2018年09月19日
ハナゴンドウ4頭を捕獲
追い込み漁の今年初漁獲
太地町
網に追い込まれたハナゴンドウ=18日、太地町の太地湾

 太地町で18日、鯨類追い込み網漁の初漁があった。町漁業協同組合所属の太地いさな組合(柚木栄造組合長)の12隻22人の漁船団がハナゴンドウ4頭を太地湾の網に追い込んだ。

 船団は午前5時15分に出港し、7時ごろに太地町沖約11㌔の熊野灘でハナゴンドウの群れ約30頭を発見。畠尻湾に追い込もうとしたが、太地湾で網に追い込み捕獲した。午前11時10分に漁が完了した。

 貝良文漁協参事(58)は「台風の影響か、川からの濁水が入り泥水が出ている関係で沿岸にクジラが寄りにくい状態。頭数は少なかったが、とりあえず捕れて一安心。今後は天候が安定し、クジラがどんどん捕れることを願っています」と話した。捕獲したハナゴンドウはいずれも体長約2・8㍍。

 国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外の漁で和歌山県知事の許可を得て、今月1日から来年春まで漁獲制限を設けて行われる。昨年からはカズハゴンドウとシワハイルカ2種が捕獲対象になった。

 漁を巡っては反捕鯨団体の活動家とのトラブルが絶えず、昨年は1月に地元企業が所有するイルカのいけすの網が切断され、8月末ごろから反捕鯨活動家とみられる約50人が来町した。同10月には白浜町のアドベンチャーワールドで外国人3人がイルカショーを妨害する事案が起きている。

 漁期中は県警本部が町内に臨時交番を設け、第5管区海上保安本部も職員を派遣して妨害活動を監視している。この日の漁獲に対して反捕鯨団体による妨害やデモはなかった。

(2018年9月19日付紙面より)

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網に追い込まれたハナゴンドウ=18日、太地町の太地湾