったが影響は軽微で目標量に十分届く収量を見込んでいるという。
高富の町営住宅前にある再興田(約30㌃)は坂本渡副組合長(67)が担当。早まる再開に間に合わせるため10日から稲刈りを始めた。30度を超える暑さの中、愛用のコンバインで連日収穫を進めて12日には一通り刈り終えた。
組合員の最高齢は87歳、最年少は43歳、平均年齢は68歳。高齢化による退会と生産者減による新入確保の難しさが昨今の悩みで、今年は2人減になってしまったという。串本太地道路の用地取得にかかり生産できなくなる再興田も出るなど逆境が強まっているが、まちの子どもたちのためひるまず安全安心の米を届け続けたいと山下組合長は意気込む。坂本副組合長は「安全安心にこだわって作った米を『おいしい』と言ってくれることが何よりありがたい。新型コロナウイルスで大変な時期だけれど、地元産の米をしっかりと食べて頑張ってほしい」と学校給食米に込める思いを語った。
組合員の収穫作業は9月中旬まで続くという。
(2020年8月14日付紙面より)
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各地区で収穫始まる (那智勝浦町 )
那智勝浦町各地区の田んぼで稲刈りが始まっている。12日、中里地区の田んぼでは川関在住の専業農家・桒野稔近(くわの・としちか)さん(36)が日差しに照らされた稲穂をコンバインで刈り取り、収穫作業に汗を流していた。
桒野さんは、子どもたちに米の大切さや地域の農業を身近に感じてもらうためにJAみくまのが実施している「食農体験」の稲刈りにも協力している。今年も実施予定。
米の品種はコシヒカリで一部、もち米も育てている。桒野さんによると、稲刈りは5日から開始され、盆ごろにピークを迎えるという。
昨年と比較すると、今年は日照不足の関係から収穫量は少ないというが、品質は良いと太鼓判を押す。
田んぼを全て併せると400㌃の稲刈りを行うという桒野さんは「15㌧の収穫を見込んでいる。猛暑に負けずに頑張りたい」と笑顔で語った。
(2020年8月14日付紙面より)
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串本町議補選
8月9日21時15分確定【定数3】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 2,443 | 吉村聡一郎 | 49 | 無 | 新 |
当 | 1,981 | 水口 崇 | 61 | 無 | 元 |
当 | 891 | 松下 修巳 | 66 | 無 | 元 |
794 | 末永 潔 | 68 | 共 | 新 |
当日有権者数 13,837人
投票者数 6,237人
無効投票数 128票
投票率 45.07%
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はまゆう保が新園舎探検 (新宮市 )
保育所型認定こども園「はまゆう保育園」(遅越拓郎園長、園児64人)の4、5歳児21人は7日、「わくわくドキドキ保育」で新宮市新宮の新園舎を探検した。
同園を運営する社会福祉法人真福会(松畑ひろ子理事長)は「Total Welfare」(総合福祉)を目指し、高齢者介護や子育て支援、障害者福祉など幅広い事業に取り組んでいる。
新園舎は鉄骨耐火構造2階建て。延べ床面積は986・14平方㍍で、園舎裏に約177平方㍍のグラウンドがある。施設内は木を多く取り入れ、壁にはウイルス対策に効果があるといわれる珪藻土(けいそうど)を採用した。同市馬町の烏藤1級建築設計事務所がデザインし、三輪崎の㈱夏山組が施工した。
新園舎に足を踏み入れた園児たちは木の匂いをかぎ、「すごい」「ドキドキしてきた」と笑顔。図書コーナーやウッドデッキ、給食調理室とガラス窓でつながったランチ兼遊戯室などを一つ一つ見て回り、移転後の園生活に期待を膨らませた。この日は現在の園舎でスイカ割りやプラ板の記念キーホルダー作りもあった。
遅越園長は「喜んでもらえて良かった。前の園舎よりも2倍以上広くなったので、のびのびと過ごしてほしい」と話していた。新園舎での保育開始は17日(月)を予定しており、おもちゃや絵本、プールなどの引っ越しも進んでいる。
(2020年8月9日付紙面より)
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近畿警察官友の会和歌山県支部新宮地区警察官友の会(三﨑澄夫会長)は7日、那智勝浦町のホテル浦島で総会を開いた。昨年度の事業結果、収支決算報告があったほか令和2年度予算案、事業計画案などの議題を承認。役員改選では会長ほか副会長、幹事、会計・庶務を再任した。
三﨑会長が、職務に精励し治安維持に貢献した職員に感謝状を贈呈した。受領者を代表して中野真一警部補が「警察職員という仕事に対して自問自答を繰り返す中で、このように晴れがましい栄誉を得ましたことは友の会の皆さま方をはじめ先輩、上司、同僚の方々のご指導、励ましのたまものと心から感謝しています」と謝辞を述べた。
三﨑会長は「特殊詐欺やサイバー犯罪など悪質・巧妙化する新しい犯罪の出現や、大規模自然災害の発生など、社会情勢が変化する中で、全職員が一丸となって地域住民の安全安心のためにより一層のご活躍を」と職員を激励した。
新宮警察署の小畑博昭署長は「昨年の刑法犯認知件数は145件で前年に比べ4件減少している。交通事故は昨年人身事故の発生件数は47件で前年比マイナス22件と大きく減少したが、物損事故は32件増の1171件という状況」と管内情勢を報告。
今年は、6月末現在で刑法犯認知件数は昨年に引き続き減少傾向にあるが、交通事故の発生件数では、物損事故は減少しているものの人身事故が増加しているとした。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う県をまたぐ移動の自粛が解かれ、国や県の観光推進施策の影響もあり、人の往来が戻りつつあると述べ「まちが活性化するのは喜ばしいことだが、一方で犯罪や交通事故も増加することが懸念される。署員一丸となって住民が安全で安心して生活できるよう努めていく」とあいさつした。
同友の会は民警一体化による安心安全な社会の構築を目的に、警察官の激励や講演会の開催、警察活動に必要な機材や物品の助成などの支援活動を行っている。
(2020年8月9日付紙面より)
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弁天島への道、完成 (那智勝浦町 )
町民による美観維持奉仕が盛んな那智勝浦町の景勝地「弁天島」にこのほど、住民手作りの島へ渡る道ができた。作業は清掃活動も含め4月初旬から開始し中潮(潮の干満差が中程度)の7日干潮時に完成した。
約50㍍の石積みの道は勝浦一区(大勝浦地区)の区長の裏東芳樹さんが中心となって歩きやすいように整備した。裏東さんは「満潮時には見えなくなりますが、多くの人に歩いてもらえたら道が丈夫になると思います」と通行を呼び掛けている。
弁天島は古くから「勝浦三景」の一つに数えられる名所。海水が引けば「白蛇弁天」を祭る鳥居まで歩いて渡ることができる。近年では金運アップなどのパワースポットとして注目され、国内外からの観光客が増えた。
干潮時には海水にぬれることなく弁天島へ渡れる磯の通路が、昨年秋の大型台風の影響からか浸水域が拡大してしまい歩行が困難になったため裏東さんが整備を思い立ったという。「浅瀬に沿って道を作っていたら自然と蛇行したのですが今朝は観光客に『おしゃれな道ですね』と褒めてもらいました」と笑顔を見せた。
同区役員で総務を務める羽山元英さんが島の掃除や草刈りなどを行った。南紀くろしお商工会中部支部理事の中西太志さんも訪れ、高潮対策や道の形状維持、清掃活動の相互協力について話し合った。
例年6月には大勝浦地区と同会、近隣企業・団体、町民が参加する100人規模の清掃活動「弁天島クリーン作戦」を展開しているが、今年は新型コロナウイルス対策で中止になった。中西さんは「自粛したものの20年前と比べるとポリ袋などの家庭ごみが無くなり、ほとんどが漂着物。活動の成果だと思う。今後も各方面へのPRと景観維持に努めたい」と話していた。
(2020年8月9日付紙面より)
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