2020年05月16日
ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第12回】偏食克服レシピ

 前回までは、偏食克服のヒントをお伝えしてきました。どんなに声かけしても、一緒に作っても、生活リズムを整えても、そんなに簡単に偏食は克服できない!!と言う方もいらっしゃると思います。そこで、今回は偏食克服レシピをお伝えしようと思います。

 子どもたちが嫌い!!と言うものは大抵お野菜ではないでしょうか? ピーマンやセロリ、ブロッコリーなど、緑のものは嫌われることが多いですよね。あとはニンジンやトマト、ナスなんかも嫌いというお子さんは多いと思います。ここに挙げたものは全て、細かくカットして加熱することで食べられることが多いものです。カレーやハンバーグに入れるというのは、偏食克服の常とう手段ですよね。これも、細かくカットして加熱しているわけですね。もしもカレーでも嫌がるお子さんの場合は、細かく切るの「細かく」を「もっともっっと細かく」してみてください。これで大抵のお子さんが食べられるようになります。

 野菜が苦手な子どもたちのほとんどは「食感」「香り」「苦味」が嫌というケースです。その「食感」を感じないほどクタクタに加熱して、「香り」や「苦味」を感じない味付けにすることが食べられるポイントです。私の一押しは「そぼろ丼」です。ひき肉と野菜を炒めるだけの超簡単料理なのですが、大切なのは、とにかく野菜を細かくすること。ではそのレシピをお伝えしますね。

  ◇  ◇  ◇

【そぼろ丼(材料2~3人前)】

・鶏ももひき肉…………200㌘

・ニンジン………………1/3本(40㌘)

・ピーマン………………1個

・小松菜…………………1株(45㌘)

・長ネギ…………………1/3本(30㌘)

・ショウガみじんぎり…小さじ1

・目玉焼き・ご飯

《A》

・酒………………………大さじ1と1/2

・砂糖……………………大さじ1と1/2

・しょうゆ………………大さじ1と1/2

・油………………………大さじ1/2

①ニンジン、ピーマン、長ネギをみじん切りにし、小松菜は葉と茎を分けて茎は縦に細切りにし小口切り、葉は粗みじん切りにする。

②フライパンに油を熱し、鶏ひき肉とショウガ、ニンジンを入れて炒める。ひき肉の色が変わってきたら残りの野菜とを加えて汁気が少なくなるまで炒め合わせる。

③丼にご飯をよそい、そぼろを乗せて目玉焼きを添える。

  ◇  ◇  ◇

 たったこれだけです。ポイントは甘辛味! しょうゆと砂糖の甘辛味は、子どもの大好きな味付けなので、しっかり味だと食べてくれることが多いんです。卵黄を乗せて食べたいところだと思いますが、殻に付いたサルモネラ菌がお子さんに感染すると大変なので、目玉焼きがオススメです。ここで余談ですが、目玉焼きって皆さんどうやって作りますか? お水やお湯を入れて蓋をして少し蒸し焼き? 時間があるときはず~っと弱火で一切触らず、蓋もせず焼いてみてください。食品サンプルのような美しい目玉焼きが焼けます。テレビに出す目玉焼きは全て超弱火で時間をかけて焼いているものなんです。

 もちろんレシピはアレンジ自由なので、お子さんの苦手な食材を入れて、冷蔵庫にあるもので作ってみてくださいね。

 3回にわたって偏食についてお伝えしてきましたが、「偏食はそんなに気にしなくていい!」というのが私の持論です。ご心配は分かりますが、年齢が上がると克服できることがほとんどですし、神経質になる必要はありません。時には一緒にお料理しながら、食べられたら思い切り褒めてあげて、今できるコミュニケーションを楽しんでみてください。そして何より、食事は楽しい!という意識を持たせてあげることが、偏食克服につながると確信しています。

(2020年5月16日付紙面より)