2020年05月02日
ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
【第11回】偏食改善のヒント②

 前回は食育改善のヒントとして「一緒に子どもの話をしながら食べる」「ポジティブな声掛けをする」この2点をお伝えしました。今日はさらにもう二つ、ご紹介したいと思います。

 今回ご紹介する一つ目は「規則正しい食事・間食を心掛けよう!」です。偏食と何の関係があるのか…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれはとっても大切なポイントだと思っています。大切なのは「腹ペコ」という感覚です。大人でも、変な時間に食事を取ってしまうと、おなかがすかず、大好きなものが次の食事で出てもイマイチ楽しめないっていうことがありますよね。子どももそうなんです。おなかがグゥ~となるくらい空腹を感じて食べるものは、どんなものでも「おいしい!」と感じられると思うのです。子どもの偏食と生活習慣を研究した論文にはこんな記述があります。「3、4歳では、間食を食べない子に偏食なしの割合が高かった(中略)一方5、6歳では間食の有無との関連は認められなかったものの、間食を食べる時間が『決まっていない』子に偏食の割合が高かった」(日本民族衛生学会「幼児の偏食と生活環境との関連」、2008年)。つまり、間食の時間を決めて夕食までに腹ペコになることが大切ということです。他にも、就寝時間や食事時間なども偏食に関係があることが報告されています。食べたい時に与えるのではなく、時間を決めて食事と間食を与えてみてください。おなかがすいて「食べたい!!」という欲求が強い時なら、苦手なものも「おいしい!」と感じて食べられるかもしれません。そして、もちろん食べられたら「おいしいよね!食べられたね!すごい!」と大げさに褒めてあげてください。

 さて、二つ目は「一緒にお料理をしよう!」です。偏食はどの論文を見ても、女の子より男の子に多いのです。私はこの理由は調理体験の有無と関係していると思っています。最近は随分この男女区別がなくなってきていると信じていますが、女の子の方が興味を示す割合も多いのか、やはりお手伝いや調理体験をする子が多いのではないでしょうか。いずれにしても「親子で食事作りをする」という体験は、年齢が上がるほど有効で、偏食に効果があると考えられています。小さいお子さんでも、手でちぎる・野菜を洗う・お鍋に入れるなどできる調理はたくさんあります。これをやるのとやらないのでは偏食率が変わるんです。食にまつわる問題は、そのほとんどが「食に関心があるか」「食事を楽しいと思っているか」ということに深く関係しています。子どもたちが、食事を楽しいと思えるように、食事作りに参加してもらいましょう。自分で作ったという自信が、食べられるという喜びを生み出してくれるかもしれません。今は特に外出自粛で家での時間が増えています。お子さんの偏食でお悩みの方には、偏食を改善できるチャンスかもしれません! ぜひ規則正しい食習慣と、楽しい食事作りで偏食を改善してみてください。

(2020年5月2日付紙面より)