2018年04月29日
津波からの避難訓練も
勝浦観光桟橋で旅客船安全点検
那智勝浦町
旅客船の安全点検を行う署員ら=27日、那智勝浦町観光桟橋

 ゴールデンウイークを前に27日、那智勝浦町勝浦の観光桟橋で、串本海上保安署(亀田進署長)と勝浦海事事務所(長谷潤所長)合同の旅客船安全総点検と防災訓練があった。紀の松島観光、ホテル浦島、ホテル中の島の各所属旅客船計3隻が点検を受けた。

 大型連休で多くの利用者が見込まれる中、旅客船の運行が適切に管理されているか確かめ、運航者の安全意識を高めて海難事故を防止するのが目的。毎年実行している。

 旅客船の法定書類、救命設備、消防設備などの確認をした。近年は特に巨大地震に伴う津波発生時の初動体制などの防災面に力を入れている。今回はホテル浦島、ホテル中の島の旅客船が、航行中の地震・津波発生を想定した防災訓練を各社策定のマニュアルに沿って実施した。航行中の船長が最寄りの避難岸壁に急行し、ホテル従業員らがライフジャケットを装着して避難し、観光桟橋に着岸後、高台へ誘導した。

 長谷所長は「長年にわたって無事故を続けられていることに敬意を表したい。何度も繰り返し訓練することが、お客さまの命を守り、減災につながる」と述べ、亀田署長は「現実に即した訓練と点検ができ、有意義だった。乗客の安全のため改善を加えてほしい」と呼び掛けた。この日午後は串本町有田の串本海中公園センターで同様の安全総点検を実施した。

(2018年4月29日付紙面より)

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旅客船の安全点検を行う署員ら=27日、那智勝浦町観光桟橋
地震発生を想定しての避難訓練も行った