2023年08月19日
ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第64回】夏の麺類に注意して

 お盆が過ぎましたが、まだまだ厳しい暑さが続きますね。お子さんがいる方は特に、毎日の食事作りに疲れてきているのではないでしょうか? 夏休みのお昼ご飯は、いつの時代もお母さんの悩みですよね。私がよくされる相談は「毎日、そうめんやうどんでもいいの?」ということです。麺は調理も簡単ですし、手軽なので続いてしまう気持ちもよく分かります。基本的には問題ないのですが、二つほど注意してほしいことがあります。

 まず一つ目は、栄養面です。どうしても麺類は炭水化物が多く、他の栄養がなかなか取れないメニューです。特に気を付けてほしいのは、ざるそば・ざるうどん・そうめんなどです。こういったメニューは、つゆと薬味だけで食べることが多いですよね。肉や卵、豆類・魚などのタンパク質や、野菜・海藻などのビタミン・ミネラルが不足してしまうのです。炭水化物はおなかが膨れるので、麺だけでいいと思ってしまいがちですが、市販のものでもいいので、「冷しゃぶサラダ」や「野菜スープ」、「サラダチキン」などを足してみてください。また、冷やし中華のように、薄焼き卵や、トマト、キュウリ、ハムなどを自分でトッピングするのもいいかもしれません。栄養面でいうと、もう一つあります。実は麺類は塩分が結構多いのです。つけつゆにも塩分が含まれていますが、実は麺そのものにも、塩が入っているのです。給食や病院食に麺類が週1回程度しか出ないのは、そのためだといわれています。塩分過多にならないように、麺類を出した日の他の食事は、塩分を控えめにするなど注意してください。

 そして、二つ目は、冷たいものが多いということです。暑いので、どうしても「冷たい麺」が食べたくなりますよね。私も担当番組では、夏になると「冷たい麺」のレシピをたくさん紹介します。でも、夏はただでさえ、冷たいものを口にする機会が多いものです。飲み物も冷たいものが多くなりますし、おやつも、アイスクリームやかき氷など冷たいものに偏りがちです。冷たいものばかりを食べると、胃腸が弱ってしまい、消化機能が落ち、食欲不振になってしまいます。そうして起こるのが、「夏バテ」なんです。健康に夏を乗り切るためにも、冷たい食べ物はほどほどにした方がよさそうです。そこで、私は常温の麺をお勧めしています。そうめんやそばなど麺をゆでた後、氷水でキンキンに冷やしてしめる!という方がいますが、それはやめて常温の水道水でぬめりをとる程度に冷やしましょう。そしてつゆも、氷を入れたりせずに、できれば温かいもの、もしくは常温で食べてみてください。冷凍うどんなどはレンジで解凍したら、そのまま食べるといいと思います。熱々のつゆでなければ、意外とスルスル食べられますよ!

 夏の麺類はおいしいですし、火を使う時間も短く人気ですが、今日お伝えした2点を少し意識してみてください。そして、夏バテせず夏を乗り切ってくださいね。

(2023年8月19日付紙面より)