納税表彰式で表彰状や感謝状 (新宮税務署 )
新宮税務署(河野武署長)、公益社団法人新宮納税協会(横手章郎会長)、新宮納税貯蓄組合連合会(森川起安会長)は17日、新宮市井の沢の新宮商工会議所で「令和4年度納税表彰式」を開いた。管内で国税の申告と納税、租税教育などに貢献した個人や団体に対して、河野署長、横手会長、森川会長が表彰状や感謝状を手渡した。
国税の申告と納税および租税教育などに関して、功績顕著な団体または個人、法人を顕彰することにより、広く納税思想の高揚などに資することを目的に、「税を考える週間」(11月11~17日)の行事の一環として税務署と関係民間団体の共催で行われている。
新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりとなった表彰式では、河野署長が開式のあいさつ。税務行政への理解と尽力に対して感謝を示し「今後も納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現するという使命を果たし、納税者の皆さまからの理解と信頼を得るため、納税環境の整備や適正・公平な税務行政の推進に向けたさまざまな施策に一層取り組んでいく」。
来年10月に導入されるインボイス制度について「制度の円滑な実施に向けて、引き続き事業者の方々に制度の理解や準備が進むよう、あらゆる機会を捉えて周知・広報に努めたい」と述べた。
公務で欠席の田岡実千年市長に代わり、稗田明総務部長が「皆さま方の日頃の租税教育の推進による納税意識の高まりは、市の安定した財政確保と市民が夢と希望を持ち、安心して暮らし続けるまちづくりにつながる。今後も納税制度の普及、地域社会の発展のためにご尽力を」とあいさつを代読。
受賞者を代表して西哉素史さんが「今後も組織の拡大や活発な事業活動の積極的な推進に協力し、正しい申告と期限内納税の励行に努め、他の模範となるようにと努力を重ねていく」と誓いを新たにした。
続いて「中学生の『税についての作文』」(国税庁、全国納税貯蓄連合会主催、応募編数46万918編)で国税庁長官賞を受賞した森本健星さん(太地中3)と「税に関する高校生の作文」(国税庁主催、応募編数14万8050編)で和歌山県知事賞に選ばれた𠮷良佳子さん(近大新宮高1)が作文を力強く朗読。なお、和歌山県は、「中学生の『税についての作文』」において全生徒に占める応募割合で、22年連続で全国1位を達成している。
(2022年11月19日付紙面より)
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全校生徒が防災学習 (緑丘中学校 )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)は17日、学年ごとで別内容の防災学習を行った。全校生徒228人が学び、有事に備えた。
生徒自身に防災を学んでもらい、さらに地域の防災リーダーとなってもらうことを目的に実施した。1年生が防災マップ作り、2年生が非常用持ち出し袋の中身、3年生が避難所運営を学んだ。
3年生92人は、体育館に集合。5人程度の班に分かれ、避難所運営の図上訓練を行った。教室や体育館など、学校の間取りが記された図を使用し、避難者に見立てたカードを振り分けていくもの。配慮が必要な避難者も多く、さらに各室の収容可能人数にも限りがあり、生徒には運営者として適切な配置が求められた。
前提条件は▽大地震発生▽現在時刻は午後4時から午後11時の間▽雨が強くなってきている▽気温は7度、夜中に0度に▽電気、ガス、水道は使用できない―など。さらに「生徒の個人情報もあるため、職員室は使用しない」「避難生活が続く中で学校再開もあり得るので、できるだけ教室は空けておく」なども加えられた。
避難者カードは世帯ごとにまとめた状態で裏に番号が記され、裏返した状態で各班に配られていた。教員の番号読み上げで、その世帯が避難してきたものと見なした。人数は世帯ごとに違い、当然1人もおり、旅行中の外国人もいた。▽子どもがパニック状態▽乳児連れ▽酒臭い人がいる▽ぜんそく持ち▽インフルエンザ感染―などの世帯もあった。
じっくり考える間もなく、カードの避難者は次々と訪れた。加えて▽テレビ▽おむつとミルク▽給水タンク―などの支援物資も届き、その配置も求められた。生徒らは「その世帯はこっちに」「乳児連れは同じ部屋に」などと、急いで相談し、懸命に振り分けを行っていた。
大堀夢叶(ゆめと)さん(15)は「夜泣きする子がいるなど、配慮が必要な人がいると振り分けが難しかった。実際に(災害が)起こって(避難所運営を)やることになったら戸惑うと思うが、みんなで協力して案を出して頑張りたい」と話した。
(2022年11月19日付紙面より)
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那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)と市野々公民館分館(古田桂造分館長)は17日、同校グラウンドで交流グラウンドゴルフ大会を開催した。5、6年生12人と地域住民17人が参加し、楽しい時間を過ごした。
毎年恒例の大会で、子どもたちと地域住民の仲を深めようと実施。8ホールを2周し、計16ホールでスコアを競った。
児童は体育などで2回練習をして大会に臨んだが、あと少しでホールポストに入らないボールに「悔しい~!」「あとちょっとなのに」と一喜一憂。一方、毎週練習を重ねている地域住民たちからはホールインワンも飛び出し、児童から「すごい」「僕もホールインワンがいい」と声が上がった。試合後には、それぞれに賞品が手渡された。
猪飼彩月さん(5年)は「自分のスコアはあんまり良くなかったけれど、楽しかった。地域の皆さんも、6年生も上手だった」と語った。
閉会式で中西校長が「地域の皆さんが学校に来てくださること。子どもたちにとって、こんなにいい学びはない。今後も楽しい学校生活になるよう、力を貸していただきたい」とあいさつ。
古田分館長は「地域で会ったらぜひ声をかけてください。来年は市野々光峰会とのGG大会も計画しているので、また楽しみましょう」と呼びかけていた。
(2022年11月19日付紙面より)
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総合運動公園でキャンプ (串本町 )
社会人ラグビーチーム「清水建設江東ブルーシャークス」(佐藤和美代表理事)が18日、串本町総合運動公園でキャンプを始めた。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」建設の縁で実現した初来訪で、期間は20日(日)までの3日間。校区内に同射場がある串本町立田原小学校(山路和彦校長、児童14人)と交流して地域への競技普及を図りつつ、短期集中で向上に打ち込んだ。
東京都江東区に拠点を置く同チーム。今年から始まったジャパンラグビーリーグワンDivision3で2位となり、Division2のスカイアクティブズ広島との入れ替え戦で2連勝して昇格を果たすなど勢いを見せている。
今回のキャンプは、2年前に同射場建設がきっかけで同公園の紹介を受けていた佐藤代表理事が、今年の着任を機にキャンプ先として推奨したことで実現。同チームにとっては新型コロナウイルスの情勢もあり3年ぶりの実施だそうで、都合がついた選手とスタッフ82人と基本フルメンバーで参加しているという。
開始に先だって同町側からの歓迎セレモニーがあり、代表して熱烈なラグビーファンでもある平井治司副町長が初来訪を歓迎。佐藤代表理事、キャプテンの高橋広大選手、バイスキャプテンの松戸治樹選手と臼井礼二朗選手にボトルドウオーター「串本の水」や紀南農業協同組合のブランドミカン「天」の差し入れを託し、同チームはサイン入りジャージを託し代表して佐藤代表理事は「代表理事となっていの一番に串本でキャンプができないかとスタッフに伝え、年度内に合宿を実現できた。こちらで最終調整をして新しいステージでの戦いに臨み、来季はDivision1に上がりファンもついてくるようなチームとなって串本町へも少しでも貢献できるようにと考えている」と謝辞を述べて感謝した。
選手全員が社員で練習時間が限られる同チーム。セレモニー後はさっそく練習を始め、併せて選手の一部が田原小児童に競技体験の機会を提供する地域貢献にも取り組んだ。
(2022年11月19日付紙面より)
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新宮弓友会主催の月例射会
卓球・バスケットボール
県高校弓道新人大会 (新翔高・新宮高 )
【第55回】カルタ作りで食育を!
先日、新宮市で講演をさせていただきました。開催に当たりご協力いただきました関係者の皆さま、そしてお越しいただきました皆さまに心より御礼申し上げます。思っていたよりも、たくさんの方にお越しいただき、とてもうれしかったです。久しぶりに新宮駅周辺に行き、同級生や恩師にも再会し、タイムスリップしたような気持ちになりました。地元でこんな機会を頂けてとても幸せでした。
さて、今回はカルタ作りのお話をしようと思います。未就学児のお子さまをお持ちの方にはとってもお勧めの食育です。食育というよりは、教育かもしれません。私は娘が年中さんくらいの頃に、カルタ作りをやりました。作り方はとてもシンプルです。「あ」から「ん」まで読み札を一緒に考えます。この時に、季節の花や野菜を入れるようにしました。例えば「つくしは春にニョキッとはえる」とか「なつにはビワを食べましょう」とか、簡単なものです。そして、絵札に絵を描かせます。どんなに下手でも大丈夫。色も一緒に塗りました。
1日に2~3枚くらいずつ作っていったので、50枚作るのにはとても時間がかかったのですが、これがとても良かったのです! カルタを作って良かったことを三つご紹介します。
まず一つ目は、平仮名を覚えること。自分で作ったカルタは何度も何度も遊ぶので、読み札もすらすら読めるようになり、平仮名を完全に覚えてくれました。お勉強感覚ではなく覚えてくれたのはとても良かったと思いました。
「あ」から「ん」まで五十音あるのもとてもいいと思います。これは手作りじゃなくてもそうかもしれませんが、市販のカルタとは遊ぶ頻度が全然違うので、繰り返し何度も遊ぶことで、読み手もやりたいという思いが芽生え、一生懸命読んだ結果だと思います。
二つ目は、何度も繰り返し遊ぶことで、季節の野菜や花、果物をたくさん覚えること。意図的にそういう読み札を入れたというのもありますが、これはとても効果的でした。食卓に出した時も、「これは秋の野菜だね~」などと話して、カルタに入れた野菜や果物はよく食べるようになりました。カルタ作りをするなら、ぜひ取り入れてほしいと思います。
三つ目は、とてもいい思い出になるということ。作ってすぐは何度も遊ぶのですが、しばらくすると飽きてしまいます。でも、大切に取っておくと、子どもが大きくなった今も、とてもいい思い出の品になっています。絵のタッチや、本人が考えた読み札は、今見るとかわいくて思わず笑ってしまいます。私は当時思い付きで始めたので、薄っぺらいコピー用紙みたいなもので作ってしまいましたが、無地のカルタもネットで簡単に手に入るので、これから作る皆さんはぜひ厚紙などしっかりしたもので作ってみてください。何度も遊ぶので、すぐに破れたりボロボロになってしまうのです。
小さなお子さんがいるご家庭にはお勧めです! お正月に向けてぜひ挑戦してみてください!
(2022年11月19日付紙面より)
行者堂再建に向け地鎮式 (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)は10日、同寺敷地内で、熊野信仰・山岳宗教のシンボルとなる「行者堂」の建立地鎮式を営んだ。建設を行う岐阜県関市の亀山建設の亀山直央代表取締役や関係者らが参列。髙木住職や髙木智英副住職、熊野修験の山伏らが読経を行い、行者堂再建の無事を祈願した。
同寺では、明治初年の神仏分離・廃仏毀釈(きしゃく)と1872(明治5)年の修験道廃止令によって元あった行者堂が取り壊された。
時を経て、髙木住職が亡き父への追善供養と自らの使命感から1988年に熊野修験を再興。行者堂再建は髙木住職や熊野修験らにとって、かねての目標であり念願であったという。
行者堂は三間四方の木造平屋建てで、敷地面積は42・54平方㍍。工期は11日から来年10月20日までを予定。来年春には上棟式が行われる。完成後は熊野信仰や熊野修験のシンボル、自己再生の道場として利用される。
地鎮式では山伏のほら貝が鳴り響き、髙木住職らが読経。同寺総代代表の髙木功さんが鍬(くわ)入れを、亀山代表取締役が鋤(すき)入れを行った。続いて、髙木住職が打橛(だけつ)作法に取り組み、その後は参列者も同じく作法に取り組んだ。
亀山代表取締役は「行者堂再建は先代からの夢だと伺っていた。建設する行者堂は、和様で優美、力強さを持つ建物。安全第一に精いっぱい務めさせていただきます」とあいさつした。
地鎮式を終え、智英副住職は「本日を迎えることができたのは熊野修験、関係者の皆さまや亀山建設さまのおかげ。今後も熊野修験を後世に伝えていきたい」と感謝を述べた。
髙木住職は「熊野修験を志し35年。地鎮式は形あるものの再興を目指した第一歩。感慨無量で、今後の再興に向けて精進を新たに決意した。『日本第一霊験所』にふさわしい日本一の行者堂再建は熊野修験再興にとって大きな目標」。
完成後については「修験道は修行得験、一人でも多くの人々が熊野の自然、霊気霊験に触れていただく機会を与えられる場となれば」と話していた。
(2022年11月16日付紙面より)
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和歌山県が街頭啓発
国の「女性に対する暴力をなくす運動」の期間中である15日、和歌山県東牟婁振興局は関係機関とともに、新宮市橋本のイオン新宮店で街頭啓発を行った。12人が参加、買い物客に啓発物資を手渡し、撲滅を呼びかけた。
女性に対する暴力は、女性の人権を侵害するもので、克服すべき課題とし、この解決を目的とする運動となる。運動期間は12日から25日(金)までとなっている。
県東牟婁振興局のイオン新宮店での街頭啓発は、コロナ禍に伴う中止の期間を除き、毎年行っている。新宮市、新宮警察署、法務局、関連団体なども参加した。同日に、串本町串本のAコープVASEOでも街頭啓発を実施した。
啓発する文章や標語が書かれた、チラシやマスク、ウエットティッシュ、入浴剤などをまとめた、300セットを用意した。性犯罪や性暴力、ドメスティックバイオレンス、男女共同参画などについて啓発していた。
参加者は、イオン新宮店の入り口で「女性に対する暴力をなくす運動に、ご協力をお願いします」などと呼びかけ、啓発物資を手渡していた。買い物客はこれを受け取り、歩きながら内容に目を通すなどしていた。
(2022年11月16日付紙面より)
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古式ゆかしく紅葉祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、平安時代に那智山で修行した花山法皇の故事にちなんだ「紅葉祭(もみじまつり)」が営まれた。
花山法皇が986(寛和2)年に那智山の二の滝付近で千日行をした時、秋の陽光に映える紅葉をめでて詩を詠み、その短冊を小枝に結んで滝に流したと伝わる。
大社拝殿とご神体である那智の滝前では神事を執り行った。男成宮司が祝詞を奏上し、冠に紅葉の飾りを付け正装に身を包んだ神職や巫女(みこ)が秋の自然の恵みに感謝をささげた。
続いて、巫女2人が紅葉の小枝を手に神楽「豊栄(とよさか)の舞」を優雅に舞った。那智の滝前には多くの参拝者が訪れ、古式ゆかしい神事を見守っていた。
神奈川県横浜市から友人と共に訪れた20代男性は「日本で有名な滝を見ることができた。スケールが大きく、自然の力に圧倒された。今日お祭りがあることは知らなかったので、運が良かった」と話していた。
男成宮司は「新型コロナウイルスの感染も3年続いており、厳しい情勢にある。そんな中でも四季は巡る。美しい紅葉の枝を神前にささげ、自然の恵みに感謝し、氏子崇敬者のご繁栄とコロナ終息をお祈りした」。
参拝者については「神社としては、今後も感染症対策に努めていく。国内外からお越しになられる皆さまには、熊野の自然に癒やされ、神のご加護を頂いてほしい」と語った。
(2022年11月16日付紙面より)
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田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で15日、来年のえと「癸卯(みずのとう)」の色紙が完成した。九鬼宮司が7月中旬から準備を進めてきた。色紙は揮毫(きごう)(手描き)1000枚、印刷2000枚を用意。揮毫色紙は12月以降、新春特別祈とう(有料)を受ける参拝者に授与され、印刷色紙は16日から初穂料2000円で同大社で授与される。
揮毫色紙では、山々の緑、水を表した紫、そして熊野の大自然に抱かれた命・魂を赤い円を用いて表現。ウサギの体に見立て「芽生えの年となるように」と願いを込め「芽」の文字を書き入れた。
印刷色紙には、水を表す水色の円を背景に正面を見据えるウサギ。その体には山に咲く花々を描き入れ「花のような笑顔で心落ち着けて、方向性を持って熊野の地から歩んでほしい」との思いから「出発(たびだち)」の文字を書き添えた。
印刷色紙は送料別途で郵送も受け付ける。問い合わせは同大社(電話0735・42・0009)まで。
九鬼宮司は「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が続いているが、ウサギは前に歩む動物。また、卯年は全ての芽が出そろい、動き始めるともいわれている。これまでできなかったことの芽が出て、チャレンジできる年になれば」。
「自然の中で人々は生かされている。感謝と畏敬の念を持って、命を大切に、一年間を歩んでいただきたい」と色紙に込めた思いを語った。
(2022年11月16日付紙面より)
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新宮港で10機関がテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(委員長=久保浩也・東牟婁振興局新宮建設部長)は9日、同港三輪崎第4号岸壁で令和4年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、那智勝浦町、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロの水際対策における連携体制を強化した。
訓練は、テロ事案に対する関係機関の対応を相互確認するとともに、各機関の連携をより一層強化し、テロ関係事案に的確に対応することが目的。国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内から拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生、負傷者の救助と消火―の5項目を想定した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートから発砲があり、海保巡視船が威嚇射撃して不審者を逮捕。入国審査や手荷物検査では、追い詰められた不審旅客がナイフを振り回す場面があるなど、実践さながらを想定し行われた。
久保委員長は「新宮港は国際港湾施設として地域の産業・経済活動を支える重要な港。コロナ感染拡大の影響で国際のクルーズ船入港の実績はないが、入国制限の緩和などで訪日観光客が増加することが考えられる。訓練を通して、テロ対策の重要性・必要性を再確認するとともに、それぞれの組織のつながりの強化を」とあいさつ。
新宮港公安危機管理担当官の真部克彦・田辺海上保安部長は、関係各位の日頃の取り組みに感謝を伝え「ロシアのウクライナ侵攻など世界が混沌(こんとん)としているが、以前と変わらずテロは発生している。関係機関が一丸となって連携を強めお互いに高め合うことが必要」と訓練の重要性を訴えた。
訓練後には、副担当官の田原正士・新宮警察署長が「実践さながらの訓練で、各機関の連携が確認できる内容。非常に心強く感じた」と講評。
来年5月に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)や、大阪府で行われる関係閣僚会合、また25年に開催される大阪万博などに言及し「国際的に注目を集める行事は、テロの格好の攻撃対象となる可能性が考えられる」。
「絶対に新宮港からテロを敢行しようと画策する者やテロに利用される物を入れさせないという強い姿勢で国際テロ対策に臨む必要がある」と述べ、引き続いての各関係機関のより一層の連携強化とテロへの対処能力の向上を呼びかけた。
(2022年11月11日付紙面より)
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宇久井小でアイスカービング (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童178人)で2日、氷彫刻家の小阪芳史さんによるアイスカービングがあった。チェーンソーやドリルで大きな氷から立体が作り出されていく迫力のショーに、子どもたちから拍手喝采が沸き起こった。
アイスカービングとは、氷から動物や花などの彫刻を削り出すアートで、制作・展示時間が短いはかなさも魅力の一つ。小阪さんはこれまでにも佐野柱松などで毎年パフォーマンスを披露してきた。
小阪さんは、四角い氷と色水を使って繊細な花を作って見せたり、ドライアイスの煙を吹きかけたりするパフォーマンスで子どもたちを楽しませた。重さ70㌔の氷を使った彫刻では、児童は「何ができるのか」とワクワクしながら完成を待ち、2匹のウミガメが現れると「すごい」「ファンタスティック!」と声が上がった。
「最初は真っ白で何を作っているのか分からなかったけれど、氷を切った瞬間にウミガメが現れてびっくりした」「甲羅の模様が繊細ですごいなと思いました」「解けてしまうなんてもったいない」との感想が聞かれた。彫刻は児童玄関に飾られ、下校時に触って楽しんでいた。
(2022年11月11日付紙面より)
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少年少女発明クラブ11月講座 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、市福祉センターで11月講座「ホバークラフトに挑戦しよう」を開いた。市内の小学生の会員18人が参加。奥山均さんが講師を務め、子どもらはホバークラフト(水陸両用車)の仕組みについて学びを深めた。
発明クラブは全国各地で活動をしており、活動は県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
ホバークラフトとは、船体上部から吸い込んだ空気を下部に吹き込み続けることで浮上する乗り物。スカートと呼ばれる側壁の下部と水面または地面の隙間から常に空気が漏れ出ることで船体が空中に浮かび、平坦な面であれば地上・水上・雪上区別なく進むことができる。
飛行機やヘリコプターと同じ航空機に分類されるが、日本の法律では水上走行を主とすることから船舶に分類されている。
奥山さんが仕組みについて説明した後、子どもらは制作を開始。悪戦苦闘しながらも船体を作り、モーターとプロペラを搭載して仕上げた。完成後は試走させ、電池パックの位置を変えるなどバランスを整え、各自改良を加えていった。
市立神倉小学校4年の尾鼻凜さんは「楽しかった。難しくなかったけど走らせた時にぶつかって、それを直すのが大変でした」と話していた。
次回の講座は12月17日(土)、市役所別館での開催を予定している。
(2022年11月11日付紙面より)
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紀南地域高等学校活性化推進協
県立木本、紀南両高校の在り方を検討する本年度4回目の「紀南地域高等学校活性化推進協議会」が8日、県熊野庁舎であった。委員を務める両校や地域の関係者が、アンケート結果を基に中学生、保護者が高校に何を求めているかを分析し、情報共有した。
2025年度に5学級規模の学びをスタートさせる必要があるため▽2校が統合して一つの校地で学ぶ(1校5学級規模)▽2校が連携して二つの校地で学ぶ(4学級+1学級)▽2校が独立して学ぶ(1校3学級+1校2学級)―を想定して協議してきた。本年度中に方向性を決める方針だという。
アンケートは熊野市、御浜町、紀宝町の中学2年生262人と中学1、2年生の保護者486人を対象に実施。
中学生は240人が回答(回収率91・6%)。「高校選択で重視することは」との問いに「通学しやすい」が31・3%だった。1学年当たりの学級数は、1学級(40人)、2学級(80人)、3学級(120人)がほぼ同数となった。学級数を選んだ理由として「多くの出会いに期待する」が半数を超えた。
保護者は415人が回答(回収率85・4%)。5学級規模での学校の在り方は「2校統合(1校5学級)」が44・6%、「統合せずそれぞれの学校で学ぶ(1校3学級+1校2学級)」が35・9%だった。
「2校統合」は▽生徒が少なくなっているので二つの校舎に分ける必要はない。部活動なども強くなる▽今のうちに統合したほうがよい―など、「統合せず」を選んだ理由には▽学力や進路希望に合わせた学習環境を整えてほしい▽2校とも特色があるのでそのままがいい―などの記述があった。
アンケート結果を基に、委員からは「少人数できめ細かに教育してほしいとの思いが表れている」「学級数は出会いへの期待、人数が増えることへの不安が反映されているのでは」「両校存続を望んでいる声が多くあると感じた」「選択肢が少なくなることは求めていないのでは」などの意見があった。
(2022年11月11日付紙面より)
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幼年消防クラブがパレード (那智勝浦町 )
秋の全国火災予防運動(9~15日)に伴って9日、毎年恒例の防火パレードが那智勝浦町であった。町立勝浦こども園(築紫依美香園長)の幼年消防クラブの鼓笛隊や町消防本部、消防団員ら約50人が町役場~那智勝浦観光機構バスターミナルを歩き、火災予防を呼びかけた。
パレードは火災予防と防火意識の高揚が目的。役場玄関前の出発式では、公務で不在の堀順一郎町長に代わり、瀧本雄之副町長が「皆さんの元気いっぱいパレードで、町の人たちに火の用心の大切さを教えてあげてください」とあいさつ。
園児は「僕たち私たちは、火遊びはしません」と誓いの言葉を述べ「よまわりおじさん」を演奏。代表園児が瀧本副町長や湯川辰也消防長、下地将仁団長らから「ミニまとい」を受け取り、パレードがスタート。
鼓笛隊の演奏や拍子木の音が響くと、地域住民や観光客らも足を止め、園児たちの姿を見守っていた。保護者たちもカメラやスマートフォンを手に、共に町を歩いた。
バスターミナルでの解散式では、鼓笛隊が隊列変化に取り組みながら「群青」を披露。築紫園長は「皆さんの前での演奏は、子どもたちにとって大きな自信につながったはず。今後も、火災予防の大切さを地域に伝えていきたい」と述べた。
湯川消防長は「寝たばこをしない」「ストーブの周りに燃えやすい物を置かない」「こんろを使うときはそばを離れない」などを呼びかけ、「園児の皆さんの演奏で町の人にも火の用心の大切さが伝わった。今後も火災のないまちづくりにご協力お願いします」と締めくくった。
最後は町消防本部から、園児たちにすごろくやお菓子がプレゼントされた。
なお、今年町内で発生した火災件数は5件で、建物火災が2件、車両火災が1件、その他火災が2件だった。
(2022年11月10日付紙面より)
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商工祭「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
第26回商工祭「南の国の雪まつり」(来年2月19日予定)に向けた第1回実行委員会が7日、那智勝浦町の体育文化会館であった。新型コロナウイルス感染症の影響で2年間中止となっていた。来年の開催について、出席した各団体のメンバーらが意見を出し合った。
雪まつりは町の商業の活性化や地域振興、ふるさとの再発見、子どもたちの思い出づくりなどを目的に実施。人気の催しで、例年多くの来場者でにぎわってきた。
実行委員長の森川起安南紀くろしお商工会長は「コロナ禍の中、安全安心を有して開催しなくてはならない。会場は役場前で、入り口出口の規制はできない。最も重要なのは、雪を楽しむ子どもたち中心の祭りでなくてはならない」とあいさつした。
事務局から催しの目的や趣旨などの説明があり、出席者全員が自己紹介と開催についての思いなどを述べた。
出席者からは「開催する前提で話を進めたほうがいい。周囲の感染が増加した際は中止すればいい」「前向きに検討してもらい、活性化につなげてほしい」「先進地の感染症対策などを参考にしながら、開催しては」「コロナの第8波の影響が分からないため、第2回の際の状況で判断するほうがいい」「福祉施設としては基礎疾患を持つ利用者さまも多いため、リスクはあると思う」「現状では判断しづらい。直近に改めて検討すれば良いのでは」などの意見が上がった。
那智勝浦観光機構(NACKT)の清水貞吾理事長は「当町は観光の町。明るくにぎわってほしいため、前向きに考えるほうがいい。第7波、8波の動向を注視し、感染対策や開催場所の検討を行ってはどうか」。
堀順一郎町長は開催場所について、敷地が広く、近隣に多数駐車場があるブルービーチ那智駐車場周辺(熊野体験博跡地)を提案。開催については「雪まつりは歴史ある祭り。第8波で中止の場合もあるが、マスク着用し、屋外でのイベント。前向きに進めていっても良いのでは」と見解を示した。
それぞれの意見を受け、森川会長は「開催するほうが良いという意見が多かった。条件さえ整えば開催したい。場所についても、検討を進めていく。開催するとなれば3年ぶりの商工祭となる。これまで以上のご協力を皆さまにお願いします」と締めくくった。
開催の有無を決定する第2回実行委員会は11月末~12月初旬に実施する予定。
(2022年11月10日付紙面より)
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太地小6年生が福祉学習
太地町立太地小学校(海野文宏校長)の6年生5人が8日、地域の高齢者5人と共に福祉体験学習に取り組んだ。児童が高齢者体験の装具を身に着けて平見の高台まで避難路を上り、安全に避難するために必要なことを考えた。
同校は町社会福祉協議会によって「福祉教育推進校」に指定にされており、学年ごとに高齢者や障害のある人々の生活について学んでいる。この日は児童・生徒の福祉教育に関係する各機関で立ち上げた「太地町福祉教育推進委員会」が主催し、民生児童委員、町熟年会(老人クラブ連合会)、町消防団の筋師光博団長、町役場総務課の防災担当・山下真一さんらが協力した。
最初に山下さんが避難路について講話。「津波などの災害から命をつなぐ逃げ道。周囲の状況に合わせ、舗装路や階段、建設足場を用いたものなど、町内に約50カ所ある」と語った。
児童は、膝関節を固めるサポーターや緑内障の視界を再現するゴーグル、イヤーマフなどを身に着け、周囲の手助けを得ながら避難路へ出発。「段差があるから気を付けて」と声をかけ合う様子が見られ、「ゴーグルで足元が見えづらい」「雨が降っていたら滑りそう」「電灯はあるけれど、夜はやっぱり危ない」など意見も聞かれた。
学校では、実際に避難路を歩いて気付いたことや、歩きやすくするための工夫についても話し合っていた。
(2022年11月10日付紙面より)
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秋の火災予防運動初日に (新宮市 )
「秋の全国火災予防運動」初日の9日、各地の消防は防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では新宮、三輪崎、高田、熊野川の4地区に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。今年の全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
運動は、火災が発生しやすい時季を迎えるに当たり、火災予防思想の一層の普及を図り火災の発生を防止し、高齢者を中心とする死者の発生を減少させるとともに、財産の損失を防ぐことを目的に実施している。
市消防本部で行われた新宮地区消防団の出発式には丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から13人が参加した。中谷健兒団長は「今日から火災予防運動週間が始まる。市民の防火意識向上のため、十分な巡回をお願いします」と呼びかけ。車両に乗り込んだ団員らは「火災が発生しやすくなっています」などとアナウンスしながら、市内各所を巡回した。
13日(日)には新宮地区と熊野川地区で総合訓練を実施する予定としている。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店等が密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物等における防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底―の7点。
今年、市消防本部管内では、住宅火災4件、車両火災が3件、その他火災が4件の計11件の火災が発生している(9日現在)。
(2022年11月10日付紙面より)
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新宮市民スポ祭硬式テニス
スポーツ祭典バレー競技
新宮警察署防犯学童軟式野球大会
木戸浦グラウンド (那智勝浦町 )
5月末から緑化事業を行っていた那智勝浦町の木戸浦グラウンド。芝生の養生期間を経て1日から、利用が再開した。6日には地元スポーツ少年団のサッカーチームが真新しい芝生の上で練習に励む姿が見られた。
芝生化は町が進める体育文化会館周辺の公園化事業の一環で、町内外から人々が集える憩いの場とすることが目的。同会館や周辺には津波避難タワーが完成し、安全性向上にもつながっている。
工事はグラウンド内15カ所にスプリンクラーを設置。バックネットから45㍍周辺は土のグラウンドとして残し、約1万800平方㍍の芝生化を行った。
7月18日にはグラウンドを利用する各団体や関係者など約100人が参加し、芝生の植え付けに取り組んだ。その際は各団体からは「緑が一面に広がることを夢見ている」「芝生化で、グラウンドが今までと違う印象になるのが楽しみ」などの声が上がっていた。
町によると、今後は同会館横の枯山水部分に遊具などを設置し、ゲートボール場側をスケートボードなどが行える環境とする計画も視野に入れているという。
堀順一郎町長は「緑化事業のため、7月からグラウンドが利用できない状況にあり、町民の皆さまにはご迷惑をおかけした。新しい芝生を、多くの皆さまにご利用いただけたら幸いです」と話していた。
(2022年11月8日付紙面より)
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第15回那智勝浦町熊野古道ヒルクライム
NPO法人「SPORTS PRODUCE熊野」(角口賀敏理事長/株式会社キナン会長)は6日、3年ぶりに「那智勝浦町熊野古道ヒルクライム」を同町内で開催した。約150人が快走し、標高差567㍍の激しいコースで競い合った。
催しは例年、当地方での自転車レースの周知や普及などを目的に行われていたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から2019年を最後に中止となっていた。
大門坂駐車場から妙法山阿弥陀寺前までの9・5㌔を舞台に実施。▽小学生▽男子中学生以上▽同20歳代▽同30歳代▽同40歳代▽同50歳代▽同60歳代▽女子―の各種目で開かれた。
新宮市を拠点に活動する「キナンレーシングチーム」のトマ・ルバ選手、新城雄大選手、山本大喜選手、花田聖誠選手、小出樹選手の5人がゲストライダーとして参加した。
第15回を迎えた開会式では、大会長の堀順一郎町長が「例年に比べて短い距離ということもあり、短期決戦になるとは思います。けがなく、レースを楽しんでもらいたい。その後は、時間があれば温泉や食事など、那智勝浦を満喫していただきたい」とあいさつ。
角口理事長は多くの参加に感謝し「自転車レースを通じて、さらなる普及と活動に努めていきますので応援よろしくお願いします」と語った。
参加者は同駐車場前で集まると、堀町長の合図とともにスタート。神々が宿るとされている熊野古道沿いの公道で、何度も繰り返されるアップダウンを攻略しながら懸命に駆け上がった。
(2022年11月8日付紙面より)
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健康イベント・消防フェア (串本町 )
串本町くじ野川にある道の駅くしもと橋杭岩で3日、イベント「健康増進イベント」「消防フェア」があり、旅客や住民の利用でにぎわいを見せた。
「健康増進イベント」は町産業課が明治安田生命保険相互会社の包括連携協定に基づく協賛を得て実施した企画。同社は地域貢献事業の一つ「みんなの健活プロジェクト」の一環で野菜摂取レベルや血管年齢をチェックする機会を提供し、同課は同社の啓発物資にボトルドウオーター「串本の水」2本を添えて利用者に配ったり誘い水にして利用を促したりして後押しした。
同協定は昨年8月に町―同社間で締結。このイベントの実施は昨年11月に続いて2回目で、社員の一人として参加した同社新宮営業所の小堂和彦所長は「健康推進はもちろん、大勢の皆さまと接するこの機に地域のいいところも伝えて串本にリピートしてもらえるような貢献もできれば」と話し、応対に励んでいた。
「消防フェア」は同駅の指定管理者が町消防本部に協力を求めたのがきっかけで始まった企画で、おととし、昨年と社会情勢により中止したため3年ぶりの実施。同本部は防火・防災意識を促す目的で▽消防車・救急車の展示〈撮影可〉▽消防車による放水体験▽訓練用水消火器による取り扱い体験▽住宅用火災報知器の紹介▽県の地震体験車「ごりょう君」による揺れの体験―といった各コーナーを設け、同駅は場の提供に加えロケットサイダーなどの進呈品を準備して往来する人々の利用を促した。
町のマスコットキャラクター「まぐトル」も時折登場して子どもやその家族らの興味を引き、利用を後押し。その様子を見守った寺島正彦消防長は「このような形で(守るべき)地域の皆さまと接するのは久しぶりで、気持ちにいっそうの熱が入るような気分。これから寒く、乾燥する時季に差しかかる。地域の皆さまには防火・防災意識、そして新型コロナやインフルなど感染症予防の意識を高めていただければ」と願うところを語った。
(2022年11月8日付紙面より)
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「じゃばらの里の収穫祭」盛況 (北山村 )
北山村青年会(中康行会長)主催の「じゃばらの里の収穫祭2022」が5日、同村下尾井のおくとろ公園で開催された。秋晴れの空の下、村内外から大勢の家族連れらが来場。ステージイベントやグルメ、買い物などを満喫した。
同村の特産品であるじゃばらの収穫を祝って開催する恒例のイベント。昨年は「紀の国わかやま文化祭2021」の地域文化発信事業として実施されており、従来の形での開催は実に3年ぶりとなった。新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、会場ではステージ前の座席配置に当たって間隔を空けるなどの対策を講じ、来場者らにマスク着用や手指消毒への協力を呼びかけた。
総勢70人以上がエントリーした恒例企画の大縄跳び「飛び地でジャンプ」では「国土交通省チーム」が77回を記録し見事優勝。ステージは「○×クイズ」や同村のヒーロー「じゃばライダー」のショー、抽選会などで盛り上がりを見せたほか、HanaHanaフラのメンバーがフラダンスで会場に花を添えた。
会場内にはじゃばら製品や唐揚げ、フルーツサンド、焼き菓子、フリーマーケットなどの販売コーナーや体験コーナーなども設けられ、400食限定の「じゃばらバーガー」、500食限定の「無料しし鍋配布」には多くの人が行列を作った。
中会長は「天候に恵まれ、多くの人に来場いただいた。3年ぶりの開催となったが、コロナ禍前よりも盛況に感じられてありがたい。今年の開催を機に来年、再来年へとつなげていきたい」と話していた。
(2022年11月8日付紙面より)
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町内統一地震・津波避難訓練 (那智勝浦町 )
内閣府と那智勝浦町は5日、南海トラフ巨大地震を想定した「那智勝浦町内統一地震・津波避難訓練」を実施した。町内25地区の住民らが津波から身を守るために近くの高台に避難するとともに、改めて防災への意識を高めた。
和歌山県が2014年に発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。「最も重要なことは、地域住民が災害発生時に避難行動を起こすこと」との考えの下、今回は内閣府と共催で訓練を実施した。各区の自主防災組織をはじめ、新宮警察署や和歌山大学も協力した。
訓練は、町内で最大震度6弱を観測する地震が発生し、直後に「大津波警報」が発令され、10分以内に津波第1波が到達し、最大8㍍の津波が襲来するという想定で実施した。午前9時に日本語・英語で地震発生を知らせる放送が鳴ると、自主防災組織のメンバーらの声かけで町民が避難を開始。災害対策本部への避難状況の伝達や町職員への安否確認メール配信も行われた。
町立勝浦小学校では、元自衛官で役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話と非常用持ち出し袋の解説などもあり、各区の住民らが耳を傾けた。勝浦小学校の5年生44人は防災コマーシャルとしてダンス「こわがりヒーロー」を披露し「3学期の防災学習発表を見に来て」と呼びかけた。終了後には、物資配給訓練として乾パンとエマージェンシーボトルの配布も行われた。
勝浦6区(築地区)の坂井與己区長は「勝浦区の参加者は234人と、区民の15%ほど。今後の課題として取り組んでいきたい」。堀順一郎町長は避難タワーなどの設置で津波避難困難地域の解消に努めていることに言及し「ハード面の整備だけでなく、外国人観光客などのことも想定して今後もさまざまな訓練を実施していきたい。町民の皆さまには、改めて日々の備えの見直しをお願いしたい」と呼びかけていた。
(2022年11月6日付紙面より)
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新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で2日、(公財)佐藤春夫記念会と市教育委員会が主催する「講演・談話・公演『わんぱく時代』の地から」があった。約80人が来場し、佐藤春夫の友人・東熈市(ひがし・きいち)氏の令孫で歌手の東哲一郎さんによる公演や東京大学准教授の河野龍也さんの講演、春夫遺族の髙橋百百子さんと河野さんの談話などを通して、春夫の遺徳をしのんだ。
市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年を迎える節目に合わせ、同施設オープニングイヤー事業として位置付けて開催の運びとなった。なお、市立春夫記念館では2023年2月12日(日)まで、実践女子大学との包括連携協定に基づき、同大学の協力を得ながら企画展「『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」を開催している。
同記念館の辻本雄一館長が司会を務め、速水盛康教育長が開会のあいさつ。東さんが「春夫詩を歌う」をテーマに「海邊の戀」や「秋の夜」「秋刀魚(さんま)の歌」など、春夫の六つの詩に曲を付けて歌声を披露。岩戸崇さんのキーボード演奏に乗せ、ボサノヴァやジャズ、ラテン調などにアレンジし新しい詩の楽しみ方を実践した。
河野さんは「春夫文学の今後」と題して講話。新宮を舞台に、自我の形成史を描いた自伝的小説「わんぱく時代」(1957~58年にかけて朝日新聞で連載)のあらすじを紹介し、現在春夫記念館の企画展で実物が展示されている、少年時代の日記の内容に言及。「当時の日記には文豪としての片鱗が見えない。文学への起源に当たる時期の日記だが、医者を目指してほしいといった父親の目を気にしてか、文学に触れておらず残念」などと話した。
当時の絵地図から「わんぱく時代」の地政学にも触れ、春夫は当時の新宮と熊野地の関係性や土地のイメージを小説に反映していると解説。「町方と地方の伝統的な対立感情を背景にしている。地域の境界に当たる『戸坂』(登坂)の住人である主人公は両地域のパイプ役を担っている」などと説明した。
弱者救済に目覚め、「大逆事件」の犠牲となった転校生の「崎山栄」の人生から「主人公が『こう生きれば良かった』と、もう一人の自分として彼の姿が造形されているのでは」。「危険なところを巧みに回避して生きながらえてきた、罪悪感をもった老詩人が『こういう人生じゃない人生もあったかもしれない』と思いつつ想像力をはせ、少年時代を再現した悲しみの詩」と同小説を読み解いた。
最後には、辻本館長と河野さんが、春夫のおい・竹田龍児と、谷崎潤一郎と千代(後に春夫と結婚)との間に生まれた鮎子の娘である髙橋さんに対して、春夫との思い出などを質問。髙橋さんは文学界から多くの人が駆け付けた春夫の誕生日会について「ごちそうがいっぱいあってにぎやかで楽しかったと記憶している。そうそうたる方がいらしている感覚はなかった」。
春夫と谷崎との関係性については「お互いに意地っ張りだった」と振り返った。
(2022年11月6日付紙面より)
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自動運転サービス本格始動 (太地町 )
町営バスが通行できない対象地区で自動運転サービスの実証実験を実施してきた太地町は1日、車両を1台増やし、本格運用を開始した。車両が2台となったことで、運行間隔がこれまでの45分に1回から約20分に1回に、便数が9便から倍の18便となった。運賃は変わらず無料で、実証実験より利便性が大きく向上した。
同町の10月末現在の高齢化率は45・1%で、総人口2903人のうち、高齢者が1308人を占めている。今回の自動運転の導入は高齢者の移動手段確保が主な目的だが、誰もが乗車できる。
同町は、国が行う自動運転やドローンなどの未来技術を活用し、地方創生を目指す未来技術社会実装事業に昨年採択された。
国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を車両購入に用いた。今年6月から対象区間に電磁誘導線と、車両制御などに必要なタグを埋め込む工事を実施してきた。
対象は暖海、水ノ浦、寄子路、新屋敷、小東、大東の6地区で、区間は3・2㌔(県道1・2㌔、町道2㌔)。車両はヤマハ発動機株式会社のスローモビリティ「AR05」。乗客は4人で、安全確認や手動運転時に操作する運転補助者1人が乗車する。タクシーのように手を上げて乗るフリー乗降制。
同町によると、実証実験時の利用者数は494人。1日平均で9人が利用し、運行率は89・8%となった。役場やスーパー、病院などでの利用が多かったという。利用者満足度の平均は10点満点中、9点以上だった。
複数回利用者もおり、外出頻度の増加につながったとし、自動運転サービスの継続を求める声もあったとしている。その一方で行き先やルートについてサービス拡充を求める声や乗り心地に対する満足度は若干低かったとアンケート結果を示した。
主な変更点は前述の運行に加え、午前の出発時間が8時発から8時22分発に、午後の最終便が午後4時15分発から5時20分発となった。
総務課の和田正希さんは実証実験に関わった近隣住民や和歌山県、新宮警察署、国土交通省、利用者に感謝を述べ「運行していく中で皆さまの声をお聞きし、問題の改善に努めていきたい」。
来年度はエリア拡大も検討しているとし「補助金なども視野に入れ、準備を進めていく。町内外問わず、利用は無料。乗車がまだの方もぜひ気軽にご利用いただきたいです」と話していた。
(2022年11月6日付紙面より)
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七里御浜で11、18日も (熊野市 )
熊野市木本町の七里御浜海岸で4日、市による「花火のまち熊野観光PR花火」があり、熊野の秋の夜空を光の大輪が彩った。11日(金)にはPR花火第2弾、18日(金)には市観光協会による「伝統花火存続のための打ち上げ花火」が繰り広げられる。時間はいずれも午後6時30分から。
例年、10万人以上が訪れ、300年以上の伝統と歴史を誇る「熊野大花火大会」が、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となり、「花火のまち熊野」のイメージが薄れつつあることから、来年の再開に向け、観光客にあらためてアピールするのが狙い。
この日、七里御浜海岸には多くの市民らが集まり、次々と打ち上がる花火を見上げた。秋の夜空を彩る光のショーは約15分続き、人々を魅了した。
11、18日が荒天の場合、PR花火第2弾は12月2日(金)、伝統花火存続のための打ち上げ花火は11月19日(土)に延期となる。
(2022年11月6日付紙面より)
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