2018年05月10日
サイクルロード再着手
太地新宮自転車線
和歌山県
工事が進むJR湯川駅近くの国道42号との接続部分=9日、那智勝浦町二河

 和歌山県が1989年に工事に着手し、98年に一時休止となっていた太地新宮自転車線の旧グリーンピア南紀周辺コースの整備が昨年10月から始まっている。那智勝浦町二河地内のJR湯川駅近くの国道42号から山間へ入る約350㍍の自転車道の工事に着手し、7月末までに完成予定だが、供用開始の時期は未定。

 同自転車線は太地町から新宮市までの自転車道として計画が始まり、太地町側の三軒家トンネル(延長約140㍍)が1992年に完成した。JR湯川駅近くで国道に接続する全長約2㌔の計画だったが、トンネルを含むJRの線路沿いのコース約970㍍が整備された後に用地取得の難航などで工事が中断。900㍍を残し、98年の県公共事業再評価委員会の審議で計画が一時中止となった。年を経てトンネルの整備が必要となり、ルートも行き止まりのため、現在は通行止めになっている。

 本年度の事業は残り900㍍のうち約350㍍区間。6月下旬までにのり面の工事などを整備し、その後に舗装。残りの区間の工事とトンネルの整備なども必要なため、供用は先になる。県は「できるだけ早急にサイクリングが楽しめるように整備したい」と話している。

 国が2017年に施行した自転車活用推進法を受け、県は独自の推進計画を策定。自転車による地域の観光や健康づくりを促進するため、利便性や安全性を備えたサイクリングロードの整備を進めている。川・山・海のルートを設定し、専用道の整備や案内看板、路面表示の充実などに取り組んでいる。

(2018年5月10日付紙面より)

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工事が進むJR湯川駅近くの国道42号との接続部分=9日、那智勝浦町二河
1992年に完成した「三軒家トンネル」