古座川町添野川で24日、いくさ地蔵尊の例祭があり区民ら約20人が参列して信心を注ぐなどした。
この地蔵尊は、同区の集落北端の川向かいに位置。400年ほど前にあった大坂の陣へ出兵した出身者・彦八が一人残す母の元へ戻れるよう道中の野に埋もれていた地蔵に願ったところ、生きて帰郷することができ成就の御礼として、ふるさと添野川へ迎えて安置したと言い伝えられている。
その由緒から七十余年前の太平洋戦争時には弾よけの護符を作って全国各地から参拝を集めた経緯があり、最近では試験の合格祈願で信心を注ぐ人もいるという。
例祭は毎年1月24日を期日にし、区民らが供物や祝儀を持ち寄って営んでいる。この日は雨上がりの朝となり足元が湿る中だが例年通りの流れで法要を営んだ。区民に加えて西前啓市町長ら区外からも参列があり、同町小川にある宝音寺の伊藤収工住職(添野川にある善光寺の兼務住職)が出向いて経を唱え一同で焼香した。
法要後は供物の餅などをまいて振る舞った。添野川区の山崎勝義区長(70)は今回が区長として初の奉仕となり、「区民の皆さんの日頃の行いのおかげで、心配した雨に降られることなく営めたと思う。この奉仕を通して皆さんの安全と健康、そして平和を願いたい」と向こう一年の加護を願った。
この日は善光寺でも厄よけの祈とうなどがあり、法要後の餅まきが各所で梅花が咲き始める区内に早春の活気を誘った。
(2020年1月25日付紙面より)
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