原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会は、核兵器廃絶を訴えながら被爆地広島・長崎を目指す「国民平和大行進2020」を実施している。3日には新宮市を出発。5月8日に橋本市から始まった県内の日程はこの日をもって終えた。今後は三重県に引き継がれ、8月4日(火)に集結地の広島平和公園に到着する。
広島と長崎に原爆が投下されて75年目。国連で採択された核兵器禁止条約は、調印国81カ国、批准国37カ国まで広がり(1日現在)、発効に必要な50カ国まであと13となっている。
大行進は1958(昭和33)年6月に、被爆地広島から東京に向けてスタートした。歩くという行動が原水爆禁止への共感を広げ、行進には100万人が参加した。現在では全都道府県および8割以上の自治体を通過し、毎年10万人の人々が参加する国民的行動となった。
今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、県内では集会や徒歩による行進を中止。宣伝カーで各自治体を回り核兵器廃絶への思いをつないだ。新宮市では、市役所駐車場で田岡実千年市長が「唯一の被爆国において、皆さんの活動は有意義なこと。地道な活動が世界から核兵器をなくすことにつながるよう祈念しています」と激励し宣伝カーを見送った。
原水爆禁止和歌山県協議会の里﨑正事務局長は「熊野地方では多くの方々に支えられ、無事に三重県に横断幕をつなぐことができた。今年は新型コロナの影響で行進を行うか悩んだが、多くの方々や各自治体の首長さんに思いを頂き、広島までつないでいけるとほっとしています」と話していた。
原水爆禁止新宮・東牟婁協議会は「日本政府は米国製兵器ではなく、新型コロナ対策を中心とした施策にもっと予算を使い、世界で唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に率先して調印・批准すべき」と呼び掛けている。
(2020年6月5日付紙面より)
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