2018年08月12日
県警と海保が連携
追い込み漁前に訓練
太地町

 太地町で9月から始まる小型鯨類追い込み漁を前に和歌山県警察本部と第五管区海上保安本部は10日、太地港で反捕鯨団体による違法行為を想定した合同警備訓練を実施した。警察官約50人と海上保安官約50人が参加し、陸上と海上で連携して訓練した。

 同町へは平成22年以降過激な環境保護団体などが多く訪れ、漁の無許可撮影など嫌がらせ行為を続けてきた。過去にイルカを飼育するいけす網が2度切断され、昨年1月には地元企業が所有するいけす網が切られた。違法行為は減少しているが、昨年10月には白浜町のアドベンチャーワールドで外国人3人がイルカショーを妨害する事案が起きている。

 現地警戒本部長を務める田辺海上保安部の星﨑隆部長は「近年は過激な抗議活動は減少しているが、気を抜けるような状況ではない。訓練で県警と海上保安庁の連携を一層強化したい。地域の皆さんとの連携も不可欠になる」と協力を呼び掛けた。県警の檜垣重臣本部長は「イルカ漁を巡る情勢は依然厳しい。引き続き未然防止に努め、違法行為には厳正に対処していく。9月から始まる漁を前に万全の態勢を整えてほしい」とあいさつした。

 海上訓練では、追い込み漁操業中の漁船に反捕鯨団体の活動家が乗船するボート1隻とカヤック1隻が接近し、操業を妨害したとの想定で行われた。海上保安本部の小型ゴムボート2隻が逃走を図った反捕鯨団体のボートを捕らえた。陸上訓練では、くじらの博物館のイルカショーの開始直後に活動家が発煙筒を持って妨害。警察官が威力業務妨害で取り押さえた。陸上と海上で連携した訓練もあった。浜からプラカードを船に積み込み、イルカのいけす周辺で業務を妨害する活動家を海上保安本部のゴムボートが追跡し、陸上では警察官が任意同行に抵抗した活動家を公務執行妨害で現行犯逮捕した。

 訓練を見守った太地町いさな組合の柚木栄造組合長(46)は「訓練は非常にありがたい。安心して漁に出られる」と話していた。

(2018年8月12日付紙面より)

船上の反捕鯨団体活動家を捕らえる海上保安官=10日、太地町の太地漁港
威力業務妨害で活動家を逮捕する警察官