2024年09月22日
ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第75回】安くて栄養豊富な食材

 最近スーパーに行くと、あらゆる食材の価格が高くて、驚きますね。番組用の買い出しも、どんどん経費がかかるようになっています。先日はスタッフが買ってきたサケの切り身が、一切れ800円で驚きました。でも、食事は毎日のことですし、特に成長期のお子さんがいるご家庭は、きちんと栄養も取らせてあげたいですよね。今日は、どんどん上がる物価高の中でも、比較的リーズナブルで、栄養価の高いお薦めの食材をご紹介したいと思います。

 タンパク質を取るには、鶏肉がお薦め。お肉の中でも比較的安価ですし、タンパク質も豊富です。鶏もも肉は唐揚げなど、お子さんが好きなレシピも多いですよね。むね肉で作ればさらにリーズナブルです! 豚肉だと、豚もも肉もお薦めです。豚バラなどに比べてタンパク質も多いんです。鶏むね肉と同じようにパサつく印象があると思いますが、ゆでたり焼いたりする前に、片栗粉や小麦粉をまぶす、火入れを最低限にするなどの工夫で、しっとり軟らかく仕上がります。

 魚も価格が上がっていますが、私の一押しはサバ缶です! 実は、生のサバより、サバの水煮缶の方がDHAは豊富なんです。さらに缶詰は骨まで軟らかくなっているので、カルシウムも生サバの43倍といわれています。炊き込みご飯にしたり、炒め物にプラスしたりと、使い方も無限大です。

 続いて、緑黄色野菜のお薦めは小松菜です! 小松菜はホウレン草よりも鉄分が豊富で、価格も安定していますよね。タンパク質と一緒に取ることで鉄の吸収率も高くなりますよ。トマトを買うならミニトマトを! 中玉のトマトより、ミニトマトの方がβカロテンが豊富です。節約の王様であるもやしは、ぜひ、大豆もやしを選んでください。大豆もやしは、大豆そのものを食べるよりも、多くの大豆イソフラボンを摂取できるんです。一般的な大豆と大豆もやしの100㌔㌍当たりの栄養素を比べると、「大豆イソフラボン」が1・3倍、葉酸が4・5倍、食物繊維が1・6倍、そして血圧を抑制し、精神を落ち着けてくれるGABAが6倍も含まれていることが分かっています。

 例えば、1品作った時、食材の数が物足りないなとなったら、昆布を使うのもお勧めです。だしを取った後の昆布にも、実は栄養が豊富に含まれています。特に豊富なのはアルギン酸で、これは血圧の上昇を抑制して、コレステロール値を下げる働きをしてくれます。だしを取った後の昆布は捨てずに、食べやすい大きさにカットして、煮物の具材や炊き込みご飯に加えたり、炒め物に入れてみてくださいね。

 その他にも、キノコ類・納豆・豆腐など、安くて栄養価の高い食材はたくさんあります! 物価高だからこそ、安価な食材の栄養価に注目してみてはいかがでしょうか?

(2024年9月22日付紙面より)