2025年06月10日
まちに元気と勇気与えたい
町民体育館でプロレス興行
古座川
第6試合で「ワイルドボアアタック」を仕掛けるジャイアン貴裕=8日、古座川町民体育館

 古座川町高池にある町民体育館で8日、興業「ランズエンドプロレスリング古座川大会」がありリング上の対戦と囲い見る観客の声援が館内に熱狂的盛り上がりを満たした。

 この興業は、町観光協会(坂本直弥会長)が主催。元会長で現広報担当理事でもある町内在住プロレスラー・鈴木貴裕(ジャイアン貴裕)さんの人口減や少子化で活力が下がるまちに元気と勇気を与えたいという思いと、所属する団体「同プロレスリング」の代表を務め、世界遺産プロレスの実施でも知られているプロレスラー・崔領二さんの今の時代だからこそ自分たちにはそれができるという確信が交わり、その共感に1年越しで同協会や町、協賛各社など地域の力が重なり団体興業が実現するに至った。

 開会に先立って坂本会長と崔代表があいさつ。大屋一成町長が開会を宣言し、直後に絡んできたヒールレスラーを悠然と切り返して場内の興奮をあおる一幕も繰り広げた。

 県内在住総合格闘家のエキシビジョンマッチを含めて全6試合構成。メインイベントの第6試合はジャイアン貴裕・大門寺崇・FGマスク組と大谷譲二・ディランジェイムス・崔領二組の対戦。大門寺、ジェイムス、崔の3人は力道山を初代とするオールアジアヘビー級王座経験を持つクラスで、経験5年目のジャイアンはその実力に圧倒されながらも満場からの「ジャイアン」コールに応えて立ち上がり、大門寺とFGが崔とジェイムスをけん制している間に名称を公募して編み出した技「ワイルドボアアタック」を大谷に決め、そのままフォールを奪い勝利した。

 試合を終えて崔さんは「(この興業は)ジャイアン貴裕を男にするために協力してくれた皆さまなしでは開催できなかった。しんどいからもういいかと諦めるのはめちゃくちゃ簡単。だけど自分がやりたい、プロレスで古座川を元気にしたいと思ったから何としても実現させる。そのような根性をジャイアン貴裕からプロレス界一同、学ばせてもらった」と感謝。

 鈴木さんは「古座川町に来たからこそ、この大会が開催できた。移住して良かったと心から思う。皆さん、この古座川町に住んでいることを誇りに思ってください。何もないけど、何にもないならこうして作り出せばいい。自分のやりたいことをしっかりとやる。しんどいし痛いけど今日は皆さんに楽しんでいただけたようで良かったと思う。本当にありがとう」とマイクパフォーマンスでそれぞれ伝えたい思いを掲げ、出場全員で餅や菓子をまいて締めくくった。

 開場後は子ども対象のプロレス教室も実施。開場中は場内物販、会場周辺では地元の定例市「ふれあい市」やキッチンカーの出店もあり、盛り上がりを後押しした。

(2025年6月10日付紙面より)

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まちに元気と勇気を与える興業に出場した選手ら