2018年09月19日
改修状況確かめ活用に弾み
古民家・稲村亭で内覧会
串本町

 串本町串本にある古民家・稲村亭の内覧会が16日にあり、来町中の駐日トルコ共和国大使館ハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使ら関係者が現在行われている改修の状況を確かめ、今後の活用に弾みをつけるなどした。

 稲村亭は1874(明治7)年に棟上げされた古民家で、当時の資産家・神田直堯が飢饉(ききん)救済の礼にと有田の漁師から贈られたスギの巨木(流木)を材料にして建築した。同町域ではトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難救助と並び先人の心意気を伝える象徴の一つとなっている。

 所有者から土地と建物を託された同町は昨年9月、紀陽銀行や一般社団法人ノオトと「和歌山県串本町の歴史的資源を活用した地域活性化に向けた包括連携協定」を締結。同銀行の長期資金面対応など三者支援で昨年11月に同町古民家活用事業の実施主体として株式会社一樹の蔭(博多敏希代表取締役)を設立し、建物を無償譲渡した。

 同町は建物を同社に託して土地利用料を得る仕組み。同社は古民家を貸与活用する位置付けになっていて、同町古民家活用協議会など地域と連携しつつ運営委託先として

今年8月、株式会社subLime(花光雅丸代表取締役)と契約。併せて無償譲渡されている古民家・園部邸と対で来年2月に宿泊・飲食施設「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」を開業させる予定で、両古民家の改修を進めている。

 内覧会は、古民家活用の取り組みに興味を持つメルジャン大使の来町期間に合わせて計画した。出席者はメルジャン大使、ターキッシュ・エアラインズ東京支社のメフメット・アカイ支社長、株式会社紀陽銀行の日野和彦取締役常務執行役員、株式会社NOTEの藤原岳史代表取締役(一樹の蔭協同出資者)、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長(会長代理)、博多代表取締役、花光代表取締役、田嶋勝正町長とその関係者ら。内覧に先だって博多代表取締役が今日に至るまでの経緯を説明し、メルジャン大使はこの仕組みは世界にも見習うべきところがあるとたたえ、日常生活に歴史や文化を取り入れる日本人の素晴らしい姿勢の一端を見せてくれたことへの感謝として藤原代表取締役(=同町古民家活用協議会会長)と花光代表取締役に記念品を贈り活用を強く後押しした。

 花光代表取締役からアカイ支社長に宿泊招待券が贈られ、藤原代表取締役が改めて今日を迎えるまでの各位の支援に感謝。そのような活用の流れを見守った田嶋町長は今後もバックアップする考えを掲げて、今回の内覧を祝った。

 メルジャン大使は博多代表取締役の案内で内覧し、後の懇談で出席各位との歩み寄りを深めるなどした。subLimeは同施設について、オープン時は2棟3室とし2020年までに10棟15室へと活用域を広げたい考え。稲村亭は宿泊と飲食の複合施設とし、史実の巨木で仕立てられた奥座敷2間は飲食用途での活用を見据えている。

(2018年9月19日付紙面より)

改修が進む稲村亭を内覧するハサン・ムラット・メルジャン大使(右から2人目)ら=16日、串本町串本
記念品の贈呈を受ける花光雅丸代表取締役(左)と藤原岳史代表取締役(左2人目)