2019年09月07日
防災拠点施設を整備へ
紀宝町ウミガメ公園に隣接
国交省
道の駅「紀宝町ウミガメ公園」の駐車場に隣接する防災拠点施設の建設予定地(奥の防風林部分)

 国土交通省紀勢国道事務所は、紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」に隣接する防風林に防災拠点施設を整備する計画だ。本年度末から工事を着工する予定で、住民の意見を参考に計画案の詳細をまとめ作業を進めていく。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で震度7の地震と巨大津波により東日本一帯で甚大な被害を受けた。近い将来、中部地方でも東海・東南海・南海地震など南海トラフを震源とする巨大地震の発生が予測されている。

 このことから、同事務所では津波による甚大な被害が想定される太平洋沿岸部(熊野灘地域)での救援・救護活動、緊急物資の輸送などを迅速に行うため、復旧・復興を見据えた地震防災に関する道路啓開(※)を実行するため防災拠点を整備する。

 施設は防風林の一部で約9000平方㍍。防災備蓄倉庫、災害時の避難場所を整備する。地域の防災拠点として非常電源を確保し、道路の規制情報や被災情報などの提供も行う。

 施設の地盤高は10・43~13・26㍍で、三重県が発表した津波浸水予測によると町の最高津波高が12・46㍍に及ぶことから、約1~3㍍の盛り土を行う計画。町では飲料水や貯水槽、避難タワーなど安全安心な道の駅となるよう整備の検討を進めていく。今後も地元説明会を開催する予定だという。

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※道路啓開=がれきなどでふさがれた道を切り開き、緊急車両の通行を確保すること。

(2019年9月7日付紙面より)

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道の駅「紀宝町ウミガメ公園」の駐車場に隣接する防災拠点施設の建設予定地(奥の防風林部分)