2022年06月08日
大きくなれと願い込め
児童がヒラメ稚魚放流
那智勝浦町
ヒラメの稚魚を放流する児童ら=7日、那智勝浦町の那智湾

 那智勝浦町は7日、那智湾に面した「海のホテル一の滝」近くの砂浜で、ヒラメの稚魚の放流を行った。同町立勝浦小学校(山下真司校長)の2年生46人が協力し、約1000匹を海に放した。

 栽培漁業の拡大を図るため、同町が紀州勝浦漁業協同組合に委託している取り組みで、勝浦小児童による放流は1994年から続いている。本年度は今回も含め、那智湾に計8万匹を放流する予定でいる。もともとは1年生が放流していたが、おととしにコロナ禍の影響で中止となり、1年生が実施できなかったため、昨年に2年生となって実施。そのまま今年も2年生が対象となった。

 放流した稚魚は、串本町の県南部栽培漁業センターで2月11日にふ化し、同漁協が受け入れて生後約2カ月、体長約12㌢まで育てたもの。放流後はしばらく、浅い砂浜域で生活し、成魚になると岩礁域に移る。2年で40㌢程度まで成長し、3年以降に産卵する。

 放流に先立ち県職員が、児童らに対してヒラメの生態を説明。児童らは、ヒラメとカレイの違いなどを学んだ後、ペットボトルの容器にヒラメの稚魚を入れてもらい観察した。

 波打ち際へと進み、膝あたりまで海につかり、ヒラメを放流。全員で声をそろえ「ヒラメさん大きくなってね」と呼びかけ、手を振った。

 深海暖(ふかうみ・はる)さんは「かまれるのが怖かったけどかまれなかった。元気に育ってほしい。魚はよく食べる。好きなのはカサゴ」と話した。

(2022年6月8日付紙面より)

[画像クリックで拡大します(再度クリックで非表示にします)

ヒラメの稚魚を放流する児童ら=7日、那智勝浦町の那智湾